Sa・Ga2 秘宝伝説

【さがつー ひほうでんせつ】

ジャンル RPG
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対応機種 ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1990年12月14日
定価 4,800円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
判定 良作
ポイント 前作から改良され遊びやすくなった
サガ独特のシステムとバグの多さは健在
ひほうをよこせ!おれはかみになるんだ!
サガシリーズ


概要

ゲームボーイ初のRPGソフト『魔界塔士Sa・Ga』に続く、サガシリーズの第2弾。
前作と同じスタッフ(河津秋敏氏らのチーム)が開発を行っている。
容量は前作の2倍である2メガビットと、当時のGBソフトとしては破格のものであった。

続編ではあるが、他のサガシリーズ同様、基本的に前作とはストーリー上も設定上も繋がりは無いため、単体でも全く問題なく楽しめる。


特徴及び評価点

  • 基本的なシステムは前作に準じているが、人間とエスパーの成長システムは変化している。
    • ファイナルファンタジーII』の熟練度システムに近いもので、戦闘中に使用したアイテムの系統によって能力がアップする。概ね力系武器を使えば力が、素早さ系武器を使えば素早さが、魔法を使えば魔力が上がるようになっている。HPは行動に関係なく自動的に成長していく。
    • 人間のほうがエスパーよりも能力値が上がりやすく成長が早い(ただHP以外は戦闘終了時に各1ポイントしか上がらないため前作のエスパーよりは両種族とも遅い)。
      • 前作では上げることのできなかった人間の魔力も例外ではなく、エスパーよりも優秀な魔法使いになれる素質がある。敵の出現数の多い本作では魔法は有効な手段となる点もこれを後押ししている。
    • エスパーは前作同様特殊能力を習得する。変更点としては、前作では4つ固定だったが今作では装備欄に空きがあれば最大4つまで習得する形式になったため先に装備欄を埋めておけば習得数を減らせること(初期状態でひとつ習得しているためゼロにはできない)*1、新たな特殊能力を習得する際には一番下の特殊能力と入れ替えになるため失いたくない特殊能力を維持しやすくなったことがある。
    • ドーピングアイテムは非売品になり、ゲーム中わずかにしか入手出来ない。これにより非戦闘時でのキャラクター成長がシビアになった。
  • 新種族として、「メカ」が追加された。
    • メカは魔力が0固定で、エスパーのように戦闘で新たな能力を得ることも、人間のように戦闘で能力値が上がることも、モンスターのように変身することもない。
      その代わり、装備した武器や防具に応じて能力値そのものが上昇(HP含む)する。また、防具の装備制限がなく、どんな部位の装備でも複数装備可能。
      さらには武器やアイテムを装備すると使用回数が半分(端数切り捨て)になるが、宿屋に泊まると使用回数が回復する(半分の数字が上限)という機能が搭載されている(このため、メカが装備している場合は使用回数が0になっても消えない)*2
    • メカだからかマヒと毒が無効。これは能力欄に「○マヒ/どく」*3がデフォルトで装備されており外す事ができない。便利ではあるが、このために装備できるアイテムの数は人間より1つ少ない。
  • モンスターは種族が増加。肉を食って変身していくシステムは変わらない*4
    • 前作では容量不足のため歩行グラフィックの使い回しが多かったが、本作では変身可能な全ての種族に固有の歩行グラフィックがある*5
    • 各モンスターにはレベルが設定されており、変身前のレベルか倒した敵のレベルのうち高い方に変身する。該当レベルのモンスターがいない場合、その時点よりもレベルが低いモンスターに変身する。
      • 高レベルモンスターの肉を食べれば強力なモンスターに変身しやすい。前作のように低レベルモンスターの肉ばかり食べていても強くなれない。
  • 敵専用種族にも新種族が数多く追加されている。
    • 人間・メカ系の敵は、低確率でアイテムを落としてくれるようになった。軍人やメカからは銃・重火器、魔法使いからは魔法の書など傾向もわかりやすい。
    • 敵専用モンスターであるアメーバとウィルスからドロップする肉は、スライム系と同じ変化をするように設定されている。
  • BGMは豊富で、評価も高い。前作同様サウンドテストもある。
    • タイトル画面でのサウンドテストのほかに、本作には「ジュークボックス」が登場。街中で好きなBGMが聞けるようになった。加えて本作にはジュークボックスを用いた必須イベントも…。
    • 本作からイトケンこと伊藤賢治氏が初参加。前作から引き続き植松伸夫氏も参加しているため、後にスクウェアを代表する作曲家2人が共作した初のゲームとなった。
