ファイナルファンタジーX

【ふぁいなるふぁんたじーてん】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売・開発元 スクウェア
発売日 2001年7月19日
定価 9,240円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:12歳以上対象
※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載
廉価版 MEGA HITS!:2003年1月16日/5,040円
アルティメットヒッツ:2005年9月8日/2,940円
(X-2とのセット「アルティメットボックス」も同時発売/5,880円)
判定 良作
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク

概要

ファイナルファンタジーシリーズの10作目であり、PS2のFFシリーズ最初の作品。略称『FFX』『FF10』。
原点回帰をテーマとした前作とは正反対に、既存のFFの世界観やシステムが一新された。


主な特徴

全般

一新された世界観と文明観描写

  • 従来の中世ヨーロッパ風のファンタジー世界観や『VII』『VIII』のような近未来的な世界観ではなく、東南アジア文化をモチーフとしたファンタジー世界となっている。
    • 建造物、乗り物や住人の衣装、生活様式など、人々の風俗や文化の表現に徹底してこだわっており、寺院関係では梵字やサンスクリットに似たような文字を使ったりとオリエンタルな世界観を表現している。
    • 衣装に至っては種族ごとにはっきりと分かれている。機械を扱う「アルベド族」はツナギやゴーグルといったスチームパンク調の服装が多く、「ロンゾ族」は戦闘種族らしく露出が多め。森に住み不思議な能力を持つ「グアド族」は厚めの服装と意匠が分かれている。
      召喚士の衣装が特徴的で基本的に和装に近いものが多い。特にユウナの衣装が凝っており振袖、袴、袋帯、ブーツと日本の風習や古来の衣装をモチーフとしている。
  • 本作の舞台は「機械」の使用が禁じられ文明的にはやや後退した世界が舞台であり、現代文明における機械の比重が少ないという特徴を持つ。
    • FF VIFF VIIなどに見られた蒸気機関やエネルギー発電といったものはなく、動物による動力で乗り物を動かしていたり、幻光虫と水を媒体とした不思議な物体「スフィア」をテレビやビデオカメラのように扱っているという場面が多く見られる。
  • 本作の世界には様々な種族が存在し、世界全体に影響力を持つ宗教組織『エボン教』の庇護の元で生活しているが、種族毎に内情は様々で決して一枚岩ではなく、種族間の軋轢や差別といった、重いテーマも内包している。
    • 中には機械の扱いを得意とする種族「アルベド族」もいるが「機械を使うのは教義上、ご法度」という理由で差別を受け迫害されている。しかし悪意を持って機械を使っている訳ではなく、『シン』の脅威に晒されているスピラを想う彼らなりの信念がうかがい知れる場面も垣間見ることができる。
      こうした種族間衝突もファンタジー的な世界観の中にリアリティを醸し出す要素となっている。ちなみに彼らの住居や乗り物も割と機械的なものが多い。
    • 彼らは独自言語「アルベド語」を使っているため、基本的に会話が成立しない(一定の法則に従って創作された人工語であり、吹き替えもそれに基づいて行われているため、プレイヤー側も聞いただけでは理解できない)。種族間の意思疎通の困難さを表現する要素であり、劇中アルベド語辞書を集めることで言語が次第に判っていくようになる。一種のやりこみ要素でもあり、全冊を揃えたセーブデータからコンバートして一からプレイすることも可能。

キャラクターボイスの採用

  • シリーズとしては初であり、イベントシーンは当時珍しかったフルボイスで進行。戦闘時でもボイスがある。
  • 当時素人だった声優もいるが、『XII』のヴァンやDS版『IV』のセシルほど酷い人はいない。
    • 主人公・ティーダ役には青年俳優であった森田成一氏を起用。森田氏の声優デビュー作品であり、現在では人気声優として活躍する同氏が、声優として活動するきっかけとなった作品と言っていいだろう。
    • 森田氏は『VIII』でゼルのモーションを担当した人でもある。本作でも声だけでなくティーダのモーションも担当。
  • 本作では、各キャラの名前は主人公ティーダや召喚獣を除いて固定されている。任意の名前を設定できるそれらのキャラに関しては、名前で呼ばれることが無い。

