ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

【どらごんくえすとえいと そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 レベルファイブ
発売日 2004年11月27日
定価 8,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 178KB以上(最大30ファイル保存可)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 アルティメットヒッツ
2006年7月20日/2,800円(税別)
判定 良作
ドラゴンクエストシリーズリンク


概要

言わずと知れた国民的RPGのナンバリングタイトル8作目で、シリーズ初の完全3D化作品。
前作『VII』の期待外れ感から発売前はあまり期待されていなかったが、発売後は評価が一転。シナリオ、キャラクター、システム、快適なロードなど他の多くの面で好評価を得て、前作の批評を見事に払拭し、後に『レイトン教授』シリーズ等を手掛け、大手のパブリッシャーとして名を馳せていくことになるレベルファイブの出世作となった。


プロローグ

いにしえの昔から、邪悪な力を持つと語り継がれてきた伝説の杖。
その杖を封印していた城に、ドルマゲスという道化師が現れ、杖の封印を解き放ってしまいます。
目覚めた邪悪な力の呪いによって、城の時は止まり、国王や姫も姿を変えられてしまいました。
ただひとり呪いから逃れたあなたは、城や国王たちを救うための冒険に旅立つのです。


特徴

従来作同様のコマンド選択型RPGだが、本作ではハードをPS2に移したことに伴い、様々な新機軸となる要素が導入されている。

  • シリーズ初のフル3Dグラフィック。
    キャラクターデザインに忠実なキャラグラフィックが実現し、そして広大に作りこまれたマップは思わず端から端まで探索したくなってしまうほどのリアルさに溢れている。
    • 前作『VII』の作中ムービーの質が悪さから「ドラクエと3Dの相性は悪い」という考え方が根付いてたが、今作はその問題を一枚絵から3Dモデリングを作り出すトゥーンレンダリングという技術を採用することで解決した。
      デザイナーの鳥山明氏の手がけたデザインを忠実に、かつ違和感なく立体として表現する事が実現しており、アニメ絵調ながらも違和感を生じさせない仕上がりになっている。
    • 広大さを感じさせる工夫として、遠くの建物などがかすんで見えるようになっているという工夫がなされている。これはいわば遠近法の手法であり、今作最大の持ち味でありキャッチコピーの「見渡す限りの世界」がこれでもかと表現されている。
    • 建造物はDQ的な雰囲気を損なわないレベルのデフォルメがなされている。マップ上にも様々な建物の廃墟があったりなど、一切の手抜きもなく精密な作りこみがなされている。グラフィックの質自体もPS2ではトップクラス。
    • 終盤で飛行出来るようになった際のグラフィックも見事の一言。「遥か上空を滑空している臨場感」「眼下の各大陸を見下ろしている」感じがこれでもかと出ており、地形や地点のシンボルも手抜き無く描かれている為、ただ何気なく景色を見ているだけでも楽しめる。
    • 3D化により、戦闘シーンだけでなくイベントシーンの表現力も向上した。特にアスカンタ城のイベントは非常に美しいものとなっている。
    • 戦闘シーンでは、味方側のメンバー全員が表示される他、装備した武器によって手に持つ武器のグラフィックがメンバー全員で変化するようになっているが、主人公とゼシカ限定で一部の装備した防具で衣装が変化する。フル3Dになったことにより衣装も鮮明に表現されたため今までよりもコスチュームチェンジ気分が楽しめる。
      主人公は衣装チェンジのタイミングがクリア後限定なため、衣装チェンジのメインはゼシカで、ドラクエ恒例でありながら視覚的表現の機会が限られていた「セクハラ装備」の数々が美しいグラフィックで存分に堪能できる。
  • フィールド上に表示されるのは先頭の一人だけだが、「なかま」コマンドで仲間と会話が出来る。
    その際のテキスト量は膨大で、すべてのイベントに対し何らかのリアクションが用意されている。またフィールドでは馬車の音も聞こえるなど、抜かりなく作りこんでいる。
    • 前回のプレイ内容を忘れてもゲーム再開時に「なかま」コマンドを使うと、これまでのあらすじや次の目的地などを話してくれる。
    • 上述のようにイベントに対するリアクションは用意されているが、「村人・町人1人1人の会話へのリアクション」は同年発売のPS2版『V』に比べると抑え目になっている。
  • 「錬金釜」
    • RPG等ではお馴染みの「合成システム」。各地で入手出来るレシピを参考に武器や防具や道具、錬金用の素材を合成する事で違うアイテムに変化させる事が出来る。錬金でしか入手出来ない武具も存在する為、強力な装備を求めるならば必然的にこのシステムを活用する事になる。…と、この手のシステムとしてはオーソドックスなタイプである。
    • 最初は2つまでしか素材アイテムを投入出来ないが、シナリオが進むと3つ投入できるようになる。また素材投入からアイテム完成までには一定の歩数移動しなければならない。完成までの歩数はアイテムごとに異なる。このシステムは次回作にも引き継がれることとなる。
    • なお、投入するアイテムが分かっていればレシピが無くとも錬金できる。攻略情報があったり、すでに1度クリアしているならば、より楽に冒険を進めていける。
  • 「テンション」システムの導入。
    • 過去作での特技「ちからため」「きあいため」等を、新たな戦闘システムとして昇華させたもの。
    • 戦闘中に「ためる」コマンドを選択する、あるいは特定のアイテムを使用するなどにより気合を溜め、溜めた気合を消費して次にとる行動をパワーアップすることが出来る。
      • 攻撃ならば攻撃力が、回復ならば回復力が、スクルトやピオリムなどの補助呪文であれば強化量が、それぞれ増幅補正される。「ぼうぎょ」コマンドならばダメージ軽減率が増加する。
      • 例外的に、与ダメージ量増加が2倍で固定となっているバイキルトや無条件でHP全回復となっているベホマ・ベホマズンなど、効果量が固定となっているものについては効果を発揮せず、ためていたテンションは消費されずに残る。
    • 1回ごとに5→20→50→100の順で強力になってゆき *1 、100にまで達すると全身が紫のオーラに包まれ「スーパーハイテンション」状態となる。次の行動の倍率補正が7.5倍となるほか、この状態でいる間は「ぼうぎょ」を選択していなくても受けるダメージを30%軽減できる。ただしこの状態への上昇は一定確率で失敗することがある。
      • テンションは1回ためるのに1ターン消費する。しかし1回ためるだけでは通常攻撃2回相当にはならず、3回はためないとターンの消費と威力が釣り合わなくなる。そのため、テンションをためたい状況でピンチにさらされた時に攻撃と回復どっちを優先すべきか柔軟な対応が必要になったり、非常に硬い敵に対してはテンションをためて大打撃を与えるのが有効だったりなど、『VII』までの保守的なコマンド式戦闘に比べ、戦術性が格段に向上した。
    • また、ゾンビ系・エレメント系のモンスターはテンションをためないとダメージが通りづらいようになっているが、逆にテンションをためた攻撃だと通常よりも格段にダメージ量が増えるなどといった措置が取られており、ボス戦だけでなく通常戦闘でもテンションは重要な要素として働いている。
    • ここだけ見るとどんな敵相手でもひたすら溜めておけば良いと思われがちだが、おたけびやラリホー等により行動不能状態にされたり、「いてつく波動」を受けるとテンションが0に戻ってしまう。他にもテンションを下げる攻撃を持つ敵がちらほら出てくる為、テンション溜め一辺倒にならないように配慮されている。
      • 敵にもこのシステムが採用されており、複数回行動をとる敵は複数回やたらテンションを溜めてきたり、一気にスーパーハイテンション状態になる敵も居る。
    • 強すぎるとの意見もあるが、それは全員のテンションを1段階上げる「ふしぎなタンバリン」によるもの。錬金でしか手に入らないが、レシピの入手タイミングはクリア後であり、知っていても錬金の材料となるアイテムの入手はかなり終盤になる。これが錬金出来る頃にはいてつく波動を使うボスばかりになり、そうでなくともこのアイテム無しには火力的に厳しくなる為、総合的なバランスは取れている。
  • 「おどかす」コマンド
    • 戦闘中、キャラの行動前にこのコマンドを選択すると、敵全体を大声でおどかす事ができ、成功するとモンスターが逃げ出す。
    • こちらの「にげる」との大きな違いは、敵から逃げる為こちらの逃走回数にカウントされないこと、経験値やゴールドは得られないが、普通に倒した時と同じ判定でアイテムを落とすことがあるという事。上手く利用すれば逃走する事なく面倒と感じた戦闘を終わらせる事が出来たり、欲しいアイテムを少ない手間で入手出来たりする。
    • ただし敵がこちらより強かったり、感情のない機械やゾンビ系だったり、特定の敵だと無視されたり攻撃してきたりして被害を被る事がある為、使いどころは慎重に決める必要がある。メタル系スライムにはこちらのレベル関係なく効果がランダムで現れ、エレメント系の敵は必ず逃げる。
  • スキルシステムの導入。
    • 本作には職業の概念がなく、レベルアップ時に取得できる「スキルポイント」を各キャラに設定された5つのスキルに振り分けることによってステータスを上昇させたり特技や呪文を覚えることができる。これにより『VI』『VII』の転職システムのような煩わしさが減った。
    • スキルによって覚える特技は、大半が「そのスキルに対応する武器」を装備していないと使用できない。
      例えば従来では斧を持っていても剣技のはやぶさ斬りなどが使えたりしていたのだが、今作での剣技は剣を装備しないと使えなくなっている。ただしククール・ゼシカの杖スキルによって覚える呪文や各キャラの固有スキルで覚える特技など、武器を問わず使用できるものもある。また、ゼシカがおいろけスキルで覚える「投げキッス」と「ヒップアタック」は使い勝手が微妙(というかより強い特技の影に隠れている)であまり使われないため指摘される事は少ないが、『VI』や『VII』の格闘技同様、何故か武器の攻撃力が加算されている。
    • かなりの序盤からスキルポイントを取得することが出来るため自由度は高いが、スキルを割り振れる限界の計算式にレベルが関わっており、最大の100まで上げられるようになるのはレベル38と通常のクリアレベル付近。一点集中型で育てていても一定のレベルで打ち止めになるため、序盤から最強の特技が使用できるなどといったことはない。
      • 「プレイヤーによる自由な選択」「キャラの個性」「わかりやすさ」「ゲームバランス」など、多くの要素の葛藤の末、国民的RPGであることをじゅうぶんに意識した上で、絶妙な調和を果たしたシステムである。
        のちのシリーズ作品の『IX』『X』や、『DQMJ』以降のモンスターズシリーズに形を変えながらすべてに導入されているため、シリーズの戦闘システムに革命を起こしたともいえるだろう。
  • 「スカウトモンスター」
    • 『V』『VI』にあった「仲間モンスター」の変化版。任意イベント後に各地に居る「スカウトモンスター」と呼ばれる特殊なモンスターを倒す事でこちらのチームにスカウトする事が出来、3体で1つのチームを作る事が出来る。
    • スカウトしたチームは「モンスターバトルロード」で他のチームと戦わせたり、主人公が習得する「チーム呼び」で主人公達に代わって一定ターン戦闘させる事が出来る。モンスターバトルロードは勝ち進むごとに様々な特典や貴重なアイテムを得る事が出来る為、大きなサブイベントとして通い続ける事になるだろう。
    • スカウトモンスターの種族や通り名の組み合わせによってパラメーター等にボーナスが付いたり、様々な「必殺技」を使わせる事が出来る。そのためチーム編成においても様々なテクニックが存在する。
  • リメイク版『IV』のように「せんれき(戦歴)」が見られる。
    • それまでの行動に応じてトロデ王がさまざまな評価をしてくれる上、その内容も面白みがある。
      • 例えばあえて最初から一切戦歴画面を開かず、中盤で船を手に入れてから初めて戦歴を見ると「見るのが遅すぎじゃ!」と怒られる。
        またとあるイベントでトロデ王だけがご馳走にありつけなかったというものがあるのだが、その直後に戦績を見ると拗ねてそっぽを向いているなど芸が細かい。
    • 「1ターン最大ダメージ」という項目にはやりこみプレイヤーからの注目が集まっている。

