スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd

【すーぱーろぼっとたいせん すくらんぶるこまんだー ざ せかんど】

ジャンル リアルタイムシミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンプレスト
開発元 エヌケーシステム
発売日 2007年11月5日
定価 7,329円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
スーパーロボット大戦シリーズリンク


概要

スクコマシリーズの2作目だが、前作とのストーリーの繋がりはない。
前作は新機軸のスパロボとして発売されシナリオや画質など良点もあったのだが、日本では馴染みのない「リアルタイムストラテジー(RTS)」というジャンルである事、既存のスパロボとは全く違うシステムゆえ良い評価はされなかった。*1
しかし今作はそういった前作の不満点を大幅改良し、名作として生まれ変わった。

+ 参戦作品一覧

★マークは新規参戦作品。

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • ゲッターロボG
  • 機動戦士Ζガンダム*2
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • ★機動戦士ガンダムSEED DESTINY
  • 聖戦士ダンバイン
  • 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
  • ★マクロス ゼロ
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • 勇者ライディーン
  • ラーゼフォン
  • 超獣機神ダンクーガ
  • ★神魂合体ゴーダンナー!!*3
  • バンプレストオリジナル

評価点

  • リアルタイムの臨場感
    • 原作設定に近い頭身で描かれた最大8体ものロボットたちがリアルタイムで走り、飛び、敵ロボット軍団や巨大な空中戦艦に挑む様はまさに『スーパーロボット大戦』。
      サイズが数段階で統一された2Dスパロボや、自キャラの操作で忙しい「Another Century's Episode」シリーズでは味わえない臨場感である。
      • 例えば、ビルバインとゲッタードラゴンを並べると、そのサイズ差が一目瞭然となる。この要素は実際に戦術にも組み込めることもある。
  • 前作から大幅改良されたシステム
    • 全体的に、前作からより従来のスパロボシリーズのシステムに近づくような調整がなされている。
    • インターフェイスが改良され画面が見やすく、コマンド入力も快適になった。
    • 高低差の概念、海中、空、宇宙マップ
      • 地上戦主体だった前作からマップのバリエーションが大幅に増し、より戦略的な戦闘が可能となった。
    • 飛行・変形合体
      • 同じく前作は地上戦が主体で、本来は変形可能な機体も地上を歩いて移動する形しか取れなかった*4が、今作では可変機の変形移動が可能となった。
    • 機体への指示の細分化、精神コマンドの導入
      • 前作ではコマンドの支持は大まかなもので、味方は支持された戦略どおりAIによって独自に技を選択していた。そのあいだプレイヤーは機体の戦闘を指揮官として見守って、適宜作戦を変更していく形であった。
      • 今作では使用する武器などの細かい指定が可能となり、スパロボシリーズ恒例ともいえる「精神コマンド」を導入し、様々な特殊効果をつけることが可能になった。一定時間無敵になる敵専用の「笑止」など、RTS要素を強化する本作独特の精神コマンドも存在する。
    • 上記のシステムの追加により、若干前作と比べ操作が複雑になったものの、戦闘・戦略のバリエーションも一気に増えた。
      • 特にこれらの恩恵を受けているのがゲッターロボとバルキリーである。双方とも原作アニメさながらの3形態の使い分けを実現している。
    • 撤退及び最大出撃数より1少ない状態でなら増援というコマンドが使用可能になる。
      • 文字通り、撤退は現在出撃してるユニットを引っ込め、増援は非出撃ユニットを戦場に送る。それらを活用することにより、どんなユニットにでも活躍の可能性を帯びている。
