このページでは、『赤い刀』と『赤い刀 真』の2作を紹介しています。



赤い刀

【あかいかたな】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 ケイブ
稼動開始日 2010年8月29日
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント 『デススマイルズ』以降久々の横STG
目玉システムのせいで大味なバランス
キャラクター・世界観・演出面は好評
ケイブSTGシリーズ

概要

ケイブ製のアーケードシューティングゲームとしては最後の完全新規作品となっている横スクロールシューティングゲーム。

第二次大戦期の兵器と「忍者」を掛けあわせたような世界観が特徴。
タイトルの「赤い刀」については、(掻い摘んで言えば)本作に登場する味方や敵が「赤い刀」の持つエネルギーを動力に兵器を動かしているという設定に由来すると思われる。
そのためタイトルやキャラデザインに反して「剣劇アクション」ではない。「和風+ミリタリー」というありそうで無かった組み合わせの世界観となっている。

特徴

  • 基本システムは他のケイブ製シューティングゲーム、特に同じ横STGである『プロギアの嵐』『デススマイルズ』とほぼ同様。全6ステージ1周エンド。ただし6面はボスとの戦闘のみ。
    • ボタンはショット、ボム、フルオート(オート連射)、本作最大の特徴である「念身」用のボタンの4つ。
      • ボタン連打による攻撃(所謂ショット)は「ディフェンスモード」、ボタン押しっぱなしで低速移動しながらの攻撃(所謂レーザー)は「アタックモード」と呼ばれている。
    • パワーアップの概念はなく、また自機の移動に応じて位置を変えられるオプションも初期状態で付いている。
    • 『デススマイルズ』とは異なり地形の概念は存在しない。
    • 最後の一機で敵弾に接触した時に手持ちのボムが残っているとオートボムが発動する根性システムがある。
  • 本作の肝となるのは「念身」システム。専用の「祈導ゲージ」(緑色のゲージ)を使用することで自機を戦闘機から人型(幻忍の姿)に変化させることができる。~念身中には以下のような効果が得られる。
    • ディフェンスモード中は自機が盾を持ち、敵弾を全て跳ね返すことができる。
      • 跳ね返した敵弾は消滅するわけではなく、円を描いてからまた自機を狙う軌道を取る。
      • また、敵に近づいてからディフェンスモードで破壊すると撃ち返し弾が発生する。
    • アタックモード中は自機が銃を持ち、敵を破壊することで敵弾を得点アイテム(金塊)に変えることができる。
      • アタックモード中に敵弾に接触した場合、祈導ゲージが0になり、念身が強制的に解除される。周囲の敵弾が弾き飛ばされるため即ミスにはならない。
    • 祈導ゲージは敵を破壊して出現する緑色のアイテムを取得することで増加する。
      • 祈導アイテムはアタックモード中のオプションに吸着し、敵や敵弾に接触させることで大きくなり、取得した時の祈導ゲージが増加するという効果がある。
      • また、自機の残機表示はゲージ状になっており、ミスして残機を失うとその分のゲージが祈導ゲージに変換され、祈導ゲージの最大値が増加する。
    • スコア稼ぎについては先述した念身で敵弾を金塊に変換していくのが中心になるが、やや特殊なシステムとなっている。
      • 取得した金塊は念身している間は自機の周囲を回転。念身を解除することで取得することが出来る。
      • 自機の周囲を回転する間は金塊が徐々に大きくなっていき、大きいほど高得点になるが、最大まで大きくなってから一定時間経つと消滅してしまう。
      • 一回の念身で出現する金塊は最大256個まで。残機でピンチになるほど一度に念身できる時間は増えるが、得点稼ぎのためには小刻みに念身を行う必要がある。
    • 戦闘機の状態で敵弾に接触するとミスになるが、敵弾とは別に一部の敵が赤いレーザーを撃ってくることがある。
      • このレーザーは接触しても即ミスにはならず、残機のゲージが少しずつ削れていき、ゲージが全て赤くなると1ミス扱いになる。念身中はディフェンス・アタックに関わらず無効。
      • レーザーに当たることで少しだけ祈導ゲージが溜まる、レーザーを出している敵を破壊するとレーザーが祈導アイテムに変わるなど、有利に使うことも可能。
  • 自機は三機から選択する。設定上は各機が「赤い刀」と対になっており、刀を持つパイロットと幻忍(付き沿う存在)がペアとなって搭乗する。
    • 壱号機「金盞花」は移動速度の速い前方集中型。通常時の長押し攻撃が強いものの、念身中の火力が低い。
      • パイロット「椿」は一見普通の少年……だが、実は女性*1。幻忍の「菫」は椿の妹分に当たる。
      • パッと見普通の先輩後輩のようなペアであるが、キマシタワー的な意味でやや怪しい関係。
      • 椿のみ副作用が無いように見えるが設定集によれば「子供が産めない」副作用があると明らかになった。
      • 主人公格ではないものの、1面及び4面ボス退陣おじさん「柊」と因縁があったり、真での追加ボス「薺」との関係など、準メインキャラといった感じか。
    • 弐号機「胡蝶蘭」は中間移動速度とサーチするショットを持つバランス型。念身中は設置型レーザー。
      • パイロット「西園寺牡丹」は今作におけるヒロインで中心人物的存在。盲目美女*2というややマニアックな属性持ち。幻忍は牡丹の兄である「西園寺桔梗」はその女性的な名前とは裏腹に熱血漢。但しシスコン気味。
      • 仲の良い兄妹で、王族である彼らが祖国に謀反を起こすというのが今作の大まかなあらすじである。ポスターやパッケージに描かれているのもこの二人。
    • 参号機は「八重桜」移動速度の遅い広範囲攻撃型。念身中のアタックモードは射程が短いが威力が高く、通常時の強さもあって本作最強の機体とされる。
      • パイロットはお婆ちゃん(17歳)「紫苑」*3、幻忍はロリ担当「鈴蘭」(16歳)。実年齢1歳差の祖母と孫である。
      • 衝撃的なエンディングでも話題になった。「死ねや!!このあばずれがっ!!
      • 「真」の追加ボイスでは柊や秋明菊に小物扱いされるなど、ネタキャラ方面の色付けが濃くなった。

