本項では『BioShock』『BioShock 2』を併せて紹介します。判定はどちらも「良作」です。



BioShock

【ばいおしょっく】

ジャンル FPS・RPG

対応機種 Xbox360
プレイステーション3
Windows XP/Vista
発売元 【360/PS3】スパイク
【PS3再廉価版】テイクツー・インタラクティブ・ジャパン
【PC】ズー(日本語版販売)
開発元 2K Boston、2K Australia
発売日 【Xb360】2008年2月21日
【PS3】2008年12月25日
【PC】2008年6月27日
定価 【Xb360】7,329円
【PS3】7,140円
【PC】8,190円
廉価版 【Xb360】
プラチナコレクション:2009年7月2日/2,940円
【PS3】
Spike The Best:2010年1月14日/3,024円
2K collection:2012年10月25日/3,024円
※全て税込
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
判定 良作
バイオショックシリーズ
1 - 2 - インフィニット - コレクション

ストーリー

1960年。大西洋上を飛行する飛行機が突如墜落した。幸運にも無事だったジャックは海に沈む飛行機から抜け出し、付近にあった灯台へとたどり着く。 無人の灯台の中に何故かあった潜水艇に乗り込み海底都市「ラプチャー」に迷いこんだジャックは狂人となった住人と戦いつつ、脱出の為に謎の協力者「アトラス」の手を借りながら進むのであった。

概要

  • 一人称視点のRPG風FPS。ストーリーや世界観を楽しむ事に重点を置いているがムービー等でベラベラ喋られる事はほとんどない。
    • いわゆる一本道FPSだがストーリー運びはそれを巧みに利用したものとなっており、最後の真相へとつながっていく。
    • RPG的な成長要素として重火器の強化と特殊能力プラスミドの切り替えや能力の強化、物品の購入ができる。
  • 元ネタはアイン・ランドというアメリカでは超有名な作家の作品から色々と拝借している(敵とされるライアンの名も彼女の名前からねじられたもの)
  • レンチやマシンガンと言った武器だけでなく、プラスミドやトニックと言った物質を体に取り入れることで一種の超能力が使えるようになるのが最大の特徴。
    • 最初に手に入り、人間もメカも怯ませる電撃・エレクトロボルトをはじめ、指パッチンで相手を火に包むインフェルノ、なんでも拾って投げ返せるテレキネシス、敵を同士討ちさせるエンレイジなど多彩な能力が備わっている。
    • 各所においてある遺伝子バンクを使えば使わない能力を入れ替えることが可能なので詰んだりすることはない。

評価点

  • 高水準の3Dグラフィック。特に「水」の表現は2007年発売のゲームの中で間違いなく群を抜いていた。
    • 始めにジャックが水面へ上がっていくムービーシーンから、プレイ可能になる瞬間が分からない程。
  • プレイヤーの「まぁ、ゲームだからな」という意識と構造を利用したメタフィクショナルな展開は驚くこと間違いなし。
    • ネタバレ回避のために詳説は避けるが、それまでの冒険は プレイヤーの自由意志ではなかった ということがゲーム中で明らかにされてしまうのである。その種明かしのイベントの最中、プレイヤーキャラは操作を一切受け付けなくなってしまう。
      • 海外製の3Dゲームとしては珍しいことだが、開発者曰くこれは「プレイヤーへの最大の侮辱」(ゲームを遊ぶ基本である「操作」をプレイヤーから奪うから)とのこと。
  • ラプチャーに住む人々について
    • ラプチャーは野心溢れる天才(と天才だと勘違いしてた底辺労働要員の秀才さん)の住む都市だが、そこに暮らしていた人々の掘り下げも深く行われている。
      • 例えばラプチャーを造ったのはアンドリュー・ライアンと呼ばれる資本家だが、何故周りから荒唐無稽と言われながらも海底都市を築いたか、何故彼は地上の人々を「寄生虫」と忌み嫌うのか……などの人物描写がステージを探索する際に手に入る大量の録音機から断片的に手に入る。
    • ほとんどの録音機はクリアに必要ではないので興味の無い人は無視もできる。ちなみに理解に必須な物は目に付く所に置いてある。
  • 天才達の住処「ラプチャー」(狂喜・忘我・恍惚の意)という場所の表現。
    • 崩壊の一途を辿る海底都市は、1960年代という時代を思わせる造りにしている。一部オーバーテクノロジーだがキニシナイ。
    • 特に芸術家サンダー・コーウェンのお使いをこなす場所、フォート・フロリックのアレ加減がヤバイ。天才の狂気をこれでもかと魅せてくれる。
      • そこの支配者であるコーウェンが正気を失って久しいので至る所にロウで固められた人間がいるが、目を離していると襲ってくる奴がいる。多くのプレイヤーにとってゲームの中で最も印象的なステージと言われる。
  • リトルシスターと呼ばれる幼女達の存在。目は光っているけど可愛いよ?助けるかどうかはプレイヤーの選択で決まります。でも幼女に感謝されるのは悪くないよ?
    • ただし彼女らの保護者役であるビッグ・ダディが、序盤の内に娘に近づいたらどうなるかを強烈に教えてくれます。
  • ローカライズしたスパイクの吹き替えは秀逸。アトラスの名ゼリフ「恐縮だが」等数々の名訳が生まれた。
  • いつでもどこでもセーブが可能。止めたいとき止められます。

