注意:このページでは、GB『ゼルダの伝説 夢をみる島』と、リメイク作であるGBC『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』について紹介する。
GB版とタイトルが同じSwitch版リメイクについては『ゼルダの伝説 夢をみる島 (Switch)』を参照。



ゼルダの伝説 夢をみる島

【ぜるだのでんせつ ゆめをみるしま】

ジャンル アクションアドベンチャー
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対応機種 ゲームボーイ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂、エスアールディー
発売日 1993年6月6日
定価 3,800円(税別)
判定 良作
ポイント ゼルダ初の携帯機
ジャンプが可能に
勧善懲悪でない驚きのストーリー
どろぼー
ゼルダの伝説シリーズ

ゼルダの伝説 夢をみる島DX

【ぜるだのでんせつ ゆめをみるしま でらっくす】

ジャンル アクションアドベンチャー
裏を見る
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂、エスアールディー
発売日 1998年12月12日
定価 3,500円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
2000年3月1日/800円/F×8・B×4
配信 3DSバーチャルコンソール
2011年6月8日/600円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
※バーチャルコンソール版より付加
コンテンツアイコン セクシャル・犯罪
判定 良作

概要

GBで発売された携帯機初の『ゼルダの伝説』。
SFCで発売された『神々のトライフォース』の続編だが、「魔力ゲージの廃止」「オブジェ持ち上げ時の制限」等、ボタン数が少ないGBに合わせたシステム変更が行われており、初代『ゼルダの伝説』を思わせるシンプルな操作となっている。

様々なパロディ(後述)や小ネタの多さから一見してコミカルな雰囲気となっているが、冒険を進めるにつれ明らかになっていく「島」の真実とドラマチックなストーリーから『時のオカリナ』以前の初期作の中でも高い人気を誇る作品である。

ストーリー

魔王ガノンを打倒したリンクはハイラルから飛び出し、修業の旅に出た。
その帰りの航海で不意に嵐に遭い、乗っていた船は大破。見た事も無い島「コホリント」に流されてしまう。
気を失っていたリンクを助けてくれたのは、ゼルダ姫によく似た少女マリン。

