ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城

【わいわいわーるどつー えすおーえす ぱせりじょう】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 3MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
発売日 1991年1月5日
定価 6,500円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年9月2日/514円(税8%込)
判定 なし
ポイント 硬派&シビアからコミカル&親しみ易さへの転換
コアゲーマーと前作ファンからは賛否両論
コナミワイワイワールドシリーズ
コナミワイワイワールド / ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城


概要

コナミワイワイワールド』の続編にあたる作品。
ただし前作の主人公であるコナミマンとコナミレディは今回ちょい役でしか出て来ない。
前作から画風が一転して低頭身にデフォルメされており、今作の主人公である少年型ロボットのリックルがコナミヒーローに変身して戦う。


ストーリー

前作のワルダー騒動終結以降、ワイワイワールドには平和が訪れていた。
そこへ突如悪の大魔法使いワルーモンが現れ、魔法によってワイワイワールドは征服されてしまった。
観光旅行中で難を逃れたシナモン博士はこれに対抗して「コナミヒーロー変身回路」を搭載したスーパーロボット・リックルを出撃させる。
しかしこれに気付いたワルーモンは、ワイワイワールドのハーブ姫をパセリ城ごと宇宙空間へ連れ去ってしまった。
リックルの目的は、ワルーモンが復活させたコナミの悪役キャラを倒しつつ、ハーブ姫を助け出す事である。


ゲーム内容

  • ジャンル欄において「アクション」としているが、実際は横スクロールシューティングやパズル、レースとなるステージもあり当時のコナミの主力作品を再現したステージ構成になっている。
    • アクション以外のジャンル要素を持つステージはミニゲーム扱いではなくパズル以外はクリアしないと先に進む事が出来ない。
  • 十字キー+2ボタン(ジャンプ、攻撃)で操作。敵や敵の弾に接触するとダメージを受け、画面下のライフゲージが全て無くなるとミスとなる。また、穴や水に落ちたり、強制スクロールするステージで地形に挟まれるとライフの残量に関わらずミスとなる。
    • 残機数がある限りその場で復活する。残機数が0の時にミスするとゲームオーバーとなる。
    • ゲームオーバー時はコンティニューして続行するか、パスワードを取って一旦タイトル画面に戻るかの選択をする。
  • 今主人公は前述の通り、リックルという少年型ロボット(2Pは色違いのブルーリックル)であり、チェンジカプセルというアイテムを取るとコナミのキャラに変身し、通常時より強力な攻撃が出来るようになる。時間制限は60秒。
    • 通常時のリックルの武装は「エネルギーカッター」だが、リーチが短く、連射もできず、威力も貧弱なので強敵との戦いでは苦戦を強いられる。時折、画面中を飛来する「スターカプセル」を破壊すると「チェンジカプセル」が出現し、これを取得した状態で↑キー+Aボタンを押すと、「コナミヒーロー」に変身し、変身したキャラに応じた強力な攻撃ができるようになる。
    • また、変身中は攻撃を喰らっても変身時間が5秒減少するのみで、ライフは減少しない。よって、有利に進める上でも変身は必須であると言える。変身時間は、道中に登場する救急箱(リックルの時はライフ4つ回復するアイテム)を取得すると20秒延長され、また変身中にチェンジカプセルを取って再度使用すると最大値の60秒まで回復する。
    • 二人プレイでは同じキャラへの変身は画面内に1人のみという制限が掛かっている。そのため、下記の変身パターンで同じキャラがいる状態で片方が変身すると、もう片方の該当キャラに「F」と表示され変身が出来ない。他のキャラに変身するか、時間切れまで待つしかない。
    • 敵を倒しているとチェンジカプセルの他にハイパーボンバーが飛んでくる。ハイパーボンバーは攻撃ボタンを押しっぱなしにしておくと体が光りだし、その状態で放すとハイパーボンバーを消費して画面内の雑魚敵を一掃する。
  • 前作の比較的シリアスな絵柄と違い、今回は頭身が下がった事も合わせて絵柄がコミカルで可愛いものになっている。
  • 通常のアクションステージの他、『ツインビー』や『グラディウス』、アーケードの『シティボンバー』など、同社の様々な作品を模したステージが盛り込まれている。
  • アクションステージは、探索要素の強かった前作と違い、オーソドックスな面クリア型になっている。
    • 全9ワールド構成。ステージ1以外は元ネタとなるコナミが開発したゲームを元にしてあり、ステージは豊富。

