ロックマンワールド

【ろっくまんわーるど】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング
発売日 1991年7月26日
定価 3,500円
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年6月7日/400円
判定 良作
ロックマンシリーズリンク


概要

ファミコン版『ロックマン』及び『ロックマン2』を元に再構成したアレンジ移植作品。
この「ファミコン版の2作からボスを4体ずつ採用」という形式は、最終作である『ワールド5』を除き、受け継がれた。

シリーズ20周年に発売されたムック『オフィシャルコンプリートワークス』にて、本家シリーズのプロデューサーの稲船敬二氏は、
「外部に発注して製作した初めてのロックマンだったが、そこの企画マンがロックマン好きで、ロックマンをかなり分かっていると思った。そのためにいい出来になった。」と語っており、次作『ワールド2』を除く後のワールドシリーズは全て同じ会社が開発を担当している。

特徴

  • 基本システムは初代『ロックマン』(以下『1』)がベースのためスライディングやチャージショットなどは存在せず、ライフを回復できるE缶も無いため難易度は高め。
    • ただし、被ダメージ時にトゲ等の即死オブジェに触れても大丈夫であるなど、『2』の要素も取り入られているところもある。
  • ボスキャラは『1』と『2』から4体ずつと、本作オリジナルの「エンカー」の計9体。また、「キャリー」という移動用アイテムも存在する。
    • 本作に登場しなかった『2』のボス残り4体は次作『ワールド2』に登場したが、『1』のガッツマン及びボンバーマンは結局GB作品には出られず仕舞いであった。
      • この2体のボスの特殊武器の使いづらさが原因と考えられる。ただしガッツマンの武器「スーパーアーム」は後に『ワールド5』で「ディープディガー」として形を変えて登場している。
      • ボンバーマンの武器「ハイパーボム」は『ロックマン ロックマン』でようやく改善された。
  • ロックマンとボスの体力、および特殊武器ゲージ数が「19」に統一された(ファミコン版では各ゲージとも、数値は「28」)
    • 各ゲージが19に統一されたことにより、FC版と比較してロックマンの体力や特殊武器の使用回数が相対的に減少した*1
    • もっともボスの体力も減少しているため、FC版よりも短期決着をつけやすくなったボスも存在する。本作以降では、それがより顕著になる。
  • ロックバスターでボスに与えられるダメージが「1」に固定された。
  • ジャンプ中や落下中に慣性がつくようになった(ただし、次作『ワールド2』は除く)。
    • 上記2つは、以降のワールドシリーズに受け継がれることとなった。
  • 特殊武器の需要も高めで、中でも攻撃範囲の広いサンダービームや、敵の動きを止められるアイススラッシャーが役立つ場面が多い。
  • エンカーから取得できる武器「ミラーバスター」は、前方にバリアを張り敵弾を跳ね返すというシリーズ全体から見ても非常に珍しいタイプのもの。
    • ただし使えるのは最終ステージのみで、道中で使いすぎるとラスボス戦で詰むため実質対ラスボス専用。ラスボスはオリジナル含め唯一の「カウンターで倒すボス」である。
    • 回避の難しい前座のカッティングホイールの猛攻で体力を減らされた後「エネルギーが切れたら負け」という状況で臨むラスボス戦はなかなかの緊張感である。負ければステージ最初からとなる。

