まいにちいっしょ

【まいにちいっしょ】

ジャンル お気軽ネット
対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ポータブル
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ビサイド
発売日 【PS3】2006年11月11日
【PSP】2008年10月15日
定価 無料(一部有料コンテンツ有り)
備考 現在は配信終了
判定 なし
どこでもいっしょシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要

PS3の発売と同時に配信が始まったローンチタイトルの1つ。略称は『まいいつ』。
どこでもいっしょ』のキャラクター達を使い、内容も一部引き継がれているがミニゲーム以外のゲーム性は薄く、どちらかというとソーシャルコンテンツ的な趣きの強いタイトルとなっている。
2009年11月11日の『週刊トロ・ステーション』配信に伴い、2010年5月31日をもってサービス終了。なお、本作から引継ぎ特典も用意された。
『どこいつ』同様、部屋の中で生活するトロに贈り物をしたり話しかけたりするコミュニケーションはそのままだが、言葉を教える要素はなくなっている。その他のコンテンツについては以下。

トロ・ステーション

  • 本作のメインコンテンツ。トロとクロによるニュース番組の体裁を取っており、タイトルの通り毎日配信されていた。通称トロステ。
    • 内容は多岐に渡り、最新ゲームの紹介やスタッフインタビュー、ゲームアーカイブスのオススメタイトル紹介、他のポケピ達が登場して元旦を祝ったりする事もあればクロの好きなアニメやネタコンテンツに終始する事もある。
  • 基本的に会話を眺めて進めていくだけだが、時おりクイズが出されたり、部屋の模様替え用アイテムを入手する事が出来た。
  • ニュース以外にトロをメインとしたストーリーも配信され、トロとおじいさんの昔話を中心とした物語が展開された。
    • 配信済みのニュースはバックナンバーとして視聴可能だが、古い話は順次見れなくなる。ただし、上記のトロの物語や後述の24時間配信などのイベントは何度でも視聴可能。
    • PSP版ではニュースを最大2週間分メモリースティックに保存しておく事が可能で、ネット環境のない場所でも視聴可能。

ニャバター

  • 2007年10月11日のアップデートで搭載された機能。プレイヤーの分身となるアバターを作成出来る。
  • 容姿はトロやクロと同じだが、模様や目の形などを自由に設定可能。また、服を着せ替えて自由なファッションを楽しむ事も出来た。
    • 服の購入はゲーム内ストアから購入する必要があり、有料コンテンツの一つであった。なお、「仕立て券」を購入する事で自分でデザインした服を着せる事も可能。
  • ニャバターを使った要素としてファッションショーが搭載された。
    • ファッションショーの出演する以外に観客になる事も可能で、気に入ったニャバターに投票したりコメントを贈る事が出来た。

おでかけ

  • アップデートにより追加された要素のひとつ。トロの家の庭や、有料コンテンツを購入出来るストア、ミニゲームを手軽に遊べるゲームセンターへ行く事が出来る。
  • 庭には購入したアイテムを配置し、部屋と同様に模様替えを行う事が可能。フレームを使用して庭の様子を撮影する事も出来る。この機能を使ったコンテストも行われた。
    • 一部アイテムは遊ぶ事が可能で、鬼ごっこをしたり、レースコースを作ってラジコンカーを走らせたり、釣堀で釣りをしたり出来た。
  • ストアでは前述のニャバターの衣装や模様替え用のアイテムといったアイテムの他、ミニゲーム付きのトロ用コスプレ衣装なども販売された。
    • なお、リアルマネーではなくゲーム内通貨のみャイルを使用するみャイルショップもあるが、ラインナップはかなり少なかった。
  • ゲームセンターでは上記のコスプレミニゲームの一部が有料だがコスプレを購入するよりは安く、手軽にプレイ出来た。
    • また、有料ガチャのカプセルポンポンが設置されており、模様替え用アイテムを購入出来た。他社作品ともコラボが行われ、『初音ミク -Project DIVA-』のモデルをそのまま使用したフィギュアなどもあった。
  • 他のプレイヤーの庭にも遊びに行けるようになり、一緒におもちゃで遊ぶ事が出来る。

