本記事では『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』とそのリメイクである『Re:チェイン オブ メモリーズ』、リマスター版『HD 1.5 リミックス』を紹介しています。(判定はいずれも「良作」)


キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ

【きんぐだむ はーつ ちぇいん おぶ めもりーず】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 256MbitROMカートリッジ
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 スクウェア・エニックス、ジュピター
発売日 2004年11月11日
トリニティマスターピース(I・II同梱):2005年12月22日
定価 6,279円
キングダム ディープシルバーエディション(GBASP同梱版):16,080円
トリニティマスターピース:16,989円
プレイ人数 1人(~2人※通信対戦時)
廉価版 アルティメットヒッツ:2006年3月9日/3,300円
判定 良作
キングダム ハーツシリーズ

ストーリー

  • 前作のエンディング直後からストーリーは始まる。

    王様の言葉を胸に、長くどこまでも続く草原の道を進む。 その夜、行き着いた十字路。
    ソラは十字路の中央に立ち、夜空を見上げ、今は離ればなれになってしまった友と、残してきた人を思う。
    彼の長い旅の終わりは、その友と元の場所に帰ることだった。
    月照らす1本の道の先、遠くの闇から男が歩いてくる。
    「お前に必要なものが、この先にある」
    「それを手に入れるには、大切な何かを失うことになる」
    男がソラの前から消える時、そこには1本の道しか無くなっていた。謎の少女が描く城。それはソラ達が向かった城だった。
    城の中には虚無が広がり、記録の欠片がカードとして散在し、欠片を紡ぐ戦いはらせんの如く異空の階層を登っていく。
    交錯する"機関"の思惑と、光と闇の力に翻弄されるソラたち。
    ソラ達は何を得て、そして何を失うのか……

(公式サイトより引用)

概要

  • 外伝作品ではなく、シリーズ2作目に当たるソフトである。『キングダム ハーツII』の前に起こった、「忘却の城」での出来事を描く。
  • 前作とは打って変わって携帯機のゲームボーイアドバンスで、なおかつ2Dアクションゲームで発売されたため、ファンからは驚かれた。
    • ディレクターの野村氏いわく「『KH』をGBAで遊びたいという意見が予想以上に多く、実際の子供たちの声が制作のきっかけとなった」とのこと。
  • 当時の定価はGBAソフトにしては1,000円ほど高かった。大容量カセットやディズニーの版権など相まって高くついたのかもしれない。

システム・要素

「カード」が中核をなすシステム

  • 戦闘はカードゲーム的な要素が絡んだ2Dアクション。今となってみればシリーズ中異色作としての側面も。下で簡単に説明する。
    • Aで攻撃、またはL+R同時押しでカードを3枚までストック。条件を満たせばストック技が使える。
      • 使ったカードはリロードすることで戻ってくるが、1枚目にストックしたカードはデッキをリロードしても戻ってこない。
    • 戦闘で用いるデッキにはCP(キャパシティー、一般的なゲームでいうコスト)が存在し、強いカードほどCPの容量を食うので他のカードの量が少なくなってしまう。
      • カードの順番も「このストック技が使いやすいように」「0が素早く出せるように(0の有用性は後述)」といって目的に応じて変えられるため、デッキの戦略性が実に高い。
    • プレミアカードと呼ばれるカードは、CPを半分しか使わなくて済む。だが、普通に使うと使い捨てのカードになってしまう。つまり、ストック専用のカードとして割り切ることができるカードである。
    • 敵も味方も、赤・青・緑・黒の4色に分かれたカードを使い、黒以外は0~9の数字が振り分けられている。
    • 数字が大きい方が強く(最大で3*9=27、ストック技の数字は3枚のカードの合計なので)、相手と出したタイミングがかぶったら弱い方の攻撃を阻止(カードブレイク)出来る。
    • 0のカードは「先に出せば最弱、後出しなら最強」という極端な性能を持つ。上手く使えば相手のチャンスを潰し、自分のチャンスを生み出せる。
    • カード概要
      :キーブレードによる基本攻撃。CPが低く、ストック技が多いのが特徴。それぞれで突きやフィニッシュの威力など、細かく差別化を図っている。
      :ファイア、ケアルなどの魔法、シンバ、クラウドなどの召喚魔法。CPが高い分、ストック技では絶大な威力を発揮する。
      :ポーションなどのアイテム、ドナルド&グーフィー、アラジンなどのフレンドカード。1回の戦闘で使えるのは1度限り。
      黒:エネミーカード。回数、時間の条件つきで特殊な能力を付与することができる。上記の3色のカードとは別のデッキに入っている。
  • 城での行動も戦闘用とは異なり、マップカードに基づいて行われる。
    • マップカードはハートレス(敵、ザコ敵)との戦闘後に手に入る。赤・青・緑・黄色(ストーリー進行上で必ず手に入る、言わばカギとなる存在)の4種。
    • カード概要(2)
      :ルームに出現するハートレスの量を増減させたり、強さを調整することができる
      :ルームそのものに変化を与え、セーブポイントやモーグリショップを出現させられる。
      :攻撃力やカードの数字など、戦闘中に力を発揮する。
      :ストーリー上必ず通る道のカギ。ごくまれに敵が落とす黄色のカードは、レアアイテムのある扉を開けるのに必要。
  • ルームクリエイション
    • 部屋を移動するとき扉をキーブレードで叩くと、クリエイションの画面に移る。
    • ここでも、0のカードは1~9の代わり、トランプで例えるならジョーカー(ワイルドカード)として扱われる。
    • 「5以上の赤カード」「カードの合計が30」などの条件を満たせばルームクリエイションが出来、次の部屋に進める。
    • 上記のように変則的な条件が多いので、必ずしも0が万能という訳ではない。

