第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇

【だいにじすーぱーろぼっとたいせんぜっと はかいへん/さいせいへん】

ジャンル シミュレーションRPG


対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 各1枚orダウンロードソフト
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 B.B.スタジオ
発売日 〈破界篇〉UMD版:2011年4月14日 / DL版:2012年3月8日
〈再世篇〉UMD/DL版:2012年4月5日
定価 〈破界篇〉通常版:7,329円 / SPECIAL ZII-BOX:7,854円
〈再世篇〉7,330円(全て税込)
廉価版 PSP the Best:2014年2月20日/各2,880円
判定 良作
スーパーロボット大戦シリーズ


概要

新シリーズ始動と謳われていた『スーパーロボット大戦Z』(以下「前作」)の続編にして、PSP初となる完全新作スパロボ。
略称は、全体を指すときは「第2次Z」または「ZII」(ゼッツー)。個別に指すときは「破界篇」「再世篇」。

参戦作品が派生作品を含めて破界篇全34作品・再世篇全40作品という過去最大のボリューム。
新規参戦枠として、ほぼ確実視されていた『機動戦士ガンダム00』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』、機体の性能的にスパロボ参戦は厳しいと言われていた『地球防衛企業ダイ・ガード』、そして版権的に絶望とまで言われていた『天元突破グレンラガン』、根強いファンを持ちながら同様に版権問題が噂されていた『装甲騎兵ボトムズ』シリーズが参戦し、ファンを歓喜させた。
その他にも、近年は『Endless Waltz』ばかり参戦していた『新機動戦記ガンダムW』が数年ぶりのTV版前期からの参戦、『六神合体ゴッドマーズ』や『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』は初参戦から数年を経て初めての声付き参戦 *1 となった。また『GC』『XO』以来となる『無敵ロボ トライダーG7』が登場した事で、既存組の『無敵超人 ザンボット3』『無敵鋼人 ダイターン3』と合わせてスパロボ史上初めて「無敵シリーズ」が一堂に揃う事となった。
そして、前作からの続投組は一部を除いてほぼ全作品が参戦。参戦できなかったのは今作の作品(『真マジンガー』や『真ゲッター』、劇場版『エウレカセブン』)との兼ね合いが難しかった『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』『ゲッターロボG』『交響詩篇エウレカセブン』 *2 だけである。
再世篇では『太陽の使者 鉄人28号』『マクロス ダイナマイト7』が新規参戦している。

『COMPACT2』以来の分割構成の作品であり、またプラットフォームがPSPに移った事や前作の豪華な設計や癖の強さなども相まって、今作にも注目が集まっていた。

特徴

  • マシンスペックに合わせたシステムの簡略化。PSPの操作性や画面サイズに合わせた構成になっている。
    • 前作で採用していた小隊システムとバザーが廃止。
    • 3Dマップを採用していた前作から2Dマップに変更。
    • 会話シーンでのキャラグラフィックもバストアップグラからウィンドウアイコンへ変更となった。
      • 過去のPSP作品である『MXポータブル』や『Aポータブル』の反省を考慮したのか顔グラフィックの種類が非常に豊富。さらに『破界篇』において顔グラフィックが1つしかなかったキャラも『再世篇』では多くなっている。特定のイベント限定でしか拝めないものも存在し、中には『真マジンガー』のピグマン子爵(本体)のようにキャラクター事典の表情集では確認できないレアなものもある。
  • サブオーダーシステムの導入。
    • インターミッションにて、その前のマップで出撃しなかったメンバーに「トレーニング(PP20増加)」「パトロール(撃墜数2増加)」「シミュレーター(経験値500増加)」「資金調達(500×そのパイロットの現在のレベルの資金を入手)」を各項目ごとに5人まで出す事ができる。
    • これにより、小隊システムが廃止された事によって大幅に増えた2軍メンバーの救済がある程度為されている。
  • 強化パーツの調整。
    • 消費パーツが従来の「一度使うと無くなる」仕様から『NEO』の「1マップに1度しか使えないが、使ってもなくならない」仕様になり、有用性が増した。
    • 特定のエースボーナスや隠し要素など、入手手段も増えた。
  • エースになる条件に必要な撃墜数が従来の50機から70機に増加。その代わり、従来のエースボーナスに加えOGシリーズと同様にキャラごとに固有のエースボーナスが得られる。
    • エースボーナスはキャラの長所をより伸ばすものが多いが、中には『マクロスF』のアルトのエースボーナス(移動後に機体の変形が可能になる。人呼んで「早乙女スペシャル」)のようなネタに近いものもある。
    • 一部のキャラは『破界篇』と『再世篇』でエースボーナスの内容が変更・強化されている(アルトの場合、更に「分身」が追加され回避に磨きがかかる)。
  • 『再世篇』では切り払いなどを発動させる特殊技能のブロッキングが廃止され、盾/剣装備機体であれば特殊技能なしで切り払い・シールド防御が発動するようになった。
    • 当然ながら敵にも適用される。そのためブロッキングを持ってないと思ってザコに接近戦を仕掛けたら普通に切り払われるという事態が発生した。踏み込みが足りん!再び。確率は低めだが。
  • パイロットのレベル上昇による一部特殊技能の成長が廃止。
    • 底力やカウンター、援護などの特殊技能がパイロットごとに最初から一定のレベルに固定され、成長しなくなっている。ただし超能力やニュータイプ、指揮官など上書き不可の先天性技能は従来通りパイロットのレベルに応じて成長する。
    • なお、これは味方に限ってであり、敵については底力なども従来通りレベルに応じて成長する。

