ガンマンストーリー

【がんまんすとーりー】

ジャンル ガンマンアクション
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
発売元 フライハイワークス
開発元 Horberg Productions
配信開始日 2013年5月22日
定価 200円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント 西部劇的な横アクションゲーム
シンプルかつテンポが良い


概要

ニンテンドー3DSダウンロードソフトをメインにリリースするメーカー、フライハイワークスがリリースした作品。本作はスウェーデンのインディーデベロッパー、Horberg Productionsが手掛けた『Gunman Clive』(Android、iOS、Windows)の3DS移植版を日本語ローカライズしたもの。 ジャンルとしては横スクロールアクションゲームに該当する。
ガンマン達が銃を武器に、様々な西部劇ステージを駆け抜けるというストーリー設定。といっても、あまり詳細なイベントが発生しないので、特にストーリー性を意識する必要はない。
オートセーブ方式。メイン操作はすべてボタンで行う。タッチペンには対応していない。


主なルール

  • セーブデータ作成・プレイヤーセレクトについて。
    • 3つのセーブデータのどれかを選んだ後に、3人の自機(プレイヤーキャラ)・及び3段階(イージー・ノーマル・ハード)の難易度選択ができる。
      • 自機に関してはゲーム初期時ではガンマンしか選べないが、一度どの難易度でもいいのでオールクリアすると残り2人も選択可能となる。
      • なお、セーブデータにて選んだ自機・及び難易度は、一度決定すると一切の変更ができない。他の自機・難易度を選びたい場合は、別のセーブデータを使用するしかない。
    • どの難易度を選んでも、ゲームそのものの難しさは変わらない。難易度差は自機のライフ数のみである。
      • イージーは「初期ライフ8」、ノーマルは「初期ライフ4」、ハードは「初期ライフ2」となる。敵・障害物ダメージは全難易度共通で1ライフ消費。
      • イージー限定で落とし穴に落ちても、ライフ2消費の途中復活で済む。他の難易度は落とし穴に落ちると即ミス。
    • プレイヤーの性能差に関しては以下の通り。
      • ガンマン・クライブ」…主人公のガンマン。移動しながらのショットが撃てる。初心者向け。
      • ミセス・ジョンソン」…ヒロイン。移動しながらのショットが撃てないが、ジャンプ中にボタンを押し続けると独特の浮遊力が発生する。中~上級者向け。
      • ダック」…アヒル。攻撃手段がなく、しゃがみ・はしごの上り下りもできない。上記2人よりも背丈が小さく、短距離の飛行が行える。アイテムが全く出現しない。最上級者向け。
  • ゲームの流れ・ミス条件について。
    • 一般的な横スクロールアクションゲームと同じノリでのプレイとなる。
      • 5の倍数以外のステージは、道中を経て特定場所まで自機を進めればクリア。5の倍数ステージは、すぐ先に待ち構えるボス敵を倒せばクリア。
      • 全20ステージ構成。但し、自機がダックの場合は"5の倍数ステージ"に遭遇せず、全16ステージ構成となる*1
    • 一度プレイしたステージはセーブデータ画面でのステージセレクトができる。
      • ステージクリア後はクリアまでに経過した時間表示がされ、ステージセレクト画面に該当ステージに「ベストタイム」として記録される。
      • ノーダメージ・及び短時間でステージクリアを行うと、ステージセレクト画面の該当ステージに「★」が付く。両方の条件を満たすと★が2つ付く。
    • 本作には残機の概念がなく、ゲームを終えない限りは何度でもミス復活ができる。
      • ミス条件は「ライフが全部なくなる」「落とし穴に落ちる(ノーマル・ハード)」事にある。ミス後はステージ最初からのやり直しとなる。
      • ゲームオーバーに陥る心配はないが、セーブデータ画面にて「今までにミスした回数」がばっちりと記録されてしまう。
  • 操作系統。
    • ガンマンとジョンソンの操作。
      • 十字ボタン(アナログレバー)左右で自機の移動。キー下でしゃがみ動作。
      • Bボタンでジャンプ動作。ジャンプ中のショット撃ちや移動制御も可能。ジョンソン限定でジャンプ中に浮遊力が発生する。
      • "はしご"の近くで十字ボタン(アナログレバー)上下で、それに"しがみついて"乗り降りできる。
      • Yボタンでメインショットを撃つ。初期ショットは前方一方向の弾を放てる。ガンマン限定で移動しながらのショットが撃てる。
    • ダックの操作。
      • 十字ボタン(アナログレバー)左右で自機の移動。
      • Bボタンでジャンプ動作。ボタン連打で若干の飛行移動が可能。
      • "はしご"の近くで接近すると乗る事ができ、その状態から十字ボタン下で下位置に降りられる。
    • ステージ7は強制スクロールのアクション・ステージ16は強制スクロールのシューティングが行われる。
  • アイテムについて。
    • 自機がガンマンかジョンソンだった場合、定期的に以下のアイテムが出現する。
      • ショット系アイテムの弾数は無限だが、自機がダメージをもらうと効力を失い、初期ショットに戻ってしまう。次ステージへの引継ぎは可能。
    • アイテムの種類は以下の通り。
      • 「3WAY」…メインショットが"広範囲攻撃が可能な3WAYショット"なる。
      • 「ホーミング」…メインショットが"誘導性を持つホーミングショット"になる。
      • 「レーザー」…メインショットが"貫通性を持つレーザーショット"になる。
      • 「バズーカ」…メインショットが"連射が効きにくいながらも攻撃力に長けたバズーカショット"になる。
      • 「スネーク」…メインショットが"地面に跳ねる弾を撃つショット"になる。
      • 「ケーキ」…ライフ回復アイテム。大小の2種類があり、大はライフ全回復・小は2ライフ回復の効果。

