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EUROPEAN CLUB SOCCER Winning Eleven Tactics
【よーろぴあんくらぶさっかー ういにんぐいれぶんたくてぃくす】
ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピュータエンタテインメント東京
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発売日
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2004年12月9日
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定価
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7,329円
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判定
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良作
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概要
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サッカーゲームの決定版として人気を誇る『ウイニングイレブン』シリーズの派生作品。通称はウイタク、EWET。
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前作『J.LEAGUE Winning Eleven Tactics』(JWET)から正統な進化を遂げた続編。
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選手を直接操作する本家シリーズとは異なり、クラブの監督の立場としてチームの戦術・起用法・補強の指揮を行い、欧州6大リーグを舞台に世界の頂点を目指す。
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経営の煩わしさを省き、戦術面に特化した飽きの来ない作りによって、多くのファンに支持されているサッカーシミュレーションの傑作。
評価点
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ウイニングイレブンそのままのリアルタイム試合進行
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時間帯によって刻々と変化する試合の状況を見極め、監督として的確な采配を探る楽しみを存分に味わうことができる。
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全く同じ戦術で同じ相手との試合に挑んでも、同一の展開になることはあり得ない。
「完全回答」が絶対に存在せず、ときに運が味方した者が勝利を手にするサッカーの世界を絶妙なバランス感覚で再現している点は非常に評価できる。
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試合画面がダイジェスト化され、「指揮する楽しみ」がおざなりにされていた『サカつく』シリーズとの最大の違いはこの点。
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かゆいところに手が届くマニアックな作り込み
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フォーメーション、基本戦術、ペース配分などの基本的な点は全てきっちり押さえている。
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本作ではさらに選手一人一人の意識をこと細かに設定可能。ボールの持ち方からシュート意識、競り合いの意識まで、多数の項目が用意されている。
これらの取捨選択の組み合わせが試合全体の流れにも影響を及ぼすため、極めて自由度が高い。
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指示とは別に選手固有のプレイスタイルもきっちり存在し、いくら能力が高い選手をかき集めても戦術にフィットしなければ勝利に結び付かない。
このため現実のサッカーと同じような強豪の不振や弱小の躍進がしばしば起こるのも非常に面白いところ。
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チーム運営の戦略性の高さ
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故障の発生率や疲労の蓄積が高めに設定されており、リザーブも含めたチーム作りが必要。
特にリーグと並行して欧州CLなどのカップ戦をこなす強豪は過密日程となり、各国代表への召集で欠員が出ることもあるため、選手のやり繰りが非常にリアル。
かといって有名選手を控えで持て余していると起用に不満を唱え出し、選手の士気が下がってしまうのがまたリアル。
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一定の戦術を完成させて波に乗っていても、しばらくするとCPUがこちらのチームを研究して適応し始める。
戦術ありきのゲーム性でありながら最強の戦術が存在しないため、常に試行錯誤しながら進める必要があり、いくらシーズンを重ねても飽きない。
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希望すればいつまでも同じチームに留まれる訳ではなく、クラブごとに設定された条件次第で容赦なく首を切られる。
強豪であれば一定の成績を出していてもCL出場枠を逃せばアウト、弱小なら降格圏を脱出できなければアウトなどなど、現実味があってプレイにも身が入る。
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条件をクリアし続けて理想のチーム作りを目指すも、複数のクラブを渡り歩くさすらいの監督を楽しむも、全てプレイヤー次第。
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アー○ン・ベ○ゲルやデ○・ボ○ケなど、膨大な数のCPU監督が用意されており、それぞれ固有のスタイルを持っている。
監督が変わればCPUの戦術も変わり、戦力もかなりバランス良く補強してくるため、同じリーグでも毎年違うシチュエーションを楽しめる。
各クラブの移籍情報を閲覧しているだけでも面白い。
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進行のテンポの良さ
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プレイヤーがやることは本当に監督業に集中されており、あとは大体の資金繰りを考えて戦力を整える程度。