ミニゲーム

  • コスプレゲーム
    • トロのコスプレ衣装を購入する事でプレイ可能になるゲーム。草野球や大富豪、ボウリング、カルタといった定番ゲームが多いが、中には『みんなのGOLF 5』とコラボした『みんニャのパターGOLF』などもあった。なお、このパターゴルフは後に単品でゲーム化されている。
  • まいにち右脳ランキング
    • 6種類の右脳ゲームを連続でプレイし、全国ランキングを競うゲーム。ランキングに登録出来る試験は一日一回しか受けられないが、練習は何度でもプレイ可能。
  • まいにち右脳バトル
    • 上記の右脳ランキングから3つと、四則計算を行う「答えはいくつ?」の4種類のゲームでオンライン対戦を行える。
  • まいにちピクチャーしりとり
    • ワギャンランドシリーズ』でおなじみの絵を選ぶしりとりゲーム。『ワギャン』同様に裏読みも搭載されており、この読みが深いほどポイントが高くなる。オンライン対戦に対応しており、勝敗は読みポイントの合計で決まるが、もちろん最後に「ん」がついても負けとなる。

評価点

  • 一切の妥協を見せないトロ・ステーションの内容。
    • PS3やPSPで発売するゲームの宣伝や懐かしのゲーム作品紹介は勿論、ボーカロイド特集やNHKBSで放送されていた『ザ☆ネットスター!』の紹介、果ては軍艦島に関する話題などについてもディープに取り上げてくれる。
      • その中でも特筆すべきは、イギリスで作られたコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』のDVDがソニー・ピクチャーズから発売された際の特集回。
        「まさかの時のスペイン宗教裁判!」から始まり、スパムメールの語源とされる「スパムの多い大衆食堂」、「ナッジ・ナッジ」の話題では日本放送時の広川太一郎氏による名吹き替え「ちょんちょん」にも触れ、そして最後は「16トンの重り」で強制終了という力の入れ具合。更に、態々この特集回だけの為に作ったであろう「バカ歩き省」のモーションまで披露された。何やってんすかビサイドスタッフの皆様。
      • ゲーム紹介に関しては割と好意的に行っている……かと思いきや、とあるゲームを「愛のないリメイク」呼ばわりするなど、意外と辛辣な所もあった。
    • 2008年11月15日にトロステ2周年を記念して「トロとクロが24時間走り続け、各地でゲストと会う」という内容の24時間連続配信…その名も「24時間マラソン」が行われた。下手すればどこぞの本家24時間よりも手間が掛かっているのではなかろうか?
      • ちなみにこの24時間マラソン、後にダイジェスト模様も配信されている。
  • 愛すべきキャラクター達。
    • トロ・ステーションの影響もあってかポケピの中ではやはり「トロ」の出番が多め。純粋でちょっぴりエッチ、可愛らしい一面は相変わらず。
      • 和歌山県のテーマパーク『アドベンチャーワールド』の特集回ではパンダに興奮し、いつもは振り回されるクロを逆に振り回すという一面も。
    • その他のポケピ達も、ゲストキャラクターという形でちょくちょく顔見せをしてくれる。
  • 何かと自重しない言動が多いもう一人のメインキャラクター「クロ」についてもただのダメキャラという訳ではなく、トロの危機を交渉術を駆使することで救ってみせたり、テレビさんの故障時には真っ先に土下座して修理をお願いしたりなど義理堅い一面もある。
  • クロが980円で買ってきた中古テレビ内のキャラクターこと「テレビさん」も好評。
    • クロが「980円」呼ばわりするのに対して「980円ってゆーな!」と返し、タライを落とすというやり取りはもはやお約束。
    • 作中で度々コスプレ姿を披露する機会があり、これがまた実に可愛らしい。アンケートによればユーザーからも「いいぞもっとやれ!」という声が多数届いていた様子。

