本項ではゲームボーイ/ゲームボーイカラー用ソフト『ポケットモンスター 金・銀』と、マイナーチェンジ版であるゲームボーイカラー専用ソフト『ポケットモンスター クリスタルバージョン』の両方を紹介します。
判定はどちらも「良作」です。



ポケットモンスター 金・銀

【ぽけっともんすたー きん・ぎん】

ジャンル RPG

対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 1999年11月21日
定価 3,990円(税込)
配信 【3DS】バーチャルコンソール
通常版:2017年9月22日/1,111円(税別)
特別版:同日/1,389円(税別)
判定 良作
ポイント 新タイプやもちもの等大幅な新要素
2つの地方を股にかけた大冒険
ポケットモンスターシリーズ関連リンク

概要

大人気シリーズの2作目。
前作から3年後の物語で、舞台は和情緒あふれるジョウト地方。
GBCに正式対応し色の表現が多彩になったことや、当時のGBソフトとしては珍しい時計機能、後の作品でも重要となる様々な新要素で注目を集めた。
前作で好評価を得たことや、アニメや雑誌の広報、延期に次ぐ延期などから、本作に期待するファンは非常に多かった(詳細は余談の項で)。


ストーリー

この世界には、ポケットモンスター(通称ポケモン)という生き物が住んでいます。
ずっと昔から人間とポケモンは、なかよく遊んだり、いっしょに力を合わせたりして暮らしてきました。
が、その生態には謎が多く、ワカバタウンのウツギ博士をはじめ、いろんな科学者がポケモンの研究を続けてきました。
そんなある日、ウツギ博士はポケモンじいさんと呼ばれる知人から1通のメールをもらいます。

「すごいものを発見したから見に来てくれ!」…というのですが、ウツギ博士は研究に追われる毎日。出かけることができません。
そこで近所に住む仲良しの少年・ゴールド(主人公)を研究所に呼び、「どんなものなのか見てきてくれないか?」と頼みました。
やさしくて好奇心の強いゴールドは、こころよく引き受けます。

するとウツギ博士は3匹のポケモンを見せ「好きなポケモンを1匹、パートナーとして連れていくといいよ」と言いました。

初めてポケモンを手にしたゴールドは大喜びです。一方、そんな様子を窓の外からジッと見つめる人影が…。
ゴールドと同じくらいの年の少年です。ゴールドが不審に思い、外に出て話しかけてみると「人のことジロジロ見てんなよ!」と、乱暴に突き飛ばされました。
この少年はいったい何者なのでしょうか。そしてポケモンじいさんの大発見とは…。
(金版の説明書より引用)


