ゲームボーイギャラリーシリーズ

【げーむぼーいぎゃらりーしりーず】

ジャンル アクション


対応機種 1・2:ゲームボーイ
3:ゲームボーイカラー(全GB共通)
4:Wii U(GBA版は海外のみ)
発売元 任天堂
開発元 任天堂、トーセ
発売日 1:1997年2月1日
2:1997年9月27日
3:1999年4月8日
定価 1・2:3,000円(税別)
3:3,500円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
1:【3DS】2011年6月21日/400円(税5%込)
2:【3DS】2012年3月21日/400円(税5%込)
3:【3DS】2014年12月9日/非売品*1
4:【WiiU】2016年3月16日/702円(税8%込)
書換 ニンテンドウパワー
2000年3月1日/各1,000円(税別)
1:F×2・B×1
2:F×4・B×1
3:F×8・B×1
判定 良作
ポイント 原作再現の「むかし」モード
良い意味で一新された「いま」モード
マリオシリーズ・関連作品リンク

※本項ではGB用ソフト『ゲームボーイギャラリー』『ゲームボーイギャラリー2』『ゲームボーイギャラリー3』、WiiU用ソフト『ゲームボーイギャラリー4』の4本をまとめて解説する。



概要

  • 任天堂が1980年代に発売し、一大ブームを築いた「ゲーム&ウオッチ」の移植&リメイク版。
  • 各作品では数種類ずつの、G&Wオリジナル版を再現した「むかし」モードと、GB用にマリオキャラクターを使いリメイクした「いま」モードの2種類を収録している。
    • ギャラリーモードの隠しゲームは「むかし」モードしか搭載されていないものもある。
  • 各ゲームには「やさしい」「むずかしい」の2つの難易度が設定されており(「むかし」モードではゲーム&ウオッチにおけるGAME A、GAME Bに相当)、「いま」モードのみ1000点を達成すると「すごくむずかしい」でプレイすることが出来る。(「ボール」を除く)。
  • ほとんどのゲームではミスマークが3つついたらゲームオーバー*2だが、特定の点数に到達すると「ミスクリア」が発生する。*3
    • 「むかし」モードであれば特定の点数に到達した瞬間、ついているミスマークが全て消える。
      • 一部のゲームでは、その点数に到達した時点で一度もミスしていなければ次にミスするまで得点が倍になる。
    • 「いま」モードであれば特定の点数に到達するとハートが出現し、取得することでミスマークが1つだけ消える。
  • スコアに応じて☆を入手し(原則として200点毎に1個、最大5個)、この☆の数によってギャラリーモード、隠しゲームなどの要素が開放される仕組みになっている。
  • 1~3は全てスーパーゲームボーイ対応ソフトでもあり、専用のピクチャーレーベル(画面枠の壁紙)の他に、操作説明の画面がGB本体からSFCコントローラーに変化する。後述するがこれによって一部ゲームの操作性が変化した。