評価点

シナリオ関連

  • 前作とは違う多元世界で物語が始まる。世界観の都合上他作品との両立が難しい『コードギアス』の世界観 *3 をどう再現するかが注目されたが、本作ではエリア11としての日本と普通の日本を同時に存在させる(つまり本作の舞台となる多元世界には日本列島が二つ存在する)という荒業で解決した。ちなみに開発上の都合だけでこういう形にしたわけではなく、『再世篇』にてシナリオ上の理由が明かされる。
    • これ以外の『グレンラガン』や『真ゲッター』、『ボトムズ』といった他作品との両立が難しい参戦作品についても、多元世界ということを最大限に活かした世界観構築によって破綻させることなく原作再現やクロスオーバーを成し遂げている。
    • 『ガンダムW』のガンダムパイロットや『ガンダム00』のソレスタルビーイング、『コードギアス』の黒の騎士団といった、原作ではテロリスト扱いされている面々の扱いもどうなるか注目されていたが、彼らはほぼ全編で味方として登場している。更に物語当初は影で暗躍するテロリストとの戦いが展開される事も多いため、「スーパーテロリスト大戦」と揶揄される事も。
  • 前作続投組は中盤まで一切登場せず新規参戦組だけでシナリオが進むため、続編もののジレンマである「前作をやっていないのでストーリーが掴めない」という難点がある程度緩和されている。
  • スパロボ恒例のギャグシーンも健在。
    • 「人質にされた自軍パイロットの母親を他のメンバーが(生身で)救出する」という至極真面目な展開のシナリオがあるのだが、救出メンバーがあまりにも強すぎたために無双状態になってしまい、シリアスを通り越してギャグになってしまった。敵軍涙目。ただ過去のスパロボ作品の生身の戦闘力の高さを鑑みるとこれでもまだ優しい方なのであるが…。
    • 『再世篇』では『ザブングル』のティンプ、『ビッグオー』のベック、『ボトムズ』のカン・ユーによる奇跡の悪役お笑いユニットが誕生。彼等のあまりにも違和感の無い遣り取りは密かに人気が高く、特にカン・ユーに対する過剰なまでの弄り具合は逆に彼に対するスタッフからの「愛情」すら感じさせる。
  • シナリオ自体も前後編ながらそれぞれで話はひとまず纏まりがついている。それでいて後編および続編への期待も持たせる内容であり、評価は高い。
    • クロスオーバー・if展開も多く、多くのファンが望んだであろう『逆襲のシャア』のアムロと『ガンダム00』のリボンズの掛け合い *4 、『ダイ・ガード』&『トライダー』、『ガンダム00』&『ガンダムW』&『コードギアス』による大胆なクロスオーバー、ルルーシュとスザクの全ての蟠りが解ける『コードギアス』のif展開など見所は非常に多い。
    • また、現在では完全にネットスラングとして定着している「黒歴史」という言葉を、自軍キャラクター達が「本来の意味」と「ネットスラングとしての意味」の両方で使う場面が存在する。これもある意味本作ならではの場面だろう。単なるメタ的な話でもなく、この言葉自体が本作の世界に深く関わるものになっている。