その他の特徴

  • 戦闘時のカメラを引くことにより、サイズの大きい敵が大量に同時に出てくるようになった。
    • 今作では、「キングスライム6体」「夜の帝王8体」など、旧作では有り得ない出現数で登場するようになった。つまり「サイズによりたくさん出ないから安心」と油断はできなくなったのである。
      体の大きい敵は大概強いため、それが大量に現れるとなると苦戦は免れない。特に「クラーゴン4体」「ベリアル6体」など登場すると絶望を見る。「アイスチャイム」は呼ばれた仲間が同一ターンで行動するため、「8体+トロル」の合計9体という大所帯になることもある。
    • なお、以前の作品では最大4グループまで出現していたのだが、今作では合体モンスターを除き最大3グループまでしか出現しなくなったため、グループ単位の匹数は増えている。これにより、全体的なグループ攻撃の価値は少しだけ上昇している。また、サイズが中程度の敵だと、8匹以上の集団で出ることもある。
      • これに伴い、戦闘にもよりやり応えが増すようになった。回復タイミングの判断が重要になり、範囲攻撃や補助呪文の有用性が上昇するなど戦略性が高まり、大量の敵と戦うからこその面白さを味わえる。この仕様も攻撃呪文の価値低下にブレーキをかけることとなり、『V』~『VII』よりも攻撃呪文の利用価値が上がった。
      • これまでの作品では敵単体対象の行動であってもグループ単位でしか決めらなかった。大抵の場合は、倒せる敵の中で一番HPが高い敵を狙う、倒せる敵がいないならば最もHPが少ない敵を狙う、麻痺状態の敵への攻撃は避ける等、有利になる様に攻撃対象が決定されていたが、HPが満タンの敵を狙いたいのに同じグループにいる瀕死の敵に強力な攻撃をしたり、眠りや混乱やアストロン状態でほうっておいてもいい敵を攻撃する等、思い通りにいかない事もあった。しかし今作ではプレイヤーが単体攻撃の対象を自由に決められるようになった。単体攻撃の利用価値が無くなった訳ではない。
  • 敵の強さは今までのような「明らかに場違いなモンスター」はほとんど存在せず、寄り道的存在のダンジョンに裏ダンジョンのモンスターがごくごく稀に出てくると言った程度。
  • 代わりに敵の攻撃力や素早さが全体的に高めに設定されており、中盤以降のザコは1ターン休みにしてくる特技や攻撃、ラリホーやメダパニなど行動不能に陥らせる呪文(特技)を使う敵が増え、テンションを潰されるのはもちろん運次第では一気に瓦解しかねない。
    もちろんこちらにも打てる策は多数あるため、理不尽な難易度というわけではない。昨今の作品に比べると頭を使うことが増えたともいえる。
  • 一部の状況下における敵の行動の調整
    • 敵の行動のうち、強力な行動は同じグループ内では1ターンに一度になるように修正されている。グループ内で二匹も三匹も強力な全体攻撃の「はげしい炎」などが吐かれるようなことは通常はない。
    • 戦闘において一定確率で敵が先制する事もあるが、その際の行動が比較的弱めに調整されるなど、不意打ちによるリスクが幾分か減った。
    • いきなり襲いかかってきたが、メタル系モンスターを筆頭にその瞬間に逃げだしたり、または無駄行動をしたりするなど、状況的に矛盾した行動も取らなくなった。
  • 呪文や特技の大幅な調整
    • 多くの特技がMPを消費するようになった他威力が下がる等調整が入り、特技一辺倒になりづらくなった。
    • これまで威力が固定だった呪文は、今まで死にステだった「かしこさ」で威力が上昇するようになり、『V』以降と比べて軽視感が減った。
      • しかし、呪文の威力上昇量はかなり控えめな上に威力の上限 *2 が設定されている事、それを見越してか基本威力が『VII』以前と比べて弱くなっている事、呪文を2回連続唱えられる「やまびこのぼうし」が廃止された事など、本作でもやはり物理攻撃優遇が完全に改善されたとは言い難い。
    • 「すばやさ」も行動順の調整以外にも、一定以上上昇すると物理攻撃を回避率が上がる効果が追加された。
    • 『IV』以来久々に復活したすばやさを上げる呪文のピオリムは、その気になれば簡単に999まで上げられ、すばやさの上昇にともなう打撃攻撃回避率上昇効果も狙えて、重要度が上がった。
  • 有用な回復アイテムの大量追加
    • 今迄の回復用アイテムと言えば、「やくそう」か「アモールのみず」といったほぼ序盤用レベルか、入手が難しい最高位アイテムの二極化になりがちで終盤はあまり使う機会がなかった。が、本作になってHPを100以上回復する「上(特)やくそう」や複数の状態異常を回復する「万能ぐすり」…といったバリエーション豊かかつそこそこ強力なアイテムが追加され、全編渡って道具全般の使用価値が上がった。

評価点

王道的ながら奥深さあるストーリー

  • 『VII』同様に人間の負の部分を前面に押し出したような人物描写やシナリオ展開が多い。
    • 大筋こそ王道ではあるが、愛する王妃を失って2年間も喪に伏して政治を放棄している王や、もともと腐敗していたが人格ある院長の死後さらに悪化してゆく修道院、召使いに対して自分が飼っている犬以下の扱いをする大魔道士、とことんまで堕落しきった王子、野心を抱き人を殺めることも厭わず成り上がろうとするククールの腹違いの兄など、王道に留まらないシリアスな設定が多く含まれている。
      また、ストーリーの都合上、登場キャラクターの死亡シーンが従来作品に比べて多い。
      • とはいえしっかり救いのある展開も残されており、人物描写や展開も含め、作風自体はそこまでドロドロと暗くはない。
  • リアリティある「教会」の描写。
    • 過去のシリーズの教会はストーリーに関わる事こそあれ、おおむね冒険の記録やキャラの治療・蘇生用の施設、つまりシステム上のアイコンとして描かれていたが、今作では世界中に影響力を持ち、各所に大聖堂や「聖堂騎士団」という独自の戦力すら擁している一大組織として設定されている。
      それゆえに一枚岩というわけではなく、教会内部での裏切りや策謀・権力争いが横行し、各所では現実世界の宗教改革直前に見られたような腐敗も進んでいるなど、かなり現実感のある描写になっている。

これらのただの王道では終わらせない内面的で奥深いシナリオは大幅に進化した演出面とも相まって高い評価を受ける事となった。

随所に組み込まれた遊びやすくなる工夫

  • 等身大のフル3Dグラフィック、さらに視点もキャラクターの真後ろからのため、従来シリーズに比べると一画面にある情報の少なさから迷ってしまいがちだが、迷わせないための工夫がされている。
    • 町・フィールド・ダンジョンの各所では□ボタンで地図を見れる(フィールドは序盤以降、ダンジョンのはそのダンジョンの宝箱から入手)。
    • 地図がない序盤のフィールドは迷ってしまいがちだが、道や看板に目立つオブジェクトが設置されているし、仲間や町人からのヒントも併せて進めば目的地に辿りつけないことはない。
    • また、サブイベントをこなすことでキラーパンサーに乗って快適な移動ができるようになる。呼びだすときのムービーが利用頻度のわりに長い、呼びだせないときもムービーが流れるなどの仕様もあるが、モンスターに乗れる感覚は爽快。
  • 自由度の高いスキルシステム。
    • 『VI』『VII』の職業システムは革新的に自由度のあるシステムであった一方で、ゲームバランスの難・熟練度上げとレベル上げの相反する性質・キャラの個性埋没など無視できない問題点を招いていたが、本作のスキルシステムは自由度を殺さずにそれらの問題点を解消できている。
      • レベルアップによってスキルポイントが得られるが、一定のレベルを超えるまで振れる量に制限が設けられているので場違いに強い特技は習得できない、キャラクターによって習得できるスキルが分かれているのでイメージや性能を崩さず自由に強化できるなど。
    • 使いこなすことができれば効率よくスキルや武器を使い分けて冒険をより進めやすくすることも可能。
    • ただし、後述するようにいくつか問題点も存在する。

ロード時間の快適さ

  • PS2で発売されたRPG作品としてはロードがとても短い。
    • 開発段階では容量の関係上2層ディスクにする構想があったのだが、あくまでロード時間などの快適さを優先した結果1層ディスクにこだわったという。

好評なBGM

  • すぎやまこういち氏作曲のBGMは相変わらず好評。
    • 特にラスボス戦のBGMは『III』の「おおぞらをとぶ」を壮大にアレンジした物でシリーズ屈指の名曲との評判である。
      • 本作は氏にとっても満足いく出来栄えになったようで「鑑賞に耐えうるだけの質になった」と語っており、オーケストラ編曲版よりも後にリリースされていたゲーム音源版のサントラが、初めて先行してリリースされている。