特徴・新要素

  • ポケモンについて
    • 新ポケモンが100匹追加され、全251種類になった。
    • 前作ではニドラン系にしか存在していなかった性別の概念が、すべてのポケモンに導入された。
      • ポケモンの種類によっては♂か♀かどちらかしか存在しない、性別比が偏っている、性別不明のものもいる。これに合わせて「メロメロ」など性別で効果が異なる技が登場した。
      • 図鑑上で♂♀で別の個体として扱われるのは相変わらずニドランのみで、それ以外の種別は図鑑完成のために両方の性別を捕まえる必要はない。
    • ポケモンのタマゴ
      • 育て屋へポケモンを2匹預けられるようになり、そこへタマゴグループが同じで雌雄のポケモンを預けるとポケモンのタマゴが発見される。
      • タマゴグループはマスクパラメータだが、陸に住むもの同士・海に住むもの同士などである程度は察せられる。生まれてくるポケモンは♀のほうの進化前状態であり、親からは通常では覚えられない技「タマゴ技」や個体値の遺伝ができるようになっている。今で言う孵化厳選の礎はここで築かれた。
      • なおメタモンと一緒に預けた場合に限り、♂のポケモン・性別不明 *1 のポケモンのタマゴも発見することができる。
    • なつき度
      • ポケモンとたくさん歩いたり、特定の道具を使うことで上昇する。逆に瀕死にしたり漢方薬を使うと下降する。一部の技の威力が変動したり、この値が高いと進化するポケモンも追加された。
    • 色違い
      • 発売前から特徴の一つとして華々しく取り上げられていた。単に配色が違うだけだが、出現率は約1/8192と非常に珍しい。
      • 野生戦の頻度も考慮するとイベント以外ではエンディングまで一度も遭遇できないことも多い。それでもエンカウントするたびにもしかしたらと期待できるので、探索する楽しみが増した。
    • ポケルス
      • 戦闘後に3/65536の確率でポケモンが感染し、一定確率で手持ち内の他のポケモンに伝染する良性のウイルス。
      • その効果は感染したポケモンは戦闘での「きそポイント」 *2 の獲得量が2倍になるというもの。育成を行う際にはとても役に立つ。デメリットは一切無い。
      • 日が経つと完治し、完治したポケモンから他のポケモンへの伝染は無くなるが、きそポイント入手量2倍の効果は残る。
      • ゲーム内では正体不明の存在であり、感染したポケモンを初めてポケモンセンターで回復させた時に「問題はなさそうだが詳細は不明」と言われるのみ。誤解を招きかねない表現だったためか様々な憶測を生み混乱を招いた。そのためか以降の作品では「くっ付いている間はポケモンが良く育つ」と、プラス効果であることが明言されるようになった。
  • 個性豊かな新ポケモンの数々
    • 前作で151種いたポケモンはパラメーターのみで違いを演出していたが、本作ではそれ以外にも強烈な点で個性付けをしている。
    • アルファベット26文字の形をした「アンノーン」
      • このポケモン専用のアンノーン図鑑なんてものもあり、収集意欲を湧かせた。ついでにポケットプリンタで印刷できる。
    • ステータスは低いが、ほぼすべての技を覚えられる「ドーブル」
      • 相手ポケモンにステータスごと変身するメタモンとは異なる、ハメ技から一撃必殺まで無限の可能性を秘めて対戦環境に現れた個性的なポケモン。
    • 伝説のポケモン「エンテイ」「ライコウ」「スイクン」
      • これら3匹はダンジョンの奥に潜んでいるのではなく、マップ上を常に走っているためにまず出会うのが困難。一度出会えば図鑑の機能で追うことができるが、戦いにも持ちこんでもすぐに逃げてしまうのでそれへの対処が必須。その分、捕獲したときの感動もひとしお。
      • こうしたポケモンは「徘徊伝説」などと呼ばれるようになり、シリーズでの伝統的存在になった。
    • パッケージに映る伝説のポケモン「ホウオウ(金版)」「ルギア(銀版)」
      • シリーズで初めて伝説のポケモンがパッケージを飾ったが、シナリオ上は特に会わなくても進めることができる。次回作以降は伝説のポケモンがシナリオに深く関わってくるようになった。
    • 前作のポケモンの進化形や進化前が登場したり、後述の専用アイテムが登場するなどのアクセントが加えられた。
  • ゲームソフトに時計機能が導入され、午前午後・朝昼夜・曜日の概念ができた。
    • 時間帯によって出現するポケモンが変化。鳥系のポケモンは明るい時間帯にしか出てこないなどの設定がされ、リアリティが増した。夜に野生のポケモンと戦闘を行うとBGMも異なったものになる。
    • 特定の曜日にしか発生しないイベントや開店しない店なども登場している。
  • 様々なことができるツール「ポケギア」
    • ラジオ機能を搭載しており、番組によってポケモンの出現場所を知れたり、エンカウント率を操作することができる。
      • 場の状況によっては番組ではない何かを聴取できたり、シナリオを進めるためのアイテムになったりなどの要素も持つ。
    • 電話機能もあり、お母さんやウツギ博士などのキャラクターや、戦ってきたトレーナーの番号が登録できる。
      • トレーナーによってはポケモンの大量発生などお得な情報をも教えてくれたり、再戦の連絡をしてくれたりする。
    • 時間の確認・ラジオ機能・電話番号の登録が可能。
  • 対戦面の調整
    • 新タイプ「はがね」と「あく」が追加された。
      • あくはエスパーに対して攻防両面で有利。はがねは攻撃面は微妙だが、防御面ではほとんどのタイプの技を半減できる。
        この調整で、前作で一強だったエスパーは弱体化し、不遇だったむし・かくとう・ほのおは2タイプにどちらかに弱点をつけることでタイプバランスが大きく変化した。
      • 前作に登場したポケモンの中で、唯一鉄でできた身体を持っていたコイル・レアコイルには新たにはがねタイプが追加されている。なお、あくタイプが追加されたポケモンはいない。
    • 既存のタイプ相性も、ゴースト→エスパーが無効から効果抜群、氷→炎が等倍から半減、毒→虫が抜群から等倍、虫→毒が抜群から半減に修正された。
      • タイプの追加やタイプ間相性の変更が行われたのはシリーズ全体を通しても珍しい。次は14年後に発売する『X・Y』を待つことになる。
