悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス

【あくまじょうどらきゅら ぎゃらりー おぶ らびりんす】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2006年11月16日
定価 5,229円(税込)
セーブデータ 6個(EEPROM)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
廉価版 コナミ ザ・ベスト:2009年1月15日/2,940円(税込)
判定 良作
悪魔城ドラキュラシリーズリンク

概要

  • 探索型悪魔城ドラキュラの6作目及びDSの探索型悪魔城ドラキュラの2作目で、悪魔城ドラキュラ20周年記念作品。通称『ギャラリー』『ギャラリンス』『ギャオリンス』『ギャビリンス』。
    • 探索型シリーズの特徴などの解説はシリーズ一覧のページを参照。
  • ストーリー的にはメガドライブの『バンパイアキラー』の続編であり、主人公が二人という点も『バンパイアキラー』と共通している。
    • 本作の主人公の一人であるジョナサン・モリスは、『バンパイアキラー』の主人公の一人であるジョニー・モリスの息子という設定。
  • 前作『蒼月の十字架』同様、キャラクターのイラストはアニメ調。本作はシリーズ最後のアニメ調イラストを採用した作品である。

ストーリー

第二次世界大戦中のヨーロッパ、無数の報われない魂の怨念により突如として悪魔城が甦った。
それを察知した教会はヴァンパイアハンターのジョナサン・モリスと魔法使いのシャーロット・オーリンを討伐のため派遣した。
城を訪れた2人は、やがて城主が魔王ドラキュラではない別のヴァンパイアであることを知る。


特徴

パートナーシステム

  • 本作の特徴的なシステム。本作はジョナサンとシャーロットという二人の主人公が存在し、プレイヤーはそのどちらのキャラを操作するかを切り替えながらゲームを有利に進めていける。
    • 操作キャラ以外のもう片方のキャラは、画面内から消すこともできるし、AI操作に任せて一緒に戦うこともできる。キャラの切り替えはワンボタンで瞬時に行える。
  • それぞれのキャラの性能も明確に差別化されている。
    • ジョナサンは豊富なサブウェポンを扱うことができ、各サブウェポンは使い込むほどに熟練度が上がって強力になっていく。様々なコマンド入力による体術も扱える。
    • 彼は『白夜』以来のヴァンパイアハンターの主人公だが、鞭はもちろんの事、前作の蒼真同様に槍や大剣など様々な武器も扱え、バリエーション豊かな攻撃を行う事が可能。
    • ジョナサン限定アクションとして前作同様に必殺技も使う事も出来る。基本的には強力な一撃程度だが、中には某キャラを彷彿とさせる物も。
  • シャーロットは魔法に特化したキャラであり、強力な攻撃魔法や、回復などのサポートまで幅広くこなせる。魔法は詠唱によりゲージを溜めると発動可能となる。
    • 加えて、シャーロット自身を操作している状態ではゲージをもう一本溜められ、より強力な効果を発動させる事ができる。MPの自動回復速度もジョナサンより早い。
    • シャーロットの魔法はサブウェポンと異なり入手した時点から力を発揮出来るが、発動まで拘束される、プレイヤー操作でないとフルパワーでの発動が出来ない、というリスクもある。
  • 本作では『サークルオブザムーン』よりアイテムクラッシュが復活しているが、2人で協力して出す『デュアルクラッシュ』に変更。発動可能な技は、いずれも強力な効果を持つ。
  • 主人公が2人以上いる作品は『血の輪廻』や『バンパイアキラー』など既に存在していたが、プレイ中に自由に交代させる事が出来なかった。
    • キャラクターが複数存在し、任意の操作切り替えが可能という物は「悪魔城伝説」や「蒼月の十字架」のユリウスモードでも存在したが、今作は二人でなければ突破できない仕掛けや同時攻撃が可能になったり、個性がより強調されて共闘感が増している。
  • 本作のサブウェポン及び魔法は『白夜』以前の燭台から入手する物ではなく、『暁』のソウルのようにステージのオブジェクトや敵からのドロップで入手するものになっている。そのため、前作、前々作のユリウスモードのサブウェポン同様に複数所持することが可能。

絵の中の世界

  • 本作はゲームを進める上で、悪魔城の中に点在する絵画の中の世界を冒険・探索することになる。
  • 絵の中の世界は洋風な街中だったり、湿地帯だったりと様々。天井が無くひらけた場所も多い。

