世界樹の迷宮II 諸王の聖杯     

【せかいじゅのめいきゅうつー しょおうのせいはい】

ジャンル 3DダンジョンRPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 256MbitDSカード
発売元 アトラス
開発元 アトラス
ランカース
発売日 2008年2月21日
定価 5,229円(税込)
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 アトラス・ベストコレクション
2010年7月15日/2,940円
判定 なし
世界樹の迷宮シリーズ


概要

3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮』シリーズの第二作。
舞台は前作のエトリアから「ハイ・ラガード公国」に変わり、冒険者は迷宮の最上部にあると噂されている天空の城を目指す。

時間軸としてはエトリアでの冒険から少し経った頃であり、ハイ・ラガードの人々もエトリアのことを知っているなど若干の繋がりが示されているが、前作を遊んでいなくても特にプレイに支障はない。


特徴・前作からの変更点

マッピングなどの世界樹の迷宮シリーズを通しての特徴は世界樹の迷宮を参照。

  • 新クラスの追加
    • 前作の9クラスに加え、さらにガンナー、ドクトルマグス、ペットの3クラスが追加、全12種となった。
    • 新職業それぞれの主な役割としては、ガンナーは後衛での物理・属性攻撃役、ドクトルマグスは回復&攻撃役、ペットは前衛での防御&攻撃役とどの職業もオールラウンダーな傾向がある。
  • フォーススキル
    • ブーストに代わって追加された特別なスキル。戦闘行動でフォースポイントを最大まで貯めることで使えるようになる、各クラスの切り札的存在。
      封じが得意なダークハンターなら一度に敵の全ての部位を封じ状態にする「オールボンテージ」や、回復役のメディックなら味方全員の全状態異常回復&HPを全快させる「超医術」など、どのスキルも一度使えば一気に形勢逆転できる強さがある。
    • フォースポイントは戦闘を行っていくと徐々に増加していくが、逃走すると少し、街に戻ると全部なくなってしまう。アイテムでポイントを増やすことも可能。
  • FOE関連の調整
    • 橙・赤・黒の3種類のFOEに加え、新たに青(冒険者は通れない低い壁を通ることができるFOE)、紫(下画面の地図に表示されないFOE)が追加された。
      • 青FOEは自分たちの動ける範囲も含めかなり自由に動くので、FOEに追いつかれる危険性が高まった。
      • 紫FOEは地図に表示されないため、視認できても向きが判別できず、動きを予測しづらい。戦闘面でも極端な防御耐性を持ったものが多数で、攻撃手段によってはほとんどダメージを与えられず、場合によっては遭遇後高確率で全滅…という事も少なくない。
    • 本作ではFOEを倒しても経験値を獲得できない。これは「脅威としてのFOE」を強調するためにあえて意図的に行った調整であり、代わりにFOEの動きを止めたり、特定の場所へ誘導したりするアイテム・スキルを増やして戦闘自体を回避しやすくなるなど、別ベクトルでの調整も並行して行っている。
      とはいえこれは不評だったのか、後の作品ではFOEを倒すと経験値が得られるように戻った。
  • シビアな難易度
    • Iの時はシビアな難易度が話題となったが、今作でもそれは引き継いでおり、一概には言えないものの前作よりも難易度が高く感じやすい。
      本作をシリーズ最難関として挙げるプレイヤーも少なくない。
    • 初心者に迷宮の恐ろしさを十分すぎるほど教えてくれる最初のミッション 「ハイ・ラガード入国試験」 、前作経験者を唖然とさせる新仕様 「!!ああっと!!」 などは本作の難易度を象徴する用語として今でも有名。
    • 前作で好評だった厳しめのゲームバランスをさらに昇華させた形になるが、一方で「理不尽すぎる」といった声も少なくなく、賛否両論の結果となった。詳細は賛否両論点にて後述。
  • 前作からの引継ぎ要素
    • 前作をクリアすると入手できるパスワードをスタート時に入力することで、迷宮内のミニイベントなどに変化がある。
      変化とはいっても元々存在しているイベントの展開が若干悪くなり、その結果難易度が少し上昇する程度だけでストーリー進行には全く関係ない。
      • 無理にパスワードを用意しなくとも問題はない…というよりむしろ「前作でのギルド名を引き継ぐかどうかは任意だが、仮に変更した場合その事をずっとNPCに指摘される」という仕様があるので、前作をクリアしていない場合はむしろパスワードを入力しないほうが賢明であろう。
    • なお本作以降のシリーズではこういった引継ぎ要素は存在しない。