オリジナルキャラクター関連

  • 今作のオリジナル主人公であるクロウ・ブルーストは、所謂「王道シリーズ」作品では珍しい完全固定型の主人公 *5
    • 莫大な借金を抱えて借金取りに追われている最中、ふとしたことから試作機ブラスタに乗り込む事となり、借金返済のためにブラスタのパイロットとなって戦う…というのが大筋な流れ。そのためか、シナリオの節目ごとにクロウの借金の残高が表示されるという演出がある。あくまで演出なのでクロウの行動で残高が変化したり獲得資金に影響が出たりといったことはない。
    • 戦う理由が借金返済だったりある場面でジョジョネタを口走ったりと二枚目半~三枚目な描写が多いが、基本的に仲間想いかつ義理人情に篤い常識人で、なおかつ決めるところではしっかり決める。そのためプレイヤーからのウケは良く、親しみを込めて「さん」付け *6 、または名前をもじって「苦労人」と呼ばれたりしており、登場間もないながらOGシリーズ参戦を望む声も多い。
    • 版権キャラとの絡みも結構多く、特に『ガンダム00』のロックオン兄弟、『ダイ・ガード』の青山、『ガンダムW』のデュオで結成した通称「貧乏クジ同盟」との絡みは好評。その中でも初代ロックオンとは親友と言っても差し支えない関係であり、後継機のある武装使用時のセリフには多くのプレイヤーが感涙に咽んだ。
    • 『再世篇』ではとある事情により「序盤から主人公不在」という歴代シリーズでも珍しい状況で物語が展開するが、満を持して自軍との合流を果たしたクロウが加入ステージ限定で発する戦闘台詞の数々に、彼が辿るその後の運命を連想して爆笑する者、「それでこそクロウさんだ」と妙に納得してしまう者などが続出した。
  • クロウの上司で豪胆な姉御的存在のブラスタ開発者トライア・スコート、『再世篇』では弟子ポジションを担い、序盤にクロウの長期不在をカバーする黒歴史持ち熱血恋愛少女エスター・エルハス、『破界篇』ではモブキャラ扱いだったが、妙に濃い存在感を発揮した事で『再世篇』では正式なキャラクターに昇格した借金取りのゼニトリー・マッセ *7 と、主人公周辺のサブキャラ達に対する評価も良好。
  • 本作の黒幕(ラスボスに非ず)とも言えるアイム・ライアードは、「私は嘘つきです」の名前通り発言のほとんどが嘘で味方キャラ(とプレイヤー)の神経を逆撫でしてくる悪役ではあるのだが、最期の描写から現在ではむしろネタキャラ扱いされている。
  • また、ライバルキャラ(兼ヒロイン)であるマルグリット・ピステールも、スパロボお得意のダイナミックな乳揺れカットインを披露し、且つクールで凛とした女騎士という外見とは裏腹に実は…?というキャラ造型から人気のあるキャラとなっている。
  • また「虎の威を借る狐」を地で行く小物、シオニー・レジスが歪んだ人気を誇っており *8 、多くのコミュニティでネタにされている愛されている。『破界篇』においてはいわゆる悪役なのだが、『再世篇』と『第3次Z天獄篇』にてフォローがなされている。
  • 『再世篇』では前作の主人公であるランド&メールとセツコも登場。排他ではなく、3人とも同時に登場する。
    • ただしどちらも序盤~中盤で登場して間を置かずに離脱し、終盤にならないと復帰しないため、「もっと使いたかった」という声もある。
    • 元々結構キャラの濃い連中であり、あまり出しゃばるとクロウの存在を食ってしまう危険性があるので、仕方なかったと言えば仕方なかったのかもしれない。
  • 『再世篇』では守るべきものや信念のために敢えて魔道を歩む「偽悪*9 が裏テーマになっている模様で、序盤と終盤(もしくは『破界篇』と『再世篇』)で印象がガラリと変わる敵キャラも多い。
    • 『再世篇』でのオリジナル敵勢力の構成員は、最初は頼りない印象(というかぶっちゃけヘタレ)だが仲間の死をきっかけに大きく成長したり、当初は奸臣だったが最後は主君の為にその身を捧げる忠臣に変化したりと好人物揃い。終始敵対関係にあるため、一部キャラに関しては『仲間にしたかった』と残念がる意見も見られる。

