ラーゼフォン 蒼穹幻想曲

【らーぜふぉん そうきゅうげんそうきょく】

ジャンル ロックオンアドベンチャー&アクションゲーム

対応機種 プレイステーション2
発売元 バンダイ
開発元 シェード
発売日 2003年8月7日
定価 通常版:7,140円
限定版:8,379円
判定 良作
ポイント 原作を解りやすく咀嚼
魅力のIFルート
豊富なエンディング

概要

音楽をテーマとした難解な、いわゆるエヴァ系作品であるロボットアニメ「ラーゼフォン」をゲーム化したもの。
ラーゼフォンのストーリーを主人公・神名綾人として体験していく。
原作スタッフが多数関わっており、作品が持つ独特の世界観をきちんと表現している。


特徴

内容は主に綾人を操作するアドベンチャーパートとラーゼフォンに乗り敵と戦うバトルパートに分けられている。

ストーリー展開

  • ストーリーは「前編、中編、後編」の3つに大別できる。
  • 原作をそのまま体験するだけでなく、いくつかの選択によって全く異なる結末を迎えられる。
  • 自由行動中に特定のキャラに話しかけたりオブジェクトを調べたりすると、エピソード一つ分に相当する「イベント」が発生し、物語が進む。
    • イベント中は決められたマップ範囲でしか行動できず、クリアするまで自由行動には戻れない。会話やバトルを進めてイベントが終了すると「fine」と表示され、自由行動に戻るか若しくは次のイベントに進む。
    • イベント開始時、或いは少し進めるとイベントタイトルが表示される。このタイトルのバックにあるマークでそのイベントがどのルートに属するか判別できる。
    • イベント名には原作のエピソードタイトルがそのまま使用されているものもある。

前編

  • アニメ第1楽章~第5楽章に相当。綾人が東京ジュピターを飛び出し六道家に住むようになるまで。
  • チュートリアル的位置付けであり、イベントもすべて強制的に進行する。

中編

  • アニメ第6楽章~第13楽章に相当。
  • 最も自由に行動できる期間。ここで取った行動が後編の分岐に影響する。
  • 中編は更に3つの期間に分かれており(攻略本ではA期・B期・C期とされている)、一定数イベントを消化・特定イベントの発生・一定日数の経過等で次の期間に移る。
    • 期間によって発生するイベントが異なり、次の期間に進むともう前の期間のイベントは未クリアでも起こせなくなる。
    • 尚、現在がA~Cのどの期間なのかは綾人の絵の出来具合で判別できる。
  • アニメ第14楽章に相当する「朱き傀儡」という固定イベントを発生させると、後編に移行する。

後編

  • 後編のストーリー展開は「アニメ準拠編、バーベム傾向編(バーベムルート)、ムーリアン傾向編(MUルート)」の3つに大別される。
    • アニメ準拠編はその名の通りアニメ本編に沿ったストーリー。細かい差異はあるが、大まかな流れは同じ。さらにアニメ準拠編2というマイナーチェンジが存在する。
    • 「MUルート」は、敵であったムーリアン側に従って世界を変革するストーリー。
    • 「バーベムルート」は、原作では成功してしまった黒幕のシナリオを完全に破壊するストーリー。
    • その他、発生条件が特殊な「18歳の肖像」(バッドエンドルート)がある。
  • イベントはほぼ強制的に進行する。アドベンチャーパートよりもバトルパートの比重が大きい。

エンディング

  • 好感度の高いキャラクターの中から、任意のキャラクターとのエンディングを見ることができる。
  • 後編のルートによって、選べるキャラクターやエンディングの展開も異なる。


アドベンチャーパート

  • 綾人を操作し、マップ内の人物と会話したり、物を調べたりするメインパート。
  • 中編のアドベンチャーパートは、活動拠点である根来島および神至市(TERRA本部)を舞台とする。

