かくれんぼバトル モンスタータクティクス
【かくれんぼばとる もんすたーたくてぃくす】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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ゲームボーイカラー(専用)
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発売元
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任天堂
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開発元
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スパイラル
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発売日
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2000年11月21日
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定価
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3,800円(税別)
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周辺機器
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ポケットプリンタ対応
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判定
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良作
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概要
任天堂から発売された一風変わったSRPG。
シミュレーションRPGに「フィールドは暗闇」という要素を足した独特の戦闘システムが特徴。
戦闘システム
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真っ暗な見下ろしマップで敵を見つけ、攻撃して撃破していく。
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1人だけ動かしていき、制限時間内に行動し攻撃したりしていく。その後は相手も同じようにやっていきそれを繰り返す。相手のターンになるとレーダー画面に変わり、向きを変えて辺りを見回せる。
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スキルには無限に使用可能のネイチャースキルと、そのステージ1回限りのモンタクスキルがある。
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スキルには、直線上攻撃、範囲攻撃、爆撃系爆弾など個性豊かである。
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基本的には自分の目の前しか見えないため、どこから攻められるかわからない緊張感が味わえる。
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攻撃は前に受けるとダメージが少なく、背後から受けるとダメージは大きい。横からはそれを半分に割ったダメージ。爆撃系スキルはどの向きでも同じダメージ。
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そのエリアのリーダーを倒せばクリア。それまでに撃破したモンスターのPOW分の賞金がもらえる。
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味方は誰1人も倒れず、敵をすべて倒せばパーフェクト。その場合は貰える賞金が2倍になる。
評価点
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敵を倒してモンタクを集める収集要素がある
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ただ敵を倒すだけではなく、倒した敵からモンタクをとり新しいスキルを使えるようにしていく。
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敵のPOWが足りなくても、研究所でPOWを上げて倒せばスキルをゲットできる。
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またモンタクは売ることができるのでお金稼ぎにもなる。中には高く売れるものも……
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高いPOWほど大きいサイズのモンタクが取れるので、大きいものを集めるという収集要素もある。
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ポケットプリンタでモンタクを印刷できる。また印刷した時に特定のマークがあるものも……
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敵モンスターに個性がある。敵ドットも一つ一つ丁寧に描かれており、図鑑説明文も面白い
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敵の中には、爆弾しか効かない敵、電撃以外は全く効かない敵、通るとネバネバ床にしてくる敵など個性豊か。
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モンスター使いまわしもあるがそれほど多くない。それでもドットは一緒なのだが……
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また、単に敵が配置されているだけではなく、爆弾や特殊な床がある部屋があったり、リーダーや他のキャラを移動させることで扉が開く部屋など、飽きが来ない部屋構成になっている。
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研究所で自由にモンスターを選んで、POWを上げて戦える
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普通のステージには飽きた場合はこれで楽しむ場が増える。ただし経験値はもらえない。お金は通常通り手に入る。
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通信要素も充実
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赤外線センサーでのモンタク交換、リーダー変更可能の通信対戦と充実している。
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モンタクを相手に送れば薬が手に入るし、相手側はモンタクを利用して、いち早くスキルを使うことができるようになる。
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戦闘後のやり取りが面白い
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戦闘後に一定確率でリーダー以外の会話が聞ける。その内容も個性豊かで結構楽しい。
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特定のキャラの組み合わせではないと、聞けないものもあったりする。ただし、主人公(ケビン)とリーダーにしたキャラに対しては聞けない。
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BGMも全体的に短いものが多いが、良曲が多い。
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地下6階の自分のターンのBGMや、ラスボスの部屋のBGMなどがよく挙げられる。ただ、どの曲も短めで物足りない感が強い。
問題点
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仲間のメンバー固定化が目立つ
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仲間は個性的な能力を持ち個性豊かなのだが、その反面有利すぎて偏ったメンバーになることもしばしば。