システム関連

  • ゲームテンポの良さ。
    • データインストールを採用した事により、ディスクメディアとは思えないほどのテンポの良さを誇る。過去のPSP作品である『MXポータブル』や『Aポータブル』と比べると技術力の向上が見て取れる。
      • ただしデータインストールを利用しないとロードが長い上、演出とセリフがずれる。またインストール容量も1GB前後と多い。
    • ゲームバランス的にも全体的に高い水準で纏まっており、ボスのHPインフレもそう酷くない。
    • 自軍フェイズに攻撃を仕掛ける際、戦闘前の行動選択画面から精神コマンドを使えるようになった。
      • 戦闘直前にかけ忘れた精神コマンドをかけたり命中率・回避率を見ながら必要な精神コマンドを選べるようになったため、快適性が増している。
    • 『再世篇』から、勝敗条件で最終目的を確認できるようになった。
      • 満たすとマップクリアになる場合、勝利条件が青く表示される。これによってマップクリアが条件に絡むSRポイントを獲得しやすくなった。
  • バグが少ない。
    • 前作では声バグと言う重大なバグを抱えていたが、こちらではそういった重大なバグの報告はほとんどない。
      • 『破界篇』は終盤にフリーズバグが存在するが、敵を倒す順番などに気をつければ容易に回避が可能。
      • 『再世篇』では資金無限増殖バグが存在するが、ほとんどのプレイヤーがまず気づかない方法である。
  • 新たに追加された2種類の特殊スキル「連続行動」と「ダッシュ」。
    • 「連続行動」は『α外伝』以降廃止された2回行動が限定的に可能になり、「ダッシュ」は移動力を上昇させる(気力の変動により効果が高まる)効果を持つ。
    • これらのスキルのお陰でゲームをサクサク進める事ができ、MAP兵器を持つユニットならばどのように自軍を移動させるか考える楽しさも生まれた。
    • これに加えて『再世篇』では、ある強化パーツの追加により味方側の2回行動が復活した為、更に有用性が上がっている *10
    • 『再世篇』では特殊技能のスロットが6つから8つに拡張されており、特殊技能の選定に多少余裕が持てるようになった。が、上記の2つに加え、戦闘で敵を撃破するとSPが10回復するスキル「SPゲット」も追加されたため、増加分の枠には大抵これらのスキルが居座ることとなる。