映像技術

  • 「フェイシャルモーション」という技術により、ポリゴンキャラクターにもムービーと遜色ないほどの精密な表情をつけられるようになった。これにより、イベントシーンの表現力と臨場感が大幅にアップした。
    • ただし、後述のイベント用グラフィックが用意されていないキャラクターの表情の変化はそれほどではない。しかし、そこはカメラワークなどで上手く誤魔化せているためあまり違和感は無い。
  • フィールドもフル3D化され、「アクティブフィールド」というシステムにより街中とモンスターのいるエリアとの一体化が可能になったり、キャラクターのいる位置によって元々のカメラワークに加えて常時自動的にカメラワークが調整される技術が実現可能になった。
    • システム自体も非常に洗練されており、障害物でキャラが見えなくなるなどカメラワークの悪い箇所は全く存在しない。

音楽

  • 植松伸夫氏単独作曲ではなく、仲野順也氏、浜渦正志氏との共作になった。

シームレスイベントバトル

  • ハードスペックの向上により、イベントシーンから暗転やロード無しでそのまま戦闘に入れるという、ボス戦でのシームレスな移行が実現された。
  • 一部のボスでは戦闘中に「話す」コマンドで話すことが出来るが、その会話でも暗転や場面の切り替わりといったものは一切起こらない。
    • 現代でもこのようなシステムを導入したRPGはそれほど多くない。

ゲームシステム

  • ワールドマップが廃止され、隣接するエリア間を移動する形になっている。

戦闘システム「CTB(カウント・タイム・バトル)」

  • ATB(アクティブ・タイム・バトル)をリアルタイム性を無くしてターン制にしたようなシステムで、感覚的には『FFT』の戦闘が近い。
  • 各コマンドによって、次に行動順がまわってくるまでの時間が異なる。全体的に、強力な行動ほど次の順番が遅くなる傾向にある。
  • 敵味方の行動順が一覧表示されており、後々の行動順を踏まえて戦い方を組み立てやすくなっている。
  • 後に、類似の戦闘システムを持ったRPGが多く登場するようになり*1、PS2のRPGにおけるコマンド式戦闘システムの主流とも言える形になった。
    • ただし、似たような戦闘システムは本作以前にもそれなりに存在していたため、一概に本作の影響であると言い切る事もできない。
  • 同時に戦えるメンバー数は最大3名だが、控えのメンバーとは戦闘中にいつでも交代できる。
    • ただし現在戦っている3名全員が戦闘不能になるとゲームオーバー。
    • キャラごとに得意な敵が存在し、例えば物理攻撃が効きにくい敵は黒魔法使いのルールーに任せるなど、敵や状況に合わせてキャラを交代しながら戦うことが基本となっている。
  • 『VII』のリミット技に相当する大技「オーバードライブ」が使用可能。
  • オーバーキル
    • モンスターに大ダメージを与えて倒すと、獲得できるAP(後述)やアイテムが増加するというシステム。
    • オーバーキルを狙うためには、オーバードライブ技を使ったり、属性攻撃で弱点を突いたり、後述の召喚獣を利用する必要があったりと、戦略性を高めている。

召喚獣 シリーズ伝統の召喚獣の位置づけが「強力な魔法」ではなく「パーティメンバーの代わりに戦う」というものになっている。
これにより、従来のシリーズと比べて召喚獣の使い勝手が大幅に変化している。