    • 技の増加・調整
      • 前作ではまともな攻撃技がなかったタイプにも新技(ゴーストタイプの「シャドーボール」、格闘タイプの「クロスチョップ」、ドラゴンタイプの「りゅうのいぶき」等)が追加され、タイプごとに得意不得意が特徴付けられた。
      • また、「はかいこうせん」や「ふぶき」といった凶悪な技が弱体化、通信対戦を初めとするトレーナー戦では効果のなかった「ほえる」「ふきとばし」に新たな効果が付与、「かみつく」がノーマル技からあく技にタイプ変更など様々な調整がされた。
    • どうぐを持たせられるようになったことで、「持たせると状態異常やHPを自動回復する」「低確率で先制攻撃できる」「タイプごとにわざの威力をあげる」などの効果により一発逆転できたり、意表がつけるようになって対戦の深みが増した。
    • ポケモンの種族値に関して、前作では特殊技の与ダメージ・被ダメージ両方に影響していた「とくしゅ」が、与ダメージに関する「とくこう」と被ダメージに関する「とくぼう」に分割された。
      • 前作発のポケモンは「とくしゅ」として設定されていたパラメータが「とくこう」「とくぼう」のどちらかに設定され、もう一方は新規で数値が設定された *3 ことにより、ステータスが変化している。中にはキングラーのように、「とくこう」と「とくぼう」の値が同じで前作と変わらないポケモンもいる。
    • また、前作で凶悪仕様だった「ねむり」「こおり」の状態異常に調整が入り、状態異常のバランスが大幅に改善された。
  • ふしぎなおくりもの
    • ゲームボーイカラーの赤外線ポートを利用することで手軽に通信ができる。
    • 行うと双方になんらかのアイテムが手に入るほか、最後にふしぎなおくりものをした相手はトキワシティのトレーナーハウスで対戦相手として登場する。これにより擬似的に対人戦ができるようになった。
    • 歩数計ゲーム『ポケットピカチュウカラー』との連動も可能。こちらは送信したワット数に応じて決められたアイテムが手に入る。
  • どうぐ
    • ポケモンにどうぐを持たせられるようになった。
      • ポケモンに持たせることで効果を発揮するものが中心となっている。「きのみ」を持たせるとHPが減ったときに回復したり、もらえる賞金が2倍になる「おまもりこばん」や、持たせて交換することで相手に文章を伝えられるメールなど、冒険や遊びも楽しめるようになっている。
      • 前作では微妙な使い勝手だった「がくしゅうそうち」が持たせたポケモンにのみ経験値が入る仕様になり、ポケモンの育成が快適になった。
      • 特定のどうぐを持たせて通信交換することで進化するポケモンもいる。またガラガラ系統の「ふといホネ」のように特定のポケモンに持たせることでしか効果を発揮しないどうぐも存在する。
    • 一方で、わざマシンはラインナップの大半が前作と異なる。うまく使えば前作と本作のわざマシン技を覚えたポケモンを存在させることができる。
  • グラフィックも改善された。
    • 前作で主人公や使用ポケモンの後ろ姿は小さいドットの引き延ばしだったが、細かく描き込まれ、比べものにならないほど綺麗になった。
    • 1キャラに使われている色数は白(背景)と黒(輪郭)含めてわずか4色。そのせいで一部のポケモンは不自然だが、それを差し置いても出来は良い。そのためか、「キレイハナ」や色違いのポケモンはそれ以降の作品と色が異なる。
  • サブイベントやストーリーが多数追加。
    • ジョウト地方を制覇すると、前作の舞台・カントー地方へ行くことができるようになる。
      • 前作から3年後という設定であり、ジムリーダーたちと戦えるなど用意されているイベントも豊富。当時のゲームのクリア後の要素としては破格なもので、後継作品と比べても遜色のないボリュームになっている。
      • 容量の都合から一部マップが統合されていたり、サファリゾーンやグレンじまなど荒廃しているところも見受けられるが、それでも評価する声は高い。
    • NPCのポケモンを一時的に預かるイベント *4 など、他にも細かなサブイベントが存在。
    • 時計機能を活かし、特定の曜日に開催される自然公園の「虫取り大会」、金曜日につながりのどうくつに現れる野生のラプラスや、曜日ごとに違う場所に現れる曜日兄弟などのイベントも登場。
  • タイムカプセル
    • これを利用すると前作とポケモンを交換できる。当然だが、新ポケモンや新技を覚えたポケモンを前作に送ることはできない。それ以外は前作同士の交換と同様である。
    • 前作で育てたポケモンを連れてくる他、前作限定の技マシンを使ってから送り返すこともできる。
    • ポケモンにどうぐを持たせたまま前作に送っても、その情報は未使用領域に保存しているので消滅することはない。色違いのポケモンも個体値依存なので変化しない。
  • UIの改善や便利要素の追加
    • リュックの搭載。一緒くたにされていた道具欄が「道具/ボール/わざマシン/たいせつなもの」に分類されてかなり使いやすくなった。
      • 「道具」に分類されるもの以外は全種類を持ち歩けるようになり、前作のように預けきれなくなるような事態は起こりにくい。
    • べんりボタンの搭載。たいせつなものはべんりボタンに登録して、セレクトボタンを1度押すだけで、自転車や釣り竿といった頻繁に使うものを即使用できるようになった。
    • 秘伝技を使うときは、メニューを開かずともオブジェクトに向かってAボタンを押すだけで「○○をつかいますか?」などのメッセージが出るように。
    • ポケモンのステータス画面も「状態・タイプ・経験値・レベル/ステータス/つかえるわざ」の3ページになった。
      • 「つかえるわざ」でポケモンの覚えている技の性能を見れるようになった。
      • ステータスやバトル時の表示に次のレベルアップまでに必要な経験値がバーで表示されるようになった。
    • 主人公のおかあさんにお金を預けられ、全滅時のデメリットを回避することができるように。
    • バトルで獲得した賞金の一部を自動的に貯金してくれる。もちろん預金しないことも可能。たまに貯金を勝手に使って道具を定価より安く買ってきてくれる。
  • 裏ボスの存在。正体は前作に登場した意外な人物で、衝撃的な内容として人気を博した。

