Another Century's Episode3 THE FINAL

【あなざーせんちゅりーずえぴそーどすりー ざ ふぁいなる】

ジャンル エースロボットアクション

対応機種 プレイステーション2
発売元 バンプレスト
開発元 フロム・ソフトウェア
発売日 2007年9月6日
定価 7,329円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
Another Century's Episodeシリーズ


概要

スーパーロボット大戦シリーズ』のバンプレストと『アーマード・コアシリーズ』のフロム・ソフトウェアがタッグを組んだロボットアクションゲーム「Another Century's Episode」シリーズ(通称A.C.E.シリーズ)の第3作にしてPS2最終作。

+ 参戦作品一覧(太字は新規参戦)
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
  • 機動新世紀ガンダムX
  • ∀ガンダム
  • 機動戦士ガンダムSEED
  • 真(チェンジ!!)ゲッターロボ -世界最後の日-
  • 劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
  • 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
  • マクロスプラス
  • 聖戦士ダンバイン
  • リーンの翼
  • ブレンパワード
  • OVERMANキングゲイナー
  • 交響詩篇エウレカセブン
  • 機甲戦記ドラグナー
  • A.C.E.オリジナル

新しく『機動戦士ガンダム』『交響詩篇エウレカセブン』『OVERMANキングゲイナー』『機動新世紀ガンダムX』『∀ガンダム』『機動戦士ガンダムSEED』『マクロスプラス』『真(チェンジ!!)ゲッターロボ -世界最後の日-』が参戦。 中でも当時スパロボシリーズにも拘らず参戦していなかった『エウレカセブン』や『キングゲイナー』、シリーズ初のスーパー系作品である『真ゲッター』の参戦はファンを大いに驚かせた。
逆に『重戦機エルガイム』『蒼き流星S.P.T.レイズナー』『機動戦士ガンダム0083』など、いくつかの作品がリストラされた。
キャッチコピーは「戦場に響く歌声が、エースの魂を揺さぶる」。


評価点

BGM・オープニング

  • 最大の売りはキャッチコピーの通り、戦闘BGMがボーカル付き主題歌(しかも原曲)になったこと。
    • 版権曲24曲のうち、ボーカル曲は15曲にのぼる。なお、『劇場版ナデシコ』など主題歌の曲調がゲーム内容にそぐわない作品は劇中BGMが選曲されている。
    • アレンジ版ではあるがオフボーカルバージョンも収録されているので、気分によってどちらを流すかを選択できる。
  • 通常のBGMもクオリティは高く、一部の曲は次回作「R」に流用されている。
  • 主題歌は初代と同じく島谷ひとみ氏が担当。オープニングテーマ「深紅」*1をバックに流れるオープニングムービーは相変わらずクオリティが高い。
    • 参考動画。なんだただの実写か
+ オープニングムービー

シナリオ

  • ストーリーはマクロスやナデシコがメインとなる「前作(2)の地球」とガンダムX、エウレカセブンや真ゲッターがメインとなる「平行世界の地球」を行き来しながら進む。
    • 前述の通り『2』の続編となるが、密接につながっているというわけではないので前作をプレイしていなくても十分楽しめる。なお、前作でストーリーが終了した作品は本作のストーリーにはほとんど絡まない*2
      • 前作のヒロイン、マリナ・カーソンも白いガンアークに乗って参戦する。タックはどこ行った
  • シナリオの分岐も存在し、ルートによって加入する機体が変化する。周回プレイも可能なので、選ばなかったルートは次周で通ることができる。
  • クロスオーバーが素晴らしく、作品を超えたキャラ同士の掛け合いも多い。原作再現ミッションも豊富。
    • 中でもキングゲイナーの「大告白イベント」は必見。本作ではゲイナーの他にガロードとレントンも参加してフルボイスでそれぞれの思いの丈をぶちまけてくれる。この3人はシナリオ中でも仲が良く、プレイヤーの間でも「恋する少年トリオ」として一躍有名になった。後の『スーパーロボット大戦Z』にも拘らずほとんど同じイベントが存在していることから、プレイヤーからの評価も高かったことがわかる。
      + 世界観ネタバレ注意
    • 世界観設定のクロスオーバーも秀逸。第7次宇宙戦争により地球を荒廃させてしまったため(ガンダムX)、人類の多くがシベリアドームに移り住み(キングゲイナー)、荒廃した大地からスカブ・コーラルが隆起し(エウレカセブン)、さらにコーラリアンがゲッター線を浴びたことでインベーダー化(真ゲッターロボ)、など。各作品の設定が異常にきれいにかみあっている。