問題点

  • 人にもよるが難易度がHARDでも相当ヌルい。設定変更は可能だが無限コンティニュー制な上にノーペナルティ。
    • 復活時に敵はダメージを負ったままなのでアイテムが少ない時はわざと死ぬなどして体制を立て直せばどうにでもできる。
    • またNORMAL以下は即死しないようになっており、HPを上回るダメージを受けた場合は一旦HP1で踏みとどまる。
  • 回復はストック道具さえあればいつでも行える上に一部重火器はプラスミドが無くても楽に敵を倒せる。
    • その上敵が落とす金さえあれば自動販売機から大抵の物が買える(場所によって販売品は変わるが)。そして敵は無限に出てくる為、弾切れが起きにくい。
  • 万一全ての武器の弾が切れても撃破後大金を落とすビッグ・ダディにレンチで突撃すれば良い。
    • コンティニューしてもビッグ・ダディのHPは減ったままなので、適当にレンチ用の特殊能力を装備して行けばそれほど時間をかけずに倒すことができる。
  • 武器の切り替えは一瞬で行えるにもかかわらず、武器ごとの弾薬の切り替えはリロードと同じだけ時間がかかる。
  • レンチ強化トニックが非常に多い(振りの強化・属性付与・ライフ回復・不意打ち強化etc)ので、全部つけることができればほぼレンチ無双ゲーになる。
    • 他にもゲームバランス崩壊レベルの特殊能力がいくつかある為、上級者はそれらを縛ってプレイした方が楽しめる。
  • ミニゲームの出来が悪い。
    • 金庫を開けたり自動販売機のハッキング等で発生するミニゲームだが、ミニゲームで有利になるプラスミドを付けていないと攻略不可能になる時がある。救済手段としてミニゲームを回避する道具もあるが5つしか持てない。
  • 実の所このゲームは敵同士で戦うシステムを取り入れる予定だった。正確にはリトル・シスターを守る「ビッグダディ」と、リトルシスターが持つ「良い物」を狙うその他の敵は互いに敵対設定を持ち頻繁にやりあうようにしたかったらしい。
    • だがその結果プレイヤーの関わらない所での戦闘が増えすぎてしまうので、自然に発生することは殆ど無くされている。ただしこのせいで、世界観上重要な対立関係をキチンとフォローしづらくなった弊害はある。
  • フォート・フロリック以降のステージ。あそこではっちゃけ過ぎたせいか、後のステージには特に語る程の要素は無い。
    • アイン・ランドファンならニヤリとするネタもあるが日本ではマイナー過ぎて特記スべきものない
  • PS3のみの豪華追加コンテンツ。ちなみに国内売り上げは先に出た360版の方が多い……。マルチならどっちにも追加してくれよ。
    • 360版でも地域によってはトニック追加程度のものは配信された。対象地域の版については実績が1個増えているが、その内容は「HARDを復活なしクリア」というもので難易度は結構高い*1
  • 終盤のストーリー展開
    • どんでん返しが終わった後の物語は少々味気ない。展開としては最初と似たようになるのでまた何かあるんじゃないかと思わせる分尚更肩すかしを感じる人も。
    • エンディングは上層部からの指示によって付け加えた物らしい。そのせいか人によってはとってつけた感も……

総評

  • 美しいグラフィック、あっと驚かせるストーリー運びに海底都市の謎が絡んでいるものの昨今のゲームにありがちな演出過多にならず、プレイヤーが楽しめるFPSRPGを目指し成功を収めた作品。難易度の低さはコアゲーマーには向かないが、変わった世界観を味わいたいプレイヤーなら間違いなく楽しめるだろう。