経営面は全てオーナー任せ、練習や育成はコーチに、補強はスカウトに大まかな指示を出すのみで、ストレスを感じることが少ない。ロード時間の短さも好材料。
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補強については細かく首を突っ込むこともできる。もっとも、本格的にやるとややゲームバランスが狂うため、欠点につながってしまう部分でもあるのだが。
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日程進行画面は全チームの動向を一挙に確認できるトピックス形式。サクッと見て進めることもできれば、じっくりと詳細を見ることもできてよろしい。
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リアリティを追求した演出
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この手のゲームにありがちな必殺シュートや余計なイベントは全く存在せず、徹底的に現実のサッカーに忠実。
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本作の方向性を考えると、この淡白なまでの色気の無さは正解だったのではないかと言える。
問題点
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選手がアホな行動をやらかすことがある
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PS2の限界、いや人間が作るコンピュータゲームの限界かもしれない。
マクロ的な視点で見れば非常によくできている本作だが、ミクロ的に試合を観察していると思わず「おい!」と言いたくなるようなプレーがしばしば起こる。
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キーパーと1対1の場面でバックパスを出すFW、一直線にタッチラインに突っ込んでいくMF、1点ビハインドの後半終了間際に延々ボール回しを続けるDF…。
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選手の意識設定次第である程度抑えることが可能だが、逆に言うと若干のセオリーが存在するということでもあり、せっかくの自由度の高さを阻害している。
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延々ボール回しを続けてしまうのは、逆に言えば相手にしっかり守られているためにボールの出し所が無いということでもある。
しかしこの辺りは試合の状況を見て判断するしかなく、どこをどう改善すべきか分からないまま逃げ切られてしまうことも珍しくない。
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これらの理不尽を乗り越えられるかどうかは、本作を楽しめるか否かの大きな分水嶺でもある。
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移籍市場の整合性の悪さ
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各クラブの資金量が少なめに設定されているためか、ビッグプレイヤーが簡単にフリーになる傾向が強く、弱小クラブでも割と簡単に獲れる。
また、スカウト機能があるのに自分で選手を検索できるため、最終的に交渉力が高いスカウトが一人いればあとは不要になってしまう。
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相応のコストがかかるため致命的なバランス崩壊にはならないが、リアルなクラブ運営にこだわる場合は選手検索とフリー移籍の自粛を推奨。
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プレイヤーが提示した期限付き移籍だけやたらと食い付きが悪いのも不自然(CPUは活発に行う)。
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意外性の無い育成
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若手の成長性がどの選手もほぼ一定なため、将来性のある選手・ダメな選手が一目で分かってしまう。
ある意味現実に忠実(実際、本作に若手として登場していて、現在スターに成長している選手は多い)だが、シミュレーションゲームとしてはやや物足りない。
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初心者に不親切
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全体的に「プレイヤーが(欧州)サッカーを知っていること」を前提として作られており、慣れるまでにコツがいる。
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試合中にも非常に細かい指示を行えるため、逆に何をすれば良いのか分からない。試行錯誤の積み重ねを心地よいと思えなければ厳しい。
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マニア向けの作品である感が強く、万人が満足できる出来とは言い難い。本作がセールス的にあまり振るわかなったことの一因と言えるかもしれない。
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やかましいだけの実況&解説
総評
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やり込めばやり込むほど味が出る至高の「スルメゲー」。
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『プロサッカークラブをつくろう!』や『チャンピオンシップ・マネージャー』との差別化を明確にし、視覚的にも内容的にも優れたリアリティの実現に成功している。
ぶっちゃけウイイレエンジンの流用作品だが、妥協のない作り込みによってサッカーファンにはたまらない逸品に仕上がった。
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問題点は散見されるが、あらゆるサッカーシミュレーションゲームの中でも最高峰と言える出来である。
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一方でマニアックすぎる作りが一般層を寄せ付けず、「知る人ぞ知る名作」程度の認知度に留まっているのは反省点。
プラクティス機能などが充実していればある程度避けられた点だと思われるのだが。
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商業的には失敗作とみなされたためか、発売当時から絶賛を受けていたにもかかわらず、いまだに続編は出ていない。
最終更新:2022年09月20日 16:35