評価点

  • ストーリー
    • 伝説に残る天空の城を見つけ出すという王道的な内容、攻略中に出会うNPCも友好的で、(それが悪いというわけではないが)やけに殺伐としたストーリー展開であった前作と比べると、いくぶん明るい、人情的な構成となっている。
    • 前作からテキスト量が増大しており、探索で1階進むごとに各施設のNPCの会話内容が変わるようになった(前作では5階ごと、それもNPCによっては途中で打ち止めになったりしていた)。
      街のNPCは心優しい人ばかりなので単純にこれだけでも親しみがわきやすく、探索で疲れた心に温もりを与えてくれるだろう。
    • メインストーリー以外にも、クエスト数がシリーズの中でも多めで、NPCに関連するものも多数ある。
      彼らの意外な一面や過去を垣間見れたり、複数のクエストを通じて協力し合い最後に強敵を打ち倒したりと一種のサイドストーリーとなっているものもあり、全体的なストーリー性は格段に上がっているといえるだろう。
  • ダンジョン
    • 今作は世界樹シリーズでは珍しく第一階層から第四階層を通して四季という共通点で構成されており、同じ森という舞台ながらも色彩豊かなダンジョン達は評価が高い。
    • 第一階層は「夏」を想起させる緑の生い茂った樹海で始まるが、一見前作の第一階層と大差がないため、この時点では四季がモチーフということを意識しづらい。
      その後、階層を進むにつれて紅葉(秋)→雪景色(冬)と季節が廻り、最後に第四階層に踏み込むと満開の桜(春)が迎えてくれることでプレイヤーは「四季」というテーマに気づく…という心憎い演出。
      また第三階層(冬)のボスはゲーム内屈指の難所であり、それをやっとのことで乗り越えた先の第四階層で美しい桜の景観が迎えてくれる展開は印象深い。
  • BGM
    • 前作に引き続き古代祐三氏が手掛けるBGMは評価が高い。前半の通常戦闘曲、第四、第五階層のBGMなどは特に名曲とされている。
  • 前作のシステム面の不備を修正&追加
    • カニ歩き、オートバトル、買い物時のステータス画面表示、中断セーブが追加。ダンジョンをより探索しやすくなった。これらは本作以降にも受け継がれている。
    • 貴重品が特別枠となり、アイテムスペースを圧迫しなくなった。また通常のアイテムも1個100エンを支払うことで預けることが可能になった。
    • マップ画面のアイコンが10種類から21種類に増加し、床の色も3色で塗り分けられるようになった。その結果、地図が分かりやすくなっている。
    • 戦闘で全滅した時に、マップの記録と同時に踏破記録も保存されるようになった。
      • FOEは自分たちが踏破した場所にいる時のみ地図に表示されるので、全滅後の探索時にFOEの動きが分かりやすくなった。
    • 「休養」で下がるレベルが前作の10から5に軽減された。また本作では最初から休養できる上、レベル5以下ならレベルダウンなしで休養できるようになった。
    • 大半のクラスが最初から選択できるようになった。なお、ペットは唯一最初から選択できないが、最初のボスを倒せば解禁される。前作の同様のポジションのブシドーは11階・カースメーカーは16階で解禁されたため、それらに比べると加入や育成の負担は小さい。
    • 磁軸の柱とよばれる、街から起動させた柱まで一方通行でワープできるオブジェクトが各階層中盤やボスフロア前に設置された。これにより探索再開前やボス戦前に既に踏破済みのフロアを歩く必要がなくなり、無駄な手間や体力消費を減らすことができるようになった。

問題点

バグ・不具合が非常に多い

前作のようなデータを破壊・消滅するような致命的なバグは消滅したが、バグの数は前作よりも増えているうえにやっかいなものばかり。
なお、2010年に発売されたベスト盤ではほとんどのバグが修正されているため、今から購入する際にはそちらをおすすめする。初版の場合は各自で情報を収集して不具合を防ぐしかない。

  • 特にスキル関連の不具合が多い。有益なものから取得してしまうと取り返しがつかなくなるものまで様々。
    • ダークハンターの「蠱毒の極」「無我の極」は自身の状態異常耐性を上げる優秀なスキルなのだが、「最初~5人目までに作成したダークハンター」でそれを習得すると、敵側でそのスキルの効果が発揮されるようになってしまう。ダークハンター自体が状態異常を使って戦うクラスなので影響は大きい。
    • ブシドーの「小手打ち」は対象へダメージを与えると共に腕封じを付与するスキルなのだが、実際には腕封じが付与されない。そして、代わりに「月影」になぜか腕封じ効果が付与されている。
      もともと小手打ちと威力が同等で高い速度補正がウリの「月影」に腕封じ効果まで付いているのでプレイヤーにとっては嬉しいことではあるが。
    • レンジャーのフォーススキル「夢幻陣形」は味方全員の物理回避率をアップ、ブシドーのスキル「死地の心胆」は自身の物理回避力をアップさせるスキルなのだが、実際には前者は「メンバー全員の物理回避率ダウン」と、後者は「自身の物理命中率ダウン」とマイナス効果が発揮されてしまう。
    • アルケミストの術式攻撃のダメージ計算において、記述ミスにより敵の防御力を参照するところをアルケミスト自身の防御力を参照してしまっている。
  • 「レベル○○の(クラス)を連れてくる」クエストを受注中、その条件を満たしていない状態で探索をすると歩行が遅くなる。1歩1歩にクエストの成否を判定してしまっているらしい。