「逆再生」の物語―reverse/Re:birth

  • ソラが主人公となる本編クリア後は、忘却の城で本編と並行して進んでいた出来事を描く[reverse/Re:birth]が遊べる。
    • こちらではソラの親友のリクを主人公とし、1階から最上階を目指す本編とは対照的に、地下の最下層から1階を目指す内容となっている。
    • デッキが固定され、専用カード「ソウルイーター」のみとなり、使えるフレンドカードも限られている。戦闘中は残ったカードを確認して戦略を立てることが重要となる。
    • 相手へのカードブレイクを続けるとDモードに変身し、攻撃力が驚異的に上昇する。破壊力抜群のストック技が使えるのはこのときのみ。
    • 『CoM』終了後のリクの動向は『II』オープニングまで1年もの間があるが、後に『キングダム ハーツ 358/2 Days』(以下、『Days』)で補完される。

評価点

  • ストーリー
    • XIII機関との戦いを経て、相対する光と闇、そして友情への、2人の主人公の向き合い方を描く。
    • 2人の物語が重なり合うことで、感動をより強く感じることができる。『II』への期待を膨らませるEDであり、次回作を望む声がいっそう強くなった。
    • 前作はシルエットだけの登場だった「王様*1」もリクの心の支えとして活躍する。
    • 今作が初めてのKHでもジミニーメモなどを見れば過去の行動は把握できる。
  • なんとGBAの作品ながら 3Dポリゴンのムービーが挿入されていて、EDもいつも通り宇多田ヒカルによる「光」がフルで流れる。
    • OPからいきなりムービー。GBAの作品では類を見ない演出である。
    • 流石にムービーにボイスは入っていないが、戦闘中の声程度は入っている。「この位の方がゲーム進行のテンポが良い」という意見もある。
  • ゲームシステム
    • GBAゆえのハード性能の制限と2Dグラフィックという中で、KHのバトルを味わえるように上手く調整されている。
    • 相手より大きい数字のカードを使って立ち回るという、シリーズでは異色の頭脳戦が持ち味となっている。その一方で、ストック技を発動した派手な攻撃も多数用意されている。さらには高い数字でのゴリ押し戦法を抑制する「0」のカードもあったりと、頭脳戦と爽快なバトルとがいい塩梅で組み合わされている。
    • 数字の大小というコンセプトも直感的で分かりやすく、最初こそ面食らうが少し慣れれば誰でもプレイできるような作りになっている。
    • ハード性能の制限を上手く組み込めており、それが本作のゲーム性を高度に作り上げている。
      カードバトルにより、「同時に多数の敵を表示させる」一方で「1キャラずつしか同時に行動できないことへの理由付けを行う」という相反する要素を両立し、更にそれを活かしたゲームバランスが構築されている。
  • ドットのグラフィックも非常に綺麗。他のGBA作品、そしてSFC時代のドットからの進化が十分に表れている。
    • 顔グラフィックで描かれる豊かな表情はディズニーのキャラと大変よく合う。戦闘中のソラの細かい動きやハートレスの奇怪な動きまでしっかり表現。
    • 本作はCGモデルやモーションを参考素材として用意してからドット絵を起こしており、派手なアクションやチェーンの動きまで細かく描かれている。このCGモデルはソフト内のムービーシーンでは使われていない新キャラも含めて作られているほど。
      • これら敵キャラのモデルは、後に『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』(KHIIFM+)にての再現データや下述する本作のリメイクで日の目を見る。
  • BGMの評価も高い。
    • 「The 13th struggle」「Graceful Assassin」など、ボス戦の曲なのに優雅で緊張感のある曲調がファンの心を捉えている。
    • 『I』のディズニー世界の曲も音源に合わせてアレンジしてあり、限られた音源で作られた曲はゲーム音楽らしさもあり原曲とは違った趣がある。
      音源が貧弱とされるGBAで可能な限り『I』の原曲からアレンジを果たしており、完成度は非常に高い。そのうえでちゃんと少ないながらボイスも収録されており、サウンド関係はGBAのゲームソフトでも屈指の完成度。
    • しかしGBA音源準拠のサウンドトラックは発売されておらず(販売されているものはすべて下述にある『Re:』でリメイクされたもの)、ファンからも悔やまれている。
  • ボリュームが多いため、携帯機のRPGと言えど30~40時間程度遊ぶことができる。
    • 難易度も序盤は簡単だが後半はかなり手ごわい、歯ごたえのある戦闘が楽しめる。