リンクはハイラルに戻るため、コホリント島から脱出する方法を探すのだった。

特徴・長所

  • 操作方法はAボタンとBボタンそれぞれに剣や盾、爆弾などのアイテムを割り当てて使用する方式になった。
    2つのアイテムの組み合わせによってはダッシュ突きやジャンプ斬り、裏技的テクであるが最初の剣の4倍もの威力を持つ爆弾付きの矢などと特殊なアクションも可能。
    • 従来の「盾」もボタンにセットして使用する形になった。装備しなければならないという手間はあるが、盾で敵を押し出して接触ダメージを防げるなど防御性能も向上しており、より直感的に盾を活用しやすくなった。
    • なお、シリーズの代表的なアイテムである「ブーメラン」は、今作では隠しアイテムになっている。その分性能は凄まじく強力。
  • 序盤で入手するアイテム「ロック鳥の羽」を使えば任意でジャンプが可能。これによって穴を飛び越えたり敵の攻撃を避けたりといったアクションが可能になり、アクション性が高まった。
    • 特に、剣との同時装備による「ジャンプ回転斬り」は今作ならではの特徴的なアクションであり、敵に接近しながら回転斬りを繰り出せるので、『神トラ』に比べて回転斬りの使い勝手が格段に向上した。
    • アイテム使用による任意ジャンプという要素は、GB~GBA時代の携帯機におけるゼルダのスタンダードとなり、『ふしぎの木の実』『ふしぎのぼうし』にも多少形を変えて受け継がれている。
  • ダンジョン内の特定箇所ではサイドビューのジャンプアクション(スーパーマリオ風)になる。
  • シリーズ同様適度な難易度と豊富な謎解きが詰め込まれており、フィールドも比較的広め。
  • 収集アイテムとして「ヒミツの貝殻」が登場。岩の下や草の中、ダンジョン内の宝箱など島の各地に隠されており、20個集めて島の「貝殻の館」に行くととあるアイテムが手に入る。
    • クリアに必須ではないものの冒険が有利になるため、「ハートのかけら」と並んで探索の楽しみが増えた。
  • 当時のGBのソフトは使える容量が限られていたのだが、それを物ともしない程印象に残るテキストや小ネタが存在する。
    • 島の住民はバリエーションに富んだキャラデザインをしており、セリフも一人一人の量は少ないながらも非常に個性的。
      • 今作にて初登場し、以後シリーズでの定番となる「わらしべイベント*1」も彼らのキャラ立ちに一役買っている。
    • ヒロインのマリンはあくまで島に暮らす一人の住民という立ち位置ながら、その切ないキャラクター性や印象的なイベントから人気が高い。
      • 進行上一時的にマリンが同行するイベントがあるが、その際特定の行動をするとマリンが行動に応じた特別なコメントをしてくれるようになっている。中にはわざと遠回りしないと聞けない物も…。
      • マリンはヒロインらしく「悪いこと」をするとそれを咎めるコメントをするが、低確率で「もっとやれー!」などと煽る
    • 小ネタの中でも「どろぼー」は非常に有名。軽い気持ちでやった結果後悔したユーザーも少なくない。
      + ネタバレ注意
    • このゲーム唯一の道具屋では、アイテムを持ったまま店から出る事ができる。ただしこれを行ってしまうとペナルティーとして、それ以降は自分の名前が「 どろぼー 」に強制変更される。
      • 次に店に入ると「あれほど、ちゃんとカネはらえっていったのに… しかたがない しんでもらう!(原文ママ)」とビームを撃たれて即死する
        • 死んだ時に回復復活できるひみつのクスリというアイテムもあるのだが、この店主はそれで回復したライフをも全て削りとる。一度ゼロになった体力が最大に戻り、もう一度ゼロになる様は実にシュール。このように絶対にゲームオーバーにされてしまうのでラスボスより強いと言われることも。
        • 二度と店に入らなければ死ぬ事はないが、「どろぼー」と呼ばれる事は変わらず、更に必須アイテムが2つもあるので必ず一度は買物しなければならない。
        • このイベントはリメイク版でセリフも含めまさかの完全再現(但しGB版に比べて持ち出すタイミングがシビアで難易度は高い)。
      • 問題点の項目にもあるが、弓が非常に高額なので、名前が変わることを気にしなければ効率は良い。
  • 様々な任天堂キャラクターが登場するお祭りゲーム的なノリも。
    • マリンの父親タリンは同社のマリオそっくりに描かれており、好物もキノコに設定されている。
      • ルイージのそっくりさんもちゃんと存在する。
    • クリボーやカービィが雑魚敵として登場。クリボーはジャンプで踏みつけて倒すことができ、前述のサイドビューの場面でも登場する。
      • クリボーは踏んで倒すとハートを確定で落とすため、回復手段として重要である。ロック鳥の羽根が無くても段差から落ちて踏みつけることが可能。
    • ワンワンや『カエルの為に鐘は鳴る』のリチャードや『スーパーマリオUSA』のマムーなどはストーリー中のイベントに関わってくる。
      • あくまでイベント一つ分の役割しか与えられておらず、ストーリーに深く関わることはない。ゲストキャラの分を逸脱していないと言えるだろう。
    • ちなみに様々な任天堂キャラクターが登場する理由は、「軽いノリで作った」からとのこと。
      • なお、カービィのゲスト出演に関しては任天堂が単独で権利を持っていないために本来ならばカービィシリーズを製作しているHAL研究所の許諾がいるのだが、スタッフ曰く「当時ちゃんとお伺いは立てたと思う」としながらも「ひょっとしたらHAL研側に『何も聞いてません』という人がいるかもしれない」とやや曖昧なことになっている。参考リンク
  • GB化しても特徴を捉えたキャラグラフィックは不満の無い仕上がり。
  • そして本作最大の評価点は、従来の勧善懲悪から一転、驚きの展開が待っている奥深いストーリーだろう。
    • 全体的に明るい話だが、物語を進める度に徐々に島の謎が明かされ、ある程度進めると衝撃的な事実が明かされる。
      他のシリーズとは違う、物語が進むにつれてリンクが意図せずに「島の平和を乱す者」になってしまう展開は今なお評価が高い。
      • CMが南国ムード全開の陽気なものだったので、それを見て「単純なお話」と思った多くのプレイヤーが、「夢をみる島」コホリントの真実に苦悩する羽目に。
    • マルチエンドが採用されている。とは言え若干エンディングの演出が異なるだけだが、ストーリーとしてはかなり重要な違いである。
      • 条件は一度も死亡せずにクリアする事。雑魚の処理やボス戦に一層気を配らなければならなくなるのは勿論のこと、「どろぼー」をした際は実質二度と店に入れなくなる。