システム面

  • 特定の職業の使用を強制するクエスト・通路が存在する。
    本作は特定の職業が必要なクエストだけでなく、「特定の職業がいないと通れない通路」「特定の職業をかなりの高レベルまで育てていないと戦えないボス」「特定の職業1人でしか入れない通路」なども存在し、地図や図鑑を完成させたいなら嫌でもそれなりに育てなければならない。
    • 一応、今作はLv70程度までなら育てるのに前作ほどの苦労はなく、シナリオを進める上では特定の職業を強制されることはない点が救いではある。
  • 相変わらず戦闘速度が遅い。Aボタン押しっぱなしでようやく普通の速度。
    • オートバトルは処理速度こそ上がるものの通常攻撃しかできないため、使用機会はかなり限られる。少しでも気を抜けば雑魚戦でも全滅する本作ではなおさら。
  • マッピングの線が引きにくい。全体的に地図の線が引きにくく、特に右から左に引くのは反応しない確率が高い。マッピングは本シリーズにおいてとても重要なので、線が引きにくい事は重度の欠陥である。なお、ベスト版では修正されている。
  • アイコンの種類と置ける数が少ない。
    • エクストラダンジョンである第6階層では膨大なワープゾーンが設置されているフロアがあるが、それら全てに別の種類のアイコンを置いて判別しようとすると全く数が足りなくなる。このため完全にマップを把握しようとすると全て記憶するか、方眼紙などを用意して手作りしなければならない。
      • 同様の問題は前作から存在していたが今作でも改善されなかった。さらに前作はワープで飛ばされる場所にある程度の法則性があったのでアイコン無しでも攻略は不可能ではなかったが、今作は規則性が無いのでより厳しくなっている。

賛否両論点

シビアな難易度

  • Iの時もレトロゲームを想起させる難易度が話題となったが、今作ではそれが更にレベルアップしている。
    前作同様厳しいゲームバランスを求めている層に応えた形だろうが、それを踏まえてもなお「理不尽」と言える部分も多くなり、賛否両論となった。
  • 全体的な戦闘バランスとしては「殺られる前に殺れ」「短期決戦」な傾向が強い。
    これは「前作で超強力だった防御バフ『医術防御』が削除」「パラディンのガードスキルが弱体化*1」「敵側のバステ付与率がかなり高い割りに予防手段に乏しい」「壊滅級の攻撃を特にパターンも無く使ってくるボスやFOEが多い」などの理由から、敵の攻撃に対して「受ける戦法」が取りにくい環境であることが原因。
    • それに対して、敵側のHPはこちらの火力に対して低めなことが多く、また厄介なバステ耐性持ちも少ないため「バステを駆使して封殺している間に大火力を叩き込み、相手が行動できないうちに倒すのが一番楽かつ安定する」という尖ったゲームバランスになった。
    • 体力が減ると厄介なスキルを使うモンスターも存在するので、ゲームバランス自体が「殺られる前に殺れ」を助長している、と言えなくもない。
  • 厄介な能力を持つ雑魚敵も多い。例えば一部の雑魚敵は異様に回避率が高く「AGIブースト」のスキルポイントを多く振っていないとさっぱり攻撃が当たらない。しかしAGIブーストは最大で10ポイントも費やす必要があり低レベルのうちは恩恵が少ないため、そういった敵に直面してからポイントを振っても命中率が向上するまで時間がかかり過ぎてしまう。
    • 回避率が高いモンスターに限って「残り一体になると強力なモンスターを呼び出す」「 全体即死をぶっ放す 」といった恐ろしい特性を持っていることも多く、さっさと片づけないと大変な事態になる。
      • 「残り一体になると強力なモンスターを呼ぶ」という行動は、前作でレベル上げの手段として有名だった「仲間を呼び出すモンスターをわざと残すことで延々と倒し続ける」というテクニックに対するメタといえる。本作ではこのような、前作経験者の意表を突いてくるような要素がいくつか存在する。
  • FOEも前作以上に危険性が増しているうえに、苦労して倒しても経験値が得られないため徒労感が強い、という意見がある。
    • 代表的なのが上記の紫FOEの代表格である通称「南瓜(カボチャ)」系統。
      「物理属性全無効」「非物理属性も1or2種を無効」といった凄まじい耐性を持ち、パーティによってはほとんどダメージを与える手段が無く、逃げられない状態で接触してしまうと詰むことも多い。
      地図で視認できないだけでも厄介なのに、不意に湧いて来たり逃げられない位置に陣取っていることも珍しくなく、迷宮探索を困難にしている。
      • ただし南瓜系統のドロップ品から作れる武具は強力なものもあり、戦うメリットがないわけではない。
    • 橙FOEや赤FOEも厄介な位置に居座っていることが多くプレイヤーを悩ませる。
      とくに一部のFOEは、一つ上の階層を攻略中のパーティすら一手で壊滅させる高威力技を前触れ無しに放ってくるため、よっぽど対策を講じていなければ逃げる以外の手が無い。
      • 一部のスキルとそれ以外の行動の危険度が違いすぎるため、妨害に頼らず真っ向から戦う場合「このスキルを使われたら終わり」というバランスになりがちで、運ゲーの側面が強くなっている。
      • 正攻法での攻略が困難なため、ほとんどのFOEに対する封殺技を持つ鞭ダークハンターが非常に強力というバランスになっている。(詳細は後述)
  • HPが減ると危険な行動を取るモンスターがいることは先述したが、「不意打ち時のみHP満タンでも該当スキルを使ってくる」というルール無視の仕様を持つものもおり、探索中の不意の奇襲でなす術なく全滅しそれまでの苦労が水の泡…という事態も起こりうる。