以上の追加要素の多くは形を変えながらも後作に続投されている。


評価点

  • 前作からの正統進化
    • ゲーム性、グラフィックやBGM、UIなどほぼすべての要素において前作の反省を活かし、発売延期をおいて見事に練り上げた。
    • ストーリーや世界観も前作の牧歌的雰囲気を損なっておらず、前作から数年後の舞台を演出している。
      • 終盤で前作の舞台・カントー地方を訪れるシーンはセリフ・BGM・ゲーム開始時よりの伏線により、シリーズ屈指の名場面として挙げるファンも多い。
  • パッケージ伝説のポケモンが一つのバージョンで両方ゲットできる
    • そのため、前作同様図鑑完成を目指さない限りは両バージョン揃える意義は弱くなっている。
    • ただし、レベルが高い代わりに専用技を忘れてしまっており、本作だけでは再び覚えさせることもできない。こうした仕様があるのは本作のみ。
  • 「タマゴ」が導入されたことにより、入手が限られていたポケモンの多くが、正規の手段かつ容易に入手できるようになった。
    • 例えば初代で1周1匹しか入手できなかったカントー御三家、イーブイ系、エビワラー・サワムラー、化石系の量産がかなり容易になった。
      • 初代では他人から交換してもらうか *5 、2台持ちで片方のデータを初期化して周回プレイするか、『ポケモンスタジアム2』でジムリーダーの城をクリアする必要があった。
    • もちろんジョウト御三家も例外ではない。1匹しかいないポケモンを交換に出すのは惜しいが、タマゴで増やせば気軽に交換できる。
    • 初代ではサファリゾーンにしかいなかったレアポケモンやNPCとの通信交換限定だったポケモンも通常の野生ポケモンとして出現するようになり、タマゴも発見できるため入手・量産難易度が大幅に下がった。
      • 野生での出現率や捕獲率も概ね良心的。また、後者はNPCがつけたニックネームが気にいらないプレイヤーにも朗報だった。
  • 幅の広がった対戦要素
    • 新ポケモン、新タイプ、新技に加えて、持ち物の登場やパラメーターへのテコ入れにより、対戦バランスは大きく変化した。
      • 前作ではゲームバランスに見放されたものも多かった。たとえば、前作では「つるぎのまい」で攻撃力をアップさせても1ターンを無駄にしてしまうために倒されてしまう可能性が高いし、それなら1対1で戦うことを考えて高い急所率や高火力技で叩いたほうが早かった。
        しかし、新ポケモンの「ハッサム」ならば、新タイプのはがねの耐性を活かしてつるぎのまいを使った後に行動のチャンスがある。新技の「バトンタッチ」を使って後続のポケモンに攻撃力アップを引き継ぐことも可能。複数VS複数でバトルを考えるのが主流に。
      • 他の新技にも、雨を降らせて一部技の性能を上げる「あまごい」などの天候変化技、ねむり状態で動けなくても攻撃できる「ねごと」「いびき」、うまく決めればおたがいのステータスに関係なく相手を倒せる可能性のある「みちづれ」「ほろびのうた」など、前作の反省を活かしたものや幅を広げるようなものが多い。
      • 持ち物の存在も大きい。状態異常を回復するきのみは一見おまけ程度の存在だが、事故を防いだり相手の行動を1回分無駄にしたりと大きな役割を持つ。ほかにも、1割の確率で致死ダメージもHPを1残して耐えられる「きあいのハチマキ」は公式大会の決勝でドラマを生んだ。

賛否両論点

  • パッケージにもなっている伝説のポケモンホウオウ、ルギアがストーリーに一切関わらず蚊帳の外。
    • もっとも、この評価は伝説のポケモンにスポットを当てた後のシリーズと比較した場合の話である。
      • 一方で、伝説のポケモンについては本作までのように「ストーリーに絡まず、自力で探し出した末に出会うことのできる存在」という立ち位置がちょうど良い、後のシリーズのようなイベントはくどいという意見もある。