    • そんな一見とっつきにくい戦闘も、動きやすく、分かりやすいと好評。カードのシステムも相まって戦略性も中々。
    • 特に、前作のアクションで3D酔い地獄を見たプレイヤーからは2Dの受けは非常に良かった。

問題点

  • ストーリーが長い分ゲームとして充実してはいるが、クリアしてもやりこみ要素の類のものは一切ない。出来るのはカード集めと通信対戦程度…。
    • カードゲームという性質上、デッキ作りとバトルしかやる事が無いので、本編のような多様な楽しみ方は出来ない。バトルに飽きると進めるのが面倒になりがち。
  • 評価は決して悪くないのだが、「忘却の城」という設定上生まれてしまった問題もある。
    • つまるところ第1作で既に冒険してきたワールドを周る。各ストーリーは短いとは言え、あえて前作と展開をなぞらせているものが多いため、途中でダレやすい。
      • 一応、ワンダーランドでは「ふしぎの国のアリス」のアリスと一時的に行動をともにしたり、「ピノキオ」の舞台モンストロや「ピーター・パン」の舞台ネバーランドでは前作では薄めだった原作に沿った展開*2があったりと、なんとか差別化しようとしている様子はうかがえる。
    • システムの関係で、どのワールドもやる事はほとんど同じなので、これもダレやすい一因。
  • リク編も賛否が分かれる。
    • 彼の並行するストーリーがあることで、本編と『II』のストーリーが引き立つのは先述したとおり。
      その一方、固定されたデッキで戦うので、これが苦痛で面白くないと感じるプレイヤーも多かった。
    • また、彼の立場上仕方ないのだが、メインストーリー以外は特にイベントも無く、各ワールドは淡々と戦って進むだけ。ディズニーキャラとの交流や敵との会話も無いので味気ない。リク視点で本当の意味でディズニーワールドを回れるのは『ドリーム ドロップ ディスタンス』までお預けとなる。
  • ゲームバランス・システム関連
    • 全体的な操作量が多く、放っておくととボスだけでなくザコ敵にまで乱舞されて詰む。カードを選びつつ主人公を回避させたり攻撃したりしなければならないため、アクションとしての難易度はかなり高い。ストックシステムがそれをピーキーなほどに上げている。
    • 難易度は固定であり、しかも従来のスタンダードに比べると高い。
    • アクションとはいえカードゲームなので、カードが揃うまでが非常に苦しい展開になる。
      • 特に2番目のワールドにオリンポスコロシアムを選んでしまった場合が顕著で、道中にボスが2体もいる上に両方がデッキ持ちのため初期状態に近いデッキでは対応が非常に難しい。
      • 回避策としてセーブ地点から異なるワールドを選び直すか、誤ってオリンポスコロシアムを選んだとしても敢えてハートレスと戦いカードを集める余地はある。
    • GBA版では、実はマップを切り替えるだけでギミックから出現するプライズが復活する。そのため敵を全て倒したマップを往復してモーグリポイントを集め、モーグリルームを作ってカードパックを買うだけで一気にカードが集められる。ただしモーグリルームを作るためには、ある程度はハートレス戦をこなす必要はある。
    • 歯ごたえがあり、クリア後の達成感はひとしおではあるが、ゲームをエンディングまでサクサクとこなしていきたいプレイヤーからは不満があがった。
    • 雑魚相手には強い数字やストック技を、ボスには0を使えばほとんどの戦闘が有利になるため、前作同様連打ゲーと言われることもある。
      • ただし、0のカードでブレイクする、されたときには大きな隙ができるため一概にそう言い切ることはできない。
    • マップクリエイションの際、お目当てのマップカードが出るまで延々と雑魚敵を狩り続けることとなる。そのため必要以上にレベルが上がり過ぎてしまう可能性がある。
    • カードデッキの操作が一部やりにくい。特に「2つのカード間に新しいカードを入れる」という操作が困難。
      • 実は同じカードの上で2回決定ボタンを押すとそのカードを押して隙間を作ることができる。同じようにカードがない部分(カードを抜いた際の隙間等)ですると、今度はその隙間を埋めることも可能。知っておくと、とても構築がやりやすくなる。ただし、隙間は選択したカードの前にできることに注意。
  • ゲームボーイアドバンスならではの問題
    • やはり音質はどうしてもPS2には劣る。仕方のないことではあるが、音楽の評価が高いだけに惜しまれる。
    • L+R同時押しや方向キー2回押し(ドッジロール、緊急回避技)など、ボタンが少ないため暴発もしやすく、咄嗟にはやりにくい操作がある。