問題点

3D化に伴う演出面の難点

  • 3D酔いが起きやすい。
    • 最初の街トラペッタは、ゲーム中でも特に立体的かつ込み入った構成になっているので、3D慣れしていない人間には余計にキツい。ゲームに慣れさせるために初めをあえて難しくというのは開発側の意図したものらしいが、逆効果になっているかもしれない。
    • ただし、そこまで深刻なものではなく、3Dアクションゲームなどにいくつか触れていれば慣れれるレベルではある。カメラも自分で操作できるため、カメラワークなどの問題は起きない。
  • 戦闘時の一部の特技の不自然さ。
    • 戦闘を3Dで表現したことによって一部不自然なモーションとなる特技も存在する。格闘スキルの技に顕著であり、砂地であろうが船の上であろうが大岩を地面から掘り起こして投げつける「岩石落とし」や敵陣をバク転しながら強行突破する「ムーンサルト」など。
      • 戦闘の様子をエフェクトと文章だけで表現できた過去作品がやり過ぎただけだったかもしれないが。例を挙げると『Ⅶ』がリメイクされた際には「しっぺ返し」といった明らかに表現が難しい技が軒並み削除されている。
    • 敵も同様で敵の攻撃動作がまだキャラクターに対して行われていないのに(攻撃がまだ当たっていないのに)「痛恨の一撃!」と表示される他、痛恨攻撃を回避するといったよくわからない不自然な現象も起きるようになった。前者は3DS版では修正された。
  • 戦闘の軽快さの減少。
    • 味方や敵の行動時には、FFシリーズと同様に味方キャラとモンスターが三人称視点で対峙する形となっており、コマンド入力時のみ、従来と同様の主観視点のコマンド入力画面でコマンドの入力を行うという形になっている。そのため、コマンド入力画面と三人称視点の画面が行動の度に切り替わっていくのでややもっさりしている。
      また、キャラの攻撃前にカメラワークの移動とキャラの移動が行われることが多く、それに対する批判も多い。
      • 他にも「じんめんじゅ」や「びっくりサタン」系統等の敵はモーションが全体的に長く、しかも多数出現する事も頻繁にある為、開幕早々一網打尽にしない限り一度の戦闘で相当時間がかかってしまう。
      • ただしこれは「従来作と比べると」ということであり、ロード時間やレスポンスを含め、それ単体で「もっさりしている」「遅い」とまで批判される部分ではない。
        またひとつひとつの演出は確かに従来のシリーズに比べ長い場合が多いが、これは裏を返せば「演出力が強化されている」ということになる。
      • 複数の敵にダメージを与えたとき、今までのシリーズでは敵ひとりひとりに順番にダメージを受けたエフェクト&ダメージ数を表示していたのが、本作ではエフェクトで各自のダメージの数字を表示しつつ、メッセージの方は一気に平均値でダメージ数を表示することですばやくすませるなど、極力冗長さを抑える工夫も見受けられる。
  • 「喋らない主人公」である事による弊害
    • 主人公が喋らないこと自体はプレイヤー=主人公という図式を持つシリーズの伝統なのでそれ自体は問題点ではないのだが、
      世界観やキャラクターが緻密なグラフィックで表現されているため、想像による補完の余地が少なく、感情移入が難しくなった
      これだけリアルなグラフィックなのに主人公が一言も喋らないままなのは違和感がある」との意見も少なからず聞かれる。
      他の仲間達は随所でそれなりにアクションしているので、ほぼ驚きの表情しか見せない主人公が浮いてしまうこともしばしば。
    • 開発当初は主人公もかなりアクションしていたとの事だが、シリーズらしさを重視する堀井雄二氏のNGが入り今の形になったようである。
  • イベントシーンでの演出がぎこちない
    • 特に目立つのが、登場人物が敵に殺されてしまうイベントシーンにおいて、主人公がその場にいるにも関わらず、キャラクターが殺されるまで棒立ちのまま傍観しているように見えてしまう点。
      追い詰められた人を庇おうとしたり、殺害された瞬間に(無言であっても)大きなアクションを見せるといったこともないため、事態が終わってから取ってつけたように表情を変えるなどの不自然さやぎこちなさが目立つ。
    • 表現力の限られていたFC・SFC・PS時代であれば想像で補完できる分あまり気にならないが、3Dでリアルに演出されるようになっただけに、地味に気になる点である。
  • フィールド上の宝箱の場所がわかり難い。
    • しかも盗賊の鼻(ダンジョンや町に落ちているアイテムの数を確認する特技)でも確認できず *3 、どれだけ回収できたかはわからない。見つけたと思ったら鍵がかかっている場合もあり、鍵を入手してから出直す必要があることも多い。取らなくてもクリアは可能だが、「宝箱は全部取りたい」といったやりこみ派にとってはきつい仕様である。

シナリオに関する面
前述の「イベントシーンの演出」や「喋らない主人公による弊害」も含まれる。

  • ヒロイン・ミーティア姫の影が薄い。
    • 「ドルマゲスに呪われてしまった」という設定で主人公一行の旅の動機付けとなっており、更に「序盤から終盤まで主人公たちの旅に同行している」という、シリーズの姫キャラとしては珍しい立ち位置なものの、パーティメンバーではない上、終盤まで馬の姿のままのためいまいち影が薄く、感情移入しにくい。
      • 父親のトロデ王も魔物じみた姿だが、愛嬌ある外見と性格でキャラが立っていることに加え、シナリオ内でもかなりの出番があり一時的に彼を操作する機会もある。その他、戦歴画面にも常に顔見せしているなど露出が多く、この差が非常に大きい。 *4
    • 「ふしぎな泉」という場所を訪れるとミーティアの姿が元に戻り、以降はここや宿泊時の夢の中でも会話できるようになるといったフォローはされている。
      • だが夢はともかく、泉の方は強制ではなく任意で発生させるサブイベント的位置づけであるため、すべてのプレイヤーが必ずしも実行するとは限らない。ライターの意図した情報をプレイヤーが共有しなかったために評価が分かれてしまった。
        また、エンディング及びエンディング後に見れる隠しエンディングの内容は、泉での会話内容を一通り把握していることが前提となっているため、会話をこなしておかないと唐突な感が否めない締めくくり方になってしまう。
    • 彼女自身は良く言えば天然でおっとり、悪く言えばブリっ子的な言動に好みは別れるが、性格そのものは純粋ながらも献身的な人物として描かれており、非常識な言動の類もないため、キャラクター性の面で露骨な嫌悪感を催させることはない。
      • ミーティアの言動をよく読み込むと、彼女の優しさや器の大きさは、ドラクエシリーズの中でもトップクラスであることが分かる。アクの強いキャラが多くなりがちな近年の作品において、貴重なキャラクターである。
  • シナリオの一部に対する批判。
    • 従来作がラスボスの本拠地に少しずつ近づいて追い詰めていくという流れなのに対し、本作のシナリオはラスボスが野望を成就してゆくのをひたすら後追いする流れになっているため、シナリオを押し付けられているという批判もある。
    • 「暗黒神(が宿った杖)が、杖を手にした様々なキャラクターを操り、自身を封印した賢者の末裔を殺害しようとするのを阻止する」というのが物語の大筋だが、毎回主人公らの奮闘虚しく出し抜かれて殺害され、最終的には誰一人守れず暗黒神の復活を許してしまう。シナリオ上仕方ないとはいえ、努力がことごとく徒労に終わった上に人が死んでしまうことになるのだから、プレイヤーにとっても非常にやるせない。
      • 「たどり着いた時には既に殺された後だった」「阻止するも力及ばず…」といったものならまだしも、終盤は「誰が狙われてるかわかるために一度は守ったが、その後隙を突かれて殺される」「人質を取られて見殺しにせざるを得ない」といった後味の悪い展開が多い。
      • 一番の問題は、「救えないこと」以上に「絶対に救えないのが事前に予想できてしまうこと」。物語後半にもなれば、よほど勘の悪いプレイヤーでもない限り、賢者の末裔たちが皆殺しにされるのは普通に予想できる(でなければ魔王が出てこない)。ゆえに、劇中で今度こそ守ると意気込むキャラクターとプレイヤーの間で心情的な乖離が生まれてしまい易い。
    • また天空シリーズと比して序盤で張られた伏線を終盤で一気に回収していくといった唸るような構成がなく、全体として心を動かされたという後味が薄い。
      • 主人公の出自に関しては謎が多く、それに関する伏線もちゃんと張られてはいるのだが、肝心の伏線の回収がエンディング後の隠しイベントで行われ、本編中では明かされない。本編クリアで満足して隠しイベントの存在を見逃してしまい、結局主人公が何者だったかわからずじまいだったという人も多かっただろう
    • ストーリー中盤で登場する人物イシュマウリは不思議な能力を持ついかにも重要な立ち位置にありそうなキャラなのだが、中盤のイベント以降一切登場しなくなる。彼が何者なのか、彼の発言である「旧き世界」の意味などは一切説明されない為、消化不良としか言いようがない。
      • 質問サイトでは「イシュマウリは何者なのか」という質問がよく見られる。イベントを見過ごしてしまったのではと疑ったプレイヤーも発生したようだ。
    • 他にもラスボス戦の直前で必須となる七賢者にまつわるオーブ探しも、それまで特に伏線が張られていない状態で言及され、このイベントからいきなり現れる2人の巫女らしき人物に関しても伏線や事前情報などが全くないため、取って付けた感が否めなくなっている。
      また、このイベント区間における会話システムの台詞がなぜか用意されておらず、オーブ探しの最中でも「こんな所に居る場合じゃないだろう」という趣旨の汎用台詞で文句ばかり言われるという不自然な状況になる。

