ファイナルファンタジーIII (DS)

【ふぁいなるふぁんたじーすりー】

ジャンル RPG

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1GbitDSカード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 2006年8月24日
定価 ソフト単品:5,980円
クリスタルエディション(DS Lite同梱):22,780円(各税5%込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個+クイックセーブ1個(フラッシュメモリバックアップ)
通信機能 ニンテンドーWi-Fiコネクション、ワイヤレス通信対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 アルティメットヒッツ:2008年10月23日/2,940円(税5%込)
判定 良作
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク


概要

ファイナルファンタジーIII』のリメイク作。
画面がフルポリゴンになり、キャラクターデザインは新たに吉田明彦氏が担当している。
ゲームシステムが大幅に改変され、難易度が調整されたことにより、オリジナル版未プレイ者も経験者も楽しめるようになった。
田中弘道氏がディレクターを務めたため、彼が統括している『ファイナルファンタジーXI』から輸入された要素も多い。

特徴・評価点

  • このゲームではジョブ(職業)を自由に変更して進んでいくが、オリジナル版では後半手に入るジョブは前半のジョブの上位互換的扱いであり(賢者や忍者などのジョブで顕著)、ストーリー前半で使ったジョブを後半まで使っていくようなことは難しかった(モンクや戦士など)。また、どうにも役に立たないジョブもあり、ジョブ間に相性の域を超えた格差があるのも確かだった。
    それに対し、このリメイクでは「どのジョブでもゲームクリアできる」ことを念頭にジョブが調整された。
    • オリジナル版では戦力にならなかった吟遊詩人や狩人などは大幅に強化され、特に風水士は強力ジョブの一角に食い込むほどになった。一方、FC版で他の魔導士系ジョブの追随をほとんど許さなかった賢者は大きく弱体化。別ジョブの下位互換だった戦士やモンクにもそれぞれ装備品や専用スキルが追加され、最後まで使えるようになった。
      • 召喚魔法が、FC版に比べ有用性が大きく低下した白黒ランダム方式(幻術師と同じ方式)に変更した。その上、魔法の使用回数が大幅に減少し、知性・精神も減少。
      • なお、忍者に関しては単純な弱体化ではなく、物理では忍者が万能選手だったものを、ジョブの個性を持たせるために再調整*1したものである。
    • また、キャパシティ(ジャブチェンジに必要なポイント)やアイテム所持数の制限が廃止され、ジョブチェンジしやすくなった。
      • ただしチェンジ直後は移行期間として能力値が僅かながらマイナス修正されてしまう。移行期間中に再度チェンジすると移行期間が延びてしまう為、どのジョブが使いやすいか見極めるのが難しくなっている。
    • 就いているジョブの熟練度*2によってキャラが強くなるため、お気に入りのジョブを使い続けるほど有利になるというのもプレイヤーにとって嬉しい仕様。
      その反面、5のようなアビリティ付け替えシステムは搭載されなかったため、様々なジョブを使ってみようという動機付けにはやや欠ける。
  • オリジナル版で難易度が高すぎとされた暗黒の洞窟・クリスタルタワー・2ヘッドドラゴン戦などは調整されている。しかし、単純に難易度が下がったわけではなく、メデューサやケルベロスなどオリジナル版で弱かったボスは強化されている。
    • 3Dになった仕様上、モンスター同時出現数は最大3体(一部イベントのみ4体)に減ってしまったが、その代わり敵1体の強さが強化されている。*3
    • 総合的に見てオリジナル版と比べ難易度は下がったものの、近年のFFシリーズに比べると難易度はやや高い。
  • 音楽も概ね好評。ラスボス戦ではファミコン音源の一部が使用されている。
  • サラ姫などのゲストキャラが戦闘中にサポートを行ってくれるようになった。
  • ストーリーに変更された部分がある。
    • 主人公たちの出生地や、後半の大ボスの行動理由や世界に起こった災害の内容が変更されているなど。
  • モーグリの喋り方、ボム系モンスターの弱点属性など、後のシリーズで確立した要素・設定に準じてセリフやパラメータなどに若干の手直しも行われている。
  • オリジナル版でデータ上は存在するが絶対に出現しないようになっていた敵がレアモンスターなどで出現するようになった。下記のモグネットによる通信が必要だが、隠しボスも追加されている。