クエスト

  • 今作で初登場した新要素の一つ。ウィンドという登場人物の課す様々な内容の試練を受けてそれを達成することにより、報酬としてアイテムや能力上昇などをウィンドから得ることができる。
  • クエストの内容は、「特定の敵を倒せ」「特定の装備アイテムを装備した状態でウィンドと会話する」といった単純な物から、「指定されたコマンドをウィンドの前で入力」「特定の時刻にウィンドに話す」、「特定のボスを特定の武器で倒す」といった複雑な物まで様々。そして、全てのクエストをクリアすると…

サウンド

  • 開発スタッフによると、音楽、効果音は1980年代のコナミゲームサウンドにこだわったサウンドデザインにしたとのこと。
  • ゲーム音楽のカリスマ古代祐三も楽曲を提供している。

通信関連

  • 本作では前作までのソウルトレードに変わる新たな通信機能として、ゲーム内で入手したアイテムを他のプレイヤーに売ったり、逆に他のプレイヤーから購入したりする事ができる「SHOP MODE」が追加された。
  • 下記ボスラッシュモードをワイヤレス通信を用いて複数のプレイヤーと協力して挑戦する「CO-OP MODE」も追加された。
  • 後者はこれまでの悪魔城シリーズには無い多数のプレイヤーと協力してプレイする物であったのか、『Xクロニクル』や『HD』など後発の作品でもそれに近いモードが標準で搭載されている物も。
  • 本作よりニンテンドーWi-Fiコネクションにも対応しており、上記2つのモードを世界中のプレイヤーと取引する事が出来たり協力する事ができる。
    • 2014年5月20日にニンテンドーWi-Fiコネクションのサービスが終了しており、現在はワイヤレス通信でのみとなる。

画面関連

  • 前作では敵キャラの名前やMAPは基本的に上画面で表示されるのみだったが、本作では下画面にも敵キャラの名前やMAPが表示される様になった。これにより『暁』以前の探索型シリーズのプレー感覚に戻った。
    • 前作ではMAPと敵のデータが上画面に表示される関係で、MAPを表示している状態では敵の名称を確認する事が出来ない仕様。MAPと敵の名称を同時に表示できない事により、初遭遇の敵との戦闘の際には敵の名称が分からなくなってしまうという事が多発していたが、今作ではそれが解消されている。
  • ワープポイント以外の用途で下画面にMAPが表示されるシステムが導入された事に伴い、MAP画面のマーキング機能がPS2版より登場。探索中に怪しい箇所を見つけた時などに役立つ。

  • 携帯機作品でMAX UP系のアイテムが『白夜』以来の復活。但し、ハートの概念が無いので、HPとMPの2種類のみ。
    • MAX UP系のアイテムが復活した事により、体力関連に限るが、レベルアップ以外での能力育成も今作で可能になった。

