悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair

【あくまじょうどらきゅら はーもにーおぶでぃすぺあー】

ジャンル アクション
対応機種 Xbox 360 (Xbox LIVE ARCADE)
プレイステーション3 (PlayStation Store)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 【360】2010年8月4日
【PS3】2012年3月29日
定価 【360】1,200マイクロソフトポイント
【PS3】1,200円
プレイ人数 1~6人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
悪魔城ドラキュラシリーズ

概要

蒼月の十字架』『ギャラリー オブ ラビリンス』『奪われた刻印』のDSで発売された3作品のマップをHDの画面に敷き詰めたらどうなるかというコンセプトを元に作られた作品。
通称『悪魔城ドラキュラHD』『HoD』で、XBLA配信タイトル。以下、本作の特徴。

  • 探索型の要素を取り入れたステージクリア型アクションゲームである。
  • 難易度は高めなものの、練習すれば一人でも十分にクリア可能。
  • XBLA配信から約一年半の月日を経て、まさかのPS3(PSN)版でも配信された。
    • 内容自体はほぼ同じだが、360版ではDLCステージだった第7章と、DLCキャラクターだったユリウス・ベルモンド&ヨーコ・ヴェルナンデスが標準で同梱されるようになった。

システム

操作方法については、360のコントローラーを基準に表記する。

ステージ

  • 全6章(DLCを含めると全11章)のオムニバス形式。任意のステージを選択してプレイする形式で、第2章~第6章に関しては、一つ前の章をクリアしないと解禁されない。第6章をクリアすれば一応のエンディングとなる。
    • DLCで購入したステージはいつでもプレイできる。
  • 最初にメニュー画面で装備品の選択、アイテムの売買などを行い、選択した章に挑戦するという流れ。ボス撃破時に出現する金色の宝箱を開けるとクリアとなる。
  • 全章共通で30分の制限時間が設けられている。またチェックポイントや残機リトライはなく、時間切れになるかHPが0になるとゲームオーバーとなり、マップの最初からやり直し。
  • 第6章をクリアすると、Hardモードが選択可能になる。Normalより敵が強い代わりに、強力な装備が手に入りやすい。
  • スコアも導入されており、XBLAに接続しているとランキングに反映されたり、上位者のリプレイデータを閲覧したりできる。
  • ステージのギミック
    • 各章にはいくつか本が設置されており、ここで装備の変更が可能。ただしその間も時間は進む。
    • 道中に配置されている宝箱を開けることで装備品やアイテムを入手可能。中身は基本的にランダムである。
      • 茶・緑・青・赤・紫・金の6種類が存在。金は前述の通りボスを倒すと出現し、そこからしか手に入らない装備・アイテムもある。茶はミミック(ザコ敵)が擬態していることも。
    • ここで挙げた以外にも様々なギミックが登場する。
  • 本作では1ステージが非常に広いため、カメラの倍率を3段階に切り替えることができる。マップの確認や、マルチプレイ時には仲間の場所を確認するのに便利。

キャラクター

  • 初期キャラクターはアルカード、来須蒼真、ジョナサン・モリス、シャーロット・オーリン、シャノアの5名。
    • PS3版ではそれに加え、Xbox360版でDLCキャラクターだったユリウス・ベルモンド、ヨーコ・ヴェルナンデスの2名も初期キャラクターとなっており、計7名。
  • どのキャラも基本的な性能は原作準拠だが、変更・調整されている部分もある。
    • 特に、原作でのハイジャンプや高速ダッシュや飛行といった高機動すぎる移動手段は、キャラ間のバランスを取るためもあってか、いずれも本作では削除されたり、控えめな性能になっている。
  • ハンタースキル
    • 各キャラの様々なサブウェポンや魔法などの固有能力は、「ハンタースキル」という形式で統一されている。
    • ハンタースキルは「B」「↑+B」「左右+B」「↓+B」の4つのコマンドにそれぞれ任意のスキルを割り当てることで使用する。
      • このため、原作ではサブウェポンなどを装備中の一種類しか使用できなかったキャラでも、本作では4種類の中からいつでも使い分けられるようになっている。
    • キャラによって使用可能なハンタースキルは全く異なる。
  • パーソナルスキル
    • 各キャラの補助的な固有能力。RBボタンで使用する。
    • 一部のキャラはパーソナルスキルが存在しない。
  • 成長要素
    • 本作ではDS悪魔城3作とは異なりキャラクターのレベルアップが(後述の熟練度以外に)存在しない。そのため、各キャラの能力は主に装備品で強化していくことになる。
      • 装備品は敵のドロップ、ショップでの購入、ステージに配置されている宝箱を開ける、といった方法で入手可能。
      • ただし成長要素が全くないわけではなく、キャラクターによってはサブウェポンの熟練度を上げたりソウル・魔法を集めることで強くなっていく。
+ キャラクターの性能

アルカード以外は全員DSの3作品のメインキャラクターである。

蒼真(来須 蒼真)(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』)