評価点

  • 念身は弾幕系シューティングゲーム特有の「弾に囲まれているが死んでいない」という感覚をさほど技術を要さずに出せるようなシステムになっており、遊びごたえがある。
    • 遊びごたえはあるが、攻略し甲斐のあるものとは言いがたい。詳細は後述。
  • 和風スチームパンク風のグラフィックや世界観は他のシューティングゲームで似た例のない独特なもの。使用基板の影響で解像度は粗いが高品質。
    • 『ディメンションゼロ』『神撃のバハムート』で知られる虫麻呂氏の美しいキャラクターイラストも評価が高い。女性キャラは美人揃いで、男性キャラはイケメンから渋いおじさんまで格好良いキャラが揃っている。
    • ヒロインである西園寺牡丹の絶対領域に目を奪われた紳士諸君も多いのでは無かろうか。
  • ストーリーはごくシリアスだが、ケイブのゲームらしく「馬鹿っぽい」点が多い。
    • 1面ボス撃破時に「退陣ッ!!」という台詞とともに画面外に逃げていくボス。迫真のシャウトとは裏腹な滑稽さがネタになった。
    • 空中であるにもかかわらず戦艦や蒸気機関車、陸戦車などの兵器が登場するなど無茶苦茶な場面が多々見られる。
    • 4面は戦闘機なのに水中戦。しかも大型潜水艦型の中ボスに追われて浮上するも、中ボスも一緒に浮上し戦闘になるというアツいのかシュールなのかわからない展開。
      • しかもこの潜水艦、浮上の際に空母のような大型戦艦に変形するというおまけ付き。敵メカだけなら彩京STGシリーズむちむちポーク!等に負けないぶっ飛んだズンドコメカの祭典である。
    • ゲーム中画面に出てくる人間キャラは中型機とほぼ同サイズ。よく考えるとどう見てもおかしい。
      • 一応念身は巨大な人間になるという設定なのでこの縮尺は間違いではない。
    • これらは普通のゲームなら問題点または賛否両論点ではあるが、ケイブのゲームとしてはいつものこと・むしろ賞賛に値する要素である。
  • 梅本竜氏によるBGMの評価は高い。
    • メロディアスなBGMやステージとのシンクロなど勘所はしっかり押さえている。
    • 日本が舞台ということで日本の楽器が主に使われているが、それと併せて使われている打ち込みギターの音色と悲壮さの漂う格好良いメロディが本作の世界観と非常にマッチしている。
  • 声優が豪華。今作ではベテラン声優である堀内賢雄氏*4率いるケンユウオフィスの所属声優が担当。
    • 前述の「退陣ッ!!」は堀内氏の担当キャラ。非常にいい声である。
    • 他のメンバーも外画の吹き替えメインの実力派声優が揃っている。

