本項ではゲームボーイアドバンス用ソフト『ポケットモンスター ルビー・サファイア』と、マイナーチェンジ版である『ポケットモンスター エメラルド』の両方を紹介します。
判定はどちらも「良作」です。



ポケットモンスター ルビー・サファイア

【ぽけっともんすたー るびー・さふぁいあ】

ジャンル RPG


対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2002年11月21日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 1個(フラッシュメモリ)
周辺機器 通信ケーブル,GBAケーブル,カードeリーダー+対応
備考 時計機能にボタン電池を使用
判定 良作
ポイント 特性とダブルバトルの登場で対戦の戦略性が上昇
前作との互換は無くなり以後のシリーズのベースとなった
ポケットモンスターシリーズ関連リンク

概要

ポケットモンスター本編シリーズの3作目。ハードはGBAに移った。水と緑が豊かな大自然が広がるホウエン地方*1が舞台。
前作『金銀』は前々作『赤緑』と時系列上の繋がりがあったが、本作は前二作と同一の世界ではあるものの物語上の繋がりはほぼないためシリーズ初見でも問題なく遊べる。
ポケモン図鑑も新たに1番から数えなおされ、新旧入り混じった200匹(+2匹)のポケモンが登場する。


特徴・評価点

  • ハードの進化による表現力の向上。
    • ゲームボーイ時代からの素朴さはそのままに、グラフィックの表現力が向上。火山、砂利道、深い草むらといった大自然や、雨や砂嵐、水面の反射など、これまでにはできなかった多彩な描写が可能になっている。
    • ポケモンのグラフィックも使える色が増えたことで鮮やかになった*2。またメニュー画面ではすべてのポケモンに固有のアイコンが設定された*3ため視認性が大きく向上した。
      • ボックス操作も、ポケモンを動かすたびにレポートを書く必要がなくなり、1画面に1ボックス30匹分のアイコンが表示されるようになって格段に使い勝手がよくなった。
    • BGMも音源が強化されて音色が増えた一方、ポケモンの鳴き声を含め、電子音らしさを前面に押し出していて前作までの雰囲気を損なっていない。
  • 135匹の新ポケモンが追加され、総ポケモン数は386匹に。
    • この追加数は『BW』の156匹に次ぐ二番目の多さである。
    • 前作では新ポケモンの出番が控えめに調整されていたが、本作では1番目のジムまでに登場するすべての野生ポケモンが本作初出のものになっており、新鮮な気持ちでプレイできる。
  • とくせい
    • とくせいはポケモンの種類ごとに設定された固有の能力。全てのポケモンが1つずつ持っている。
      • 味方を有利にする/相手を不利にするもの(例:こうげきを下げられなくする「かいりきバサミ」。相手のこうげきを一段階下げる「いかく」)、高いステータスを制限するもの(例:2ターンに1回しか行動できなくなる「なまけ」)、フィールド上で効果を発揮するもの(例:野生ポケモンの出現率を高くする「はっこう」・低くする「あくしゅう」)、その他(戦闘後に一定確率でアイテムを拾ってくる「ものひろい」・すばやさにかかわらず100%「にげる」が成功する「にげあし」)などその効果は多彩。
      • 技と違ってターンを消費せずに効果が発動するため、戦略性が増した。またポケモンごとの大きな差別化要因にもなっている。
      • 二種類のとくせいを持つポケモンもおり、出現時点でどちらのとくせいになるか決まる。なお、目当ての特性を確実に捕まえることは不可能であり、変更も不可能だった*4
      • この「とくせい」システムを前提にしたポケモンも登場。禁止伝説クラスの極めて高いステータスを持ちながらも上記の「なまけ」で行動を制限されるケッキング、HP1だが「ふしぎなまもり」により効果抜群以外の攻撃技を無効化するヌケニンなど。
      • 前作で使いにくかったポケモンにも有用な特性を得て日の目を見ることとなったものは少なくない。例としてソーナンスは能動的な攻撃技を持たず無償交代されてしまうという欠点があったが、「かげふみ」という相手の入れ替えを封じる特性を得て、非常に使いやすくなった。
  • せいかく
    • せいかくはその名の通りポケモンの性格を示すパラメータで、対戦やコンテストに重要な要素。全25種ある。
      • 対戦では20種が攻撃/防御/徳興/特防/素早さのうち一箇所の値が1.1倍され、代わりにもう一方の値が0.9倍される効果を持つ*5。なお、残りの5種の性格は無変動となる。いずれも一長一短で、使いやすさに差はあっても万能と言える性格は存在しない。
        このため、同種のポケモンでも物理攻撃主体か特殊攻撃主体か、または耐久型か速攻型かと選択肢が広がることになった。
      • コンテストではポロックの味の好み(コンディションの上がりやすさ)を左右する。
        例えば「やんちゃ」な性格だとからい味が好きで(かっこよさが上がりやすくなり)、にがい味が嫌いになる(かしこさが上がりにくくなる)ため、かっこよさコンテスト(かっこよさが最重視され、かしこさ・かわいさが無関係)に向いていることになる。
  • 新たなバトル形式「ダブルバトル」。
    • 1人のトレーナーが2匹ずつポケモンを出してバトルする。1vs1の「シングルバトル」とは異なり、場に4匹もポケモンがいることから戦術の幅は広く、高い戦略性を求められる。天候を変える技や壁を貼る技などの影響力もシングルバトルより強い。
    • このダブルバトルのために新たに設定された技や特性も少なくない。
      • 特性では電気タイプの技を自分に集める「ひらいしん」、技では味方に使うと技の威力が上がる「てだすけ」など。
    • シングルバトルでは耐久型ポケモンの時間稼ぎぐらいにしか使われない「まもる」もダブルでは非常に重要な技となる。苦手な相手の攻撃を1ターンしのいで味方に倒してもらったり、集中攻撃が来るのを読んで使えば相手のターンを無駄にできたり、味方の全体攻撃技に巻き込まれなかったりと使い道は幅広い。
    • 4人が2人ずつタッグを組んで1匹ずつポケモンを出す「マルチバトル」も存在する。仲間とのコンビネーションが重要。
    • 本作以降の公式大会では基本的にシングルバトルではなくダブルバトルが採用されている。
      • 理由は公式には明言されていない。戦略性の高さや見栄えの良さ以外に、耐久型の戦術によってバトルの時間が異常に長引くのを防ぐためだという説が有力*6
  • ポケモンの魅力を競う「ポケモンコンテスト」の登場。
    • 「かっこよさ」「うつくしさ」「かわいさ」「たくましさ」「かしこさ」の5部門があり、各部門で「ノーマル/スーパー/ハイパー/マスター」の4ランクを制覇することが目標となる。
      • 1次審査ではコンディションを見られ、2次審査では技を使ってアピールを行う。
      • 技はバトル用の性能とコンテスト用の性能の2つを持つようになった。すべての技が5つの部門用に分かれている。指定された順番に技を使っての「コンボ」で強力なアピールもできる。
    • コンディションを上げるには、「ポロック」というきのみ製のおかしを与える必要がある。ポロックはコンテスト会場にいるNPCとミニゲームで作れる。また、通信プレイも可能で上手くいけば、NPCと作るより高性能のポロックを作れる。
    • ゲームを進める上では必須ではないが、単なるミニゲームにはとどまらないつくりのやり込み要素になっている。バトルでは活躍しづらい進化前のポケモンなどを輝かせることも可能になった。最大4人での通信対戦も可能。
  • 新たな通信要素「ひみつきち」の登場。
    • 前作における「部屋の模様替え」と、NPC操作の通信相手と戦える「トレーナーハウス」を組み合わせて、より遊びの幅を広げた要素。
      フィールド各地にある「木」や「横穴」といった特定のポイントで「ひみつのちから」という技を使うことにより、自分の秘密基地を作れる。
      • 秘密基地には様々な模様替えグッズを置いて内装をカスタマイズできる。ポイントの数も多く、内部の地形や形状もそれぞれ異なる。
    • 通信プレイの「レコードをまぜる」によって相手の秘密基地を自分のデータに出現させられる。秘密基地を探したり楽しんだりするのみならず、1日1回相手の手持ちとバトルができる。勝てば経験値や賞金も得られる。
      • 1つのデータに他人の秘密基地は20ヶ所まで出る。ただし、秘密基地の場所が重複したり、上限を超えた場合は上書きされてしまう(気に入った基地を保護することは可能)。
      • また、レコードはキンセツシティのオヤジ*7を相手のオヤジと入れ替えたり、ムロタウンの流行語やヒンバスの釣れるポイントを共有する役割も持つ。
  • ポケモンに与えられる「リボン」の登場。
    • やりこみ要素の一つ。殿堂入りやコンテスト優勝、後述するバトルタワー等で条件を満たすと付けられる。
    • コンテストの上位ランクの参加条件として、一つ下のランクをクリアしたリボンが必要だが、それ以外に特別な効果は無い。
    • 一種の勲章のようなものでアイテムとは異なる。外したり付け替えたりすることはできない。次回作に送っても保持される。
  • 前作の「ポケギア」にあたる「ポケナビ」
    • マップや、ポケモンのコンディションや着けているリボンを確認可能。
    • 機能の1つ「トレーナーアイ」は、『クリスタル』版のように今まで対戦したトレーナーと再戦できるように。曜日と時間を見計らって電話をかける必要もなくなり、確認するだけで誰が再戦可能かわかるようになった。
  • 前作で追加された「きのみ」のリニューアル。
    • 従来は「まひなおしのみ」などの簡素な名前だったが、本作からは1種ごとに実在の果物などをモデルにした名前が付けられている。
    • 前作は「どうぐ」ポケットに入っていたが、今作では専用のポケットが与えられてリュックを圧迫することがなくなった。
    • 各地に自生しているものを採取し、「ふかふかの土」に植えて栽培することで増やすことができるようになった。
    • 木の実はリアルタイムの経過に伴って成長する。一定時間ごとに水を与えることでより多くの実りを得ることもできる。
    • 種類も増加。状態異常回復から味の好みによって効果の変わるものまで。積極的に栽培すれば節約になる。
    • ポケモンのお菓子「ポロック」作りに関わる「味」や、デザイン・大きさ・重さ・かたさ・説明文など、世界観に彩りを加える設定が加えられた。
  • 「ホウエン図鑑」という地方図鑑の登場。
    • 冒頭でも述べたが、本作では図鑑ナンバーが一新されている。
      新旧あわせて200種類+2種類のポケモンが新たに「ホウエン図鑑」に登録されるポケモンとして本作に登場している。
    • この傾向は以降のシリーズにも引き継がれ、従来のポケモン全てを含む「全国図鑑」とは別に、その地方のポケモンのコンプリートが目標として設定されるようになった。
      地方外のポケモンを手に入れるには前作及び関連作品との連動や、クリア後のイベント等が必要になっている。
  • 対戦施設「バトルタワー」
    • 『クリスタル』版にも存在していたモバイル通信専用のシステムをオフライン用にリニューアルしたもの。
    • クリア後のやりこみ要素の一つであり、大まかなルールは以下になる。
      • 3対3のシングルバトル
      • 使用可能なポケモンは禁止級伝説*8と幻*9を除くすべてのポケモン。ただし、同じポケモンを二匹以上参加させるのは禁止
      • バッグの道具は使用不可(ポケモンのもちものは可、ただし2匹以上に同じ道具は持たせられない。)
      • レベルの上限は50か100で、味方のレベルにかかわらず敵は必ず上限レベルを使用
      • 戦闘ごとに強制セーブされ、正式にセーブせずに電源を切った場合も負け扱いとなる
      • 引き分けの場合、理由を問わずプレイヤー側の負けとみなされる*10
      • 「レコードを混ぜる」ことで、通信相手がバトルタワーの敵トレーナーとして出現するようになる。
    • また、7連勝すると一区切りがついて外に出られる。以降も連勝数は累算されていく。
      • 42連勝以降は7連勝するたびに対戦で役に立つアイテムがもらえる。50連勝と100連勝では記念品がもらえる。
    • シリーズ本編、かつオフラインで遊べる要素としては、レベルや使用ポケモンに制限が与えられるルールが初めて適用された。
      これにより、通信対戦のルールとしても「バトルタワーと同条件」というシンプルな合意が得やすくなった。
      • 前作までにも公式ルールは存在したが、ゲーム本編で取り上げられる機会がなかったので全てのプレイヤーが知るものではなかった。
  • トレーナーカードの登場。
    • プレイヤーキャラのステータスを表す。従来は所持金やバッジ数を確認する程度だったが、本作ではクリアタイムや各種通信プレイの回数などが記録されるようになった。
    • さらに「殿堂入り」「ホウエン図鑑完成」など一定の条件を突破するたびに色が変わるというやり込み要素の1つにもなった。
  • 点字を解読して謎を解きながら進め、奥に伝説のポケモンが待ち受ける隠しダンジョンや、いつ現れるかわからない「マボロシじま」などの冒険要素も存在。
  • モンスターボールの柄がポケモンに反映されるようになった。
    • ポケモンを捕まえた時のボールが捕獲後も反映されるようになり、ポケモンを繰り出すときは捕まえた時のボールで登場する。ボールによって開閉時のエフェクトも異なるため、このポケモンはこのボールで捕獲するといったこだわりが可能になった。
  • 対戦の根幹にあるシステム「きそポイント」(努力値*11)の一新。
    • きそポイント制限の追加。前作まではすべての能力値に上限まできそポイントを与えることが可能で、ポケモンごとに最終的な能力値が決まっていたが、今作から一つのステータスに最大255(253以上は切り捨て)合計510までとなり、カスタマイズ性が上がった。また、目標とする条件*12に合わせてきそポイントの量を最適化する「調整」という概念も生まれた。
      • 前作では経験値を抑えながらきそポイントを最大まで与えるには、ゲーム内のお金や実時間を膨大に要した手段が最適とされていたが、本作ではその手間は減り、どうぐやポケルスを使えばさらに減る。
    • きそポイント自体は依然マスクパラメータのままだが、本作からはきそポイントの獲得量が増える「きょうせいギプス」や、限界まできそポイントを上げたポケモンにつけられる「がんばリボン」など、その概念を表立たせるものが登場した。
  • 本作より海外版との互換性が確保された。相互に通信交換・対戦が可能となっている。
    • ただし、派生作品*13との連動は原則的に同一リージョンでなければできない。
    • また、海外版でポケモンの名前を6文字以上にしていた場合、国内版では5文字までしか表示されない。
    • 今作の時点では、海外版との互換性については表立って扱われず、後に開発者のブログで紹介された程度。一種の隠し機能と言える。