  • 原作同様倒した敵からのソウルを収集することで、サブウェポンの感覚で使用したり、パーソナルスキルに設定したり能力強化が行える*1
    • 「蒼月の十字架」と違い魔封陣やソウルを用いた武器強化、ドッペルゲンガーのソウル(装備や使用ソウルの変更)はオミットされており「暁月の円舞曲」に近い能力設定となっている。
    • 各ソウルの性能は、そのソウルの個数で(バレットソウルは全ソウルの総所持数でも)強化される。他のキャラと違い宝箱漁りや熟練度稼ぎが不要で、単純に倒していくだけで入手できるので強化は容易な方である。
  • 様々な種類の武器を装備でき、それによって通常攻撃の性能が変化する。一部の武器はコマンド入力で必殺技が使用可能。
  • 他のキャラにはない「エンチャントソウルによる追加強化」「多彩な武器とソウルによる豊富な攻撃手段」「ソウルは敵を倒すだけで入手可能なので適当にプレイしても集まりやすく強化し易い」「必殺技以外コマンド入力が不要」という事から、初期キャラ中最も総合能力が高くなり扱いやすいキャラクターと言える。
    • 原作では倒した敵からソウルが出現している最中にうっかり画面を切り替えると、出現したソウルが消えてしまうという問題点があったが、本作では画面の切り替えという概念が無いため、出現したソウルを取り損ねてしまうことはない。オマケにオンラインの場合は他者が倒したソウルも吸収可能なので最悪逃げ回っていても強くなる(勿論、他プレイヤーの顰蹙を買わないよう配慮する事)。HD化の恩恵を大きく受けたキャラと言える。
  • 反面、初期装備が弱く、武器は通常攻撃が隙の大きいアクス、ソウルも貧弱なスケルトン(骨投げ)だけで、初期パーソナルスキルは無しなので最初から使っていくのは厳しい。ソウルも種類が多くまた入手が運次第、そして一々各ステージを回って全ての敵を倒していかなければならないので、最強を目指す場合は相当の時間を要する。
    • そしてソウルの入手率も低く、武器に関しても難易度HARD(1~6章クリアで開放)でなければ強力な物は入手できないので、本格的な強化が可能になるのは後半以降となる*2*3
    • 余談だがドラキュラのソウルも入手できる。

アルカード(アドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ)(原作:PS『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』)

  • 蒼真と同じく様々な武器を装備できる、収集系のキャラ。
    • 大半の武器は蒼真と共用可能だが、専用武器もいくつかある上に、盾を装備することで防御力の底上げや間接攻撃の防御が可能。
      • 残念(ある意味当然)だが今作ではシールドロッドやレムリアソードは無いので盾の魔力解放は行えない(一応攻撃判定がある盾は存在するが)。
    • 同じ武器でも蒼真とは攻撃モーションや隙などが異なり、全体的にアルカードの方が有利になっている。
      • 蒼真では必殺技が使えない武器でも、アルカードなら必殺技を使えたり、ノーモーションかつ移動しながら攻撃できたりもする。
  • 原作で使用した暗黒魔法や変身等は、ハンタースキルや一部アクション(スライディングが狼変身ダッシュ、パーソナルスキルが霧変身)として搭載されている。
    • コウモリへの変身や使い魔の使役といった要素は削られている。
  • 暗黒魔法(ハンタースキル)の威力は、その暗黒魔法の所持数で上昇するという収集系キャラ。
    • 暗黒魔法に関しては月下と違い発動時の無敵時間が無くなり、硬直時間の隙がある為に弱体化している。
      • ただしボタン一つで使用できる為にコマンド入力が苦手なプレイヤーには良調整ともいえる。
  • パーソナルスキルは「霧変身」で、霧に変身して一定時間無敵になる。
    • 原作と違い移動は少ししかできないので回避技として使用していく事となる。
      • 燃費が悪いものの最初から使用でき、ボタン1つで行なえる無敵回避技というのは、かなりのアドバンテージである。
  • 「初期装備もクセのない物で使い易い」「武器はショップでもある程度購入が可能で蒼真とある程度共用可能」「暗黒魔法も宝箱で入手する為に強化しやすく特別な操作の必要もない」「盾や霧変身のおかげで防御面でも優秀」なので最初にプレイするキャラとしては最適な部類。
    • ただしやり込んでいくと当たり判定の大きさや暗黒魔法の隙、MP回復速度の遅さなどがネックとなる。
      また、蒼真同様装備品に関してはHARDでなければ強力なものが手に入らないのも痛手となる。

ジョナサン(ジョナサン・モリス)(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』)

  • 聖鞭ヴァンパイアキラーを用いる鞭使い。サブウェポンも悪魔城シリーズお馴染みのものが多いので、従来の悪魔城シリーズファンの方にも安心(?)のキャラ。
  • 原作ではアルカードや蒼真のように鞭以外にも様々な通常攻撃武器を装備できたが、今作では鞭一筋で戦う。
    • 鞭の攻撃力はサブウェポンの総合熟練度によって強化される育成系キャラである。
    • ジャンプ中に十字キーの下を押しながら攻撃で鞭を斜め下に振ることができる。またボタン押しっぱなし+十字キーで鞭振り回しも可能。
    • 鞭は隙があるので闇雲に攻撃しづらいのがネック。
  • サブウェポンは敵や宝箱から入手可能。サブウェポンの威力は個数ではなく熟練度によって強化される。
    • メインの攻撃力に影響のあるサブウェポンの種類が非常に多く*4キャラを成長させるのに物凄い時間がかかる。
    • 原作ではサブウェポンを一度に一種類しか装備できないことが不便だったので、シャーロットと同様、今作でハンタースキルのシステムの恩恵を最も受けたキャラの一人と言える。
  • パーソナルスキルは「ガード」で、ダメージを半減し吹っ飛びにくくなる。また一部の行動をキャンセルすることが可能。
    • MP消費も無く使いやすいが、使用時に少々ラグがある為咄嗟に使いづらい。また吹っ飛びにくい為に多段ヒットする攻撃だとモロに連続で喰らってしまって、普通に一発喰らって吹っ飛んだほうがマシだったなんてことも…。
  • コマンド入力によって様々なマーシャルアーツも使用可能。
    • マーシャルアーツもサブウェポンと同様、宝箱から入手して使用可能となる。サブウェポンと違い熟練度はなく、装備扱いでもないので、入手したものは全て使用することが可能。使用時はMPを消費する。
    • マーシャルアーツは無敵時間が存在したり、一部行動をキャンセルできるので使いこなせればかなり便利。
  • 性能は初期キャラの中で見ると残念だがやや分が悪い。
    • 「サブウェポンの入手や強化に手間が掛かる」「通常攻撃が隙の大きい鞭」という欠点があり、また「マーシャルアーツも別途入手、コマンド入力が前提で不発や誤発もありうる」ので、格闘ゲームが苦手だったり根気が無い人には勧めづらいキャラ。
    • 反面、育ちきってマーシャルアーツを駆使できるのならば多彩なアクションや鞭さばきを披露できるようになる大器晩成のキャラ。