賛否両論点

  • 結末がやけに欝。
    • ケイブのシューティングはほろ苦くやや切なさを残す内容のエンディングが多いが本作も例外ではない。とはいえ、ピアノの旋律が展開と相まって切なさを誘うエンディングBGM・スタッフロールが始まると同時に流れるメインテーマのアレンジなど、印象的で余韻を残す味わい深いエンディングとなっている。
    • 壱号機パイロットだけでもかなり欝だが、参号機パイロットはそれに輪をかけて悲惨。参号機の展開は欝を通り越してもはや伝説と化している。
    • 一方で弐号機は感動エンド。主人公ペアということもあってか、やや優遇気味。
+ EDの簡単な展開、ネタバレ注意
  • 壱号機
    • パイロットである椿が限界を迎えたために命を菫に託すも、菫も椿の跡を追うように自刃。
    • 純粋に暗い上に、参号機のような突き抜けた何かも無い。一番不遇に見えるがBGMと椿に寄り添うように死ぬ菫のイラストが相まって悲壮だが美しく良い百合心中と評価されつつある。
  • 弐号機
    • 桔梗が限界を迎え消滅し、一人ぼっちになり泣き崩れる牡丹だが、桔梗の命が牡丹の目に宿り視力が戻り、牡丹が希望を取り戻す。
    • エンディングの中でこれのみ希望がある感動的な終わり方をする。余談だが目を開いた牡丹はオッドアイという更なるマニアックな属性を手に入れる。最後の1枚絵がかわいい。
  • 参号機
    • 紫苑が勝利を喜ぶも、鈴蘭により謀殺され命を奪われる。死ねや!!このあばずれがっ!!しかし呪いまで吸収してしまったために、今度は鈴蘭も老婆になってしまうという救いようの無いオチ。これがホントのロリババア。
    • このときの1枚目が巨大な鈴蘭を見上げる紫苑という(設定的には間違っていないが)かなりシュールな絵面で、シリアスな笑いすら零れ落ちる程。(ちなみに壱号機エンドでは椿も菫もほぼ同サイズで描かれている。)