評価点

システム・演出面

  • マンネリ感を払拭する数々の新要素
    • パートナーシステムにより、探索の孤独感が解消されている。
      • これまでの悪魔城シリーズにおけるパートナーキャラは、あくまで「お助けキャラ」といった立ち位置であり、多くの作品では主人公一人だけでも十分に攻略可能な範疇に収まっていた。
        しかし、今作ではプレイヤーに正式なパートナーの概念が追加された事により、一人の状態では決して解くことが出来ない仕掛けや敵キャラが多く登場。それにより今作は「二人で一人」というダブル主人公体制の作品へと昇華する事になったと言える。
    • 絵の中の世界により、従来ではあり得なかった様々な場所を探索できる。
      • 当然悪魔城も従来同様各地を守るボスが存在し、各地を探索する必要が有るので空気にはなっていない。
      • 絵の世界は1つの独立したマップであり、従来のステージ型に若干ながら回帰したものとなっている。
        もともと探索型シリーズは風景が城内ばかりだと指摘されることが多く、この風景のマンネリ化と探索型特有の迷いやすさ、両方の改善に一役買っている要素になっている。
      • この方向性は次回作『奪われた刻印』にも引き継がれることになる。
    • ボスも2体で協力するものがいくつか存在する。殆どのボスは一人でも十分に戦えるが、二人で協力すれば楽に倒せるものも多い。
  • タッチペンからの脱却
    • 前作『蒼月の十字架』ではDSで発売されるにあたってタッチペン操作が導入されていたが、悪魔城のようなアクションゲームとの相性の悪さや魔封陣発動によるボス戦時のゲームテンポ阻害が問題視されていた事から不評であった。
    • しかし、本作におけるタッチペン操作は隠しモードの操作やMAPのマーキング程度とアクション性を損なわない程度に留められている。結果的に『暁』までのプレースタイルに回帰したのは大いに評価出来るだろう。
    • 前作では特定の魔封陣を入手しなければボス部屋に入る事すら出来ずゲーム内の攻略ルートがある程度制限されてしまうというメトロイドヴァニア型のゲームとしては痛いデメリットが存在していたが、本作で魔封陣システムが廃止。これに伴い基本的にはどのボスからでも攻略可能な作りになっている為、結果的にはルート攻略の自由度自体も大幅に向上。一部のステージでは攻略の順番を逆転させる言わばシーケンスブレイク的なプレーも容易になった。
  • 装備のバリエーションが増加
    • 前2作の武器以外の装備アイテムは防具とアクセサリーの2種類に簡略化されていたが、本作はソウルシステムが廃止された事に伴い『白夜』以来再び装備が体、頭、足、装飾品の4種類に細分化された。
    • 加えて、本作は2人のキャラクターを切り替えながらゲームを進めていく関係で2人分の装備が用意されていて、結果的に装備アイテムのバリエーションが前作から大幅に増加している。
    • 装備アイテムの分類が細分化された事に伴い、プレイヤーの移動速度を上昇させる事が出来る足装備の「ダッシュブーツ」やあらゆるダメージを最大体力の10%に抑えてしまう鎧の「オールドタイプアーマー」、装備すると壊れる壁が見える「ビジョンアイ」等々、ユニークな効果を持つ装備も更に増えている。
    • 一方、武器の方はというと前作に存在していた刀や銃、投擲物が削除及びサブウェポンと統合されてしまったものの、代わりに追加された鞭と本がこれをカバーしている点から武器の種類は前作と引けを取ってないと言える。
  • 装飾品スロットが2個に増えた事により、一部を除く装飾品の効果を重複させる事が出来る様になった。
    • 装飾品の効果を重複させる事により、例えば「マスターリング」の場合は本作のキモの一つであるスキルの熟練度稼ぎの効率を上げたり、「シャーマンリング」の場合は獲得経験値を4倍に増やしてキャラクターの育成を効率化させる事が出来たりと、只でさえ便利だった効果をより強力な物に変化させる事が出来る。
    • 更に本作ではジョナサン・シャーロット別で装備アイテムが分けられている関係で、最終的に複数のプレイヤーで強力な効果を共有する事が出来たりする。
    • ちなみに、この点は過去の探索型シリーズ作品でも存在していたが、そちら側とは本作では周回プレーが出来る為、シャーマンリング等の1周につき1個までしか入手出来ない装飾品にも適用できるメリットがある。
  • 使用アイテムの種類も増加。
    • 本作では装備アイテムのバリエーションが増加しているが、ポーションといった使用アイテムの種類も前作から更に増加している。
    • 使用すると即座にショップへワープする「マジカルチケット」が『月下』以来の復活を遂げている他、食べ物系アイテムもドリンク・スープ系がMP回復効果に変更されていたり、ケーキ系アイテムの種類がやたらと豊富だったり、果ては「ペンタースナチュラル」という名前やアイテムの姿に説明文とどう見ても甘くてクリーミーな特別な存在にしか見えない*1アイテムも登場。
    • 加えて、とあるクエストをクリアすると入手出来る「ちくおんき」とショップでの購入や特定ボスのドロップといった特定の条件を満たすと入手出来る「レコード」を組み合わせる事によってゲーム内のBGMを変更する事が出来るという、後の『Xクロニクル』におけるサウンドアサイン機能の先駆けとも言うべきアイテムも登場する。
  • その他インターフェイス関連
    • 上画面および図鑑内で表示されるモンスターのアイテムのドロップ率に現在のLCK値を反映し星の数が増減する仕様が追加された事で、現在どれだけの確率でアイテムを落とすのかが格段に分かりやすくなった。
    • 前作のイベントシーンは後半戦になるとスキップ不可の物が多くなり、結果的に周回プレーの際の障壁となっていたのだが、今作ではゲーム中で発生する殆どのイベントがスタートボタンでスキップ出来る様になった。
  • BGMも好評。
    • 『歯車は狂い始める』や『狂月の招き』等の古代祐三氏による楽曲や、『シモンのテーマ』、『十字架を胸に』といった過去のシリーズからのアレンジなど、相変わらずBGMは高クオリティな物が多い。
    • 特に『狂月の招き』はアーケードの音楽ゲーム『REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』にもゲーム本編そのままの音源で収録されている事から、本作を象徴する楽曲の一つと言えるだろう。
  • 豊富なやり込み要素
    • 本作ではお馴染みのモンスター図鑑に加えて、取得したアイテムを記録する『アイテム図鑑』や、取得したスキルの確認が出来る『スキルリスト』が存在する。
    • また、特定の条件を満たすと『悪魔の巣窟』というストーリーとは一切関係ない、いわばおまけダンジョンに挑戦する事ができる他、前作以上にやり込み要素が多い。
      • 同ダンジョンではゲーム本編で訪れる事になるエリアとは全く出現しない新規の雑魚敵も出現する。また、ここに出現する一部のボスはレアアイテムをドロップすることがあり、上記の図鑑を埋める為にも繰り返し挑戦する意義もある。
      • 一応『悪魔の巣窟』に相当する要素自体はGBA『サークルオブザムーン』やPS2『闇の呪印』といった過去作品にも存在していたが、今作ではゲーム本編では出現しない敵が大量に出現するので、本編とは違った感覚でプレイできる。