賛否両論点

  • 自重しないキャラクターの言動。
    • 特に指摘される事が多いのはクロの言動。ほんの少しでも隙があれば、容赦無くネタを挿んでくる。
      • アイマスの話題になるとその暴走は凄まじいものになり、「わた、オレっちはとってもかわいい閣下の愚民ですみャ」「とかち!とかち!とかちつくちて!」「πタッチ!」「先生、ミンゴス、ぬ~ぬ~、召喚みャ!」等と、お前はバンナムの回し者かと思うレベルで問題発言のオンパレード。しかもこれでまだ氷山の一角というのだから恐ろしい。
      • 他にもゲーム関係では「性欲を持て余すみャ」「上上下下左右左右BAで開くんじゃね?」「富竹フラッシュ!」といった言動も。
      • 更には「もうね、オレっち深い悲しみにつつまれましたよ」「ふーんだ!れいむかがみんもいない神社に用はないみゃ!」「オレっち昨日(コミックマーケット会場に)行ってき…」といったものまで。DKHN(ダメだこいつ…早く何とかしないと)…。
      • 実はニコニコ動画のプレミアム会員となっている事を公言しており、トロステ内でもユーザーによるアップロードを見越してか「ニコニコ動画のみんな~元気かみャ!」「おおっとすごい弾幕だみャ!」と発言している。
    • こうした言動については「クロ枠」として支持するユーザーがいる一方で、不快に感じるユーザーも多かった模様。
      • 実際にトロステ内でも批判が届いている件が取り沙汰され、一応、若干ながら自粛してはいた様子。
      • 尚、公式アンケートでは「興味のあるトロステの題材は?」という質問に6割が「クロ枠」と回答、更に「むしろクロ枠はもっと飛ばすべきだと思うか?」という問いには同じく6割が「YES」と答えていた事も併せて記述しておく。お前らも自重しろ。
  • では他のキャラは比較的まともなのか? と訊かれると、案外そうでもなく…トロもトロで自重していない発言が結構多い。
    • ゲストの初音ミクについて「ギャルゲー?」と言い放つのはまだ序の口。
    • 「スイーツ(笑)」「パンツじゃないから恥ずかしくないのニャ」「トロが9秒の時点で時を止めたのニャ。そして時は動き出すのニャ~」と言ってのけたり「SCEのみなさん、お仕事ヒマなのかニャ?」という自虐ネタをかましたり等。見方次第ではクロよりも危ない橋を渡っている気がしないでもない。
    • 「ニンテン…」「XBO…」と、明らかに危ないワードを口にするシーンまで存在していた。なおこの発言は流石にSCEも問題視したらしく、トロステ中の発言で唯一修正を喰らってしまった模様。
    • 上述した「DKHN」も、トロステ内では何気にトロがクロに向けて言い放ったのが初出。
  • 本来ならストッパー役を担うはずのテレビさんも、たまに羽目を外してしまう。
    • 「バーカバーカ!変態変態大変態!」といかにもな発言を繰り返し、アイマス回では遂に「de変態っ!der変態っ!EL変態っ!変態大人っ!THE HENTAI!!」とまで言ってしまう。これ以前の「ツンデレ百人一首」の回辺りから、テレビさんに声が付いた場合の中の人候補がユーザーの間で絞られつつあったが、この一件がダメ押しとなり彼女の中の人候補がとある一人の声優に固定されてしまったという。
    • 「ちょっ、そこ、ちがう……はわわ~、そんなムリヤリ入れちゃダメですぅ!」といった、字面だけだと何とも如何わしい台詞も。一応明記しておくが、このゲームは全年齢対象です。
    • 後述する週刊トロ・ステーションでの『Angel Beats!』特集では「1番人気は音無×日向のポップかな~って」と、とんでもない台詞を言い放つシーンまである。腐ってやがる…安すぎたんだ…。
  • よくよく見てみるとゲストキャラクターの言動も自重していないものがちらほらと。
    • 同じポケピのピエールは他キャラがハゲタカコントをやっている最中に「ストイック・BLごっこをやってるのはここかしらン!?」と乱入し、スズキはJ-PARC特集のゲスト・多田将博士に影響され「アイドルを探求すればわがはいもあっという間にやわらか頭ロボ」と言い出してしまう。
    • 他社作品でも、特に日本一ソフトウェアからのゲストの皆様は問題発言の量がかなり多め。
    • レースゲーム『MotorStorm 2』公式動画からのゲスト、サンダース教官に至っては「おおっと!実はここは別ワールドに進む土管…」等と…それ以上いけない!
  • 仕舞いには月面基地のウサギさん(=ビサイドの中の人達)の代表「満月ちゃん」まで「見つかったら地下の強制労働場でペリカ暮らしだよ」と思わずざわ…ざわ…してしまうビサイドの内部事情をぶっちゃけたり、更に別のウサギさんが8頭身のクロの姿で登場するという出オチをやらかしたりという有様。DKHN!
  • トロの通史に関する変更点。
    • 基本的には成猫になって以降がオフィシャルの生い立ちと設定されるようになり、『どこいつ』のアペンドでリリースされた『こねこもいっしょ』の事象はほぼ抹消されている。
      • この辺りは解釈の違い(こねこトロで家を出る→『まいいつ』での通史に繋がる、など)でどうにかなるかもしれないが。