問題点

  • 念身の強さに起因する大味さ。
    • 敵の攻撃自体はかなり激しいものの、念身中は祈導ゲージの許す限りほぼ無敵と言っていい強さを発揮できる。
    • その祈導ゲージも「高速リチャージ」というテクニックを用いることで最終ボスを含む殆どの状況で簡単かつ大量に稼ぐことが出来ることが決定打となり、システムを理解してからのクリアまでの難易度は『怒首領蜂大復活 Ver1.5』のストロングスタイル並と言える程。
    • 1周エンド・真ボスなどは無しなのもあり、結果得点稼ぎ以外のやり込む余地が少ないと評され、ゲーム全体の盛り上がりにいまいち欠ける結果となった。
      • 得点稼ぎについても独特で複雑な縛りから過去作品のような画面を埋め尽くすエフェクトといった快感に欠けている。
  • 機体間のバランスが悪く、参号機が強すぎる。
    • 参号機は通常時の長押しショットの仕様上(オプションを前面に突き出す形態)、上記のリチャージがやりやすい上に、念身時のレーザーは最大火力を誇る。念身時のレーザーの射程が非常に短いが、そもそも念身時は基本的に無敵なので弱点になっていない。
      • 一方で壱号機は使いやすさこそ参号機を上回るが、肝心の念身中の火力が低く、ややゲームのシステムそのものとかみ合っていない。
      • 弐号機はオプションの動きの仕様上リチャージがやりづらく、念身中もレーザー動きに癖がある割に参号機より火力が低い。主人公なのに……。
    • 単純にクリアが目的なら問題は無いのだが、この作品自体がややストーリー性が強いことから、ゲームに慣れないプレイヤーが目当てのEDを見るのが大変になってしまっている。
      • その上参号機のEDが非常にアレなことになっているので……。
    • 「ケイブシューティングはババアが強い」というある種の伝統を守ったことにはなる。本来はラスボスに対して言われていたことだが、今作のラスボスはババアではなくおじさんなので……。*5「そもそも強いのはババアではなくロリの方だろ」とか言ってはいけない。
    • 一応フォローすると『デススマイルズ』シリーズのフォレット、『虫姫さまふたり』のアブノーマルパルムや、『怒首領蜂最大往生』のA-Sなど「露骨に強い機体」の例が無いわけではなく、「自機間でのバランスの悪さ」はむしろいつものことだったりする。
  • 念身を使いすぎると処理落ちが多発し、最悪の場合フリーズが起きる。
  • 4面ボスの最初の形態変化時に画面中央下~画面左下付近にいると謎の当たり判定によって撃墜されるバグがある。

総評

デススマイルズII』とは異なり2Dグラフィックに回帰した結果、美術面の評価はケイブ製作品の水準レベルに達しており良好。
ならば本作のゲーム部分の評価を述べるなら、問題点にも書いた「大味」の一言に尽きるだろう。
念身は弾幕STGならではの面白さを提供するシステムでありやり応えを提供する一方で、その調整はプレイヤーが有利すぎるバランスになっている。
エスプガルーダ』の覚醒と比べて通常時と念身時での変化が非常に大きい上、念身を除けばごく普通の(難しい)シューティングゲームであることもこうした大味さを強調することとなったと言える。


赤い刀 真

【あかいかたな しん】

ジャンル シューティング
対応機種 Xbox 360
アーケード(NESiCAxLive)
発売・開発元 ケイブ
稼動開始日 【360】2011年5月26日
【AC】2012年7月24日
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント システムを1から作り直した真モード
完成度は高いものの複雑過ぎて敷居が高い
高画質化&ボイス追加により演出面は更に強化
熱くなってきたぜ!!

概要(真)

アーケード版の家庭用移植に加え、システムを大幅に変更した「赤い刀 真」モード、アーケード版をベースに再調整を加えた「絶・赤い刀」モードの3つのゲームを収録した作品。
家庭用移植ではおなじみのノービスモードも搭載している。

「赤い刀 真」モードは後にNESiCAxLiveの配信タイトルとしてアーケードに逆移植が行われた。タイトルも『赤い刀 真 for NESiCAxLive』に変更されている。