問題点

アイテム関連

  • パワーブレスレットやペガサスの靴はいちいち装備しなければならない。
    • 道中にこれらを使用しなければ突破できない場面が多々ある。その度にスタートボタンを押して装備しなければならない。
    • 例として顕著なのは最初の村の周辺のフィールドで、パワーブレスレットでなければ排除できない岩があちこちに配置されている。ゲーム的にはダンジョンの進行度ごとに行動範囲を制限する意図のものではあるが、この岩は画面を切り替えると復活してしまうため、通行のたびにアイテムをブレスレットに持ち替えなければならずなかなかのストレス。
      • GBでの次作である『ふしぎの木の実』では、こういったオブジェクトは一度取り除けば復活しないように改善された。
    • 一方水かきは持っているだけで効用が発揮される。
  • 「ロック鳥の羽根」によるジャンプが快適かつ便利すぎて、盾の存在意義がやや薄れている面もある。
    • ジャンプによる回避性能・剣と併用した際の攻撃性能ともに抜群に優れており、盾で敵の攻撃を防ぎながら戦う必要がある場面がほとんど無いのが実情。羽根を装備していれば道中に穴があってもアイテム持ち替えの手間なく飛び越えられるのも盾にとっては向かい風。
  • 早ければ中盤で入手可能な「ブーメラン」、終盤の「マジックロッド」は遠距離攻撃かつ剣より攻撃力が高く、入手後は剣の存在感が若干薄れる。
    • もっとも、前者は長めのサブイベントをこなした上での隠しアイテムのため初見では気づきにくく、後者は入手がほぼクリア目前の時期のため、盾ほど問題にはならないか。
      • 後述のDX版の隠しダンジョンでは剣の強化か防御力の強化かを選べるが、上記の理由でブーメラン入手後は防御力強化の方が得となる。
  • 店売りの弓が980ルピーと異常に高額(爆弾と違い、弓なしで落ちている矢を拾っても使えない)。また弓を買うには、まず200ルピーのスコップを買わないとならないため、実質1200ルピー近くもの資金が必要となる。
    • ただし、金額に関しては普通に進めていけば物語中盤あたりには買える額までお金は貯まるバランス。
    • 逆に入手に特別なフラグはなく、時間はかかるものの資金さえ用意できれば最序盤で入手可能*2。今作では威力が非常に高く設定されており、大きな戦力になってくれる。
    • 終盤のダンジョンには入手に弓矢が必須となるカギがあり、正攻法では弓矢で攻略することになるボスもいるが、前者は進め方によってはカギを余らせてクリアすることができ、後者もとある別のアイテムで代用が可能なため、一応クリアに必須というわけではない。