総評

次回作への期待を持たせるには十分、そして今作単体で見てもシリーズ内、GBAソフト、アクションRPGの中でも遜色ない出来。
しかし、カードを全面に押し出したシステムは慣れるのに時間がかかる。「システムを理解し、自分で深く考えるともっと面白い」ゲームである。
「アクションなのに頭使うの面倒くさい!」と言う人にはあまり勧められない。


余談

  • 前作のワールドを一通り回ることができるが、その中で唯一 「ターザン」のワールド だけ存在しない。本作以降のシリーズにも登場していない。
    • スクエニ側からもディズニー側からも明確な回答は無いが、これは版権が理由と推察される。元々「ターザン」はアメリカの作家であるエドガー・ライス・バローズ氏の小説の登場人物である。そのため版権はディズニーだけでなく、エドガー氏の著作権を管理するエドガー・ライス・バローズ社にも権利がある。
  • 本作、そして『II』において重要な敵キャラ「XIII機関」のボイスは、ある1人を除いてスクエニ社員が声を当てている。(しかも たった2人 。)
    • 気になる人のために紹介しておくと、2人は神藤辰也(シリーズのモーションディレクターおよび下記の『すばせか』ディレクター)と片山理恵子(宣伝担当。FF音楽ツアーの司会も担当している)。
    • ちなみにその1人は『II』のストーリーにも積極的に絡む人物である。彼の扱いだけはすでに別格扱いだったのだろうか。
  • 後に、ジュピターは再びスクエニとDSで同ジャンルのゲーム『すばらしきこのせかい』を制作することとなる。
    • 類似点と言えばこちらも「カード」を用いたバトルシステムであり、2画面を並行して見ながら頭を使いつつ忙しなく操作をするゲーム性となっている。詳細は当該記事を参照されたし。

キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ

【きんぐだむ はーつ り:ちぇいん おぶ めもりーず】

ジャンル アクションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2007年3月29日
定価 7,980円
プレイ人数 1人
判定 良作
備考 ※本作は『キングダム ハーツ II ファイナル ミックス+』に同梱されています
アルティメットヒッツ:2008年6月26日/2,940円

