ファイナルファンタジーIII

【ふぁいなるふぁんたじーすりー】

ジャンル RPG

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1GbitDSカード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 2006年8月24日
定価 ソフト単品:5,980円
クリスタルエディション(DS Lite同梱):22,780円(各税5%込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個+クイックセーブ1個(フラッシュメモリバックアップ)
通信機能 ニンテンドーWi-Fiコネクション、ワイヤレス通信対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 アルティメットヒッツ:2008年10月23日/2,940円(税5%込)
判定 良作
ポイント 『FF3』初の大幅なリメイク作品
ジョブシステムを大幅に見直し、上位下位関係から並列関係に
キャラクターの個性付けもおおむね好評
一部要素の解放に蛇足なメール機能を使用させられる仕様に批判も
ファイナルファンタジーシリーズ

概要

ファイナルファンタジーIII』(『FF3』)のリメイク作。
画面がフルポリゴンになり、キャラクターデザインは新たに吉田明彦氏が担当している。
ゲームシステムが大幅に改変され、難易度が調整されたことにより、オリジナル版未プレイ者も経験者も楽しめるようになった。
田中弘道氏がディレクターを務めたため、彼が統括している『ファイナルファンタジーXI』から輸入された要素も多い。


特徴・評価点

  • 原作の特徴的なシステムであり、後のシリーズでも複数作で引き継がれる「ジョブチェンジ」のシステムを大きく変更。 「どのジョブでもゲームクリアできる」 ことを念頭にジョブが調整された。
    • 原作では後半手に入るジョブは前半のジョブの上位互換的扱いであり(賢者や忍者などのジョブで顕著)、
      一部のジョブは局地的に活躍するものの出番を終えると使う事がなくなる一発屋的なジョブが多かったり(竜騎士や学者など)、装備品やステータスの低さからストーリー前半で使ったジョブを後半まで使っていくようなことは難しかった(モンクや戦士など)。
      また、どうにも役に立たないジョブもあり、ジョブ間に相性の域を超えた格差があるのも確かだった。
    • 原作では戦力にならなかった吟遊詩人や狩人などは大幅に強化され、特に風水師は強力ジョブの一角に食い込むほどになった。別ジョブの下位互換だった戦士やモンクにもそれぞれ装備品や専用スキルが追加され、最後まで使えるようになった。
      • 戦士とナイトでは攻めが得意な戦士*1、守りが得意なナイト*2といった特徴が加えられ、導師や魔人も上位の魔法が使えるが低レベル帯の魔法の使用回数が白、黒魔道師よりも低いといった調整がなされている。
    • 一方、FC版で他の魔道師系ジョブの追随をほとんど許さなかった賢者は大きく弱体化。
      • 賢者は全ての魔法を扱えるという特性は残ったが、召喚魔法が、FC版に比べ有用性が大きく低下した白黒ランダム方式(幻術師と同じ方式)に変更された上に魔法の使用回数が大幅に減少し、知性・精神も減少。汎用性は高いものの、専門職には及ばなくなっている。
      • なお、忍者に関しては単純な弱体化ではなく、物理では忍者が万能選手だったものを、ジョブの個性を持たせるために再調整*3したものである。
+ DS版における各ジョブの変更点

初期ジョブ

  • すっぴん
    • 新規追加ジョブ。FFVにおける同名のジョブと同じくクリスタルの力を得ていない状態という位置付け。今作では風のクリスタルから力を得るタイミングが変更されており、しばらくこのジョブで戦う必要がある。
    • Vのように全ての装備が可能だったり、他のジョブの特性を受け継ぐといった特徴はなく、序盤に装備が多い事とレベル1の白黒魔法を扱えるといった序盤向けのジョブで最後まで戦い抜くにはやや厳しい性能。
    • メンバー全員がそれぞれの私服姿となる為、見た目で言えばかなり個性的。