本作特有の、特に理不尽な要素として以下の3つがよく話題に上がる。

最初のミッション「ハイ・ラガード入国試験!」

  • 本作の序盤はシリーズ屈指の難易度と言われているが、それを象徴するものがこれ。
  • 1番最初に受けるミッションであり「特定地点からスタートし樹海出口までの地図を作ってくる」というものだが、樹海に入っていきなり地図もできてない樹海のど真ん中に放り出される。当然この時はレベル1なので連戦すら厳しい。
    ご丁寧に、探索範囲のすぐ近くには次の階に出るモンスター3体との戦闘イベントまで備えてあり、誤って入り込みなす術なく樹海の養分になる新米冒険者が後を絶たない。
    • また、やっとの思いで出口までたどり着いても 地図が完成していないと衛士が出口を通してくれない という血も涙もない仕様があり、余力が無い場合は全滅を宣告されたに等しい。明らかにゲーム始めたてのプレイヤーに課していいミッションではない。
    • 「死者が出ているにもかかわらず街まで帰してくれない衛士」という光景は今でも語り草。後の作品でもゲーム内でネタにされるほど。

新システム「!!ああっと!!」

  • こちらも難易度上昇の要因の一つとして有名。採集ポイントでのアイテム採集中に低確率で前述のメッセージと共に雑魚敵の奇襲を受けるというもの。
    前作には無かった仕様だがゲーム中にこれを示唆するものは一切なく、採集ポイントで連打してたら突如奇襲を受け唖然とする…というのは前作経験者あるあるの一つ。
    • 元ネタは『wizardry』シリーズの宝箱のトラップが作動した際のナレーション「*おおっと*(Oops!)」と思われる。
  • ただ奇襲されるだけでも危険なのだが、「!!ああっと!!」で出てくるモンスターは その階層終盤の敵編成 となっており、全滅の危険性が非常に高い。
    前触れ等は一切なく、敵の奇襲を防ぐレンジャーのスキル「危機感知」も無効のため防ぐ方法は存在しない。
    • これも、前作で金策として使われた「採集スキルに極振りしたレンジャー5人で採集→帰還し採集したアイテムを売却、のループを繰り返す」テクニック、通称「ゴレンジャー」に対するメタ要素と言える。
  • 本作はアイテムや武具(特に最終盤の装備)の価格が高く、それに対しモンスタードロップ品の売値が低いので装備を充実化させるためには採集での稼ぎはほぼ必須であり、多くのプレイヤーが奇襲の恐怖に震えながらアイテムを集めることになった。
    • そもそも1日に可能な採集回数も前作から半減しているうえ、「!!ああっと!!」が発生した分の採集回数はきっちり減らされる。倒せば特別なアイテムを落とすといったこともなく、ただただデメリットしか存在しない。
  • 公式発表によると「!!ああっと!!」の発生率は1%…とのことだが、実際には採集ポイントによってバラつきが大きく、明らかに1%どころではない場所も多いので信用できる数字ではない。発生確率が高いうえに、すぐ背後に戦闘中のみ乱入してくるFOEの湧き場所があるという明確な罠ポイントまである始末。
  • メインパーティでも容易に壊滅させられるうえに発生時のメリットがないことから、探索のついでに採取する行動がとりづらくなり、結果としてメインとは別の採取専門部隊を組んで、事前にセーブしておき「!!ああっと!!」を引かないことを祈りながら採集しまくる…というだけの要素になっている。元々取る必要性の薄かった採取スキルをメインパーティで取る意味が一層無くなってしまうこととなり、思惑は裏目に出る結果となった。
  • 「!!ああっと!!」自体は後のシリーズにも引き継がれているが、さすがに不評が多かったのか、後作では本作とほぼ別物の仕様になっていたり、マイルド調整されたりしている。

強制不意打ちモンスター

  • 特定の敵が単体で出現した場合、必ず奇襲から始まり高確率で決まったスキルを使ってくる、通称「強制不意打ち」「特殊先制」と呼ばれる仕様がある。
    「!!ああっと!!」と同じくレンジャーのスキル「危機感知」も無効であり、防ぐ手段が存在しない。
    • 必ず敵が単体のため「ああっと」より壊滅の危険性は低いが、採集しない限り発生しない「ああっと」より、迷宮を探索する限りどうしようもないこちらのほうが理不尽という声もある。
      「ああっと」と同じくメリットは一切なく、冒険者だけが損をする仕様。
  • 最初の階層からこの仕様を持つモンスターもいるのだが、使用するスキルがよりにもよって「高威力の単体攻撃」。このモンスター自体の攻撃力もかなり高く、大ダメージは免れない。
    特にダークハンターやブシドーといった脆い前衛職との相性は最悪であり、到達段階では実質的に「ランダムで発生する防ぎようのない即死攻撃」に等しい。序盤では蘇生の費用も帰還するためのアイテム代も馬鹿にならず、ただ徒にこちらの時間と資金を浪費させるだけのシステムになっている。