ロックオンシステム

  • マップ内の人物と会話する際は、付近の物や別のキャラを第二ターゲットとして選択することもできる(ダブルロックオン)。
    • これにより、複数人と同時に会話したり、第三者視点の他者の評価を聞くことができる。
  • 本作は一般的なアドベンチャーゲームとは異なり、会話中に選択肢は存在しない。
    • このロックオンシステムにより、「誰と会話をするか」「どのようなイベントを起こすか」が一種の選択肢として機能している。

LOP

  • ストーリー進行上の固定イベントや、各キャラとの好感度アップ等に関わる特殊な会話イベントを発生させる際には、LOP(ロックオン・ポテンシャル)と呼ばれるポイントを一定量消費する必要がある。
    • LOPはkatunという単位で表される。
    • LOPは上記以外のイベントを発生させる(各キャラと会話したり、物を調べたりする)ことで増加する。
    • 好感度が高いキャラと会話するとより多くのLOPを得られる。
      • 一度発生させたイベントは、日が変わるまでは再度発生させてもLOPは得られない。
  • LOPは後述のバトルパートにも関わってくる。

中編の一日の流れ

  • 根来島の綾人の部屋で起床し、TERRA本部のある神至市へ向かい、根来島で帰り、綾人の部屋で就寝する。この流れを繰り返すことで時間が経過していく。
    • 日が変われば、各キャラと会える場所や発生するイベントも変化する。
    • フィールド上のどこかにいる美嶋玲香に話し掛けると、フリーバトルも行える。
      • これはボスが登場しない簡潔なバトルパートであり、ストーリー進行にも影響しない。これを利用してLOPを稼ぐこともできる。


バトルパート

  • ラーゼフォンを操作して空中で多数の敵と戦う。
    • 重力に捕らわれない操作、近接攻撃と射撃による攻撃と、操作感などはZ.O.Eシリーズと似ている。
    • 戦闘ではドーレムとその周囲に多数の小型機ドーテムが敵として登場する。ドーレムを倒すと対応したドーテムも全滅するが、この場合はドーテムのLOPは入手できない。LOPを稼ぎたければドーレムを倒す前にドーテムを排除すると良い。
    • 雑魚ドーレムを全滅させるとボスドーレムとの戦いに移る。これを倒せばイベントクリアとなる。
    • フリーバトル以外では遙や恵などがオペレートし、敵の大技のタイミングや敵の変化などを逐一教えてくれる。
    • 敗北してもラーゼフォンの力で戦闘開始前まで時間が巻き戻る為、ゲームオーバーは無い。
    • アニメで登場した武器も使える。

ラーゼフォンの強化

  • LOPを消費することで新たな武器を入手したり、ラーゼフォンの能力を強化できる。
    • 各戦闘前と、TERRA司令センターにあるソロバンを調べる事で強化画面に入る。開放できる能力はストーリー進行や各傾向編のクリア状況に伴って増えていく。
    • ゲームオリジナルの武器も存在する。

ロックオン攻撃

  • LOPを一定量消費して行う、歌の力や弓などを使った遠距離攻撃。射程内の敵ならほぼ必中。
    • 予め装備した技を放つ訳ではなく、ロックオン攻撃の度にどの技を使うか選択する。その際に隙が生じる為、使い所を間違えない事が肝心。

LOPの獲得

  • 敵を撃破するとLOPが一定量増加する。
  • 連続で敵を攻撃すると加算されていく連続ヒット数が一定値に達すると、LOPが増加する。
  • バトルクリア時のリザルトで高評価を得るほど、ボーナスとして多くのLOPが得られる。
    • リザルトは基本的にダメージとクリア時間で判定される。特にクリア時間の判定はかなり厳しく、ちまちまと戦っていると簡単に最低評価を付けられてしまう。

その他

周回プレイ

  • クリア後は、余ったLOPやラーゼフォンの強化状態を引き継いで最初から始められる。
    • 2周目からはイベントが発生する会話に各傾向のマークが添加されて分岐が分かりやすくなっている。

