Ultima I the First Age of Darkness

【うるてぃま わん ざ ふぁーすと えいじ おぶ だーくねす】

ジャンル RPG
対応機種 Apple II、IBM-PC、Commodore64
PC-8801mkIISR、PC-9801VM/UV、MSX2、X1、FM TOWNS
開発者 リチャード・ギャリオット・ド・ケイユ
発売元 California Pacific Computer Company
日本版発売元 ポニーキャニオン
【TOWNS】富士通
発売日 【AppleII】1981年6月
【PC98】1988年12月21日
定価 【PC98】6,800円
判定 良作
Ultimaシリーズリンク


概要

  • ウィザードリィ』、『ローグ』と共に、コンピューターRPGの祖と言われる作品。日本においては、『ドラゴンクエスト』をはじめ多大な影響を与えた。
  • 他の二作がダンジョン探索というスタイルなのに対し、世界をまたに駆けた大冒険というコンセプトになっている。
  • ファンタジーがベースだが、大胆なSF要素まである、ごった煮的世界観のRPG。

ストーリー

平和だった世界ソーサリアは今危機に瀕していた。悪の魔法使いモンデインの支配下にあったからだ。モンデインは太陽の力を持った宝玉を実の父を殺して奪い、その力を持ってモンスターを呼び出しソーサリアを征服。さらにモンデイン自身は1000年前の過去に飛び、そこからソーサリアを支配するという無敵の体制を作り上げた。全く打つ手がなくなったロードブリティッシュは、異世界、地球から一人の勇者を呼ぶ。その者はロードブリティッシュの願いを受け入れ、モンデイン討伐のため旅立ったのだった。

特徴とシステム

  • 一見正統派。しかし実はまるで違うシステム。
    • 見た目は『ドラゴンクエスト』などに似ているが、システムは大違い。ローグライクゲームでよく見るターン制なのだ。このため移動・装備・アイテム使用と、こちらが何らかの行動を起こせばモンスターや人々が動くようになっている。攻撃も必ず交互。そしてモンスターはエンカウント制ではなく、シームレスに展開している。
    • ゲームはもっぱら王からの依頼をクリアしていく事で進んでいく。当面の攻略テーマを自分で見出すのではなく、ゲームから与えられるのである。
    • 街や城には人々がおり、話を聞ける。また店には武具などが売っている。お金の重要性が高く、お金を貯める楽しみというものを作り出した。これらにより街や人々の存在感を持たせたのは本作の特徴。
      • もっとも、攻略のヒントになる情報は、王と酒場の亭主との話しかなく、その他のキャラクターは定型的なものしか話さない。
    • 世界観はファンタジーっぽいが、不自然なほどのSF要素があちこちに。例えば、店で宇宙服が売っていたり、馬とレーザー装備のエアカーが一緒に売られていたりと。
      • ファンタジー世界と思ったのが、意表を突いてSF展開に…!となるのなら面白いのだが、マニュアルには宇宙の事が書いてあるので、プレイ前からネタバレだったりする。酒場の亭主も最初から、宇宙船の話を持ち出してくるありさま。 *1
  • キャラクターメイキングして冒険へ出発。
    • キャラクターメイキングは、パラメーターにボーナスを配分、種族と職業と名前を決めて作りあげる。種族はパラメーターに差が、職業は能力の差がある。
  • 冒険の舞台はフィールドとダンジョン、そして宇宙の三つ。
    • フィールドは『ドラゴンクエスト』などで見慣れたもの。ただ違うのがモンスターがシームレスに展開している点。またフィールドでお世話になるのが乗物。遠くへ出向くのが楽になり、海を渡ることもできるようになる。
    • 本作のダンジョンは、なんと3D描写。丁度ウィザードリィのようなスタイルなのだ。だがシステムはターン制のまま。エンカウントせずに、モンスターが遠方から近づいてくるのが見えるという具合なのだ。しかもモンスターは前方からのみ向かってくるとは限らず、後ろや横からも襲ってくる。目の前にモンスターはいないのに、ダメージを受けていると思って、周囲を見ると横や背後にいたなどという事もよくある。ダンジョンそのものは狭く簡単。トラップらしいトラップもほとんどなく、逆にアイテムのようなものもない。
    • そして宇宙。シャトルに乗り込むと宇宙へ飛び出る事ができるのだ。宇宙ではまずステーションにドッキングし、戦闘用の宇宙船に乗り換える。その船で宇宙を駆けるのだ。もうファンタジーの雰囲気は欠片も無くなっていたりする。
  • 戦闘は近接戦と遠距離戦の二種類と単純。ただし宇宙だけは全く違うシステム。
    • 戦闘は密着しての攻撃か、弓矢などの遠距離攻撃のみ。魔法攻撃はあるものの遠距離攻撃の一種のあつかい。特殊な攻撃は全くない。これは3Dで描写されるダンジョン内でも同じ。攻撃自体に多彩さはないのだ。モンスターの攻撃も同じく近接攻撃と遠距離攻撃のみ。一部を除き特殊な攻撃はない。
      • モンスターはフィールドではどこに行ってもさほど変わらないが(フィールド最強のモンスターに序盤から会う事すらある)、ダンジョン内では下にいくほど強くなる。ただ低い階層のモンスターは地上のものより弱い。むしろレベル上げ金稼ぎなどはダンジョンがメイン。ドラゴンクエスト等のように、序盤は街の周りでレベルを上げてなんてやると、まず死ぬ。ある意味元祖TRPGのクラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ的バランスである *2
    • 一方、宇宙での戦闘は大違い。システムもターン制どころかRPGですらなく、どちらかと言えばSTGのシステム。宇宙はいくつかのエリアに別れており、エリア内ではトップビューの移動となる。宇宙は慣性が効き、宇宙船の操縦は少々やっかい。ハイパージャンプで隣のエリアに移動できる。そして敵となるエイリアンのいるエリアに入ると戦闘が始まるのだ。3D画面での一人称視点に切り替わり、遠方から迫り来るエイリアンの宇宙戦闘艇を、レーザーで打ち落とす。もちろん相手もレーザーで攻撃してくる。フィールドの耐久力とエネルギー残量に気を配りながら戦うのだ。
  • 魔法は店で買うアイテム。
    • 魔法は攻撃だろうがその他だろうか、全てアイテム扱い。店で買ってくるのである。この魔法、使えばなくなる。ただ一つ、Prayerという魔法だけは使ってもなくならないが、これは何が起こるかわからない。ドラゴンクエストのパルプンテのような魔法。また魔法には職業によって、使えるものと使えないものがある。もっとも、本作の魔法は一部の限られたものしか必要なかったりする。
  • 大事な食べ物。
    • 本作には食糧のシステムがある。食糧はフィールドやダンジョンを歩くと消費され、なくなると即死。ただ序盤こそやりくりが多少必要だが、中盤以降はそれほどでもない。まず乗物に乗ると消費がかなり抑えられる上、中盤以降の収入に対して単価が安いからだ。
  • パラメーターはレベルと関係なし。
    • 主人公には様々なパラメーターがあるが、これらはいくらレベルを上げても変化しない。パラメーターが上がるのはイベントのみである。このためレベルを上げずに、パラメーターを限界まで上げる事もできる。それではレベルを上げるのは無駄なのかというと、そういう訳ではない。内部パラメーターが他にあり、強さがあがっていくのだ。この点もクラシック・ダンジョンズ&ドラゴン的である。
    • 本作ではHPに上限はない。金さえあればいくらでも上げられる。またダンジョンから出ると、倒したモンスターの数によってHPが回復するという特典がある。
  • 手に入らないなら盗め。
    • 本作には盗むというコマンドがある。これが結構便利。アイテムの中には遠方まで行かないと手に入らないものや非売品もある。だがそれを待っていられないなら、盗んでしまえばいいのだ。場合によっては最初に最強の装備を手に入れる事も。
      もっとも、失敗するとそこらのモンスターより圧倒的に強い追手がかかるので注意。