評価点

  • 嬉しい安価発売。
    • 本作は3DSダウンロードソフトとしては破格といえる200円販売を実現している。
      • これはDSiウェアの最安値と互角、3DSのDLソフトの中では超安価である。もちろん、500円・1,000円クラスのDLと比べればタイニーだが、値段を考慮すれば十分すぎる位に遊べる内容である。
  • ごく普通のアクションゲーム。
    • 本作は80~90年代において星の数程存在するであろう、「撃って・避けて・ジャンプして先へと進む」系等のアクションゲームである。
      • 有名どころでいうならば『ロックマンシリーズ』、西部劇の同ジャンルでいうならば『サンセットライダーズ』と大方同じゲーム性の作品といったところだろうか。
      • 近年の新作ゲームにおいて、こういう温故知新なアクションゲームはあまり見かけない。そういう意味では必見の作品といえる。
  • ごく普通の難易度。
    • 全体的な難易度は格別に凶悪でも、ヌルくもない、至って平凡的な難しさで収まっている。
      • 操作性は至って軽快であり、操作の不備でミスする事はあり得ないだろう。一部きつい操作を強いられるステージもあるが、決して理不尽な"きつさ"ではない。
      • 見えない場所から敵弾が飛んできたり、ボス敵の行動パターンに若干の運が絡む一面こそあれど、何度もやり直していけば確実にクリア可能なバランス調整がなされている。
      • 何度ミスしてもゲームオーバーにはならない親切仕様のおかげで、やり直しの負担が大幅に緩和されている点も助かる。ミス回数のカウントは蓄積されていくが……
  • プレイヤーキャラによって難しさの趣旨が変わる。
    • 3人の自機には明確な差別化がされており、新鮮な気分でプレイできる。
      • ジョンソンの「移動しながらショットが撃てない」という制限が地味に厳しく、万能性能のガンマンよりかは攻撃面が不利になりがちである。
        だが、攻撃に制限が掛けられている分、移動能力に関しては独特の調整が施されていて、ガンマンでは一つ一つ乗り超えていく必要がある地形の一部を持ち前の空中浮遊でショートカットしたり安全に着陸ができたりする。
        また、ノーダメ狙いの際には、ジャンプ性能の関係でガンマンとは別のルートを辿る事になるステージも。
      • ダックに至っては「攻撃できず・アイテム出現せず」と、ひたすらに敵などを避けなければならない過酷っぷり。
        しかし、彼には「小さい故に敵攻撃を避けやすく、飛行である程度の障害物をかわせる」という特権がある。これを利用すれば、他2人ではできない操作で難関を乗り越える事が可能。
        また、ボスへの攻撃手段が無くなってしまう関係上、5の倍数ステージ全般が免除されるので、操作に慣れてしまうと他2人よりもクリアが楽かもしれない。
        なお、彼の場合は性能との兼ね合いで敵配置が一部変更されている。このため、ステージ内も他2人とは違って見えるかも。
  • セピアで宇宙な西部劇。
    • 本作のゲーム中は全編通して、セピアカラー一色で統一されている。
      • 色彩的には寂しいものがあるが、キャラクターや地形などの書き込みは非常に繊細で、やたらと"ぬめぬめ"とキャラ達が動く様は必見である。
    • 各ステージ毎に特色のあるギミックがあり、少ないボリュームながらも多種多様な演出で楽しませようという試みが感じられる。
    • プレイヤーキャラによって若干の演出変化が起きる。
      • 自機がガンマンの場合、ジョンソンが黒幕に"さらわれた"ヒロイン役を演じる。特に突っ込みどころのない、「ガンマンがヒロインを助けにいく」設定である。
      • 自機がジョンソンの場合、ガンマンが"さらわれ"ヒロイン(?)を演じてくれる。まるで、「"さらわれた"マリオを救出するピーチ姫」のようで微笑ましい。
      • 自機がダックの場合、誰もさらわれないし、ガンマンやジョンソンもゲーム中に全く姿を見せない。ぼっちなアヒル……か
  • 西部劇なBGM。
    • BGMに関しては王道な西部劇調の楽曲で、なかなかの渋さと格好よさである。
      • しかし、宇宙に行っても西部劇調の楽曲は相変わらず。また、安価販売なソフトに贅沢をいうのも失礼だが、楽曲自体があまり多くないのは寂しいところだろうか。
  • 適切なやり込み要素。
    • 隠し要素は「ミセス・ジョンソン」「ダック」のみであり、スタンダードな性能のガンマンでクリアすれば解禁できる。
    • 目標タイムやノーミスは記録されるものの、これらを達成しなくともペナルティや未解禁要素はない。
      やり込みたい人のみが気にすれば良い要素となっている。