戦闘バランス面

  • 序盤の難易度の高さ
    • パーティが2人しかいない最序盤の難度は過去シリーズと比較して高い。
    • 前述した通り全体的に敵の素早さや攻撃力が高めで、行動も序盤から熾烈なものが多い。通常戦闘では前述の通り敵の出現数が多く、シリーズ最弱のザコことスライムですらかなりの素早さを持つ為、先手を取られて窮地に陥ることが多い。主人公はホイミをすぐに覚えられるが、ヤンガスはにんじょうスキルにポイントを振らないと覚えないということもあって、やくそうを持たせないと回復が追いつかずジリ貧になりがち。
    • 初見だと「ボス戦闘ではテンションを貯めて大ダメージを与える攻撃をすればいい」と考えがちで、現に最初の街の住人からも「戦闘ではテンションが重要だ。とにかくテンションだ」という話が聞ける為、初心者だけでなくシリーズ経験者であっても「せっかくの新システムなのだから使った方が有利なはず」と考えてしまう危険性も高い。上に記したように実際は3回はためないと十二分な威力を発揮できないのである。その為頭数が少なく回復役と攻撃役を分担できない序盤のボス戦闘でテンションを3回もためるのは相当な悪手であり、大抵は3段階目になる前に倒されてしまう。
      • 序盤のボス「ザバン」は「呪いの霧」でヤンガスだけを行動不能 *5 にするほか攻撃魔法のギラも使ってくる。次の「オセアーノン」は「燃え盛る火炎」や「なぎ払い」といった強力な全体攻撃を使用してくる。せっかくためたテンションを行動不能によって打ち消されたり、回復にまわす羽目になったりしがちで、テンション攻撃に拘ると却って不利になりやすい。両者共に行動パターンが決まっているが、それを見抜いたプレイヤーはそう多くはないだろう。オセアーノンに勝てずに投げ出したという声も見られる。
      • 「テンションをただ溜めれば有利というわけではない」「ラリホーやおたけびといった行動不能にする技を使う敵との戦闘や回復役が安定しない状況ではテンションを溜めないほうがいい」というセオリーを知らしめる意味合いもあると思われるが、それらを把握していようが序盤のボスとしては歴代のシリーズでもかなり難易度が高くなっており、把握していない場合は設計として不十分である。
    • 全滅対策の施設であるゴールド銀行を利用できるのが中盤の船入手後というシリーズで飛び抜けた遅さということも序盤の難易度に拍車をかけている。
  • 上げるスキルによっては攻略が難しくなる/簡単になる。
    • 厳しいとされるのは、火力不足に陥りがちな主人公のブーメランスキル、他スキルに汎用性が激しく見劣るヤンガスの打撃スキル、覚える特技が弱い上に単体攻撃しかできないゼシカの短剣スキルなど。これらを選ぶと多少なりとも難易度が上がってしまうとされる。
    • 全キャラが所持する格闘スキルは総じて微妙。「せいけんづき」「がんせきおとし」「ばくれつけん」など過去作で役に立った特技が目白押しなので一見有用に見えるが、それらを使う為には武器を持たずに素手になる必要がある。スキルによって素手の威力も底上げされるが、他の武器スキルも同様に底上げされるので火力に関しては数段下回る。
      • 「スキルお姉さん」が「格闘は上級者向けのスキル」と説明してくれるほか、堀井雄二の談によれば、格闘スキルは武器に頼りたくない人へのやり込み用として用意された面もあるとのこと。確かに初心者には厳しいが、慣れれば格闘スキルだけでも充分クリア可能。ラスボスやクリア後の隠しボスに素手で勝つ事も可能であり、ラスボスを素手で倒した時の称号があるほか、クリア後のボスに素手で挑んだ時と素手で倒した時専用の台詞と称号まである。
      • それを見越してかパッケージや説明書のイラストでは仲間キャラが剣、斧、ムチを持っていてイメージを定着させていたり、一般的感覚で伸ばすスキルを選べば(例えば、「主人公には素手で戦わせたい」は特殊な感覚であり、多くのプレイヤーは剣か槍を使わせるであろう)、攻略に大幅に支障をきたすことはないというライトユーザーへの配慮もある。また各キャラは装備とは関係ない固有のスキルを持っていて、使っていく武器の選択を後回しにできる配慮もされている。
    • 上の2例よりも悪いとされるのは5つのスキルすべてを均等に上げること。結局「何でもそこそこしか出来ない器用貧乏」のキャラになってしまって決定打に欠け、多数の武器を揃える関係から金不足に陥りがち。
  • 逆に強過ぎるとされるのは、ゼシカのムチスキルで覚える特技「双竜打ち」。
    対象は指定したグループの中でランダムに攻撃力1.5倍単体攻撃を2回というもの。指定したグループの敵が1体なら、集中するために両方の攻撃が命中すれば3倍ダメージ。スーパーハイテンションの状態だと脅威の22.5倍となり、これを越える特技は殆ど無い。必中ではないが、それは他の攻撃にもあてはまる。消費MPはたったの3、習得も23ポイントと少ないので他のスキルも育てられるのも利点。
    • ゼシカ本人の力は低いので攻撃力の高いムチでないと性能を発揮しにくいが、ヤンガスがオノスキルで覚えられる守備力を下げる技の「かぶと割り」と相性が良く、敵の守備力を下げるのは(耐性さえ無ければ)比較的容易である。また、中盤に行ける2つ目のカジノで最強の「グリンガムのムチ」が手に入る。それでいて本作ではカジノのスロットが非常に当たりやすい。ルーレットも高レートで賭けをすることができる。相応の元手が必要なので、ルーレットでの試行繰り返しが有効や100ドルスロットが当たりやすいと知っていても多少は時間がかかるが。
    • AIがほとんど使わないという欠点があるが、命令させろにすれば解決する話である。ボス戦で便利な補助呪文との兼ね合いが難しいということもあるにはあるが、これはゼシカというキャラが攻撃にも補助にも優れた性能を持つ故に起きる問題であり、別に双竜打ち自体のスペックに弱点があるというわけではない。
  • この特技一つで、ゼシカは男3人を差し置いて女性の魔法使いでありながら「物理最強」の名声を手に入れており、加えてバイキルト・フバーハ・マジックバリア・ラリホーマと終盤戦で大きく役立つ補助呪文をピンポイントで覚え、杖スキルを極めればザオリクの呪文を習得する為、最終的には高い威力の攻撃、優秀な補助や蘇生をこなす万能キャラと化す。
    • ただしHP回復の呪文特技は祝福の杖とハッスルダンスしか覚えない為、ベホマズンを覚える主人公、ベホマラーまでの回復や状態異常の治癒を行えるククールの面子は保たれている。
      ただ、ゼシカが攻撃に補助に獅子奮迅の大活躍をするのを、男性陣が回復魔法でフォローという、尻に敷かれるパーティになっている面は否めないが…。
  • 主人公が覚える特技「チーム呼び」が非常に強力。
    • スカウトモンスターのチームを呼び、一定ターンの間代わりに戦わせるものだが、尋常ではないコストパフォーマンスを誇るため、せっかく用意された他の呪文や特技を食ってしまいがち。
    • モンスターが出ている間は主人公達が一切ダメージを負うことはないので、動きが良ければ無傷で勝てる。必然的に回復に使うMPを節約できる。攻撃性能的に見て、人間キャラより優れる状況も多々ある。
      • モンスターがいくら傷ついても、死なない限りは次の戦闘の際にHPが完全回復している。そのHPも主人公たちの2倍近くは有しているため、その辺の雑魚ではまず削りきれないし、呼び出せるチームは2つまで持てるのでそう死んでしまうことはない。
      • メンバー編成は自由で、痛恨の一撃を出しやすいモンスターを集めたチーム、回復や補助を狙えるチームなどが構成可能。攻撃重視なら相手がボスでもHPを半分は削ってくれる。
      • 特定のスカウトチームで使える補助や回復系の必殺技は主人公達にも有効な為、攻撃のみならず強力な補助や起死回生の回復役としても非常に有用。
    • 消費MPが10とやや高めだが、本作の主人公は比較的MPが高く、ゆうきスキルを上げると最終的には5に半減出来る上、MP回復用のアイテムも比較的入手しやすい為、それらが整ってくると消費を気にせず使える。
    • 弱点は1チームにつき一度しか戦闘中に呼べないこと、AI任せなので細かい融通が利かない、倒されたモンスターを蘇生するにはバトルロード闘技場地下のモリーに話しかけるという面倒な手段ほぼ一択になることなど、考え無しに頼りきれるほどに万能ではないのだが…
      • また、本作でのバシルーラはこちらが呼び出したチームを確実に戦線離脱させる効果になっており、しかもチームが呼びだされるとほぼ確実に使ってくる。バシルーラを唱えられるより先に動けるモンスターを用意しても、AIなのでうまく狙ってくれるとは限らない。
    • それらをひっくるめてもかなり優秀なので、ダンジョンなどの消耗戦においては、この特技を持つ主人公のMPをいかに節約するかが鍵と言っても過言ではない。
      ボス戦でもうまく使えばHPをごっそりと持っていったり、こちらのピンチを立て直すことが容易にできる。裏を返せばボス戦の難易度が高めな本作で(活用さえできれば)救済措置として機能しているともとれるが。
  • 不可解なダメージ限界値の設定。
    • 本作ではそれぞれの呪文にダメージ限界値が設定されており、テンションをどんなに上げてもダメージ限界値は超えないようになっているが、攻撃呪文と一部の特技は低く設定されている。
      具体的には単体ダメージ最強呪文・メラゾーマが1188、全体ダメージ呪文の筆頭・イオナズンが840、全MPを消費する究極呪文・マダンテが5008、強力な全体攻撃特技・ジゴスパークは1230などで、テンションを上げる場合の主砲としては扱いにくい。
      • 通常の威力面で不遇なマヒャドやベギラゴンに至っては限界値が600以下と、悲惨とも言える値である *6 。テンションを上げた際の限界値が他の呪文より高ければ、「普段の威力は低いものの、テンションを上げれば使える」という評価にもなり得たのだが…。
    • 一方、攻撃力を参照する物理系の特技は限界値が9999であり、限界値に引っかかりにくい。つまり、テンションやステータスを上げた分だけしっかりと反映されるため、クリア後の冒険になると呪文の威力が限界値に引っかかりやすくなることも相まって、物理の強さが際立ってくる。こうなると、なぎ払いやオノ無双、超パワフルスローなどの集団攻撃物理特技も非常に強い。
      • さすがに9999ダメージを叩き出すには相応に厳しい条件がある *7 が、例えばルカニ+バイキルト+ハイテンション+協力な物理特技でも簡単に4桁ダメージになり、呪文の威力限界値をアッサリと超えることができてしまう。クリア前のボス戦でもメラゾーマより物理特技の方が強力。
    • クリア前の通常戦闘に限り、単体しか攻撃できないものが多い物理系特技よりも範囲攻撃が狙える呪文の方が役に立つため、住み分けはできている。
  • ラスボスに関する面
    +  ネタバレ注意