1つ目の「風のクリスタル」で入手

  • 戦士
    • 装備できる剣が大幅に増え、さらには斧をも扱えるようになった。
      • 特に中盤、新しい剣が手に入らずにナイト共々活躍が鈍ってしまう時期に攻撃力が高い斧も扱えるという利点は大きく働く
    • 専用アビリティは「ふみこむ」攻撃の威力を高めるが、受けるダメージも増えてしまう。リスクを承知で使うか、バイキングのちょうはつと組み合わせる等の使い道がある。
    • FC版における上位職だったナイトと比較して素早い為に行動順が早く、ヒット数が稼ぎやすいのも特徴。結果ナイトよりも攻撃寄りなジョブとして生まれ変わった。
    • ただし、FC版と同様に体力は他の魔道士達と同等。特に中盤は防具が少なく、前衛としては脆さが目立つといった問題点もある。
  • モンク
    • トンファー等の専用装備が削除され、空手家と同様に爪装備となった。装備できるものも専用装備を除いては空手家と同一。
    • 専用アビリティは「かまえる」防御力を高めた状態で、攻撃を受けるとカウンターをしかける。
    • 素手の計算式が変更され、熟練度の影響を受けやすくなった為、序盤であろうと熟練度をあげるとかなりの威力を発揮できる。
    • 風のジョブの中では唯一体力が高めなのでHPを伸ばしたい時にはモンクにするという手もある。しかしながら僅かな差なので神経質になるほどでもない。
  • 赤魔道師
    • FC版では装備できる剣は専用の2種類しかない、知性、精神は白魔道師、黒魔道師よりもかなり低く体力もないと弱いジョブだったが大幅に強化され、FFIのような万能ジョブに返り咲いた。
      • 剣はエクスカリバーといった強力な物も含めて普通に装備できるようになり、防具も戦士や他の魔道師達と同等の装備が出来る為、汎用性が非常に高くなった。装備品が増えた事でFC版同様に盾を装備できる唯一の魔道師という強みも強化されている。
      • パラメーターも知性、精神は専門職に及ばないものの高くなり、魔法も十分に使用に耐えうる威力になった。しかしながらMPは低く専門職の半分ぐらいしか使えないものの、戦闘力があるので移動中に回復くらいしか魔法を使わないのであればこちらで十分賄えるのがポイント。
      • 使用できる魔法がレベル5まで引き上げられた。レベル5の魔法にはレイズ、ケアルダ、サンダガといった有用な魔法が多い為、痒い所に手が届くようになった。
  • 白魔道師
    • FC版と同様にレベル7までの白魔法を扱える。今作でも上位職が登場するまでの間、必然的に白魔道師に頼る事が多くなる。
    • 上位職の導師と比べると低レベル帯の魔法の使用回数で勝るといった差別化が図られているものの、最終的には装備品やステータスの差から導師の方が強くなる。
    • ただし、本作では魔法の威力はジョブの熟練度の影響が大きい為、登場が早いという点で大きなアドバンテージを持っている。また素早さでも上位職よりも高い。
  • 黒魔道師
    • こちらもFC版と同様レベル7までの黒魔法を扱える。その他の点も白魔道師と共通する部分が多い。
    • しかし、本作では状態異常魔法が大幅に弱体化、敵数の減少により攻撃魔法の旨みが減った為、変更が逆風になってしまった。
      • FC版でも黒魔法は攻撃魔法としては召喚魔法にお株を奪われていたが、状態異常魔法が非常に優秀だった為に住み分けが出来ていたがこの変更によりその特性も失われた。
      • もっとも、登場の速さという強みだけは健在。序盤の小人ダンジョンなどでは必須に近い立場のまま。大幅強化された赤魔の方が便利とか言わない。
    • FC版で貧弱だった体力は並程度まで向上し、HP成長の足を引っ張る心配もなくなった。あくまでも並程度であり、高いわけではないのだが。
  • シーフ
    • FC版では火のクリスタルから入手していたが、風のクリスタルに変更。序盤から使えるようになった。
    • 今作では専用アビリティ「盗む」が重要となり、熟練度を高める事で一部の敵からレアアイテムが盗めるようになった。特に非売品の「フェニックスのお」や「グングニル」「まもりのゆびわ」を盗んだり、学者の為に攻撃アイテムを集める等、使い道は多い。
    • 装備出来る武器と防具が増加した事でFC版よりも頑丈に、かつ強くなった。もちろん最後まで使用に耐えうる。

2つ目の「火のクリスタル」で入手

  • 狩人
    • 白魔法がオミットされ、代わりに威力は落ちるが4回攻撃が出来る「みだれうち」が出来るようになった。
      • 矢を4本も使用する為、乱発するとすぐに矢がなくなってしまうが、熟練度が高まるととんでもない威力を出す事もある。
      • また、ブーメランとチャクラムといった投擲武器を装備出来るようになった為、これらを装備すれば矢を使わずに「みだれうち」をする事も可能。
      • 隠れパラメーターである「手熟練度」にも4回分の経験が入るので「手熟練度」を上げるためにみだれうちを連発するといった使い道もある。
    • FC版と同様に紙装甲。さらにはモンク達には装備可能な「ふうまのころも」といった追加装備も装備出来ない為、体装備は中盤の「くろしょうぞく」で打ち止めになってしまうといった問題点もある。
  • ナイト
    • FC版では戦士の上位ジョブだったが今作では力と体力で勝る代わりに素早さが大幅に下がった為にヒット数が伸び悩んだり、敵に先手を取られてしまう場面がみられるようになった。
    • コマンドの「ぼうぎょ」が魔法ダメージも減らす「まもる」になり、レベル1限定だが白魔法も扱えるようになったので守備寄りの性能になったといえる。
    • 瀕死になった味方を「かばう」能力も健在。FC版と比べ、自分が瀕死になった状態でも発動、自分にプロテス等の防御効果がある状態ならば反映されるといった変更点もある。
    • 体力の高さから空手家が登場するまでの間、レベルアップの前にナイトになる事でHPをより多く上げる事が可能となる。
  • 学者
    • FC版ではハイン戦で弱点をみやぶるだけの一発屋という印象が強いジョブだが大幅に強化された
      • 専用アビリティの「みやぶる」「しらべる」は「しらべる」に統合され、さらにはイレースの追加効果まで付加されるようになった。
      • 上級職並みに高い知性を持っておきながら魔法を使えなかったためにほぼ宝の持ち腐れとなっていたが、レベル3までの白黒魔法が使用可能となり、高い知性を生かすことが出来るようになった。
      • 戦闘中にアイテムを使用した時の効果が2倍になるといった特性も取得。高い知性も相まって中盤以降あまり使われなくなる攻撃アイテムでも学者が使うととんでもない威力を発揮する。
    • しかしながら体力が全ジョブ中の最低ランクである点はFC版と同じなので、特にHPが上げにくくなった本作ではこのジョブでのレベルアップは避けたい所。
  • 風水師
    • FC版では水のクリスタルから入手していたが、火のクリスタルへ変更され入手が早くなった。
    • 元々MP消費無しで様々な「ちけい」攻撃を行えたが、場所によっては自分にダメージが返ってくるなど使い辛いジョブだった。
      本作では「ちけい」の失敗によるダメージはねかえりが無くなり、FFVと同じく複数の地形効果からランダムに発揮されるようなった。
    • しかしながら、どれもこれも威力が高く、黒魔法を使用するのが馬鹿馬鹿しくなるほど強い。特に稀に発動する「シャドウフレア」が出た場合、中盤までのボスを瞬殺できるほどの威力を誇る。
      • 具体的には相手の防御力や魔法防御を無視し、見た目に反して無属性の全体攻撃なので熟練度や知性、精神が高まれば安定して高ダメージを叩きだせる。弱点を突くハイン戦などでもお構いなしにダメージを与えてしまえる。
    • 強いて難点をあげれば水場で戦闘した際に頻繁に出る「うずしお」の成功率が低く、実質ハズレ効果であるぐらい。
      • FC版の場合、この「うずしお」が非常に強力な全体攻撃で、むしろ水場にこそ強いジョブだったのだが。
    • ついでのように専用武器である「ベル」系の性能までが飛躍的に向上している。「ちけい」のみを使っていても十分に強いが、実は打撃の性能も高い。
    • 一方で体力は貧弱なままであり、このジョブでレベルアップするとHPの成長は鈍る。