評価点

  • 携帯機で気軽にロックマンをプレイ出来るようになった。
    • ステージ中の仕掛けなどは基本的にはファミコン版がベースとなっているが、独自のギミックも多く、本家シリーズ経験者でも退屈することなく楽しむことが出来る。
    • ゲームボーイの画面に合わせキャラを大きくステージを狭くしてあるが、その範囲で楽しめるよう構成も工夫されている。
      • カットマンステージなどは屋内ステージに変更され回転式になったスーパーカッターや耐久力の高い本作オリジナル敵キャラ「カッティングホイール」が様々な動きをしながらロックマンに襲い掛かる難ステージになっている。
      • しかし、特殊武器「アイススラッシャー」さえあれば楽に突破でき、強化されたボスも弱点武器で簡単に倒せるので特殊武器をうまく使ってクリアするというロックマンの特長が色濃く出ているステージともなっている。
    • 『1』では初期作ゆえの理不尽な敵の動きやステージ構成があったが、本作では問題点が見直されており遊びやすくなっている。
      • 『1』のボスで強化されたのはカットマンだけであり、エレキマン・アイスマンの理不尽な大ダメージ攻撃はなくなり、パターンにハメて攻略しやすくなった。よってステージ選択の幅が広がったとも言える。
    • BGMも『1』は他のシリーズと比べ、電子音感が強かったり、妙にスタッカートが多く聴きにくい感じがあったが本作ではなめらかで聴きやすく改善されている。

問題点

  • 画面サイズが小さくなったためか、ロックバスターなどの弾速が遅くなり、連射が効きにくくなった。
    • それだけでなく、敵の攻撃が回避しにくくなったといった弊害も生じた。
  • ステージ数が少なく、『2』のボス4体及びエンカーはワイリーステージ1の最後にボスラッシュ形式でまとめて戦うことになるなど、後半に詰め込み過ぎな感がある。*2
    • そのため特殊武器を試し撃ちする暇が無く、全てのボスを倒して次のステージ(最終ステージ)に進むまで武器エネルギーは一切回復することが出来ない。
    • フラッシュマンから取得できる「タイムストッパー」などは一度使うとエネルギーが切れるまで止まらないため、誤って無駄遣いしてしまうと悲惨である。ただし、バグか仕様かは不明だが、スクロールなどで画面が切り替われば武器変更が可能になるという抜け道も一応ある。
    • ワイリーステージ1でゲームオーバーになれば、再開地点はステージの最初で、ボスラッシュで得た特殊武器も没収される。他作品のようにボスラッシュから再開することはできない。
      • もっとも原作『1』の最終ステージでも再戦という形式ではあるが最後にボスラッシュがありゲームオーバーになるとステージの最初からやり直しである。
  • 移動用アイテムの性能が微妙
    • 元の作品には『1』にはマグネットビーム、『2』には後のラッシュの原型となるアイテム1号~3号という移動用アイテムがあったが、本作では代わりにオリジナルの「キャリー」というアイテムを入手できる。
    • このアイテムは最初の4ボスを倒すと入手できるが「足場を1個だけ出現させる」というアイテム1号の劣化版でしかない。
    • 容量の関係でこうなってしまったのかもしれないが、このために『2』にあった「移動用アイテムを駆使して進む」という多彩なステージ構成が失われている。

総評

外注作品でありながら出来は良くアクションゲームとしてもロックマンシリーズとしても十分楽しめる内容。
単なる移植ではなくゲームボーイの特性を理解したうえでステージ構成が工夫されており携帯機ロックマンの模範を示した良作と言える。
本家第1作が荒削りだったこともあり、大胆なアレンジをすることができ本家シリーズにも引けを取らないほどの出来となっている。
それだけに本家第2作のステージを省かれてしまったことは惜しいことである。
本家の完成度が高まってしまったために移植作感が強まってしまった後のシリーズよりもオリジナリティは高く、別バージョンとして存分に楽しめる一作である。

その後の展開

  • 本作オリジナルボスのエンカーは後にシリーズ最終作『ワールド5』のワイリーステージの中ボスとして再登場している。
    • 他にも『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』で他のロックマンキラーと共にスペシャルステージのボスキャラとしても登場している。ちなみに彼のスペシャルステージは本作のワイリーステージを再現したものとなっている。
    • ワールドシリーズに登場するロックマンキラー達も、通常ボスと区別して音楽用語から名づけられることになるが、先駆者である彼の名前の由来は「演歌」。第一作目からいきなり渋いチョイスだ。
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