  • 召喚獣は一度に1体まで召喚でき(例外アリ)、召喚獣が戦っている間はパーティメンバーは戦わない。システム的には『ロマンシング サ・ガ』の召喚と似ている。
  • 召喚獣のオーバードライブ技はどれも強力で、とどめのオーバーキル狙いに適している。
  • 召喚獣が倒されてもパーティキャラが復帰するだけでゲームオーバーにはならないので、強力な攻撃への盾として活用する事も出来る。
  • ゲームの途中から、メニューの「そだてる」コマンドでアイテムを消費して任意の召喚獣を集中的に育成することも可能となるので、その気になればどの召喚獣も最後まで使いようはある。
  • 召喚獣の召喚時の演出やオーバードライブ技の演出は短縮することも可能。
    • 『IX』と違って、ショート設定にしている時は確実にショート版の演出になる。
    • ただし初回の演出のみ必ずロング版になる。
  • システム面の他、『VI』同様に召喚獣の存在そのものがストーリーそのものにも深く関わってくる。

成長システム「スフィア盤」

  • レベルの概念がない独自の育成システムで、乱暴にいってしまえば、キャラごとにすごろくを進め、そこのマスを指定のアイテムを消費して「発動させる」ことによりマスのアビリティやステータスが獲得できるというもの。戦闘によってAP(本作の経験値にあたるもの)を獲得していき、APを消費してコマを進めていく。すごろくのサイコロのようなランダム要素はない。また一方通行ではなく、一度通った道を戻ることも出来る。一度通過した地点はAP消費が1/4ですむ。
  • キャラを成長させるタイミングや、どの能力を成長させるか・成長させないかといったことがプレイヤーの任意に委ねられており、これまでのFFで見られた低レベル進行などの制限プレイ(縛りプレイ)に配慮したような作りになっているかもしれない。
  • CTB同様、後のRPGでも似たような成長システムが時折見られる。
  • スフィア盤は全キャラで共通の盤面を用いる。キャラごとに初期位置が異なり、キャラ別に決められたルート上を進めていくような作りになっている。
    各キャラのルートは、途中で小さな分岐(寄り道)はあるもののほぼ一本道であり、普通にゲームをクリアするまでならスフィア盤の進め方で迷うことはまずない。
    パーティメンバーの1人であるキマリだけはルート選択の自由度が高くなっている。
  • ある程度ゲームを進めると、「LV(1~4)キースフィア」というアイテムが手に入るようになり、スフィア盤の通行止めを解除できる。スフィア盤上の他のキャラのルートや未知の領域に進入できるようになり、育て方の自由度が非常に高くなる。
  • キャラ別に、スフィア盤上の一度通過したことのあるルートや、発動済みのスフィア(マス目)は明るく光るようになっている。
    これにより、キャラクターの強さを「数値」やグラフではなく、スフィア盤上の明るさや色の規模といった「絵」である程度把握できるようになっている。
  • このシステムにより、開発側が「このイベント到達時点で想定される成長具合」を明確化してモンスターのパラメータなどを設定したこともあって、本作の戦闘バランスはシリーズでも比較的安定しているほうである。
  • 最終的には、スフィア盤の「何も無いマス」を新たにステータス上昇マスに変更したり、既存のマスの内容を消して、より強力なマスに書き変えたりすることができたりと、盤そのものをカスタマイズすることが可能になる。これにより、キャラクターをとてつもなく高いステータスまで成長させることができる。

アビリティ及び武器防具のシステム

  • 『VII』のマテリアの亜種と言えるシステム。
  • 武器や防具には様々な効果を持った「オートアビリティ」が付加されるようになった。
    • 本作の武器防具は「アビリティをセットするための入れ物」のような扱いである。従来と違って、武器防具には攻撃力・防御力などのパラメータは一切設定されていない。
    • アビリティの種類には属性の耐性といった基本的なものからエンカウント自体を無くすという超便利な物、更にはHPやMPの上限を底上げするものまである。
  • 改造
    • ゲーム中盤辺りから行えるようになるシステムで、一定数のアイテムを消費する事によって、武器や防具に任意のアビリティを追加できる。
    • 『VII』のマテリアなどと違って、一度付けたアビリティは外せない。
    • 素材さえあれば自分の好きなようにカスタマイズする事が出来るため、戦略性の向上に一役買っている。
    • 更に終盤では、完全に改造専用に特化した武器がとある店で売られるため、自由度の高さが一層高まることになる。