これらの理不尽さは「対処のしようがなくてつまらない」という意見もあれば、「世界樹ならこのくらいしないと」と正反対の意見もあり、好みが分かれている。
開発陣はどうやら前者の意見を重視したようで、後続となる作品では、前述した「FOE」「!!ああっと!!」への対策や、初心者から上級者まで楽しめるように難易度を分けるなどの変更・改良を重ねていった。

バトルバランス面

  • 今作は「殺るか殺られるか」の尖ったバランスと上述したが、敵のみならず冒険者側にも難易度を劇的に変え得る高性能スキルがいくつか存在し、それがそのまま職業の評価に繋がっている。
    • もっとも、明確に他職の劣化、下位互換といった職は存在せず、それぞれ個性は差別化できている。
      強いといわれている職業も、これを使えば余裕でクリアできるというわけでは全くなく、「いない場合と比べて随分ラクになる」というのが正しい表現かもしれない。
+ 長いので格納
  • 鞭装備のダークハンター
    • スキル「ジエンド」と「オールボンテージ」が極めて強力。また、鞭装備時は行動速度に全武器トップのプラス補正がかかる。「殺られる前に殺れ」なバランスの本作でこれはかなりのアドバンテージである。
      「耐久力が低め」「本領を発揮させるのに手間がかかる」といった問題もあるが、ハマれば十分強い。
      • ジエンドは鞭装備時のみ実行できるスキルで、完全即死耐性を持たない対象を確定で即死させる。低レベルの内は瀕死に近い状態までHPを削らなければ成功しないためそこまで強力な訳ではないが、スキルLv10まで上げるとHPが55%以下であれば耐性を持たない限りそれがFOEやボスであっても確実に即死させられる凶悪スキルと化す。
      • 本作では即死有効かつ即死させるとレアドロップというまさにおあつらえのボスが序盤にいるため、これ一つで経験値稼ぎと金策が同時にこなせる。FOEから経験値を得ることができず、レベル上げに手間がかかる本作においてこの点は大きい。
      • オールボンテージは対象の頭・腕・脚部位全てを確実に封じ状態にできるフォーススキル。本作では封じの持続時間が短いため、全封じは1ターンしか保たない事も多いが、敵スキルはほぼ全てがいずれかの部位依存であるため、それらを確実に封じられるのは強力。発動の遅さがネックではあるが、レンジャーの「アザーズステップ(味方1人をターンの最初に行動させる)」と合わせれば弱点を打ち消せる。
        フォースを回復するアクセラ系のアイテムを大量に用意しておいて毎ターンダークハンターに使用し、常時フォーススキルを使用できるようにしておけばどんな敵であってもほぼ完封できる。さらにダークハンターは「対象が全封じの場合に威力が急上昇する」攻撃スキル「エクスタシー」も所有しており、オールボンテージで縛っておいて高火力のエクスタシーを放つという単純かつ強力な動きを無理なく行える。
    • 本作ではFOEの条件ドロップに特定部位の封じを要求されることが多いので、そういった意味でも封じが得意な鞭ダークハンターの有用性が高くなっている。
      「三部位を封じた状態で撃破」などという、本職以外では非現実的な条件すらある。
  • アルケミスト
    • 相手に非物理属性ダメージを与える「○○の術式」はどれも強いが、中でも無属性ダメージを与えるスキル「核熱の術式」が超強力。スキルLv5の核熱の術式は数百~千オーバーの大ダメージを与えられるうえに、無属性なので敵の属性耐性でダメージが減衰しない。前提スキルが厳しいため序盤に習得することは難しいが、中盤にこのスキルを完成させてしまえば表ダンジョンの攻略中はダメージソースとしてはまさに一強となる。
    • フォーススキル「超核熱の術式」は核熱の術式の全体攻撃版。フォーススキルなので連発こそできないものの、初期から習得しているのが何よりの強み。序盤の階層では、ゲージさえ貯めておけば通常では歯が立たないような遭遇時点のFOEを相手に一撃ないし瀕死まで一気に持っていってゴリ押すことができる。勿論ボス戦でも非常に有効。
    • 核熱以外にも三属性攻撃スキルを簡単に揃えられるのは序盤ダンジョンの堅い雑魚敵やFOE戦で非常に有効で、特定の属性攻撃でとどめを刺す系等の条件ドロップを簡単にクリアできるようになるのも好ポイント。
    • 弱点はスキルLvを上げると威力上昇に比例してTP消費も激しくなるため息切れしやすく、通常攻撃の弱さからそうなると何も出来なくなってしまうこと。そして致命的なのがダメージ式の計算上本編攻略中の終わり頃にはダメージが頭打ちになってしまい、それ以降は他職に追いつき追い越されてしまうこと。補助技を殆ど覚えず攻撃一辺倒のスキル構成であるため、ザコもFOEもHPが跳ね上がる隠しダンジョンでは戦力外になりやすくなる。所謂早熟型の職ではあるのだが、本編攻略段階ではいるといないとでは火力が全く違ってくるためやはり強職と言えるだろう。
  • カースメーカー
    • ザコ戦では高確率で相手を眠らせる「睡眠の呪言」や、1ターン300ダメージ程度の毒を付与し最終盤のザコでも2~3ターンで確殺できる「病毒の呪言」が猛威を振るい、ボス相手には相手を全属性弱点に変える「変化の呪言」、自分のHPが低いほどダメージが上昇する攻撃スキル「ペイントレード」などで活躍できる。最大HPブースト済&現在HP1桁で放つ特化したペイントレードは通称「ペイン砲」と呼ばれ、敵を瞬殺する際に大きな助けとなる。
    • 攻撃か補助一辺倒になりがちな本作のスキル環境の中で器用さ、幅広さという点では髄一で、どんなパーティに入れても仕事ができるのが強み。前提や準備が厳しく、気軽に使える訳ではないペイントレード以外で直接的な攻撃スキルが無く、デバフを打った後に暇になりやすいのが弱点ではあるが、世界樹の迷宮シリーズは伝統的にアイテムの効果が高いゲームなのでアイテム役に回る選択肢がある。
  • レンジャー
    • 戦闘面では前作からかなり弱体化したが、探索スキルの「警戒歩行」の性能が超強力。スキルLv10ではエンカウント率の上昇率が極端に下がり、しかも効果時間は250歩と非常に長い。その強力さ故に「デバッグモード」と呼ばれることもあり、効果を切らさなければ1フロア分のマッピングを雑魚戦無しで完成させられたりする程。
      賛否両論点に記載のある、強制不意打ちを初めとした理不尽な雑魚戦に対する唯一にして最大の答えであるため、このスキルの有る無しではダンジョン探索の難易度が天と地ほども変わる。ある意味では前作の医術防御に近いかもしれない。