問題点

  • 見て分かる通り、とにかく有料コンテンツが非常に多いタイトルであった。
    • 特にカプセルポンポンはあまり話題にならなかったものの、いわゆるコンプガチャを行っていた。2012年の消費者庁の発表に伴い、コンプ特典の配信が停止された。
    • とはいえ本作が基本無料であり、更に毎日更新を行うなど他ゲームと比較しても尋常ではない仕事量をこなしているという点を考えれば、ある程度仕方のない部分はあった。コンプガチャの件を除いて、ではあるが。
  • PSP版は機能がかなり制限されており、プレイ可能なコスプレゲームも少ない。また、PS3版とは持ち物やみャイルを共有出来ない。

総評

ゲーム企画のために毎日定期配信を行った極めて稀有なタイトル。
有料コンテンツの多さこそ目に付くが、トロ・ステーションの内容の細かさや、それを毎日基本無料で楽しめるという点は極めて大きい。
一時期「PS3屈指にして唯一のキラーコンテンツ」とまで言われていた事から、少なくともPS3版についてはユーザーからの好評ぶりが窺えるだろう。
24時間連続配信などの話題性も含め、ソフト不足に悩まされたPS3の歴史の前半期を支え続けた作品である。


週刊トロ・ステーション

【しゅうかんとろ・すてーしょん】

ジャンル お気軽ネット
対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ポータブル
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ビサイド
発売日 2009年11月11日
定価 無料(一部有料コンテンツ有り)
備考 現在は配信終了
判定 なし
どこでもいっしょシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要(トロステ)

『まいにちいっしょ』の後継となるソフト。
基本的な部分はほぼそのまま引き継がれており、まいいつで入手したアイテムやニャバターも引き続き使用可能になっている。
2013年3月22日に最終回を配信し、同年9月3日をもって完全にサービスを終了した。

主な変更点(トロステ)