賛否両論点

  • 大規模なストーリーへの作風の変化
    • 初代・金銀のストーリーは「主人公の少年・少女が体験するひと夏の冒険」といった雰囲気だったのに対し、本作では悪の組織の陰謀による古代ポケモンの復活・世界を揺るがす大規模な天変地異といった壮大なスケールの物語になっている。
    • RPGとしては王道な展開ではあるが、前作までの比較的現実的で地に足の着いた雰囲気から作風が変わった点はしばしば賛否が分かれる。
    • 『金銀』ではパッケージに映っている伝説のポケモンのホウオウ・ルギアがストーリーにまったく絡まなかったが、本作は物語の中心であり、捕獲の機会もストーリー中の一回のみである。
    • 本作以降のシリーズはいずれも「伝説のポケモンを巡る悪の組織の陰謀を阻止する」という構図がストーリーの基本となっている。
  • 地方が1つしかない
    • 『金銀』では、ジョウト地方の冒険を終えると『赤緑』の舞台であるカントー地方に行けたが、本作はホウエン地方のみで完結している。
      • 「主人公はジョウト地方から引っ越してきた」という設定を初めとして、作中ではたびたびカントーやジョウトに言及される。港町まで存在するので、実際に行けると期待していたプレイヤーは少なくなかった。
    • マップ自体の全体的なボリュームは小さくない。クリアするだけなら立ち寄る必要すら無いダンジョンや町が存在する。前述のコンテストも早い段階から遊べるようになるので寄り道の楽しみは大きい。
    • クリア後は従来のように図鑑完成を目指すのはもちろん、バトルタワー制覇という高難易度のやりこみ要素が用意されている。一方で前作のレッド撃破のようなシンプルな目標はないので、難易度の高いやりこみ要素に興味が無いライト層には物足りないものとなっている。

