SIMPLE1500シリーズ Vol.55 THE ダーツ
【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむごじゅうご ざ だーつ】
ジャンル
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スポーツ(ダーツ)
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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アメディオ
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発売日
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2001年2月1日
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定価
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1,500円(税別)
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配信
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ゲームアーカイブス:2010年5月12日/300円
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判定
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なし
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ポイント
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ダーツモードの種類は豊富 アメコミ調のストーリーが特徴 CPUのAIが鬼畜
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SIMPLE1500シリーズ
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概要
廉価ゲームシリーズ・SIMPLEシリーズのPSレーベル『SIMPLE1500シリーズ』の1作。
様々な形式のダーツが遊べるゲームで、ストーリーモードも搭載している。
本作はテレビ番組『D's Garage21』で募集されたアイデアを元に製作されている(他には『THE シューティング』『THE 迷路』がこれにあたる)。
ストーリー
主人公・レッドは妹のティアと2人で暮らしていた。
しかし、「ダーツ・マスター」なる男を首謀者とする謎の組織が家に押しかけ、レッドは拉致されてしまう。
ようやく戻ったレッドだったが、妹はショックで失明して病院で臥せっており、組織からも複数の刺客が差し向けられる。
レッドはバーでの賭けダーツで妹の手術費用を稼ぎながら、組織に改造された「ダーツマン」となって組織の刺客と戦うのであった。
特徴
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モードはストーリーモードと、フリー対戦用のバーサスモードのみ。
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ストーリーは1対1専用。バーサスモードでは最大4人(対人・CPU両方可)で対戦ができる。
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ストーリーモードでは、マップの各地を回り、バーでお金を稼ぎ手術やプレゼント費用に充てながら、各地に現れる刺客に会いに行ってストーリーを進行させる。
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マップ上には主に、セーブやルール確認、練習ができる「自宅」、お金が稼げる「バー」、妹が臥せっている「病院」、妹へのプレゼントが買える「店」がある。
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バーの客と勝負をして勝つことで、お金が手に入る。資金は妹の手術に関する様々な費用のほか、妹へのプレゼントを購入するにも必要となる。
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手術費用を全て払いきった上で、妹に多数のプレゼントをして病状を最大まで回復させておかないとハッピーエンディングは迎えられない。
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しばらくお金を稼いでいるとマップ内に刺客が現れ、その刺客に会いに行って倒すことでストーリーが進行する。
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バーの客も刺客も、対戦相手によって対決ゲームや投擲制限時間などのオプション設定は固定されている。
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ストーリーは設定もそうだが、コマ割りや「ZUUUUUUUUN!」などといった擬音文字などいかにもアメコミ調な演出を用いて表現される。
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ダーツ投擲の操作方法は、方向キー(デジタル)2種類、アナログスティック2種類の計4種類。
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まず狙う位置を指定し○ボタンで決定、○ボタンを離すとダーツを投げるというのは全種類で共通である。
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デジタル:○を押したタイミングで投げる大まかな範囲が決まり、○を離したタイミングで投げる位置が決まる。
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アナログ:○を押すと、2つのカーソルが出る。片方のカーソルを操作して、もう1つの動くカーソルに重なるように動かし○を離すことでちゃんと投げられる。
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収録ゲームは以下の大きく分けて4種。追加ルールも設定できるが、説明は割愛する。
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「スリーオーワン(301)」「ファイブオーワン(501)」「ガロン(1000)」。
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各プレイヤーが規定の持ち点を持って始まる。交互にダーツを投げて取った点が自分の持ち点から引かれ、早くジャスト0点にしたほうが勝ち。
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「スコア・アップ」
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単純に、交互にダーツを投げて取った点を自分の点に足していく。規定本数投げ終わった時点で得点の多い方が勝ち。
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「ラウンド・ザ・クロック」
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1ターン目は1、2ターン目は2…という順で番号が指定されるので、交互にその番号を狙って投げていく。入れば1点。
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1ターンにつき3本投げられるが、ミスしてしまった場合その本数は次以降のターンでは使えなくなる。3本中2本ミスした場合は次回から1本しか投げられない。
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「チェイス」「クリケット」
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「10~20+ブル(中央)」「15~20+ブル」の範囲で、全ての番号に3本ずつ入れることでゲーム終了となるゲーム。
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陣取りゲームの一種で、先に同じ番号に3本入れた場合、相手も同じ番号で3本入れるまでにその番号に4本目以降を入れれば得点になる。
評価点
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未経験でもルールを覚えやすく、ダーツ学習には向いている。
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ゲーム中にも説明書でも説明がされているし、何よりルールを理解せずに勝てるような造りにはなっていない。
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主な対戦形式はだいたい入っているので、少し遊べばダーツを習得できるだろう。
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細かいルールや、投擲の制限時間などもフリー対戦であればそこそこ細かく設定できる。
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ユニークなアメコミ調ストーリー。
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作画は微妙なところもあるが、それなりの枚数がある漫画で話が進むためあまり手抜きは感じさせない。
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アメコミらしい独特の濃い絵柄は本作の雰囲気作りに役立っている。
問題点
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鬼のような難易度。
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とにかくダーツ投擲が難しい。カーソルが相当の速さで動く上に時間制限があることが多く、要求水準が高い。
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おまけにダーツボードの仕切り(スパイダー)の判定が大きく、ダーツの当たり判定を掴まないと仕切りに弾かれまくる。
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慣れでカバーしたりカーソルの位置調整のコツを掴んでリスクを減らしたりはできるが、完全に安定させることは限りなく厳しい。
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ダーツ投擲の操作は4種類あるが、どれを選んでも結局はタイミング勝負であり、難易度緩和にはならない。
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とは言え、思い通りの場所に必ず投げられるようではダーツにならないので、投擲の難しさに関しては妥協もできるのだが……
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CPUが極めて強く、対戦形式にもよるが投擲が正確無比で、相当ハイレベルな投擲を要求してくる。
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こちらが運よく差をつけると、何かのスイッチが入ったように完璧に近い投擲をしてすぐさま抜き返してくることが多い。
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何度もやり直せばそのうち勝てるレベルではあるが、戦略性やテクニックではなく、調子の良さや運で勝つことになるため達成感は得づらい。
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ラスボスはノーコンティニュー2連戦である。1戦でもコンティニューを何度も何度も必要とする強さなのに……
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なお、上に挙げたグッドエンドの条件を満たしていなかった場合は勝ってもバッドエンドでゲームオーバーである。
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おわかりかとは思うが、オプションによる難易度調整は全くない。
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ゲーム全体の造りが作業的。
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基本的にバーでひたすらお金を稼ぐことが中心になるので、いまいち面白みが少ない。
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対戦相手は何人もいるものの、対戦形式や報酬金の関係で稼ぎやすい対戦相手は固定されがちである。
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このようなシステムや難易度の関係でそこそこプレイ時間は増えることになるが、正直言って水増し感が強い。
総評
ダーツ自体はあまり欠点は見受けられず、対戦形式などが色々調整できて比較的良好な出来。
アメコミ調の漫画演出も、面白いというほどではないがユニークで見るべき所ではある。
ただしダーツ投擲のブレのゲーム的な再現方法や、理不尽に強いCPUはマイナスイメージに働きやすい。
ダーツのルールはそこそこ覚えられるが、構成上の飽きやすさもあってお勧めとまではいかない。
最終更新:2019年02月25日 12:16