  • アイテム所持制限が16個に拡大された。
    • 重要アイテムを捨てても再取得が可能なので詰む事もなくなった。
  • メモ機能の追加。会話で得られた情報が随時記録され、後で見直すことができる。
  • パーティに一時的に加わるNPCも登場。
    • 装備を外すことは出来ないが、空欄(回数がなくなった場合も含む)への装備は可能(最初と最後のNPCはモンスター扱いのため不可)。
    • 移動中にBボタンを押すとNPCと話すことができ、アドバイスをくれる。
    • 成長はしないが上記のモンスター扱いとなる2名を除いて「○○のもと」が有効で、数は限られるがそれらでステータスを上げることもできる。
  • このゲームのサブタイトルである「秘宝」は単なるキーアイテムではなく、身につけて能力をドーピングさせたり強力なアイテムを使用したりといったことができる。
    • 秘宝の内容も、力や素早さを上げる物や使用回数無限の強力な武器や盾など様々。同時に装備可能なのは1種類だけゆえ、何を誰に装備させるかという戦略も生まれた。
    • ストーリー上でも重要な役割を果たしている。77個すべての秘宝を集めた者は新しき神になれると言われており、世界各地に秘宝を集めてまわっている者がいる。
  • 前作は4種類(+α)の世界を旅する内容だったが、本作は9種類(+α)の世界となっている。
    • 世界のバリエーションも富んでおり、普通の世界のほか、ジャングル・江戸時代・人間の体内・天界などが登場。
  • サガシリーズの例に漏れず本作もバグが多い。とはいえゴミ箱を使った能力ドーピングや、ドラゴン窃盗などのバグ技など、多種多様な「有用、遊べるバグの多さ」は引き継いでいた(なおモンスターの「カウンター」を外して高額で売って回復orセーブするとバグる、など一部笑えないバグもあり)。
  • ストーリーのテーマは「親子」。暖かな雰囲気で、ストーリーのノリもコロコロやボンボンなど幼年誌のバトル漫画にかなり近い直球の熱さがある。
    • サガシリーズでここまで素直な作風は、極めて異色といえるだろう。
  • 「しぼう(死亡)」から「きぜつ(気絶)」に変更
    • 前作ではHP0になったキャラクターは「死亡」状態になって行動不能になり、戦闘後も回復せず、復活の館や「いきかえり」というアイテムでしか蘇生できなかったが、本作ではHP0になったキャラクターは「気絶」状態になって行動不能になるが、戦闘後はHP1で復活するようになったため、「復活の館」という回復施設は廃止された。
      • ただし、「石化」状態になって行動不能になり、戦闘後も回復しない事は前作と変わらない。
  • 全滅した戦闘をやり直すことができる。
    • 万が一戦闘中に味方パーティ全員が気絶もしくは石化状態になって全滅してもバルハラ宮殿でオーディンから「たたかいをつづけるゆうきはあるか?」と聞かれ、「はい」を選ぶと全滅した戦闘の最初からやり直すことができる。「いいえ」を選んだならタイトルに戻される。
      • ただし、ストーリー終盤でこのオーディン本人と戦う事になって倒すイベントがあり、これを倒すと復活させてくれる存在がもういなくなったということで、全滅すると即座にタイトル画面に戻されるようになる。
  • 宿屋に泊まっても回復しない状態異常がある。
    • 盲目、呪い、石化という3つの状態異常は宿屋に泊まっても回復できないため、それぞれ専用回復アイテムの「目薬(めぐすり)」(盲目)、「十字架(じゅうじか)」(呪い)、「金の針(きんのはり)」(石化)を使うか、全回復アイテムの「エリクサー」を使わないと回復できない。
  • 世界観とマッチした印象的なセリフは今作も多数見られる。
    • 外面的な美しさこそが全てと考える中盤のボスの非道に対して「いまのあんたが いちばん みにくいぜ!」は有名*6
    • BGMの切り替わりも相まって強烈な印象を残す「きたぞ きたぞ!」もファンは思わずニヤリ。
+ 上記に関係して本作の根幹に関するネタバレ
  • (説明書より)世界は、古き神々によって創られ、神々の遺産は、77個の秘宝として残されている。そして、その全ての秘宝を1つに合わせると「女神の像」になり、計り知れない力が蘇えるという。その強大な力を利用して自らを新しい神と名乗るものが現れ始め、世界は大きく動き出す…。
    • 秘宝が77個というのは、実は主人公の父親が属する組織「ガーディアン」によって流された偽情報。集めた秘宝を全て神・アポロンに奪われたあと、父親によって秘宝は78個あるという真実が明らかになる。
    • 終盤、77個の秘宝を発動させて強大な力を身につけたアポロンとの戦闘になるが、凶悪な強さの一方で不完全な発動で危険な状態となり、最終的に上記の断末魔と共に崩壊・自爆する。
      • 本作の宣伝広告にも「77個の秘宝を探しに行こう!」*7とあり、プレイヤーも完全に製作スタッフの掌で転がされるまさかの展開は、当時のプレイヤーを驚かせた。