真モードについて

  • 基本操作はほぼ同じ。4面と5面(新6面)の間に新たなステージ(5面)が追加され、全7面に変更された(これについては「絶・赤い刀」モードも同様)。
    • 家庭用移植に際してHD画質に合わせた画質の向上やBGMのアレンジが行われている。
  • 特に大きな変更が行われたのは「念身」システム。ざっくり言うなら「高威力の「カタナ」を発射するためのシステム」として調整されている。
    • 敵を破壊するとアイテムが出現するが、ディフェンスモードでは鋼アイテムが、アタックモードでは祈導アイテムが手に入る。
    • 鋼アイテムを手に入れることで「ハガネ」がストックされていき、念身を行うと自機の周囲にストックした分の「ハガネ」が出現。
    • ハガネは自機の攻撃と同時に発射され、ハガネが命中すると命中したハガネの分だけ「カタナ」が自機の周囲に出現。ハガネには接触した敵弾が消える効果がある。
    • カタナは自機が念身を解くのと同時に発射され、カタナの向きに直進していく。カタナは非常に威力が高く、また画面外まで貫通しながら進んでいく。
      • カタナで敵を破壊すると得点アイテム(金塊)が出現。金塊は発生してからの時間が短いほど取得時の得点が高く、カタナと一緒に画面前に進むことで高得点が得られる。
      • なお、祈導ゲージ切れで念身が解けた場合、ハガネやカタナは使われないまま消滅してしまう。
      • 祈導ゲージがMAXの状態だと鋼アイテムの出現量が増える。なのでゲージが短い初期状態ではハガネ・カタナの回転率を上げやすいという一面もある。
    • 念身中は通常版のようなディフェンスモード中の無敵やアタックモード中の弾消し効果などはなく、むしろ弱体化する面も大きい。
      • 念身中に攻撃を当てると、ディフェンスモード中は鋼アイテムが、アタックモード中は刀アイテムが手に入るが、入手効率は悪い。
      • 念身中に敵弾に接触した場合ミスにはならず残り祈導ゲージが減るのみになっている。ディフェンスモード中なら被弾時に周りの敵弾を少し消すことができる。

絶モードについて

  • ありたいていに言えば「無印のシステムで真のステージに挑む」というモード。その他得点関連など調整がなされている。
    • 但しノービスモード及び実績の解禁が無いため、「おまけ」という側面が強い。

評価点(真)

  • 荒削り過ぎた原作のシステムを大幅に改良してゲーム性大幅アップ
    • 一番の問題だった「念身中の無敵」を削除して「ハガネ」「カタナ」のシステムを導入し、ゲーム性や戦略性において大幅にパワーアップしている。
      • 「ハガネ」「カタナ」が弾消し、火力源、稼ぎの全てに繋がるため、どのようにして使っていくか考えるのも重要。カタナ飛ばしによる金塊ジャラジャラは爽快感も高い。
    • 機体により、ハガネとカタナの性能も変わるため、機体間のバランスも大幅に改善された。
      • 壱号機は念身の無敵が無くなったことにより「普通のレーザー」である念身レーザーが見直され、カタナを狙い通り直線に狙える。「スタンダード機」という感じになり大幅に使いやすくなった。
      • そして無印で最強だった参号機は無敵が無くなり無双は出来なくなったものの、火力は健在。カタナは範囲を調整できるため攻守共に使いやすく、通常時の安定感も健在。
      • 但し弐号機は後述。
  • 演出面の強化
    • HD画質に合わせた画質の向上だけでなく、一部グラフィックが変更されている。
      • 最も目を引くのが念身中のレーザー。無印では普通のレーザーだったが、今作ではのグラフィックになった。
    • キャラクターのボイスもステージの冒頭や、ボス前の会話が追加された。
      • 今までゲーム内で語られることが無かったキャラ同士の関係などがわかりやすくなった。
      • 桔梗の「熱くなってきたぜ!!」「鮫のように噛み砕いてやるさ!!」や柊の「俺は正気だ!!」等、ある意味いつものケイブ。
    • アレンジBGMも原曲に引き続き梅本竜氏が担当。
      • 大幅に曲調が変わるケイブのアレンジBGMとしては珍しく、原曲をベースに新たなフレーズを入れ込んだりするなど、アレンジというよりも「完全版」に近い仕上がり。ある意味別物になったゲーム本編とは対照的に、保守的な作りとなっている。
  • 真ボス及び真エンドの追加
    • 6面ボスまでノーミスで突破すると、ラスボスの西園寺芭蕉が「西園寺芭蕉・紅蓮」となって登場する。
    • 撃破することで真EDに。通常EDと違い全機共通。
      • ハッピーエンドというか全員が平和を願う感動エンド。一部きれいな鈴蘭ルートといわれているとか言われて無いとか。

賛否両論点(真)