    • また初心者救済として、ユニットを1機だけアクションゲームのように直接操作することが可能になった。操作のオンオフ、ユニットの切り替えは何時でも可能。
      • 往来のスパロボにおけるMAP兵器にあたる必殺技を効果的に放つための位置調整にも使えるため、慣れていても使用する価値はある。また、AIによる操作でユニットが地形に嵌って動けなくなったり、障害物等で攻撃が阻まれる状態でも闇雲に攻撃するユニットを助ける際に使う事もある。
      • 但しあくまでRTSなので本格的なアクションゲームのようなスピード感を期待してはいけない。
      • 細かい操作が可能なため、前作でストレスの溜まる要素となっていた強化パーツ回収がやりやすいという隠れたメリットもある他、大型ユニットの死角に潜り込んで一方的に攻撃する、敢えて歩行移動させる事でENを自然回復させつつ移動するといった裏技もある。
  • ロボットのモーションも作りこまれている。
    • 例えばロケットパンチを放った後に原作と同様のポーズをとる(逆に言えば隙だらけなのだが)。
    • 必殺技では、該当作品の版権BGMが流れ、TBSスパロボ宛らの迫力の演出で攻撃を行う。
    • ゲッターロボやゴーダンナーなどの合体・変形はムービーとして独立していて、再現度はかなりのもの。
  • シナリオ
    • シナリオはSF作家のオキシタケヒコ氏が執筆。良質なクロスオーバーを始め、主人公のケイジを取り巻く環境、ラスボスの異質さ、強力さなど、シリーズの中でもかなり高い評価を受けている。また、マクロス関連以外ではスーパー系がやや目立っている。
  • スーパーロボットを制限する法「特機法」とそれを悪用する軍需産業、戦火に巻き込まれた民間人死者へ哀悼の意を示す描写の多さ、各作品のスーパーロボット科学者が協同で調査し世界の成り立ちを調べ上げるなど、当時としては異質な展開が多い。また、後述のように、リアル系の活躍も、決して劣っているわけではない。
  • 主人公のケイジ・タチバナは、士官学校で記録的な成績を残しているが、天才タイプではなく努力型の人間。新兵・孤児などといった個性から様々なキャラとの絡みがある。彼の乗機である羽々斬は搭乗者に過大な負担を強いる代物で、ケイジも徐々に蝕まれた結果、搭乗していれば辛うじて死なないという共生関係になってしまう。
  • 『超時空要塞マクロス』は、巨人族「ゼントラーディ」の脅威や、複数の敵組織が「マクロス」を強奪しようとするなど、初参戦の「α」に匹敵する扱いとなっている。
    • また、工藤シンがかつてフォッカーの部下であったことを鑑み、スカル小隊の一員として活躍するなど、クロスオーバーも好評。また、可変戦闘機のガヴォーク形態が非常に強力で、柿崎ですら主要ユニットの一角に抜擢されるほど。
  • 『ゴッドブレス・ダンクーガ』は、道那賀小百合を使ってムゲ・ゾルバドスが復活するという展開は原作のままだが、ムゲを打倒したのが異世界の獣戦機隊という設定になっている。そのため、忍たちが知らないムゲに付け狙われるという、やはり異質な展開となっている。後述するように、ムゲの扱いには少々問題はあるものの、今までにない展開という意味では、やはり秀逸と言える。
    • また、 資金源として名高かった グザードも、本作では主人公勢の今後を左右するターニングポイントとして大いに目立つ。このシーンでは、式部雅人とその父親の関係も大きな見どころとなっている。
  • 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は、原作で敵対していた『地球連合』および『オーブ首長国連合』にスポットが当てられている。前述した特機法はロゴス主導によるものであり、オリジナルキャラとジブリール、ネオとビショット、デュランダルとシロッコなど、敵同士が大いに絡む。味方側も、インパルスガンダムとゲッターの機構の共通点が指摘されたり、後述するゲッターポセイドンとアビスガンダムの死闘、タリアと忍の意気投合など、クロスオーバー自体は好評。
    • ただし、肝心の主役勢に関しては少々問題がある。詳しくは後述。
  • 『マクロスゼロ』は原作終了後2年が経過という設定。シンが救出されフォッカーと再会を果たすという展開で加入し、スカル小隊の先輩として振る舞う。マオはサラの後を継いで巫女になり、『ダンバイン』のジャコバ・アオンの声を聞くなど霊感的なものが強くなっている。鳥の人は本作の世界観において重要な役目を持ち、それ故にラスボスやキャンベル星人、ネオ・ジオンなどに利用されるが、ヒロインのサラを仲間達が救い出し、原作よりも救いのあるEDを迎える。