  • トロステの更新が週一回となり、同時に複数の内容が配信される形式になった。
    • また、ニャバターと一緒に次回予告をするコーナーが設けられた。
  • 前作のアイテムショップが「みャイル百貨店」に統合され、課金以外でも購入可能になった。
  • 前作のデフォルトゲーム三つもゲームセンターに統合された。
  • 月額課金の「プラチニャ会員」が新設された。
    • 会員になると、前作よりも広い家と庭を使えるようになり、トロステも会員専用の内容やバックナンバーの視聴が可能となる。
    • ただし、これによってデフォルトだとトロの住まいは近所の空き地に変更されてしまい、文字通り野良猫になってしまうというあんまりな扱いであった。
      • 空き地は『まいにちいっしょ』の家(無料)に比べて置き場も圧倒的に狭く庭もないため、『まいにちいっしょ』をプレイしていた人間からすると いままでタダでできていた事が突然できなくなった 様にしか見えず、批判を浴びた。

新たに発生した賛否両論点(トロステ)

  • 『まいいつ』時代に3年間ほぼ毎日放送していたこともあってか、この頃になると一部企画にはさすがにマンネリ、食傷気味という意見も見られた。
  • トロステ内ニュースの内容において「クロ枠」の占める割合が『まいいつ』時代よりも増加傾向にあった。
    • 上述通りクロ枠は人気コンテンツながらも好き嫌いの分かれる内容であった為、受け付けないユーザーにとっては辛いものがあった。
    • 週刊トロステ開始時の第1号~第13号辺りまでは大枠ニュースの大半がアニメ・ゲーム特集という状態が続いており、案の定クロもノリノリだった為か約一か月半近くのトロステが毎週実質クロ枠というカオスな状態が続いていた。
      • ハイテンションな放送内容の連続については流石に問題視するユーザーも多かったようで、当時のプロデューサーや月面基地のうさぎさんの発言から多数の不満の声が届いていたであろう事が窺える。
    • 第14回以降は、回数を重ねる毎にクロ枠の頻度も減りはしたが、クロ枠関係なくアニメネタを出す機会も以前よりも多くなった。
      • 特に当時放送されていた話題作であった『魔法少女まどか☆マギカ』はクロもお気に入りだったらしく、それこそアニメ等と全く関係ない話題でも唐突にネタにすることもあり、住み分けのできていないクロの言動には不快感を示すユーザーも少なくなかった。
    • まいいつ時代に話題になったのをいいことに露骨に味を絞めたように感じられたユーザーも多く、ネタに走り過ぎという声も当時のSNSのコミュニティ等では見られた。
  • 「クロ枠」の中で一部アニメ作品や声優をあからさまに贔屓したり、プッシュしたりするような言動が目立つように。
    • クロは『まいいつ』の頃からそのようなキャラではあったが、以前よりも露骨に贔屓するようになったとする意見も見られた。
    • その中でも、特にトロステ内での『とらドラ!』の異常なまでの扱いの大きさは話題に挙がる事が多い。
+ とらドラ!とトロステの歴史。かなり長い為折り畳み
  • 最初に明確な動きがあったのは2009年12月、BDの規格策定と普及推進を担うBDAが、ユーザーからBD化を望むタイトルの投票を募り、1位に輝いた作品のパッケージ化に向けて働きかける投票企画「あなたの力でBD化プロジェクト」第2回の放送回。
    • 第1回はネット投票のみであったが、第2回からはそれに加えてアニメージュとトロステの3メディアで投票が行われた。
    • この放送回において「あなたの力で~」の概要を解説し投票を募ったのだが、ノミネートされた15+1作品の中からクロは「でも、どうせなら『とらドラ!』に入れてみないかみャ?」と露骨に特定作品への票集めを誘導するかのような発言を行う。しかしトロから「そういうえこひいきはダメなのニャ」と怒られてしまう描写が入る辺り、この頃はまだ自重できていたのだろう。
    • クロは『まいいつ』時代から『とらドラ!』が好きだという旨の発言を度々行っており、2009年9月のBDマイスター回において第1回「あなたの力で~」を解説した際に「(ベスト5の中に)オレっちのイチオシが入ってない」と文句を言い、(『とらドラ!』のタイトル名こそ出さなかったものの)この時点で既にプッシュを行っていたのである。ただ、一応この時は軽いギャグのようなノリではあった。
      • ちなみにこの回でトロに不正を咎められたクロは、それならばと代わりに『みなみけ』への投票を進めてきたが、やっぱりトロに怒られてしまった。クロの趣味がよく分かる
  • その後の職業インタビュー回では「小説家&編集者」へのインタビューとして、とらドラ!原作者の竹宮ゆゆこ氏と担当編集者の湯浅隆明氏にインタビュー。