システム

基本的には『2』を踏襲。

  • 格闘から「切り抜け」に派生し、格闘に行った後にすぐ移動できる。
  • 悪名高い「切り返し」、通称パリーンが削除。安心して格闘が使えるようになった。
    • そのかわり格闘の誘導距離が短くなり、適当に出しても当たらなくなった。要は普通の性能になったということ。
  • 空気と化していたチェインシステムは廃止。
  • ミッションエリアが広大化。さらにミッション内容も「状勢変化」、「所定ポイントまで友軍艦の護衛」、「拠点制圧」など戦術的な要素が強くなっており、殲滅任務ばかりだった2と比べ、リアルな大規模戦闘が味わえる。
  • エリアの広大化に合わせ、ブーストゲージが増加。
  • コンビネーションアタックは特定の組み合わせで使うと威力が上昇し、専用の掛け合いが発生する。イサム&ガルドやキラ&アスランのような原作通りの組み合わせはもちろんのこと、前述の「恋する少年トリオ」やアムロ&ゲイン&ホランドの「リーダートリオ」、クエス&アネモネ&シンシアの「ヤンデレ女の子パイロットトリオ」などといった作品の枠を超えた組み合わせも存在しており、本作のクロスオーバーの一端を担っている。

機体

  • 作品数の増加に伴い機体数が大幅増。シリーズ伝統のライバル機や準主役機も条件を満たすことで使えるようになる。
    • 特筆すべきはドラグナーのライバルキャラ、マイヨ・プラートの新機体「ファルゲン・カスタム」だろう。原作未登場でサンライズ30周年記念として本作で初披露された機体だが、大河原邦男氏による直々のデザインで公式設定にも拘らず組み込まれている。
    • また、漫画『プラモ狂四郎』から「パーフェクトガンダム」とパイロットのプラモ狂四郎こと京田四郎がまさかの参戦*3
      • 隠し機体なのでストーリーには絡まないが、フルボイス&プラモスピリッツ全開で戦うパーフェクトガンダム&狂四郎の勇姿はガンプラ世代にとっては感動もの。声は『G GENERATION』シリーズと同様に松本梨香氏が担当している。
      • 機体のモデリングはマスターグレードの1/100パーフェクトガンダムと全く同じ。やはりモデラーにとっては嬉しい配慮である。
      • このパーフェクトガンダムは「プラモ狂四郎」版パーフェクトガンダムであるため、肩部ロケット砲は水鉄砲だったり、ハンドグレネードはつや消しヘビーパウダーだったりと原作ネタが満載である。
    • 『マクロスプラス』に登場する「ゴーストX-9」が敵機体として登場。AIを搭載の無人機体で人間離れした性能を実現したという原作設定の通り、常人では目で追う事すら困難となるような驚異の高速機動を行い、シリーズ屈指の強敵としてやりこみ派プレイヤーの前に立ちはだかった。
      • ゴースト自体は倒さなくてもゲームの進行や隠し要素の出現には影響せず、戦わない事も可能。おそらく普通のボスとして戦った場合、匙を投げるプレイヤーが後を絶たなかったであろう。それほどの強敵なのである。…が、一部のリミッター解除した機体では楽に倒す事も出来る。
  • 機体のサイズもほぼ原作準拠。全高数mのキングゲイナーが群がるMSをなぎ倒していく光景は爽快の一言に尽きる。
  • モーションなども作り込まれており、ほぼ原作と同じモーションで動く。例えばキングゲイナー関連の機体はしばらく放っておくとゴーゴーダンスを踊り出し、∀ガンダムは座って洗濯物を干す
  • 前作と同じく、機体をフル改造したうえで所定のAP(エースポイント。お金にあたる)を払うことでリミッターを解除でき、弾数制限のある武器が撃ち放題になる。
    • リミッターを解除した機体で強力な射撃武器を撃ちまくる爽快感も格別。自分を苦しめた憎いあんちくしょうにお礼参りに行くというのも、それはそれであり。