3つ目の「水のクリスタル」で入手

  • 竜騎士
    • FC版ではガルーダ戦に活躍する一発屋の印象が強いジョブだが、本作では水のクリスタルを得た段階でサンダースピアが購入可能になったのでジョブチェンジ後に武器が無いといった状態は回避できるようになった。
    • 槍全般に風属性がついたために飛行系の敵には2倍ダメージとめっぽう強くなった他、槍の種類が大幅に増えた為に最後まで戦い抜けるようになった。
      • 高熟練度のシーフが必要となるが、グングニルを入手すると比較的早い段階で最終装備並みの強さを得る事が可能となる。
    • FC版でも強力だったブラッドランスが市販品になったほか、性能が上がっているので強い槍とブラッドランスを組み合わせる事で攻撃しつつ回復する事も可能。
    • 代わりに仕様上ジャンプが攻撃回避にはほぼ役立たなくなってしまった。ガルーダ戦でも正直竜騎士以外のジョブで挑むほうが楽になる。
  • バイキング
    • FC版では必ずしもなる必要がないポジションのジョブだったが、高い力と体力はそのままに、あらたな専用アビリティ「ちょうはつ」が追加された。
    • 「ちょうはつ」は成功するとそのターンの「敵の防御力を下げる」「物理攻撃のターゲットを自分に向ける」効果を持つ為、使いようによっては非常に強力。
      • 2回攻撃をする敵が大幅に増えた今作では防御を固めたバイキングにちょうはつさせるだけでも他の魔道師の生存率が飛躍的に上がる他、戦士のふみこむ等にも相性が良い。赤魔道師と同様に後列で盾を二刀流するといった使い方がメインとなる事がありうる。
    • 戦士も使うようになった斧からは雷属性が無くなったので、「海の敵に強い」という特性を生かしたければバイキング用武器であるハンマーを使う必要がある。
      • 逆に言うと、雷に強い敵と戦う際は斧へ持ち替えることで対策できるようになっている。また、終盤の敵の大部分が全ての属性耐性持ちという、バイキングいじめのような設定も見直された。
  • 吟遊詩人
    • FC版では特殊コマンドがハズレだらけと最も使い辛いジョブだったが、本作では大幅に強化された
    • 「たたかう」の劣化版だった「うたう」は装備している竪琴の種類に応じた歌を歌えるといった効果に変更。戦闘中に装備を変える事で多数の歌を使い分けることが出来るようになった。
      • ボス含む敵に割合ダメージを与える「破滅の歌」、味方全体を回復させる「癒しの歌」味方全体の攻撃力を高める「攻撃の歌」等、強力な効果を持つ歌が多く、必ず先手で発動できる点も大きな強みとなっている。
    • 「おうえん」「おどかす」はオミットされた。別に要らなかったが。「うたう」に統合されたともいえる。
    • ナイフを装備出来るようになり、戦えるようにもなったのでジョブチェンジ後に全く戦えなくなる事は無くなった。もっとも「うたう」が高性能なのでわざわざナイフを装備させる必要性は薄い。
    • 強いてネックをあげるなら、「うたう」の効果や使い分けの手段について本編中で何の説明もないため、プレイヤーが自力で使用条件や効果について研究するか、外部の情報に頼るかしないと使いこなせないことくらいか。
  • 幻術師
    • 召喚魔法の使い手。FC版と同様に効果がランダムな白黒召喚となる。
      • 相変わらずMPが低めであるものの一部の召喚魔法は威力が大幅に上昇する等の強化が施されている。ケアルガを超える回復量のヒートラ(白)や味方全体の攻撃力を1.5倍にするバハムル(白)等を引くと強力な効果が得られる。
      • しかしながら状態異常にする効果の場合、成功率が非常に低い為に全般的にハズレ魔法となっており、完全に強化されたかといえば微妙な所。
      • FC版では大きな強みだった確実に逃走可能なエスケプ(白)も、テレポでも代用できるようになった事で優位性が失われてしまった。むしろ代用どころか、確実に効果を発揮してくれるテレポの方が便利な有様。
      • また、賢者も白黒召喚になってしまった事からこのジョブのほぼ上位互換になってしまい、あまり救済がなされなかった。
      • MPに関してだけは一応、FC版よりは大きくテコ入れされている。
  • 魔剣士
    • FC版では「暗黒剣」とその同類の防具のみ装備できる特殊な戦士系だったが、普通の剣や鎧も装備可能となり、ジョブ入手直後でも普通に戦えるようになった。
    • 白魔法はオミットされて専用コマンドの「あんこく」を取得。FFIVよろしくHPを消費する事で全体攻撃が可能となる。
    • FC版では分裂モンスターを分裂させない特性を持つ暗黒剣はとあるダンジョンでは必須だったが本作では敵は最大3匹までしか登場できない他、高火力で仕留めてしまえば暗黒剣以外の対処でも可能である為、必須ではなくなった。
      • ただし終盤の敵の大半が、暗黒を含むすべての属性耐性持ちというバランスは見直されたため、最後まで暗黒剣で戦い抜けるようになっている。
        FC版でも最後まで登用することは不可能でないジョブだったが、終盤に少数だけ登場する暗黒属性のない暗黒剣を持つ必要があって、暗黒剣士としてのアイデンティティが怪しかった。