問題点

ストーリー面の問題点

  • 後半からは広大な海が物語の中心になり、海上と海底の探検を繰り返すが練り込み不足。
    • 海上は大半がだだっ広いだけで、これといった特徴もない。133~134番水道は右から左へ一方通行の海流があり、目的の場所まで何度も行き来することになるが面倒なだけ。
      • なみのりの速度は早くエンカウント率も低めだが、その分移動するだけの単調な部分というのが際立つ。
      • また、水上の出現ポケモンはほぼすべてキャモメ、ペリッパー、メノクラゲの3種のみ*14と非常に味気ない。
    • 海底の地形は入り組んでいる上に、これを経由しないと入れない場所も多い。しかも海底は全体が繋がっているわけではなく、潜った場所によって移動できる圏内は決まっている。
      さらに終盤はより海底探検の要素が強くなり、いわゆるおつかいゲー色が強くなってくる上に迷いやすい。しかもこちらは移動速度も落ちているので海上で目星をつけてから潜らないとテンポが悪い。
  • いわゆる「ライバル」に当たるキャラは2人登場するが、どちらも扱いが微妙。
    • 「主人公に好戦的」「主人公の一歩先を行っている」と言った部分は多少見受けられるが、目標が異なっていたり、戦闘回数が少ないなど総合的に「ライバル」としての要素は薄い。
    • 1人は主人公が世話になるオダマキ博士の子供「ハルカ/ユウキ」で、外見は主人公の男女のうち選ばなかったほうとなる。主人公をリードする立場で情報を教えてくれたりポケモンバトルを挑んでくる。
      • 難点となるのはあくまでオダマキ博士の手伝いとしてフィールドワークしているため、ポケモンリーグのチャンピオンを目指す主人公について来れず中盤でフェードアウトしてしまうこと。最後のバトルでも、レベルの都合上、選んだポケモンの最終形態を持っていない始末。
    • 2人目に当たる「ミツル」は主人公の後輩に当たるトレーナーだが、ストーリー中で会う機会は最序盤、3番目のジム前、そしてラストダンジョンに当たるチャンピオンロードとかなり唐突。
      • しかもチャンピオンロードはバッジを8個集めたトレーナーだけが入れる場所であり、主人公が3個目のバッジを手に入れる直前ではまだ1個も持っていなかった。よって、主人公を上回るスピードで各ジムを突破してきたことになる。
        彼が中盤で家出したことは作中でも語られるが、ここで登場するのは燃える展開とはいえ違和感も強い。
    • いずれのライバルも名前は固定で、プレイヤーが変更することはできない。
  • 入手困難なポケモンの存在
    • 「ヒンバス」とその進化形の「ミロカロス」
      • ヒンバスは119番道路の水上からランダムで4マス出現ポイントが配置されており、そこに「ボロのつりざお」を使うことで一定確率で釣れるというもの。つまり119番道路のすべての水上のマスを1マスずつ何度か釣りをして検証するという恐ろしく地道で過酷な作業を強いられることになる。
        そもそも「特定のマスでのみ出現する」というのは前例がない上、直接的なヒントもゲーム内には全く存在しない。よっぽど運が良くなければ普通に探してもまず見つからないし、意識して探そうとしても途方も無い手間と時間がかかる。そして出現ポイントでも「コイキング」が出てくるため、効率重視で試行回数を減らそうとすると、せっかく当たりのポイントで釣りをしていたとしても気付かずにスルーしてしまう可能性が高い。レコード交換を使えば他のプレイヤーと出現位置を共有できるが、それを差し引いてもかなり困難だった。
      • さらにミロカロスはそのヒンバスにポロックを与え、「うつくしさ」を一定値まで高めないと進化しない。与え方に失敗するとその個体は進化不可能になる。ポロックに関しては後述。
    • 徘徊ポケモン「ラティオス(ルビー)」「ラティアス(サファイア)」
      • 殿堂入り後にバージョンによって決められたほうがホウエン地方各地を逃げ回る、前作のエンテイ・ライコウ・スイクンと同様のポジションであり、その問題点(前作の記事を参照)の多くも引き継いでいる。
      • 「ほえる」等の強制逃走技を使わない点では楽になっていると言える。1匹しかいないのでマスターボールを使う手もある。
      • また、この方法で入手できるラティオス・ラティアスは、HPと攻撃以外の個体値*15が0であるため、実用性は低い。一応それを差し引いても並のポケモンクラスのステータスはあるが。
      • 配信限定のアイテム「むげんのチケット」を入手すれば、出現しない方のポケモンを固定シンボルで捕まえることができる上に、他では入手不可能の「こころのしずく*16」を持っていたが、現在は配信は終了している。当時に実戦的なラティアス・ラティオスを入手するには、これに頼るしかなかった。
    • 伝説のポケモン「グラードン(ルビー)」「カイオーガ(サファイア)」
      • パッケージにも登場する伝説のポケモンだが、捕獲機会がストーリー上で強制的に戦う時の一度きりとなっている。捕獲率が低い*17ためマスターボールを使わずに捕獲するのは難易度が高い*18。また逃げたり倒してしまった場合は二度と捕獲できないため、マスターボールを温存してグラードン・カイオーガを捕獲したい場合はストーリー進行が滞ってしまうことがある。
      • 後の作品では、強制戦闘の伝説ポケモンは捕まえやすくなっており、逃げたり倒した場合も殿堂入り後に再戦できるよう改善された。
  • コンテストの問題点
    • コンテストは前述の通り4ランクあるが、ハイパーランクまではポロックで1つのコンディションだけでもある程度高めていれば適当にやっていてもほとんど苦戦せずに優勝できる。なので下記の問題点はマスターランクや、複数の部門を制覇する場合についてである。
    • 運ゲー要素が強く、全体的に練り込み不足。
      • 全体的にNPCの気分次第なバランス。
        NPCは「高いアピール力で優勝を狙いに行く」というより「妨害を繰り返して自分以外が優勝するのを阻もうとする」思考ルーチンであり、きんちょう状態(後続を一定確率で1ターンアピール不能)にさせる技や、相手の得点を下げる妨害技を多用する。そのため、運よく妨害を回避できるか否かで勝敗が決まる運任せな側面が大きい。
      • エキサイトボーナスの問題
        参加ポケモンが各部門と一致した技を使うことでエキサイト度が1上がり10点追加でもらえる。MAXの5になるとその時にアピールをしたポケモンに「エキサイトボーナス」60点がもらえる。
        デメリット無しのアピールでは40(+10)点が最高なので、単純に5回しかないアピールの機会を1回分得したことになる。なのでこれを獲得することが優勝の必須条件になりがち。
        ただし、NPCはその部門での受けが悪い技をわざと使ってエキサイト度を下げたり、順番を入れ替える技を使ってくるため、やはりこれも運になる。
      • 特定の技を出した次のターンに、それと相性のいい技を出すとスコアが倍になるコンボがあるがノーヒント。一応「審査員が注目した」というメッセージは出るが、それが何を意味するかはわからない。
        もっともNPCもコンボを使用するので、それを参考に真似てみることはできる。
      • 全てのコンディション(1部門だけなら、隣接するものを含む3つのコンディション)をMAXにすれば簡単にクリアできるのだが、通信必須かつ本作で入手可能なきのみだけでは不可能。さらに組み合わせを厳密に考慮する必要がある。
  • ポロックの問題点
    • 通信前提の調整。
      • ポロックは食べられる量に限度があるが、そのポロックを作るためには「1人が1個ずつきのみを出すミニゲーム」をプレイする必要がある。普通に手持ちのきのみを調合するシステムではいけなかったのだろうか。
      • 通信ができない場合でもNPCと作ることができるが、ポロック作りが上手くない上、投入するきのみが質の低いもので固定されているため質のよいものが作れない。
      • 通信の場合でも、人数が多いほど多くのきのみを入れて味を濃くできる上に、なめらかさ(投与コスト)を下げられるので少人数で作るメリットが無い。2人通信程度ではNPCとのブレンドにすら劣る場合もある。
    • ポロック作りミニゲームのゲーム性の低さ。
      • 何人いようが結局タイミングに合わせてAボタンを押すだけ、上手に押せた回数でランキングが出るがメリットは無い等ゲーム性は非常に乏しく、通信してまでやることに疑問を持つプレイヤーも多い。
    • 「コンディション」という用語に反するシステム。
      • コンディションは一度上がったらそれっきりであり、上限までポロックを食べたポケモンのコンディションは二度と変化しなくなる。与え方に失敗した場合はやり直すことができない。
      • 前述の「ヒンバス」を「ミロカロス」に進化させるにはうつくしさを高める「しぶいポロック」をたくさん食べさせる必要があるが、上記の仕様のため、一人プレイではしぶい味が好きでない個体を進化させるのはシステムを把握していないと難しい。特に、嫌いな性格だと進化すらままならないため、♂しか捕まえてなかった場合、進化は絶望的となる。
  • 一部アイテムの問題点
    • 海底に隠されているアイテム「かけら」は進化の石と1:1で交換する以外の用途がない。普通に進化の石そのものを拾える形ではいけなかったのだろうか?
      • かけらはフィールドに落ちているだけでなく野生ポケモンもたまに所持している。設定上、海底にいる野生ポケモンが炎の石などを持っているのは不自然だからかも知れない。
      • 進化の石の入手方法・個数が有限だった『金銀』と違い、対応する進化の石がいくらでも手に入るようになった点は評価できる。
    • 一方「たいようのいし」と「つきのいし」は、野生のソルロック(『ルビー』限定)・ルナトーン(『サファイア』限定)が持っているものを除くと1本のソフトにつき1つずつしか手に入らない。ホウエン図鑑を完成させるだけなら、たいようのいしは1つで済むが、つきのいしは最低2つ必要となるため、『ルビー』では図鑑完成のために他のデータからつきのいし(またはつきのいしで進化したポケモン)を最低一度は通信で入手する必要がある。
  • きのみの仕様
    • 一部きのみの入手方法
      • 123番道路のおばあさんからの質問に答えるとポロックに使えるものの中でも最高級の質を持つきのみをもらえるが、いずれもノーヒント。しかもうち2つは使えるキーワードを入手するために通信が必須。
      • 特に問題なのはベリブのみ。特定のIDでしか出現しない「ナウイおじさん」から教えてもらえる言葉を使わないと貰うことができない上に、出現した場合でも教えられる単語はランダムで、なおかつ通信ごとに1回ずつしか聞けない。
    • 栽培が大変
      • リアルタイムと連動しており、種類ごとに設定された一定時間が経過すると一段階ずつ成長する。水を上げないと結実数は減り、結実した後も放置すると枯れて第一段階からやり直しになる。上記のきのみは1段階の成長が24時間と長く、結実数も最大2つと少ない(水遣りを怠ると1個のみ、つまり増やせない)。
      • 雨が降っていても水をやったことにはならない*19。また、きのみの説明には栽培アドバイスのようなものが書いてあるが実際は何の意味もないフレーバーテキストであるなど、プレイヤーを混乱させる要素がある。
  • 「マボロシじま」出現確率の低さ
    • 24時間に1回、手持ちのポケモン1匹ごとに設定された内部数値で出現判定がされているが、確率が1匹あたり1/65536と非常に低い。手持ちの6匹と本作のボックスの最大容量の420匹を合わせた最高の状態でも1%未満しかなく、普通にプレイしてる限りでは発見が困難になっている。
      • そもそも出現判定が手持ちポケモンに依存するという情報自体がゲーム内には無い。マボロシじまに言及するセリフは単なるフレーバーテキストか、配信イベント関連だと思ったプレイヤーも多いだろう。
    • ここに生息する野生のソーナノは他に入手手段があるため問題ないが、対戦でもポロック作りでも有用な効果を持つ「チイラのみ」を採取できるのがここだけだったのが長らく問題だった*20
  • グラードン・カイオーガ戦後にマスターボールが入手不可になる仕様
    • マスターボールはミナモシティのマグマ団/アクア団アジトの中にあり、取り逃したままグラードン/カイオーガ戦を終えるとアジトの入り口が塞がれ入手不可になる。
      • 『エメラルド』ではイベント後でも戻れるように改善された。
  • 「マッハじてんしゃ」と「ダートじてんしゃ」の切り替えが面倒。
    • 本作の「じてんしゃ」はあくまでも無料での貸与なのだが、さすがに2台同時には貸してくれず、切り替えるにはその都度サイクリングショップに寄る必要がある。
      ダンジョンでは基本的に「マッハじてんしゃ」だけで詰むことはないが、サファリゾーンやひみつきちはどちらかでしか行けないものもあるため、効率よく巡ることができない。