賛否両論点

  • キャラの入れ替えができなくなったため、人間やエスパーは戦闘を積み重ねて自力で強化させてく手間があり、とりわけ短時間で攻略しようと思うとキャラバランスに難が出てくる。
  • モンスターについて
    • モンスターは一部の種族以外はあまり役に立たず、モンスター間の格差が大きい。
      • とりわけ妖精は魔力・素早さに優れ、複数攻撃や回復までこなせるため敵出現数の多い本作では非常に有利。この種族を基本にしていけば攻略が非常に楽。
    • 最上位クラスのモンスター*8になるためには、ラストダンジョンで計2回しか戦えない中ボスの肉を食べる必要がある。
    • モンスターの食肉の食い合わせはランダムではなくルールがあるため、知識さえあれば例えば序盤からかなり強力なモンスターへ変身してプレイを楽にしたりもできる。
      • いくつかの世界にはボス的な存在としてその世界よりワンランク高いモンスターが固定で存在しており、それらが落とす肉を食べればランク高いモンスターになれる可能性も高くなる。
  • メカについて
    • ランダム要素がどうしても絡む戦闘での成長や複雑な知識が必要となる食肉で成長させる必要がなく、手に入れたアイテムを装備していくだけで簡単に強くなる。弱くなる事は基本的に無く、新しい武器や防具を購入できるようになったら買い替えるだけで失敗しない。
      • 装備するとアイテムの使用回数が半減するとはいえ、宿屋で使用回数を回復できる。入手に個数制限のあるレアな武器などもメカに持たせれば実質無制限に使い続けられる*9
      • アイテムを装備するとHPの現在値と最大値が変動するため、回数制限のない防具などを着脱を繰り返すだけでHPを全回復できる。
    • 「銃・兵器系の武器のランダムダメージ幅が2倍になる」という性能により、初期装備からして命中率こそ低めだが威力が段違いに強い。命中率の低さも「銃系の武器は力のステータスの高さによって命中率が上がる」という特性があるため、力の上がる武器を装備すれば補うことが可能になる。さらにグループ攻撃可能な重火器系の武器を手に入れた後は特性上必中攻撃となり、ザコを一人で一掃なんてこともザラにある。
    • 終盤では力が上がる装備をつぎ込んでグングニルのヤリなどグループ攻撃の力依存武器を使えば、恐るべきダメージを叩き出すようになる。
    • 防具を重ね着でき、HPと防御を上げやすく状態異常にも強いことからメカはパーティの先頭に配置して盾役にしやすく、マップ移動時には先頭キャラであるメカばかりを見続けるパターンになりやすい。
    • ただし魔力0のため魔法等には弱く、魔法攻撃を使う敵が増えるようになる頃からは通用しなくなる。
    • いるかいないかで難易度が大きく変わるほどお手軽で強いが、魔法攻撃に弱く魔法回復量も低いことやアイテムをつぎ込む必要性から何体も入れられないこと等でバランスを保っている。
  • 人間・エスパーについて
    • 人間・エスパーの成長が遅い。
      • 特に敵のインフレと成長速度が釣りあっているとは言えない。育成が半端だと対処法がどんどん限定的になっていき詰みは無いにしても悪循環になる。
      • エスパーの特殊能力は敵のレベルに応じて覚えられるものが増えていくシステムになっているため、「サイコブラスト」などの終盤に覚える高位の能力は取得確率が極端に下がってしまう。
      • 人間は4種族で唯一宿屋で利用回数を回復できる攻撃手段を持たないため、武器調達(資金稼ぎ及びドロップ)のために余分に戦闘を行なう必要も出てくる(ごく一部無限利用が可能な武器はある)。
    • 一応人間・エスパーは個数限定ではあるがアイテム「〇〇のもと」ステータスアップが可能であるほか、一部防具のステータス補正を受けられる(メカは受けられない)ため、これらを活用してうまくステータス調整を行なえば十分に戦い抜くことが可能。
    • 人間・エスパーは「いやしのつえ」という安定した全体回復を使用可能。この全体回復の手段があることは人間・エスパーの大きな強みであり、ボス戦では安定した戦いをすることができる。