エクストラゲーム

  • クリア後に遊べるおまけモード。タイトルメニューからいつでも挑戦できる。
  • サバイバル、タイムアタック
    • どちらも特定の順番でボスと連戦するモード。サバイバルは体力が無くなるまで連戦し続ける。
    • 「ノーマル、ハード、スペシャル」の3段階の難易度があり、難易度によって戦うボスや順番が異なる。
  • キャラクター選択
    • サバイバルやタイムアタックでは、ラーゼフォンだけでなく、本編に登場したいくつかのキャラクター(機体)を使用することもできる。
    • ラーゼフォンの他に使用できるキャラクターはベルゼフォン*1、ヴァーミリオン(エルフィ機)、アヤトゼフォン(真聖ラーゼフォン)の3体。これらは各傾向ルートをクリアすることで解禁される。
  • プレイバック
    • 本編のイベントで一回以上発生させたバトルパートの中から任意のものをプレイできる。
    • バトルパート別に、クリア時の総合評価(ランク)も記録される。

評価点

  • 原作が持っていた「分かりにくい」という要素を出来るだけ取り除く為に、キャラクター一人一人が深く掘り下げられている。
    • 原作内であまりスポットが当たっていない人物はもちろん、当たってはいたが説明不足だった人々もきっちり補完している。
      • ロックオンシステムにより、アニメでは描かれないキャラ同士の絡みが見られたり、関連性のほぼ無いような人、物の意見を聞く事もできる。
    • 原作の台詞が全体的に分かりやすく噛み砕かれており、理解しやすい。一方、原作の印象的な台詞がそのまま組み込まれている事もあり、原作ファンを唸らせるような演出も多数。
    • キャラクターは当然フルボイス。勿論原作と同じ声優が当てており、一部では原作と異なる怪演も見所。
    • 原作の監督である出渕裕氏が自らシナリオ監修を行っている為、キャラゲーにありがちな原作との乖離や違和感も殆ど無い。
  • 資料的価値
    • 根来島(六道家周辺)、TERRA本部、リーリャ・リトヴァク艦内など、アニメに登場したロケーションを自由に歩き回る事が出来る。勿論、ゲーム上アニメとは差異があったり簡略化されている所はあるが、3Dで再現されたアニメの舞台を探索できるのはファンには嬉しく、実際に歩くことで新たな発見もあるだろう。
    • コレクションモードでは登場人物、オーパーツ、メカ、ロケーションの詳細な解説を閲覧可能。アニメ本編は勿論、本作オリジナルのものも全て収録されているので、よりラーゼフォンの世界を理解できる。
      • 中には亘理長官のお土産コレクションなんてものも…。
  • IFルートの展開が魅力的
    • 「バーベムルート」は本作の重要な要素であり黒幕の目的だった「調律」を完全に否定した上で今を生きるという展開。
      • 原作の結末はハッピーエンドではあるが、所謂大団円とは異なる独特の構成や難解さから人によっては消化不良が起きやすい。それに比べてこちらは非常にベタでロボット物として王道的な展開であり、特に「世界観は好きだが原作の終わり方が好きじゃない」と言うファンには「正史」と呼ばれる事もあるほど人気がある。
      • 組織の裏切り、脱走、同じ志の仲間達との合流、圧倒的戦力差の敵に立ち向かう…と言った熱い展開も目白押し。ラストバトルでは皆の希望を一身に背負ってラスボスに立ち向かっていくと言う、これまた王道的な展開。
      • 原作の持つ独特さは薄れ、毛色はかなり異なるが、王道ロボットアニメ的な熱いシナリオを好む人なら楽しめるだろう。
      • 原作で不幸な結末を迎えたキャラが綾人と和解し生き残るという、王道ながらファンの期待に答えた展開もある。
    • 「MUルート」も、MU側に寝返ってドーレム達と共にTERRAと戦うと言う、これまでと180°異なる立場を体験できる新鮮なルートである。内容が内容なのでハッピーエンドは迎えられないが、こちらもIFルートとしては面白い。
  • 勿論、原作が純粋に好きだと言うファンも、アニメ準拠ルートが存在するので安心である。
    • 亘理や樹が肉親である事、六道が義理の祖父にあたる事など、原作では綾人に最後まで明かされなかった事実を知る事が出来たり、一色の本来の性格について聞けたりと、原作では適わなかった事も場合によっては可能。
    • 原作ラストの「調律」も、原作とは全く異なった形で成し遂げる事ができる。アニメ最終回と同様の結末は勿論、色々な形で調律できる。
      • こちらのルートでは「調律」が行われる為、作中で死亡する人を含めて殆どのキャラとエンディングが迎えられる。
      • 当該キャラが綾人と結ばれたり友情を築く以外にも、そのキャラの幸せを祝福するものなど内容も様々。一色や小夜子と言った、原作では救いの無い末路を辿った人物を救済する事も出来る。一色が本来の優しい性格で幸せを手にするエンディングは必見。
  • 要所にアニメムービーが差し込まれるが、放送時のアニメを切り取ったものだけではなく新規アニメも多数収録。勿論原作アニメスタッフが手掛けたものであり、気合の入ったムービーを見る事ができる。
    • OPでは主題歌もそのままに原作のオープニングアニメ(ヴァーミリオン等が登場する終盤のもの)がそのまま流れる。
  • 各ルート別・キャラクター別に用意されているエンディングの数が非常に多い。
    • 名前付きで紹介された主要キャラクターとのエンディングはほぼ全員入っている*2
      • メインヒロインの遙、久遠や恵や浩子と言った主要女性陣は勿論、樹や功刀などの男性キャラ、ゴミヨモコンビやα小隊の面々と言った脇役、果ては一色やバーベム卿すらエンディングが用意されている。
      • 「MUルート」に進めば敵であった九鬼、三輪と言ったキャラともエンディングが迎えられる。
    • このように周回前提の作りのためか、ほぼ全てのイベントはスキップ可能。
    • エンディングは一枚絵にボイスで後日談が語られるだけだが、数の多さを考えると仕方が無いだろう。
  • 一見、独特でとっつきにくそうなシステムだが、チュートリアルが丁寧なので初見でも馴染みやすい。
    • アドベンチャーパート、バトルパートの両方に事細かな解説が用意されている。