  • 『聖戦士ダンバイン』は、真新しい展開こそ多くはないものの、前述した『SEED DESTINY』『マクロスゼロ』などと密接なクロスオーバーを見せるほか、バイストンウェルへの召喚やバーンの暗躍など、見どころは多い。
  • 『ガンダムW』や『ゴーダンナー』の面々は、アムロやクワトロ、フォッカーらと共に、前大戦の英雄として自軍を引っ張る。特に張五飛は藤村静流に正義の考えを語るというシーンを始めとして、EDではプリベンターに所属した『ガンダムSEED DESTINY』のシン達の上官になって面倒を見るといった具合に、『64』での迷言などネタ扱いされがちだった従来とは異なる格好良い言動が多くなっている。原作では剣の境遇を示すファクターであった「メナージュ・ゼロ」も目立っており、自軍にも大きく影響するほど。また、『コン・バトラーV』の豹馬や『マジンガーZ』の甲児が、猿渡ゴオを慕っているというクロスオーバーもあり、この要素はのちに参戦する『L』にも引き継がれている。
  • 『ラーゼフォン』は、かなり短いあいだではあるが、「MX」で猛威を振るった「真聖ラーゼフォン」が正式に加入。さすがにMXほどの性能はないが、その実力は自軍でもトップクラスとなっている。
    • オリジナル主人公であるケイジと綾人、ヒロインのバレンティナと遥の絡みも大きな見どころ。のちにリリースされる「Zシリーズ」を彷彿とさせるような、オリジナルキャラと版権キャラクターの友情を見せてくれる。
  • サイズ差を反映したイベントシーン
    • 従来のスパロボと異なり、イベントシーンはフルポリゴンのデモで表現される。
      • 6メートルのダンバインが助太刀に入ってきた57メートルのコン・バトラーVを見上げる、非常に再現度の高い「ブルーフレンド」のイベントなど、見どころは多い。マップ前後の会話シーンの背景もロボットが降着状態で並ぶ風景など多種多様。
      • アビスガンダムが倍以上の大きさであるゲッターポセイドンと戦う羽目になったり、ハイパー化した事でスーパーロボット以上に大きくなったオーラバトラーなど巨大さを利用した演出が多い。
  • 育成要素
    • 本作では敵を倒した際に得られるEXP(経験値)を消費する事でパイロットの能力を強化する育成形式を採っている。全体的には各パイロットの初期能力値が高い程成長に必要なEXPは多く、その逆も然りという傾向になっているため、歴戦のパイロットは最初からその貫録に見合った実力を誇り、新米・若手パイロットは中盤以降目に見えて強くなってくるという、プレイヤーがキャラクターの設定や成長を実感しやすい育成システムとなっている。
    • レベル差による経験値の増減が無いので特定のキャラを集中的に育てやすい。また、主人公や他数キャラが持つとある能力を強化すればそのキャラ以外のユニットが得られるEXPが常時約2倍にまで増加させる事も出来るため、好きなキャラを1周目で極限まで育成する事も容易である。
      • 反面、各能力の限界値は往来のスパロボよりも低めに設定されているので、最終的な戦闘能力は機体で差が付く事となりやすい。本作では機体の乗り換えが出来ないという点も痛い。
  • フリーバトルモード
    • 本編とは別に敵味方ほぼ全てのユニットを使用可能なフリーバトルモードが用意されている。機械獣とマジンガーの共闘も可能。
    • フリーバトルで稼いだ資金や経験値は本編にも反映される。ストーリーモードより実りは少ないが、利用すれば有利に戦闘を行える。本作は全滅プレイができないため、その代わりの措置になっている。
  • ニューゲーム時に難易度を4段階から選択できるため、RTSに慣れていないプレイヤーも、慣れているプレイヤーもとっつきやすい。
    • 難易度が上がると敵が手ごわくなるだけでなく、特定イベントでの敗北条件が厳しくなる。(制限時間が短くなるなど)
  • BGMの選曲やアレンジが独特で高評価を得ている。
    • 特にダンクーガBGM「愛は奇跡(ミラクル)」は原曲が分からないレベル。
    • オリジナル主人公の専用BGMも評価が高い。
    • ガンダムWBGM「WHITE REFLECTION」には本作の「戦闘BGMを一定時間流した後、ステージBGMへと戻す」という形式を利用してアウトロで曲を終わらせるという、普段のスパロボとは異なる試みもある。