評価点

  • グラフィックの良さは今作でも健在で、コミカルである分親しみ易い。
  • キャラクターの性能は、それぞれしっかり分別されている。変身可能なキャラは、2連射できブーメランのように戻ってくるキセルでリックルより攻撃の性能が高いゴエモン、倒した敵を足場となる「雲」に変身させるウパ、攻撃力が高くリーチもそこそこのシモン、リーチは短いが攻撃力は最強のフウマ、非力だがあらゆる方向に遠距離攻撃が可能なビルと、それぞれ明確な長所を持っている。もとのリックルも、全キャラ中唯一2段ジャンプが可能となっている。
  • ステージのバリエーションは豊富でプレイヤーを飽きさせない。
    • 各ステージはグラフィックやBGMなどでモチーフとなった原作ゲームをよく再現できており、ステージによって雰囲気が全く違う。前作以上にごった煮の世界観となっており、クロスオーバー作品ならではの味が出ている。
      • ステージ2は『ゴエモン』風の大江戸、ステージ4は『魂斗羅』風のジャングル、ステージ5は『ぼくってウパ』風のお菓子の国と、ステージが進む毎にガラリと様相が変わっていく。しかもステージ2は『がんばれゴエモン』自体ではなく、その礎である『Mr.五右衛門』をモチーフとしている。
      • 全編コナミ作品モチーフだった前作と違って最初と最後に僅かながらオリジナルステージも存在するが、こちらも他ステージと差別化できたオリジナリティのあるステージになっている。
    • アクション以外のジャンルのステージに関しても、前作では『ツインビー』風の縦シューティングだけだったが、今作はレースにパズルなどなど、ごちゃごちゃと節操無く詰め込まれたお祭りゲーらしい内容になっている。
      • 『ツインビー』『グラディウス』と言った有名タイトルだけではなく、『ガッタンゴットン』『シティボンバー』『フロッガー』と言ったマイナー寄りの作品もモチーフにしているマニアックぶり。元ネタを知っていれば盛り上がるし、知らなくても珍しいステージの登場にやはり盛り上がれる。
      • 『グラディウス』モチーフのステージは、そのコミカル的な作風から、どちらかと言えば『パロディウスだ!』寄りのステージとなっている。一例として、タコ(Mr.パロディウス)がザブのような役割で登場している。
    • ステージの分岐もある為、再プレイでは違うステージも楽しめる。
  • 演出は間違いなくパワーアップしている。
    • 前作は全体的にあっさりしていたが本作ではコミカルな作風になった分、演出にも手が込んでおり、特にオープニングとエンディングにカットインやキャラのアップなどのビジュアル的演出を盛り込んでいる。
  • 小ネタも存在。
    • パスワード画面では『クォース』の自機を使用してブロックを発射したり、分岐点では(キャラは参戦していないが)『メタルギア』のように通信機で連絡を受けたり、『がんばれゴエモン』に存在した隠し通路が出現したり、ウパはステージに存在する足場のケーキを食べれたりと数は多い。原作を知っている人であれば、成る程と思うものばかりである。
    • 最終ステージの最終フロアはオリジナルの強制スクロール面だが、よく見ると雑魚敵は『月風磨伝』の龍骨鬼、『ぼくってウパ』のかとりーぶ、『沙羅曼蛇』のゴーレム、『がんばれゴエモン2』の皿人形など、各作品のボスがデフォルメされたものばかりである。ラストだけあってコナミ作品のボスラッシュをさり気なく持ってくるという粋な演出になっている。
  • システム、UIの改善
    • 難易度の低下は下記の通りだが、逆に言えばユーザビリティに配慮したとも言える。前作はシビアな操作を要求される部分やシステム的に不親切な所も少なくなかったので、新規ユーザーの導入口としては十分である。
      • 画面スクロールも適切な位置で行われるようになった。前作のように先がよく見えない不安の中でプレイすることも無くなった。
      • 低めの難易度も家族や友人と気軽にワイワイ遊ぶ分には丁度いいといえる。
    • 文章も平仮名が使われるようになった。
      • 前作ではカタカナのみで読みにくかったが、平仮名が使うと印象が大分良くなった。
  • BGMのクオリティも高い。
    • コナミ作品のアレンジは今作も健在で、原作とはまた違ったイメージが多く、好評を博した。
      • 中にはMSX版『グラディウス』でもアレンジが使用された『スクーターシューター』の楽曲を更に大胆にアレンジするというコアなチョイスも。
    • アレンジばかりではなく本作オリジナルの曲も多い。特に最終ステージの曲は本作のイメージに沿いながらも、ゲームが大詰めだと実感できる曲調で評価が高い。その後のラスボスで気が抜けるのだが。