4つ目の「土のクリスタル」で入手

  • 空手家
    • FC版では水のクリスタルから入手していたが、土のクリスタルへ変更された為に入手がかなり遅くなってしまったジョブ。
    • 「ためる」と「かまえる」といった専用コマンドの違いは存在するものの装備品はモンクと同じで素手やステータスでは上回るといった上位職に近い存在になっている。
    • 専用コマンドの「ためる」は防御力が0になるといったデメリットが無くなった為に使いやすくなったものの溜めすぎると自爆するネックは相変わらず健在。
    • ステータスは力と体力に特化しており、特に本作でHPを9999にするには空手家でレベルを上げる事が必須となる。
  • 魔人
    • 黒魔道師の上位職。FC版では登場してほどなく賢者にお株を奪われるジョブだったが、本作では賢者が弱体化したため、黒魔法を扱うのならば最終ジョブとなりうる。
      • ただし、FC版で見せていた戦士系並みに高い体力は落ちてしまい黒魔道士以下となっている。黒魔道士の体力は並程度まで向上したため、HP成長の面では立場が逆転している。
    • 全ての黒魔法を扱うことが出来、レベル5以降の魔法の使用回数が豊富。一方でレベル4までの魔法の回数は低くなっており、上位の魔法に特化した能力となっている。
    • しかしながら黒魔法自体が全体的に不遇なのでFC版ほどの強さはない。
  • 導師
    • 白魔道師の上位職。魔人と同様に賢者の弱体化により白魔法のエキスパートとしての地位を確立した。
      • 主な特徴は魔人と同様。ただし、ホーリーは精神ではなく知性依存に変更された為、導師が放つよりも賢者が放つ方が強くなってしまっている。
    • FC版で人気だったネコ耳も健在。ただし、イングズとルーネスは被らずに脱いでいる。
  • 魔界幻士
    • 賢者の弱体化により「合体召喚」を扱うことが出来る唯一のジョブになった。
      • 全体攻撃かつ高威力で強いのだが、敵の登場数が減った事とHPが大幅に増えた敵が多く一掃しづらくなった。しかしながら黒魔法を全体化するよりもはるかに強い。
      • また、MPは上位ジョブながらも高めなのでガス欠の心配が低いのも強み。
        ただし、これは上位ジョブとしてはの話であり、MPの値は幻術師と共通なため、白魔道士や黒魔道士と比べたら露骨に少ない。また魔人や導師と比べても、上位魔法の使用回数では劣る。
        もっともFC版と比べたら大きくテコ入れされており、探索中に尽きて使用不能になる心配はほぼなくなった。
  • 忍者
    • FC版ではエウレカで入手する封印されしジョブだったが、本作では土のクリスタルから入手するようになった。
    • FC版ではほぼ全ての武器防具を装備でき、力・体力・素早さが全てトップクラスと言う戦士系ジョブの決定版だったが、シーフ用の武器と暗黒剣、加えて源氏シリーズのみが装備できると大幅に装備アイテムが減ってしまった。
    • また、パラメーターの面でも体力が大幅に下がってしまい、前衛に出すには防御力に大きな不安が出るようになってしまった。
      • しかしながら高めの力とシーフに次ぐ素早さ、FC版同様に最強の手裏剣を扱えるといった点から最終ジョブとして戦える程の強さは残っている。
    • 専用コマンドとして「なげる」を取得。今作では手裏剣は装備するのではなく「なげる」から使用するアイテムに変更されている。
  • 賢者
    • 忍者と同様に土のクリスタルから入手するジョブに変更。FC版と同様に全ての白・黒魔法と召喚魔法を使う事ができるが召喚魔法は幻術士の白黒召喚になってしまった。
    • また、知性や精神でも導師や魔人に後れを取るようになった。加えてナイト以下の鈍足になってしまったので敵に先手を取られる事が多い。
    • ガス欠の心配がないほど高かったMPも低くなり赤魔道師と同様に専門職の半分程度になった、レベルを最大にしてもレベル8の魔法の使用回数は4と厳しめ。