問題点

  • 敵の必殺技の確認が不便
    • 敵ユニットが必殺技を使用する際には事前に攻撃範囲をマップ上へ表示しながら短時間行動し、その後に敵を捕らえていれば発動するという流れとなる。オペレーターのガイドがある場合には必殺技発動の兆候を知らせてくれるが、そうでない場合は敵を観察する事で兆候を調べる必要が生じる。しかしその兆候である攻撃範囲はマップの表示が最大望遠状態でなければマップ上に表示されないという仕様があり、これが非常に不便。最大望遠状態では通常ユニットの位置関係が分かりにくいうえに表示も自軍と敵軍を識別するだけの赤丸と青丸になるので、どのユニットがどこにいるのか把握し辛い。加えてこの状態では機体モデルが表示されなくなるため、スパロボの肝である機体の動作を見る事がまるで出来ないという致命的な欠点がある。これにより、必殺技を不意打ちで喰らうリスクを負いながら戦闘を眺めるか、頻繁に最大望遠状態で相手を観察して堅実にゲームを攻略するかという、どちらを取ってもキャラゲーとしてはあまり好ましくない選択を強いられる。
      • ユニットへ指示を送る際には一時停止がかかりマップの拡大縮小も出来るため、その状態でならばゆっくりと敵の動向を確認可能。裏を返せば、戦闘の進行を一々妨げる要素ともなってしまう。
  • 嫌らしいステージ構成
    • 単純な戦闘に関しては程良い塩梅でバランス調整が行われているため、例え最高難易度でもある程度は好きなユニットを主力に据えて攻略する事も可能。問題は各ステージに定められている敗北条件であり、自軍全滅以外の条件により敗北する事が非常に多い。強制出撃機体が上記の必殺技による不意の一撃で撃墜されて敗北する事はザラにあり、やたらと脆い護衛対象が敵から集中砲火を受けるまでも無く沈むステージも複数存在。酷い例を挙げると、強制出撃機体の撃墜が敗北条件であるにも拘らず特定位置のユニットを無条件で撃墜するイベントが説明も無しに発生するステージや、機動性が最高クラスのユニットで開幕から飛ばしても撃墜寸前までダメージを受けるタイミングで辛うじて合流出来るような配置で護衛対象と敵ユニットが並んでいるステージ、敵組織との総力戦を行っている最中に一撃で撃墜されるような弱い護衛対象がいきなり登場して最後まで居座り、迅速な撃墜が難しいタフな敵ユニット数体から集中的に狙われるステージ等がある。
  • 終盤の巨大ユニット戦で同士討ちに陥りやすい
    • 戦艦などの巨大ユニットは砲台や心臓部への部位破壊でダメージを与える形式になっているが、標的が小さく、通常ユニットと違って攻撃できる方向が限られるため、味方ユニットが標的の前で押しくら饅頭になることがある。
      本作では味方に対してもダメージ判定が発生するため、強敵の前に密集した味方ユニットが近接武器で周囲の味方を巻き添えにして同士討ち状態に陥ってしまう。近接戦をメインとするユニットは特に顕著。
  • 前作は地上戦オンリーだった反動か、陸戦ユニットが冷遇気味
    • 陸戦ユニットは移動が遅く障害物の影響を受ける、飛んでいる敵が多い本作では攻撃しづらい、空中移動ができるユニットのみ出撃可のステージが多くシナリオによってはステージが全て空戦というシナリオもある。
  • マニュアル操作でのロックオンが不便
    • マニュアル操作で攻撃するにはまずロックオンしなければならないのだが、そのロックオンが他のユニットに指示をするための停止中には出来ず、攻撃したい敵にロックオンできず思わぬ被害を被ることがある。
      • 大事なことなので何度も言うが、本作はRTSであり、マニュアル操作はあくまでオマケ要素に等しいということを忘れてはいけない。
      • しかしAIの動作が完全ではないために、自分と敵を阻んでいる障害物へ延々と攻撃を繰り返すためにこのオマケを使って補助してやらねばならない状況が多発するというのもマイナス要素である。
  • ジャンルの都合上仕方ないが、動きがややもっさりしている
    • ロボゲーはスピード感を売りにした3Dアクションゲームが多いので、RTSであるにもかかわらずどうしても比較されてしまう。
      • 単純に移動スピードを求めるなら、精神コマンド「加速」を使用した機体をマニュアル操作するといい。
      • 特に「加速」使用のビルバインの速さは圧巻(ウィングキャリバー形態で更に速くなる)。
  • RTSとスパロボ(キャラゲー)的演出の不和
    • 通常の据え置きスパロボだと一戦闘ごとにキャラの音声を聞けるのだが、RTSでは「一戦闘」という区切りが無いため、キャラの音声を聞く機会が比較的少ない。