収録タイトル一覧

+ クリックで展開
タイトル ゲームウオッチ 原作の発売日



備考
ゲームボーイギャラリー
マンホール ニューワイド 1985年7月8日 キャラによって移動パターンが違う
ファイア ワイドスクリーン 1981年12月4日 キャラによってバウンドの高さが違う
オクトパス ワイドスクリーン 1981年7月16日 いまモードでは、宝をたくさん持つほど移動が遅くなるが、途中で捨てることもでき、タコ足にぶつけるとその足をしばらく伸ばしてこなくなる。
オイルパニック マルチスクリーン 1982年5月28日
ゲームボーイギャラリー2
パラシュート ワイドスクリーン 1981年6月19日 キャラによって落下速度が違う。
ヘルメット ゴールド 1981年2月21日 いまモードでは、100点未満でゲームオーバー後にリトライすると、操作キャラがワリオに変化。
シェフ ワイドスクリーン 1981年9月8日 いまモードでは、ほどよく焼けた料理をヨッシーに食べさせていくとボーナス得点。
バーミン シルバー 1980年7月10日 いまモードでは、無傷のタマゴが有るとボーナス得点を獲得できる場合が有る。
ドンキーコング マルチスクリーン 1982年6月3日 いまモードではさらわれるヒロインがポリーンではなくピーチ姫になっている。
ボール シルバー 1980年4月28日 いまモードは「ヨッシー」「マリオ」「ワリオ」「クッパ」バージョンが存在。
ゲームボーイギャラリー3
エッグ ワイドスクリーン 1981年10月9日 キャラを除く内容はゲームウォッチの「ミッキーマウス」と同一。
グリーンハウス マルチスクリーン 1982年12月6日 いまモードはスイカを10個食べるとヨッシーが炎(有限)を吐けるように。
タートルブリッジ ワイドスクリーン 1982年2月1日 いまモードではコインの獲得枚数によりピーチへ届ける物も変化し、得点も上がる。
マリオブラザーズ マルチスクリーン 1983年3月14日 いまモードでは、クッパが地震を起こしてコンベアの流れを逆にしてしまう事もある。
マリオが上のレバー、またはルイージが下のレバーを戻せば元に戻る。
ドンキーコングJR. ニューワイド 1982年10月26日
フラッグマン シルバー 1980年6月5日 × 二人対戦に対応
ジャッジ シルバー 1980年10月4日 × 二人対戦に対応
ライオン ゴールド 1981年4月27日 ×
スピットボールスパーキー スーパーカラー 1984年2月7日 ×
ドンキーコング2 マルチスクリーン 1983年3月7日 ×
ファイア(開発版) 未発売 未発売 × ゲーム画面の左右が反対になっている。
ゲーム画面はシルバー版の物であるが、システムはワイドスクリーン版に準じている。
ゲームボーイギャラリー4
ファイア ワイドスクリーン 1981年12月4日
ボクシング マイクロVSシステム 1984年7月31日 二人対戦に対応
レインシャワー マルチスクリーン 1983年8月10日
マリオズ・セメントファクトリー ニューワイド 1983年6月16日
ドンキーコングJR. ニューワイド 1982年10月26日
ドンキーコング3 マイクロVSシステム 1984年8月20日 二人対戦に対応
いまモードは主人公がスタンリーからマリオに、敵の蜂が炎とテレサに変更。
シェフ ワイドスクリーン 1981年9月8日
マリオブラザーズ マルチスクリーン 1983年3月14日
ドンキーコング マルチスクリーン 1982年6月3日
オクトパス ワイドスクリーン 1981年7月16日
ファイアアタック ワイドスクリーン 1982年3月26日
マンホール ニューワイド 1985年7月8日 ×
トロピカルフィッシュ ニューワイド 1985年7月8日 ×
マリオズ・ボンアウェイ パノラマスクリーン 1983年11月10日 ×
パラシュート ワイドスクリーン 1981年6月19日 ×
ボムスイーパー マルチスクリーン 1987年6月 ×
クライマー ニューワイド 1986年7月4日 × 雲の数はニューワイドスクリーン版に準じている。
セイフバスター マルチスクリーン 1988年1月 ×
ライフボート マルチスクリーン 1983年10月25日 ×
ゼルダ マルチスクリーン 1989年8月 ×