シャーロット(シャーロット・オーリン)(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』)

  • 原作ではジョナサンのパートナーにして主人公の1人。魔法を駆使して戦う後方支援タイプのキャラ。
  • 魔法の収集によって、通常攻撃と魔法の性能が強化される収集系キャラ。
  • 魔法の中には回復魔法もあるので、自分や味方の回復に使用できる。これは他のキャラクターにはない強み。
    • 回復自体は回復アイテムの使用や、蒼真やアルカードもハンタースキルで可能であるが、一定時間毎の少量回復であったり敵や攻撃に依存する物であり、アイテムに関しては個数が指定されているので気軽には使いづらい。
  • 魔法はパーソナルスキルの「封印魔法(飛び道具防御)」で、敵の使用する特定の魔法を防ぐことによって取得する。
    • 一部の魔法は敵にダメージを与えないと使用してこないものもあるので、シャーロットが強くなりすぎると習得が困難になるものもある。また、特性上育成がオンラインだと行いにくいのがネック。
  • 原作と違い、魔法を溜めて強化することはできない。しかし空中でも魔法が使用可能になり、新たに封印魔法も追加されており、ジョナサンのサブウェポンと同様に一度に四種の魔法を使い分けられるようになっており、原作よりも単体での使い勝手は良くなっている。
  • 強化に関しては運頼みのものが少なく、難易度にも依存しないため、手間こそかかるものの強化に関しては楽な部類。ただし「ジャンプキックが使用できない」「装備可能防具が弱い」等、単純な強さという面ではかなり分が悪い。

シャノア(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』)

  • グリフ(通常攻撃武器とハンタースキル)を駆使して戦うキャラ。
  • 原作では多種多様なグリフを用いて戦っていたが、今作では「通常攻撃武器扱いのグリフが3種」「魔法(ハンタースキル扱いのグリフ)が4種」「移動に関するグリフはパーソナルスキルの『キルクルス』」のみとなった。
    • グリフパレットもオミットされた(もっともDLCを用いなければほぼ不要だが)。
  • 通常攻撃用グリフは宝箱から入手する。グリフ自体の攻撃力と刻印の熟練度によって与えるダメージが上昇する育成系キャラ。
    • 使用武器が少ない分、完全な上位・下位互換がないので、どの武器でも(初期装備ですらも)最後まで使い道があるのは救い。また原作と違いMPを消費しなくなった。
  • 魔法グリフは特定の敵が攻撃開始時に発生させるグリフを敵から吸収(十字キー上押し続け)して入手する。入手後は熟練度を上昇させることで、その魔法と通常攻撃の威力を上昇させられる。
    • 同じ育成系キャラのジョナサンと比べて種類が少ない上に、一個あたりの上昇値が大きいので、短時間で強化ができるのが利点。
    • 吸収は敵のスキル使用も封じるのでオンラインでも行いやすく、スキル入手後も役に立つのは利点。
  • パーソナルスキルの「キルクルス」は、ステージの特定箇所に設置されている「磁石」の近くでボタンを押すと、磁石にくっ付くように空中に浮き、ボタンを離すことで反動で大きくジャンプ移動が可能になる、というもの。
    • 磁石にくっ付いている時は十字キーである程度移動できる。ボタンを離した時は十字キーと反対側に飛ぶので、弓を引き絞る時のような感覚で使用するのがコツ。
    • 他のキャラクターにはないショートカット系のアクションであり、一部ルートのショートカットや宝箱の入手が可能。
  • 「他のキャラと違い攻撃手段が少ない分収集が楽で強化もしやすい」「キルクルスによるショートカット」「男性陣にも引けを取らない重装備可能な防具類と独特のグリフ」「特別な操作は(キルクルス以外)不要」とアルカードと並んで初心者向けのキャラクター。
    • 得にNORMALの1~6章で成長に必要な魔法グリフ、基本的な武器は全て入手可能、どの魔法グリフや武器も有効に機能するので単純なクリア(HARD、ショップの商品開放)だけなら最も最適なキャラ。
  • DLC追加キャラクターとしてユリウス・ベルモンド、ヨーコ・ヴェルナンデス、リヒター・ベルモンド、マリア・ラーネッド、シモン・ベルモンド、月風魔が使用可能。
    • PS3版では、ユリウス・ベルモンドとヨーコ・ヴェルナンデスの2名はDLCではなく初期キャラクターとなっている。
+ DLC追加キャラクター

ユリウス(ユリウス・ベルモンド)(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』)

  • 聖鞭ヴァンパイアキラーを用いる鞭使い。鞭使いと言う点だけ見ればジョナサンのコンパチであるが、実際には似ているようで全くの別キャラである。
    • 原作のユリウスよりも出来ることが増えており、なんと鞭を8方向に振れるという点も含めて『悪魔城ドラキュラ (SFC)』のシモンに似た性能となっている。
  • サブウェポンは敵や宝箱から入手可能。サブウェポンの威力は個数ではなく熟練度によって強化される。
    • 使用するサブウェポンは出典でも使用していた六種類*5のみで、グランドクロスはベルモンド系キャラ同士のデュアルクラッシュで使用可能。
    • 鞭の攻撃力はサブウェポンの総合熟練度によって強化される育成系キャラである。
      • 十字キーの上および斜め上を押しながら攻撃で鞭を上や斜め上に、ジャンプ中であれば十字キーの併用で真下も含めた8方向に振ることができる。またボタン押しっぱなし+十字キーで鞭振り回しも可能。リーチも鞭の振り方の関係ジョナサンよりも長い*6
  • パーソナルスキルは「鞭移動」で、シャノアのキルクルスに反応する磁石に鞭を引っかけ、ぶら下がる。キルクルス程の融通は無いが、ある程度の高さなら上る事も可能。
    • 動作自体は通常攻撃と同じであり、違いは「磁石にぶら下がる」「鞭振り回しが出来ない」のみ。
  • マーシャルアーツも共通の「アッパー」を除くと、回避技の「色即是空」のみ。
    • 少量のMP消費で、中距離を無敵になりながら高速移動する。繰り返すと(移動速度を高める装備をした)通常移動よりも早く移動出来る。詳しくは余談の項にて。
      • スライディングも隙が少なく連続使用によって高速移動が可能。
    • アッパーも性質が異なり、ジョナサンが横に広いのに対し、ユリウスは縦に広い。横方向には敵に触れる程近づく必要があるが、一方ある程度なら天井を突き抜けて攻撃出来る。
  • ジョナサンと比してサブウェポンの種類が少なく、またリヒターのようにマーシャルアーツの豊富さも無いが、鞭が8方向攻撃が可能と武器性能が高く、また選択肢が少ないが故に取るべき行動の判断がしやすいのが特徴となっている。