    • この回の冒頭ではクロが「トロステをやっててこの作品を知らないのはモグリみャ」「ずいぶん前からサブリミナルのようにアピールしてたジャマイカ!」と自分が推していることを隠そうともせず、悪びれもしないかのような発言まで行う。
    • 同回では上記インタビューに加えトロステメンバーによる『とらドラ!』の寸劇、クロによる作品解説、さらに未公開インタビューでは竹宮氏による誕生秘話や裏話など、『とらドラ!』づくしともいえる内容だった。一応、寸劇と作品紹介は小枠を使い、メインの大枠では小説家・編集者という職業についてしっかりと取り上げてはいた。
  • そして2010年2月、迎えた放送第15回の第2回「あなたの力で~」投票結果発表の日、トロステ内での投票結果の一位は案の定『とらドラ!』。この結果にはクロも「訓練された視聴者様はわかってらっしゃる」とご満悦。
    • しかしながら残り2媒体を合わせた総合結果では、ネット投票が伸び悩み『ゼーガペイン』に敗れ二位という結果に。
    • この結果に納得できないクロは不正票を入れて『とらドラ!』を一位に捏造しようとするもトロに阻止され、そのまま昏睡。
    • そしてこの回のラストでは『とらドラ!』原作シーンのパロディを行いながら「望まれてるのはイカサマじゃないとわかってる」としつつも「できることはしたい」と発言。そして「キングレコード(さん)へ殴り込みじゃああ!」と宣言して「つづく?」のテロップと共に終了。
  • 第24回では、第15回での宣言通りキングレコード(さん)への殴り込みを、枠一つを費やしてまで実行した。
    • 殴り込みとは言いつつも、その内容は『とらドラ!』BD化の直談判をキングレコードの山中隆弘氏に交渉しに行く…という「クロの妄想」そしてこの殴り込み自体も同作のパロディの内容となっている。
    • 同回ではアニメ作品をBD化する際にかかる労力や問題点、さらに『とらドラ!』が制作・放送時期等の問題を抱えておりBD化には越えるべき障壁が多い事等が解説され、内容自体は高く評価されている。
    • この回のラスト、クロは多くの問題点があると理解しつつもBD化を願い山中氏に土下座で懇願。そのクロの熱意に押され作品を見たことがないトロも一緒に土下座。
    • この熱意が伝わったのか、山中氏は社内での再検討を約束する。さらにオチはアニメ後期ED曲を流す特別仕様で絞める。さらに「黒猫に釘」という思わせぶりなウソ次回予告も行う力の入れっぷりを見せた。
  • そして迎えた2010年8月、放送第41回内での第3回「あなたの力で~」投票日。候補に挙がった16作品の中にはやはり『とらドラ!』もノミネート。この回でメインを務めるのはトロとリッキーで、コーナーの進行に加わっていないクロは天や山の神々に祈りを捧げていた。
    • 「(ノミネートされた作品は)BD化されたら買いたいという意見が多かった作品だった」であり、「「好きな作品」ではなく「欲しい作品」を選ぶ」と、予め人気投票ではないという旨も説明した上で投票が行われた。
    • ユーザーが投票を行った後に再び荒ぶる海の神々に祈りを捧げるクロのカットが入り、「とらドラ!を一位に~!」とクロの願いをここでようやく知ることができる。これまでの流れから考えればバレバレなのだが。
  • 第53回では、いよいよ第3回「あなたの力で~」結果発表。発表自体は一か月ほど先に行われていたが、放送の都合からかトロステは遅れての発表となった。
    • 結果を待ち遠しにしていたクロは一足先に結果を見るが、どうやら望んでいたような結果ではなかったようで「そうみャ これは夢だみャ」と某AA風に寝込んでしまう。
    • 寝込んだクロをよそにトロとリッキーで実際の結果発表が行われたが、どうやらクロの努力は報われたようで『とらドラ!』は二位以下を倍以上の圧倒的大差で突き放す得票数で一位を獲得した。ちなみにクロが見た結果は、得票数が各媒体で最も少なかった雑誌媒体だけのものであった。
    • クロはショックでヤケ酒をくらっていたが、事実を知り大歓喜。字幕ではテレビさんも若干引くほどに喜び、落ち着くまでに4時間かかったらしい。
  • 第64回の純喫茶980円では山中氏がゲスト出演し、(『とらドラ!』劇中パロディを挟みつつ)投票で一位を獲得してもなおBD化に技術的な問題が多く難しい、という旨の発言をした(本当に問題があったのか、そういうシナリオだったのかは不明)。
    • それに対しクロは「みんなの想いが集まってる」と先の投票時の『とらドラ!』へのメッセージを山中氏と制作陣に届け、その後2011年1月に山中氏は改めてクロに「とらドラ!を必ずBD化する」「何か新しいものを付ける」ことを確約する。この小枠を持って『とらドラ!』BD化までの道のりはようやく終了する。