ストーリー

  • 総じて、過去作とのつながりを重視したストーリーは評価が高い。また重要な部分は本作でちゃんと触れてくれるため、過去作を知らなくてもストーリー理解にも支障はない。
    上述されている通り本作は『バンパイアキラー』の実質的な続編であり、また『月下の夜想曲』にも強く結びついたストーリーになっている。
    • 本作はこの両作の間の時代に起こったことや、聖鞭ヴァンパイアキラーそのものについて強くフィーチャーされたストーリーになっている。シリーズおなじみの要素がストーリーを構成するピースとなっている。
    • 序盤から主人公たちを手助けしてくれるサブキャラクター「ウィンド」の意外な正体に驚いたプレイヤーは多い。
    • いつもどおり主の復活を狙って暗躍する死神デスや、現城主の吸血鬼ブローネルなどの悪役陣の描写も多い。特に死神の今作での活躍は近年の不遇ぶりをひっくり返すほどのものとなっている。
  • 過去作のオマージュの多さは、ストーリー面だけでなく後述の小ネタの多さにも反映されている。

クリア後関連

  • おまけキャラクターの多さ
    • 従来よりもおまけキャラの数が多く、キャラによって操作感が大きく異なる。
    • リヒターモード
      • リヒターとマリアの『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』コンビでプレイできる。マリアの基本性能は『血の輪廻』版と大差ないが、リヒターは『月下の夜想曲』のリヒターモード版に近い高性能。ただしアイテムクラッシュはグランドクロスのみがサブウェポンとしての使用可能。
    • シスターモード
      • 本作の登場人物であるステラとロレッタの姉妹でプレイできる。ジョナサン達が悪魔城に来る以前、姉妹が父の消息を追って悪魔城に乗り込む、というオリジナルストーリー。
      • 操作体系は他のキャラと大きく異なる。ボタン操作はあまり使わず、タッチペン操作がメインとなっている。
    • オールドアクスアーマーモード
      • 『血の輪廻』に準拠したデザインの雑魚敵であるオールドアクスアーマーでプレイできる。『月下の夜想曲』のオールドアクスアーマー(アクスアーマーの鎧装備状態のアルカード)に比べて非常に高性能で、ハイジャンプやコマンド技を持っている。
  • レベル上限のあるハードモード
    • キャラのレベル上限を50、25、1の中から選択できるようになり、上級者も唸らせる高難度なバランスで楽しめる。
    • 各種ハードモードではクリアすると各種ステータスを大幅に上昇させる事が出来るアイテムを入手出来る為、単にコンプリート目当ての存在であった前作と比較してハードモード自体のやりがいも上昇している。
    • キャラのレベル上限制限は各種おまけキャラクターにも適用する事が出来る。特に「MAX Lv.1」は常に最弱状態で進行し、キャラクターの強化手段がMAX UP系のみに絞られる為、HARD本編以上の鬼畜かつ手応えのあるプレーを楽しむ事が出来るだろう。
  • 更にパワーアップしたボスラッシュモード
    • シリーズ恒例のボスラッシュモードでは出現するボスが異なる3つのコースから選べられるようになっている他、『白夜』以来のスコアランキングも復活。
    • スコアランキングは通常のプレイのみならず、通信専用のランキングも別に用意されている。
    • 本作からの試みとしてボスの部屋のみならず、雑魚だけが登場するという、前作の「ソウルセットモード」を継承した様な内容の部屋も登場。
      • 雑魚敵の部屋が新規に追加された事によって、単にボスを短時間で倒すだけではなく、「いかに雑魚敵の部屋から素早く脱出できるか」という点についても問われる様になった。
      • 一応雑魚が登場する部屋は『暁月』でも登場していたが、正式に登場したのは本作からである。
    • 本作のボスラッシュモードはデフォルトで出現している。
      • デフォルトでは前作のボスと戦うコースだけだが、一度ゲームをクリアする事により、恒例の作中のボスと戦うコースが出現する。デフォルトで出現しているコースでは必然的にゲームをクリアする前の時点での装備を用いて挑戦する事になるので、ゲーム途中のプレイヤーの腕試しにはもってこいになっている。
  • 2周目プレイがより手軽に
    • 前作の高速移動ソウル「ブラックパンサー」に準ずる「ハイスピード」と入手したHP、MPMAXが引き継がれるようになった(一応上限値はある)ので周回プレイでのやり込みや手軽さが上昇した。