対戦面の問題点

  • 対戦バランスについて
    • きそポイントシステムの変更により全体的な耐久が低下し、火力に加えて耐久か素早さが高い、もしくは特性が優秀なポケモンが重視されるようになった。一方でバランス型のステータスを持つポケモンはどこにきそポイントを振っても中途半端であり、一気に肩身が狭くなっている。
      • システムが一新されたにも関わらず、前作までに登場したポケモンの基本パラメータ(種族値)には一切手を加えられていない。
    • 新登場のダブルバトルでは、相手2体に同時攻撃する技(いわなだれ・なみのり等)は威力が本来の1/2になるが、全体に攻撃する技(じしん・だいばくはつ等)は威力が下がらないという奇妙な仕様があった。
      • このため「じしん」は威力100で相手の両方を攻撃できる強力な技となり、トップメタのメタグロスに強いということもあって多くの物理アタッカーに採用された。このため地面タイプに強いポケモンの需要は増したが、逆に弱点とするポケモンは土俵に上がることすら困難になってしまった。
      • また「じばく」「だいばくはつ」は相手の防御を半分にしてダメージ計算する仕様も含め驚異的な破壊力となり、命中さえすれば最大で1:2交換が狙える。本作発売当時は習得者も少なかったが、『FRLG』『エメラルド』で増えると一気に爆発祭りに。「爆発ゲー」と揶揄される大味な展開になりがちで、調整不足が否めなかった。
      • 第4世代以降では複数攻撃のダメージが一律3/4になるように修正され、第5世代以降は「じばく」「だいばくはつ」の防御半減の仕様が廃止された。
    • 第3世代のみ、ダブルバトルではポケモンが倒れると、倒れた時点、つまりターンの途中で交換しなけらばならない。
      • その結果、同じターンで交換したポケモンが攻撃に晒される理不尽な展開も少なくなかった。4世代以降はターンが終了してから交換するようになった。
  • 「とくせい」の格差
    • 強力な特性によりステータスの低さを克服したポケモンがいる一方で、対戦では使い道が少ない特性(通称「死に特性」)も少なくない。
      • 例えば「ものひろい」や「にげあし」はフィールド上では役に立つものの対戦ではまったく効果がない。他にも命中率を下げられない「するどいめ」や、滅多にならないこおり状態を無効にする「マグマのよろい」などは有用性がかなり低い。
    • 上位互換/下位互換の特性
      • 例として「ちからもち」「ヨガパワー」は自分の攻撃がデメリット無しで2倍になる強力な特性だが、一方で「はりきり」は攻撃が1.5倍で物理技の命中が0.8倍とあんまりな仕様。はりきり持ちのポケモンが特別ステータスや技に恵まれているわけでもないのも難点。
    • 対戦を左右する重要な要素であるが、初登場ゆえにバランスの悪さや調整不足が散見される。
  • ソーナンス同士の対面
    • 前述の通り、相手の交代を封じる特性「かげふみ」を得たものの、ソーナンス同士が対面するとお互いに攻撃手段が皆無となり、70ターン*21かけてPPを使い切って「わるあがき」でどちらかが倒れるまで泥仕合することになる。それどころか、両者とも持ち物「たべのこし」を持たせている場合は永遠に終わらない可能性がある。なぜなら当時の「わるあがき」は相手に与えたダメージの4分の1の反動であり、お互いのステータス次第*22では、「たべのこし」での回復量が相手から受ける「わるあがき」のダメージと自分が反動で受ける「わるあがき」のダメージ合計を上回ってしまう。こうなってしまった場合、「にげる」でギブアップしない限り決着が着かなくなる。
      • このため、通信対戦では使用自体の禁止や、相手PTにソーナンスがいる場合は選出禁止などローカルルールが設けられることがあった。
      • 次回作ではかげふみに「同じ特性を持つポケモンに対しては無効」という効果が加わり、お互いの最後の一匹がソーナンスでない限り泥仕合は起こらなくなっている。また「わるあがき」による反動も相手に与えたダメージに関わらず自分の最大HPの4分の1と調整され、仮に最後一匹でソーナンス同士で対面してしまった場合でも(以前よりは)早く決着が着くようになった。