問題点・不具合

  • 素早さは重要なパラメータだが、まともに戦えなくなるまでそれに気づきにくい。
    • 本作で素早さ依存となっているのは、大部分の武器の命中率および回避率、そして逃走率(正確には敵の素早さと味方の素早さの差に依存)。
    • 一番オーソドックスな剣が「力依存、使用で力が成長」なので、このタイプだけを使っていると、力(攻撃力)は上がるが素早さ(命中率)は上がらない。
      • 救済措置のためかムチや電撃ムチは攻撃力は力依存武器ながら素早さが上昇の対象になるとはいえノーヒントで気付きにくい。
    • その為、同じタイプの力依存武器を買い替えて(すばやさが初期値のまま)進めていくと、中盤から目に見えて雑魚敵に武器攻撃が当たらなくなり、逃げることもままならなくなる*10
    • しかも一度に登場する敵数が多いため、素早さが低いままだと終盤の戦闘はこちらが動く前に敵の総攻撃を受けて何も出来ず全滅することにもなりかねない。
      • 一応、敵の攻撃を受けて仲間の人数が減れば逃走できやすくなるシステムになっており、慎重に進めれば満身創痍ながらいけないこともないが…。
    • ただし終盤では「エクスカリバー」「グングニルのやり」という、力依存・必中・同種の敵グループへの同時攻撃が可能(「エクスカリバー」は使用回数無限)という最強武器が入手できるので、力特化の育て方をさせたキャラでも前述の武器を使用すれば活躍できないこともない*11
    • 素早さ依存の武器は単体攻撃で育成面で不利となるため、代わりに複数攻撃でき、魔法防御・回復量にまで関わる魔力を育成する手もある。
      • 魔法は基本的に必中でグループ攻撃・全体攻撃も可能なので、相手の攻撃に耐えられるなら素早さが低くても割とどうにかなる上、あえて相手の行動後に全体回復することもできる。
  • 電源入力直後、必ずザコとエンカウントする。
    • これは電源投入時の初期乱数が固定であり、しかも初期乱数がエンカウントの位置にあるため。
    • ちなみにエンカウントなどの初期乱数の位置はハードに依存しているので、初代GB以外の場合は1歩目ではなく特定の歩数で必ず特定の雑魚とエンカウントする。これを利用した電源パターンを攻略に組み込む人もいる。
  • 意図的かつ長期的なレベリング無しでは進行が難しいほど、人間やエスパーの成長率が低い。
    • 成長率の高い人間の力・エスパーの魔力であってもかなり根気のいる育成が必要。ここまで成長率が低いのはシリーズでも異例。
    • 成長率の低い人間の防御・エスパーの力に至っては、相当長期のレベリングを重ねても1ポイントも成長しなかったという事例が見られるほど。*12
  • セーブはどこでもできるが、それ故にセーブ場所によっては詰む危険性もある。
    • 特にラスボス撃破後もセーブできるため、うっかりセーブしてしまうとそのデータではエンディングを見る以外何もできなくなる。
  • モンスターが複数グループで登場した際、肉やアイテムを落とした敵がいると、その敵グループより右側に表示されていた敵グループからは所持金をもらえないバグがある。
  • 装備品関係の不具合など。
    • 「珊瑚の剣」:攻略本では前作同様水棲生物の敵に効果があるとされている武器だが、プログラムミスにより虫型の敵に有効な武器となってしまっている。殺虫剣?
    • 「火炎放射器」:ゲーム中盤以降に登場する武器だが、序盤に登場した武器「サブマシンガン」と武器としての性能は同じなのに価格は2倍以上する。グラフィックは「ファイア」や「ほのお」と同じで攻略本には「火が弱点の敵に有効」とあるが、実際はただの物理攻撃である。属性の付け忘れか?
  • オーディン戦はイベント未発生時の補填がない。
    • 上記の通りオーディンは全滅時にリトライさせてくれるありがたい存在だが、いつか自分と戦うことを誓わせてくる。そのため、それで面識ができ後に戦う時にも味方に感じていた彼を倒さなければならない人間的なドラマを生み出している。
      • しかし一度も全滅せず彼の前に立つと、無言でいきなり襲ってくる上、倒しても無言で彼の持つ秘宝を手に入れるだけというただ立ちふさがっていた謎の人物になってしまう。
      • 流石に何も言わないのはまずいと思ったのか、DS版では会話が追加された。
  • 秘宝の一部に設定ミスと思われるバグがある。
    • いなづまのマギに○れいきの効果、こおりのマギに○でんきの効果が付いている。
    • 本来ほのお、こおり、いなづま、どくのマギは各属性耐性が付く上に魔力が上がる効果であるが、実際は異なる。
      • ほのお、いなづまのマギは炎・氷・雷・毒属性魔法のみ魔力上昇補正があり、こおり、どくのマギはなぜか炎属性魔法のみ魔力上昇補正を得られる。
  • ゲーム最終盤のとあるイベント後、展開の都合からフィールド画面が常に揺らいでいる状態になってしまい、画面が見づらくなる。

