あゆみちゃん物語

【あゆみちゃんものがたり】

ジャンル SLG+ADV
対応機種 PC-9801(VM/UV以降)
X68000
FM TOWNS
Windows
発売・開発元 アリスソフト
発売日 1993年9月15日
レーティング アダルトゲーム
判定 良作
ALICE SOFT作品リンク


概要

余計なものを一切省き、1人の女の子とエンドレスでHするという、後のヤリゲー・調教ゲーの始祖とも呼べる作品。

元々はアリスソフト運営のパソコン通信BBS「ALICE-NET」上であゆみちゃんプロジェクトとして立ち上げられた作品がきっかけ。
その後、ファンディスク集『ALICEの館2』にて本作品のプロトタイプが収録され好評を博し、製品化にこぎつけた経緯を持つ。
原画は漫画家のラッシャーヴェラク氏。本作品のCGは氏のカラーイラストをそのままスキャンしたものである。

システム

  • 1日の進行は学校内のパート→放課後の体育用具室→帰宅の順で進行し、基本的にHは体育用具室で行うことになるが、シナリオが進むと帰宅前に別の場所でHをすることも可能になる。
    • なお、7日ごとに日曜日となりその際にあゆみをデートに誘うことも出来るようになる。
    • 体育用具室では下記のパラメータが存在し、プレイヤーがプレイ内容を選択する事になる。それ以外の場所のHはサブイベント的扱いで、プレイ内容も固定。
    • 学校内のパートでも個別のHシーンが用意されており、選択次第でヤる事ができる*1
  • パラメータとしてはあゆみちゃん側のパラメータとして興奮度・耐久力、主人公側のパラメータとして精力、悪行値がある。
    • 興奮度はHな行動をするたびに上昇し、一定値以上になると淫乱化する。こうなるといやらしいBGMが流れ出し、反応がやたらエロくなるばかりか、普段なら嫌がるような過激なプレイすら悦ぶようになる。
    • 激しいプレイほど耐久力の消費が激しい。0になるとあゆみが気絶するのでその配分が重要になる。
    • 精力は主人公が要するに出すごとに減少し、0になると自分が気絶するのでこれまた配分が重要になる。どちらかが気絶*2してしまうとその日のHは強制終了となり、即帰宅する羽目になるので他の場所に行く事もできない。
      • 序盤は2人とも耐久力・精力が低いためあまり過激なプレイは出来ないが、双方とも気絶させなければ耐久力・精力を上げることが出来るので、ゲームが進行するに従って気絶はしにくくなってくる。
      • 但し、敢えて気絶させる(する)ことでアンロックされるプレイもある。
  • また、シナリオが進むと大人の玩具屋やH本屋でさまざまなアイテムを購入可能になり、それによって選択できるHの幅も広がる。
    • 入手できるアイテムは経過日数、Hをした回数、双方の気絶回数、主人公の悪行値(あゆみに対してひどい行動を取ったときに上昇するパラメータ)が関係する。

評価点

  • 単純明快なコンセプトによるゲームへのハードルの低さ
    • 非常に分かりやすいゲームではあるので、基本的に何も考えずに楽しめる。
    • この手のタイプの初期の作品ということもあり、あまり複雑なパラメータ構成にはなっていないので、ハードルは低い。
    • また、主人公がやや性欲的に鬼畜な側面があるとはいえ、極端にハードな展開はないのでこの手のゲームの初心者でも安心して楽しめる。
      • 選択によっては結構酷い事が可能だが、一方で「後ろ」に挿れた後は「前」や口では出来ないと言ったような衛生上の配慮もある。
    • 当時はHシーンに至るまで結構な手間がかかることが多かったが、本作ではそんなこともないので非常にお手軽。
  • 豊富なHパターン
    • この当時のアダルトゲームにおいてはディスク容量の関係もありHのパターンはあまり多くはなかったが、本作は1人のヒロインに完全に的を絞ったことによってリソースが集中され、150枚近くのCG枚数と破格のHパターンを誇った。
    • 完全にその方向に特化しただけあってHのバリエーションも非常に豊富でCGの質も高く、満足度はかなり高い。
    • この当時としては珍しくCG達成率も表示されるので、やりこみ度も高い。

問題点

  • そもそもの作品コンセプトゆえ、エンディングは存在しない。ひたすらやり続けるだけのゲーム。
    • CG達成率100%になればその旨をあゆみちゃんから教えられるが、それでもゲームはかまわず続けられる。
    • 一応、ヒントディスクにエピローグ的な「その後」のおまけシナリオは収録されている。主人公とあゆみが結婚した後の様子が描かれるが、こんな性欲塗れの主人公に平穏で幸せな家庭が築ける筈もなく……。
  • やはりヒロインが実質1人のため、展開はどうしても限られてしまう。
    • また、閲覧済みCGがほとんどになってしまう終盤は作業感がどうしても強くなりやすく、この段階になると飽きが来てしまいやすい。
    • これも作品コンセプトゆえに仕方がないことではあるが。
  • 序盤で一度しか発生しないイベントがあり、ここで選択肢を誤ってしまった場合、CG達成率を100%にする事ができない。

総評

この手のジャンルの先駆者となった点においてアダルトゲーム界ではひとつのマイルストーンとなった作品。
やや意地悪な条件もあるものの、理不尽さも少なく全体的に明るい雰囲気で進むので、複雑なシステムやハードな展開が苦手な人にお勧めできる。


余談

  • 後に白夜書房(コアマガジン)からAV女優の竹中なおを起用した実写版が発売されたが、当然というかなんと言うかさすがにヒットはしなかった模様。
    • ちなみにセーブデータは共用可能。
  • 通販別売りのヒントディスクには、あゆみ短編物語 中学生編、あゆみ短編物語 高校生編、あゆみ短編物語 その後、玩具屋店主「みゆきちゃん」の物語、プロトタイプ版の設定に基づいた外伝、の5本の短編シナリオが収録されている。
  • 続編として『さやかちゃん物語』が開発されていたが、残念ながら製作は中断されたままである。
    • ラッシャーヴェラク氏のイラストを数百枚というハードルがあり、また延期するうちに既に作られた256色カラーのCGも没にしてハイカラーに作りなおす必要が出たりという問題もあった。
  • 現在はアリスソフトの配布フリー宣言により本作の自由配布が認められている。
    • アリスソフトアーカイブズでもダウンロード可能なので、興味のある人はダウンロードするのもいいだろう。
    • ヒントディスクは残念ながら配布フリー宣言対象からは外れている。
    • ちなみに、白夜書房(コアマガジン)が権利を持っている実写版も残念ながら(?)配布フリー宣言対象からは外れている。
  • 『あゆみちゃん物語』はリスクの小さい状況で気楽に開発したら、思いのほか売れたとTADAが振り返っている。(ハニワ開発室 2022年10月20日木曜日 制作記.あゆみちゃん物語より)

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最終更新:2022年10月24日 10:57

*1 ただし学校内のパートでHをした場合は体育用具室でのHに入った時に精力・耐久力が消費された状態で開始される。

*2 システム上は「気絶」となっているが、あゆみの方は実際は激しいプレイに耐えかねて泣き出してしまうと言うもの。主人公の方は本当に気絶する。