ミニゲーム

  • FFシリーズ恒例の本編とはあまり関係が無いミニゲームも健在。
    • 中でも「ブリッツボール」は想像以上に奥深い本格的なゲーム性や高い戦略性などから一躍有名になった。他にもチョコボ操作の訓練などといったミニゲームから『タイミングを図って落雷を避ける』という忍耐力のいるゲームなど様々。

ゲームバランス

  • シリーズの中でも難易度は安定している方である。
    • 各キャラをちゃんと成長させていき、道中で覚えたアビリティや入手したアイテムなども使っていけば、余裕を持って戦えるようになっている。
  • 召喚獣のオーバードライブゲージを貯めておき、ボス戦になったら次々と召喚獣を入れ替え、オーバードライブ技を次々に繰り出す、通称「召喚ボンバー」戦法が非常に強力で、大抵のボスはこれで簡単に倒せる。
    • ただし中盤以降は、初見ではつまづきやすい敵もいくつか存在し、敵ごとの特徴に合わせて頭を使って戦う必要はある。適当に攻撃と回復を繰り返すだけで勝てるほど甘くはない。
  • 上述の召喚ボンバーに関してもボスが何らかの対策を持っているため使えない、といった念の入れよう。
    • 特にラスボスは、寄り道や過剰な育成などをしなければかなりの強敵である。召喚ボンバーだけで楽勝というわけにもいかない。
    • クトゥルフ神話を想起させられるあるボスの初見殺しぶり(とグロさ)は、FFの中でも『VIII』のラスボス最終形態と一二を争い、トラウマになった者も多い。
  • また、本編以外の寄り道・やり込み要素には、簡単にゲームバランスを一変させてしまう高性能なアイテムなどが入手できるものが多い。
    • もっとも、迂闊に挑戦すると本編がつまらなくなる可能性もあるので、そこは自己責任で。
      基本的には一度本編をクリアしてから挑戦することが推奨されている。

評価点

ストーリー・キャラクター

  • 強すぎたCMのインパクトゆえに恋愛要素ばかりが注目されがちだが、シナリオの評価は高い。
    • 序盤こそギャグ感が強く、主人公の性格も一見すると痛いととられやすいが、実際はかなりシリアスで重い内容になっている。
      後半になるにつれ、宗教紛争などの厳しい現実と甘い幻想の選択という重いテーマを持ち合わせた重厚なストーリーへと変わっていく様は実に見事。投げっぱなしになっている伏線もほぼなく、ただ重いだけでは終わらせない奥の深く感動的な構成になっている。
    • それが頂点に達するエンディングのシーンは素晴らしいの一言。もちろん、エンディング以外にも見せ場は多い。
  • キャラクターボイスにより、イベントシーンや戦闘の臨場感が高まっている。
    • そのシリアスなストーリー性故に名言も多く「私『シン』を倒します。必ず倒します。*2は有名。他にも「これはお前の物語だ。」や「泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほら泣くぞ」などといった名言も。
    • 特にティーダ役の森田成一氏は、デビュー作故に演技がやや粗いものの、そこがティーダの青さの残るキャラにマッチしており好評。
      クライマックスシーンのジェクトとの束の間の再会は、氏の熱演もあり多くのプレイヤーの涙を誘った。
    • 戦闘時のボイスパターンも非常に種類が豊富で、聞ける戦闘開始時やメンバーチェンジ時、全滅時に至るまでとにかく喋りまくってくれる。
      • ストーリー進行の僅かな期間かつ特定の状況でのみ聞けるレアなセリフなどもあるので探してみるのも一興。例を挙げれば序盤で戦闘になった際にワッカが戦闘に参加しており、ティーダがメンバーチェンジで後から戦闘に入ると、ティーダがふて腐れながら現れ、それに対してワッカが謝るといったコミカルなシチュエーションも存在している。*3
  • キャラクターも人気が高く、特にヒロインのユウナはシリーズトップクラスの人気を誇る。
    • シリーズではFF4とならび、おっさんキャラの活躍が目立つこともあり、一部のファンからは「FFXはおっさんゲー」と言われることも。勿論、いい意味で。
      • 特にアーロンはアルティマニアの人気投票で一位であり、ジェクトも五位を獲得している。