賛否両論点

  • 作風が丸くなった。
    • 難易度は低め、ドット絵もコミカルなものであり、前作のような仕様を期待していたプレーヤーからすれば期待と違ってしまったのは否めない。
    • 新規ユーザーやアクションが堪能ではない人なら丁度良いが、逆に言えば前作の高難易度を突破したプレイヤーや普段からアクションゲームに慣れているプレイヤーであれば簡単にクリアできてしまう。
      • ただ、ラスト面最初の『フロッガー』のように車やトラックの隙間を抜けて画面上に行くシーンだけは、障害物の速さや隙間の狭さもあって妙に難易度が高い。しかもたった1ミスで残機が1減る。

問題点

キャラクターの組み合わせ

  • 変身できるキャラは5人中3人のみ、しかもその組み合わせはプレイヤーの自由に選ぶことはできず、スタート時に以下の決められた4パターンからどれか1パターンを選ぶシステムになっている。
    また、2人プレーではそれぞれが別のタイプを選べるが、上記の通り、片方が変身中はもう1人は同じキャラには変身できない。
  • A:ゴエモン・ウパ・シモン
  • B:ゴエモン・ビル・フウマ
  • C:ウパ・フウマ・シモン
  • D:ウパ・シモン・ビル
  • だが、特定パターンの強さが明らかに偏っている。
    • 4パターンの中で使い勝手を考えると、Dタイプが抜きん出て強い。理由はビルとウパという強力キャラが両方いるため。
      • ビルは攻撃力が低いとは言え連射が利き、上下左右に銃を撃ち分けられる。本作では道中の雑魚敵の耐久力が低めで、ビルの攻撃力ですら1発で倒せる敵がほとんど。そのため、射程が無限というアドバンテージが絶大なものとなっている。ボス相手にも近づくことなく楽々と撃ち込めるのが強いが、時間がかかるため途中で変身が切れてしまうこともある。また原作と違って斜め方向に弾を撃てないという欠点もある。
      • ウパは初心者救済キャラ筆頭である。先述の通り、ウパは敵を倒すと雲に変換できるのだが、足場とするだけなく雲をアイテムとして回収することも出来る。雲はエンゼルマーク(10個取ると1UP)と同様の効果を持つため、ステージ4等の敵が湧き出る場所であればそこで幾らでも残機を稼げてしまう。更に見た目通り背が小さいので当たり判定が小さく、一部のボス敵に対しては回避と攻撃が非常にやりやすい。ステージ2のボスに対してはウパだけで完封することも可能。
        更にウパのホームステージであるステージ5は、ウパでのみ壊せるブロックからアイテムを回収したり、フィールドにあるケーキを食べて進むことができたりするうえ、後半の水中強制上スクロール面でもウパのみスイスイ泳げて落下速度もゆっくりになるため、使い勝手は独擅場になる。
      • シモンは先述の2名と比べるとあってないようなものだが、他二人に不足している火力が高いので、敵の耐久力が上がってくる終盤やボスをゴリ押しで倒すには有効。
        まとめると、道中、ボス共にアドバンテージを大きく取れ、残機も稼げやすく、二人プレイで初心者やアクションが苦手な人と組んでも建て直しやすいのである。
    • Bタイプも強い。ただし、こちらはウパがおらず残機を増やす方法がないのでDタイプに比べれば慣れた人向けである。
      • フウマはリーチが短いとはいえ、攻撃力も連射力も高性能である「波動剣」でボスを瞬殺できる。ビルの苦手な斜め方向にも攻撃判定があり、斜め上から敵がバラバラと降ってくるようなステージではビルよりも安定して進められる。
      • ゴエモンは攻撃の軌道を自分と同じ高さに変化させられるので段差が多いステージ2などで有効なほか、1人より2人で遊ぶ時にボス戦にて真価を発揮する。ボスは敵にダメージを与えて硬直させても無敵時間のほうが長いのでハメることは本来出来ないのだが、2人の場合、ボスを挟み餅つきのように交互に攻撃を与えていくとハメることが可能。
    • 「ビルが居ない」という一点だけでA・Cタイプの価値は低い。AはともかくCはシモンとフウマで火力キャラがかぶるので使い勝手は最も悪い。せめて3人を自由に決められれば、とも思えるが。
    • 前作は各キャラクターが個性的な攻撃範囲・当たり判定を持ち、使い分けが必要となる場面が多く味があったため、それと比較するとアクションの戦略性も薄い。
      • 前作をプレイした人向けにゴエモン・シモン・フウマの組み合わせも用意してほしかったところである。
    • また、4つから選べるのはゲーム開始のみであり一度決めたら後のステージでは変更は効かない。このあたりはパスワードにもしっかり反映されてしまっている。

