BLACK

【ぶらっく】

ジャンル FPS

対応機種 プレイステーション2
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 Criterion Games
発売日 2006年4月6日
定価 4,800円(税別)
廉価版 EA BEST HITS:2007年3月8日/3,129円
EA:SY! 1980:2008年2月28日/1,979円
判定 良作


概要

シンプルなリアル系FPS。プレイヤーは主人公ジャック・ケラー軍曹となり、各ステージでミッションをこなしながら進む。
本作の最大の魅力はドア、壁、車両など画面上の殆どのオブジェクトが破壊可能であることだろうか。
そのためそこらのFPSとは一味違う、激しい戦闘を楽しめるゲームとなっている。


ストーリー

主人公ジャック・ケラー軍曹はCIAの対テロ用特殊部隊として秘密裏に設立された「BLACK OPS」の一人として
国際テロ組織「セブンス・ウェーブ」のリーダー、レノックスを追うことに執念を燃やす。
全てが終わった後に上層部に「命令違反」として拘束されたケラーと取調官の対話に沿ってストーリーは展開される。
ストーリーが進むにつれて、ケラーの暴走にCIA上層部の思惑が絡んでいたことが徐々に明らかになってゆく。


評価点

  • 美麗なグラフィックを用いた優秀な破壊表現。
    • 画面上のオブジェクトはほぼ全て破壊でき、爽快感抜群。破壊エフェクトも素晴らしく、爆発表現や着弾時の砂煙などは次世代機にも劣らない。
    • 銃器のマガジン容量が実際より多めに設定されている上に弾薬は多めに手に入るため、周囲のオブジェクトを豪快に破壊しつつプレイできる。
    • 難所でも車両やタンクを爆破させて敵を蹴散らせるよう絶妙にオブジェクト配置がなされているため、戦術性にも結びついている。
  • バリエーション豊富なステージ構成。
    • 敵施設内部への潜入戦、地雷原や工場地帯での白昼戦、森林を進む夜間戦、RPGの飛び交う市街戦など多彩な戦場が用意されている。
    • 単独行動だけでなく、時には仲間とともに進むステージもある。連携や協力イベントなどは無いものの、戦場での仲間の存在は頼もしい。
  • 回復アイテム出現バランスの絶妙さ。
    • 敵を倒すと回復アイテムを落とすことがあるが、落とす頻度は主人公の体力が低いほど高くなる。その仕様自体は珍しいものではないが、本作ではそのさじ加減が絶妙で、どんなに追い込まれてもあきらめずに撃ちまくれば意外に切り抜けられたりする。
    • 相当の難所でない限りは戦術無視のごり押しが可能なため、プレイにスピード感と爽快感が生まれる。
  • 初心者から熟練者まで対応した4段階の難易度設定。
    • 各ステージで難易度を選ぶことができ、遂行しなくてはならないミッションの数やダメージ量が変化する。最高難易度「BLACKOPS」の難しさは格別。
  • 臨場感を盛り上げるリアルな演出。
    • リロードの際は遠景がぼやける、ジャム防止動作をする、弾倉に残った弾も破棄されるなど芸が細かい。
    • 普段はBGMが無いため戦場に響く銃声が際立つが、要所要所で重厚なBGMが挿入されて緊張感・達成感を与えてくれる。
    • 音楽を担当しているのは『Call of Dutyシリーズ』や『メダルオブオナーシリーズ』の音楽も担当しているマイケル・ジアッキーノ氏である。
  • 俳優・声優陣の好演も光る。
    • ステージ間に挿入される実写ムービーはプロの俳優が演じており、映画のワンシーンさながら。
    • 実写ムービーの日本語吹き替え及び各所で入る無線会話を担当しているベテラン声優達の好演は、ゲームへの没入感をより深めてくれる。

賛否両論点

  • ステージ数が8つと少なめ。
    • シングル専用FPSとしてはボリューム不足。一方でステージひとつひとつがダラダラと長く、普通にクリアするだけでも30分~1時間(FPSに不慣れなら1時間~2時間以上)はかかるなどバランスが悪い。
    • 任意にルートを選べる箇所もあるが、ほぼ一本道。道中に特別なイベントなども無いため、単調に感じてしまう。
      • ただし、このようなシンプルさや、ストーリーや味方無線を全く気にせずに突っ込んでもお構いなしな点が本作の醍醐味とも言える。