その他の問題点

  • 主人公の名前入力で平仮名しか使えない。説明書などでは主人公の名前が「リンク」となっているが、実際にはその名前でプレイすることが出来ず、空白調整の仕様もないため、「りんく  」(空白二つ)あたりで手を打つしかない。また、小さい「ぁぃぅぇぉ」も使用不可能。
    • また、前述の「どろぼー」後の名前に関するペナルティーは絶対に改善されることはない。ヒロインのマリンとの会話や、EDの最中においても変わらないので、感動を台無しにしたくないのであれば決してやらないように。
  • この時代のゲームにしてはワープが使いづらい。
    • まず、ワープ手段は「オカリナ」と「ワープの穴」の二通りがある。
    • オカリナを吹く事で行ける場所は島中央部のマンボガ池(ひみつのくすり屋の前)で固定。街やダンジョンとも離れた位置にあるため、結構歩き回らないといけない。
      • ちなみにダンジョン内で吹いた時はダンジョンから脱出する。
    • フィールドにいくつか点在する「ワープの穴」はそれぞれ繋がっており、一度発見したものは自由に行き来できるが、なぜか一か所を除きやや不便な位置に存在している。
      + ワープの穴位置詳細
    • 1つ目は、冒険の拠点となる村入口近くの草原。上述のマンボガ池に比較的近い。一見便利そうだが村の入り口には岩があるため、出入りの度にパワーブレスレットを装備しなければならず面倒。
    • 2つ目は、どうぶつ村の近く。こちらは岩で塞がれているわけではないが、お店などが一切ない村なのであまり行く機会がない。とはいえ、メインシナリオで最初の村からマリンを連れてくるイベントがあるため一応利用機会がある。
    • 3つ目は、タルタル高地。近くにはザコ敵がいるだけで、存在意義がない(一応近くにはレベル4のダンジョンがあるが、マップの構造上クリア前はこちらからは入れない)。
    • 4つ目は、レベル8のダンジョンの裏口。オカリナワープでひみつのくすりを補給した後に戻ってくる等に使えなくはないが…レベル8ダンジョンをクリアしてしまえば、もう用無し。
      • また、ワープの穴はワープ先を自由に選ぶことができず、移動の順番が決まっているため、わりとめんどくさい。
  • 序盤からアクション難易度が高い。
    • ハートが3つしかない状態で挑戦させられるレベル1のダンジョンからハート1つ分のダメージ力のトゲトラップなど配置も厳しい上、ハートを得られる機会が少ないのでなかなか回復もできないという辛さ。
      • 中盤以降は体力が増え、復活アイテムも買えるため、序盤が一番難しいと感じる人も。従来の作品のようにブーメランで敵を足止めして慎重に、という手段が取れないのも難易度を上げている要因である。
  • セーブの仕様について
    • セーブがしづらい。本作はセーブ自体は何処でも可能だが、そのセーブ画面の出し方が「A+B+スタート+セレクト」を同時押しするというもの。タイミング不問でどの順でも最終的に4つのボタンが全て押されればよいのだが、完全に同時でなければならないと勘違いして「セーブしたいのにアイテム画面ばかり開いてしまう(アイテム画面が開いたならセーブ画面を開くのには失敗したと勘違い)」というのはよくある話である。
      • セーブ前にA・Bボタンにセットした個数制限ありアイテムを使ってしまうのもよくある話。
      • スタートとセレクトの位置が離れた3DSのVC版では余計に難しい…と思われがちだが、3DSのVCの共通機能としてYボタンがセレクトボタンと同じ機能になっているため、実際にはGB版と大差ない。
      • この点は不評だったのか、GBにおける次回作「ふしぎの木の実」では同時押しするボタンが「スタート+セレクト」だけとなり、セーブが格段に楽になった。
    • また、再開地点が「最後に入った建物の入り口」とセーブ辺りの仕様もかなり改善されたとはいえ、画面のメニューが「セーブして終わる」と「セーブしないで続ける」の2つしかなく、相変わらずセーブの際に一度ゲームを終了しなければならない。『神々のトライフォース』で指摘されている問題点も引きずってしまっている。
      • この面倒な仕様は次作N64『時のオカリナ』でようやく改善される事になったが、今度は再開地点の仕様が元に戻ってしまった。

総評

システム・操作性・グラフィック・音楽などすべてが高水準にまとめられている。
ゲームボーイのハード制約をものともせず、従来のゼルダらしい難易度・謎解きの楽しさは損なわれていない。
一方で他のシリーズ作とは一線を画したシナリオも評価が高く、今でも根強い人気を持つ作品となっている。