BioShock 2

【ばいおしょっく つー】

ジャンル FPS・RPG

対応機種 Xbox360
プレイステーション3
発売元 D3パブリッシャー
開発元 2K Boston、2K Australia
発売日 【Xb360】2010年3月4日
【PS3】2010年3月4日
定価 【Xb360】7329円
【PS3】7329円
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
判定 良作

ストーリー

1958年、デルタというビッグダディがいた。リトルシスターのエレノアと共に街を徘徊していたが、 突如住人の襲撃に遭遇する。奮戦むなしくエレノアは捕らえられ、デルタも死んだ……はずだった。 1968年、外界では少女が海岸でさらわれる事件が多発している頃、突如としてデルタは蘇った。 どこからか聞こえてくるエレノアの声に誘われて、デルタはラプチャーをさまよい歩いていく。

前作からの変更点

  • 無限コンティニュー制は変わらないが「コンティニュー前提」で組まれているMAPがいくつかあり、同時に複数の敵が襲ってくるイベントも多数用意された。敵の種類も増えた為それほど難易度が低いとは感じない。
  • 持てる回復アイテムの数が減った。バランスとしては丁度良い具合。
  • ミニゲームがそれ用の特殊能力が無くともクリアしやすくなり、すぐに終わる物に変わった。
  • オンラインに対応しネット対戦が可能になった。
  • 色々な都合でローカライズが字幕のみに。前作が良吹き替えだったため惜しむ声は多い。
  • レーティングが何故かZ指定に。これがだめなら前作は……?

評価点(2)

  • より綺麗になったグラフィック。やっぱり水の描写には力が入れられている。
  • リトルシスターの可愛らしさが増した。今回の主人公はビッグ・ダディなので彼女達を連れ回してナデナデできる。また、彼女らといる際大量の敵がやってくるイベントを起こせる。
  • 敵や武器の種類が増え、戦略性の幅が増した。
  • 前作とステージは全く異なるが、それらがラプチャーの雰囲気を壊していない。特に遊園地辺りは非常にたのしい。
    • ここが吹き替えだったら……!と惜しむ声が本当に多い

問題点(2)

  • 今作からやる人間へのフォローがほぼ無い。ストーリーも悪くは無いが前作ほどのひねりを期待すると少し残念な気分になる。
  • 主人公はビッグ・ダディ(潜水服を着た改造人間)なのだが、ビッグ・ダディ特有の固さが全く無い。フォローとして「装甲を犠牲にして運動性を得た初期型」という説明はある。しかしその割には遅い。敵で出た時はあんなに早いのに。
  • 字幕の不具合で特定の状況で少しでも動くと字幕が表示されなくなるバグがある。
  • 敵キャラクター含め非翻訳化。前作でも日本語吹き替えには賛否両論こそあったが、戦闘中に間抜けな発言や迷言を繰り返す敵キャラに愛嬌を感じる面も多々あっただけに、本作ではネイティブな英語を話す敵キャラに対して前作ユーザーは間違いなく「日本語でおk」と感じるだろう。

総評(2)

前作の不満点をほぼ解消した秀作。ストーリー以外は腑に落ちない点はそれほど見あたらない。 そのストーリーも「前作と比較したら」という前提な為、それほど悪いものでもない。 前作を楽しんでプレイできたユーザーならきっと楽しめるだろう。


余談

  • 『2』のPC日本語版も発売予定だったが、中止されてしまった。
    • このPC版『2』、発売から3年が経過した2013年10月4日に突如、認証に使っていたGfWLが取り払われた上に、Steamの各種機能に対応、サポートしないと言っていたゲームパッドを正式サポート、「Minerva's Den」を除く各種DLCを収録といった大型アップデートが行われユーザーを驚かせた*2。既存ユーザーには「Minerva's Den」も無償配布と太っ腹な内容である*3
    • ……が、このアップデートにより有志による日本語化の適用方法が変動してしまった。痛し痒し。
  • 2013年1月に発売されたPS3/PSVitaソフト『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』に、本シリーズからビッグ・ダディとリトル・シスターが出演している。
  • 2013年4月にシリーズ最新作『バイオショック インフィニット』が発売された。これまでの海底都市ラプチャーからうって変わって、空中に浮かぶ都市コロンビア"Colombia"が舞台となる。開発は1作目と同じくIrrational Gamesが担当。
  • 2016年9月にHD化と全てのDLCの統合を施した『バイオショック コレクション』がPS4/XboOne/PCで発売。1/2/Infiniteの単独版も同時にストアに登録されたが、こちらについてはPC版のみ「旧版を持っていたプレイヤーには新版が無料配布」された。どんだけ太っ腹なんだこの会社…。