ゲームバランス

  • 分岐ステージとなるステージ6にはパズルとレースがあるのだが、パズルは選択した時点でクリアが保証され、更に成果によっては予備バッテリー(体力が無くなった時に消費して全回復)を貰えてお徳なのに対し、レースはボスがまともに戦うと強いうえ、ゲームオーバーになる可能性が有り、クリアしても何も無いと踏んだり蹴ったり。
    • 但し、レースのほうが面白いという理由からパズルより選ぶ人は多かったりする。
    • パズルではどうやってもゲームオーバーにならないので、パズルから始まるパスワードを取ることができない。
  • ステージの長さにバラつきがある。
    • 中でも1面は最初のステージにもかかわらず、横スクロールアクション→横スクロールSTG→横スクロールアクション→ボス戦と、なぜか他ステージの2倍以上の長さが優にある。チュートリアルというわけでもなく、穴に落ちたりスクロールと壁に挟まれて即死したり、横STGでは変身ができずライフ不足に陥りやすかったりと、最初にしては妙に厳しい。
  • ハイパーボンバーが使いづらい。
    • 使い捨てで1個しかストックできないので使いどころが難しい。
    • 画面全体攻撃は強力だが、使用に溜めが必要なので敵が大量に出てきてからでは発動が間に合わず、緊急回避に使えない。
      • 溜め中は攻撃ができないので常時溜めておくこともできないし、一旦溜め始めるとキャンセルも効かない。結局は無駄打ちもしくは1匹だけ倒せることがほとんどで、2匹倒せれば上等なくらいである。

個性の強みをあまり活かせていない点

  • 主人公が各キャラに変身するという設定のため、クロスオーバーものではありながら、実質キャラ同士が共演しているという感覚があまり感じられない。
    • 変身時間などの制限が設けられたことにより、自由にキャラを使い分ける楽しみが減ってしまったのもマイナス。ゲームシステム的に問題がある訳ではないのだが、お祭りゲーとしては劣化してしまったと言わざるを得ない。
    • 前作が「仲間と力を合わせてステージを攻略していく」というお祭りゲーとしてのツボを非常に押さえた作品だったため、そういった点に魅了されたプレイヤーからは特に低い評価を受けている。
  • 主人公はヒーローに変身しているだけなので本物のヒーローはどこかにいるはずだが、何故か一人も登場しない。
    • シナモン博士やエビス丸が登場しているので時代や次元が違うというわけでもなさそうだが…。
  • ヒロインであるハーブ姫も存在が軽い。
    • 前作や他作品からの出演ではなく、本作オリジナルキャラである。サブタイトル通りパセリ城からSOSを発しているが、それだけ。
      • ワルーモンにさらわれたので助けに行くという王道的展開ながら、助けるとそのままエンディングなので特に何かの役に立つというわけでもない。主人公と結ばれたりするわけでもない。まあそもそも主人公はロボットだが。
    • 名前から何やらシナモン博士と関連がありそうに思えるが、そういう設定も特にない。ぶっちゃけ何者なのかすら不明。
    • 前作ヒロインのコナミレディと比べても知名度は格段に低い。コナミに忘れられたのか、後の作品にゲスト出演もしていない。

総評

グラフィックやアクションゲームとしての操作性が特に悪いというわけではなく、寧ろ演出・グラフィック・BGMは前作を凌駕しており、単体で見れば良く出来た部類である。
しかし前作のような硬派でシリアスな世界観や、歯応えのある難易度を期待したユーザーは肩すかしを食らわされた。
前述のような大幅なモデルチェンジ、難易度の低下が前作ファンやヘビーユーザーの反発を招いてしまい、評価を落とす結果となった。

逆を言えば、コミカルな見た目や易しい難易度のおかげで入り込みやすくなっているということでもあり、前作未経験者やアクションゲームが得意ではない人であれば問題なく楽しめるだろう。

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最終更新:2022年12月27日 03:21