初代・金銀からの変更点の問題

  • 『赤緑青ピカチュウ』『金銀クリスタル』との互換性がなくなった
    • 『金銀クリスタル』は初代とポケモンをやりとりできるという点も重要な評価点であったため、少なくないユーザー離れを引き起こした。
    • このことに関し、開発スタッフは「当初は互換性を持たせようとしていたが、GBソフトとGBAソフトの通信ができないと言ったハード仕様上の問題などから不可能となった」と語っている。
    • 今作の反省からか以降のシリーズは全てひとつ前の世代のカートリッジからポケモンを移動できる互換性を有している。
    • なお、現在は赤緑リメイクの『FRLG』とは直接、金銀リメイクの『HGSS』とは一方通行ではあるものの直接、VC版『赤緑青ピカチュウ』『金銀』とは間接的ながらも連動できるようになっている。
  • 前作にあった朝・昼・夜の時間帯要素の廃止。
    • いちおう本作にも時計システム自体は実装されているが、夜暗くなったりポケモンの出現テーブルが変化することはなくなっている。作中に「湖に映った星空」に言及するセリフがあり、特に夜がないことを残念がるプレイヤーも少なくない。
      • また、エーフィ・ブラッキーの進化する時間が、朝・昼/夜から午後/午前になっている。
        このため、朝にブラッキーに進化したり、午後である夜にエーフィに進化するような設定と矛盾する事態が発生する。
  • アクション要素の導入
    • 釣竿を使ったとき、「ひいてる ひいてる!!」というメッセージが出た瞬間にAボタンを押さないと逃げられてしまう上、「ポケモンをつりあげた!」というメッセージが出るまで1~5回程度この操作を繰り返す必要がある。
      • 釣りの雰囲気を再現しようとしたのだろうが、アクションゲームではない本作には蛇足であり、無意味に面倒になっただけになっている。
    • 一部のダンジョンで、4倍速の「マッハ自転車」を使って、立ち止まったり壁にぶつかったりせずに駆け抜けなければならないマップがある。先に進むほど地形が複雑化して繊細な指さばきが必要となる。
    • いずれも従来のシリーズには存在しなかったアクションゲーム的な要素であり戸惑ったプレイヤーもいる。特に後者は苦手な人にとっては辛い。
  • 厳選難易度の大幅な上昇
    • 特に問題視されているのはメタモン*23が登場しないこと。本作ではメタモンに準ずる仕様を持つポケモンもいないため、図鑑完成と孵化厳選のハードルが上がってしまっている。
      • この問題は対戦・育成環境にも影響を及ぼし、ゲーム中で1匹しか手に入らないポケモンは♀を入手しないと数を増やせず、性別不明のポケモンは増やせないという問題も生じた。
      • 御三家ポケモンや化石ポケモンなど1匹しか手に入らないポケモンは♂:♀の比率が7:1と低いものが多いのも難点。
      • よほど不評だったらしく、その後のシリーズにおいてメタモンは必ず野生で出現するようになっている。
    • 本作でも「タマゴ」やシンボルエンカウントによるポケモンの個体の厳選が可能になっているが、理想個体が出る確率は数千万から数百億分の1になっている。理想個体を狙うのは実質不可能としても、どこで妥協するのかは人によっては非常に悩ましい問題となるだろう。
    • 個体値が16段階から32段階になった。さらに特攻・特防の個体値が分化し、HPも独立して設定されるようになった。
      • こちらはきそポイントと違い各ステータスの合計値に制限はないので、必要な箇所の個体値が低いのはデメリットでしかない。*24良い個体を引くのに途方もない手間と時間がかかるようになったので改悪と言える。
      • 威力とタイプが個体値と連動して変化する技「めざめるパワー」で理想的なものを覚えさせるのもまた難易度が高い。
    • 性格の実用性の格差
      • 性格は25種類あるが、対戦ではポケモンのステータスの長所を伸ばすために補正有りの性格を選ぶのが基本。そもそもポケモンは4つしか技を覚えず、前述した努力値(きそポイント)の振り分けの問題もあるので、物理攻撃か特殊攻撃のどちらかは一切使わない場合が多い。よって、攻撃か特攻のどちらかが下がる性格(各4種類)の需要が群を抜いて高い。
      • 他の17種類の性格は物理攻撃と特殊攻撃を両立した「二刀流」と呼ばれる型以外では採用する理由がない。特に、5種類ある「ステータス変動のない(無補正)性格」は長所を生かすことも短所を切り捨てることもできないので不人気。さらに「防御が上がって特防が下がる(またはその逆)」というちぐはぐな性格については使い所が極めて限定される。
    • 特性が2種類あるポケモン
      • 優秀な特性と微妙な特性、あるいは物理型・特殊型のように特性と型が一体となっているポケモンは上記の確率がさらに2分の1になる。
    • こうして対戦プレイヤーを悩ませることになったのだが、当時は現在ほど本格的に対戦をやりこんでいるプレイヤーは多くなく、個体値や性格も対戦のみならず世界観を深める要素でもあるので完全に悪いとは言い切れない。もっとも、対戦をやりこむほどに本作に入れ込んだプレイヤーは割を喰うことになったのだが。
    • 続編が出るにつれて段階的に改善され、最新作の『USUM』では非常に厳選環境が充実しているが、それでも根本的な解決には至っていない。
  • これらの要素に関して作中でほとんど説明がないこと。
    • 「きそポイントに配分の概念があるのに、振り過ぎた値を下げることは不可能」「どこにどれだけ振ったか確認できない」「どの性格でどのステータスが上下するのか」など重要な部分がかなり複雑になったにも関わらず、作中ではほぼノーヒントである。
    • 性格については「せっかちなポケモンは素早い。能力には性格も関係しているのだろうか?」という、ごく断片的な情報がNPCが得られる程度。その人物は対戦トレーナーでもないモブであるためスルーされる恐れも大きい。
    • レベル100のポケモンはポケモンを倒しても基礎ポイントを一切貰うことができない。栄養ドリンクによる投与では基礎ポイントを上げることはできるのだが、1つの能力につき一定数までしか上げられない問題がある。
      • 後継作では段階を踏みつつも『XY』までに上記3つは改善されている。

その他の問題点

  • ポケモン商法
  • 本作だけでは当時の全ポケモン386匹が入手不可能。
    • 過去作のポケモン251匹の内、本作に登場するのはわずか67匹。自分のお気に入りのポケモンが登場せず落ち込んだプレイヤーも多く、中には改造等不正な手段を用いて過去作のポケモンを入手する者もいた。
      • なお、本作発売から『コロシアム』発表まで、ホウエン地方にいないポケモンの入手手段に関しては一切公表されなかったため「本作に登場しないポケモンは今後の作品からもリストラされるのでは?」と危惧する声もあった。
      • もっとも、仮に前作までのポケモンを含めた386種類(うち幻のポケモン4種類)を全て本作に出す場合、それらに対応するマップやイベントを設定する必要があり、容量やバランス面で厳しかったのかもしれない。
    • なお、現在は『コロシアム』『FRLG』『XD』があるため幻除く382匹は入手できるようになっている。ただし、すべて集めるには非常に出費がかさむが。
  • 期間限定配布ポケモンの存在
    • イベントや映画の前売券などで配布される「幻のポケモン」や特別な技を覚えたポケモンの配布頻度が増えた。
    • また、ポケモンの配布以外にも、前述のカードe+のように周辺機器との連動限定のアイテム、後述する『コロシアム』のようにハードが異なるソフトとの通信限定のポケモンの登場という具合に、販売戦略と直接的に絡める要素が目立つようになる。
    • たとえば、本作から登場した幻のポケモンであるジラーチ(2003年)とデオキシス(2004年)は、日本国内では映画前売り券の購入によってのみ入手できた。現在では(国内版では)通信交換を除き、正規での入手手段は存在しない。
      • なお、海外版ではGCソフトとの連動によって、条件さえ満たせばジラーチが何度でも入手可能になっている。以降も日本と比べて海外は幻のポケモンの入手が容易な傾向にあり、国土の違いなどの事情を考慮しても不公平を感じる国内ファンは少なくない。
    • これらの限定・配信要素は世代を経るにつれてより露骨で金銭のかかる物となっていき、「ポケモン商法*25」と揶揄され批判の対象になることもしばしば。
      • 一応、無料で入手できる機会も一世代に何度かあるが、全てを網羅することはない。中には5年以上入手手段が途絶えているポケモンもいる。
    • 一方で、初代のミュウの頃には配布イベントの開催地がごく限られていたのに対して、本作からは受け取りの窓口自体が映画に伴って全国各地に広がったという一面もある。
  • カードeリーダー+について
    • 冒頭にあるようにカードe+に対応しているのだが、実際に対応カードが発売されたのはゲーム発売から半年以上が経過した後である。
      カードeリーダー+のロンチタイトルでもあり、それなりに宣伝も行われていたのだが…。
    • その内容は「特別な敵トレーナーと戦うことができる」「ナゾのみと呼ばれる特別なアイテムが手に入る」のみ。
      • トレーナーは特別強いわけでもなく、勝っても経験値などは手に入らない。レベルも統一されていないので対戦の腕試しにも使いにくい。
        本作では滅多に見られない色違いのポケモン、さらに本作では出現しないカメックスやウインディなどを繰り出すトレーナーもいたが、あくまでも戦えるだけであり、図鑑の「見つけたポケモン」にすら登録されない。
      • 「ナゾのみ」は読み込ませたカードによって姿が変わるが、効果自体は他のアイテムの流用だったり、そもそも何の効果が無いものも多い。
        その上、数ヵ月後に発売された『ポケモンコロシアム』以降の対戦ルールでは使用自体が禁止されてしまった。
        ポロックの素材として役立つものはあるが、パラメータを把握した上で適切なブレンドを行ってようやく真価を発揮するレベルである。
    • そもそも通信をするためには、GBA本体2台と通信ケーブル、カードeリーダー+本体、さらに対応カードを揃える必要があるが、そのハードルに見合った恩恵とは言いがたい。これは後のカードe+シリーズ全般に言える問題でもある。