問題点

シナリオ・ボリューム関連

  • マップの広域化に伴い、地形が平坦化してしまった。またどのミッションも「敵拠点制圧→ボス登場」とやる事が似たり寄ったりな為に以前の作品と比べ、バリエーションに乏しくなってしまった。
  • クロスオーバーの評価、完成度は確かに高いが、ストーリー全体で見ればやや駆け足な展開。ミッション数などのボリュームの観点も前作には及ばない。空気参戦の作品が多いことがそれに拍車をかける。
    • 初代マクロスなど前作でストーリーが完結した作品は仕方ないかもしれないが、新規参戦にもかかわらずトーリーに絡まない作品がある
      • 該当するのは『初代ガンダム』、『∀ガンダム』、『ガンダムSEED』。逆シャアが絡むためシナリオに組み込めない初代は別にしても、∀とSEEDは独立した作品にもかかわらずストーリーどころか会話にすら一切絡まない。文字通り空気。あくまで いるだけ参戦 という形である。
      • 特に∀はオープニングにすら登場しない。逆にドラグナーは前作でおおよそストーリーを消化しているにもかかわらず普通にストーリーに絡む。
  • 『逆襲のシャア』も、シャアが直接物語に関わってくるのは最終面間近であり、原作の敵と直接戦うステージも少なく、その代わりにネオ・ジオンと結託したマイヨが敵として立ち塞がる展開が多かった。物語の裏ではシャアが色々と暗躍しており、それを阻止するためブライトも別行動をとっている設定となっている。
    • 発売前年にはブライト役の鈴置洋孝氏が急逝しており、それにより当初のシナリオからの変更を余儀なくされた可能性も無くはないが。
  • ルート分岐の問題点
    • ストーリーモードでの分岐中に仲間になったキャラクターは、分岐終了後はインターミッションでの会話に一切関わらない。竜馬やアキトといった主役級のキャラクターでも例外ではないが、一部ステージで彼らを出撃させると、出撃前やアクションパートでの会話に関わる事もある。
    • 本作ではスパロボのように味方部隊を2つに分けるのではなく、部隊の全メンバーが選んだルートに進む。そのため、選ばなかったルートでの戦いがどのように解決したのかが不明瞭となってしまった。
    • 共通ルートでの会話の中でも、時には選ばなかったルートでの出来事に言及しており、それを補完する意味でも2周目以降のプレイが必要となっている。
  • 『エウレカセブン』でのホランドとデューイの関係は、原作では終盤まで伏せられていたのに対し、本作では序盤の段階でそれに言及されている。
  • ラスボスがオリキャラの乗った版権機体である。しかもその機体は原作では最終的に味方機となったために発売前は自機として使えるのではないかと期待されていたが残念ながら使えなかった。さらにその機体は選ばれし者しか扱えないという設定であるため原作ファンは不快に思うかもしれない。