    • ダメージ床のダメージを軽減もしくは無効化する「警戒斥候」も優秀。今作のダメージ床は割合でHPが削られかなり痛いので、これを無効化できるのは大きい。もっともこのスキルはメディックも習得可能。
    • 戦闘面では前述した「アザーズステップ」が何よりのウリ。素早さが低い味方のフォローや危機的状況からの立て直しなど用途が非常に広く、これが使えるだけ戦闘が非常に計算しやすくなる。前作に比べ前提スキルがかなり重くなり、早々には習得できなくなったが、それでも最優先で習得したいスキルだろう。なおスキルレベルを上げることで成功率が上がると説明されているが、実際はレベル1の時点でほぼ100%成功する。よってレベル上げはTP消費が増えるだけの罠。前作でも同じだったのでバグではなく仕様なのかもしれない。
    • 弱点はやはり戦闘面。前作から火力が大幅に抑えられたためダメージソースとしては力不足。
      ただし状態異常付きの弓スキルを習得して補助に回る選択肢もある他、序盤で最強格の弓を手に入れる機会がありうまく入手できればしばらくの間はアタッカー顔負けの火力を出すことも可能。
  • 逆に弱い職業は今作追加職であるペット。立ち位置としては攻撃や回復もできるタンクといった感じで、攻めにも回れるパラディンといった触れ込みだが、特に同じタンク職であるパラディンと比較すると使いづらい点が目立つ。
    • タンク職としては味方のダメージを庇う「忠義の心」や狙われ率を上げる「陽動」で味方の攻撃を引き付け、自身の高いHPと防御力をもってそれを受けるという動きになるが、前者はパッシブスキルである上に確率発動なため安定せず、後者はパラディンの「挑発」でも同じことができる上にあちらの方がダメージの軽減率が高い。
    • 忠義の心で受けるダメージは「庇われる側のステータスに依存する(つまり自身の防具性能は無視され、かばった相手が低防御力であるほどダメージが大きくなる)」という困った特性があり、せっかく防御バフを持ってたり耐性アクセサリを付けやすい仕様なのにこれらを活かせないチグハグ間が目立つ。
      ペットの体力はかなり高いとはいえ、柔らかい職が多い本作で範囲攻撃を庇おうものならあっさり撃沈することも多々。
      • 忠義の心のダメージを減らすには、庇われる側の防具、耐性を引き上げる必要があるが タンク職のダメージを軽減するために周りの仲間が防御を固める というのは本末転倒もいいところである。
    • 何よりパラディンと違って三属性攻撃に対する対抗策を何も持たないため、クリア後に出てくる対策必須級の超火力属性攻撃を放ってくる敵に対応できない。これらの点でタンク職としては完全にパラディンに後れを取っている。
    • 攻撃スキルは火力や攻撃範囲こそ悪くないものの全体的に命中に難のある物が多く、単純にアタッカーとしてなら他の前衛職に劣る。
    • フォーススキル「究極傷舐め」は戦闘不能を含む状態異常の完全回復とHP500前後の回復と弱くはないが、メディックの「超医術」と効果が丸被りであちらはHP完全回復なので事実上の下位互換とタンク以外の性能も今一つ。
    • 比較的使いやすい運用法としてはパラティンと二重タンクにすることで、パラディンが挑発で受けたダメージをさらに忠義の心で肩代わりすることで負担を分散し、パラディンが属性ガードを発動するターンに第二の物理受け役として行動しつつ、普段はアタッカーとして運用するのが扱いやすい。しかし前後衛合わせて5枠しかない枠にアタッカー兼任とはいえタンク職で2枠埋めるのが効率の良い戦法かどうかは微妙なところ。
  • またメディックも、序盤はその回復性能が頼りになるが、後半はやや欠点が目立つ。
    • 前作で壊れスキル筆頭だった医術防御が無くなり、攻撃性能もナーフされ前衛に立つのは難しくなったため「雑魚戦1ターン目にできることがほぼ無い」のが最大の欠点。
      今作で追加されたドクトルマグスは、回復性能こそ劣るが優秀なバフや攻撃技も持っている多芸な職であり、雑魚戦でも仕事は十分あるが、メディックは回復一辺倒でありできることの幅が極端に少ない。
    • 正攻法で殴り合うしかない序盤ではその回復量で味方を支えてくれるが、後半の「敵に動かれたら負けなので封殺する」というバランスになると、一気に手持ち無沙汰になってしまう。対するドクトルマグスは今作屈指の強バフスキルを持っているためなおさらである。
    • バステ回復や蘇生スキルはドクトルマグスが持っていない個性ではあるが、蘇生はともかくバステについては「付着してから治すことしかできないのに、肝心の回復職がバステに罹って動けない」という事態も頻発し、信頼性が置けないという声も多い。
      強敵戦においてはメディックを配置せず、回復はアイテムで完全に代用し短期決戦で倒すという選択肢を取るプレイヤーも少なくない。
  • フォーススキルが活用しづらい。
    • 前作で似たポジションであったブーストシステムに比べ、ゲージがかなり溜まりづらい。
      たいていの場合フォースが溜まり切る前にTP切れもしくは荷物が満杯になって帰還することになり、特に継戦能力の低い序盤は役に立つことが少ない。
      • 前述の通り、全体的に「殺られる前に殺れ」バランスなため、戦闘ターン数が少なめなことも一因。
    • 最も多い使われ方は「雑魚戦でひたすら防御してフォースを溜め、どうしても勝てないFOEやボス相手にぶっ放して速攻」という戦法。
      またごく一部の強敵に対する特殊な攻略で使われることもあるが、どちらにせよ意図して準備したうえでの話である。
    • フォーススキル自体はどれも強力であり、また上記の戦法も、FOEが強く厄介な位置に陣取っていることが多い本作では救済措置となっているのも確かである。
      ただ、せっかくの各職業特有の技がこれぐらいしか活躍の場が無いというのも少しもったいない。
  • 武器による速度補正
    • 世界樹シリーズでは「装備している武器の種類や、選択したアクティブスキルに応じて戦闘時の行動順にプラス/マイナス補正がかかる」という仕様が存在する。
      ただし、本作ではこの内の「武器による速度補正」の比重がかなり大きくなっており、装備している武器の種類によって行動順がほぼ決まってしまうほどである。
      一応、「アクティブスキルを使用してさらに速度補正をかける」「同じ武器種の中でも物によって速度補正に差があることを利用して微調整する」といったテクニックを使用してさらなるコントロールを行うことは可能。