バグ・不具合

  • ソフト・ハード起因の問題
    • 時計機能に電池を使っているので電池切れが発生する。
    • 現在、出荷された状態のままのカートリッジではまず確実に電池切れを起こしているだろう。公式の電池交換サービスは終了したので、自力で電池交換する必要がある。
      • セーブデータそのものにはフラッシュメモリを採用しているので金銀クリスタルのように電池切れで消えることはない。
        ゲーム自体は普通にプレイすることができるものの、きのみの関係でコンテスト攻略は大幅に制限され、起動するたびに電池切れのメッセージが出るのも煩わしい。
      • 2018年現在バーチャルコンソール版が存在しないので、現行のポケモンシリーズ本編の中では唯一、公式の手段で通常のプレイができなくなっている。
    • フラッシュメモリの耐用寿命が尽きるとセーブが不可能になってしまう
      現在のフラッシュメモリは書き込み領域分散などの技術で長寿命化しているが、当時はまだ未成熟であり、長期にわたるプレイでセーブ不可に陥ったプレイヤーも散見される。
      • 寿命がきてもデータ自体は消えない。しかし通信時には必ずセーブが必要なので、セーブ不可になった時点でポケモンの移動は不可能になってしまう。
      • データではなくハードの問題なので、たとえ初期化しても改善することはない。
  • きのみ問題
    • データ作成から1年が過ぎると時計が正常に動かなくなるバグ。
      • これが発生するときのみが成長しなくなるのを元にしてか、公式でこの名称がつけられた。
        他にも時間に関連するイベントが停止してしまったり、掘り出し物市を予告する番組やロケットの発射回数などの数値などが異常なものとなる。
    • その性質上、発覚したのは発売から丸一年が経過した頃である。それから約2週間後に公式告知され、郵送や持ち込みによる修理サービスが行われた。現在は部材の確保が困難となったため終了している。
      • さらに翌月以降、全国のポケモンセンターや提携ゲーム店*26などでもセルフサービスによる修理が可能となった。
        店頭で修理を行うと、問題解決を促すためかレアアイテム「チイラのみ」を持った色違いのジグザグマが配布されるイベントもあった。
    • 後に発売された『ファイアレッド・リーフグリーン』『エメラルド』にも修理プログラムが内蔵されており、現在でも通信ケーブルで繋いでデータ修理を行うことができる。
    • なお、電池が切れた状態で修正プログラムを入れてしまうと、以降は電池を交換しても、データを初期化するまで時計が正常に動作しないという不具合がある。
    • 後述の「エメループ」に近い状態になるため、一部プレイヤーの中にはあえてこのバグを直さない者もいる。
  • バトルタワーでは7連勝ごとにアイテムがもらえるが、持ち物をいっぱいにした状態で受け取らずに外に出て、再びバトルタワーに入るとフリーズする。
    • こちらはユーザー環境では修理できず、任天堂へ修理に出す必要がある。しかし現在は修理対応が終了したため、不可能である。

総評

GBAにハードを移したことで大きなパワーアップを遂げた本作ではあるが、システム面においては、前作までと互換性が無くなったことや、本作だけでは出会うことができないポケモンが多数存在することもあり、一定のファン離れを起こしてしまった。

一方で、ハード性能の向上によりこれまで以上に魅力的にポケモンの世界が描かれるようになり、大自然の中での冒険や、秘密基地やコンテストといった要素も充実している。対戦面もダブルバトルや特性と言った新要素により戦略性も増したこともあり、システム面での難点はあれど、様々な面で順当な進化を遂げた作品であると言っていいだろう。


ポケットモンスター エメラルド

【ぽけっともんすたー えめらるど】

発売日 2004年9月16日
ソフト単品版

ワイヤレスアダプタ同梱版
メディア 128MbitROMカートリッジ
定価 ソフト単品版:3,800円
ワイヤレスアダプタ同梱版:4,800円(共に税込)
周辺機器 通信ケーブル,GBAケーブル,
ワイヤレスアダプタ,カードeリーダー+対応
判定 良作
ポイント やり込み要素が増え、マニアの心に火を付けた

※共通項目は省略しています。

概要(エメラルド)

  • 『ルビー・サファイア』のマイナーチェンジ版・完全版。

追加点・評価点(エメラルド)