グラフィック

  • グラフィックはPS2初期の作品とは思えない程にレベルが高い。
    • スタッフが「PS2のスペックを限界まで使い切った」と豪語するだけあって、表現力は後続のFF12と比べても全く劣らない。
    • 特にムービー部分の『IX』からの進化は凄まじく、今見ても見劣りしない。特に「水の質感」は必見である。
      • 中でも「異界送り」という儀式のムービーは、本作の異国情緒あふれる世界観がこれでもかと美しく表現されており当時のプレイヤーを驚かせた。
    • システム的にはレーダーマップの存在が有り難い。
      • 目的地やセーブポイント、建物の入口を視覚的に分かり易く表示しており、迷子になりがちなプレイヤーをフォローしてくれている。

世界観

  • シリーズとしても珍しい東南アジア風の文化観、宗教観なども魅力のひとつ。
    • 日本や中国を含めたアジアをモチーフにしたタイトルは数あれど「東南アジア」文化が取り入れられているRPGは数少なく「ブレスオブファイアIV うつろわざるもの」や「クロノ・クロス」くらいしか挙がらない、何より珍しい例である。
      • 上述のように、シナリオの根底をなす独自の宗教観や、各種族やその文化の違いなどもきっちりと作りこむことで現実味溢れる世界描写に繋がっており、重いテーマも相まって考えさせられる内容になっている。

音楽

  • 「シーモアバトル」、「ザナルカンドにて」、「襲撃」、「いつか終わる夢」など名曲が多い。
    • 特に「ザナルカンドにて」はムービーとの親和性があまりにも高く、ファンからは「オープニングだけで泣ける」と言われるほどの名曲。
      • 余談だが、この曲は元々はフルート奏者のため独奏曲として作られたもので「曲調が悲しすぎる」という理由でボツになったのだが、尺がピッタリなので試しにムービーにはめてみたところ、あまりにもマッチしていたためスタッフが驚いた、という逸話がある。
  • シームレスバトルの採用により、物語と戦闘の一体感を出す事に成功しており、ユーザーを物語へと一気に引きこむスパイスとして大いに機能している。

戦闘

  • 戦闘のテンポは、PS時代の『VII』~『IX』に比べて劇的にスムーズになった。
    • PS時代のFFの宿命とでも言うべき問題点であった「魔法などのエフェクトが長すぎる」と言った問題点が解消されている。
    • エフェクトを簡潔にしすぎて地味になっているわけではなく、しっかり派手さも健在。魔法のSE等も聞き応えのあるものが多い。
    • 雑魚相手だと、その敵に最適な攻撃手段を選択すればほぼ一撃で倒せるバランスになっていることが多く、テンポの良さに大きく貢献している。
    • 召喚獣のオーバードライブ技などの演出の長さをコンフィグで変更できるようになった。「強力な召喚獣を使いたいが演出の長さが嫌」というプレイヤーには嬉しい変更点である。
  • 全体的にロード時間が短く、快適にプレイできる。「Playstation BB Unit」を用いれば、ロード時間を更に短縮できる。
  • 戦闘バランスも優れており、ザコ戦はサクサク進めるが、ボス戦は適度に歯ごたえのある難易度である。特にボス敵は個性的なものが多く、今作の戦闘システムや武器・防具の改造システムも合わさって戦略性の高いバトルを楽しむことができる。
  • これまでの作品ではバトル中はメンバー変更ができなかったが、本作では序盤以降、メンバーをそろえるとバトル中でもメンバーの入れ替えが自由にできる場面が増えたため、これにより「仲間みんなで敵と戦う」ことがより実感できる。フルメンバーをそろえると、「豊富な戦力を自由に使える」ので、プレーヤーの戦闘スタイルの幅が広がった。