問題点

  • セーブデータ保持用の内蔵電池の消耗が早い。
    • 早ければ約2年、持っても3年で切れてしまう。切れるとレポートを書いても本体の電源を切るとセーブデータが保持されなくなり、事実上ゲームの続行が不可能になる。
      • また、本作の任天堂公式の電池交換サービスは『クリスタル』を含め終了している。
    • ゲーム外の要因とはいえども、プレイ開始から約2年でセーブデータが消えるとも言える一種の地雷的要素 *6 であり、本作の評価を致命的に下げてしまっている。
  • 初期ポケモンに草タイプのチコリータを選択した時の異常な高難易度
    • 多くの相手に対して相性が不利になるので全体的な難易度が非常に高い。前作のヒトカゲを軽く越えるほど。
    • 草タイプの弱点の多さに加え、チコリータが耐久寄りのステータスであること、終盤まで草・ノーマル以外のまともな攻撃技を覚えないことに起因している。
    • 攻撃面に関しては前作のフシギダネと似ているが、あちらと異なり「ねむりごな」は習得できず、耐久寄りの能力値に合致する「やどりぎのタネ」は遺伝のみ。
    • 道中何度も戦うロケット団の手持ちは毒タイプが多く常に劣勢を強いられる。
    • 殿堂入りまでに戦うジムリーダー・四天王・チャンピオンの計13人のうち、相性が悪いのが半数ほど。
      • ジョウト地方のジムリーダーの得意タイプは前作のものと重複しないように設定されているが、その前作に草タイプの有利タイプがすべて登場してしまっていた関係である。
      • 他にも相性が普通なはずのゴーストジムでは草タイプに有利な毒複合だったり、エスパー使いのイツキや悪使いのカリンの手持ちにまで草タイプに有利なものが多い。頻繁に戦うライバルに至ってはユンゲラー(フーディン)以外の全てに不利。
  • いわゆる徘徊系ポケモン(ライコウ・エンテイ・スイクン)の捕獲が非常に難しい。
    • 遭遇すると1ターン目終了時に逃げるので、先制で「くろいまなざし」等を使わないと一度しかボールを投げるチャンスはない。ただし、逃げるのを封じたところで、1/4の確率で「ほえる」を使い、強制的に戦闘を終了してくる。対策は味方の回避率を上げるか相手の命中率を下げるぐらいである。
      • なお、「ほえる」のPPは20もある。使い切る頃には他の技のPPも0に近くなり、わるあがき *7 で自滅されてしまう危険性も出てくる。
      • 向こうに逃げられるだけなら再戦の機会はあるが、こちらからの攻撃か自滅かを問わず一度戦闘不能にさせてしまうと二度と出現しなくなってしまう。
      • 捕獲率はルギアやホウオウと同じなので、必然的に長期戦を強いられて相手に行動させてしまうことも多い。捕獲率100%のマスターボールも正規手段で確実に手に入るのは1個なのも難点。
    • 一度遭遇すれば図鑑から現在地を参照できるが、隣接する区画へ移動したり「そらをとぶ」でワープすると、その度に隣接する地域やランダムな場所に移動してしまう。狙って遭遇するには「マップを切り替える⇔図鑑を開き捕捉する」という地道な作業を続ける必要がある。
    • 戦闘BGMは通常の野生ポケモンと同じ。実際に戦闘をするまでは姿を見る機会もない。うっかり一般的な野生ポケモンと間違えて倒してしまう可能性もある。
    • 後のシリーズにも徘徊ポケモンは登場するが、救済措置が段階的に採られていることから、本作における過剰な難易度が反省されているようである。
  • 秘伝技に「たきのぼり」 *8 「うずしお」が追加され、合わせて7つに増えた。さらに秘伝技ではない(=クリアに必須ではない)が、一部ダンジョンの攻略に必要な技として「いわくだき」が追加。
    • そのため、6匹しかいない手持ちが秘伝要員でさらに圧迫される。
    • 技の性能もたきのぼりはなみのりの劣化。うずしおは威力が低すぎるので、ストーリー攻略に有用とは言えないのも難点。
    • 意外にも水タイプのポケモンにはこれら2つとなみのりをすべて覚えられないポケモンも多く *9 、水上の移動は1匹に任せるということが思うようにできないのも難点。
    • たきのぼりの秘伝マシンは、特にヒントもなくダンジョンの中にさりげなく置かれている。場所自体はわかりやすいが、うっかり取り逃してしまうと後から探す時は苦労する。
  • ストーリー進行上必要となる道具「ゼニガメじょうろ」の入手方法がわかりづらい
    • これは、ある道路でとおせんぼうしているウソッキーをどかす、ストーリー進行上必要のアイテムなのだが、入手できる場所がわかりづらい。
      • その入手法は、コガネジムのバッジをもらった後に、コガネシティのある民家にいる女性に話しかけるというもの。それに気づかず何時間も探し回ったプレイヤーも多かった。
  • やや蛇足気味な新要素
    • なつき進化
      • 隠しパラメータのなつき度を上げることで進化するシステムだが、上昇率に乏しいわりに進化条件を満たすまでが長い。さらになつき度が一定の値になると上昇率がさらに下がる。
      • 上げる手段にも乏しく、ポケモンリーグをクリアしての上昇度がレベルアップでの上昇も兼ねられるために結局これに落ち着いてしまう。こつこつ歩いたり美容師兄弟や毛づくろいで上げるとなると果てしない道のりになる。
      • 図鑑完成をする程度の場合はなつき進化する8種のうち3種がわざわざ進化させなくともいいし、孵化やフレンドボールでのボーナスを使えばグッと楽になる。なつき度が低いことによるデメリットも薄いのでそこまでの問題にはなっていない。
    • ポケモンのタマゴ
      • ポケモンを増やしたり、個体値を遺伝させるためには避けられない作業。図鑑完成の為にも孵化でしか手に入らないポケモンも結構多い。しかし本作が初という事もあって調整不足な点がある。
      • ゲームの序盤からフィーチャーされている要素だが、普通にプレイしているとヒントが少なく有効活用するのは難しい。
        個体値はもちろん、タマゴ技の継承ですらゲーム内や初期の攻略本では一切ノーヒントであった。
        タマゴは生まれるまで中身がわからないので、システムを理解しない状態だと無意味に手持ち枠を埋めてしまいやすい。
      • ポケモンによって孵化するまでの歩数が異なる。コイキングやピチューなど入手が容易な種族は1000~2000歩程度と比較的歩数はかからないのだが、ミニリュウとヨーギラスといった能力が高くなる種族に至っては孵化までに10000歩以上の歩数が必要となり時間がかかる。続編では孵化効率が良くなる仕様が徐々に追加されていくようになる。
      • 育て屋に特定の個体値が一致するポケモン同士を預けると「げんき いっぱいだ!」というメッセージが表示されるようになり、この場合は絶対にタマゴが見つかることがない。遺伝の関係上、親子同士を預けると必ずこのメッセージになる。イメージとしては近親交配を避けるための処理か。なお無関係なポケモン同士でも1/128で一致しうる。この仕様も次回作以降は改善されている。
      • ピチューなど過去作ポケモンの進化前と新ポケモンのトゲピーはそのまま育て屋に預けてもタマゴは発見されないようになっている(進化させれば可能)。これらのポケモンが赤ん坊扱いであり *10 、こちらも倫理観を考慮しての事だと思われる。
      • ニドラン♀はタマゴを発見できるが、進化してニドリーナ・ニドクインになるとタマゴを発見できなくなる。初代の公式攻略本の資料にある「進化して子供を守る為の戦闘能力を得た代わりに生殖機能を失った」という設定が元になっているが、ゲーム中の図鑑説明では現在に至るまでこの事について記載されていない。ニドクインの母性的なデザインとのギャップもあり、この設定を知らないプレイヤーが混乱する原因になっている。
  • カントー地方の問題点
    • いくらかイベントをこなしてリニアを開通させるまで、ジョウト地方に戻るには「そらをとぶでセキエイ高原に行き、そこからさらに歩いて戻る」か「特定の曜日にしか出航しないアクア号に乗る」のどちらかしかなく、戻りたい時にパパッと戻れないのは面倒。
    • クリア後に行ける場所にしては野生ポケモンのレベルが低め(1番道路でLv2~6のポケモンが出現する、といったように初代と大体同じレベル)。釣りを除くと高くても30前後と即戦力となるポケモンが一切出現しないので、捕まえてもそのままボックス行きになりがち。
  • 特殊な性能のガンテツボールは好評だが、使い勝手に難がある。
    • 入手にはガンテツに「ぼんぐり」を渡して1日待たなければならない。入手の手間と消耗品であることを踏まえると1日1個は明らかに釣り合っていない。
    • しかも、効果が微妙だったり、正常に機能していないものが多い。