隠しジョブ

  • たまねぎ剣士
    • FC版では初期ジョブだったが、本作ではモグネットを進める事で入手できる隠しジョブとなった。
      • 能力はほぼ最低ラインだが、レベルが93を超えると爆発的に上昇し、最終的に全能力がカンストする点もFC版と同じ。
    • 各ジョブの専用装備以外の全ての武器防具を装備可能で、レベル8までの白黒魔法を使用可能…とFC版の忍者と賢者を折半したような能力を持つ。
      • MPは赤魔道師、賢者と同程度で低い為、魔道師系ジョブを食う程ではない。
    • 92レベルまでは体力がとても低いので、このジョブのままレベルアップするとHPの成長が遅れ貧弱になってしまうリスクもある。
  • また、ジョブチェンジに必要なポイント「キャパシティ」が廃止され、ジョブチェンジしやすくなった。
    • ただしチェンジ直後は移行期間として能力値が10%マイナス修正されてしまう。この仕様は不評の声がある(『不評点』で後述)。
  • 就いているジョブの熟練度*4によってキャラが強くなるため、お気に入りのジョブを使い続けるほど有利になるというのもプレイヤーにとって嬉しい仕様。
    その反面、5のようなアビリティ付け替えシステムは搭載されなかったため、様々なジョブを使ってみようという動機付けにはやや欠ける。
    • 後述する問題点にも繋がるが、熟練度を最大にした上であるイベントをこなす事でそのジョブの専用装備が一つだけもらえるといった要素も追加されている。
  • オリジナル版で難易度が高すぎとされた暗黒の洞窟・クリスタルタワー・2ヘッドドラゴン戦などは調整されている。しかし、単純に難易度が下がったわけではなく、メデューサやケルベロスなどオリジナル版で弱かったボスは強化されている。
    • 特にクリスタルタワーやエウレカなど、非常に長い上にテレポで脱出できなかった難所が緩和されているのは大きい。
    • 3Dになった仕様上、モンスター同時出現数は最大3体(一部イベントのみ4体)に減ってしまったが、その代わり敵1体の強さが強化されている。*5
      • 特にドラゴンやバルカンといったFC版では完全に見掛け倒しだった巨大モンスターの強化が著しい*6。フィールドでうっかり遭遇してしまうと全滅の危機があるほどの超強化がなされた。
    • 総合的に見てオリジナル版と比べ難易度は下がったものの、近年のFFシリーズに比べると難易度はやや高い。
  • 音楽も概ね好評。ラスボス戦ではファミコン音源の一部が使用されている。
  • アイテム所持数の制限が廃止された。
    • FC版では限定的なアイテム欄の中で持ち物の取捨選択をする必要があったが、本作では全ての道具を99個まで持てる。
    • ただし、同じアイテムを複数の枠に持つことはできなくなった。このため一つのアイテムごとの所持数は、99個プラス装備している分が限界となる。
    • この仕様ながらデブチョコボも健在であり、不要なアイテムを預けて整理しておくことができる。もちろん、デブチョコボの預かり数も制限がなくなり、全てのアイテムを預かってもらえるようになった。
      • 本作には使うと魔法を発動できる、消耗品ではない装備品がいくつもあるので、使わない品をデブチョコボに預け持ち物欄が整理できることの意義も大きい。
  • バトル時の多段ヒットエフェクトが再現されている。
    • エフェクトの冗長化が嫌われる事が多い為、省略される可能性があった要素だったが、こだわりとして再現された。FC版と同様に爽快感を出しつつストレスを感じさせない良調整である。
    • ただし攻撃モーションの都合なのか、「ヌンチャク」「モーニングスター」といった振り回す武器や、「トンファー」のような独自の構え方・殴り方を必要とする武器は、存在自体がオミットされてしまっている。
  • サラ姫などの、特定期間で参加するゲストキャラが戦闘中に一定の確率でサポートを行ってくれるようになった。
    • 死亡や離脱の描写がストーリーに影響しすぎていた『FF2』の反省からパーティーキャラとしての参加ではなくなった結果、ゲストキャラの影が薄くなってしまっていた原作だが、本作では戦闘支援してくれることで存在感が薄れないよう改善されている。
  • ストーリーに変更された部分がある。
    • 主人公たちの出生地や、後半の大ボスの行動理由や世界に起こった災害の内容が変更されているなど。
  • 後のシリーズで確立した要素・設定に準じて、セリフやパラメータなどに若干の手直しも行われている。
    • 「ニャー」と鳴いていたモーグリが現在のシリーズ設定である「~クポ」で喋るようになる、ボム系モンスターの弱点属性が他シリーズと同じ氷属性となるなど。
  • 原作ではデータ上は存在するが絶対に出現しないようになっていた敵が、レアモンスターなどで出現するようになった。
    • 下記のモグネットによる通信が必要だが、隠しボスも追加されている。

その他の特徴

  • 主人公4人の設定変更。
    • 「少年4人」というパーティ構成から「少年3人+少女1人」という構成に変更され、名前・容姿・性格などの個性が新たに設定された。
      • 「同じ村で育った幼馴染」という設定で序盤の時点で4人全員揃っていたオリジナル版に対し、DS版では「4人の内、2人のみ出身地が異なるため面識がない」と再設定され、序盤のイベントを経ていくごとに段階を追って1人ずつパーティに加わっていくという形に変更されている。
    • 新規イベントも追加はされているが、基本的にオリジナル版の元のイベントにあてはめる形でキャラクターを個性付けしている。