総評

前作から順当に進化した続編としてよくできた一作。
サガシリーズ特有の取っつきにくさやゲームバランスの問題もあるが、成長システムや味方のメンバー構成等によりゲームのプレイ幅も広く、一度クリアしてからも色々な遊び方ができた。
シナリオ面でも特徴的なイベントが多く、システム・シナリオ両面で長年に渡ってファンに愛されている。


その後の展開

  • アメリカでは『FINAL FANTASY LEGEND II』のタイトルで発売された(前作とは違い『THE』が付かない)。
  • 本作の後、続編をGBで出すかSFCで新展開をするか開発班で議論していたところ、上から両方作れとお達しが来て、1つの開発班で2本同時に作るのは無理があるのでそれぞれ別々のチームで開発ラインが同時に走ることになった。
    • これにより、GBでの続編はスクウェア大阪が手掛ける『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』、SFCでの完全新作は本作同様に河津氏らが率いる『ロマンシング サ・ガ』となり、結果的にどちらもサガでありながら本作から派生してそれぞれ別の方向へ進んだことになる。
  • 2009年、『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』として、ニンテンドーDSにて3Dリメイクされた。
    • オリジナルのプレイ感覚を重視したリメイクであり、おおむね好評。詳しくはリンク先参照。
  • 2020年12月15日にNintendo Switchで『1』~『3』(更に日本版と海外版で計6本)のカップリングソフト『Sa・Ga COLLECTION』が発売。
    2021年9月22日にはiOS/Android、同年10月22日にはSteam(Windows)でも発売。
    • 開発はRacjinだが、サウンドの再生速度はそのままで倍速プレーできるなど、M2による『聖剣伝説コレクション』とはまた違った趣がある。