      • 「ムーンボール」はつきのいしで進化するポケモンに有効だが、効果が機能していない(=モンスターボールと同性能)。もっとも、効果が有効でも対象となるポケモンは4種しかいないが……。
      • 「ラブラブボール」は異性のポケモンに有効とあるが、自分のポケモンと同種同性のポケモンが捕まえやすいので説明と完全に逆。いずれにせよ同じ種である必要があるため使い勝手は悪い。
      • 「スピードボール」は逃げやすいポケモンに有効なはずだが、コイル・ベトベター・モンジャラの3匹にしか効果がない *11 。よりにもよってライコウ・エンテイ・スイクンに対して無力な始末。
        それによって、ライコウ・エンテイ・スイクンを捕まえられず涙を飲んだプレイヤーも多いだろう。
      • 「ヘビーボール」は重いポケモン(204.8kg以上)に有効だが、その対象はごく限られ、さらにハイパーボール以上の効果を発揮するのはカビゴンとルギアのみ。これら2体に対してはかなり有効だが、それ以外にはモンスターボール以下の性能になる。
    • そんな中で、「レベルボール」は相手のレベルが自分のポケモンよりも低いほど捕まえやすいという汎用的な効果。レベル100のポケモンが手持ちにいれば、常にハイパーボール以上の高い性能を発揮する。最終的に作製するのはこれだけになりがち。
  • まだまだ粗めな対戦バランス。
    • 全体的に特攻低め特防高めの調整、防御・特防に努力値を限界まで振れたことと、すばやさの値の役割変化により火力低下、ねむる→ねごとコンボなど耐久型が有利になるような調整が多かった。特に耐久寄りのステータスに加え、回復技や壁貼りで並大抵の攻撃が通らなくなったスイクン、ブラッキー等は相当厄介だった。
      その一方で、専用アイテムで圧倒的な火力を発揮するガラガラや、場に出た瞬間に永続的なこんらん状態になるが攻撃が2段階上がるはかいのいでんし *12 など、攻撃面でのバランスもまだまだ煮詰まっていなかった。
      • 耐久型の対策自体は、一撃必殺技、だいばくはつ(カビゴンのみじばく)、はらだいこ、あくむ、くろいまなざし→ほろびのうたなどで比較的容易にできたものの、対策しなかった場合、数十ターンを余裕で超える泥仕合になることも少なくなかった。
    • 多くのタイプの性能が大幅に改善されたが、新タイプを筆頭に対戦での扱いが悪いタイプもちらほら。
      • 新タイプのあくはこうげきが高いポケモンが多いが、あく技はとくこうでダメージを計算する上、全体的に威力不足気味。例外はヘルガーくらい。
      • 前作で不遇だったむしタイプに追加された攻撃技が、使い勝手の悪いれんぞくぎりとヘラクロスの専用技メガホーンだけ。そのため、ヘラクロス以外の攻撃面は総じて微妙で、他に使えるのは技や耐久面で特徴的なハッサム・フォレトス・ツボツボくらいと、おざなりな調整になっている。
    • それでも、当時の対戦環境には根強い愛好者が存在することからわかるように、一定のバランスは確保されてはいる。詳細は余談の項目を参照。
  • 本作では100匹ものポケモンが追加されたが、全体的に扱いが地味。
    • 最初の道路には新ポケモンのオタチとホーホーが出現するが、似た性能を持つ前作のコラッタとポッポも出現する。その先で出現する虫ポケモンも似た境遇。
      • その一方で、カントー地方やラストダンジョンでしか出現しない新種もいる。クリア後でないと使えないため、存在感が希薄。
    • マリル・ブルー・ヤンヤンマなどは大量発生で出現率で上がるためか、平常時の出現率が1%と低すぎる。
      • しかも、肝心の大量発生を確かめる手段が「ポケギアで特定のトレーナを登録し、連絡を待つ」しかないのも難点。
    • 様々なタイプのポケモンが追加されたが、ドラゴンタイプはキングドラ、ゴーストタイプはムウマの1種類が追加されただけ。目玉のあくタイプも「ブラッキー」を除き、カントー地方でしか捕まえることができない。
    • ジムリーダー8人のうち新種のポケモンを使うのは半分の4人。
      • その4人も切り札以外は前作のポケモンを使うので、扱いは十分とは言い難い。
      • ゴーストタイプ使いのジムもあるのにムウマはそこに一切登場せず、裏ダンジョンのシロガネやまのみの生息などかなり残念な扱いを受けている。
    • ゲーム全般にわたって旧ポケモンと新ポケモンが混在しているので、前作のカントー地方から地続きの地方であるという雰囲気は表現されている。
  • 前作『赤緑青ピカチュウ』がないと不可能・困難な要素。
    • ポケモン図鑑を完成させるためには『金銀』両方に加えて、前作からいずれか1つが必須。
      • 本作単体ではカントー御三家・化石ポケモン・伝説の鳥ポケモン・ミュウツーらを入手不可能なため、図鑑完成も不可能になる。もっとも、図鑑を完成させてもとある場所で表彰されるだけで、自己満足の面が強いが。
    • 本作では進化の石の入手手段が少なく、石で進化するポケモンをシナリオで使うのが困難になっている。
      • 特に入手が困難なのはほのお・みず・リーフ・かみなりの4種。ふしぎなおくりものかクリア後のイベントに入手が限られている。
      • 前作だとこれら4種は販売されているため、タイムカプセルを使えば石進化ポケモンの入手は容易。後述の『クリスタル』では多少改善された。
      • つきのいしは終盤のダンジョンで確実に入手できるほか、クリア後にも入手機会はある。また、たいようのいしは虫取り大会1位の景品。面倒だが、他の4種類に比べれば量産できるだけマシと言える。
    • 「でんきだま」「まがったスプーン」など、前作を使わないと入手できないアイテムも存在する。中には「かわらのかけら」「きんのはっぱ」「ぎんのはっぱ」など換金以外で使い道がないものも。
      • 特に「きのはこ」「きりのはこ」はポケモンスタジアム2で入手できるポケモンしか持っていない。
    • 命中率・威力共に安定している「10まんボルト」「れいとうビーム」のわざマシンが削除されたため、それらの技を覚えさせるためには前作に通信交換で送る必要がある。当然新ポケモンには覚えさせられない。
      • 後述の『クリスタル』では多少改善された。
  • 「ふしぎなおくりもの」の問題点
    • 受け取ったものが道具である場合、ゲームを起動してポケモンセンターにいる配達員から受け取るまで次の通信ができなくなる。
      • 1日5回までの制限があるので、せめて5個分まではストックしてくれても良かったのではないか。
      • 先行した類似システムである『ポケモンカードGB』の「カードポン」と比べると特に不便さが目立つ。
    • 全ての状態異常を治す「きせきのみ *13 」、急所に当たる確率を上げる「ピントレンズ」といった、対戦で重要なポケモンの持ち物の入手手段がこれに限定されている。
      • 『ポケットピカチュウカラー』があれば、きせきのみは確実に入手可能。ピントレンズはランダムに頼るしかない。
    • 入手アイテムには4段階の希少価値が設定されているが、出現確率は最も出やすいものに極端に偏っている。
    • 部屋に飾る家具のほとんどはこの方法でしか手に入らない。家具は通信交換もできないのでコンプリートが非常に困難である。
      • ただし、これらは鑑賞以外に用途の無い純粋なコレクターアイテムである。
    • プレイヤーのIDによって相手に送られるアイテムが決まるという非公開の仕様がある。そのため、同じ相手とだけ通信しても絶対に出ないアイテムが存在する。
  • ライバルについて
    • 本作のライバルは他のシリーズ作品の様な主人公の幼馴染やお隣さんなどではなく偶々ワカバタウンで出会っただけの人物で、主人公との関連性が薄い。
    • おまけにウツギ研究所やタンバシティのコレクターからポケモンを強奪し、主人公と遭遇した際は主人公や他のトレーナーを「弱い」とこき下ろし、主人公との対戦に負けたら手持ちのポケモンの所為にするなど、プレイヤーの心証を悪くする場面も多い。これではライバルというより悪役の立ち位置である。
      • ただし「負けた時の手持ちを見捨てて次の対戦時には全く別の種族を使う」といった冷酷な展開は一切無く、一度手持ちに入れたポケモンは一体も欠かさずに最終段階まで進化させている。手持ちの中にはなつき状態や通信交換など進化に一手間かかるポケモンもいる。
    • ロケット団をひどく嫌っている描写があるもののその背景などは一切明かされず、何戦か交えた後に改心する様子は見られるがポケモンを盗んだことについては特に言及しないなど、描写不足も目立つ。そのため人によっては感情移入がしづらいライバルとなってしまっている。
  • これら問題点の一部はリメイク版で改善されることとなった。