問題点

  • ゲームの仕様上ほとんどの場面で主人公視点で物語が進む為、一部登場人物の過去の描写や心理描写が簡略化されている。
    • また、ナレーションと原作のアニメを少し流す簡単なダイジェストだけで済ませるシーン*3や、任意イベントでしか説明されない部分など、原作未視聴者が「?」と思う場面も無い訳ではない。原作のエピソードを全て事細かに描いたら冗長になるのは想像に難くないので、仕方なくもあるのだろうが。
    • バーベムとヘレナが特に紹介も無くTERRA本部内に居たりと、原作視聴済みを前提に描写を省いている箇所もいくつか*4
    • その為、(勿論、媒体の違いもあるが)アニメ準拠ルートは原作に比べると全体的にあっさりしており、本作のみでアニメの物語を楽しむには少々物足りない。メインはIFルートの方と言う事だろうか。
  • OP以外のアニメで使われた音楽が一切使われていない。作中でも音楽が重要な要素であり独特で癖はあるものの非常に質が高いのに、である。
    • ゲームの音楽が悪いわけではない。むしろ質は良いくらいだが……良くも悪くもBGMで、音楽がテーマの作品相手では分が悪い。
    • 「調律」のシーンは原作最終楽章のアニメがほぼそのまま使用されているが、BGMの所為で全く違った印象を抱くシーンになっている。
    • 版権の問題かもしれない(OPと作中曲は別の人が担当している)が非常に残念なポイント。
      • しかしその本編の音楽を手掛けた橋本一子氏は麻弥役の声優として作中にも参加しており、今作でも同役で続投している。純粋に使いにくかったのだろうか?
  • 本作の魅力であるバーベムルートだが、必ずしも皆が幸せになれる訳ではない。
    • キャラの扱いや結末に温度差がある。更にこちらは「調律」を否定する為、死んだキャラとは当然エンディングを迎えられない。
      + ネタバレ
    • 原作では戦死してしまう八雲やα小隊、悲劇的な最期を迎えた朝比奈と鳥飼などは無事に生き残る。
    • しかしこちらでも功刀は死亡するし、原作では死ななかった亘理と六道まで死んでしまう。樹も助ける事は出来ないし、小夜子も彼と運命を共にする。一色に至っては最期まで憎まれ役のままで、ある意味原作以上に救いが無い。
    • 一方、財団に育てられた三人組の中では最もバーベムに忠実だったヘレナは樹や一色とも袂を分かち、バーベムを裏切って綾人側に付く。この展開は出淵監督も驚いたとの事。
      • 原作では肉体をバーベムに捧げたほどだったのに、こちらでは綾人の説得であっさり心変わりする。その綾人もそれまで敵対していたヘレナを唐突に説得し出す。一応、ヘレナの好感度アップイベントを起こしていれば2人の心変わりも理解出来るが、本編だけではかなり強引であり、好感度アップイベント自体も本編の流れからするとやや強引。
    • また、調律を否定すると言う展開上自然な流れではあるが、悪く言えば原作否定となってしまう台詞も多く、原作のストーリーが好きなファンは複雑な気持ちになるかもしれない。
  • アニメではモブの出番だった所を他のキャラが演じている箇所が幾つかある。
    • 例えば第1楽章で綾人がMUの工作員に拉致されそうになるシーンは、MUの司令官である九鬼と副指令である三輪が直々に(しかも兵を連れず二人だけで)連れに来ると言う若干おかしなシーンになっている。そして案の定、原作の工作員と同じように二人とも遙に叩きのめされ…。
  • キャラクターの設定についてゲームスタッフの独自解釈や新解釈も混ざっている。