  • ストーリーにホウエン第三の伝説ポケモン「レックウザ」が介入したり、マグマ団・アクア団双方とも敵対するように。
    • また、レックウザは殿堂入り前に、グラードンとカイオーガは殿堂入り後に両方共入手可能になっている。
  • 主人公の公式デザインが、緑を基調にした半袖にノースリーブといった軽装になった。それに合わせてドット絵も少し変化している。
  • ポケギアの機能「トレーナーアイ」が、その強化版である「エントリーコール」に変更。
    • 基本的要素はそのまま、電話番号を登録した相手に電話をかけられる。相手からの電話も来る。
    • これによって強化されたジムリーダーとも再戦が可能になった。シリーズ初の要素である。
  • ワイヤレスアダプタに対応し、『FRLG』でプレイ出来た3つのミニゲームが本作でもプレイできるようになった。『FRLG』との通信も可能である。
  • ポケモンが出現時にアクションするようになった。
    • 敵として出てきたポケモンのみが動いた『クリスタル』とは違い、こちらが出したポケモンもアクションするようになった。さらに性格に応じて動きの大きさも変わるようになっている。
  • 入手できるポケモンの増加。
    • 全国図鑑入手後、サファリゾーンやバトルフロンティアに『コロシアム』限定だったポケモンの多くが出現する新エリアが開拓されたり、ホウエン図鑑完成後に『金銀』のジョウト御三家の内どれか1匹がもらえるイベントが追加された。
    • これにより、GBAで発売された5バージョンのみで当時の全国図鑑完成に必要なポケモン380匹*27を集められるようになった。
    • 化石ポケモンが両方手に入るようになった。1つは「げんえいのとう」で入手でき、もう片方は「さばくのちかどう」で入手できる。
    • ラティオスとラティアスは殿堂入り後のとある選択肢によって、どちらかがホウエン地方を駆け巡るように変更された。これで出現しない方は「むげんのチケット」で入手可能。
    • 一方でアサナンやアメタマなど、『RS』限定で本作には出現しないポケモンもわずかに存在する。
  • 「げんえいのとう」「さばくのちかどう」「アトリエのあな」などと言った新ダンジョンの追加。
  • 便利な人物の登場
    • ブレンド名人
      • 殿堂入り後、たまにミナモシティのコンテスト会場に現れ、優秀なポロックを一緒に作ってもらえる。
    • ポケモントップブリーダー
      • バトルフロンティアにおり、ポケモンの個体値の総計と最も高い部分を大まかに判定してくれる。
    • 技教え人
      • 各地におり、対戦で有用な技を教えてもらえる。なお、バトルフロンティアではBPを消費して何度でも覚えさせられるが、それ以外は『FRLG』同様無料である代わりに一度しか教えてもらえない。
  • 様々な対戦形式で遊べる「バトルフロンティア」
    • 前作の「バトルタワー」に加え、以下の6つのバトル施設が追加。タワー・ファクトリー・ドームはダブルバトルにも対応している。
      • バトルファクトリー:レンタルしたポケモンで戦う。勝つと相手のポケモンと1匹トレードでき、連勝中に交換した回数が増えるとより強いポケモンと交換できるようになる。運要素が最も強い。
      • バトルチューブ:3つある部屋から1つを選び、その部屋のイベントをこなすことで次の部屋へ進める。部屋の先は回復・トレーナー戦・状態異常化・野生ポケモン出現地帯などがある。
      • バトルピラミッド:ダンジョンを探索して頂上を目指す。ダンジョン内は非常に暗く、野生ポケモンも出現するが逃走率は非常に低く設定されている。トレーナーと戦ってもポケモンの回復はされず、ダンジョン内に落ちている回復アイテムでやりくりする必要がある。なおクリア時点で残っているアイテムは次の挑戦時に持ち越せる。
      • バトルパレス:トレーナーは一切命令できずポケモンが自動的に戦う。性格と残りHPによって攻撃技か回復技か妨害技に偏る。
      • バトルアリーナ:入れ替え不能の勝ち抜き戦。3ターンで勝負がつかなかったら残りHPの割合と使った技に応じて点数が付けられ決着がつく。
      • バトルドーム:16人でトーナメントを行う。相手の大まかな情報が見れたり、3匹から2匹選出するといった特徴がある。
    • フロンティアブレーン
      • 各施設で一定数連勝すると「フロンティアブレーン」と呼ばれる特別なトレーナーと闘える。勝利するとその証となるシンボルがもらえる*28。各シンボルをコンプリートすると特別なきのみが入手できる。
    • 勝ち抜くたびにBP(バトルポイント)が得られ、対戦で役立つアイテムや、『FRLG』で教えられる技の一部+αを教えてもらえる。これによって、対戦環境に多大な変化をもたらした。
      • 他、ニャースやリザードンなど人気ポケモンを模した新規の模様替えグッズとも交換できる。
    • 難易度はバトルタワーを越えて実際の対人戦以上に跳ね上がり、運の要素も強いために廃人でさえも投げ出したくなるほどの高難易度。当然初心者には楽しみづらいが、これによって育成・対戦界隈は大いに活気づいた。
    • 『RS』では「Lv50」と「Lv100」の区分だったが、本作では「Lv100」が「オープン」に変更。こちらの手持ちの最高Lvに合わせてくる(下限はLv60)。
      育成のハードルが下がった上に、Lv50を維持したままでもオープンレベルのリボンを取得しやすくなった。
  • やり込みプレイヤーに嬉しい仕様。
    • ザロク~マトマ間の木の実に「使用したポケモンのなつき度が上がる代わりに、対象の能力のきそポイントを下げる」効果が付与され、きそポイントを振り直すことが可能になった。
    • メタモンとドーブル*29が出現するダンジョンが追加され、育成のハードルはある程度下がった。
    • 育て屋に預けるポケモンに「かわらずのいし」を持たせると、50%で持たせたポケモンの性格がタマゴから生まれるポケモンに遺伝されるようになった。
    • 「でんきだま」を持たせたピカチュウ・ライチュウを育て屋に預けると、特別な技「ボルテッカー」を覚えたピチューが生まれるようになった。
    • 一部の特性にフィールドで発揮する新たな効果が追加された。代表的なものは以下。
      • ほのおのからだ・マグマのよろい:手持ちにいると、タマゴの孵化歩数が半分になる。
      • シンクロ:手持ちの先頭にいると、エンカウントしたポケモンの性格が50%で「シンクロ」持ちと同じになる(ただし本作ではシンボルエンカウントや配布系には無効)。
      • 他には先頭にいると釣りが成功しやすくなる「きゅうばん」、先頭にいると逆の性別のポケモンが出現しやすくなる「メロメロボディ」などがある。
  • タイムアタック用の施設「トレーナーヒル」。カードe+との連動でパワーアップする。
    • こちらのLvに合わせられた敵トレーナーと戦って先に進み、屋上に到達するまでの時間を競う。
    • 基本システムは『FRLG』の「トレーナータワー」とほぼ同様だが、フロアの地形にパズル要素が加わった。
    • 上限である8枚のカードを読み込ませた場合、組み合わせによってクリア賞品が手に入る。技マシンなどの貴重品が手に入ることも。
      • 「トレーナータワー」と異なり、カードを再び読み込ませなくても何度でも賞品を受け取れるようになった。

問題点(エメラルド)

  • バトルフロンティアの理不尽なほど高い難易度。
    • 全体的なハードルの高さ。
      • 施設によってルールや有効な戦術などが異なっている事が多いため手持ちポケモンや戦術のレパートリーが攻略難易度にモロに表れる。しかも勝ち抜いてある程度周回を重ねると最終進化系や準伝説級と言った高ステータスのポケモンや技が洗練されたポケモン、対策が難しいポケモンなどが大量に現れるため、厳選や育成をかなりしっかりしていないといずれ行き詰まる事になる。
      • 特にポケモンが自分で行動するバトルパレスでは、使用するポケモンの行動パターンが各々の性格によって大きく左右される。しかもその行動パターンに即した技を覚えさせていないと何もせずに何ターンも無駄にする事がよく出てくるため、(通常ルール下では)最高のポテンシャルを発揮するポケモンを適当に出すだけでは1勝すら危うい。その為、ここに挑む場合には厳選と育成の段階まで戻って性格や技を調整した専用のポケモンを揃える必要性があり、極めて面倒。
      • こうした事から、対戦用ポケモンの育成や厳選、わざマシンの収集などが苦手なプレイヤーが楽しむにはあまりにも難易度が高すぎる。後の世代ほど育成環境やアイテム獲得環境などが整っていなかった事もあり、パーティーメンバーを揃えるだけでも膨大な作業量を要するのもこうした傾向に拍車を掛けている。他の地方のポケモンを交えた対戦や施設外でのボーナス要素など、ここならではの醍醐味もまた多いだけに惜しいものである。
    • 「フロンティアクオリティ」
      • 制覇には必然的にかなりの回数のバトルを行うことになるため、その中で相手の攻撃のクリティカルヒットや一撃必殺技、回避などといった低確率の不運が襲い掛かってくる事もしばしば。試行回数が増える分現実では考えにくいような不運が出てくるのは仕方のない事だが、こうした低確率が致命傷となる可能性は極めて大きい事、そして具体的な対策方法が皆無に近い事を考えると中々に辛い。
      • 当然、連勝数を重ねている時に起こって敗北した時の心理的なダメージは非常に大きい。連勝が途切れても救済措置は一切なく、そのまま1周目の1戦目からやり直しになるため、心を折られるプレイヤーも多い。
    • バトルファクトリーの難易度
      • レンタルポケモンを借りて戦い、勝利した相手からポケモンを1体ずつトレードしていく施設。自分のポケモンを使わないためパーティーメンバーに自信の無いプレイヤーでも楽しめるが、登場するレンタルポケモンの選出が運任せな分パーティー全体のバランス調整が難しいため難易度は高め。
      • 使い勝手が良いポケモンが来るかは完全に運であるため、まともに戦えるパーティーを安定して揃えるのは非常に厳しい。しかもまともに使えそうなポケモンだけで手持ちを固めると、全体的に苦手なタイプで固めたパーティーやピンポイントで極端に苦手なポケモンが来たりしただけで瓦解する事もあり、かといってバランスばかり見て使いにくいポケモンを無理して投入するといざという時に一気に不利に追い込まれる。当然、敵が使い勝手の良いポケモンで固めてきた時は必ずと言って良いほど苦戦するのも辛い所。
      • また、レンタルポケモンの技構成はトレード時に確認できないため、せっかくトレードしたのに技構成が酷すぎる、戦略のコンセプトがそのポケモンの種族値と噛み合ってない、などということもままある。使ってくる技から技構成や戦略のコンセプトを見抜いた上でトレードするかを判断できればベストだが、それが出来ない場合にはリスクを承知で対戦中に全ての技を出させる、タイプだけ参照にしてトレードするか考える、何百戦も試行回数を増やす過程でレンタルポケモンの技構成をしらみ潰しに覚えていく、ぐらいしかないのも厳しい。
      • これらの仕様のため、他の施設と比べ金シンボルまでに要求される戦闘数こそ少なめなものの、入手難易度は全施設中最高と言われる。
  • 「エントリーコール」の仕様。
    • 登録が強制。これ自体は問題ないが、電話をかけられると足止めを食らう。しかも「つづきからはじめる」を選ぶとほぼ確実にかけてくる上、内容も世間話がほとんどなので非常に鬱陶しい。また、どれだけ避けても最低2人は回避不能の強制戦闘で登録されるのも問題。
  • 本作と『RS』どちらか1本ではホウエン図鑑を完成できない。
    • 本作だけで入手できないポケモンにはザングース(『ルビー』限定)とルナトーン(『サファイア』限定)がおり、図鑑を完成させたいなら『RS』の両方または『XD』との通信交換が必須。
    • つきのいしを稀に所持する野生のルナトーンが出現せず、つきのいしを入手できる機会が1度しかない問題点も『ルビー』から変わらず。
  • 殿堂入りして全国図鑑を入手するまで、通信交換の制限がある。
    • 全国図鑑を入手するまで『RSE』とはホウエン地方のポケモンしか交換できず、『FRLG』『XD』『ポケモンボックス』との交換は一切できない。
  • 全国図鑑の評価をしてもらえない。
    • 完成させても特になし。セリフも特典もないので達成感は薄い。
    • 本作の半年前に発売された『FRLG』ではオーキド博士がカントー図鑑に加え、全国図鑑も評価してくれたので残念なところ。
  • エメラルドループにより伝説の厳選が困難。
    • エメラルドループと呼称される「乱数が一律的にゲーム起動からの経過時間で決まる仕組み」によって、固定シンボルの前でセーブをして捕獲とリセットを繰り返すと言う一般的な方法では厳選が難しくなっている。リセット直後に固定シンボルに話しかけるのでは、ごく限られた範囲でしか乱数が生成されないため、得られる個体値・性格のパターンが限られる上に、同一個体に当たる可能性も高くなっている。
      時間を置いて話しかける事で回避できるがリセットの度に待たされるのは煩わしいばかりである。
    • エメラルドループの活用(乱数調整)に関する動きについては余談へ。