総評

1作目の問題点を上手く調整し、さらに様々な追加要素を加えた本作。それらのほとんどは後作でも引き継がれ、改良されており、シリーズのシステムを大きく進歩させた作品。
またポケモンの世代刷新の際はこの作品に倣い、基本的なシナリオ展開、対戦システムはそのままに、新ポケモンの追加、バランスの調整をメインに行っており、シリーズの方向性を決定づけたといってもよい。
さらに前作との互換性もあって、制作側の意気込みが強く感じられる。長らく発売延期をした作品だが、それに見合った内容といえる。
本作はシリーズものの続編として、一つのお手本と言えるだろう。


余談

  • 当初は1997年末頃に発売予定とされていたが、開発が難航して発売が遅れ続けたことでも有名。
    • 『赤・緑』発売の直後の1996年春から製作は始められており、当初は『ポケットモンスター2』として発表された。
      • 発表以降、キャラクターデザインや画面写真も相次いで公開され、1997年夏の任天堂スペースワールドでは来場者が実際にプレイ可能な体験版が展示されるなど、一見すると開発は順調であるかのように思われた。
      • 当時公開された画像や体験版では、製品版と比べ地形などのデザインが大幅に異なっている。体験版に登場したポケモンもデザインや名前が変更されていたり、中には製品版からは跡形も無く消えてしまった例も存在する。
    • しかし、その後は長らく続報が途絶えていた。1998年には『ピカチュウ』バージョンや、『ポケモンスタジアム』等のスピンオフ作が発売されたものの、肝心の本作は、発売年の1999年に入るまで具体的な情報がほとんど公開されない状態が続いた。
    • 1997年4月1日に放送されたアニメ第1話には金版のパッケージ伝説であるホウオウが、1999年公開の劇場版2作目には銀版パッケージのルギアが登場した。ルギアは元は映画のために作られたポケモンであり、開発が遅れたことによりホウオウと対になるポケモンとしてパッケージを飾ることができたようである(参考リンク)。
      • 本作においては結果的にそうなった形であるが、以降の作品においてはアニメや映画などのメディアミックスにより、発売前の新作に登場するポケモンを華々しくデビューさせるのは定番となった。
  • 本作の対戦環境は現在でもコアなファンによって研究が続けられている。
    • 第三世代以降と違い、努力値の総量に上限が無いために全ての能力値に振ることができる。アタッカーであっても高いHP・防御・特防を持つために、全体的に耐久が高めになっている。そのため相手の攻撃をいなし続けるという「役割理論」が生まれて極端な耐久思考になったり、そこから相手をいかにして崩すかを考えてのパーティ構築にシフトするなど、本作ならではの味がある。
    • 極めれば「どのパーティにも確実に勝てるパーティは存在しない」「貧弱なポケモンでも立ち回り次第で格上のポケモンに有利をとれる」といった点から、「歴代最高の対戦バランス」と評価するプレイヤーもいる。
    • 役割理論を壊しかねないとして「一撃必殺技」「カビゴンの"はらだいこ"」等、一部の技に否定的な風潮がかつて存在した。現在では風潮自体は廃れたものの、一撃必殺技に関しては未だにローカルルールで禁止されることが多い。もちろん当時行われた公式大会のレギュレーションでは問題なく使用可能だった(実際に決勝進出者でも使用実績がある)ため賛否はある。
  • 内蔵電池の問題点で挙げた通り、現在市場に流通しているソフトの中でレポート可能なものは中古新品問わずほぼないと思われる。
    • 現在は後述するニンテンドー3DSのVC版で電池切れの心配なしに遊べるものの、どうしても本作をソフトを使ってプレイしたい場合は、セーブなしでプレイするか、自力で電池を交換してみるのも手。
    • 使用されている電池はCR2025。100円ショップなどで簡単に手に入るが、基本的なハンダの技術や専用ドライバー(ものにもよるがドライバー以外の物でも可)を要する。電池には直接ハンダせず、接点をテープ等で止める程度にしておいたほうが無難。
  • 前作ほどではないが、今作にもバグが存在する。致命的なものを除き基本的にバグが修正されないVC版でも実行可能。
    • 虫取り大会である手順を踏むと預けたポケモンを増殖させたり、通常では覚えられないわざを覚えたポケモンがゲットできるバグが存在する。これを応用すると色違いのポケモンやなみのりを覚えたピカチュウなども手軽に入手可能。
    • 厳密にはバグではなくセーブデータの書き込み処理の問題だが、ボックス内のポケモンを移動する際のセーブ中に特定のタイミングで電源を切ると移動前と移動先両方に同じポケモンが存在し、無限にポケモンやアイテムを増殖できてしまう。
  • 前作のミュウ同様に、本作にもセレビィという幻のポケモンが存在。
    • それを出現させる方法もとい噂は、ネット上や口コミなどの様々な形で全国に伝わっていった。
      • 特に有名なのは「ホウオウに金の葉っぱ、ルギアに銀の葉っぱを持たせて育て屋に預けると、ある場所でセレビィがでてくる」という噂か。この噂は公式攻略本のスタッフインタビューでも話題にされている。
  • 本作の四天王の一人であるカリンの発言「つよい ポケモン よわい ポケモン そんなの ひとの かって ほんとうに つよい トレーナーなら すきな ポケモンで かてるように がんばるべき」は有名で、しばしば名台詞として取り上げられる。
    • ポケモンによくある自らのポケモンに対する信念を語る場面なのだが、強いポケモンを使うプレイヤーへの批判などの心無い発言に曲解されたりとしばしば論争のタネになりやすい。
  • 3番目のジムリーダー・ノーマルタイプ使いのアカネのミルタンクの強さは今でも語り草となっている。
    • Lvは20と高めで、ステータスも未進化ポケモンゆえに全体的に高い。技も外れるまで威力を上げながら連続攻撃をする「ころがる」やHPを半分ほど回復する「ミルクのみ」、性別が逆のポケモン(ミルタンクはメス固定なのでオス)をたまに行動不能にする「メロメロ」など強力なものが揃っており、壁ボスとして多くのプレイヤーを恐怖させた。
    • 力押しでは相当手ごわい相手だが、近くでNPCとの交換で入手できる「きんにく」と名付けられたワンリキーはメスでメロメロ無効・格闘タイプなのでミルタンクの弱点を突けると救済措置になっているほか、状態異常をかけたり命中率低下技か回避率上昇技を使えばそれほど怖くない。
    • リメイク版ではレベルが上昇傾向にある切り札級のポケモンの中で唯一レベルが下がっている。VC配信発表時のダイレクトや公式Twitterでも本作のこのシーンが公開されるなど、制作側もミルタンクの強さは認識していた様子。
  • 焼けた塔では戦闘後にグラフィックがモノクロになるトレーナーが存在する。
    • クリスタル版では登場せず、リメイク版では再登場するが真っ白になる演出は無くなった。
  • 『金・銀』発売後の展開
    • 本作発売から1年後の2000年12月14日、大画面でプレイできる対戦ツールとして『ポケモンスタジアム金銀』が発売された。
      • こちらもただの対戦ツールの枠では収まりきらないハイクオリティな作品として有名である。また、今作のゲームバランスやシステムの改善(上記の急所待ち状態の緩和)も若干行われている。
      • 『銀』『クリスタル』でホウオウに「せいなるほのお」、『金』『クリスタル』でルギアに「エアロブラスト」を覚えさせるには本作が必須。これはレベルの影響で該当技を忘れており、わざおもいだしが存在しないため。
    • 同日に本作のマイナーチェンジ版『クリスタル』も発売。
      • パッケージは本作の伝説のポケモン・スイクンが飾り、登場機会が増えるなどライコウ・エンテイと比べ優遇されている。
        これは、ゲーム発売に先んじてアニメ版のオープニングに登場したことや、飛び抜けた人気を誇ったことが影響していると思われる。
    • 2009年9月12日には、本作のリメイク『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』がニンテンドーDSで発売された。後述の『クリスタル』の要素も追加されている。
    • 2017年9月22日、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールとして『金・銀』が配信開始。『クリスタル』版のVC化は現時点で発表されていない。
      • 初代VCと同様にパッケージのダウンロード特別版も発売。当時の物を再現したパッケージでマグネット・説明書風シールが付属しているのは同じで、本作で登場した100匹のポケモンと当時の相性表 *14 が描かれたポスターが付属している。
      • 『金・銀』VC間の通信や初代VCとのタイムカプセルによる通信交換もちゃんと再現されている。VC間の「ふしぎなおくりもの」にももちろん対応(GBC⇔VCは不可能)。初代VC同様『ポケムーバー』にも対応した。
        時計機能も3DS本体の時計を基準に進行するので、内蔵電池の問題も解消されている。3DS本体の時間を変更すると本作の時間もそれに合わせて変動する(元々想定外だったためか時間変更のペナルティは存在しない)。
      • ポケットプリンタの機能は使用できない *15 他、メールを持たせたポケモンを通信交換に出そうとすると個人情報や不快な発言等に関する注意書きが画面下部に表示されるといった仕様変更・追加もある。

ポケットモンスター クリスタルバージョン

【ぽけっともんすたー くりすたるばーじょん】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
発売日 2000年12月14日
定価 3,990円(税込)
判定 良作
ポイント 女主人公初登場
オンラインに初対応

概要(クリスタル)

前作から約1年後に発売されたマイナーチェンジ版。『ポケモンスタジアム金銀』と同時発売。
後のマイナーチェンジ作と比べると変化は少なめだが、前作の『青』『ピカチュウ』と比較すると新要素は多い。
後述するモバイルシステムGBの旗艦タイトルでもあった。


特徴・『金銀』からの変更点(クリスタル)