      • 敵発見、敵撃破、瀕死、必殺技などの限定的な状況でしか喋らない。
      • 限定状況以外でもたまに掛け声を発する。マニュアルモードならばかなりの頻度で掛け声を発してくれる。
    • 特定のユニット同士が戦闘すると会話イベントが発生する。その際数秒のロードと共にゲームが止まるので、操作が中断されてテンポが悪くなる。
      • ターン制のスパロボだと気にならないが、リアルタイムだと会話ストップ→数秒操作→会話ストップ→一瞬操作→会話ストップなどとウザったいことになる。
      • リアルタイムなのでいつ発生するかの予測もしづらい。特に部隊を二つ以上に分けて運用してる時は。
      • その会話イベントもテキストのみでボイス無し。ポリゴンデモが入るような規模でもボイスは無い。
    • しかしリアルタイムだからこそ出来た演出もある
      • とくに撃墜数を淡々と数えていくアムロは鳥肌物である。
  • 機体演出の省略が不能
    • 必殺技の発動時や特定のユニットが合体・分離・変形・換装を行う際には専用の演出が挟まれるが、ロードも逐一挟まれるのでスキップするにしても1回につき7秒程度は時間がかかる。
      • 本作では多めに存在する護衛対象の防衛や制限時間内でのクリアが目的であるステージでは如何に敵を素早く殲滅出来るかが肝となり、そうでなくとも必殺技を使用する敵ユニットは早急に倒さねば何度も必殺技を使うので、時間を止めて一方的に相手を攻撃出来る必殺技は重宝する。そのため、ボスや大量の敵が相手の場合には戦闘中に何度もしつこくロード待ちが発生する事が多い。
      • 合体系の演出に関しては、精神コマンドを使い分けるために変形によるパイロットの切り替えを頻繁に行うゲッターロボと得意な攻撃距離を切り替えるインパルスガンダムが顕著。後者は出撃させられる機会が少ないのでまだマシだが、前者は序盤からの主力ユニットであるため、この問題に悩まされる。
  • インターミッションが不親切
    • インターミッションは強化するだけの場所で、武器の詳細なデータを見ることができない。
    • パイロットの養成では技能の追加や能力の上昇が行えるが、所持精神コマンドを見ることができない。本作ではインターミッションで精神ポイントを50上げることにより覚えることができるが、どんなコマンドを覚えたのかをその場で確認することができない。そのため上記も含めて、戦闘開始前のユニット選択か戦闘中に見るしかない(なお必要気力に関しては戦闘中でしかわからない)。
    • 本作では「第○話」のアイキャッチが入らず、話数とサブタイトルはセーブ/ロード画面でしか確認できない。
    • セーブ画面に関してもインターミッション中には選択出来ず、強化を終えて次のステージへ進む事を決定した直後に挟まれるため、次のステージに備えて慎重に強化を行いたい場合は「いきなりインターミッションの終了を選択⇒セーブした後リセット⇒ロード後はインターミッションから始まるのでそこで強化⇒インター終了、セーブせずにゲームを進める」という面倒な手順を踏む必要がある。
    • 本作では使えるユニットが強制出撃機体のみのステージや出撃可能なユニットに様々な制限がかかるステージが多く、出撃準備時には機体強化を行えないにも拘らず、次のステージの情報は一切教えてくれない。大抵は上空へ必殺技を撃てないというような隙があったり危機に陥ると制限が緩和されるなどの救済措置が設けられているものの、中盤にはそういった物も無くたった2機の強制出撃機機体で、5~7機を同時に相手取る事が前提のような高い性能を持つ敵の大将と戦わされるステージもあるので、強制出撃機体だけでも事前に教えて欲しかったところである。
  • 本体の処理限界のためか最大出撃数が少ない
    • 多いステージで8機。その措置として撤退と増援があり、1シナリオに最大3ステージ(1機のみ出撃ということもあるが)あるため満遍なく改造しておいて損をすることはない。
    • 気になるかは人によるが、やや処理落ちがおきる事もある。特に敵の増援とイベントが重なったときはフリーズしたかと疑ってしまうくらい読み込みが発生する。
  • 文字のフォント
    • 「ユ」が「コ」に見えるデザインであったりとフォントが微妙におかしい。おかげでオリジナルキャラクターの「シュウイチロウ・ユキムラ」は「キムラ」と呼ばれる羽目に。また、漢字がありえない字に見えるほか、「う」と「ラ」も見分けがつきづらく、「うううう…」とうめき声を上げるシーンが「ララララ…」と読めてしまう。本作は『ラーゼフォン』が参戦しているためネタ的な人気を博している面もあるが、やはり見づらいのは困ったところ。