非常に面倒なレベルキャップ解放の仕様

  • 本作でのレベルキャップは「最初は70→70で引退後、新たに作成したキャラはレベルキャップが71に→そのキャラをLv71まで上げて引退→新規作成キャラのレベルキャップが72に…」という風に、「最大レベルで引退し、そこから新しく作ったキャラは最大レベル+1まで上げることができる」ようになっている。
    引退後作成したキャラはLv30でスタートするので、Lv99になるまでには「Lv70 ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv71 ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv72 ⇒ … ⇒ 引退(Lv30) ⇒ Lv99」という流れを繰り返すこととなり、膨大な経験値と時間が必要で非常に面倒。更にLv99まで上げた後、「Lv99で引退した際のステータスボーナス」を手に入れるためにもう一度引退する必要がある。これを手に入れるまではレベルキャップが上がること以外のプラス要素がないのも辛い点。
  • ただし、ゲーム内最強の裏ボスを倒すのにも1度引退してステータスを底上げしたLv71で充分といわれており、Lv99まで上げるのはほとんど自己満足要素に近く、やりこまない人には殆ど関係がない。
    • このシステムは不評であったため、次作以降は「特定のボスを倒すことで順次レベルキャップが10ずつ上がる」ように変更された。

ダンジョン構成

  • 第二階層で出現するダメージ床や第三階層の滑る床、第六階層のワープなど、ダンジョンのギミック、またそれが登場するタイミングが全体的に前作を意識したような構成であり、良く言えばオマージュ、悪く言えばマンネリ気味である。
  • 第6階層最初のフロアである26Fのギミックがほぼノーヒント。このフロアは階段を上ってまっすぐ進んだワープに乗ることで先に進めるのだが、先のエリアに行ってみても次の階への階段が見つからない。この時点ではマップの西側しか埋まっておらず、東側がぽっかり空いているので何か仕掛けがあるのは明白だがどうやっても西側から東側には行けない。
+ 26Fのネタバレ
  • 正解は最初のワープに 夜間に入ること 。宿屋で回復すると朝5時になる仕様のせいもあり、大体のプレイヤーは一回の探索を終えて次に探索を行う時は朝の時間帯になっていることが多い。西側エリアのみであればさほど広くないため昼間の内に街に帰還→朝まで寝るというループになりがちであり、事前知識なしだと詰む可能性の高いギミックである。
  • 時間帯限定ギミック自体は第3階層でアナウンスによるヒント付きの夜限定ギミック、第4、第5階層で時間帯によりFOE配置が変化するギミックが登場している。
    • ただし前階層では時間帯限定ギミックということに気付かなくともそのFOEを倒してしまえば詰むことはないがこちらは気付かなければ打つ手なしという差異があり、また第3階層のものと比較しても、あちらは「夜になって凍ったから通れる」という納得できるものだったのに対し、こちらは「夜になるとワープ先が変わる」と時間帯との関連がない。
  • 一応、宿屋のNPCとの会話で夜間に行くことを勧める話が聞けるのだが、ここまで攻略らしい会話を発したことのないNPCであり、かつ話の流れ的にもただの雑談にしか読めず、ヒントと言うにはかなり苦しい。
  • 流石に不評だったのか次回作以降で入る時間帯によってワープ先が変わる仕組みは一度も実装されていない。