その他

  • 「SHOP MODE」のメリット
    • (買い手側)ヴィンセントのショップのアイテムをショップの2割引で購入することが出来る。他、エクスポーション等の非売品も一部を除いて購入することが出来る。
    • (売り手側)売った商品の定価の40%の金額を得られる上、売っても品切れしない。
    • なお、ショップモードでは「ゲーム内で売買可能な物」なら何でも陳列出来る為、ボスラッシュモードの景品といった「周回数問わずゲーム内で一つしか入手出来ないアイテム」もこのモードを通じるで増やせられる。
      この事から本作の通信機能は前作のソウルトレードと比較してやり込みプレイヤーには必須の存在として格段に進化したと言えるだろう。
  • 小ネタが非常に豊富
    • 探索型シリーズでは小ネタが豊富な事に定評があるが、本作も例外ではない・・・どころか小ネタの塊と言っても過言ではない状況になっている。
    • 例えば恒例のジャンプネタの場合は某ザ・ワールドの演出をプレイヤー操作で再現出来るようになったり、ローズウィップネビュラというどこかで聞いたような武器が登場したり・・・
    • コナミネタもパロディウスの某キャラクターがとあるサブウェポンの演出でゲスト出演している点をはじめとして、デュアルクラッシュの技名がそのまんま某横スクロールSTGのタイトルだったり、一部のボスキャラクターの攻撃でグラディウスシリーズの非常にマニアックなボスの攻撃が再現されてたりと、元ネタを知るファンはニヤりとするだろう。
    • また、本作はシリーズ20周年記念という節目の作品という事もあってか、『ファミコン版初代』や『血の輪廻』といった過去の悪魔城シリーズから敵味方問わず様々なキャラクターがゲスト出演していたり、各種作品の名場面のオマージュも見られたりする。
  • セーブデータがCoM以来の最大6個まで作れる様になった。作成可能なセーブデータの数が大幅に増加した事によって、様々なプレイスタイルに対応する様になったのも良い。

賛否両論点

  • 難易度の低さ
    • 悪魔城各地、絵の中共にワープポイントやセーブポイントの配置数が多く、頻繁に補給できるので適当に進んだりよほど無茶をしなければほぼ死ぬことはない。ボス戦は流石に厳しいがそれでもパターンをつかめれば苦戦しにくい。
      • 各地に行き来が楽、取っ付きやすいという面もあるので一概に問題とは言えない。また『悪魔の巣窟』やレベル制限ありのハードモードの存在等といった歯ごたえのある要素はある。
      • アイテムの所持数制限が厳しく回復アイテムも高価なので「月下」や「白夜」よりは難易度は高い。 
    • また、クエストバグ*2や多段ヒットといった裏技が存在するので悪用するとあっという間にヌルゲー化してしまう。
      • こちらはよほどのことがない限り気がつかないし、やらなければ良いだけの話だが…ちなみにTAS等ではこの技を悪用(?)して強力武器を速攻で入手したりボスを瞬殺している。