評価点

  • 「むかし」モードはゲームボーイというハードの特性上見た目は完全な移植ではないが、当時人々を熱中させたゲーム性そのままで遊ぶ事が出来る。
    • 画面が2つあるゲームでも、ワンボタンで下画面か上画面のどちらかを大きく見やすく出来たりと、遊びやすいように工夫されている。
    • ただ、ゲーム&ウオッチの特徴でもある液晶セグメントが再現されていないのはややゲーム性に変化があるかもしれない(再現されている部分もある)。
      • 海外でのみ発売された続編以降の移植作品では、液晶セグメントも再現されるようになった。
  • リメイクされた「いま」モードは、ゲーム性が一新され良い意味で別ゲー。
    • 基本的なルールこそ同じなものの、キャラによる重量差、ステージごとの仕掛けの変化など、さまざまな新要素によりゲーム性が大きく変わり、新鮮な感覚で出来るものばかりになった。
    • ゲームによっては特定の行動をする事により一度に大量に得点を得る事が可能にもなり、スコアが溜まり易くなったと同時に戦略性も増した。
    • 「すごくむずかしい」モードは最初から速度最大で始まるため、何度もリプレイするプレイヤーからの評価は高い。
    • 「むかし」モードには無かったスピード感と戦略性により、多くのプレイヤーたちを熱中させた。
      • 点数が上がるほどゲームテンポが早くなり、操作が忙しくなるのに合わせてBGMも加速するという演出が秀逸である。
    • マリオシリーズのキャラクター達が多く登場しており、新作でドンキーコングJr.が久々に主役を務めた作品もある。
  • ゲームをいつでも中断出来る中断機能の搭載。当時としては画期的だった。
    • ポーズ画面で電源を切るとそのまま中断セーブされ、次回起動時にそのポーズ画面から再開出来る。これによりいつでも電源をOFFに出来るため、スリープ機能より便利だった。

賛否両論点

  • 各ゲームは総じて単純明快なルールなので、単純ゆえに熱中し易くもあるが、飽きがきやすいのも事実。
    • ただし元々繰り返し遊ぶ事が前提のゲームであり、発想の原点が「暇つぶし*4」である。原作同様の携帯が可能なゲームボーイというハードを活かして数作品を詰め込んでいることを考えればそれなりに遊びがいや手軽さがあり、前述の中断モードでいつでも辞められるので、文字通りの暇つぶしには最適と言えるだろう。

問題点

  • 一部ゲームの操作性の変化
    • ボタンの関係上、「マンホール」「エッグ」の4ボタンで移動する仕組みを再現できず、上下左右移動は十字ボタン、斜め移動はA・Bボタンに分割されている*5
  • 隠し要素を解禁する条件が難しい
    • 全ての隠し要素を解禁するためには全ての☆を集める(=全ゲーム1000点以上)必要があり、一律で1000点にしてしまっている為、特に一部の「むかし」ゲームでは1000点集めるのが難しい。
      • 「いま」は700点でもミスクリアがあるのに対し、「むかし」のミスクリアは原作そのままの仕様により大半のゲームが500点で打ち止めなため、後半の難しさに拍車をかけてしまっている。
      • また「ボール」の「むずかしい」は原作通り得点が10倍なので、「やさしい」の方が1000点達成が難しいという逆転現象が起こっている。しかも他のゲームが3ミスでゲームオーバーなのに対し「ボール」は1回のミスで即ゲームオーバーになる。
    • 一応隠しゲームやスタッフロールを出すだけならそこまで☆を必要としない。
  • テンポの悪いゲームがある
    • 「タートルブリッジ」の「むかし」は人によっては1000点を出すのに50分以上かかることもあり、カウンターストップの9999点を出すには計算上8時間以上かかることになる。

総評

当時触れる機会が困難になっていた『ゲーム&ウオッチ』を可能な限り忠実に再現した「むかし」モード、(発売当時の)現代風にアレンジした「いま」モードを上手く合わせた移植+リメイクの良いお手本ともいえる内容の作品。
80年代に流行したゲーム&ウオッチが現代にも通用することを証明し、そのゲームの新たな形をも切り開いたシリーズである。