概要(Re:)

本作の3Dリメイク版。国内では『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』(KHIIFM+)の追加特典として同梱された(上のパッケージ画像は海外版のもの)。 海外に売るのはリメイクの都合上先送りになってしまっていたが、その後単品での発売が決定。
開発を担当したのは『武蔵伝』などを制作していたスクエニ大阪チーム。本作以後もシリーズに深くかかわる事になる。
元々はGBAそのままの単なる移植を想定していたが、「3D化」「カメラを動かしたい」などと規模が大きくなり、このようなリメイクが実現した。

変更・追加点

  • 3Dリメイクされ、従来と変わらぬグラフィックのクオリティになった。
  • 難易度が固定ではなく、ビギナー、スタンダード、プラウドの3段階のモードから選択できるように。
  • 劇中のムービーも大量に増加。豪華声優陣による日本語ボイス付き。
    • 各ワールド内のイベントはボイスの無いテキスト送り形式だが、メインストーリーのイベントは本編同様のフルボイスのムービー形式である。
    • クリア後はシアターモードでいつでも再生可能である。
    • ボイスが収録されることによりGBA版から細かい言い回しが変更されており、『KH2』とのリンクを強めたり、セリフを短縮しつつよりわかりやすい表現に変更されている。
  • コントローラーのボタン数増加に伴い、各ボタンにはショートカットなどの機能が割り当てられている。
    • これにより、戦闘時の操作性が向上した。
  • マップカード及びルームの追加
    • これによりルームクリエイションが容易に行えるようになり、ノルマを満たすために必要なマップカードが入手できずに長時間進行がストップする、ということがまず起こらなくなった。
      • ルーレットルームでは、戦闘後に取得するマップカードをルーレットの目押しで決めるある程度任意で選べる。
      • 稀に入手できる「ランダムジョーカー」は、ルーム作成時のあらゆるノルマをクリアできる。
  • ストック技の大幅追加、主にフレンドカード関連の技が増えた。
  • ストック技の一部仕様変更。攻撃行動に△ボタンを使用する。
    • KH2とは違い、タイミング良くボタンを押して使うものも。適当に連打するなどしてタイミングを間違えると威力が落ちたり、技によってはその時点で終了するものなどがある。
  • GBA版と異なり、1回プライズを出現させたギミックからはマップを切り替えても再度プライズが出現しなくなった。
  • 新たなイベント戦の追加。特にリク編でのみ戦えるXIII機関の1人「ゼクシオン」はGBA版では会話シーンのみでの登場で実際に戦えなかったので話題を呼んだ。
  • 非戦闘時のマップ移動中でもドッジロールなどの移動用アクションが使えるようになった。
  • リク編のバトルに新システム「カードデュエル」が追加。
  • 同梱の『KH2FM』との連動要素
    • メモリーカード内にKH2FMをクリアしたセーブデータがあれば、『KH2FM』に登場するキーブレードのアタックカードや、全てのXIII機関メンバーのエネミーカードが入手できるようになる。
    • 本作をクリアしたセーブデータがあれば、『KH2FM』のシアターモードにて日本語音声のムービーを再生できる。

評価点(Re:)

  • ハードスペックの向上と3D化により操作性は改善。ほぼ『KHFM』と同じ感覚で動かすことができる。
  • 怯み関連のシステムが調整され、人型のボスとの戦闘中にガードブレイクされることが少なくなった。操作性の改善も相まって、全体的な難易度は下がったと言える。

問題点(Re:)