武具辞典

  • 世界樹の迷宮シリーズでは伝統的に「モンスター辞典」「アイテム辞典」があり、この中身をすべて埋めることが完全クリアの条件になるのだが、本作のみこれらに加えて武器、防具、アクセサリ類が登録される「武具辞典」が存在し、完全クリアのためにはこれも完成させる必要がある。
    世界樹シリーズでは、武具類はモンスターなどから得られた素材を一定数売却することで店頭に並ぶ仕組みだが、本作ではその所要数が他作品と比べてもひと際多く、武具辞典を完成させるためにはかなり労力がかかる。
  • 前作では通常の雑魚敵ドロップ品の必要数はせいぜい10個程度だったが、今作では多いものは30個も必要。FOEのドロップ品も複数個売却してやっと店頭に並ぶものもある。後半の迷宮ほど敵のドロップ率は下がっていくため、普通にプレイしているだけでは数が足りなくなることも多い。
    図鑑には残り素材数などのヒントは載っていないため、取りこぼしがあってもどの素材が何個不足しているのか、把握することは困難。
    • 必要素材が複数種類ある装備の場合、片方の素材が所要数に足りていれば交易所のリストからもう一つの不足素材が確認できるが、両方足りていない場合や素材が一種類のみの場合はそもそもリストに表示されない。
      自力でこれらを完全に埋めるのは非常に困難で、攻略情報がほぼ必須である。
    • いちおう、敵ドロップ率を上げるスキルの性能自体は前作より向上しているのだが…。
    • 前作でも、ある素材が30個もしくは50個必要という特殊な装備品は存在したが、裏ボスであってもこれらの装備が必須ということはなくほぼやり込みの範疇であり、そもそも武具辞典が無かったので完全クリアの条件ではなかった。
  • すべての武具が登録されるので完全に埋めた時の達成感もひとしおだが、自分のギルドメンバーでは装備できない武具のためにマラソンさせられることも往々にして起こり、どちらかというと作業感のほうが強い。
  • 特に取りこぼしやすいのが、特定のFOEのドロップ品が複数必要になるもの。
    そもそも本作のFOEは厄介なうえに経験値が無いのでできるだけ相手したくないのに加え、面倒な条件ドロップほど複数個必要なものが多くパーティによっては非常に苦労する。
    • 酷いものでは 迷宮内のFOEの総数より必要ドロップ数のほうが多い (つまり日数によるFOE復活待ちが必須)なんて装備すらあり、このためだけに宿屋に連泊して日数を進めなければならないこともザラ。
    • 作製困難な装備は最終装備になり得る性能を持っているので、装備できるキャラさえいれば無駄になりにくいが…。
  • これも不評だったのか、以降のシリーズでは武具辞典は存在していない。

総評

前作のシステムやUIを大幅に改善し、システムの基礎を築いた作品。
他の作品より高難易度、バグ・不具合が多いといった難点もあるため、今までダンジョンRPGをしたことのない人がいきなり今作から始めるにはやや厳しい。しかし、ストーリー・システムが大幅に劣っているというわけではないので、世界樹の迷宮の楽しさを存分に味わうことができるだろう。


余談

  • 『世界樹の迷宮』シリーズは人によっては「タイトルにもある『世界樹』を上へ上へ登っていく」ような印象を受けるかもしれないが、実は「迷宮を上に登る」のは珍しくこの作品と第5作だけである。

その後の展開

  • 2023年2月9日に本作と『I』『III』のリマスター版『世界樹の迷宮 I・II・III HD REMASTER』が発表された。対応機種はSwitch/Win(Steam)で、2023年6月1日に発売された。
    • 懸念されていた手書き地図の有無だが、携帯モードでのタッチによる描画、コントローラー操作での描画、Win版はマウスによる描画がサポートされていることが確定した。
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  • DS
  • 2008年
  • DRPG
  • ランカース

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最終更新:2024年03月24日 20:55

*1 前作ではガードが1回しか発動しない代わりに、1回であれば範囲攻撃もすべて軽減できたが、今作では範囲攻撃でも被弾1回ごとに発動判定があるため、2回目の被弾以降はガードしてくれるか運次第となる。(例として、全体攻撃に対してフロントガードを使用した場合、前作では1列まとめて軽減できたが、今作では前列の1人目は確実にガード、2人目以降は運任せ、ということ)