ヨーコ(ヨーコ・ヴェルナンデス)(原作:NDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』)

  • シャーロットと同じく魔法使いであるが、こちらは固有装備である一族の杖と3種の魔法を駆使して戦う。性質としては熟練度型である。
    • ハンタースキルは種類が絞られている分、クセが無く使い勝手が良いもので揃っている。
      • 最初から全てのスキルを所持し*7、数が少ない分成長が早い。
  • マーシャルアーツ、パーソナルスキルは共に持っておらず、純粋なプレイヤー技能のみで戦わなければいけない。
    • スキルをレベルアップさせても強化されるのはハンタースキルと攻撃力のみ。通常攻撃の攻撃範囲が広がったりすることはない。

リヒター(リヒター・ベルモンド)(原作:PCE『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』)

  • 聖鞭ヴァンパイアキラーを用いる、本作3人目の鞭使い。『X月下』『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』の画風を引き継ぎつつも、ハチマキを巻いた『X輪廻』準拠のデザインとなった。
  • サブウェポンは敵や宝箱から入手可能。サブウェポンの威力は個数ではなく熟練度によって強化される。
    • 使用するサブウェポンはユリウスと同じ六種類。アイテムクラッシュや炎の鞭はオミットされている。
    • 鞭の攻撃力はサブウェポンの総合熟練度によって強化される育成系キャラである。
    • 先の二人と異なり、鞭は横方向にしか振ることが出来ない。ボタン押しっぱなし+十字キーでの鞭振り回しは可能。
      • 一方、攻撃の隙が二人より小さく、使い勝手が劣るわけではない。
  • パーソナルスキルは「スピニングキック」で、通常攻撃をキャンセルして出せる。
    • 攻撃力はアッパー等と同じATK依存。相手によっては通常攻撃よりも効果があったりする。
    • 発動時に少し浮き上がるため、二段ジャンプでも届かない場所に上れたりすることも。
  • マーシャルアーツは共通の「アッパー」の他に四種持つ。
    • 例によってアッパーも二人と性質が異なり、判定はジョナサンとユリウスの中間となっている。
    • アーツが他のキャラと比べてMP依存度が低く、ボイスの暑苦しさもあって一人だけ格闘ゲームチックなキャラとなっている。原作イラストではリュウ・ベルモンドとか言われてたし。

マリア(マリア・ラーネッド)(原作:PCE『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』)

  • 四聖獣を使役し、リヒターと共にドラキュラと戦った少女。
    • 通称「兵器」で、原作ではリヒターよりも遥かに使いやすく、最強(笑)*8と呼ばせるほどだった。
  • ハンタースキルはヨーコと同じく、固有の物のみ。
    • 通常攻撃はクセが強く、それでいて貧弱なのでスキルの依存度が高い反面、MP消費が大きく、それでいて回復も遅い*9。MP管理が大事である。
  • パーソナルスキルは「玄武」。ダメージを半減し吹っ飛びにくくなる。また一部の行動をキャンセルすることが可能。
  • マーシャルアーツは原作で隠し技だった「ガーディアンナックル」で、宝箱から入手する。
    • MP消費が高く、また原作と異なり接地時にしか使えないが、長い無敵時間と複合属性により極めて強力となっている。
  • MP依存度が高いのにMP管理が難しい、またそのMPを使用したアクションもクセが強いなど、上級者向けのキャラクターである。
    • 360版はアップデートによりある程度改善されているが、PS3版はかなり使いにくくなっている。詳しくは問題点参照。
  • デザインはほぼ原作と同じだが、リボンが青くなっている『X月下』過去編と同じ仕様。今作では斎藤千和氏がボイスを担当している。カワイイ。

シモン(シモン・ベルモンド*10)(原作:FCD『悪魔城ドラキュラ』)

  • 聖鞭ヴァンパイアキラーを用いる、最も有名なベルモンド家のハンター。
  • 今回はグラフィックこそ8bitの頃のままであるが、挙動が他のキャラクターと同様で、空中制御が効くようになった。
    • 当たり判定は見た目通り小さく、他のキャラではしゃがまないと当たってしまう攻撃もそのままで回避出来たり、スライティングでないと通れない通路もそのまま通れたりする。
    • ステータス画面などで表示されているのは悪魔城年代記のリメイク版のもの。
  • サブウェポンは敵や宝箱から入手可能。サブウェポンの威力は個数ではなく熟練度によって強化される。
    • 使用するサブウェポンはユリウスの物からちょうこう石を除いた五種類*11
    • 鞭の攻撃力はサブウェポンの総合熟練度によって強化される育成系キャラである。
      • なお、購入時に全てのサブウェポン(ナイフ・斧・聖水・クロス・聖書)を所持しており、他の鞭使いと共用できるのも特徴。
    • 鞭は横方向にしか振ることが出来ず、鞭振り回しも不可能。
      • 攻撃の隙が三人より遥かに小さく、またサブウェポンの熟練度に応じて鞭のリーチも伸びていく。
      • ただし特定コマンドによる光属性の遠距離攻撃が可能。
  • パーソナルスキルは持っておらず、純粋なプレイヤー技能のみで戦わなければいけない。