    • 出淵氏も「分岐物だからifの世界を楽しんでもらえればよい」と前置きした上で「自分だったらこうはしないな」という展開が一部存在する。
      • 特に本作では九鬼と三輪が交際しているが、出淵氏の設定では三輪はかつて功刀に想いを寄せており、九鬼の事は寧ろ見下していると言うものでこれはあり得ないとの事*5
  • BADENDに当たる「18歳の肖像」を見るには69日間ずっと自宅>TERRA本部>自宅に戻り就寝、を繰り返さねばならずかなり面倒。
    • 日数だけでなく、イベントを一つも起こしてはいけないと言う条件がある為、下手に暇潰しもしづらい。
    • ちなみに1日1度は必ずTERRA本部に行かなければならないのは「TERRA本部でなければ昼食が食べられないから」と説明されている。
  • 最後のセーブポイントからエンディングまで非常に時間がかかる。
    • エンディングは2周目からは相手キャラクターの好感度が一定以上に達していたらどれを見るか選択できるのに、一々ラスボス前の前哨戦からやり直さなければならない。
  • プレイスタイルによってはLOPが不足しやすい。
    • 積極的に各キャラと会話したり物を調べたりしなければ、なかなかLOPが貯まらない。
    • フリーバトルは1日に何度も行えないので、結局は日を進めて地道にLOPを稼がなければならない。
    • 好感度アップの会話は発生する状態だとそちらが優先されてしまう為、LOPを貯める為の普通の会話も出来ない。好感度アップイベントはかなり数が多く、時期が進むとほぼ全員にイベントフラグが立つ事も。
      • その為、好感度アップイベントを逐一起こしているとどんどんLOPが減ってしまう。かと言って起こさないと思うように会話も出来ない。好感度は上げた方がLOPが貯まりやすくなる為、決して無駄ではないのだが。
    • ストーリーを先に進めるイベントを発生させるためにはLOPを多く消費しなければならない。そのため、ストーリーを早く進めたくても、アドベンチャーパートで寄り道するなどしてLOPを稼がなければ進められない。
      • そしてストーリーを進める為にLOPを使い切ってしまうと、LOPが少ない状態で戦闘に臨まなればならない事が多々ある。
  • 武器の性能差が大きい。
    • 最終的には、バランスが良く使いやすい「光の双剣」、ヒット数を稼ぎやすい「光の鎌」、高威力の「光の大刀」のいずれかに落ち着く。
    • 素手や「光の剣」はほぼ完全に双剣の下位互換。「光の槍」はリーチはあるものの、威力・手数ともに微妙。「光の槌」は攻撃が大振りで扱いにくい上、簡単に敵を吹き飛ばしてしまうので追撃しにくく、総合的な攻撃力も大刀に見劣りしてしまう。
  • ロックオンの性能があまり良くない。
    • ロックオンの切り替えは右スティックで行うのだが、これが思うように狙ってくれず、泥酔したエルフィの如く見当違いの敵をロックオンしてしまう事もしばしば。
    • また、オートでロックオンする場合は画面内の敵とその方向の敵が優先される為、側面や背後のすぐ近くにいる敵を無視して遙か久遠の彼方をロックオンする事も。バトルフィールドは全体的に広いので更に厄介。
  • プレイバックのランキングの問題
    • ランキングは本編での記録も反映される。そのため、開始時のLOPが一定量で固定されているプレイバックよりも、LOPを豊富に持った状態で戦える本編の方がランキングを更新しやすいという微妙な仕様になっている。