問題点

  • ボタン数の関係か、前作で便利だったドッペルゲンガーのソウルのような、装備の簡易切り替え機能は無くなった。
    • その代わり(?)とも言えるシステムがパートナーシステムだが、装備のラインナップがジョナサン及びシャーロットで異なり、なおかつ技もガラリと変わるので、ドッペルゲンガーの代替とは言い難い。
    • サブウェポンや魔法の装備枠が1種類ずつしかなく、状況に合わせてメニューを開いて装備をいちいち変更するのは面倒。そのため装備(戦法)が1パターンに固定されやすく、多種多様な装備を状況に応じて使い分けるといったことがしにくい。
      • 特にシャーロットの魔法は、終盤にて高速移動を可能にする魔法「ハイスピード」を入手すると、あまりの便利さからこの魔法しか使わなくなりがち。またこのことが、後述の「ジョナサン操作メイン、シャーロットはサポート魔法役」というバランスに拍車を掛ける。
    • 次作の『奪われた刻印』では装備したグリフを切り替えることが出来るグリフパレットというシステムが追加され、実質の復活を遂げている。
  • ジョナサンに比べて、シャーロットの性能が冷遇されている。
    • ハイジャンプも急降下キックもできないので、メイン操作は機動力の高いジョナサンで固定されがち。溜め魔法を使う時や、MPを早く自動回復させたい時ぐらいしかシャーロットを操作する必要が無い。
    • 魔法は立ち止まっていないと使用できず、しばらく溜めないと真価を発揮できないので使いづらい。
    • HPを回復したりステータスを増強するといった補助用の魔法も多い割に、前述の通り魔法は一度に一種しか装備できないので、シャーロットはジョナサンのサポート役になりやすい。終盤で魔法「ハイスピード」を入手してからは尚更、ハイスピードを使うだけの係になりやすい。
    • AIは敵の攻撃をうまく回避できないため、特にボス戦では下手にパートナーを出していると立て続けの被弾であっという間にMPが枯渇して出禁を喰らいサブウェポンも使えない…という状況が頻発する。
      • 結果としてシャーロットは敵がスキを見せたときだけ呼び出して魔法を使って帰ってもらうという、まるで召喚獣のような扱いになりがち。本作のラストバトルはこちらが二人であることから、向こうもタッグを組んで挑んでくるという面白い展開なのだが…
    • また本作より登場したオールドタイプアーマー*3が装備できない為、装備を最高性能の物で揃えて尚防御力が不足するHARDのL25・L1での後半戦は危険過ぎてシャーロットが使えなくなってしまっている。
    • シャーロットの武器の中には、通常攻撃の攻撃範囲が上下に広いものもあり、その点では扱いやすい。
    • また装備や魔導器が揃ってない序盤ではシャーロットの魔法は絶大な攻撃力を発揮するので、最初からずっとジョナサンに固定されがちと言うわけでもない。
      • 中盤以降も誘導性のある「エメラルドスワロー」や縦方向に広範囲で長く残り連続ヒットする「テンペスト」などにより、厄介な位置にいる敵を完封できる状況も多い。*4
    • 前作までのコウモリ変身に当たるフクロウに変身する魔法の「チェンジオウル」も入手した次の面あたりでハイジャンプが入手できる為、出番がほぼ入手したステージしか無いのも同然。
      しかも、2周目以降はシーケンスブレイク技*5が存在するおかげで完全に出番が消滅してしまう。
      • もう片方の変身魔法のカエルに変身する「チェンジフロッグ」はジョナサンは代用スキル等がないので使い所が多い部類だが。
      • なおこの件に関しては公式の4コマでネタにされている。
    • ちなみにストーリー面でもヴァンパイアキラーを受け継いだジョナサンが主体であり、シャーロットは若干影が薄め。
  • 一部クエストについて
    • 本作のクエストの一つ「無欲になれ」は所持金を0にした状態でウィンドの元に戻るという内容だが、クエスト内容の関係で前周から収集したお金を全て捨てなければならない事から、探索型シリーズのやり込みプレーの一つである「所持金MAX」が非常にやりづらくなってしまった。