リメイク・移植

  • 1998年、GBC対応版『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』が発売。カラー専用の隠しダンジョンや色違いの服などが用意され、無死亡EDが異なっている。
    • 隠しダンジョンはかなり難易度が高いものの、方法さえ知っていれば序盤から行く事も可能であり、ボス討伐報酬の「赤い服*3・青い服*4」を入手すれば以降の攻略が非常に楽になる。
    • ダンジョンに設置されているヒントが書かれた石版が、ふくろうの石像になっている。
      • そのヒントを読むための「石版のかけら」が「石像のクチバシ」になっており、設置場所によって別々のヒントが聞けるようになった。
    • 上述の石像を含め、攻略のヒントが増えている。
    • 特定の条件で特定の場所へ行くと1枚絵を見られるようになる「写真屋さん」が追加。
      • GB周辺機器「ポケットプリンタ」で印刷する事も可能。
      • なお、写真で撮影される場面の一枚はまさかの万引き。ゲーム進行上必須ではないとはいえ、写真コンプ狙いでは「どろぼー」することが強要されるという問題点も生まれている。
    • 本作のラスボスの最終形態はあるアイテムを使うことで一撃で倒すことも可能だったが、流石にまずいと判断されたのか『DX』では一定確率で倒せるように変更された。
    • モノクロ版のバグはほとんど修正されている。だが、本作の初期版限定のバグや後期出荷・VC版でも可能なバグ技もあったりとバージョンにより様々なバグ技が存在している。
    • カラー対応していないGBでクリアすればモノクロ版の無死亡EDを見ることが可能。
      • ちなみにゲームボーイアドバンスはカラーでプレイしていると認識される。
    • ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールでは『DX』が配信されている。
      • 「どろぼー」が出来てしまったり、わらしべイベントのあのイベントのせいなのか、CERO:Bに指定されている。またポケットプリンタに接続できないため、写真屋のイラストはプリントできない。
      • ちなみに、アメリカとカナダのレーティング機構であるESRBの審査ではEveryone(全年齢)。ヨーロッパのPEGIでは7。
  • 2019年9月20日にNintendo Switchにてリメイク版が発売された。タイトルは原作と同じく『ゼルダの伝説 夢をみる島』である。詳細は専用記事を参照。
  • 2021年11月12日に『ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説』が発売。『ゼルダの伝説』『リンクの冒険』『夢をみる島』『バーミン』を収録している。
    • 『夢をみる島』は現時点における唯一のモノクロ版ベースの移植である。バグが修正された後期版をベースに「強くてニューゲーム」な裏技が追加されている。日本語・英語・フランス語・ドイツ語の4バージョンで遊べる。
  • 2023年2月9日より『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』の初期収録ソフトの一つとしてDX版が配信された。
    • 内容はゲームボーイカラー版の忠実移植。後述のわらしべイベントで人魚に渡すアイテムがしっかりとブラジャーだったりなど変更・修正等は行われていない。