風魔(月風魔)(原作:FC『月風魔伝』)

  • 波動剣を手に宿敵、龍骨鬼に挑む正義漢。本キャラクターのみ悪魔城ドラキュラシリーズ出典ではない*12
    • シモンと同じく8bitグラフィックとなっている。ステータス画面で使われる全身像も8bitグラフィックとなっている。
  • 原作では多種多様な武器や防具を用いて戦っていたが、今作では「波動剣」「ハンタースキル扱いの武器3種」のみとなっている。
    • また「魔性のコマ*13」が二段ジャンプとジャンプキックで一部再現されている。
  • ハンタースキルはヨーコと同じく、固有の物のみ。
    • 熟練度に応じて攻撃力が増加し、また波動剣の波動の追加やスキルの性能が向上する。
  • マーシャルアーツ、パーソナルスキルは共に持っておらず、純粋なプレイヤー技能のみで戦わなければいけない。
    • 波動剣は斬撃と波動の両方に判定があり、また波動はATK依存な為、極まってくると最も効率よくダメージが与えられるキャラクターとなる。
      • 波動の判定はそれぞれで独立しており、一つが当たったからと言って残りがすり抜けたりすることは無い。
  • 各種SEは全て本作のもの。原作からのものは一切ない。
  • ちなみにシャーロットとヨーコは急降下キックが出来ず、マリアはスライディングの攻撃判定がない。

マルチプレイ

  • 特徴
    • 本作では最大6人でマルチプレイを楽しむことが可能(360版はゴールドメンバーシップへの加入が必須)。
    • 互いに協力することによってショートカットが出来たり、とシングルプレイとはまた違った楽しみ方ができる。ただし人数に応じて敵のHPが増加する*14
    • 宝箱からの取得アイテムが全員に行き渡り、落ちているアイテムも全員が拾うまでは消滅しない(壁から出現する肉などは別)という特徴がある。また仲間の近くで消費アイテムを使用すると、効果が仲間にも及ぶ。
    • 仲間が近くにいる時、両者のMPを消費して強力な「デュアルクラッシュ」が発動可能。何が発動するかはキャラクターの組み合わせで変化する。
    • DLCステージは参加者の中で誰か一人でも購入していない人がいると遊ぶことができない。またDLC追加キャラクターは、購入していない人には黒いアックスアーマーの姿で表示される(360版のみ)。
    • 簡単な定型文を使ったラジオチャットが可能。マルチプレイ時コミュニケーションを取るのに使える(一応シングルプレイでも実行可能)。
  • スケルトン化
    • マルチプレイ時にHPが0になったキャラクターはスケルトンとして復活する。全員がスケルトン化するとゲームオーバー。
    • スケルトンはHPが100しか無く、行動も大きく制限される。スケルトン状態でやられても何度でも復活できるが、その度に制限時間が3分減少する。
    • スケルトン状態から蘇生するには、他のプレイヤーに「生命の霊薬」というアイテムを使用してもらう必要がある。
      • 生命の霊薬は青い宝箱から入手可能。ただし一人一個しか持てず、数も限られているため、ご利用は計画的に。
  • その他
    • 上記の「協力モード」に加え、全員が敵同士になる「サバイバルモード」も存在する。
    • PS3版のみ、シングルモードがローカルモードに変更され、2P~4Pのコントローラーを接続してロビーでスタートボタンを押す事によりオフラインでのCO-OPが可能となった。
      • CO-OPはマルチプレイと若干仕様が異なり「食糧は最初に取ったプレイヤーのみ」「1P以外はカメラのズームを任意変更出来ない」「ズームに関係なくプレイヤー間の距離に応じてカメラが離れる」となっている。ただし「入手したアイテムは総取り」となっており、コントローラー端子の設定変更を利用することで、1回のプレイで4人分の稼ぎを得ることも可能。

評価点

  • プレイヤーの数だけ遊ぶ幅がある
    • レアアイテムを得るために同じステージを繰り返すも良し。装備を制限し緊張感を持ってプレイするのも良し。全てはプレイヤーに委ねられる。
      • もちろんそうしなければ楽しめないということは決してない。基礎がしっかりしており、個性的なキャラ・多種多様な装備があるからこそできることである。
    • 2Dの『悪魔城ドラキュラ』シリーズはステージクリア型と探索型に大別されるが、本作は双方の良さを併せ持っている。
  • マルチプレイの導入
    • 本作最大の魅力。前述の通りシングルプレイとはまた違った楽しみ方がある。加えて仲間同士で協力し合うことで道中の攻略がスムーズになる。
    • ステージや慣れ具合にもよるが1ステージクリアまでの時間が比較的短く、ソロマルチ共に自分のペースでプレイすることができる。
    • 敵のHPが上昇するというデメリットがあるものの、こちらの手数も増えるのでそこまで問題ではなかったりする。
    • ラジオチャットでのコミュニケーションも楽しみの一つと言える。キャラによっては非常に賑やかになることうけあい。
  • 多彩なキャラクターやアイテム
    • キャラクターによって武器や技がだいぶ異なるため、遊びのバリエーションは豊富。アイテムの数も豊富で、集めていく楽しみもある。
    • 味方キャラだけでなくボスやザコ敵もお馴染みドラキュラ伯爵をはじめ、DSで発売された3部作を中心に様々な種類が登場。
    • DLCもFC風のステージやキャラなど、往年のファンを喜ばせる要素も存在する。
      • ちなみに月風魔は悪魔城ではなくFCソフト『月風魔伝』からのゲスト出演であり、11章の内容も月風魔伝のものとなっている。
  • BGM
    • 過去作の名曲がアレンジされたものが道中で流れる。設定で流れる曲を変更することも可能。
    • また初代悪魔城ドラキュラのステージBGMが、すべて当時そのままで収録されている*15