機体関連

  • 本シリーズではもともと射撃機が強く格闘機が弱い傾向にあったが、本作ではミッションに拠点制圧などの要素が加わった事によりさらに格差が広がった。
    • ミッションによっては「いかに短時間で拠点を制圧できるか」が重要なポイントになるため、制圧力の低い格闘機では高ランクを出すのが難しい。
    • 敵エース戦では格闘機でも十分戦えるが、それでも攻撃中に別の敵から攻撃を受けるためダメージレースで負けやすい。
      • オーバーデビル戦は特に顕著。射撃機で挑むのと格闘機で挑むのでは難易度に天と地ほどの差がある。
  • リミッターの解除も機体によってはゲームバランスを崩壊させる危険性を孕んでいる。
    • 例えばウイングゼロ(EW版)は「制圧力が高い代わりに弾数が少ない」という機体だったため、リミッターを解除してしまうと強力な射撃武器が撃ち放題になってしまい拠点制圧が作業と化してしまう。
    • また、キングゲイナーも全ての敵ユニットの動きをほぼ静止させるくらいゆっくりにさせる『加速』と敵ユニットを凍らせて動きを止める『オーバーフリーズ』が使い放題になってしまい、こちらもバランスブレイカーとなる。前述の強敵ゴーストX-9でさえただの的と化すほど強力。
    • しかし、武器によってはリミッター解除しても弾数無限にならない物も存在する。ウイングゼロのバスターライフル等より明らかに性能の低い物がこれに該当する場合もあり、基準が不明瞭で不公平感がある。
      • なお本作では一度解除したリミッターは出撃前に解除するかどうかを選択できるようになったので、必要なければリミッターをかければいいだけの話である。何よりフル改造+リミッター解除には相当な資金が必要なので苦労に見合うだけの価値は十分ある。
  • 続投作品の多くは前作までの全ての機体が引き続き登場しているのに対し、『ガンダムW』に限ってはなぜか大幅に削減され、ウイングゼロカスタムのみとなってしまっている。
    • これは本来Wはリストラ組であったが当時のファン界隈の動向の関係でウイングゼロカスタムだけ入れたとの事。
  • ガンダムX系の不備
    • 本作初参戦となったガンダムX系は何故か主役格味方サイド機二機の強化形態が無い割にライバル機は強化形態も有りなどバランスを欠いた再現となっている。
  • シリーズ通してではあるが、戦艦系のサイズが設定よりもかなり小さい。
    • これはMAP領域が広がった分無駄にメモリ領域を喰うオブジェクトになりがちな戦艦モデルはなるべく負荷を抑える為にサイズなどを控えている物。特に本作は2よりもハードに掛かる負荷が増えているので無駄を抑える必要はある。

総評

欠点も散見されるが、クロスオーバーの評価が高いシナリオや爽快なロボットアクション、原作主題歌をそのまま用いたBGMと欠点を補って余りある長所を持ち、完結作にふさわしい魅力を備えた作品である。
特にクロスオーバーについては大告白イベントなどスパロボシリーズに逆輸入されたイベントもあることから、プレイヤーからの評価が高かったことがわかる。
スパロボが好きで、爽快なロボットアクションを楽しみたい方にはぜひプレイをおすすめしたい。


余談

本作に参戦した『エウレカセブン』『キングゲイナー』が後に『スーパーロボット大戦Z』に参戦したことから、「A.C.E.シリーズに参戦した作品は近いうちにスパロボに参戦する」という説がプレイヤーの間でまことしやかに囁かれるようになった。
実際、『R』に参戦した『マクロスF』と『コードギアス 反逆のルルーシュ』がそれぞれ『スーパーロボット大戦L』と『第2次スーパーロボット大戦Z -破界篇-』に、『Portable』に参戦した『機動戦士ガンダム00』が『第2次スーパーロボット大戦Z -破界篇-』に参戦している。

その後の展開

本作の発売後、前作にボーカル曲を追加したスペシャルボーカルバージョンが発売された。
A.C.E.シリーズは本作でようやく1つの完成型となったため、終わらせてしまうには惜しいとシリーズの継続および復活を望むファンも多かった。
そして3年後。プラットフォームをPS3に移した『Another Century's Episode:R』が発売。シリーズファンは歓喜したが、発売後は非常に賛否両論な作品になってしまった。(詳しくは記事参照)