総評(エメラルド)

入手できるポケモンが増えた他、育成環境が改善されたり、シリーズでも屈指の難易度を誇る「バトルフロンティア」の登場によりやりこみ甲斐も大幅に増した本作。
まさしく第三世代の集大成と言える作品となっている。


余談

  • 本作以降、最初期からBGM作曲等を担当していた増田順一氏がディレクターとなり、「ポケモンの生みの親」である田尻智氏は製作にほとんど関わらなくなっている。
    • そのため、この作品前後での作風の違いを指摘するファンも少なからず存在する。
      • なお、前作『金・銀』では田尻氏がディレクター、増田氏がサブディレクターであったが、実際は田尻氏は『金・銀』の時点で製作に携わっていないという説も。
  • ジムリーダーを含む全てのトレーナーが女性のみのいわゆる「ハーレムジム」は、本作ではシリーズで唯一登場していない。
    • ルネジムは一般トレーナーは全員女性だが、ジムリーダーのみ男性のためこの法則から逃れている。
  • 『エメラルド』には『サファイア』で出現しないポケモンの大量発生イベントがあるのだが、前述のレコード交換をすることで、『サファイア』でもそのイベントを発生させることができる(=『サファイア』でもそのポケモンをゲットできる)。
    • また、『ルビー・サファイア』にも『エメラルド』で出現しないポケモンの大量発生イベントがあり、これもレコード交換することで『エメラルド』でもイベントを発生させることができる。
  • 本作の内部データには、ゲーム内では入手できないリボンが非常に多い。恐らく開発時点ではイベントや連動によって解禁する計画があったとみられる。
    • 「くらやみのとうクリア」など、没ダンジョンと思われる名称が見られる。
    • 2003年には公式大会は開かれなかったが、本作には2003年から2005年までの地方大会から世界大会に至る記念リボンのデータが存在する。
      実際のところ、2003年には公式大会自体が行われていないので完全に没になり、2004年の大会でも全てのリボンが配布されたわけではない。
      さらに世界大会(ワールドチャンピオンシップス、WCS)が実際に開催されたのは2009年が最初であるが、本作から海外版との互換性が確保されていたことからわかるように構想自体はあったようだ。
    • その他にも各種イベントや、ポケモンセンター(現実に存在するグッズショップの方)に関するリボンが多数あるが、日の目を見ることはなかった。
  • 「エメラルドループ(エメループ)」の発見・解析
    • 一部のやり込み派プレイヤーが伝説のポケモンを厳選する際、全く同じ個体値・性格のポケモンが出てくる現象を発見したことがきっかけで、広く知られるようになり、『プラチナ』発売からしばらく経った頃にその全容が明かされた。
    • 端的にいうと起動からの経過時間によって目当ての個体値・性格のポケモンを人為的に出現させられるというもの。
      • 使用される乱数は全てのROMで共通なので、乱数から逆算する事で高個体値のポケモンを簡単に入手することが可能となった。また、これを切っ掛けに後のシリーズでも乱数が解析されることとなった。
    • この乱数調整の是非については、現在でもシリーズプレイヤー間で議論の種になっている。
  • エメラルド版にのみ登場する人物アダンのセリフの一つに「ユーアーウィナー」がある。
    • 後にBW2にも再登場しているが、その際にもこのセリフは修正されていない。


*1 現実世界における九州地方がモデルで、マップも九州を左に90°回転させたものになっている

*2 前作は1匹につき4色までしか色を使えなかった。

*3 これまでは大まかな種族によってしか分類されていなかったため。

*4 『XY』以降では「とくせいカプセル」を使うことで変更可能

*5 例えば「いじっぱり」だと攻撃が1.1倍になり、特攻が0.9倍される

*6 ダブルバトルは2匹のポケモンで集中攻撃ができるため耐久型が成立しにくく、シングルに比べてスピーディに決着がつきやすい。

*7 基地に飾るアイテムを交換したり、秘密のワードを教えてもらえる。

*8 ミュウツー・ルギア・ホウオウ・グラードン・カイオーガ・レックウザ

*9 ミュウ・セレビィ・ジラーチ・デオキシス

*10 過去の公式大会では、共倒れとなる技を使った側の負けとして扱われた。

*11 公式に「きそポイント」という名称があるが、ユーザー間では当時公式名称のなかった種族値・個体値との兼ね合いから俗称である努力値の方がよく使われている。

*12 特定の相手に先制する、特定の攻撃に耐える、等。

*13 ポケモンコロシアムなど本編シリーズではない作品

*14 一応、129番水道ではホエルオーも出現するが、出現率は1%しかないので大して変わらない

*15 詳しくは下記の「初代・金銀からの変更点の問題」を参照。

*16 特攻・特防を1.5倍にする。バトルタワーでは無効となり、当時の対戦でも禁止指定されることが多かったが『ポケモンコロシアム』では通常通り効果を発揮する。

*17 一応、他の伝説のポケモンに比べたら多少捕まえやすくなっているが焼け石に水。

*18 HPを限界まで減らした上でハイパーボールを投げても捕獲できる確率は3.9%しかない。

*19 現実はもとより、『どうぶつの森』などの栽培要素のあるゲームでは雨が降れば水やりの代わりになるのが普通。

*20 厳密には後述のきのみ問題を修正した際、チイラのみを持った色違いのジグザグマから入手できるイベントがあった。ただし、現在はサポートを終了している。

*21 ソーナンスが通常覚えている技4つの最大PPを上げない状態で戦った場合。技構成やPPの上昇具合によっては100ターンを超える。

*22 ソーナンスの攻撃に努力値を入れるケースはまず考えられないので、通常の対戦であれば確実に千日手となる。

*23 ♂のみのポケモンや性別不明のポケモンともタマゴを作ることができる特別なポケモン。この他、♀に比べて♂の比率が極端に多いポケモンの繁殖にも半ば必須となる。

*24 第4世代以降はトリックルームの存在から、あえてすばやさを遅くするやり方もあるが、3世代はメリットが無い

*25 「ポケモン商法」という言葉は、これらの限定・配布要素の他に、バージョン違いや完全版を含めて指すこともある。

*26 新作の紹介や体験版のDLを行うために提携店舗に設置されていた店頭デモ用ソフト『月刊任天堂』を利用。

*27 ミュウ・ルギア・ホウオウ・セレビィ・ジラーチ・デオキシス以外。ルギアは『XD』、ホウオウは『コロシアム』においてそれぞれ通常プレイでゲットすることは可能。

*28 銀シンボルを得た上で更に連勝を重ねてからの再戦に勝利すると金シンボルがもらえる。

*29 専用技「スケッチ」でほぼすべての技を覚えるため、主に陸上グループのタマゴ技の遺伝に重宝されるポケモン。