小技・バグ

+ ...
  • GB初期版は「画面スクロールの際に特定の入力を行うとリンクの位置が一画面分ワープする」という有名なバグ技があり、これを利用すれば序盤からほぼ全ての場所を行き来できたり、ダンジョンを強引に攻略するといったことが可能。
    • 画面が盛大にバグることもあり使用は自己責任だが、ゲームの自由度を飛躍的に高めるバグ技であり本来とは違った遊び方が楽しめるため、当時のユーザーからはおおむね好評だった。
    • この技を使用すると途中冒険に加わる仲間を全員つれたまま冒険を続行できる。ただし、何故か途中で仲間のグラフィックが入れ替わってしまう為、非常にシュールな光景になってしまう。
    • ちなみにこの技で島の外に出ても反対側からループして戻る。
      • 上手くタマゴの真上に落ちると、OP曲がBGMとして流れるバグダンジョンへ行ける。ただし正常な進行は不可能で(フリーズなどはしない)出ることも不可能。セーブして終わる場合、増やした爆弾や矢の上限が初期値に戻るなどの弊害が出るので注意。
    • 普通にプレイしていてこのバグがたまたま発生してしまう可能性は低いものの、可能性がゼロではないのが難点か。
    • 後期バージョンのロムや『DX』では修正されている。ゲーム&ウオッチ版では何故か英語版でのみ実行可能。
  • なお、後にマダムニャンニャンの家にある犬小屋から様々なバグマップに移動する「犬小屋バグ」なるバグ技も確認されている。
    • 詳細は省くが、こちらもやり方次第で様々なアイテムを獲得したりマップを移動したりと好き放題できてしまう。もちろんフリーズや詰みに陥る危険も伴うので、実行は自己責任で。
    • こちらは初期版だけでなく、後期版から『DX』に至るまで実行可能。これを利用したタイムアタックも研究されているようだ。
    • ゲーム&ウオッチ版ではワープの除去自体は困難だったのか、どのような条件で実行してもトロンボ海岸に飛ばされるように変更された。
  • ちょっとした小技でレベル7ダンジョンとレベル8ダンジョンは攻略順序をひっくり返せる。どのみち全て攻略する必要があるのでショートカットにはならないが、レベル8のダンジョンで入手する新アイテムが恐ろしい火力を持つため、それを前倒しで使えるメリットはある。
    • こちらは『DX』でも普通に使えるので、おそらく開発公認の仕様と思われる。
    • なお、レベル8ダンジョンへ向かうために必要なのはレベル7ダンジョンで手に入るアイテムであり、特殊なフラグなどはないため、該当アイテムを入手すればレベル8ダンジョンを先にクリアしてしまうことは普通に可能である。
  • ヒミツの貝殻の館のオマケ貝殻を有効活用するとレベル5ダンジョン突入時にL2の剣が入手できる。
    • L2剣の体力満タン時のソードビームを使えば本来撤退と再戦と繰り返すレベル5ダンジョンの中ボス「マスタースタルフォン」を撤退する前に倒すことが出来てしまう。なお倒してしまっても以降の進行に変わりはなく、次の場所に行けばまた登場する。フックショットも最後にならないと落とさないが、代わりに最後以外では小さなカギを落とす。本来は倒さずに撤退させる相手なので、これをやると小さなカギが余ることになる。
      • こちらも『DX』で普通に使える。
      • 先述の爆弾付きの矢を使うことでも同様に撤退前に倒すことができる。
  • 上述のレベル5ダンジョンの他、レベル3・レベル4・レベル7・レベル8のダンジョンでもカギを余らせてクリアすることが可能。
    • レベル3はダンジョンの構造上の仕様、レベル7とレベル8は道が1つではないために開けるのが必須ではない個所があるためで、やろうと思えば誰でも可能。
    • レベル4はショートカット可能な個所があるためであり、できるかはプレイヤーの腕前次第になる。
  • 穴に落ちかけてもペガサスの靴でダッシュを掛ければ抜け出す事ができる。この仕様を使えばマリンをフックショットで救出するイベントにおいて、マリンの居る足場がダッシュジャンプで届いてしまう。
    • そのままの勢いで走り抜ければイベントを起こさずに次の画面に行ける。更にマリンのいる画面に戻れば反対側からマリンを救出できる。
    • そして反対側からマリンを救出した場合、マリンは普通に穴の上を歩いて退場するというイベントを台無しするシュールな光景が見られる(一応歩行ルートの下には縄のグラフィックがあるが)。上記のスクロールバグと違い通常の操作で起こすことが可能。
  • マリオシリーズでおなじみのヨッシーの声や「どうぶつの森シリーズ」の「とたけけ」のモデルとして知られる、作曲家の戸高一生氏が関与しているとされる隠しBGM(通称「けけソング」*5)が本作には存在する。
    • 前述のリチャードの別荘内で2分半ほど待つとそのBGMが流れだす。もしくは、新規作成したキャラクター名を「とたけけ」にすると同曲のアレンジバージョンが流れる。更には、同曲の未使用バージョンの存在もデータ解析によって発見されたという。
      • またBGMではないものの、とある場所に一体だけ出現するヤシの実や爆弾を投げつけてくるサルの敵の名が、そのものずばり「とたけけ」である。
  • アイテム購入時のルピーを軽減することができてしまう。
    • 道具屋でアイテムを購入すると所持ルピーが減少する演出が入るが、この間にセーブをしてリセットする事で、支払うルピーを大幅に軽減可能(再開すると購入したアイテムは所持済み、所持ルピーはセーブした瞬間の値までしか減っていない)。「どろぼー」と呼ばれたり、店主にお仕置きを受けるといったデメリットはないものの、どっちみち正規の価格のルピー(例えば弓なら980ルピー)を貯める必要がある上に、節約してもこれ以降高額な買い物をする機会がないなど、メリットは薄い。