問題点

一部のキャラの扱い辛さ・冷遇

  • アルカード
    • 使用武器の多くが蒼真と共用・高性能なアルカード専用武器が少ないことが災いし、蒼真が育っていくと蒼真の劣化になってしまいがち。盾や霧変身はゲームに慣れるとプレイヤー自身の技量でカバーできるのでほぼいらなくなるのも痛い。
    • 他のキャラクターがDLCでハンタースキルが追加されて強化される中「彼のみ追加無し」と言うのも追い打ちとなってしまっている。
      • 一応武器は追加されたが大半は蒼真と共用で、ハンタースキルも多数追加された蒼真との格差は広がっている。
    • 逆に言えばDLCに頼らなくても十分に強化できるキャラクターである。闇魔法も強力なものが揃っているし、武器入手で通常攻撃が一気に強化できるので攻略中・やり込みを行う前でもスペックを発揮しやすい。
      • アルカードが弱いのではなく蒼真が強すぎるだけなので、アルカード単体で見ればそこまで不遇というわけではない。
  • ジョナサン
    • メイン武器強化の為の熟練度上げを要するサブウェポンの数が育成系キャラ中最多。これだけでも入手や熟練度上げが大変だが、追い討ちをかけるが如く、サブウェポン1つあたりの上昇値が低い為に、成長には莫大な時間を要してしまう。
      • DLCキャラは全員育成系キャラだが、サブウェポンが全て入手済みだったり、入手が必要でも熟練度上げが必要なサブウェポンがジョナサンの半分で済むなど比較的短期間で強化できる。
    • クロスや聖水といった鞭使い共通のサブウェポンは1つ入手すれば他のキャラと共有できるが、ジョナサン専用のサブウェポンはジョナサンで集めるしかないため収集にも時間がかかる。
    • メイン武器で変更不可の鞭も、他の鞭使い(ユリウス・リヒター・シモン)に比べて硬直が若干長く使い辛い。
    • ただし無敵時間のあるマーシャルアーツ、手裏剣などの専用サブウェポンは強力なものが多く、育ちきればかなりの火力を持ったキャラへと変貌する。ガードキャンセル(通称:耐えキャン)を用いた瞬間火力は随一で、他の鞭使いでは攻撃できない射角にも対応できる。
  • ヨーコ・ヴェルナンデス
    • 魔法(ハンタースキル)が初期装備のもの以外に存在せず、カスタマイズ性が薄い。
      • 魔法は初期装備の3種類のみ。出典の『蒼月の十字架』通りといえばそうなのだが。
    • パーソナルスキル無し・急降下キックもできないので敵を使ったショートカットができず、一部の攻撃を回避するのが難しい。
      • ただし性能が悪いわけではなく、サブウェポンはどれも強力であり、種類が少ないので育成型キャラの中では育ちきるのも非常に速い。育ちきった際の通常攻撃の攻撃力もそれなりに高い。
    • 全キャラ共通の仕様としてマップ上の燭台を破壊するとMPが最大だとゴールド、減っているとハート(取得でMPが少し回復する)が出るのだが、なぜかヨーコだけ通常攻撃で壊すとMPが減っていてもゴールドが出るため微妙に不便。
  • マリア・ラーネッド
    • 武器やハンタースキルが初期装備のもの以外に存在しない熟練度型キャラ。
    • 育ちきった後の性能は決して良いとは言えず、MP依存度が高いのにMP回復速度が男性キャラと同等なため手数にも問題を抱えている。
      • 360版ではアップデートによりMP回復速度以外は改善されたが、PS3版では全キャラ中最弱とも言われている。PS3版での詳細は後述。

熟練度と装備関連

  • 熟練度が上がりにくく、育成系キャラは若干不利
    • レベル5を超えたあたりからこれが顕著になる。ひたすら敵に技を当てることになるため、作業になりやすい。
    • しかし、サブウェポンの熟練度がメイン武器の威力に直結するため、嫌でも熟練度を上げないと苦労することになる。
      • さらに入手しなければ使えない、使い道のないものでも使わないと(メイン武器の攻撃力に影響するので)いけないのも追い打ちとなる。
      • もっとも、どのキャラも一通りのスキルをレベル5に上げるだけでハードでも十分通用する性能にはなる。
      • DLCで入手できるサブウェポンはメイン武器の威力には無関係なのだが、強力なものが多く強さを求めるならこちらの育成も必須。
  • 装備の種類の格差
    • 防具は各キャラクター万遍なくそろっているのだが、武器・サブウェポンは数に大きな差が出てしまっている
      • 蒼真は武器、スキル共に数が非常に豊富なのに対し、シャノアはDLCが来るまで武器は3つ、スキルは4つしかなかった。
      • ただし育成系キャラにとってハンタースキルの種類が少ないのは、その分成長が早いということでもあるので、必ずしも悪いわけではない。

アイテム入手の運ゲー・廃人仕様

  • 最上級クラスのアイテムの数々は、主に金箱(ボス撃破で出現)からしか入手できない上、その入手確率が極めて低い。
    • 狙いのアイテムを入手するために、運が悪いと何百回と同じステージをプレイしてボスに挑む羽目になることも。
    • 繰り返し遊ぶことが前提な作りである事と、中にはバランスブレイカーな物も存在するため、仕方ないのかもしれないが。
    • 移動速度を上げる足防具を運良く入手できるか否かで、ゲームの快適さが大きく変わってくる。運が悪いと、いつまでも通常速度での移動を余儀なくされる。
      • 入手後は、足に装備する防具はほぼこれ一択となり、装備選択の幅を狭めるという問題もある。
      • マルチプレイでは、移動速度を上げる防具の重要性が高く、後述の問題を引き起こしている。