その他の特徴

  • 主人公4人の設定変更。
    • 「少年4人」というパーティ構成から「少年3人+少女1人」という構成に変更され、名前・容姿・性格などの個性が新たに設定された。
      • 「同じ村で育った幼馴染」という設定で序盤の時点で4人全員揃っていたオリジナル版に対し、DS版では「4人の内、2人のみ出身地が異なるため面識がない」と再設定され、序盤のイベントを経ていくごとに段階を追って1人ずつパーティに加わっていくという形に変更されている。
    • 新規イベントも追加はされているが、基本的にオリジナル版の元のイベントにあてはめる形でキャラクターを個性付けしている。

賛否点

  • 主人公4人の設定変更について
    • 原作の時点で主人公に台詞があるとはいえ、元々がプレイヤーの分身とも呼べる無個性キャラだった事もあり、FC版経験者からは賛否両論となっている。
    • 後に『ディシディア ファイナルファンタジー』では『III』枠はFC版の設定を引き継いだ「オニオンナイト」が参戦している。
      • DS版の主人公ルーネスもアナザーフォーム(2Pカラー)という形でフォローされている。

不評点

  • 「モグネット」という新システムを使用するイベントが不評。
    • ゲーム中のNPCや他のFF3プレイヤーにメールを送れるシステムなのだが、問題なのは本作のおまけ的要素を収録しているイベントの進行条件に、Wi-Fi接続かワイヤレス通信を利用して他のプレイヤーにメールを送るという条件が含まれている点。そのため、「通信できる友達が周りにいない人間もいるのに通信必須の仕様はひどい」という不評が出た。
    • 具体的に、モグネットの通信を行わなければ開放されないのは、ジョブ「たまねぎ剣士」、最強の剣「アルテマウェポン」、各ジョブの最強装備1つずつ、隠しボス1体。普通に遊ぶだけならなくても十分クリア可能だが、「一本のソフトとDSだけで完結できない」というのはやはり気になってしまう部分である。
    • そういう身近に通信相手がいないプレイヤーたちは、ファンサイトの掲示板で他人と友達コードを交換してWi-Fi接続で通信したり、新たにDSとソフトをもう1組用意してワイヤレス通信することでイベントを進行させていた。
    • しかも、通信でできることは最大数行程度の長さの手紙を書いて送るだけのメール機能だけ(「署名」などの要素もあるが、ほとんどおまけ程度)。また、一時間に一通しか送れない制限もある(DS本体の時計を一時間進めればすぐだが)。
    • オリジナル版での初期ジョブであった「たまねぎ剣士」はDS版では隠しジョブとなっており、これを開放するためにモグネットが必須となるため特に批判が多い。
      • 「たまねぎ剣士」はオリジナル同様終盤まで弱いが、LV90代になると専用装備とあいまって爆発的に強くなる大器晩成型。
      • なお初期職は「すっぴん」になっているが、これはFFVのような終盤最強タイプではなく、単に装備が多いだけの弱小性能キャラ。
    • しかもセーブデータごとにモグネットをやり直さなければいけない仕様となっているため、最初からやり直すのも気軽にはできない(セーブデータ自体は3つある)。
    • ちなみに、スタッフによれば他の通信要素として育てたパーティ同士を通信対戦させるアイデアもあったが、味方のキャラクター同士で傷つけあうことに懸念があったなどの理由で見送ったと語られている。
      • なお、2014年5月20日にWi-Fiコネクションがサービス終了したことにより、モグネット関連要素の開放はワイヤレス通信を使用するしかなくなった。
    • この欠点は後に移植されたスマートフォン版&PSP版では改善され、通信要素は無くなっている。
  • 黒魔導士などの魔法攻撃系ジョブの有用性が下がり立場がかなり悪化した。
    • 上述のように敵の同時出現数が減った結果、わざわざ魔法で倒す必要性が低下。加えて状態異常系や即死系の成功率がFC版より極端に下がっているため、補助魔法による雑魚の無力化にもほぼ期待できない。
      • 本作での調整で黒魔法系はその役割を奪われ、召喚魔法も効果がランダムなのにそのうち状態異常の効果がほぼ完全にハズレと化した。これにより黒魔導師系や幻術士は使い方の難しい微妙なジョブになってしまった。
      • こと幻術師はランダム召喚が賢者にも使用可能であること、幻術師自身もMPのあまり高くないジョブであることから、魔法そのものの扱い辛さに目をつぶってすら賢者の下位互換に近い有様。FC版でもさほど使い勝手の良くなかったジョブであるため報われない。
  • FC版と比べ飛空艇の移動速度が遅くなった。
  • 炎の辞典やルーンのベルなど、FC版では購入できたにもかかわらず本作では非売品になった武器が多い。
  • 矢が消耗品のままなので道のりの長いラストダンジョンでは心細い。
    • 狩人に追加された特技「みだれうち」を使うと、一回の攻撃で複数の矢を消費するためなおのこと辛い。
      • 「みだれうち」はブーメラン等の弓+矢以外の武器を装備している時でも使用可能のため、道中の雑魚戦時のみ弓矢以外の武器を装備する事で矢の消費を抑える事は一応可能だが、当然ながら弓+矢装備時よりも敵に与えるダメージは低くなってしまう。
    • 持ち物欄の制限が大幅に緩和された*4ので、お金さえあれば大量の矢を持ち込むことは可能。
    • ただし「同じアイテムを複数の枠に持つ」ことができなくなった*5ため、一種類の矢の所持制限に関してはFC版より苦しくなっている。
  • 下画面に常時ワールドマップが表示されている為、地図を見る魔法であるサイトロが「行った事のない街の位置を示すだけ」と微妙な効果になっている。
    • 同時にFC版において多大なインパクトを残した中盤のあるシナリオでも下画面に地図が常時表示されている為に台無しになってしまっている。