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特にメンバーの防御アップ+レーダー能力がある、かぜつかいの「シルフィ」は、使い勝手が良すぎるため最後まで入れるケースが多い。ただ防御の補正が自分にはなく打たれ弱いため、やられやすいなどバランスは取れている。
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その他、広範囲の爆撃スキル主体のカエンや、回復したり相手を状態異常にできるターレンなど強いキャラが多い反面、壁をすり抜けできるが、目の前しか見えないシドウは攻撃属性のせいで使いづらい印象がある。
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また、こおりつかいである「シルビア」は「こおり/とぶ」という複合属性なのだが、ゲーム中では「とぶ」の属性があることについて解説されない。
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「かぜ」属性が弱点で「おおつち」属性のダメージか少ない、浮いていて移動速度が速いなどと言った「とぶ」属性の性質で察したプレイヤーは多いと思われる。
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宝石が手に入りづらい
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宝石とは「秘密の部屋」を解禁するために必要なのだが、その宝石が手に入りづらい。
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ターゲット部屋で初めてパーフェクトクリアをすることでもらえるが、どの種類かはランダム+一度っきり。通信対戦なら確実にもらえるものの、相手がいないと話にならない。一部の宝石を除いて対応できる「ハテナのほうせき」もほかの宝石と比べて、入手しづらい。
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そのため、宝石が手に入るスロット・ポーカーをやり続ける羽目になる。
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しかも、下の階層に行くほど大量の宝石を必要とするため、結果的にはカジノをやることを要求される。
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「秘密の部屋」をすべて開けてしまうと、宝石の使い道がなくなってしまう。
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配置が意地悪なステージがある
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自分たちが壁に覆われた場所から始まったり、特定の技で壊せる壁があるステージなど意地悪なステージもある。
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事前告知など無いので、いちいち戻ってメンバーやスキル編成をしないといけないので面倒。
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また、部屋でリーダーだったモンスターは下層の部屋に普通に登場するようになるが、一部倒すのが困難なモンスターも普通に登場する場合がある。
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特に、いかづち属性の攻撃が弱点で、それ以外は受けるダメージが少ない「フロートライト」は後の部屋に普通に登場するため、特定のキャラを連れて行かないと消耗戦になってしまう。
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レベルが上げにくい
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基本的にレベルが上がりにくく、前階層に戻ってひたすら稼いで挑むことが多くなる。また、経験値が少なく、最大でも200ぐらいしかもらえない。
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それに反して必要経験値がかなり多く、最大レベルの36到達には10,000を軽く超えるぐらいの経験値が必要となる。
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その点モンタクをとってお金が稼ぎやすくなる利点があるが、育成の際は演出が入るので邪魔になることが多い。
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パーフェクトが難しい
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一部のエリアでは苦行と化するほど難しめのエリアなども存在する。その分やり込みができるのでいいのだが……
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特に真のラスボスのステージはドレイン系のスキルを多用してきたり、毒状態にする床にしてきたり、厄介な敵が一緒だったりとかなり難しい。
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パーフェクトしてもオーバーフローが起き、賞金合計額が25,500以上だと25,500=0になるというバグが存在する。
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真のラスボス後になるとやることが無くなる
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特定条件での解放で追加モンスターのエリアがあるが、それくらいしかやることが無くなる。
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また手に入れた隠しスキルも試す部分は特になく、通信対戦ぐらいしかない。
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大きいサイズのモンタクをとるのに挑戦したり、全員のレベルを36(最高レベル)にしたりするやり込みはある。
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ストーリーが急な展開で説明不足
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ストーリーは「主人公がモンスターハンティング大会に参加して優勝するのが目標」という単純であってもなくてもよいものだが…。
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ダンジョンを攻略していくと「あるチームが主人公を邪魔したり、人攫いの濡れ着を着せられる」「地下に潜らさせると困るので、国王が大会を急遽中止する」といったことが起きる。その後、突如「国王は財産目当ての偽物だった」という事実が伝えられ、あまりにも急な展開にびっくりしたプレイヤーは多かっただろう。
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一応、本物の国王はストーリーを進めると救出することになり、その後は「どこかにいるモンスターキングと呼ばれる敵を倒す」という明確なストーリーの目標が存在することになる。
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破門された兄弟子の扱いが適当
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上記の大会中止後、緊急事態故、仲間になるが……本来の仲間はどうした?
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兄弟子が率いていたチームは「突如棄権」していたことになってる。
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戦い方が邪道といわれているが強力な能力(仲間キャラとしては有能だがとくには秀でない)はない、欠点は前述の行為が無責任に見えるくらい。
総評
目の前しか見えない真っ暗なフィールドという、新しいタイプのSRPG。
1人ずつ動かし周りを見渡して相手を見つけるという戦略性が熱く、今でも十分通用するゲームシステムとなっている。
やり込み度もそれほど多くないが、じっくり楽しめるゲームであろう。
リメイクや3DSのVC配信に期待しているプレイヤーも多く、今後の知名度の上昇が期待される。
最終更新:2021年06月20日 16:57