移植、続編

  • 3DSバーチャルコンソールでは『1』と『2』が配信されていた。やや反則だが、VC機能の『どこでも保存』を利用することによっての1000点獲得が楽になっている。ただスーパーゲームボーイ未対応なのであざやかカラーでのプレイは出来ない。
    • 『3』はキャンペーン配布の非売品として限定配信されたのみで、一般配信はされていない。
    • が、2023年2月9日にサービス開始した『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』にて『3』が初期配信タイトルの一つとして、漸く一般配信される形となった。さらにスイッチ2台あれば『ジャッジ』でのオンライン対戦も可能。*6
  • 本作以前に欧州でのみGBに『Game Boy Gallery』が発売されている。こちらはルールをそのままにグラフィックを新規にしたリメイク版。これが販売された一部地域では日本でのギャラリー1が2とされておりナンバリングが一つずれている。
  • 海外版『ゲームボーイギャラリー2』ではゲームボーイカラー対応版が発売されている。
  • 国内では未発売だが、海外でのみGBAで『Game & Watch Gallery 4』として続編が登場していた。
    • 過去にあったゲーム内容をリメイクして再収録するとともに、新ゲームも多数盛り込み、ギャラリーモードなどの演出も強化、これ以外ではプレイ不可能に等しい「ゼルダ」の収録など、超豪華仕様。当初日本でも販売予定はあったが中止となった。
    • 上述のナンバリングのズレを考慮したのか、一部地域では名称が『Game & Watch Gallery Advance』に変更されている。
    • その後、日本では2016年にWii Uのバーチャルコンソールで同作が『ゲームボーイギャラリー4』として配信された。
      • その中身は当時発売中止となった幻の日本語版であり、ゲーム内での言語がきちんと日本語表記になっている。
    • 本作ではマリオファミリーに加えMr.ゲーム&ウォッチが『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に続く形でキャラクターとして登場しており、マリオ達と普通に会話を交わしている
      • しかも上記バーチャルコンソール配信の日本語版では普通の話し言葉の口調である。『スマブラシリーズ』での彼はもっぱら「異世界の住民」として描写されているため、ギャップが激しい。

余談

  • 本作の『1』は、「ゲームボーイ」タイトルで唯一ルイージがパッケージイラストに掲載された作品である。
  • 公式HPのある記述が黒い任天堂としてネタにされる事がある*7。一体この兄弟の15年に何があったのだろうか…。
  • ポーズメニューを開くとその場で中断セーブされるという仕様は、後に同じトーセが開発を担当した『伝説のスタフィー』シリーズにも引き継がれている。
  • かつて任天堂が運営していた『クラブニンテンドー』にて、本シリーズの1部作品が収録されている『ゲーム&ウオッチコレクション』『ゲーム&ウオッチコレクション2』をポイント交換で入手できた。
    • 元が2画面のゲームもDS本体のダブルスクリーンとの相性も抜群で、再現度はゲームボーイギャラリーより高い。しかし交換に必要なポイントは500*8とかなり高いうえ、各収録タイトルは3つだけとお得感は薄かった。
  • 2009年には『ゲーム&ウオッチ』シリーズから厳選された9タイトルが、ニンテンドーDSiウェアで配信されていた。

タグ:

ACT 任天堂 トーセ
+ タグ編集
  • タグ:
  • ACT
  • 任天堂
  • トーセ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月30日 16:39

*1 「スマブラ・ポケモン 両方買うとプレゼント!キャンペーン」の景品として配信

*2 一部、ミスマークが点滅することで0.5ミスであることを示すゲームもある。

*3 ミスクリアの無いゲームもある。

*4 横井氏が電車内で電卓を使って遊ぶサラリーマンを見て「サラリーマンが移動中に手軽に遊べる携帯型の暇つぶしゲーム」という発想から作り上げたのがG&Wである。

*5 「マンホール」のみAボタンに分割

*6 VC版は通信対戦は搭載されていなかった。

*7 なお二人の一人称は本来「僕(ボク)」であり、口調もそこまできつい物ではない。他にはヨッシーやキノピオ、ドンキーJr.がいるが、前者二人は種族名でもあるしドンキーJr.に至っては初めての台詞だったりする。

*8 ゲームソフト購入で得られるポイントは値段によってばらつきありだが、基本的に15~30ほどだった。