問題点

  • 難易度が高めで、「小細工は無用!!」とはいかない。
    • パッケージ裏の売り文句に「迂回や待ち伏せ、防御といった小細工は無用!! 戦火に飛び込み、撃ちまくる、これがBLACKスタイルだ!!」と書かれているが、実際に小細工無しで突っ込めば蜂の巣にされるのがオチ。「売り文句にだまされた!」と文句を言われてもおかしくはない。
    • とはいえ前述の回復アイテム出現バランスのこともあり、上手くなれば本当にガンガン突っ込んでバンバン派手に敵を倒せるが。
  • 敵が硬く、雑魚敵でも何発も撃ち込まないと倒せない。
    • 物を破壊するのは爽快感抜群だが敵を倒すのには爽快感が無い、という結果を招いてしまっている。前述した高難易度の一因でもある。
    • 特にショットガン兵はヘッドショットが効かない上に攻撃力も非常に高い難敵。にもかかわらず、序盤から多数のショットガン兵を相手にする場面が出てくる。
      • ただし、敵の硬さに関しては「一人の敵にこれでもかと大量に弾をブチ込むのが快感」、「ヘッドショットの重要度が増す」という意見もある。
  • 敵が歩兵しかおらず、ヘリコプターや戦車などが登場しない。
    • 歩兵も種類が限られている上に行動パターンがほとんど同じなので、戦闘に慣れてくると単調さが際立つ。
      • ただし、破壊可能なオブジェクトとしての軍用車両は登場するので、戦場の雰囲気を損ねるほどの落ち度ではないとも言える。
  • ストーリーが把握しにくい。
    • 実写ムービーの台詞が総じて早口で聞き取りづらく、その上字幕もついていない。オリジナルの固有名詞も多いため、理解できないとなぜ戦うのかわからないまま戦場に放り出されることになる。
    • ちなみにこの問題、国内版はまだマシな方で、海外版の英語音声は更にひどい事になっている。早口なうえにボソボソ声まで加わり、もうわけがわからない状態であり、英語圏のユーザーでさえ「何を言ってるのかわからない」と不満を上げる有様。
    • 時間軸がわかりにくいことや、敵組織の首領がプレイ中に直接登場しないためその生死などが把握しにくいこともその原因である。

総評

本作が良作たる所以は、美麗なグラフィックや破壊表現を備えた本格派FPSを家庭用機にて実現したことにあるだろう。
「小細工は無用!!」という爽快かつシンプルなプレイスタイルを提示したことも手伝って、それまでFPSに触れたことのなかった層にとって手を出しやすい作品となった。
また、ツボを押さえた優れた演出はFPS経験者の目にも留まり、良い意味でその期待を裏切ることとなった。
ボリュームにこそ難はあるものの、少々ハードな本格派FPSを手軽に味わいたい方にはお勧めの作品である。財布に優しいのも嬉しい。


余談

  • 隠し要素として「NORMAL」以上の難易度でクリアした場合に弾数無限の銃などが手に入る。
    難易度「BLACKOPS」のクリア特典は一体何人のプレイヤーが手に入れることができたのだろうか…。
  • 開発元のCriterion Gamesは同じく破壊表現やグラフィックを重視したレーシングゲーム『バーンアウトシリーズ』の開発元でもある。
  • ステージ中に、映画『ザ・ロック』に登場したある場所をオマージュしたとおぼしき部屋が存在する。
  • 元々三部作の一作目として作られた作品であり、エンディングも続編を意識したものとなっている。しかし現在まで続編の情報は無い。
    本作の評判が良かったため、続編を望むユーザーの声は未だ少なくない。
  • 国内版はPS2版しか発売されていないが、海外版ではXbox版も発売されている。
    PS2版も決して悪くない出来だが、グラフィックや操作性の面を考えるとやはり海外Xbox版の方が上。
    現在、海外ではXbox360にてXboxの過去タイトルとしてDL販売されているが、残念ながら地域制限がかけられているため、日本では普通にはプレイすることができない。