余談

  • ゲーム内で登場する『いじわるなダンジョン』には、その名前と発生するイベント、そしてダンジョンに登場する妖精のセリフから、プレイヤーに強烈なインパクトを残した。
    • 後に台詞やダンジョンの仕様はユーザーの間でネタにされるようになった。
  • ラストダンジョンにおいて、超低確率で「はにわ」というモンスターが出てくることがある。このモンスター、名前や容姿はかわいいがとんでもなく強く、ラスボスよりも遥かに厄介である。
    • ただし所詮はザコ扱いなので、ザコ敵を全滅させる「はどうほう」を使えば確実に一撃で倒すことが可能。「はどうほう」は非売品で使用回数も3回だけだが、メカに装備させれば回復させることで何度でも使用可能。ほかに特殊能力の「じばく」や「クリティカル」(こちらは必中ではない)で一撃で倒せるほか、メカの力を強化すれば「チェーンソー」でも倒せる。
    • また、レベル10に設定されている敵からは逃げられない設定でラストダンジョンのエンカウントは基本的にこれだが、はにわのみレベルが違う(レベル12)のため逃げることは可能。
    • はにわを倒すとレアなアイテムを落とすなど、やり込み向けの隠しボスのような存在となっている。
  • 攻略本は『SaGa2 秘宝伝説 基礎データ編』『SaGa2 秘宝伝説 完全クリア編』の2冊が発売されている(出版社:NTT出版。編集プロダクション:キャラメル・ママ)。ミスや突っ込みどころはやや多め。
    • 魔法の書等の魔法アイテムをメカに装備させると魔力が上昇する等という 大嘘が書かれている 。事前にセーブしてからならやり直しは出来るものの、この情報を鵜呑みにして使用回数をムダにするハメになった被害者も何人かいるのではないかと思われる。極めつけは終盤の武器に関しての情報。なんと ほとんどのものが「?」で済まされてしまっていた 。ついでにいうと何処で入手可能かという情報もない。こんなアイテムがありますよという知識は得られるだろうが…。特に『基礎データ編』は刊行時期的にもゲーム現物のチェックは為されずスクウェアからの情報提供による編纂だった事は明らかなので、当時の攻略本商売の過熱ぶりを伝える一材とも言えるだろう。
    • 『基礎データ編』には、BGM集のCD(ED未収録)が付いたバージョンが存在する。
    • 「河津氏が1920年生まれのヤクーツク出身」というのは完全クリア編の氏へのインタビューで紹介されたプロフィール。ただこれはミスではなくて、氏が仕込んだネタのようだが。
  • 4つの種族全てを別々のバグ技により強化できる。これも本作のバグの多さがなせる技か。
    • ある方法でモンスターの「えのきもどき」を主人公にしてスタートできる。種族は人間。
      • 全パラメータが0で、初期は普通の人間よりも弱いものの、敵のHP吸収攻撃を無効化または逆吸収するという特性を持っており、鍛え上げれば最強の人間になれるポテンシャルを秘めている。
    • エスパーはモンスターの能力「カウンター」を利用する事で通常4つしかない特殊能力の欄を増やすことができる。
      • ただし「カウンター」が本来の位置にない状態でセーブするとセーブデータに異常が出るという危険なバグ技のため、使用時は細心の注意を払う必要がある。
    • メカは装備した体術の使用回数が0になると体術装備により上昇した素早さ及びHPが残ったまま体術だけが消える。これによりHPと素早さの基本値を上げる事が可能。
      • ただし限界を超えて上げすぎると行動順が遅くなったりなどの不具合が出るようになる。
    • モンスターを最上位クラスにするためにはラストダンジョンで計2回しか戦えない中ボス「ティエンルン」「フェンリスウルフ」の肉を食べる必要があるが、バグを使えば更に中ボスと2回戦えるようになり、4人全員を最上位クラスにする事ができる。
      • 前作の四天王パーティーを組む事も可能。
  • 前作の四天王がモンスター枠の最上位枠に入ったことで前作で鳥系の最上位「フェニックス」、ドラゴン系の最上位「ディアマット」がこの都合上リストラとなった(「げんぶ」の亀系は系統そのものが初登場)。
    • また虎系の最上位に前作の四天王「びゃっこ」が入ったが前作の最上位「フェンリルウルフ」は名前が「フェンリスウルフ」に変わったものの敵専用の中ボスとして登場し、同じようにドラゴン系も前作の四天王「せいりゅう」が最上位に入ったが敵専用の中ボスとして「ティエンルン」が同じレベル11枠にいるため、この2系統はレベル11枠が2体いることになる。
  • 本作に先んじて4月にファミコンで発売された『ファイナルファンタジーIII』でオーディンは先に登場しているが、そちらでは斬鉄剣という架空の武器を使うため本来のグングニルを使うオーディンは本作が初である*13
    • 先述の作品での「斬鉄剣」はボス戦こそ何の効果もないが、ザコ戦では敵全体をスパッと真っ二つにして一瞬で終わらせてくれる快感を味わわせてくれただけに印象に残っている人が多く、逆に本作のオーディンを見て「斬鉄剣は使わないの?」と思った人も…反対にグングニルのヤリから本来のオーディンに興味を持った人もいたことだろう。
    • なおファイナルファンタジーの方でその両者が揃ったのは2年後に発売された『ファイナルファンタジーV』でのこと。その前の『ファイナルファンタジーIV』ではグングニルそのものは登場したものの一般的な武器枠での登場(竜騎士カインの装備)で、オーディンが使うことはなかった。
  • アシュラの塔にいる最初に戦う新しき神アシュラは当初はドルアーガの塔にいるドルアーガの予定だったが、会社からやめてくれと言われたので前作に登場したアシュラに変更された。(河津氏のツイート)
    • 実際、開発中の画像ではドルアーガになっているものがあった。
    • 1.インドの神ドゥルガー → 2.『AD&D』関連書籍内のメソポタミアの神Druaga → 3.『ドルアーガの塔』のドルアーガ、という元ネタの流れであり、「メソポタミアの悪しき神。ナムコさんの発明ではありません」と言っているので基本的には『AD&D』の神を直接の元ネタとして意識していたようである。(※現実のメソポタミアの神話にドルアーガは存在しない)
    • なお塔なのはもちろん『ドルアーガの塔』ネタであるが、前作のアシュラ自体が『ドルアーガの塔』のオマージュだったりする。(河津氏のツイート)
  • アポロンの悪役イメージは、『アリオン』に影響を受けたとのこと。
    • 『アリオン』は安彦良和の漫画およびアニメ。この作品に登場するアポロンも唯一絶対の神になることをひそかに企んでいる。
  • 主人公の父親は昔「4つのクリスタル」を守っていたという情報を聞くことが出来る。 この「4つのクリスタル」というのは前作『魔界塔士Sa・Ga』であるとする説が有力である。
    • また主人公一家はED後に三種の神器を探しに行くと言って親子3人で旅に出る描写がある。
    • 次回作『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』では三種の神器を探す3人家族が登場する。家族の少年によると「昔は僕も悪者退治をしていた」とのことである。

