クライシス コア ファイナルファンタジーVII

【くらいしす こあ ふぁいなるふぁんたじーせぶん】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2007年9月13日
定価 6,090円(税込)
廉価版 アルティメットヒッツ:2009年7月30日/2,940円
判定 良作
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク


概要

ファイナルファンタジーVII』のスピンオフ作品群である『COMPILATION of FINAL FANTASY VII』の一作で、通算4作目、ゲームとしては2作目にあたる作品。
『FFVII』本編の回想でのみ登場していた「ザックス」を主人公に据え、『FFVII』本編に繋がる過去の物語を描いた作品である。
『FFVII』本編の主要キャラクター達は多数登場する他、『BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII(ビフォア クライシス -ファイナルファンタジーVII)』(BC FFVII)のキャラクターである手裏剣(女)キャラや、ジェネシスを演じるGACKTの起用による『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』に続く物語だと明示し、
更にこの後に発売された『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN』 (FFVII AC) のブルーレイ移植版では、今作のザックスを代表した決め台詞を追加するなど、他作品との繋がりを強く打ち出している。

ゲームシステム

  • 戦闘システム
    • シリーズでお馴染みのアクティブタイムバトルをアクション寄りにしたもの。剣による通常攻撃と、「マテリア」を装備することで技や魔法を使用することができる。
    • 待ち時間が無くなり、スムーズ且つ自然なアクションが可能になった。*1
    • 戦闘は特定の位置を横切ると敵が現れるゾーンエンカウント式*2。画面は切り替わらず、敵が現れてその場で戦う。
      • エンカウントする位置は、目視はできないものの場所は固定されているため特定の所は除いて避ける事も不可能ではない。
  • D.M.W
    • "Digital Mind Wave"の略。つまりザックスの心理状態を映すもの。ストーリーの演出面でも非常に大きな役割を果たしている。
    • 戦闘中にランダムで3つのリールが回転し、揃った目によってMP消費を無くす効果を得られたり、HP・MP・APを回復したり、無敵になる等様々な効果が現れる。
    • 絵柄はすべて今作の登場人物(と召喚獣)で構成されており、絵柄をそろえると強力な必殺技が発動する。
    • リーチが入ると、時々回想シーンが挿入されたりする。こうした場合は性能が高くなるおまけつき。
      • 簡単に言えばスロットのようなものである。実際、D.M.Wはパチスロから影響を受けたシステムであると本作のスタッフは語っている。
  • ミッション
    • 本編シナリオとは違い、目標の敵を倒していくことで進めていくモード。セーブポイントからいつでも挑戦することができる。
    • 基本的にはザックスの携帯電話にEメール形式で届いたり、NPCに話しかけることで発生する。
  • 強くてニューゲーム
    • クリア後、レベル・一部を除く多くのアイテム・マテリアなどを引き継いだ状態でストーリーを進めることができる。

評価点

  • グラフィック
    • 2007年当時のPSPのゲームの中ではクオリティが非常に高く、PS2にも負けず衰えずの出来映え。特にプリレンダムービーは現時点でもほとんど見劣りしない。
  • 誰でも楽しめる戦闘システム
    • アクションゲーム特有の難しい手さばきは必要とされず、攻撃には○ボタンだけ使えば良いように調整されている。
    • プレイヤーに有利な補正が多く*3ARPG初心者でも簡単にクリアできるようになっている。
  • 豊富なやりこみ要素。
    • ミッションやサブイベントの数も豊富で、シリーズですっかりお馴染みとなった隠しボスもいる。
    • やりこみ要素であるミッションはなかなか難しい。正攻法だけではない難易度の物もあり、コアゲーマーへの配慮も万全。
  • シナリオ
    • 逃れようの無い最期までの切ないシナリオは評価が高い。原作プレイ済みの人ほど「結末に向かってしまう恐ろしさ」を体感することであろう。
    • 全体的に暗い雰囲気で、登場人物もどこか影がある人ばかり。そんな中、ザックスが元気溢れる若者なのが救いでもあり、何より近年では少なくなった真っすぐな主人公である。
      • キャッチコピーの「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。」という言葉通り、セフィロスやザックスといったキャラクターたちの友情面が押し出されており、既存作品では見ることの出来なかったキャラクターと、今作キャラの魅力を堪能できる。特に人として真っ当なセフィロスが見られるのは本作のみ。
    • メインキャラの死亡率が凄まじい。そのために鬱ゲー扱いされることも。
    • 原作を知らないプレイヤーにも理解出来るように解説が入っていたりと、単体でも満足出来る配慮も見られる。
  • 音楽とその演出
    • 石元丈晴氏によるロック調のBGMは好評。
    • 原作の曲も大胆にアレンジされているため賛否が無い訳ではないが、曲自体の完成度は良好。
    • エンディングを飾る本作の主題歌、絢香の「Why」は、絶妙なタイミングで流れる秀逸な演出込みでプレイヤーの心を打つ非常に印象的な曲となった。

賛否両論点

  • D.M.Wの運要素にはなんと レベルアップも含まれる ため、これは賛否を呼んでいる。
    • だが完全に運かと言うとそうではなく、経験値という概念は見えないだけでちゃんと存在しており、レベルアップ分の経験値を得ないといくら待ってもレベルは上がらない。
    • よって戦わなければレベルは上がらないが、戦っていてもD.M.Wのリールが揃わなければ意味がない……と、二度手間とも言える状態になってしまっている。
  • 戦闘関連での賛否
    • 雑魚とのバトルでは当初は基本的に通常攻撃を連打していれば大体問題なく勝てるため、画面の華やかさとは相対的に操作に関しては地味になりがち。この点から本作は「○ボタン連打ゲー」と揶揄されることもある。
      • ただ、ストーリーが進むと○ボタン連打だけでは討伐が難しい雑魚も出てくる。また、ボス戦に関してはかなり忙しい操作が必要にもなったりするため、これはこれである意味メリハリがついていると言えるのかもしれない。
    • また、本作では特定のエリアに足を踏み入れることで確実に雑魚敵とエンカウントするという仕様になっているため、戦闘を避けるためには通路の壁際などを意識して移動することになる点も、「慣れれば戦闘が避けやすい」「いちいち隅を移動するのは面倒だ」などと賛否両論である。
      • エンカウントエリアは固定ではあるがプレイヤーからは見えない。にもかかわらず足を踏み入れるたびに必ずエンカウントするため、人によっては理不尽に感じられる。ただ、裏を返せば意図的にモンスターを狩りたい場合にはこの仕様は大きな助けにもなっている。

問題点

  • FFVII関連作品の例にもれず、ストーリーには原作との矛盾点が見られる。
    • 後付設定なだけに原作と照らし合わせると不自然な描写も点在する。
  • イベントスキップができない。
    • そのためボス戦等のやり直しの際には面倒。周回プレイを前提とする本作では尚更である。
  • やりこみ要素として用意されているミッションだが同じような内容のものも多く、人によっては飽きも早い。

総評

携帯機ながらしっかりとしたアクションゲームが出来る事や、様々な要素が丁寧かつコンパクトにまとめてある作品であり、完成度は高いと言えよう。
そしてまさに「悲劇の原点」となった本作のシナリオには新規・古参層問わず高い評価がされている。
83万本のセールスも、『FFVII』の根強い人気を再確認することとなった。