賛否両論点

  • 主人公4人の設定変更について
    • 原作の時点で主人公に台詞があるとはいえ、元々がプレイヤーの分身とも呼べる無個性キャラだった事もあり、FC版経験者からは賛否両論となっている。
    • もっとも主人公達の台詞は原作の主人公達の台詞に近いものも少なくない為、全く別物と断じるほどではない。
      • 余談となるが、当初はもっと主人公達の性格が掘り下げられるイベントも多数作られていたが、やり過ぎると移植(リメイク)作としての面を損なうとの判断から最終的には没になった。イベントの内容自体は断片的ながらROMに残っており、解析サイトなどで知る事が出来る。
    • 後に『ディシディア ファイナルファンタジー』では『III』枠はFC版の設定を引き継いだ「オニオンナイト」が参戦している。
      • DS版の主人公ルーネスもアナザーフォーム(2Pカラー)という形でフォローされている。
  • ルーネス一人から物語が始まる形式となり、4人揃うまでジョブチェンジがお預けとなった。
    • 最初のダンジョン「封印の洞窟」はFC版ではジョブの組み合わせを試しながら攻略するという役割を持つダンジョンだったのだが、本作では初期ジョブ「すっぴん」で通ることになるため、そのような役割はなくなった。
    • アンデッドばかり大量に出る関係から赤魔道士専用の剣「ワイトスレイヤー」が大活躍する、黒魔道士はまだ魔法をほとんど使えないが「聖なる矢」の特効である程度フォローできる、白魔道士が回復魔法「ケアル」で攻撃にも回れるなど、独特の駆け引きを楽しめるダンジョンだったのだが。全員が「すっぴん」という大雑把な態勢で攻略する形式となったため、面白みはかなり落ちてしまっている。
  • イベントにおける台詞がカットされてしまっている部分がある
    • 4人組のじいさんがテレポと称してラッコの頭を使っていたと白状していたやりとりがカットされていたり、一部サブキャラとの会話やナレーションが省略されていたりと、FC版プレイヤーからすると気になる点が散見される。
  • ボスを倒すと何の説明もなくHPとMPが完全回復する。
    • 特にラストダンジョン付近になるとボスと連戦する事が多く、その度に完全回復するので難易度が劇的に下がっている。
      • 強力な魔法を惜しみなく使って全力で戦えるという点はあるものの、せっかく魔法回数で差をつけたジョブ間のバランス調整がほぼ無意味になってしまっている。
    • 本当に何の説明もなく何故か回復しているので、プレイヤーとしても戸惑いやすい。
  • FC版と比べ飛空艇の移動速度が遅くなった。*7
    • もっとも、FC版との比較なしで特段気になるほど遅いという訳ではない。FC版の高速移動は特徴的だったので、それが無くなったのはやはりFC版プレイヤーには気になるところではあるが。
  • 「炎の辞典」や「ルーンのベル」など、FC版では購入できたにもかかわらず本作では非売品になった武器が多い。
    • もっとも宝箱から手に入るので、入手手段は確保されている。ただし量産することはできなくなった。
    • 飛空艇の移動速度と同様、本作単体で考えた際に特に不便ということはない。