総評

キャラゲーとしてだけでなく、一本のゲームとしても非常に優秀な作品。
原作のおさらいは勿論、難解だった原作を解りやすく解説する資料的価値、そしてゲームだからこそ可能なIFルートやマルチエンディングに登場人物の細かい掘り下げと、ラーゼフォンの世界を理解・堪能する要素が目白押し。アドベンチャーやロボットアクションの面でも破綻の無い作りであり、「キャラゲーに名作なし」の原則など軽く撥ね退ける傑作キャラゲーである。
原作ファンは勿論、スパロボでの知識しか持ちあわせていない人や、アニメで投げた人も是非プレイして欲しい。
また、アニメ本編がよく分からなかった人も、本作で理解を深めた後で再度試聴すればまた違った印象を抱くかもしれない。


余談

  • 特典アニメ「彼女と彼女自身と」
    • 限定版「ラーゼフォン蒼穹幻想曲 Plusculus」の特典DVDに収録されているアニメ。本編の合間の話が描かれているが、ただでさえ不思議ちゃんで理解が難しい久遠に焦点を当てた内容なので非常に難解。
    • 久遠については劇場版であまりクローズアップ出来なかった為、こちらで描く事になったとの事。また、久遠メインと決まる以前は監督を含めてギャグ物のアイデアばかり出していて、どちらにするか悩んだ末の結果らしい。
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最終更新:2023年11月14日 22:50

*1 原作のラスボス・クオンゼフォンの覚醒前の姿。原作では登場時に既に覚醒していた為、未登場。本作ではバーベムルートで戦い、サンデーGXで連載されていた漫画版でもラスボスとして登場した。

*2 美嶋玲香は無いが、彼女の場合は設定を考えると致し方ない所だろう。

*3 綾人と遙がTOKYO JUPITER脱出後に三浦半島の廃墟で過ごすエピソード。

*4 バーベムルートではこの2人の初登場イベントがある。原作とは異なるが。

*5 後に発売された小説版「夢みる卵」では出淵氏の本来の設定に基づいて描かれており、巻末の対談でも「ゲームのリベンジ」とまで言われている。