  • ノービスモードについて
    • 敵弾がほとんど減らず、「ハガネとカタナが集まりやすい」「念身中の返し弾が出ない」という調整になっているため、完全なシューティング初心者にはおすすめできない。
    • 逆に言えば、「どんどん使って弾を消す」という考えられた調整。「STG経験はそこそこあるが今作を遊んだことが無いプレイヤー向け」と取れる。

問題点(真)

  • 新システムが複雑すぎる。
    • 一言で言えば「ややこしいシステムを排除して、もっとややこしいシステムを搭載」したということである。完成度は高いのだが、無印から変わり過ぎていてまず戸惑うこと間違いなし。
    • ある意味無印の目玉であった「念身中完全無敵」が完全に排除されているため、新システムを理解しなければ稼ぎどころかクリアもままならないであろう。
    • 複雑なシステムによる高難易度化が災いして、せっかく導入されたはずの真EDに到達できない人が続出した。
      • しかもNESiCA版ではラスボスが強化されたため(後述)更に難易度が上がってしまった。
  • 真ボスについて
    • 条件こそ難しいが、ボムバリアが無いためそこまで辿り着ければボム連発でほぼ終わってしまう。初期形態に半安置があるため、真ボスというのには明らかに力不足である。
    • NESiCA版では安置が無くなりボムバリアが導入されたため、かなり手ごわくなっている*6
    • ちなみに追加された真エンドは新規CG無し。BGMやセリフこそは新規のものだが、どことなく寂しい。
  • 弐号機、というかほぼ西園寺桔梗関連
    • 使いやすくなった壱号機と参号機に比べて、使いづらい調整が目立つ。通常形態はサーチショットをそのままに火力が向上して使いやすくなっているものの、念身時が無印に輪をかけて癖のある性能に。
      • ハガネ・カタナ飛ばしが「移動方向とは逆方向」。慣れれば8方向に自在に飛ばせるものの、慣れないうちは明後日の方向に飛ばしてしまうこと間違いなし。方向転換も遅いため軌道修正をしつつ飛ばしてもタイミングが悪いと結局変な方向に飛んでいってしまうことに……。
    • 増えたボイスの方でも遺憾なく熱血キャラ・ネタ方面に強くなっている。
      • 特に上記の「熱くなってきたぜ!!」について。3面中ボス出現時の牡丹の「熱源、後ろ!」に対しての答えである(と思われる)が、妙に言い方が楽しげ。その上、3面冒頭で「感情に流されるな・・・・牡丹・・・・」の直後に「熱くなってきたぜ!!」であるからつっこまざるにはいられない。兄さんが一番感情に流されているわ……。
  • デススマイルズII』から続くある種の「家庭用完全版商法」
    • 『デススマイルズ』と違いほぼ別物になっているものの、やはり批判の声は多い。

総評(真)

大味過ぎる原作を大幅に作り直し、かなりゲーム性の高いものにはなった。元々クオリティの高かった演出面もHD画質になりパワーアップし、総じてかなり完成度の高い仕上がりにはなっている。
しかし原作の大味なゲームバランス、ゲームとしての敷居の高さ、そしてデススマイルズIIと同じような売り方のためにあまり評価は高くないのが惜しいところである。


余談

  • 浅田氏によると、『真』はかなり難産だったらしく、2013年5月のイベントのトークショーの過去話では「事件だらけ」と言われていた。
    • 納期ギリギリまで『真』の目玉仕様が決まっていなかったものを、浅田氏が発案したアイディアを使うということで解決したとのこと。「突拍子も無く新しいシステムを入れる」という浅田氏の作風が良い方向に転がった珍しい一例といえる。
  • 何故か他所のソーシャルゲームと結びつけられることが多い。
    • 戦艦と刀剣をフィーチャーした今作はブラウザゲーム『艦隊これくしょん』と『刀剣乱舞』双方のヒットを予言していたのではないかとファンの間でネタにされるようになった。
    • キャラクターデザインを担当した虫麻呂氏は、後にデジタルカードゲーム『シャドウバース』のデザインを務め、注目を呼んだ。