総評

オリジナルのFC版から様々な面で大幅な変更が施されたが、モグネット周りの不評を除けば大きく問題視される要素はなく、充分な完成度によって評価を受けた。
FC版のプレイヤーからは賛否両論だが、FFシリーズの移植・リメイクの中では成功した部類にあるといえる。

移植版

スマートフォン版

  • iOS、Android、Windows Phoneで販売中。
  • 基本的にはDS版のほぼ丸移植。だが画質は良くなっており、スマートフォンにありがちな操作性の煩わしさも仮想スティックが使いやすめ。
    • 上述のモグネット関連イベントは見直されており、ストーリーを進めて各手紙の送り主に話しかける際に関係の深いキャラを一番上に持っていくことで進めるようになった(サラ姫→イングズを先頭にして話しかけるなど)
    • 今から本作を遊ぶ場合、スマートフォンを所有しているのであればこちらを勧める。
  • iOS版はiPhone/ipod touch用とiPad用が出ているが、どちらも別売りになっているのはマイナスかもしれない。

PSP版

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD
発売日 2012年9月20日
定価 パッケージ版:3,800円
ダウンロード版:3,143円(各税別)
判定 良作
  • PSP版はスマートフォン版ベースの移植で、画面比率が16:9になるなどグラフィックが再調整されている。
    • PSP版FF4同様、オリジナル版の音源切り替え機能とギャラリーモード、オートバトルを収録している。
    • モグネット関連イベントは、スマートフォン版と同様の仕様で進行するので、DS版より隠し要素の入手が容易である。
  • 新たにロードが長くなるという問題点が生じた。
    • DS版の2~10倍以上の時間が掛かっており、なおかつインストールプレイでもこの点は軽減されない。
  • バトル中にセレクトボタンを押すと、2倍速で自動的に戦闘する「オートバトル」機能の実装。
    • これを駆使すれば、上記の長いロード時間を差し引いても、総合プレイ時間はDS版より短くなる(裏ボスまで撃破を想定した場合)。
  • なお、この移植によりシリーズのナンバリング作品のすべてPSハードに対応となった。ゲームアーカイブスも含めればPSPだけで『I』から『IX』まで遊べる。
  • この作品をベースに2014年5月10日にSteam経由でのWindows版が配信されたが、残念ながら日本の公式ストアからは購入できない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)。当然ながら日本語表示にも対応していない。

余談

  • 原作のファミコン版は初のFFシリーズのミリオンヒットとなったが、DS版も長期に渡るジワ売れの結果、見事ミリオンセールスを達成した。
  • やり込む場合、HPカンストはFC版より難しくなっている。
    • FC版では最大HP上昇量が「Lv×2+体力×(1~1.5)」だったのに対して、リメイク版では「Lv+体力×(1~1.5)」になっている。
    • そのため、適当なジョブでもHP9999にできたFC版と違って、クリアレベルに達して以降は「空手家」(最も体力が高い)か「ナイト」(2番目に体力が高い)でレベルを上げていく必要がある。