余談

  • 本作は「ゼルダの伝説」だが、肝心のゼルダは序盤に一回だけ名前が出て来るだけで本作には一切関わらない。
  • タイトルを間違えられることがあるが、「夢をる島」ではない。
  • 多くのダンジョンは、全ての場所を踏破してマップを見ると、全体図が何かしらの絵に見えるようになっている。
    • 例えば Lv1「テールのほらあな」では雑魚敵テールの絵が、Lv2「つぼのどうくつ」では壺の絵が完成する。
  • 子供が遊ぶゲームとして相応しくないとされたのか、海外版ではわらしべイベント中の人魚に渡すものがネックレスに変わっている。
  • 『スカウォ』発売までシリーズ間での時系列がファンの間で議論になっていた『ゼルダ』だが、本作は記事冒頭に記述した通り「ガノンを倒した後、修行の旅から帰る最中の話」という設定が当初から存在しており、スタッフ的には『神トラ』の直接の後日談というつもりだったようである。
    • 一方シリーズの生みの親である宮本氏が『時オカ』発売直前に海外雑誌のインタビューにて「『夢島』は時系列的にどこに来るかはっきりしない」とコメントしてしまった為に本作が発端となって主に海外ファンを中心にゼルダの時系列議論を引き起こすことになってしまった。
    • 2011年の設定整理時には宮本氏の発言ではなく当初の設定の方が踏襲され、本作は『神トラ』の後日談ということで正式に落ち着いている。
  • 前作に当たる『神トラ』に負けず劣らずの、インパクトの強いTVCMも語り草。
    • かつてNHKで放送された『ひょっこりひょうたん島』を思わせる人形劇風のCM。妙に明るい声で歌われる「この度リンクが着いたのは、どこかの海の変な島」のフレーズが印象に残っている人もいるだろう。
    • ちなみに『DX』発売時には全く異なるCMが流れ、その内容はGBCが発売して間も無かったこともあってカラーになった画面に驚いた少年たちが漫画のように思いっきり顎を外す、というこちらも個性的な物。
  • 本作での剣は斜め90度の範囲を攻撃するものになっているが、リンクが上向きor右向きの時は右上を攻撃、下向きの時は左下を攻撃、左向きの時は左上を攻撃と、なぜか攻撃範囲に偏りがあり、リンクの右下が微妙に死角になっている。
    • この仕様は『ふしぎの木の実 大地の章/時空の章』でも見られる。
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最終更新:2023年10月03日 23:48

*1 主人公にとっては利用価値のないアイテムを住民と物々交換していき、最終的に有用なアイテムが手に入るサブイベント

*2 同じ村にあるクレーンゲームを利用すれば、そこまで時間はかからず達成できる

*3 アイテム「ちからのかけら」とほぼ同じ効果が常時発揮され、剣の攻撃力が上がって攻撃した敵が遠くに吹き飛ぶようになる。

*4 アイテム「まもりのきのみ」と同じ効果が常時発揮され、防御力が2倍になる。

*5 名前の由来は「どうぶつの森」にて初めてこの曲名が付けられた事から。ただし、初出は1992年作のGB用ゲーム「X」とされている。