    • しかも同クエストの報酬は「所持金の数だけ攻撃力が上昇する」効果を持つやり込みプレイヤー向けの装飾品である「ミリオネアリング」である事から一層タチが悪く、同装備品自体も獲得可能クエストのせいで非常に使いづらい物と化しているのは否めないだろう。
      • 苦情が出たのか、次回作ではこの様なクエストは存在せず、同時にミリオネアリングも非常に使いやすい装備に変貌を遂げる事になった。
    • スピニングアーツやマーシャルアーツといったコマンド技は、格ゲーのようにコマンド入力するものだが、わりと失敗しやすく、使う方が面倒。
      • 前者に至っては、そんなものをわざわざ使うくらいなら、ジャンプでもして回避した方が早い。おまけにほぼ同じ効果を持つスキル「ソニックアタック」も別のクエストを経由して取得出来る始末。
    • HPを回復する魔法「ヒール」、1回当たりの回復量が無詠唱で50、詠唱しても100と、かなり少ない。そのわりに燃費が異常に悪く、消費MPは1回で200と、魔法の中で最も大きい。しかも詠唱時間が長いため、戦闘中にはまず使えず、敵がいない時に使おうにも、悪過ぎる燃費のせいで、カオスリングでも無いとたいした回数は使えない。マイナス点ばかりの魔法になってしまっている。
  • 隠しモードのシスターモードではストーリーの関係上ラスボスと戦う事が出来ず、必ずバッドエンドになる。
    • 一応最後の中ボスと戦う事も出来るが、設定の関係上本編では戦えず、ステラとロレッタだけ実質ボスラッシュ専用になっている。
  • 前作であった用語集に相当するモードがない。
    • 今作はバンパイアキラーの続編であるので今作だけではストーリーや設定の細かい部分がわかりにくい部分もある。
  • CO-OPモードの質の悪さ
    • 海外のプレイヤーとのセッションが多い、ゲーム中にフリーズして切断する事が多い。
      • 切断された際は、画面外に急にキャラが吹っ飛んだり壁にめり込む。
    • 協力せず棒立ちしたり最初の画面から進まず放置したり、ふざけるプレイヤーも見られた。
      • (例)鉄球を振り回しながらその場に居座る。
      • (例)鉄球を使用すると「ショータイム!」と発声するがこれを連打する事で「ショショショ」と発声し続ける。
      • 無視して先に進む事も可能だが、協力して進めるという本質からも逸脱しており、妨害行為に変わりはない。
    • 当時のDSのゲームは通信相手をブロックしたり、部屋を用意するといった機能があるゲームさえ少なかったため、これが普通とも言える。
    • また、このモードに本編を進める上で必須になるキーアイテム等の報酬は無い。そのため、本編自体に一切影響が無かったのは救いである。
  • 特定ボス戦後に発生する致命的バグ
    • 悪魔城恒例のボスの『死神』と本作でも戦う事ができるが、死神撃破後の会話をスタートボタンでスキップした状態でボス部屋から出ると何故かボス部屋の扉が復活してしまうバグ。
    • このバグが発生している状態でボス部屋に再入すると部屋に閉じ込められて詰んでしまう。
      • ちなみに、部屋に閉じ込められている状態でマジカルチケットを使って脱出しようとするとブザーが鳴ってしまってどうあがいても脱出できない。
    • またバグが発生中にエレベーター部屋に入ると先に進めるが、ボス部屋に入ると閉じ込められてしまうのでショートカットが出来なくなる上に、死神戦後に直前のセーブポイントに引き返した場合は二度と先へ進む事が出来なくなり事実上の詰みになる。
    • 一応、会話をスキップせずに最後まで見る事で回避できるが、これによって事実上のスキップ不可能会話になってしまっているのは皮肉か。
    • このようなほぼ再現度100%の危険なバグでありながら、公式からのアナウンスは一切無い