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最終更新:2024年01月28日 23:30
添付ファイル

*1 余談だが、裏技で増やすことも出来る。

*2 なお、外すときも半減するため、使用回数が1や0で外すと消える。また、体術技は使用回数が減るとダメージが上昇するというシステムとの兼ね合いでメカが装備しても回数が半減しない。なお体術技はメカが使うと低威力になる特性があるためメカには適さない。(※これらの仕様に関連して、メカが体術技を残り回数0で外すとその装備によって上昇していた能力値が下がらないバグがある。これを利用してメカのHPと素早さを育てることも可能。ただし人間やエスパーが居ない編成の場合は、メカには適さない装備である体術をメカ自身で使い続けて残り回数を減らすことになる。)

*3 ○マヒでマヒ、眠り、混乱、盲目(暗闇)、呪い、即死を防ぐことができるため、○マヒ/どくは石化以外の全ての状態異常と毒属性ダメージを無効化する。余談だが、敵として登場する人型メカや戦闘メカなども同様に「○マヒ/どく」を所持しており石化以外の状態異常が無効。

*4 前作では食い合わせ次第ではなにもおきなかったり同じ種族に変化したりしたが、今作では肉を食べると必ず別のモンスターに変化する。

*5 鳥系モンスターはFFシリーズのチョコボを流用している。

*6 この直前にある人物がボスの非道に対抗するために敢えて外面的な美しさを自ら損なってボスの怒りを買った、まさに本当の"美しさ"とは何かを問うシーンであった。

*7 本作の宣伝広告は「1番人気はSa・Ga2!」「2メガになってすごくきれい!」など1から10の数字が書き出しになっている。

*8 前作の四天王が全員含まれている。

*9 使用回数が1の武器を除く。

*10 これを見越してか「かそくそうち」というアイテムを使えば戦闘中のみ素早さを上げることができる。

*11 ただし力が低いキャラが使ってもそこそこのダメージを与えられる(これは「エクスカリバー」「グングニルのやり」に力が70未満の場合、力70と換算して計算する効果があるため)ので、力特化キャラに装備させないという選択肢もあり得る。

*12 乱数のうち戦闘中の様々な判定に使われている乱数値が219進んだ位置で出る0の値でのみ成長する。上記の通り電源投入時の乱数初期位置は固定で、上昇可能な乱数位置まで離れているので、電源投入から近辺を通るまでの戦闘は上昇する可能性は一切なく、一度に遊ぶプレイ時間が短いと影響も顕著。上記の通り乱数の初期位置はハード依存なので、電源投入から上昇可能な乱数位置近辺までどのくらい離れているかはハードによって異なる。例えばGBCやGBAなら乱数は79進んだ位置から始まる。

*13 斬鉄剣は合体魔法。黒だと普通に一体を攻撃するのでこの槍を使っているかと思いきや、この時のメッセージが「敵を切り裂いた」なので明らかに剣を使っている。