  • モーションがやや硬い。
    • これまでと比べ、新たに操作キャラとなったリクやCOMからの新キャラ達のプレイアブルシーンの動きが直線的で硬い印象を受ける。
    • 制作チームの違いゆえだろうが、どちらかというと従来までが段違いに良いモーションだったのであり、本作のモーションの出来が悪い訳ではなく十分に良い水準である。
  • イベントシーンの画質が若干ぼけてしまっている。『II』と比較すればその差は歴然。
    • これはイベントシーンがプリレンダのムービーとして再生している処理を施してあることが原因。
    • 大阪チーム制作だがイベントシーンのみ従来のチームが担当しており、別々に作った物を合わせた為このようになっている。
  • 非戦闘時のロックオンが少々不便。オブジェクトを優先して自動ロックオンしてしまうため、敵シンボルへの先制攻撃に失敗してしまうことが多発する。
  • 追加エネミーカードがぶっ壊れている。『IIFM』のクリアが前提となるものが多いが、その代わりクリアデータさえあれば本編クリア前にも入手可能な割に凶悪な性能のものが多い。
    • ほとんどの攻撃魔法を強化できるシグバールの「ショットチャージ」や、名前に反してブリザド系魔法も強化でき、効果時間も長いデミックスの「ウォーターチャージ」も大概だが、ザルディンの「エアロガード」が「3回ダメージを喰らうまで強力な攻撃判定を纏い続ける」というゲームシステムを根本から否定しかねない壊れ性能。特に人型のボスに背後から接触すると、問答無用で怯ませ続けてハメ殺せてしまう。
      • 追加エネミーカードはほとんどが「全属性ダメージ半減」という強力な耐性を持っているのも強力。
  • また、結構な確率で操作不能になる不具合がある。BGMがおかしくなり始めたら発生の合図。

総評(Re:)

大きな問題点も原作の魅力を削いでしまった点も無く、3Dと2Dの好みこそあれど十分に良リメイクの類に当たると言える。


キングダム ハーツ HD 1.5 リミックス

【きんぐだむ はーつ えいちでぃー わんぽいんとふぁいぶ りみっくす】

ジャンル アクションRPG


対応機種 PlayStation3
PlayStation4
Xbox One
Windows(Epic Games)
Nintendo Switch
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 【PS3】2013年3月14日
【PS4】2017年3月9日
【One】2020年2月18日
【Epic】2021年3月30日
【Switch】2022年2月10日
価格(税込) 【PS3】6,648円
【PS4/One/Epic】7,480円
【Switch】5,280円
判定 良作

概要(HD)

  • Re:チェイン オブ メモリーズをベースにしたHDリマスター移植版。
  • 『KHFM』『Days』と同時収録している。『Days』は映像のみ。
  • PlayStation4以降の移植作品は、『1.5』と『2.5』の内容がワンパッケージとなった『キングダムハーツ HD 1.5+2.5 リミックス』として発売されている。Switch版はクラウド上で動作する『Cloud Version』としての提供。
  • 初回特典として『キングダム ハーツ χ』で使用可能なシリアルコードが付属していた。ゲームをクリアするとPS3用のカスタムテーマが手に入る。

特徴(HD)

  • 主要キャラクターのCGをフルリメイクしグラフィックが向上。一部のポリゴンモデルは『3D』のものに差し替えられている。1080p出力に対応。
  • サウンドが5.1chサラウンドに対応。音楽の一部曲を楽器演奏による生音に差し換えて再録している。
  • 同時収録タイトルの変更にともない『KH2FM』のクリアデータがあると入手できた隠しカードが『Days』のデータと連動に変更された。
    • これにともない、一部のアタックカードが『Days』に登場する武器に変わっている。以下の通り。
      • オリンポスコロシアム:モノクローム → トータルエクリプス
      • ネバーランド:フォローザウィンド → ミッドナイトロアー
      • トラヴァースタウン:ヒドゥンドラゴン → ヘレティックフレア
      • デスティニーアイランド:フォトンデバッガー → めぐりあう二人
  • ゲームバランスの一部調整。
    • ストック技を覚えるレベルが変更された。ラストアルカナムがLv37→42、ラグナロクがLv47→52に。
    • リク編で使える「ホーリーバースト」の効果時間が短縮され弱体化した。

評価点(HD)

  • 一部調整があったものの、基本的にはPS2版と同じ感覚で遊ぶことができる。

問題点(HD)

  • PS2版にあったムービーのぼやけは改善されたが、今度はムービーでキャラが激しく動くシーンで画質が乱れることが。特にリク編で顕著。

総評(HD)

基本的には『Re:』を手堅く移植した作品となっている。
音源やグラフィックがリニューアルされているため、HD機でプレイするなら本作一択となる。

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  • キングダムハーツ

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最終更新:2024年04月03日 11:11

*1 ミッキーマウス

*2 モンストロから脱出する方法を思案するピノキオ、故郷に帰りたがるウェンディなど。