錬金レシピの問題

  • ゲーム中では錬金に関するヒントが少なく、それどころか損をしてしまう地雷錬金すら存在する。
    • 代表的なのは「金のオノ(鉄のオノ+金塊)」と「キングアックス(金のオノ+スライムのかんむり)」。週刊少年ジャンプの攻略ページにお勧め錬金として載っていたため、結果多くのプレイヤーが被害に遭った。
      • 「金塊」「スライムのかんむり」は強力な装備を作れる錬金素材で、両方とも入手方法が限られている貴重品。それでいて金のオノは鉄のオノよりも弱くなり、キングアックスは市販武器。
      • 一応それに対する警告もゲーム中に存在するが、その後に「ガッカリ武器を蘇らせる高等テクニック」であるかのような紹介文で、金のオノというガッカリ武器のためにキングアックスのレシピを紹介しているので悪質。
      • ただし、キングアックスが購入できる時期は終盤である。中盤に素材を入手した直後に錬金して入手すれば、その時点では破格の攻撃力を得ることができる。低レベルでの攻略を目指すプレイヤーにとっては一概に地雷錬金とは言えない。要はプレイヤーの方針次第ということである。
    • 最強のブーメランの「メタルウィング」も、一品物かつ最強の槍「メタルキングのヤリ」が素材となるが、到底それにつりあわない性能故、他の武器を捨ててブーメラン一筋でもない限りかなりの地雷になりうる。
    • ゲーム中一つしか手に入らない「こおりのやいば」を使うレシピが2種類あるため、錬金レシピをコンプリートすることが不可能。ちなみにこれらのレシピで錬金できるアイテムは2つとも普通に市販されているため、入手自体が不可能というわけではない。
      • にも関わらず、トロデ王の評価の中には錬金コンプリートでしか見られないセリフがある。無論データ改造でもしない限り見られない。
      • 移植版では「こおりのやいば」が2つ手に入るようになりコンプリートが可能になったが、下記のような貴重品を市販品に変える損な錬金も避けては通れない。

スカウトモンスター・バトルロード関連

  • バトルロード自体は評価点で説明した通り、魅力的なサブイベントであり戦闘にも大いに役立つ要素なのだが、イベントそのものを見落とした人も少なくない。
    • というのもこのイベントを発生させる為には格闘場の屋上にいるモリーに話しかけることが条件であるのだが、入口は施錠されていて、建物の裏にあるスロープを使わなければ屋上に上がることが出来ない。
      入口を調べた時点で「鍵がかかっているからまだ来るべきではない」「上位の鍵で開くのか」と判断してしまった場合、裏手のスロープに気が付かないまま通過してしまうことにつながる。
      • このイベントは本編の攻略には必要無い為、これを発生せずとも充分無理なくクリアは可能である。だが、裏ボスを倒した後の選択肢の一つの発生条件が「スカウトモンスターのチームを持つ事」なので、このイベントを発生させていないとこの選択肢を選べず、全ての選択肢を選ぶことが条件で戦える形態の裏ボス戦が出来ない。
    • 制作側もこの点を考慮したのか、後述の3DS版では入口を調べるとカメラが切り替わって屋上のモリーが映るという演出が発生するようになった。
  • スカウトモンスターの強弱バランス
    • 主人公のレベルアップにつれてモンスターのステータスも強化されていくが、元のステータスが低すぎる関係で実戦では使い物にならないモンスターも少なくない。
      序盤から加入できるモンスターは主人公のレベルの低さもあって初期のランクですらまともに戦えないほか、終盤に加入できるモンスターにもまったく役に立たないのがいる。
    • また、特技に関しては一切パワーアップすることがないため、ステータスは高くとも役に立たない特技で相手に余裕を与えてしまうようなモンスターもしばしば。
    • チーム編成による必殺技は相応に強いが、必殺技に参加したモンスターはそのターンの行動を終了してしまうし、弱い必殺技は本当に弱いため、ヘタに狙うよりかは普通に戦わせたほうが強いことも。
  • ここで自分のチームが敗北すると全滅扱いになり、戦いの記録の全滅回数に加算されてしまう。
    • 格闘場にはセーブしてくれる神父がいるために通常はリセットするであろうが、慣れない内はよく敗北してしまいがちな上、全滅回数は戦歴でのトロデ王のコメントや称号にも関わってくる。
  • 実害はないものの仲間にしたチームモンスターが行動した際のテキストが何故か敵として戦った時と同じ受動態のまま。

ゲーム性に関する面のその他

  • シリーズとしては自由度が低い。
    • シナリオ構成上の都合シナリオは基本的に一本道で、各所もエリアごとに関所などで区切られているのでほとんど順番通りにしか街を回ることが出来ず、ストーリーの攻略順はほぼ固定。行動範囲までほぼ固定されていた『V』『VII』ほどではないにしろ、自由度は低いと言える。
    • ただし行動範囲そのものは広く、目先の地点を飛ばして他の町やダンジョンに行くことは可能。序盤でも無茶のある強引なプレイだがククールを仲間にせずにシナリオを2つ3つ進めることもできる。また、船を手に入れた時点で世界を回って、やたらと強い敵に苦戦しながら施設を訪れたり各地の宝箱などを回収することは可能。
    • ストーリー自体は一本道だが、寄り道できる場所は多数用意されているのは『VI』『IX』あたりに近い。
  • ザコ敵から得られる経験値・G(ゴールド)が少ない。同時出現数が増えたためかもしれないが、それでも低い。
    • モンスターから得られるGが低く、終盤以降のモンスターでも大半が100G前後台しか持っていない。これは従来作の約半分程。
      • 本作では過去作での金持ちモンスターだったおどる宝石でさえ38G、トップクラスの金持ちのゴールドマンですら210G(海外版・スマホ版では726Gに値上がり)と少なく同時出現数も多くはない為、通常戦闘で金を稼ぐのが難しい。
    • 錬金システムを活かせば手軽にお金を稼げるためと思われるが、上述したように錬金のヒントが少なく素材となるアイテムを購入するにも結局はお金が必要で、通常プレイにおいてG不足を補うのは難しい。
    • 救済策なのか、今までの作品と違って全滅したときに「全員が生き返った状態になる」という仕様になった。ゴールド銀行と組み合わせれば、全滅による金銭的な問題は少なくなった。
    • 経験値は控えめだった『VII』ほどではないが、『VI』よりも少ない。これら2作品はレベルを上げずとも強くなれた職業システムが関係していると思われるが、本作はやや厳しめのゲームバランスになっているので純粋に不足気味。
      • メタル狩りスポットもあるが、効率よく狩るには伸ばすスキルを考える必要があるのでスキル格差にも影響している。こうして報酬が貧相なのにも関わらずザコ敵が全体的に強いので、メタル系以外の敵を倒す旨みが少ない。
  • 売値変動システムの妙な点
    • このシステムに対応したアイテムは売り過ぎると売値が下がると警告され、実際下がるものが多い。しかし、「上やくそう」などはなぜか売値が高めになる。しばらくすると通常値に戻るだけで、完全にメッセージと逆。
  • カーソル記憶ができない。
    • 唯一、その戦闘中に選択した呪文などは記憶する。だが次の戦闘になったら忘れてしまっている。
  • 後半に飛行してフィールドを移動できるようになるが操作性が悪い。小回りがきかず、低空飛行しなければどこに着陸できるかすら分からない。

総評

3Dになっても、ドラクエは変わっていなかった。

シナリオの演出面で若干の問題があり、システム面においては一部の突出した特技の存在、錬金レシピや素材廻りの不備、細部の練り込みにやや欠ける点など、コアなRPGファンからすると少し物足りない面もあるものの、あまりに膨張しすぎてしまった前作から一転、手堅くまとめてある。

PS2の性能を活かしたグラフィック、BGM、演出は今までのドラクエの中でも最高峰といって差し支えない出来であり、ドラゴンクエストの世界にのめり込ませるだけの魅力を十分に備えている。 国民的RPGとして、十分に良作と言えるクオリティである。 特に、「普段はRPGをやらないがドラクエならばやる」といったライトユーザーにも非常に分かりやすくまとまっている点は大きい。

ファンの間では今後のドラゴンクエストの展開を考える時の一つの指針となっており、基本的なゲームシステムが大きく様変わりしてしまった『IX』以降の作品に対して、本作のコンセプトを踏襲した新作やリメイクを望むプレイヤーも多い。


その他

  • 総売上は355万本。プレイステーション2ソフトでは国内1位で、唯一のトリプルミリオンを達成した。
  • 海外版も発売されている。典型的なJRPGであるドラクエとしては珍しく海外でも評価は高く、様々な賞も受賞した。
    • 音楽の殆どがオーケストラ仕様になっていたり、一部の脇役キャラクターにボイスがあったり、鳥山明デザインのせいか主人公がスーパーハイテンションになったときにバンダナが外れてスーパーサ○ヤ人になったりする。
      • また、主人公があるレベルに達すると「dragonsoul」という特技を習得するようになった。これは後にアーケードの『モンスターバトルロード』にて逆輸入され、見ることが出来る。
    • インターフェイスも文字だけの解説ではなく、イラストを載せることで視覚的に分かり易くなっている。
    • 『FFXII』の体験版Discが同封されていた事も売り上げに貢献した一因であろう。
  • 2007年6月21日に、本作のバトルロードを模したアーケードカードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』が稼働開始した。
    • 本作に登場したモリーが主に登場。初期のころはモンスターは本作出演のものに偏っていたが、後に他のシリーズのものも広く登場するようになった。
  • 2013年12月12日からスマートフォン用アプリとして移植版が配信された。ドラクエシリーズ故かボリューム満点の内容故か、2800円とスマートフォン用アプリとしてはかなり高めの値段設定。
  • 2015年8月27日にニンテンドー3DS版が発売された。詳細は後述。
  • 本シリーズキャラは他のゲームに出演できているものも。先述の『ヒーローズ』含む。
    • 悪人面だが人情味も深く、最後まで主人公を慕っていたヤンガスは人気が出たのか、PS2でスピンオフ作品『少年ヤンガスと不思議のダンジョン』が作られた。
      • トルネコテリーキーファと続く、「本編での活躍が微妙なキャラほどスピンオフで主役がもらえる」ジンクスを受け継いでいる。ヤンガスが不遇なわけではないのだが、ドルマゲスもラプソーンも関係ない設定なので本筋への絡みが薄かったのがその一因だろう。
    • トロデ王も、『DQMJ』ではスライム系最強クラスのモンスターとして登場している。
      • さすがにスライムはあんまりだったのか、『DQMJ2』以降は自然系モンスターに。
    • DQMJ2P』ではついにトーポまでモンスターとして参戦を果たした
  • 他作品とのつながり。
    • ロト三部作との世界観のつながりが描かれた。そのテキストはエンディングシーンの目玉の一つにもなっている。
      • また、武闘家や戦士などの外見は『III』のメインキャラにかなり似ているものが多い。
    • あるところでは『IV』のトルネコとライアンがゲスト出演している。
  • ラスボス撃破後、「平和が戻ってから数ヶ月たった世界」でちょっとしたアフターストーリーがある。「ラスボスを撃破したら拠点に戻って終わり」だった従来のナンバリング作品とは一線を画し、悪との戦いが終わったことを実感できるようになっている。
    • ただし、エンディング後にセーブしたデータは隠しダンジョンの解禁のみで、ラスボス撃破前に戻るのは前作までと同じ。次回作『IX』以降は完全に「それ以降の世界を冒険する」ようになった。



ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 (3DS)

【どらごんくえすとえいと そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2015年8月27日
定価 5,980円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ数 2個+中断
判定 良作
ポイント PS2版から様々な追加要素
ドラゴンクエストシリーズリンク

概要(3DS)

2004年にPS2で発売された『VIII』を11年ぶりにリメイクした作品。
スマホ版や北米版をベースに様々な追加要素がある。

PS2版からの追加要素

  • 新たな仲間の追加
    • ヤンガスと旧知の仲である「ゲルダ」とモンスターバトルロードのオーナー「モリー」が加わる。
      • ゲルダはストーリー中で、モリーはバトルロードでSランクをクリアすると仲間になる。
    • 各々、従来の4人には無い個性的なスキルや特技を覚えるので戦略の幅が広がった。
      • 武器スキルもゲルダは扇スキル、モリーは爪スキルが使用可能。その武器2種も本作に登場することとなった。
    • 戦闘は4人で残りの2人は馬車で待機となり、それに伴いメンバーそのものの「いれかえ」コマンドが採用されている。ただし主人公は戦闘メンバーから外すことは出来ない。
  • イベントは全てフルボイスに対応。
    • ヤンガスとゼシカは『ドラゴンクエストヒーローズ』へ出演した際の声優である立木文彦氏と竹達彩奈氏が引き続き担当している。
      • ストーリーの主要人物以外にモブキャラにも声が付き、本編のみならず戦闘中の一部行動や特技にもボイスが付いている。主人公のみ声はなし。
    • 主人公に対しては、メッセージでは名前が表示されるが、音声では「あなた」などと呼ばれる。
    • これらはオプションでOFFにする事も出来る。
  • 追加シナリオ
    • オリジナル版で明かされる事の無かったドルマゲスの過去(マスター・ライラスの死の真相)、主人公とミーティアの出会い、マルチェロのアフターストーリーや新たなエンディングが追加。
    • これにより、作中では名前でしか出なかった賢者の末裔「マスター・ライラス」の容姿や大まかな人物像が描かれるようになった。
    • PS2版ではある町人からしか聞けなかったトロデーンとサザンビーク間のしきたりについて、隠しED内でクラビウス王からも聞けるようになった。
      • エンディングの根幹となる重要な設定であるにも関わらず、聞き逃しも充分ありうる形でしか確認出来なかったのが些か問題だった為、妥当な処置である。
    • ラスボス直前のオーブ探しの最中専用の「なかま」コマンドでの会話が追加された。
  • 新ダンジョン「奈落の祭壇」と「追憶の回廊」が追加。
    • 「奈落の祭壇」は終盤の追加イベントを見ると現れるダンジョン。新ボスとしてラプソーンの部下的な立ち位置であるジャハガロスが待ち受け、このダンジョン専用の新規モンスターも作られている。
    • 「追憶の回廊」は大幅に強化されたボスを順番に倒していくやり込み型のダンジョン。
      • ボスの強さは半端なものではなく、終盤のボスになると全員LV99であっても戦略や運が悪ければ普通に全滅しかねない。あらゆる戦略や装備をフル活用する事が求められる。
      • そしてその最奥部で待ち受けるボスは、ファンサービス要素も相まってシリーズファンを驚かせた。
      • ボスとは何度でも再戦可能で、対応した木の実や種を必ずドロップする為、後述の宝箱も合わさって大幅なドーピングがしやすくなっている。
  • 撮影機能
    • その場の風景をスクリーンショットのように撮影し、保存できるようになった。写真はSDに保存され、本作中では100枚分まで取り扱える。101枚目以降もSDカード内に保存されている。
    • これを利用した「写真クエスト」も導入されている。新キャラクターの「フォート」からクエストを受け、モンスターや町の風景等の様々な写真を取って来る事で報酬が貰える。
    • 撮影した写真をスタンプやフレーム等で加工してすれちがい通信で皆に見て貰う事も可能。
    • クエスト用の新規モンスターも登場。(スライムプディングやモリーサタン等)
      • 撮影対象として、『IX』からサンディも登場。
  • モンスターバトルロード
    • 新たにランクSSが追加。
      • 一方で、モリーが仲間になる関係で、ゼシカがパーティに復帰するまでSランクに挑戦できなくなっている。
    • 仲間に出来るモンスターの数が増え、新しく仲間に出来るようになったモンスターや、それらのモンスターによる必殺技も追加。
  • カジノのビンゴに「色ビンゴ」が追加された。
    • 各マスに色が付けられており、同じ色が全て開くと成立してコインがもらえる。ちなみに倍率は10倍で固定されている。
    • 色は全部で5色あり、基本は5マスが同じ色だが、センターフリーは除くので1つだけ4マスしかない色がある。
      • ただ、この1つだけ4マスしかない色の設定がおかしいのか、「5マスある色が残り2マスあるのに、リーチになって1マス残っているのにビンゴ成立」「4マスしかない色が全て開いたのにビンゴが成立しなかったりする」などのバグを引き起こしている。
  • 戦闘関連
    • モーション全般を高速化する高速モードが追加。オリジナル版での戦闘テンポの悪さがある程度解消。
  • その他
    • 時間経過で中身が復活する青宝箱と紫宝箱の追加。
      • リアルタイムで1日ごと。前者はフィールドのあちこちにあり、中身がランダムで変わる。後者は追憶の回廊に置いてあり、ランダムで木の実,種が手に入る。
      • 一部貴重な錬金用アイテムもそれに含まれており、レシピの問題がある程度緩和された。
    • 錬金レシピ、道具、武器等の追加。
    • 小さなメダルの報酬の追加。
    • 装備によって見た目が変わるコスチュームの追加。PS2版ではなかったヤンガス、ククールにもいくつか追加されている。
    • インターネット通信によるアイテムの配信。

PS2版からの変更点

  • 前作『VII』と同じく、シンボルエンカウントに変更。
    • これにより、エンカウント率を操作する特技の効果が変更されている。ただし海上はランダムエンカウントのまま。
  • BGMは北米版と同じくオーケストラ音源。
  • モンスターから手に入る経験値とゴールドが1.5倍に増加。
    • ただし経験値が高めになったのは序盤の敵だけ。
    • 特にPS2版の「おどる宝石」は外見の割には得られるゴールドが少なかった(その時期の敵の中では高い方だが)が大幅に引き上げられ、出現率・出現数の多さ・比較的弱いという都合のよさから序盤の金策として乱獲されるようになった。
  • ボスの強化、特にゲルダ加入以降のボスは攻撃力などのパラメータが上方修正される等全般的に強化されている。
    • ドルマゲスからハッキリと強化が見られる。このボスは元々中盤の山場とも言える強敵であったが、行動が完全ランダムになって更に難易度が上がっている。
    • 顕著な強化が見られるのはレティスとマルチェロ。
      • レティスはメダパニーマを使うようになって低めだったHPも上昇、元々本編の壁となる難関ボスであったのがますます難関になったと言える。
      • マルチェロはザラキを新たに使ってくる様になった他、HPや攻撃力も大幅に上昇し難易度が上がった。物語の重要人物だったが弱いボスだったので、この大幅強化は妥当。
      • また、どちらもベホイミを使わないようになり、攻撃の隙が少なくなっている。
    • 一時とはいえ「ラスボス史上最弱」とまで言われた暗黒神ラプソーンも特技の威力増加、行動パターンの抜本的な変化、無駄行動をしなくなった、時折行動パターンを無視してくる等かなり強化されている。目に見えて攻撃的かつ読み辛い行動を連発してくる為、オリジナル版の感覚で挑むと全滅しかねない。この戦闘では馬車によるメンバーの入れ替えも出来ないのも難易度上昇を後押ししている。
  • 錬金釜の強化。
    • スマホ版と同様、材料を投入後すぐに完成するようになった。
      • これにより竜神王の褒美から「錬金釜の強化」がなくなり、「もっとすごい修業場(追憶の回廊)を出してもらう」に変更されている。
    • レシピが分からなくても材料を入れるとどれを入れれば良いかが分かるようになったので、予想してあれこれ入れて試す必要が無くなった。
    • さらに、99個まで一気に作る事が可能。
    • 行く先々で手に入れる錬金レシピ本の内容が若干変化。
      • PS2版では必要なアイテムが抽象的にぼかされていたが、具体的なアイテム名が出るようになった。
  • 戦闘面に関する調整
    • 「ぼうぎょ」や「一閃突き」「まじん斬り」(進化後も含む)などでテンションが消費されないようになった。
    • 呪文は賢さによる威力上昇の上限が高くなるように調整された。
    • 特技に関する調整点
      • ぶっ壊れ性能だった「双竜打ち」を始め強すぎた技が弱体化。「オノむそう」「なぎ払い」のようにMPを消費するようになったものもある。逆に「ライトニングデス」等上方修正がかかったものも。
      • 性能に変更はないが、宗教的事情に配慮したのかククールの「グランドクロス」が北米版での名称・モーション変更に合わせ「天国への階段」に変更されている。が、マルチェロの使うグランドクロスは変更なし *8
      • 北米版で主人公に追加された特技「ドラゴンソウル」も追加。習得レベルが北米版がレベル65だったのに対しレベル70と遅くなっている他、ダメージも若干低下している。
    • 特技のダメージ限界値が上昇した。
    • スキルに関する点
      • 主人公とククールは序盤で貰えるスキルポイントが増えた。
      • 後のシリーズと同様にスキルポイントを振らずに貯めておく事もできるようになった。
    • レベルアップするとHP・MPが全回復するようになった。
    • 主人公にも作戦を指示して操作をAIに任せる事が出来るようになった。
    • 「けんじゃの石」の回復量が60前後と半減しており、使い勝手が悪くなった。
    • ヤンガスのちからの成長率が上がり、レベル99になっても主人公に抜かれなくなった。
      • 補足しておくと、PS2版ではヤンガスは最もレベルアップが早いので能力値が抑えめになっており、普通にプレイしている限りは他のキャラと比べて遜色ない。よってヤンガスのレベルが99になった時は主人公よりも高いが、成長が止まるので主人公もレベル99まで育てた場合ちからが抜かれてしまうのである。
  • アイテムに関する調整点
    • 一部の落ちているアイテムの変更。
      • ダンジョンの地図は最初から持っているようになり、オリジナル版で地図の入っていた宝箱はゴールドに変更。
    • 殆どのアイテムや武具の売価が変化した。
      • PS2版では「上やくそう」を筆頭に錬金で作成することで売値が原価を上回り、いくらでも金稼ぎが出来るアイテムが多く存在していたが、3DS版では売却を続けることでそれらの売値が赤字、もしくは原価と±0になるよう調整され、殆どのアイテムで恒久的な金稼ぎが出来なくなった。はずだったのだが……(後述)
    • リブルアーチのヒミツの店で、スキルのたねが継続して購入出来るようになった。
      • ただし現実時間で1日に一度のみ、2度目以降は値段がどんどん跳ね上がり、最終的には10万ゴールドという凄まじい値段になる。それに伴い、購入するごとに店主の服装が豪華になってゆく。
      • 10万ゴールドで購入した後、店主は写真クエストの対象にもなる。
    • 神秘の樹の下に落ちているせかいじゅの葉が容易に入手出来るようになった。
      • PS2版では目の前で戦闘になったり画面を切り替える等すると消えてしまっていたが、消えなくなった。これによりせかいじゅの葉を用いた錬金が楽に。
  • その他
    • 容量の削減の為か、茂みや木等一部のオブジェクトが削除。町の中などで流れる環境音もなくなった。
    • レーティング対策としてかモブキャラも含め肌の露出が減った。露骨過ぎたゼシカの胸揺れも抑えられている。
    • モンスターバトルロードで全滅しても、こちらの全滅回数にカウントされなくなった。