マルチプレイの問題

  • 部屋を作る際コメントを書くことができないので、その部屋がどのような目的*16なのか他者に知らせる事ができず、参加する側も実際にプレイするまで分からない。
    • アップデートにより、その部屋が現在選択しているステージと難易度が部屋選択画面にて表示されるようになったが、目安程度にしかならないため問題の解決にはなっていない。
    • そのため目的の共有ができず、「同じステージを連続でプレイしたいのに人が残ってくれない」「効率を求めていないのに、効率を求めるプレイヤーが足並みを揃えずボスを倒してしまう」など、マルチプレイの長所が活かされない場合がある。
    • 様々な実力・やり込み具合のプレイヤーが同じ部屋に集まるため、プレイヤー間の格差が生じやすい。
    • 上級者ばかりでプレイする方針の部屋に初心者が入ると、足手まといになりやすく、キック(強制退室)されることもある。
  • 各プレイヤー間の移動速度(ステージ進行速度)に格差が生じやすい。
    • 特に、移動速度を上げる防具を入手・装備しているか否かの影響が大きい。難易度Hardのステージに挑む部屋ともなれば、該当の防具を持っていないプレイヤーは足手まといとなる可能性があり、キック(強制退室)されることもある。
    • 一応、一部のキャラは固有の移動手段を用いれば、それなりに速く移動することも可能。また縦に移動する場面の多いステージでは、各キャラの性能面での進行速度の差は出にくい(足場によじのぼれるか、といったプレイヤースキルの差はともかく)。
      • またステージによっては、先行しているプレイヤーがレバー操作などでショートカットルートを開通させて、遅れているプレイヤーがショートカットルートを通るといった協力プレイも可能。

壁抜けの存在

  • 特定の手順を踏むことで、壁をすり抜けて移動できてしまう。簡単にできることではないのだが、挙動が非常に変態的。
  • これを利用すると大幅なショートカットが出来る場面も存在する。酷い場合、ステージ開始直後から一気にボス部屋に移動なんて物も。悪魔城TASのような動きが人力でできてしまうのだから恐ろしい。
    • 「ホァイ*17」と呼ばれ親しまれている一方、通常の攻略方法からは大きく逸脱したもの(バグに近い)であることも事実であり、マルチで使うと嫌われる可能性もあるので、注意が必要である。

国内PS3版での仕様変更・劣化点

  • 360版と比較して幾つか劣化した点がいくつかある。
  • 1つはスキルの掛け声やラジオチャットなどのキャラクターボイスを新たなボイスでキャンセル出来なくなった事(例:「オッケー」「サンキュー」「よろしくな!」⇒ 早く入力する事で「オッサンよろしくな!」など)。
    • 360版ではこの仕様による言葉遊びもお遊び要素の一つとして楽しまれていたが、PS3版では前の声が後発の声に重なり、かき消されなくなったため、ボイス遊びが出来なくなった。
  • 起動直後からタイトル画面までの間に、多数の注意書き表示が増えた。お陰で起動してからタイトル画面までの待ち時間がかなり長い。
  • マルチプレイ時、メンバーの国籍表示機能が何故か削除された。
    • なお、PS3版にも北米PSNのみで先行配信された通称『PS3北米版』というものもあるのだが、こちらは国籍表示はちゃんと機能しているらしい。ちなみにこの両者は互換性があり、マルチプレイ自体は支障なく可能。
  • 一部キャラの性能低下。
    • シャーロットで全魔法を習得した時のATK(通常攻撃力)が360版で64に対し、PS3版だと59に低下。
    • 最も顕著なのはマリアの性能低下。
      • 360版ではアップデートで全攻撃スキルの消費MPが一律15から10になり、威力も調節されたが、PS3版ではアップデート前の消費MP一律15に逆戻り。しかも威力は360版の調整前と同等となっている。
      • 攻撃スキル「聖歌」から光属性が削除され何故か打属性オンリーの打撃技に。
      • お陰で性能的にはマリアが最弱キャラとされるようになってしまった。
      • マリアの性能の件をKONAMIにメールした人が「アップデート前と後の性能を比較してご意見ご要望を参考に調整しなおしました(意訳)」という返事が来たという話もある。実際、マーシャルアーツ「ガーディアンナックル」の攻撃属性のみアップデート後の物(打・光属性有)になっている。
      • 但しゲームに慣れたプレイヤーからは「他のキャラだと強くなり過ぎて楽々クリアしてしまうので、むしろこの弱さが共闘感を出すのに丁度良い」という意見も。
  • 360版では無かったバグもいくつかある。
    • 1つは立てた部屋の難易度が全てNORMALで表示されてしまうバグ。そのためNORMALだと思って入ってみたらHARDだった、という事が頻発。
      • これはPS3国内版のみのバグで、PS3北米版では起こらない。
    • もう1つは通称モザイクバグ、モザイク城と言われ、特定の章を開始するとマップ地形の一部あるいは全部が砂嵐のようにバグ表示されて視認困難になるというもの。
      • 再現性は一定しないがキャラを頻繁に変更したり、複数の章を順番にプレイしたりして長時間遊んでいると起こり易い。
      • ゲームを再起動すれば治るが、完全に予防する方法はなく再起動以外の解決策もない。
      • 特に発生しやすいのは9章で、1章・2章の背景、10章もバグ発生が確認されている。これが起こると地形が殆ど、あるいは全く見えず、複雑な地形になるとまともに進めないという事になり結構深刻。10章などで起こるとMAP右半分が真っ黒に塗りつぶされ、そこに行くと自キャラも見えなくなるのでお手上げ、といういう事すらある。
      • ただし、発生率が高い9章は人気のある章のためか「バグっても薄っすら見えるし地形覚えたから問題なく進める」「むしろバグったお陰で他の親切な人に誘導して貰えて逆に楽しかった」等の意見もある。
    • PS3北米版特有のバグもある。DLCキャラ「シモン・ベルモンド」にMP5消費して聖属性の玉を飛ばすコマンド技があるのだが、北米版のみ発動してもMP消費のみで技が出ない。360版、PS3国内版では問題なく使用できる。
  • INT上昇値が最高だが永続毒の効果がある「愚者の石版」というアクセサリが、PS3版だと一瞬にしてHP1になるワンミス即死仕様となっている。
    • ベニテングタケなどで普通の毒状態になっている間に装備変更すれば箱版と同じ永続毒になるだけだが、箱版と比べてINTを上昇値が高いわけでもないのでハイリスクすぎる。
  • 以上の点から、基本的に国内PS3版は箱版の劣化移植とされている。が、全体を通して見ればゲームの楽しさは全く損なわれていないので、PS3版でもそれほど大きな問題は無い。
    • むしろハードの普及状況と配信日時の違いから、PS3版の方が箱版よりもオンラインに参加している日本人プレイヤーが多い位である。
    • 北米PS3版はボイスが英語のみなどという事は無く内容は一緒だが仕様が若干箱版に近いので、こちらもお奨め。