  • シナリオモードと戦闘の時間的なバランスの悪さ
    • 膨大なテキストとリアルタイムバトルで構成されているため、シナリオを30分読んで肝心の戦闘は5分もかからないという場合が多々ある。
  • 一部敵キャラの扱いの悪さ
    • ロゴスの指揮下、世界各国で虐殺を楽しむヤザン、ジブリールに忠実なトッドとバーン、ユキムラに利用されるだけされた挙げ句捨て駒にされるムゲなど一部の敵キャラが三下の悪役になっている。ヤザンは戦闘狂ではあるが民間人の殺傷を好まない。また故郷の被害を最小限に押える為に奔走したトッドが無闇矢鱈と戦場を広げるジブリールに忠実であることは不自然である。バーンも冷酷さと卑劣さが目立つ男ではあるが最低限の騎士道と女性への優しさは持ち合わせており、女子供を洗脳して兵士に仕立て戦場で使い潰すジブリールに反発する場面が全くないというのは違和感がある。
  • 新規参戦となった『ガンダムSEED DESTINY』は、主人公であるシンの正式加入があまりにも遅い。この影響から、前期主人公機の「インパルスガンダム」が序盤で一度使えるだけと、新規参戦としてはあまりに物足りないと言える。
    • ただし、シンの不遇は本作の問題というわけではなく、原作にも共通するものである。飽くまで扱いではなく、正式加入が遅すぎることが問題であることを留意されたい*5
  • BGM
    • 高評価な選曲やアレンジがある一方で、独特すぎて批判を受ける物も幾つかある。
    • 第3次α同様にハードの性能不足の関係でリソースをゲーム部分に優先しているせいか音質はイマイチ。
    • 版権BGMに対してオリジナルBGMはあまり評判が良くない。
  • 高難易度の隠しミッション
    • 本作ではフラグを立てる事で自軍に加入する敵キャラが2人存在するが、その過程で発生する隠しミッションをそれぞれクリアする必要がある。発生したらクリアするまで本編には戻れない。
      • 特に1つ目の隠しミッションは「離れた位置にいる2つの敵部隊に同時に攻撃を仕掛ける」という物だが、この同時攻撃の判定がかなりシビアで、少しでもズレると敵がすぐ逃げて作戦失敗となってしまう。タイミングを掴めない限り、ここで延々とGAME OVERの字を見る羽目になる。
      • 一方で2つ目の隠しミッションは「MAPを探索して敵(及びその発生源)を殲滅」というシンプルな物。探索は手間だが、操作ユニットが強く時間制限なども無いため、1つ目よりはよっぽど楽である。ただし、ゲーム難易度を高めに設定しているとそれなりに強い雑魚敵20体以上をさして強くないユニット2機(未改造機+序盤で離脱し、育成や改造がそこまで出来ていない事の多い機体)で補給も無しに殲滅する事になり、場合によっては1つ目よりも難しくなる。一応、フリーバトルを用いる事で機体の強化は行えるのでここで手詰まりになる事は無い。

総評

シリーズの中でも異質かつ良質なシナリオとクロスオーバーに加え、前作のシステムをしっかりと洗練させ完成度を前作から非常に高めた。
しかし当時既に前作の発売から4年経過しており、前作の評価を覆すにはあまりに遅すぎる発売だったと言わざるを得ない。
前作から歳月が経過していても、まだまだ日本では馴染みが薄いRTSというジャンルに加え、同じ2007年に『Another Century's Episode3 THE FINAL』が発売され、ジャンルが異なるにも拘らず比較対象にされてしまったことも不幸だったと言えよう。
現在では1,000円以下で、店に依ってはワンコインで入手可能なので、入手困難になる前に是非手にとって頂きたい。

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最終更新:2024年03月11日 23:37

*1 システムは初の試みという事もありまだまだ粗く、それゆえ発売直後から某一年戦争ばりに価格が暴落し、ワンコインで買える店も珍しくなかった。

*2 本作からキャラクターのデザインや声が劇場版準拠になっている。

*3 クレジット表記はされていないが、2ndシーズン込みでの参戦となっている。

*4 特にゲッターロボは地上戦オンリーなのに空戦形態固定のため違和感があった

*5 事実、本作以外はほとんどが序盤で、遅くても20話前後で正式加入する。