総評

二人の主人公が協力して進めていくシステム、クエストによるやり込み要素の強化、シスターモードによる従来とは大幅に異なったシステムのおまけモードの存在とこれまで以上にゲーム内容が強化された作品である。
また、ストーリーも本流扱いにしづらかった「バンパイアキラー」を題材にした事でベルモンド一族が関与しないドラキュラとの戦いの厳しさや近代感とホラーがマッチした世界観を表現できている。
難易度が比較的緩く、後期の探索型の為にシステム面でもプレイしやすい事もあって探索型の悪魔城シリーズ入門にもオススメの作品。


余談

  • シリーズ他作品での「ムッムッホァイ」や「ドゥエドゥエドゥエ」と同様、本作にも一部のコミュニティでネタにされがちなキャラクターの言動が存在している。
    • 一つ目は欧米版ソフトでのタイトルコール時のジョナサンのボイス「ショーターイ!」。
      • 何故タイトルコールが?とお思いの方もいるかも知れないが、本作でのTAS*6では壁抜けワープを行った際「一旦セーブ→ソフトリセット」の手順を踏んで復帰する必要がある。その為、壁抜けワープを多用するTAS動画では何度も「ショーターイ!」を聞く破目になり、天丼芸に腹筋をやられた視聴者が多発したらしい。
      • ちなみに日本版でも、Lボタンを押しながらタイトル項目を選ぶと「ショーターイ!」してくれるようになる。ソフトをお持ちの方は試してみよう。
      • 最近では、他のTAS動画でソフトリセットが行われた際にも「ショーターイ!」をネタにする輩が増えている模様。当然の事だが、ネタを使う際はTPOをしっかりと弁えるべし。
    • 二つ目はバックステップとキャラチェンジを交互に行う高速移動法を実行した際のボイス「シャーロット!ジョナサン!シャーロット!ジョナサン!」。
      • これだけでも十分「ドゥエドゥエドゥエ」に迫るものがあるが、特筆すべきはTAS動画でバグを利用し画面外を突き進む際にもこの掛け声を延々と放ち続ける点。画面にキャラが一切映っていない状態で「シャーロット!ジョナサン!シャーロット!ジョナサン!」の掛け声だけが延々と続く光景はシュールの極み。
      • おまけにその間画面が激しく前後…もとい上下する事がある。ジョナサン18歳・シャーロット16歳と青春真っ盛りな年齢、しかも幼馴染設定もあってR18めいた事を考えてしまう視聴者は多かった様子。
    • 三つ目はプレイヤーを手助けしてくれるヴァンパイアハンターの幽霊「ウィンド」のボイス。
      • 「調子はどうだい?」というボイスが終わらない内に次の操作に移ってしまうと「ちょ…よくやった!」「ちょ…上出来だ!」と聴こえてしまう。当然「ちょwwwよくやったwww」「ちょwww上出来だwww」という具合にネタにされてしまっているのは説明するまでもない。
  • 本作サントラ(現在は販売終了)はゲーム音源だけではなく、そこに落とし込む前のオリジナル音源も収録した豪華版になっている。OVERTUREなどほぼ原作音源そのままのクオリティになっているものも。
    • 「悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX」にも収録されているが、ゲームに落とし込む前のオリジナル音源のみの収録となっている。
    • 2021年に発売された「ミュージックフロム悪魔城ドラキュラ赤」にはサントラ準拠でゲーム音源とオリジナル音源の2種類収録になっている。
    • またDL販売サイトでは「悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス オリジナルサウンドトラック SELECTION」という形でゲーム音源、サントラ音源共に販売されている。ただSELECTIONの名の通り古代祐三氏が手掛けた楽曲が未収録という弱点がある。
  • ボスの一体である「アシュタルテ」がエロい。
    • 彼女の特殊攻撃を受けるとジョナサンが魅了されてしまい、シャーロットに攻撃を仕掛けてくる。さらにこの状態で倒すとシャーロットが激怒するという細かな演出もある。 ジョナサンの中の人の不祥事を考えると笑えない
  • 今作の海外ローカライズ版では前作とは異なり現地声優による吹き替えが行われている。ちなみに次回作も同様。
    • 日本版でも上述の「ショーターイ!」の裏技を行う事によって、キャラクターの言語を海外版の物に切り替える事が出来る。
      言語の切り替えは所謂「ゲームに飽きた人の気分転換に丁度良い要素」なのだが、TAS動画の影響で「ショーターイ!」の「本来の用途」が知られていないのは否めない。
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  • メトロイドヴァニア

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最終更新:2023年03月20日 15:59

*1 ちなみに本作発売から少し月日が経過した某動画サイトでヴェルタースオリジナルのCMを使ったMAD動画が流行した経歴があるが、本作のペンタースナチュラルはある意味ではこのブームを予言した存在と言えるだろう。

*2 アイテムを入手できるクエストにて「~を入手した。」の時にスタートを押すと会話がキャンセルされてクエストは未クリアのままアイテムのみ入手した状態になるという技。

*3 装備中はあらゆるダメージが最大HPの10%になる

*4 ジョナサンもサブウェポンや必殺技である程度対応可能であるが、低威力であったりMPの回復が遅い事から相対的に燃費が悪い

*5 ハイスピード及びウイングブーツを引き継いだ状態で周回した際に、これらを利用する事によりチェンジオウル無しで消え去りし都のハイジャンプを入手出来てしまうテクニック。

*6 「Tool-Assisted Speedrun」若しくは「Tool-Assisted Superplay」の略。外部ツールを使用し、実際のゲーム機で理論上実現可能な範囲内でのスーパープレイや最速クリアを目指す遊び方のこと。