ミニゲーム「ブリッツボール」

  • 前述の通り、高い戦略性と奥の深いゲーム制により、嵌る人はとことん嵌る。
    なお、このゲームのリーグ戦に入賞することでワッカの七曜の武器、及び強化アイテム「水星の聖印」が入手できるので、戦力的にも重要。
  • 選手は試合に出場することで成長し、新たなアビリティを得ることもある。また、世界各地を周り選手をスカウトすることもできる。
    なお、スカウトできる選手の中にはライバルチームの選手以外にも、ビッグス・ウェッジといったシリーズ名物キャラや旅行公司のオーナーのリン、リュックの『アニキ』(本名不明)といった本編に関わるキャラもいる。

賛否両論点

  • ATBからCTBに変更されたことへの賛否がある。
    • 戦略性などはしっかり残されているものの、『IV』以降受け継がれてきた戦闘でのリアルタイム性がなくなったことには今でもなお批判の声がある。
      • 後の『X-2』や『XII』や『XIII』でリアルタイム性のあるシステムが導入されたことは、今作での批判が少なくなかったことを思わせる。
    • ただしその一方で、リアルタイム性特有の煩わしさがなくなったことや、SFCからPSまで引き継がれてきたATBシステムをあえて変更したということを評価する声も少なくはない。
  • 原点回帰の前作とは打って変わった革新的な内容。
    • それまでお馴染みだった要素が廃止されたことや、キャラクターボイスの導入などに対する否定的な意見を持つ古参ファンもやはりみられた。

問題点

イベント関連

  • 主人公が名前で呼ばれない。「名前を変更できなくてもいいからティーダと呼んで欲しかった」という意見も聞かれる。
    • ボイスの付いていないモブNPCとの会話ではしっかりと「ティーダ」(もしくは自分で付けた名前)と呼んでくれる場面も存在する。
    • 一応、ゲーム中での呼び方は場面ごとに「キミ」「少年」「新入り」など工夫されているが、主人公の境遇が境遇だけに否応なしに疎外感を感じさせられる。
      • 作中では通常の会話シーンであればそこまで気にはならないが、会話内で他のメンバーが主人公のことを話題にしている際には、誰のことについて話してるのかがわかり難くなる時がある(「あいつどうするんだろうな?」等)
    • そればかりか、重要なムービーシーン・会話シーンですら徹底して名を呼ばれない。これではさすがに感情移入に水を差された気分になりかねないだろう。
    • ちなみに続編である『X-2』ですら一度として名前で呼ばれることがなく、ティーダは「キミ」「お前」等でしか呼ばれない。音声で呼ばれたのは『キングダム ハーツ』が初で、FFシリーズでは『ディシディア ファイナルファンタジー』まで待つことになる。

ムービー

  • ムービー、イベントシーンをスキップできない。
    • 音声を部分的にスキップできるシーンもあるが効果は微々たるもの。イベントシーンはあちこちに存在するので、物語をもう一度楽しむという目的を持たずに再プレイする場合は特に気になる。
  • ムービーの完成度が高い故に、通常のゲーム画面のグラフィックの差が大きい。
    • ムービー以外で主要キャラクターには解像度の異なる2種類のグラフィックが用意されている。
      イベント用の高解像度グラフィックは上述の「フェイシャルモーション」により表情豊かだが、イベント・戦闘兼用の低解像度グラフィックはほぼ無表情でイベントシーンでアップになると悪い意味で目立つ。
+ 左:低解像度グラフィック、右:高解像度グラフィック