評価点(3DS)

  • 様々な追加点によるボリュームアップ。
    • ボスの強化やクリア後の追加要素により、オリジナル版をプレイした人も楽しめる。
    • クリア後も追憶の回廊によって、大量追加された最強のボスたちと戦えるようになり、ドーピングのしやすさで限界まで鍛えることが可能になったなど長くやりこめる。
  • 中断システムの改良
    • 今迄の携帯機作品よりも中断できる場所が格段に増え、気軽にプレイを中断できるようになった。中断データはロードしても消えない為、吟味やボス戦の再戦にも効果を発揮する。
  • 序~中盤の資金不足がある程度改善された。
    • 上記の青宝箱から一定数のゴールドが得られるようになった他、モンスターの所持金が上がる、錬金釜の改善で一時的とはいえ金稼ぎもスピーディに行えるようになった等ゴールドを得る機会が多くなり、PS2版ほど資金不足に悩まされることは少なくなった。
  • 従来のシンボルエンカウントに調整が入り、あまりストレスを感じない仕様になった。
    • 敵シンボルの追尾の速度や追尾精度が程よく低下し気づかれても逃げ切りやすくなった他、此方から逃げるシンボルでも視野の外にならない限り消滅しなくなったので、メタル系スライム等と戦闘しやすくなった。敵シンボルの出現場所なども見直されている。
    • モンスターから少し離れて画面外になると消え、別のシンボルが現れるようになった。「せんれき」画面を開くことでも同様。
      • この仕様を利用して戦いたい敵を吟味する事も可能に。特にメタル系スライムを意図的に選別出来るようになったのは大きい。
    • アイテムに魔物を観察したりする為の「魔物の香水」が追加。これを使うと魔物に気付かれなくなり、触れても戦闘に入らないので快適に進める。低レベル攻略のお供としても有用。
      • 魔物の香水は青宝箱から高確率で入手出来る。
    • 同じシンボルエンカウント方式の3DS版『VII』で削除された「しのびあし(本作では「しのびばしり」)」は、魔物に気付かれる距離を短くするという効果に変更された。
    • モリーの特技「モリーもりもり」を使うと、メタル系含む全てのシンボルがこちらに向かってくるようになる。メタル狩りの際には非常に有効。
    • 撮影機能の使用中は、敵シンボルが完全に動かなくなりながらカメラアングルを自由に動かせる。これを利用すれば、しのびばしりやモリーもりもりを使わずとも簡単に敵の厳選・戦闘・逃走ができる。
  • PS2版で多くの指摘がされていた、戦闘時のテンポの悪さが大きく改善されている。
    • 高速モードが追加されたことに加え、呪文や特技のモーションが高速化・簡略化され、演出にかかる時間が短くなっている。それでいながら派手さもあまり損なわれていない。
      • 特に、イオナズンの演出はかなり短くなっている。強力な全体攻撃呪文であり使う頻度も多めなのでありがたい。
  • 錬金レシピの改善。
    • 貴重なアイテムが手に入り易くなっていたり、手に入る数が増えているのでレシピのコンプリートもしやすくなった。
      • 特に問題になっていた「こおりのやいば」は確実に2つ手に入る様になっている他、モンスターのドロップアイテムとしても手に入るようになっている。
    • これにより各カテゴリの最強装備が両立しやすくなっている。スルーされがちだったブーメランとハンマーは、錬金素材となる別カテゴリの武器が2つ入手出来るようになった為価値が向上した。
    • 一部の錬金レシピが簡略化されている。
  • 写真撮影機能はアイテム報酬によるゲーム的なメリットだけではなく、加工などの自由度がとても高くて純粋に面白いと評判である。

問題点・賛否両論点(3DS)