問題点

  • 難易度によるプレイバリエーションが乏しい。
    • どの難易度で選ぼうが、自機の最大ライフ数・及び落とし穴後の復活形式しか違いがない。
      よって、「難易度によって敵の攻撃パターンが違う」的なバリエーションがなく、一度使用キャラでクリアしてしまうと大きな既出感を覚えてしまう。
  • 武器アイテムについて
    • 各武器アイテムのグラフィックはそれぞれ銃の形をしている。加えて、いずれの武器アイテムも紫色に統一されているので、見分けが付きにくく紛らわしい。
    • 純粋に攻撃範囲の広がる「3WAY」、「レーザー」、「スネーク」は良いが、「ホーミング」と「バズーガ」は一長一短。取れば確実にパワーアップとはいかない。
    • 攻撃範囲が広がる代わりに連射が効きにくい「バズーカ」などはステージによっては取らない方が進めやすい。「ホーミング」はその名の通り敵をホーミングするので、目の前の敵を倒したいのに上にいる敵をホーミングし、敵を倒せないと言った場合が発生する。
    • 逆に「スネーク」は終盤のステージでしか手に入らない代わりに攻撃力が凄まじく、また連射も出来るので、 ラスボスを一瞬で倒すことが可能というチート性能である。
  • ステージ内に中間地点が存在しない
    • 今作は各ステージの短さを反映しているのか、NOMAL以上の難易度ではステージ内でミスした際には中間地点ではなくステージの最初からやり直しになる。
    • ステージ内に中間セーブポイントが存在しない関係でミス後の復帰地点がステージの最初からなので、ステージ内の難所の直前から復帰する事が出来ず、結果的にステージ後半におけるパターン確立も時間が掛かりがちになっているのは否めない。
    • 難易度の低い前半面こそはあまり気にする事が無い点ではあるものの、ステージ全体の難易度が上昇しトラップも複雑になってくる後半面ではこの点が特に顕著になってくる。

総評

昔懐かしいアクションゲームが200円でプレイできるのは純粋に嬉しい。ゲームとしての出来も優秀であり、価格以上の価値は十分すぎる程に持っていると思われる。
3DSの残り少ない残高を使い果たす目的でDLするのもいいかもしれない。フライハイワークス製のDLソフトは他にも安価なものが多い為、まとめ買いするという手もある。



続編・移植

  • 外部出演
    • フライハイワークスの3DSダウンロードソフト『ドランシア・サーガ』に本作のプレイヤー3人(ガンマン、ミセス・ジョンソン、ダック)がゲスト出演している。ただし、ジョンソンは同作では「いとしのアイツ」名義での参戦となる。
    • 更にその後は同じくHorberg Productionsが製作したSwitch『メカフォース』にもガンマンがゲスト出演した。
  • 2015年3月4日に定価300円の『ガンマンストーリー2』が3DSで発売された。*2
  • 2015年10月28日にWii Uで『ガンマンストーリーHDコレクション』が発売された。
    • 上記の『2』とがセットになっているほか、追加要素もある。
    • 2019年6月13日にはSwitch版、2020年5月22日にはPS4版が発売された。
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最終更新:2021年11月11日 20:17

*1 ダックには攻撃手段がない故に、ボス敵を倒す事ができない為。

*2 日本語ローカライズはされていないがWindows版も同年9月3日にSteamで配信されている。