その後の展開

  • ケイブのスマホアプリ「DODONPACHI MAXIMUM」に弐号機こと胡蝶蘭が参戦している。周りがSFチックな超兵器の中、ミリタリー色の強い今作の機体はかなり異色な存在。
    • もちろん牡丹と桔梗もボイスで参戦。前述の「熱くなってきたぜ!」はゲージMAXのボイスに変わり、「熱源、後ろ!」に対しても「追手か!!」と普通の会話になった。
    • 但しリリース時期の関係か世界観の関係は「恋愛すごろく怒きゅ~ん」「ドン☆パッチン」と他のオールスター作品の出演は無い。*7
  • それから暫くして同社スマホアプリ「ゴシックは魔法乙女」にて2019年10月14日のイベント・第5回ゴシック弾幕祭開催に合わせ、5面(真では6面)ボスである菖蒲&蘭がまさかの使い魔実装*8となった。
    • 同イベントは「怒首領蜂」や「ケツイ」、「鋳薔薇」などの同社作品のステージとボスを登場させていたものの、元の作品に出るキャラの実装は無い状態が続いていた中での電撃参戦にユーザーは驚愕-PANIC-した。
      • 使い魔ストーリーによれば戦車などを別次元から呼び出せる刀の力が何故かジルバラードに繋がってしまい、転送されてしまったとの事らしい。そして元の世界に戻るために物騒な手段に打って出るのだが…と言った内容。
    • ちなみに、アプリ通知では「戦車☆実装」と出ていたものの、さすがにキャラグラフィックや特殊攻撃などで戦車が出るような事はなかった。そりゃそうだ。
    • 何にしても同社作品のキャラが参戦するのは久々の事であるため、他のケイブシューのキャラの更なる参戦が待ち望まれている。
  • 今作に出演した声優のうち、堀内賢雄氏は『インスタントブレイン』に続投。ヒロインの一人である菫役の高橋まゆこ氏は『ネプテューヌシリーズ』にて企業キャラ「ケイブちゃん」役に抜擢されている。
    • また『NIN2-JUMP』に今作の出演者は出演していないものの、ケンユウオフィスの所属声優が声を担当している。
  • 『赤い刀 真』をベースにアーケード基板「exA-Arcadia」への移植及び追加要素を実装した『赤い刀 EXAレーベル』が2021年7月に発表。2022年2月17日より稼働開始した。
    • 『怒首領蜂最大往生 EXAレーベル』と同じくケイブはライセンス供与、開発はShow Me Holdingsが担当。
    • モードは「オリジナル(HD版)」「赤い刀 真」「絶・赤い刀」に加えて新モードとして「EXAレーベル」が追加。また全モードでコマンド入力により高難易度の「極モード」にすることができる。
  • 2022年12月15日に『赤い刀 真』がPS4/Switch/XboxOne/Steam向けに移植された。移植は『デススマイルズ』に引き続きシティコネクション。
    • 360版をベースに松本大輔氏による新規アレンジBGMが追加されている。なお、上記『EXAレーベル』は未収録。
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最終更新:2024年02月24日 20:12

*1 決意のために女を捨てたという設定。

*2 「赤い刀」を手にした副作用。盲目なのに戦闘機を操縦できるのかというツッコミは禁止である。(設定上は「周囲の気を感じ取る能力を身に付けた」とのこと)

*3 「赤い刀」を手にした副作用で若さを失っている。

*4 ガンダムZZのマシュマー・セロやガンダムXのジャミル・ニート、海外ドラマの吹き替えが有名な人

*5 『エスプレイド』のガラ婦人、『ぐわんげ』の尼魏主、『虫姫さまふたり』のラーサなど、どうも老婆が大ボスになる傾向が強かった。

*6 ただしボム効果中の接近射撃によるアイテム回収は有効。

*7 その代わりか「怒きゅ~ん」の絵師が手がけた鈴蘭の待受画像が配信していた時期があった。

*8 入手手段はゲーム内ギルドバトルで手に入るオーブを集めて交換する期間限定使い魔と言う形となっており、ガチャで手に入る方式ではない。