  • ロード時間
    • フェードアウトしてから戦闘に入り、操作可能になるまで約5秒掛かる。町の出入りにも数秒のロードが起こるようになってしまった。
    • New3DSでは短くなっており、快適に遊ぶならこちらを推奨。
    • 高速モードなら1.5倍のスピードで戦闘できる。本当に一瞬で決着する戦闘でなければ、圧倒的に本作の方が早い。
  • 実質上立体視に非対応
    • 公式サイト等に「一部対応」とは書かれているが、実際に対応しているのは装備画面と戦歴画面のみ。
      処理の都合上仕方ないかもしれないが、3Dで描かれたフィールドを立体視で楽しむ事ができないのは残念な点である。
  • 新たな仲間のゲルダとモリーは加入するのが後半。追加枠なのもあってストーリーとの絡みがあまりなくて寂しい。
    • ゲルダは本編での既存イベントを経て仲間になるので擁護出来るが、モリーとのやりとりはほぼ完全にサブイベントの範疇で、仲間にしなくてもストーリー進行できるため、本編のイベントでは殆ど絡まない。
    • 更にモリーは『少年ヤンガス』で培ったヤンガスとゲルダとの既知設定が殆ど活かされていない。唯一それらしき部分は「なかま」コマンドで「ミスター(ヤンガス)やマドモアゼル(ゲルダ)も…やめておこう」という台詞があるのみ。あくまで外伝作だからだろうが、DS版『VI』ではテリーに『テリーのワンダーランド』を彷彿とさせるセリフが用意されている。
      • 上記のような惜しい点はあるが、現在でも賛否の分かれる『4』のピサロや発売前から波紋を呼んだ『5』のデボラと比べるとこの2人の追加に関しては発売前から好評だった。ピサロのようにストーリー的な違和感を持ったまま仲間になる訳でも、デボラのように設定・性格共にトゲが強い訳でもない。本作の場合両者とも自然な流れで仲間になる上、性格も個性的ではあっても余計な粗やトゲは殆ど無い。この点は評価できるだろう。
  • 一部キャラクターの設定や描写が改変されている。
    • マルチェロの生い立ちやチェルスがハワードに虐げられている場面など。(倫理的問題からレーティング対策によるものと思われる)
    • PS2版では中性的な外見で男性か女性か明かされなかったイシュマウリに新たにボイスが設定された。声優は杉田智和氏で明らかに男性の声で演じている為、彼の性別も男性と確定した……と思いきやククールが「アイツは男なのか女なのか訊くの忘れたな」とPS2版と同様にコメントするなど微妙に齟齬が発生している。
      • 追加ストーリーが多い中、彼についての追加エピソードは無し。CV発表では終盤まで登場するマルチェロとチャゴスと共に発表された為、PS2版プレイヤーの多くからは「何か追加エピソードでもあるかも」と思われていた。
  • ドルマゲスの過去について
    +  ネタバレ注意
  • 追加エンディングについて
    +  ネタバレ注意
  • スキルとその習得特技の強さに関する点は賛否両論といったところ。キャラ性能にも大きな格差があり、キャラバランスの調整が不十分である。
  • 1つ目はゲルダの強さ。
    • ゲルダの短剣スキルを最大まで上げたときに覚える「キラージャグリング」が壊れ性能。
      • 敵全体にランダムで0.4倍の攻撃を6~8回行うもの。敵1体だと最高3.2倍、最低でも2.4倍のダメージを与えられる。はぐれメタルの剣を装備すればメタル系に2×6~8の大ダメージを与えられ、メタル狩りまで出来る。この特技と同じく武器効果や耐性に影響されず、この特技を上回る倍率を持つのは、バイキルト状態のゼシカのライトニングデスとモリーのデュアルカッターしかない。修正前の双竜打ちに匹敵する性能を持つ。複数回数攻撃をする特技な為ダメージ限界値にも引っかからず、最大で23040という、シリーズでは常軌を逸した量のダメージを与えられる。
      • 仕様の関係上バイキルトの恩恵が少なかったり、攻撃が分散するので大勢で出てきやすいメタル系には魔神斬りや隼の剣メタル斬りに劣る場合があったり、全体攻撃なら他のスキルの特技の方が強力だったりと、一見欠点にも思える部分もあるが、これらの要素は別に弱点というほどでもなく、単に使い所の問題である。敵の数が3~4体以下の時に絞って使えば良いだけの話である。
      • 仲間加入のレベル33の時点で100ポイント以上貯まっていて、あとレベルを5上げれば習得できてしまう。ただし、短剣スキルで習得できる特技はこれ以外は微妙なため、いきなり短剣スキルを極めると他スキルの育成の余地が無くなり、逆に使いにくくなってしまう。他のスキルにも有用性はあるが、揃えるにしても育成に時間がかかるため、ゲルダが真価を発揮するのは終盤~クリア後となる。
    • 加えてベホマの呪文やザオリク相当の特技、ピオリムや追憶の回廊のとあるボスに有効なラリホーの呪文…と、終盤以降に欲しい呪文や特技をピンポイントで習得するのもあって、性能は他のキャラに大きく勝る *9 。今作では裏ダンジョン攻略に、最大レベル近くまで鍛えてから挑む場合もあるため、鍛えれば鍛えるほどゲルダの強さが際立つことに。
    • キャラ自体の性能も全キャラトップクラスのすばやさを持ち、隠しボス達相手でも安定して先制攻撃が可能で、最速でも追憶の回廊攻略中での入手になるが彼女専用装備の1つが装備中にHP+100、すばやさ+200という尋常でない補正がかかるのもあって、クリア後はほぼ必然的にスタメン候補となりうる。
      • 発売直前のスタッフインタビューでは、ゲルダとモリーは加入が遅い分強くしたと語っている。そのモリーは特技の「モリーエール」で仲間のテンションを1~2段階上げられるので、アタッカーのサポート役として使われることが多いようだ。
  • 2つ目はゼシカの強さ。PS2版の時点でかなりのぶっ壊れキャラだったゼシカはリメイクで弱体化されるかと思いきや別のところが強化されたため、結局のところ男性陣を差し置いて強い。
    • ゼシカのムチスキルは双竜打ちの弱体化により中盤まではあまり有効ではなくなった。グリンガムのムチを入手以降は強い威力を発揮できる。
      • 弱体化後も相変わらず、少なくとも他の男キャラの特技よりは遥かに優秀な性能であり、力のパラメータの低さを差し引いても、主人公の五月雨突きに匹敵するダメージを叩き出せる。(主人公、ゼシカ共にバイキルト状態で比べた場合)
    • 短剣は「ライトニングデス」の威力が1.8倍に引き上げられた。単発技なのでバイキルトの効果を余すことなく発揮し倍率は3.6倍にもなり、バイキルト状態の双竜打ちを遥かに超え、バイキルト状態のキラージャグリングと同等になる。こちらは一撃ダメージ限界値に引っかかるが、ダメージ限界値でも倒せないのは追憶の回廊の最終ボスのみ。吹雪の剣を装備させれば、追加効果でさらに引き離す。
      • ゲルダと同様、最初から短剣スキルを極めると他スキルの育成の余地が無くなってしまうが、それを差し引いてもぶっ壊れた威力であり、もちろん男性陣の物理攻撃よりも遥かに高い威力を出せる。
  • 3つ目はヤンガスの弱さ。PS2版のときから「ヤンガスは序盤でしかパッとしない」と言われてしまっていたが、本作では「パーティキャラ6人中ヤンガスだけが弱い」とよく言われるようになってしまい、立場の改善ができていないどころか、格差がさらに広がってしまっている。
    • 一応移植にあたって彼専用の強力な盾やコスチュームが追加される、ちからの成長率が上がった…など方々でテコ入れはされているのだが、高倍率の特技+完全回復と蘇生が可能なゲルダ、高倍率特技+完全蘇生+テンション1~2段階上昇ができるモリー、高倍率特技と完全蘇生に加えて優秀な補助呪文やマダンテを使えるゼシカ、ベホマズンによる回復力に加え専用装備や特技による高い耐性&火力を誇る主人公、低くないHP・大防御・耐性装備・身かわしスキルによって追憶の回廊で最も打たれ強くて回復と補助のスペシャリストのククール…と、得意分野が非常に優秀な他の面子に比べると攻撃・回復・補助のどれをとってもパっとしない。
    • 打撃スキルの最終特技デビルクラッシュは、悪魔系・物質系の両方に2倍のダメージを与えられるよう強化され、追憶の回廊で実質的に最強と言われるボスに対しても強力な攻撃手段となったのだが、彼の素早さが低い為ほぼ後攻になってしまう事、補助や回復の手段に非常に乏しい事から、それらも兼ねたゼシカやゲルダを押し退けてでも起用する程かと言えば疑問符が付く。
      • それでも本作以前ならパーティーメンバーが4人固定だったので必然的に活躍の余地があったのだが、本作になって「戦闘メンバーから外す」という選択肢が生まれてしまった事で、「ゲルダかモリーが仲間になったら馬車送り」、追憶の回廊に至っては「出来て精々メガザル係が関の山」と酷評されている。
  • これらのキャラ性能格差により、女性キャラ2人が怒涛の攻撃を繰り出す合間に、主人公とククールが甲斐甲斐しく回復呪文でフォローする…という戦闘展開になりやすく、男性にとっては情けないというか、尻に敷かれたようなパーティになってしまう。
    裏ボスや追憶の回廊では男性陣のフォロー無しでは瞬く間に全滅しかねない為、貢献度そのものは大きいのだが。また終盤のボスの痛恨の一撃のダメージは女性キャラではまず即死してしまう為、それらに耐えうるポテンシャルを持った男性キャラがダメージソースとなりうる場面も多い。
  • モンスター・バトルロードのランクSSが運ゲー
    • 1戦目からSランク以上のステータスと痛恨の一撃を放つチームが立ちはだかり、ヘタなチームではジリ貧でやられてしまう。2戦目に至っては2体もの痛恨の一撃持ちにラリホーマでの絶妙なサポートが脅威。この時点で痛恨の一撃や補助呪文を喰らわない事を祈る運ゲーなのだが…
    • 3戦目のチームは1体は痛恨の一撃、もう1体は強烈な攻撃呪文やザラキでこちらを苦しめ、最後のウドラーがせかいじゅの葉で倒したモンスターを蘇生させてしまう。しかもこちらのAIの仕様を突いたのか、最初のうちはこちらのモンスターがウドラーにあまり攻撃してくれず、他のモンスターを倒した傍から復活させられるという状況に。チーム名の「そんなの絶対ムリーズ」の名に相応しい鬼畜ぶりである。
    • 全体攻撃でまとめて倒そうとしてもAI行動な上、味方モンスターの使える全体攻撃では火力が低すぎるため倒す前にこちらがやられてしまう。そもそも全体攻撃主体では3戦目に辿り着くことすら難しい。
    • 様々な新スカウトモンスターが追加されたものの、結局最強クラスのモンスターはPS2版と大差無い為、味方サイドの戦力はさほど変わらない。にも関わらずPS2版以上の難易度のランクを設け、痛恨や補助呪文といった実力ではどうしようもない要素に頼った難易度設定にしてしまっているのが、運ゲー化の要因だろう。
  • 一概に問題点とは言いにくいが、錬金を利用して金を無限に稼げるテクニックの存在。
    • 具体的には、激辛チーズを錬金して売ると素材料が130Gに対し600Gで売れる。一度に99個錬金すれば46530Gの儲け。15分もあれば999個錬金して40万ゴールド儲ける事もできるシリーズでも最高の金策に。
    • いくら売っても売値が下がる事はないため、乱用するとヌルゲーまっしぐら。ご利用は計画的に。
      • 前述のように他の錬金で利益の出たアイテムは全て修正されているのに、これだけは残っているのは単なる見落としか、それとも意図的に残したのかは不明である。
    • PS2版でも錬金による金稼ぎは可能だったが、錬金待ち時間がある上に一度に1個しか錬金できなかったのでさほど問題にはならなかった。
  • 上記にもあるが、序盤の経験値上昇やレベルアップするとHP・MPが全回復するようになった事。
    • これにより「ヌルゲーと化した」という声もあるが、ボスはしっかり強化されているので判断はプレイヤーにゆだねられる。
  • 操作性に関しての問題。
    • オリジナル同様にカーソル記憶できない。
    • 飛行の操作性はまったく改善されていない。
    • カーソルの操作は十字キーにしか対応していない。
    • 複数開いたメニュー画面の一斉閉じが出来なくなった。
  • 身の守りが999になったキャラに賢さの種が使用できない。ボスがモンスター図鑑に載らなくてゴスペルリングの入手が不可能になる。ルーラをするとゲームが強制終了した。仲間会話をしたら強制終了した、といったバグ・不具合が報告されているが、修正パッチが一切配信されていない。

総評(3DS)

ハードのスペック差故に、グラフィックや演出等PS2版から劣化した点がいくつかあり、「世界を味わう」という点においては残念がる声は多い。
しかし、本作の魅力はそれを補って余りある、システム面をメインにした多数の追加要素や調整であろう。
仲間の追加による戦略の増加、追加イベントによるシナリオの補完、コアなゲーマーも唸らせる大量の追加ボス、調整不足気味だった様々なシステムの補完は間違いなくゲームとしての質を高め、本作を名実共に完全系にしたらしめたと言えよう。
一部の追加要素は賛否が分かれはするものの、全体として見れば良質な移植作品である事は間違いないだろう。
一部の特技やキャラ間の能力差等、ゲームバランス面でいくつか問題が残っているのは非常に惜しいが、ボリューミーかつより緻密になったゲーム性は非常に高く、新規プレイヤーは勿論、PS2版を遊び尽くしたプレイヤーも再び手に取る価値は十二分にある。




*1 ゲーム中では「上がった」と表示されるが、これらの数値はあくまで段階を示すもので足し算ではない。たとえば敵の中にはいきなり50に上げる行動と5→20→50(合計75)と上げる行動の両方をするものがいるが、どちらも同じ効果である。

*2 呪文にもよるが、従来作の1.5倍が上限とされている事が多い。当然この程度では特技の強さには追いついていない。

*3 ただし、翼を持つ者の場所はグラフィック上はフィールドながら、ここでは効果がある。

*4 海外版のサブタイトルも「Journey of the Cursed King」となっており彼を指している。

*5 これ自体は全体攻撃だが、主人公には設定上の特性から効かない。

*6 中級呪文であるメラミよりも限界値が低い

*7 ドラゴン系モンスターにルカニをかけ、ドラゴンスレイヤーを装備したLv99キャラがバイキルト+スーパーハイテンションでドラゴン斬りを放つなど

*8 なお、もともと「グランドクロス」とは占星術の用語でありキリスト教の十字架とは無関係である。一方北米版での「天国への階段」にあたる「Pearly Gates」は聖書に登場する完全なキリスト教用語であり、むしろ変更後のほうが宗教問題に発展しそうな名称となっている。

*9 補助役としてはゼシカやククールに、範囲回復ではククールや主人公には劣るが