  • ポケモン関連
    • 『金銀』で荒かった新種ポケモンやアイコンのグラフィック・色合いを修正。現在のものにより近くなっている。
    • ステータス画面や敵として登場した時など、ポケモンがアニメーションをするようになった。
      • 動作が長めなのでテンポはよくないが、ポケモンの演出としての評価は高い。設定でOFFにもできる。
    • 一部野生ポケモンの出現分布や時間帯、出現確率が変更された。
      • 『金銀』では最終盤にならないと出現しなかったニューラなども殿堂入り前にゲットすることが可能になっている。
      • 時間帯については、たとえばスリープやデリバードが朝昼夜→夜のみなど、そのポケモンの設定に合った調整がされている。
      • 大量発生するポケモンのうち、マリルとブルーの通常時の出現率が上がり、簡単に出会えるようになった。
    • フスベシティのとある場所で質問に正しく答えれば、本来は覚えない「しんそく」を覚えたミニリュウをもらえる。
    • パッケージを飾る、伝説のポケモン・スイクンにまつわるイベントの追加。それを追う青年「ミナキ」も登場する。
    • シリーズで初めて、伝説のポケモンに専用戦闘BGMが用意された。それまでは通常の野生ポケモンと変わらなかった。
    • 『金銀』と同様に、ホウオウとルギアはどちらも出現するがレベルが60に固定されている。
      • ホウオウがいるスズのとうに入る条件として「ライコウ・エンテイ・スイクンの3匹の捕獲」が追加された。1匹でも捕獲に失敗して倒してしまった場合は二度と入れなくなるため、かなり難しくなった。
      • スイクンのみシンボルエンカウントになり、「ほえる」もレベルで覚えなくなった=バトルで使われず強制終了されなくなったので、若干楽になってはいる。
    • 後の「トレーナーメモ」の先駆けとなる、履歴機能が登場。捕まえたポケモンに出会った場所・時間帯・レベルが記録され、出会った時間帯で出会った場所で戦闘すると懐きやすくなる。
      • 確認方法は、タンバシティにいる「おみとおしおばあさん」から聞く、『ポケスタ金銀』のステータス画面の二つ。『金銀』と交換しても履歴は消えることはないが、初代に送ると失われる。
    • 一部ポケモンのレベルアップで覚える技の追加・変更、『クリスタル』でのみ覚えられるタマゴわざも追加された。
  • システム関連
    • シリーズで初めて、ゲーム開始時に女の子の主人公を選択可能になった。ただしストーリーが変化したり選ばなかった方が登場したりすることはない。
    • わざおしえ
      • ゲームコーナーのコインと引き換えに、おじさんからポケモンに「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」「10まんボルト」を教えてもらえる。
    • ガンテツのボール作製が改善。本作では同じぼんぐりを用意した数だけ、その種類のボールを作ってもらえるようになった。ただし、肝心の効果は修正されていない。
    • ポケギアの電話機能が拡張。
      • 汎用だった台詞はトレーナー固有のものに変更され、再戦の申し込みや大量発生以外のイベントが発生するようになった。
      • 進化の石を始めとしたアイテムをくれたり、コガネ百貨店のセールなどイベントが発生したりする。中にはストーカーの様な電話をしてくるトレーナーも。
    • ラジオ番組「アオイのあいことば」の追加。
      • 毎日発表される合言葉を応えるとポイントがもらえ、貴重なアイテムと交換できる。
    • 『金銀』の問題点で挙げた「ゼニガメじょうろ」の入手法が多少変更された。
  • 地形関連
    • アルフの遺跡のパズルの小部屋の奥に、隠し部屋が追加。
    • 氷の抜け道のグラフィックを一新。さらに地形も変更され難易度がやや低下した。
    • 竜の穴にトレーナーが出現。さらに祠の中にも入れるようになった。
    • 焼けた塔のグラフィックが一新されて、焼け崩れた塔のようなものになった。
      • また、焼けた塔に行くのがストーリー進行上必須となったため、『金銀』では焼けた塔での対戦をスルーできたライバルとも必ず戦うことになる。
  • モバイルシステムGB
    • 別売りの「モバイルアダプタGB」を使用し、携帯電話と接続することでシリーズ初のオンラインサービスを利用できた。
    • 通信ケーブルと同様に、直接通信による交換や対戦が可能。公式サーバーにアクセスしてデータのやりとりも可能であった。
    • 近年のシリーズにおける「GTS」のように、条件の合うポケモンを預けた人同士をマッチングして自動交換を行うシステムが初導入。
    • NPCと戦う「バトルタワー」が登場。勝ち抜いたプレイヤーのデータによって登場トレーナーは毎日更新される。
      • Lv制限は10刻みで10種類、さらにLv70以降はいわゆる禁止伝説 *16 が解禁されるなど、後の世代では見られない要素もあった。
      • 操作こそCP任せだが、全国のトレーナー達のデータがそのまま敵として登場する。時にはプレイヤー自身のデータが敵として現れることも。
    • 毎月更新されるニュースを購読できた。最新情報やプレイヤーランキング *17 やミニゲームに加えて、ゲーム内で使えるアイテムやポケモンが手に入ることがあった。
      期間限定だったが、セレビィ入手イベントのキーアイテムである「ジーエスボール」もここで入手できた。
    • 『ポケモンスタジアム金銀』向けのデータをダウンロードすると、公式大会のリプレイを観戦したり、挑戦ができた。
    • 初のオンライン大会である「モバイルカップ2001」を開催。「モバイル通信でスタッフ相手にバトルを繰り返し、最後まで勝ち抜いたプレイヤーがイベント会場で実際に会してトーナメントを行う」という一風変わった退会であった。
    • 以上のように様々なコンテンツを利用できたが、発売からちょうど2年後の2002年12月14日でサービス終了している。仲間同士での対戦・交換はサーバーを介さないためサービス終了後も使用できたが、現在では携帯電話の通信方式の変化によって利用できなくなっている可能性が高い。

余談(クリスタル)

  • 初代及びそのリメイクを除けば、いわゆる「禁止伝説」以外がパッケージを飾っている唯一の例である。



*1 メタモン、アンノーン、伝説のポケモンを除く。

*2 バトルによって手に入る、こうげきなどのステータスを上昇させる隠しパラメータ。プレイヤーの間では「努力値」という通称で呼ばれることが多い。

*3 たとえばミュウツーは前作だと「とくしゅ」の種族値が154だったが、今作以降は「とくこう」が154・「とくぼう」が90に設定されている。

*4 特定の条件を満たすとそのままずっと自分の手持ちにできる。

*5 当然、進化させてあると進化前は図鑑に載らないうえ、交換したら返してもらうか初期化するまで二度と入手できない。

*6 後の『クリスタル』では、電池切れに関する注意書きが同梱されていた。

*7 すべての技が使えなくなると使える反動ダメージありの技。

*8 初代ではトサキント・アズマオウしか覚えられない通常の技だった。本作でもこの2匹のみレベルアップでも習得可能。

*9 なみのりを覚えられる66種のうち全てを覚えるのは27種。御三家の一体であるワニノコも「なみのり」「うずしお」は覚えるが「たきのぼり」は覚えられない(『ルビー・サファイア』以降に習得可能になった)。

*10 ポケモンカードゲームでもトゲピー以外は「ベイビィポケモン」という特殊なたねポケモンとして扱われていた時期があった。現行の環境では、ゲームの続編で追加された進化前ポケモンの新規カードは一切登場していない。

*11 この三匹は戦闘中に逃げる場合があるが、この三匹以外でもヌオーやブルー、アンノーンなど逃げるポケモンは少なからずいる。

*12 『ポケモンスタジアム金銀』では混乱が永続ではなくなり、まさに壊れ性能だった。

*13 現行シリーズにおける「ラムのみ」相当

*14 今作と第6世代以降で一部相性に違いがあるため。具体的には今作だとフェアリータイプが存在せず、ゴースト・あくタイプの技がはがねタイプに半減される。

*15 ポケットプリンタを使用するかという選択肢自体はそのままだが、「はい」にカーソルを当ててもAボタンが反応しないためキャンセルするしかない。

*16 本作においてはミュウツー・ミュウ・ルギア・ホウオウ・セレビィ

*17 「バトルタワーで勝った回数」「野生ポケモンと戦った回数」など。