ラスボス戦の問題

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  • 本作のラストバトルは「究極召喚獣 → 各召喚獣との連戦 → ラスボス」という3つのパートに分かれているのだが、最初の究極召喚獣以外は負ける要素の無いイベントバトルであり、究極召喚獣が実質的なラスボスとなっている。
    • 究極召喚獣を倒した後のバトルでは常時リレイズ(自動復活)状態になるので、まず負ける要素が無い。
    • 全体的に戦闘のテンポが悪く、時間が掛かってしまう。負ける要素も無いのであまり頭を使う必要がなく、適当にダラダラ戦うだけの戦闘になりやすく興ざめしやすい。
      • 召喚獣をどれだけ育てたかによるが、敵の攻撃力が高めな上に、こちらの攻撃を結構な確率で回避してくる。更にお供の2体の敵が定期的に召喚獣やラスボスのHPを回復させたりする。しかもこいつらは何度倒してもすぐに復活してしまうので本当に鬱陶しい。
      • 召喚獣を一体ずつ召喚しては撃破、ということを繰り返さなければならず、作業的。
      • どうやら、当初の計画ではこの召喚獣との連戦の進行に合わせてスタッフロールを流す予定だったらしい。この計画が無くなって、それはそれで良いエンディングができたが、この戦闘自体が、感動的な流れに待ったをかけてしまった事はやはり残念。
      • ラスボスの攻撃に至っては割合ダメージ攻撃である「グラビジャ」程度しか使用せず、こちらを殺す気が感じられない。
        ただし、これは重力を扱うというラスボスの設定、『シン』とラスボスの関係や貧弱なラスボスに今まで苦しめられていたことなどが表現されており、一概に問題点とは言えない。

その他

フィールドマップの削除とマップの一本道化

  • ゲーム後半で飛空艇が登場し、一度行った町同士を自由に行き来することはできるが、それまでは決まったルートを進んでいくだけとなる。
    • これまでもシナリオに沿わないと進めないことは少なくなかったものの、本作ではマップまで一本道化されている。それに伴いフィールドマップも削除されており、最近ではこのことについての批判が多い。
    • 一応「ミヘン街道」の新道・旧道の分岐や、「レミアム寺院」のような隠されたマップや隠し宝箱などもあることにはあるが、無いよりマシと言ったレベル。
  • ただ、「特定の目的地を目指す」ことが物語の大半を占めるストーリーとなっている関係上、ルート制約は他作品と比べても必然的なものではある。

戦闘

  • 戦闘で1ターンも行動していないキャラはAPを獲得できないという仕様のため、各キャラをまんべんなく育てたければ、戦闘中にいちいち各キャラに交代して、「防御」などの適当な行動を1回ずつ取らせなければならない。
    • キマリはともかく、それ以外のキャラは全員をしっかり育てていかないと、後々きつくなる。
    • 本作のパーティメンバー数は最大7人であり、毎回の戦闘で一人1回ずつ行動させるのは面倒臭い。
    • その戦闘で勝つことだけを考えるなら、大体3~5人程度のキャラで十分戦える。そもそも交代する必要がないこともある。
    • 明確な役割を持たないキマリや、攻撃手段に乏しいユウナがこの状況に当てはまりやすい。しかしユウナの場合、召喚獣バトルなど重要なイベントが多く、召喚獣の能力はユウナの能力に一部影響するので、面倒でも序盤から育てておかないと苦労する。
  • 戦闘開始時のバトルメンバーを固定できない。
    • 戦闘中に交代してメンバーの配置が入れ替わると、戦闘終了後もその配置のままになる。
    • 加えて、上で述べているように、本作においてAP稼ぎのため交代は頻繁に行われる。
    • 本作では素早いキャラや先制攻撃しやすくなるオートアビリティを持ったキャラを、戦闘開始時の初期メンバーにした方が都合良く戦えるのだが、戦闘が終わる度にメンバーの配置をそのように組み直すのは手間が掛かる。
  • 単調な通常戦闘。
    • 戦略性の高いボス戦は高評価を得ている反面、通常戦闘の評価はあまり高くない。
    • 通常戦闘では「この敵にはこのキャラで攻撃する」といったパターンに当てはめていくだけの場面が多いので、一応頭を使って戦いはするものの、戦闘の自由度は高いとは言えない。
    • 仲間を入れ替えて攻撃するだけの作業となりやすく飽きやすい。後述のモンスターのバリエーションの少なさも拍車をかけている。
    • 後半はしぶとい敵が多くなるので、自分なりに工夫して戦う必要も増えてくる。
  • 召喚獣を活用しにくい。
    • ほぼ全ての戦闘はパーティメンバーだけでどうとでもなる。召喚獣は単独でしか戦えず全体攻撃手段も限られている上、召喚の演出がショート設定でもやや時間が掛かるので、戦闘のテンポを悪化させてしまう。
    • 前述の通り、各キャラを成長させるためには1回ずつ行動させる必要があり、このAP獲得の仕様と、召喚獣に戦わせるシステムがかみ合っていない。
      • 開幕から召喚獣で戦うと各キャラが成長できず、かといって各キャラが一通り行動し終えた頃にはほぼ勝敗がついていることも多いので、もはや召喚獣を使う必要がなかったりする。
    • 決して召喚獣が弱いから使えないということはなく、召喚獣自体は上手く使えばボス戦などで役立つのだが、場合によってはボス戦が簡単になりすぎてしまうので、逆に召喚獣の活用がためらわれる面もある。
  • 戦闘における一部の敵味方の行動(モーション)が緩慢で時間が掛かり、戦闘のテンポを悪くしている。
    • 特にルールーの通常攻撃モーションの遅さはよく指摘される。彼女は魔法が主体なのでやりこまない限り、通常攻撃をする局面は多くないのだが。
  • 武器・防具といった装備品の整理機能がない。
    • キャラクター別に分かれていないこともあり、非常に散らかりやすい。装備・売買時は探すだけで一苦労する。
    • インターナショナル版で改善された。