グラフィック・BGM・演出関連

  • 毎度ながら戦闘アニメも高評価。
    • 前作において好評だった「地対空・空対地における攻撃アニメーションの変化」も健在。
    • ゴッドマーズは止め絵を多用していた原作を尊重し、あえて殆どアニメーションをさせない演出方針 *11 をとっており、ファンからは「不動明王」の愛称で呼ばれている。
    • 『再世篇』で追加されたザンボット3・ダイターン3・トライダーG7による合体技「3・3・7拍子」はネタ臭こそ強いが、ゲーム中ではオミットされた分離形態時の各小型メカや変形形態を戦闘アニメに織り込むなど力が入っており、演出的にも見ていて楽しめるものとなっている。
    • ガンダムシリーズの機体のカットインでは、従来のSDではなくリアル等身で描写されている。これまでのスパロボでガンダムシリーズがカットインでもSD等身であったのは「著作権料が『SDガンダム』のみで済むから」という理由だとされており、「著作権的に難しい『ボトムズ』等が参戦」「納谷悟朗や津嘉山正種といった超大物声優もシリーズ初参加」等と併せて今回の予算がかなり余裕のあるものだと推測されている。
    • 前作で立ち絵が上半身と比べて足が細すぎて変だと叩かれた『逆襲のシャア』のνガンダムは立ち絵を一新され、ファンを安堵させた。戦闘アニメも作り直され、史上最高のνガンダムと言われるほど高クオリティなものになった。原作の作画を再現したカットインは誰もが心躍らせたであろう。特にフィン・ファンネルの演出はファン感涙ものであり、フィニッシュ時にνガンダムが決めるアクションはコアな支持層を唸らせた。
    • 原作でその不遇っぷりから「GN電池」「ハブラレルヤ」などと呼ばれネタにされた『ガンダム00』のアレルヤ&アリオスガンダムだが、『再世篇』のアレルヤはクロウに辛辣なツッコミを入れたり似た境遇の『ボトムズ』のキリコと絡んだりと出番が多い。アリオスもアレルヤのみの時とハレルヤが出ている時で一部変化する上に恐ろしくクオリティの高い戦闘アニメが与えられており、「世界一カッコイイ電池」などと呼ばれ多くのファンが絶賛した。とどめ演出は一切無いものの、その部分を補って余りあると言える。
      • 『ガンダム00』前期でのアレルヤの乗機であるガンダムキュリオスの戦闘アニメも当然評価が高い。
      • なお、上記のνガンダム・アリオスガンダム・ガンダムキュリオスのアニメーションを担当したスタッフは、名前こそ明かされていないものの、スパロボシリーズ最高峰のアニメーションデザインで有名になり、後に「アリオスの人」と呼称され高い人気を集めている。
    • νガンダム以外の前作続投組も、頭でっかちだった『ガンダムSEED』のガンダムの頭部がやや小さくなるなど一部修正されている。
    • 『再世篇』から運用可能となる『真マジンガー』のボスボロットの召喚攻撃「くろがね五人衆」では、生身の彼等に攻撃を全て委ね *12 ボロット自体は何もしないという衝撃(笑劇)的な戦闘アニメが描かれた。このアニメはバンダイナムコライブTV『ゲームWednesday』で先行公開された事もあり、発売前から本作屈指のネタ攻撃としてユーザーに認知されている。なお、同番組にゲスト出演した寺田Pも見所として「何もしないボロット」を挙げている。
  • 戦闘台詞の掛け合いのバリエーションが増加。
    • もともと増加傾向にある要素だが、『ガンダム』のようなシリーズもの、もしくは原作者が同じという共通点で発生する事が多かった援護時における掛け合いが、本作ではその法則に囚われる事無く大幅に増えている。名指しでキリコのフォローに回る『コードギアス』のカレンや、『グレンラガン』のシモンに檄を飛ばす『真ゲッター』の竜馬など、声優陣の熱演も手伝って戦闘アニメを楽しむ上での魅力のひとつとなっている。
  • 前作で散々な評価だったBGMの音質も確実な向上が見られる。また、「創聖のアクエリオン」や「紅ノ牙」といった前作で酷評されたBGMも手直しされている。
    • 新曲の中では『ダイ・ガード』の「路地裏の宇宙少年」や『ボトムズ』系の「炎のさだめ」「鉄のララバイ」、『ガンダム00』の「FIGHT」「TRANS-AM RAISER」のアレンジの評価が高い。オリジナル系のBGMも聴き応えがあるものが多く、中でもクロウのテーマ曲「CLOSE GAME LIFE」、アイムのテーマ曲「UNTRUE CRYSTAL」、そして、ユーサーのテーマ曲である「王の愛は民のために」は人気が高い。
    • また『ボトムズ』で使用された通称「レッドショルダーマーチ」は、今作では「戦騎達の行進」というよく似たオリジナル曲 *13 で代替するという荒業が披露された。これは原曲がイタリア映画で使用されたBGMゆえに版権の問題から使用できなかったためであり、この辺りの事情を知るユーザーからは概ね仕方のないことと理解されており、特に批判などは起きていない。しかし出来の良い曲であるがゆえに戦闘BGMに設定できない事を残念がるプレイヤーも多い。