  • その後もイベントやBD制作過程のレポート等があるが、大まかにはこの辺りまでが『とらドラ!』への過剰プッシュが見られた時期と言われている。数えてみれば実に1年(まいいつの第1回時の発言まで入れれば足掛け2年)近くに渡り『とらドラ!』をプッシュしたことになる。
    • 『とらドラ!』ファンから見れば、各回のパロディや解説も原作愛の感じとれる内容となっている。トロステこそ『とらドラ!』BD化実現の最大の貢献者と言っても過言では無いだろう。
    • ちなみに『とらドラ!』BD化の発表はトロステが最初の発表の場であり、当時各ニュースサイト等でも「トロステ内で発表」と報じられた。まさかの「ソースはトロステ」である。
    • ファン以外でも、自らの愛する作品の為に奮闘するクロの姿に感動した人や、この件をきっかけに『とらドラ!』に興味をもった人もいる様子。
  • しかしながら特定1作品のみをここまで長期に渡って、それこそクロが公言したようにサブリミナルを行うが如く特集を組みプッシュした以上、当然それに反発し、不満の声を上げるユーザーも多数出てしまった。
    • 投票一位になればBD化は確実、そうでなくても得票数によっては今後の進展も期待できるという作品に大きな影響を与えるBD化企画において、そもそも企画を仕切る立場にある公式媒体が、その立場を使って特定1作品に肩入れして票集めを行ったとも取れる行為を行ったのだから、『とらドラ!』以外の作品に真面目に投票したユーザーから見れば不平等・不公平としか言い様の無い光景であろう。
      • 同企画はあくまで「BD化が望まれている作品を投票で募り、一位になった作品の関係者にその旨を伝えて働きかけを行う」というだけの企画であり、「一位になった作品のBD化を確約する」というものではない。当時ハードに対し普及率の低かったBDソフトの普及、販促を促す為の企画であったが、企画名もありこの点を理解していないユーザーも当時は少なくなく、今となっては企画の方向性自体に疑問が残るものであった。この辺りも『とらドラ!』以外の作品に投票したユーザーの不満を煽る結果になったのかもしれない。
    • 『とらドラ!』が徹底して推された一方、それ以外の作品についての説明や解説は第41回でリッキーが『NHKスペシャル 映像の世紀』に軽く触れた程度で、ほぼ皆無という状態であった。権利面等の問題がある以上仕方ない面も無い訳では無いが、それにしてもあまりに扱いに差がありすぎる。当然の如く「とらドラ!以外の作品と、それらに投票した人達を蔑ろにしている」と憤るユーザーも見られた。そもそもその41回が肝心の投票回なので、投票前に今更解説されたところで…という部分もある。
    • 更に、第24回で山中氏に懇願するクロを見て「一位になった『ゼーガペイン』がまるで悪者のような印象を受けた」という意見まで。一応クロもこの時「ゼーガペインも好きな作品である」と一言だけながらフォローはしている。
    • クロを使って同情票を誘うようにも見える演出や、これだけ好き勝手しながら感動話として纏めようとするノリに対しても不満意見が多く見られた。
    • このような不公平さを感じる内容であった為、「出来レース」「電撃とキングレコードの癒着、宣伝」等と皮肉る声も上がった。極端なものだと「この企画がきっかけでトロステ(とらドラ!)が嫌いになった」という人まで出てくる有様。
      • …ここまで来ると、もはやクロの過剰なプッシュはセルフネガティブキャンペーンの域に片足を突っ込んでいたと評さざるを得ない。仮に「クロのノリについて来れない人を切り捨ててでも『とらドラ!』をプッシュする」という方針だったとしても、それは結果的にユーザー数(ひいてはプラチニャ会員の数)の減少という形で自らの首を絞める結果となりかねない、非常に危険なものである筈なのだが。
      • 特に「とらドラをよく知らないトロにまで土下座させる」という点は、今回の件を好意的に受け取っている層からも流石に度が過ぎてるという意見は多く見られた。
  • 言うまでもないが『とらドラ!』という作品自体に非は全くない。実際に人気のある作品であり、過去の投票においてトップ3以内にランクインしながら毎回一位を惜しくも逃し続けてきたのでようやく念願叶ったというところでもある。
    • また、このトロステの流れに便乗する形ではあったが、mixi等のSNSでは熱心なファンによる投票の支援等も行われていた点も留意しておきたい。
  • その後放送されたここまでの一連の流れをまとめた「「とらドラ!」BD化までの道のりin週刊トロ・ステーション」では、クロの言動について「クロのえこひいき発言が議論を呼ぶ」等といった表現が使われていた。