総評

マルチプレイを導入し、新たな楽しみ方を生み出した悪魔城。
悪魔城好きには勿論のこと、アクションゲーム好きや、協力プレイが好きな人にもお勧めできる良作である。


余談

  • DLCキャラクターの項で説明した通り、「ユリウス・ベルモンド」のマーシャルアーツには「色即是空*18」というものがある。
    • コマンド入力後一定時間無敵となり、約6キャラ分強制的に移動する。この時鞭攻撃で移動をキャンセルし、更にその鞭攻撃を特定の動作でキャンセルすれば任意の位置で停止することができる。これだけでも移動距離の調節や硬直を軽減する等恩恵は計り知れないのだが、更に予めコマンドを仕込んでおく事によって連続で色即是空を出せてしまう。
      • 「シキソシキソシキソシキソ…」あるいは「シキシキシキシキ…」と唱えながら、通常移動を遥かに超える速度でダメージ地帯や敵の群れのど真ん中を駆け抜けていく様は 紛う事無き変態 最強のヴァンパイアハンターとしてリヒター等と共に名が挙がる事も多い彼に相応しい勇姿と言える…かもしれない。
      • マルチプレイでは変態挙動の中でも人気が高く、「ユリウスでシキソシキソしてたら他プレイヤーもキャラをユリウスに変えた」「まさかの全員ユリウス部屋」「キャラクターボイスのキャンセルを使って『よろシキソクゼクウ…』と挨拶された」という光景も珍しくないとか。
      • ちなみに急降下キック連発での変態的な高速歩行方法「ドゥエドゥエ」は今作でも一応可能だが、ボイス変更で「デェーヤ!デェーヤ!」と、ドゥエとは違った方向でまたうるさい
  • 月下』から悪魔城ドラキュラシリーズに関わり、その後のシリーズのプロデューサーを務めたIGAこと五十嵐孝司氏は、コナミの経営方針と別のプロデューサーによる『キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ』の成功もあってか、本作を最後にコナミを退社。活動の場を別会社へと移している*19
    • 『ロード オブ シャドウ』以前の旧来の世界観による2Dの悪魔城ドラキュラシリーズは、2021年にAppleArcade向けにリリースされた『悪魔城ドラキュラ Grimoire of Souls』まで、おそよ10年もの間沈黙を強いられることとなった。
  • 360版は2019年3月にOneの後方互換に対応した。
    • さらに、2021年10月度前期のGame with Goldタイトルに選出され、Live Gold会員は期間中は無料で入手可能。

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最終更新:2022年06月28日 21:45

*1 ソウルはサブウェポンとして装備するバレットソウル、パーソナルスキルとして装備するガーディアンソウル、独自要素としてステータスの補正や特殊能力の付与が出来るエンチャントソウルの三種類に分かれる。作中ではそれぞれ赤・青・黄の色が付けられており、入手した時点で一目でわかるようになっている。

*2 今作でもソウルイーターがあるものの、相変わらず高価で2つ装備しても数%しか変化しない。

*3 ソウルの入手に限っては他のキャラのスキルと同様にNORMALでも問題なく行える。

*4 育成系キャラ最大の十二種。他は多くても六種である。多い分攻撃力が高くなる、という事も無い。

*5 投げナイフ、斧、聖書、聖水、クロス、ちょうこう石。またこれらとは別に鞭の攻撃力に影響しないDLC追加分の五種がある。

*6 ジョナサンがほぼ直立なのに対し、ユリウスは全身を使っている他、鎖が2つ分長い。リヒターは二人の中間、鎖の数はユリウスと同じ。

*7 DLCで入手できる「賢者の石」は除く。

*8 当時のリヒターの肩書きは『一族最強』『最強のヴァンパイアハンター』。

*9 マリアを除く女性3人の半分で、男性陣と同じ。

*10 当時はベルモン『ト』であった。

*11 何故か出典で使用した事のない聖書は残っている。一方削られたちょうこう石は続編で使用していたのだが…。

*12 『ワイワイワールド』他で共演し、『月風魔伝』にシモンをモチーフにした敵が出る等、縁が全く無かったわけではない。

*13 原作で『ジャンプが攻撃判定付きの無敵』となる強力な武器。

*14 倍々計算ではないので、余程のことが無い限り、多い方が有利となっている。

*15 ただし、DLCで10章を買わないと聞けない。

*16 レアアイテムを取るために同じ章をプレイし続ける、各章を順番にクリアする、DLCで追加された章のみのプレイなど。

*17 元ネタは『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』に登場するキャラ「マクシーム」のボイス。詳細は該当作品の頁を参照されたし。

*18 『暁月の円舞曲』でも使用できる、瞬間移動による回避技。実は本作で初めて正式名称がついた

*19 別のプロデューサーも、後に退社している