賛否両論点

  • 多元宇宙に関するシナリオ。
    • 本作では「平行世界の同一人物」として、『マジンガー』『ゲッターロボ』『エウレカセブン』のパラレル世界のキャラが登場している。それに対して、前作のキャラ達がどのように反応し、どのようなシナリオが展開されるのかが期待されたのだが、ZEUTHメンバーによって「平行世界の同一人物を安易に比べるのはやめたほうがいい」とされ、シナリオではほとんど触れられない。
      • 確かに彼らは顔が同じだけ、あるいは似ているだけの別人ではあるので、そのようなマナーがあってもおかしくない。特に前作女性主人公のセツコは平行世界の同一人物絡みで凄まじい苦難を強いられているため、その仲間であったZEUTHメンバーが配慮するのも自然である。
      • 「平行世界の同一人物」を明確に話題にしてしまうと、話題にした作品(=参戦していない作品)の版権料が発生するという、所謂「大人の事情」も関係している *14 。『エウレカセブン』では劇場版の作中にTV版キャラが登場するため例外。
  • マップ画面が2Dになった事や、キャラクターの表現がフェイスウィンドウとなった事。
    • 前作は3Dマップ及びバストアップであったため「手抜きで作られている」という声もあれば「こちらのほうが見やすい」という声もある。
    • おそらくは『Aポータブル』と同様に携帯機に特化した仕様のためと思われる。
      • 次回作である『第3次Z』は据え置き(PS3)と携帯機(PSVITA)のマルチで発売されたが、本作同様2Dマップと顔アイコンのままであるため、本作とは違う意味で賛否両論となった。
  • 『破界篇』においてSRポイントが難易度の変更のみの対応。隠し要素などにも全く影響を及ぼさない。
    • 『再世篇』では取得時に資金ボーナスを入手できるほか、ある強化パーツの取得条件にもなっているため無意味ではなくなっている。
  • 一部の高レベル的の存在
    • ステージによって極端にレベルの高いボスが登場することがある。例えば破界篇では、味方のレベルが20台の時にラスボス(レベル60)と戦う場面がある。いかに敵が強大かを知らしめる演出にもなっているのだが……
      • 敵のレベルが高いという事は得られる経験値も多いという事で、レベル上げのための一種のバランスブレイカーとなってしまっている。上記の場面では、全滅プレイを繰り返すことで簡単に味方の平均レベルを50近くまで上げられるし、そうでなく普通にプレイしたとしても撃破したパイロットだけ一気にレベルが高くなってしまう。
      • 特に再世篇で顕著で、各参戦作品のボスやオリジナルのボスキャラで平均レベルを超えるキャラが多数登場する。特にオリジナルボスに関してはイベントでも「○○(前作ラスボス)と同等の敵だと思え!」という旨の発言があり、上記のように敵の強大さを表すための演出なのだろうが、乱発されるとむしろ前作ラスボスの脅威が薄れてしまうという声がある。

問題点

  • 前作からの引き続き参戦組の機体の性能が、『破界篇』ではやや悪め。
    • 前作にあった最強武器や合体攻撃がオミットされている。
      • これは劇中でも「異世界に来た影響で機体が不調な上に新しいパーツが入手できない」と説明されているため、新規参戦機体とのバランスを調整した結果だと思われる。キングゲイナーやソーラーアクエリオンのように新技追加によってフォローされた機体もある。
      • 『再世篇』中盤になると本来の性能を発揮できるようになる。
    • 前作では個別パイロットとして使用できた『∀ガンダム』のソシエや『ザブングル』のブルメ、『Ζガンダム』のアポリーや『キングゲイナー』のペロー等が「〇〇隊総攻撃」などという名の武装(いわゆる「召喚攻撃」)の演出に押し込まれる形となった。
      • 『キングゲイナー』のアデットに至っては「機体がない」という理由で何故かサラの乗るパンサーのサブパイロットになる。
      • なお、悪いのはあくまで機体の状態などであって、ストーリー面では不遇といえるキャラはいない。パイロットを下されてしまったキャラもシナリオデモでもきちんとセリフを与えられているため、小隊制の廃止によるユニット・パイロット削減 *15 との折り合いをつけるための苦肉の策とも取れる。戦闘できる修理・補給ユニットが存在する中で、カプルなどでどれだけ活躍できるかも問題ではあるが。
  • オリジナル雑魚である「次元獣」が『破界編』では厄介
    • 最下級の雑魚であるダモン級と例外の1機を除けば全て1500以下無効のバリアを共通能力として持っており、加えて早い段階から底力を習得するので、中級以上の次元獣を中途半端に削るとバリア突破が面倒になる。
      • 素での命中率・回避率もそこそこある為、固い上に避けて当ててウジャウジャ出てくるという面倒な雑魚の要素を全て持っている。
    • 特に槍玉に挙げられるのが次元獣ブルダモン級。
      • 雑魚としてはやや高めのHP、高い攻撃力、気力低下の状態異常効果、他の雑魚に比べ異常に早い技量上昇、と厄介極まりない。
      • これが序盤から出てくる上に、後半は雑魚として大量に出てくる。
    • 『再世篇』に出てくる雑魚次元獣は設定の関係でバリアを持っておらず、『マクロス7』のバサラの歌も効くようになったため大分マシになっている。
  • 本作の音声収録は新規参戦作品及びZシリーズ初登場作品が中心であるため、続投組を中心とする参戦済み作品の新録音声が非常に少なめとなっている。そのため、原作再現が終了した作品を中心に、特殊台詞が殆ど設定されていないキャラクターも多い。
    • アムロ、『ガンダムSEED』のキラ、『ゴッドシグマ』の闘志也、『グラヴィオン』の斗牙のように、担当声優が本作の新規キャラも同時に演じている関係で新録が叶った例もある。
    • 新たな作品が登場するごとに新規収録を行う事が比較的多いガンダムシリーズの主人公達も例外ではなく、『Ζガンダム』のカミーユやクワトロ、『ガンダムSEED』のシンといった面々に新録がされなかった事で、本作の中心作品である『ガンダムW』や『ガンダム00』のキャラクターに対する掛け合いが無い事態となった。
    • 但し、その逆である新規参戦組から続投組に対する特殊台詞は多い(『ザンボット3』の勝平に対する『トライダーG7』のワッ太や、ガンダムシリーズの主人公達に対するリボンズなど)。
  • 前作同様、テキストのオートモードのスピードを調節できるが、テキストが次に切り替わるまでのタイミングが表示されなくなった。前作の仕様に慣れていると少々不便。