総評(トロステ)

有料コンテンツの多さは相変わらず…むしろ今までできていた事を制限して課金させるなど、若干その方向性は悪化してしまう。
とはいえ、課金無しでも割と楽しめる内容の濃さも、良くも悪くも相変わらずであった。
サービスが終了した現在でも未だに過去のナンバー…特に、権利者削除されてしまったナンバーを視聴する手段を求めるユーザーの声は根強い。

余談

  • 本作はアップデートでYouTube投稿機能が追加されており、公式でもアップロードを認めている。実際、ユーザーによりトロステの様子はYouTubeやニコニコ動画にアップされていた。
    • サービスが終了した現在、YouTubeにアップロードされている動画は(PSP版でニュースを保存していない)ユーザーがトロステを視聴する唯一の手段となっている。『まいにちいっしょ』時代のナンバーはその大半がSCEJによって権利者削除されてしまっており視聴できなくなってしまっているが、気になった方は一度検索してみるといいだろう。
  • 実は『まいにちいっしょ』について、2007年からは日曜日は更新しない筈だったのに、とある手違いが原因でズルズルと更新する破目に陥ったとの事。
    • 実際毎日の更新は相当なハードワークだったらしく、これと『トトリのアトリエ』の模様替え用フィギュアを始めとするアイテム作成が原因で、複数名のビサイド社員が散った事がトロステ内で言及されている。そりゃビサイドが帝愛グループ扱いされる訳ですわ。

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最終更新:2023年12月09日 11:09