問題点

  • 復活の泉について説明がない。
    • 戦闘不能者がいないときに水を飲んでも、「何も起こらなかった」と表示されるだけ。何の効果もない、外れの泉と誤認しがち。
    • FC版では、死者がいなくても「いきかえり!」と表示されていた。
      また復活の泉には必ず十字架状のアイコンも掲げられていたのだが、これも単純に削除され、目印が何もなくなってしまっている。
  • 「モグネット」という新システムを使用するイベントが不評。
    • ゲーム中のNPCや他のFF3プレイヤーにメールを送れるシステムなのだが、問題なのは「本作のおまけ的要素を収録しているイベントの進行条件に、Wi-Fi接続かワイヤレス通信を利用して他のプレイヤーにメールを送るという条件が含まれている」点。そのため、「通信できる友達が周りにいない人間もいるのに通信必須の仕様はひどい」という不評が出た。
    • 具体的に、モグネットの通信を行わなければ開放されないのは、ジョブ「たまねぎ剣士」、最強の剣「アルテマウェポン」、各ジョブの最強装備1つずつ、隠しボス1体。普通に遊ぶだけなら無くても十分クリア可能だが、「一本のソフトとDSだけで完結できない」というのはやはり気になってしまう部分である。
    • しかも、 通信でできることは最大数行程度の長さの手紙を書いて送るだけのメール機能だけ
      • 本当にただのメール機能であり、「署名」などの要素もあるがほぼおまけ程度。ゲームを遊ぶ世代には携帯電話がおおむね行き渡っていた、この2006年という時代にわざわざゲーム機でやることではない。
      • そもそも 純粋な1人プレイ用RPGである本作に全く噛み合っていない 要素であり、「『Wi-Fiでの通信要素を入れる』ことが方針としてあって、そのために無理矢理入れたのでは?」と誰しもが思ってしまうほどゲーム全体の構成から浮いている。
      • また、一時間に一通しか送れない制限もある。DS本体の時計を一時間進めればすぐだが。
    • オリジナル版での初期ジョブであった「たまねぎ剣士」はDS版では隠しジョブとなっており、これを開放するためにモグネットが必須となるため特に批判が多い。
      • 本作でももちろん三色ドラゴンとたまねぎ剣士用のオニオンシリーズは登場するが、たまねぎ剣士がいなければ手に入ったとしても無用の長物になってしまう。
      • 「たまねぎ剣士」はオリジナル同様終盤まで弱いが、専用装備以外の全ての武器を扱い、LV8までの白黒魔法を扱えるようになるといった強化が施された。さらにはLV90代になると専用装備とあいまって爆発的に強くなる大器晩成型。
      • なお初期職は「すっぴん」になっているが、これはFFVのような終盤最強タイプではなく、単に装備が多いだけの弱小性能キャラ。
    • 身近に通信相手がいないプレイヤーたちは、ファンサイトの掲示板で他人と友達コードを交換してWi-Fi接続で通信したり、新たにDSとソフトをもう1組用意してワイヤレス通信することでイベントを進行させていた。
      • メールで会話する機能のためにネットで会話している のだから、なんとも本末転倒な話である。
    • しかも、モグネット関連の解放はソフト毎に共有ではなくセーブデータごとにやり直さなければいけない仕様であるため、最初からやり直すのも気軽にはできない(セーブデータ自体は3つある)。
    • ちなみに、スタッフによれば他の通信要素として育てたパーティ同士を通信対戦させるアイデアもあったが、味方のキャラクター同士で傷つけあうことに懸念があったなどの理由で見送ったと語られている。
      • なお、2014年5月20日にWi-Fiコネクションがサービス終了したことにより、モグネット関連要素の開放はワイヤレス通信を使用するしかなくなった。
    • この欠点は後に移植されたスマートフォン版&PSP版では改善され、通信要素は無くなっている。
  • ほかのジョブにチェンジすると、能力値が10%低下した「移行期間」となり、数回(状況によるが2~10回程度)戦闘をこなさないと本来の状態に戻らない。
    • 移行期間中に再度チェンジすると移行期間が延びてしまう為、どのジョブが使いやすいか見極めるのが難しくなっている。ジョブを変えると能力低下が挟まるため、気軽に色んなジョブを試す気になりにくい。
    • 移行期間から抜けて万全な状態にするためにはわざと戦闘する必要があるため、ボス戦手前などでのジョブチェンジが煩雑になっていたりと、移行期間の存在は評判が良くない。
  • 黒魔道師などの魔法攻撃系ジョブの有用性が下がり、立場がかなり悪化した。
    • 上述のように敵の同時出現数が減った結果、わざわざ魔法で倒す必要性が低下。加えて状態異常系や即死系の成功率がFC版より極端に下がっているため、補助魔法による雑魚の無力化にもほぼ期待できない。
    • 加えて、杖&棒のアイテム使用で3属性魔法が威力こそ劣るものの序盤で入手できて消耗無しに発動できる、白or赤魔導士も行使できてしまう、と完全に役割を奪われている。
      • 終盤になると敵のHPが10000を超える事も少なくなく、さすがに杖や棒は型落ちするがヒット数の関係上限界突破を簡単に起こせる物理攻撃に株を奪われてしまう。
    • こと幻術師に至っては召喚魔法も効果がランダムなのにそのうち状態異常の効果がほぼ完全にハズレ、ランダム召喚が賢者にも使用可能である、幻術師自身もMPのあまり高くないと存在価値が怪しい。
      • これにより黒魔道師系や幻術師は使い方の難しい微妙なジョブになってしまった。こと幻術師はFC版でもさほど使い勝手の良くなかったジョブであるため報われない。
  • 矢が消耗品のままなので、道のりの長いラストダンジョンでは心細い。
    • 狩人に追加された特技「みだれうち」を使うと、一回の攻撃で複数の矢を消費するためなおのこと辛い。
      • 「みだれうち」はブーメラン等の弓+矢以外の武器を装備している時でも使用可能のため、道中の雑魚戦時のみ弓矢以外の武器を装備する事で矢の消費を抑える事は一応可能だが、当然ながら弓+矢装備時よりも敵に与えるダメージは低くなってしまう。
    • 持ち物欄の制限が大幅に緩和された*8ので、お金さえあれば大量の矢を持ち込むことは可能。
    • ただし「同じアイテムを複数の枠に持つ」ことができなくなった*9ため、一種類の矢の所持制限に関してはFC版より苦しくなっている。
  • 下画面に常時ワールドマップが表示されるようになったため、原作では地図を見る魔法であったサイトロが「行った事のない街の位置を示すだけ」と微妙な効果になっている。
    • 同時にFC版において多大なインパクトを残した中盤のあるシナリオでも、下画面に地図が常時表示されている為に台無しになってしまっている。

総評

オリジナルのFC版から様々な面で大幅な変更が施され、特に根幹である「ジョブシステム」「キャラクター」の刷新によって大きく生まれ変わった。
原作の世界観等はよく再現されており、バランスも全体的に見れば良好で「ジョブを使い分ける」意義が出るようになったため、充分な完成度によって評価を受けた。
モグネット周りについては、何でこんな物を入れたのかと首を傾げてしまうところではあるが。

熱心なFC版プレイヤーからはやや批判もあるが、あくまで「思い入れ」の部類であり、SFC版以降のシリーズプレイヤーや新規プレイヤーでも気にするような要素はほぼ無い。
FFシリーズの移植・リメイクの中では成功した部類にあるといえる。


余談

  • 原作のファミコン版は初のFFシリーズのミリオンヒットとなったが、DS版も長期に渡るジワ売れの結果、見事ミリオンセールスを達成した。
  • やり込む場合、HPカンストはFC版より難しくなっている。
    • FC版では最大HP上昇量が「Lv×2+体力×(1~1.5)」だったのに対して、リメイク版では「Lv+体力×(1~1.5)」になっている。
    • そのため、適当なジョブでもHP9999にできたFC版と違って、クリアレベルに達して以降は体力が最も高い「空手家」か、2番手の「ナイト」でレベルを上げていく必要がある。