総評

新規参戦作品はいずれも人気作で、それ故に本作も発売前から大きく注目されていた。また、前作である『Z』は独特で人を選ぶ側面も持っており、さらなる改善も期待されていた。
携帯機への移行に際する細かな難点こそ見受けられたものの、親しみやすいオリジナルキャラ、程よいゲームバランス、クロスオーバー・if要素の多いシナリオなど全体的に高いレベルでまとまっており、より万人受けしやすい作品となった。


余談

  • 本作のバンプレストオリジナルキャラクターデザインで河野さち子氏が手がけたキャラはクロウ・エスター・トライア(および続投組のアサキム・ランド・メール・セツコ)ぐらいで、他のキャラは全て『スパロボL』でオリジナルキャラデザインを手がけたChiyoko氏によるものとなっている。これは『魔装機神II』及び『第2次OG』と並行して開発を進めていた事による影響だと思われる。
  • 本作初登場となるダイ・ガードは原作序盤の「トタンよりマシな装甲」という設定を反映して、初戦闘時は装甲の初期値が200しかないという漢仕様になっている *16 。これはスパロボ弱ユニット代表として不動の地位を築き上げているボスボロット以下の数値である *17 。これについて原作を手掛けた水島精二監督は自身のTwitter上で大絶賛していた。
  • 『装甲騎兵ボトムズ』に登場する双子のキャラクター、アロンとグランの顔グラフィックが逆であることが2016年5月に明らかになった。発売してから5年間気づかれなかったことになる。


*1 特に『ゴッドマーズ』は初参戦から実に10年以上を経ての声つき参戦。

*2 これらの作品は前作でほのめかされていた「平行世界の同一人物」を表現するためと見る向きが強い。

*3 『コードギアス』では日本が「エリア11」として他国に占領された状態で物語が始まる。

*4 しかもこの二人の戦闘前の会話イベントが前代未聞レベルで長い

*5 ただしシナリオ中の選択によって武器の性能や戦闘アニメが変化する。

*6 いうまでもなくどこぞの霧とは全く違う意味が込められている

*7 元々他の市民と同じく『OGs』のモブキャラのグラフィックを流用したキャラなので大出世である。

*8 参戦作品の関係で『世界の歪み』と揶揄される事も。

*9 自軍の主要キャラである『コードギアス』のゼロ(ルルーシュ・ランペルージ)の行動理念も同一である。

*10 入手には多少苦労するが、それに見合った性能を持っている。

*11 攻撃時はおろか回避動作等のときですらほとんど動かない。

*12 ちなみにこの武器のデフォルトの地形適応は、空と海はCだが宇宙は何故かA。

*13 もっとも印象的な出だしなど音程に違和感があるくらいであり、本当によく似ている。

*14 過去には『第3次α』でも、前々作『α外伝』と前作『第2次α』の登場作品をわざとらしく伏せるようなやり取りがある。

*15 さらに言うならPSPの容量を考えると前作の全パイロットを使えるようにするのは無理だったと思われる。

*16 次のステージですぐに強化されるのだが、それでもスーパー系の中では低い部類。ちなみに紙装甲で有名なスコープドッグですら装甲値は800である。ちなみに昨今のスパロボでは基本、戦闘機ですら800以上はある

*17 ただし本作のボスボロットは『マジンカイザー』版ボロット同様調整が入っており、結構強いユニットとなっている。