評価点

  • 平原に立つ主人公。木々に覆われた森に、連なる山。そして城と街。さらに広がる大海原。トップビューから見える広がる世界を舞台に、大陸を横断し、城や街に訪れ、ダンジョンを巡り、海を越え、果ては宇宙に飛び出してしまう大冒険RPGである。狭苦しいダンジョンをうろつき回るのではなく、広がる世界を進んでいく面白さ。これが本作の根幹と言ってもいい。
  • 『ウィザードリィ』や『ローグ』では、最終目的しか提示されておらず、過程はプレイヤーに完全に任されている。しかし、本作は当面の目的が王より与えられる。依頼とその達成が、区切りのあるテンポを作り出している。JRPGの原風景がここにあるのだ。
    • もっとも、その中身はお使いが多い。これもまたJRPGの原風景か。
  • 最後は宇宙にまで飛び出してしまう。冒険を味わうには十分すぎる、ぶっ飛んだ展開。

問題点

  • スタート時、何もない平原に放り出されるので、城に着く前に死んでしまう事がある。
  • パラメーター上昇がイベントだったり、HPに上限がないため、成長を楽しむという要素は弱い。

総評

世界中を冒険をするというコンセプトは、その後のRPGに大きな影響を与えた。平原を渡り、海を越え、新たな土地での発見を体感するという楽しみを最初に味あわせたゲームだ。
ゲーム自体は最初期のせいか独特なものとなっている。SF要素が露骨にあり本作の変わった雰囲気を作り上げる。一方パラメーターとレベルが別もので、盗みを働けばかなり強い武装が手に入ってしまうなど、キャラクターを育てるという要素が弱い。このためゲームとしてはややアンバランスな面も否定できない。
本作はシリーズ化し、現在まで続いている。

余談

  • 主人公はウルティマ4で「アバタール」(Avatar 徳の化身)と呼ばれるようになる。
  • スターウォーズの影響があちこちに見える。エアカーのシルエットはランド・スピーダーにしか見えない。宇宙のエイリアンの乗物は、タイ・ファイターによく似ている。武器の中にはライトセーバー…もといライトソードや、そのままブラスターという光線銃まである。
  • 当時の若者(原作者)が当時の流行りをぶち込んだ結果、めちゃくちゃ(褒め言葉)な世界観になったらしい。シリーズが進むにつれて世界観がおとなしくなっていくが・・・