移植版

  • スマートフォン版
    • iOS、Android、Windows Phoneで販売中。
    • 基本的にはDS版のほぼ丸移植。だが画質は良くなっており、スマートフォンにありがちな操作性の煩わしさも仮想スティックが使いやすめ。
      • 上述のモグネット関連イベントは見直されており、ストーリーを進めて各手紙の送り主に話しかける際に関係の深いキャラを一番上に持っていくことで進めるようになった(サラ姫→イングズを先頭にして話しかけるなど)
      • 今から本作を遊ぶ場合、スマートフォンを所有しているのであればこちらを勧める。
    • iOS版はiPhone/iPod touch用とiPad用が出ているが、どちらも別売りになっているのはマイナスかもしれない。
  • PSP / Steam版
    • スマートフォン版ベースの移植。詳細は以下の項目にて。

ファイナルファンタジーIII (PSP版)

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD
発売日 2012年9月20日
定価 パッケージ版:3,800円
ダウンロード版:3,143円(各税別)
判定 良作
ポイント スマホ版ベースのベタ移植
オートバトル機能で戦闘が楽に
反面、ロード時間は倍以上になった

概要(PSP)

PSP版はスマートフォン版ベースの移植で、画面比率が16:9になるなどグラフィックが再調整されている。
PSP版FF4同様、オリジナル版の音源切り替え機能とギャラリーモード、オートバトルを収録している。


評価点(PSP)

  • バトル中にセレクトボタンを押すことで2倍速で自動的に戦闘する「オートバトル」機能の実装。
    • これを駆使すれば、下記の長いロード時間を差し引いても、総合プレイ時間はDS版より短くなる(裏ボスまで撃破を想定した場合)。
  • モグネット関連イベントはスマートフォン版と同様の仕様で進行するため、DS版より隠し要素の入手が容易となった。

問題点(PSP)

  • 新たにロードが長くなるという問題点が生じた。
    • DS版の2~10倍以上の時間が掛かっており、なおかつインストールプレイでもこの点は軽減されない。

総評(PSP)

スマートフォンベースの移植のため隠し要素の入手が容易になった点も、DS版の不評を払拭する改良点となった。
惜しむらくはロード時間の増加と言う新たな問題の発生ではあるが、その点を許容でき、かつ隠し要素の入手し易さを重んじるならばこちらを選ぶとよいだろう。


余談(PSP)

  • PSP版の移植によりシリーズのナンバリング作品が全てPSハードに対応となった。ゲームアーカイブスも含めればPSPだけで『I』から『IX』まで遊べる。
  • 本作のキャッチコピーである「 『そこに隠し通路あるぞ』 新聞を読みながら教えてくれた親父は、昔 光の戦士だった。 」はオリジナルからリメイクが出るまでの22年の隔たりを感じさせつつ本作が世代を超えてプレイされている情景を端的に示す秀逸な一文であり、ゲーム史においても屈指の名キャッチコピーとして知られている。
    • 元々はTwitterの公募で最優秀賞に選ばれたキャッチコピーである。
  • PSP版をベースに2014年5月10日にSteam経由でのWindows版が配信されたが、当初は日本語対応しておらず日本からの購入もできない、いわゆる「おま国」状態だった。
    • しかし2020年2月28日のアップデートで公式に日本語に対応し、日本のストアでの購入も可能となった。価格は1,980円。
    • この日本語対応に合わせて2倍速オートバトル、ギャラリーモード、オープニングムービーの追加もされている。
    • おま国が解除されたとはいえ中身は2014年配信当時のままであり、Windows10には正式には未対応となっている。一部ではBGMが正常に読み込まれない、音割れが酷いなどの不具合報告もあり、購入には一考を要する。
  • 2021年7月29日にFC版原作に準拠したリマスター移植シリーズ『ピクセルリマスター』の展開・発売に伴い、現在スマホ・Steam版にはタイトルに (3D-REMAKE) の表記が付いている。
    • 同日に発売されたピクセルリマスター版はFCオリジナル版をベースにした2Dドット絵のリメイクであり、主人公が幼馴染の少年4人組に戻った他、DS版からの要素も一部取り入れられている。
    • コンセプトが大きく異なるため、3D版も『ピクリマ』と並行してそのまま配信継続となる。

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  • ファイナルファンタジーシリーズ
  • ニンテンドーDS
  • プレイステーション・ポータブル
  • PSP
  • リメイク作

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最終更新:2022年01月20日 18:39

*1 FC版に比べて装備品が多数増加し、素早さの高さからナイトよりもヒット数が稼げるようになっている。また、防御力を犠牲にして攻撃力を高める「ふみこむ」が追加されたことから、攻撃寄りのジョブになった。

*2 FC版と同様に体力が高く、重装備も出来るが、素早さが大きく落とされたことから行動順が遅くなり、敵に先手を許す事が多い。また、防御効果の高い「まもる」やレベル1の白魔法も扱えるようになったことから守備寄りのジョブの印象が高まった。

*3 武具装備制限がきつくなった代わりに武器を投げつける「投げる」コマンドが追加された。

*4 一応オリジナル版にも存在するが、命中率が少し上昇・ジョブチェンジの消費キャパシティが少し減少という微妙な恩恵であった。

*5 この仕様のため、全体攻撃魔法主体のジョブである魔界幻士は使うメリットが減り、火力を一匹に集中した方が敵を倒すのが早くなっている

*6 例えばFC版ではドラゴンはHP480の雑魚だったが、DS版では11000に跳ね上がっている上に二回攻撃をしてくる

*7 FC版はバグに近い挙動を利用して高速移動させていた。

*8 全てのアイテムを99個まで持てる。FC版では欄に制限があり、中盤以降は枠の管理とアイテムの取捨選択に悩まされた。

*9 FC版では極端な話、「最強の矢×99本」でアイテム欄を埋め尽くすことも可能ではあった。