スフィア盤による成長システム

  • 人によってはやや複雑で手間に感じられる面もあり、従来のようなレベルアップによる自動成長の方が快適で良いという意見もある。
  • 独特すぎる成長システムに戸惑う初心者も少なくない。基本的に一本道に進めていくだけとはいえ、よく観察しなければ一本道であることにも気付きにくい。
  • 育て方の自由度が高いキマリを初心者が上手く育てるには無理があり、中盤以降でキマリが中途半端な性能になってロクに使わなくなるというプレイヤーが続出した。
    • キマリはスフィア盤のスタート地点の都合上、初見では育成が難しい。システムを理解して育成すれば十分強力なキャラになるのだが。
  • 本編以外のモンスター訓練場をやり込むようになると、スフィア盤の成長システムに問題が出てくる(後述)。

キマリの不遇性能

  • 序盤こそ万能なアタッカーとして使いようはあるが、中盤以降はプレイヤーの育て方に委ねられている部分が大きく、前述のように初心者は中途半端な性能になりやすい。他のアタッカーのような適性の敵も特に決まっておらず、育て方次第で変わってくる。
  • オーバードライブ技「敵の技」の性能があまり高くないことがよく指摘される。下位互換の死に技がいくつかあり、オーバードライブ技を使うまでもなく他のアビリティで代用できるものもある。
  • 従来の「敵の技(青魔法)」はMPを消費するだけでいつでも使用できたのに対し、今作の敵の技はオーバードライブゲージを消費する必要があり、使用できる機会が少ない。今作の敵の技はいつでも使えると強すぎるかもしれないが、オーバードライブ技としてはやや物足りないという微妙な性能で、もう少し性能を強化するか多用しやすくした方が良かったのではないかと言われている。
  • 上述の、キマリが戦闘で明確な役割を持たないことと、行動していないキャラにはAPが入らない仕様により、気が付いたら他のキャラと圧倒的なステータス差ができていることも珍しくない。ゲームシステムとの相性がとことん悪かった悲劇のキャラといえる。
  • とはいえ、上手く育てていけば十分最後まで活躍できる。人によって扱い方が変わってくる面白味のあるキャラではある。
  • 一応各種やりこみ等ではキマリはむしろ重宝することが多いのだが。

本編以外のやり込み要素やゲームバランス

  • 本編以外の寄り道・やり込み要素には、簡単にゲームバランスを一変させてしまう高性能なアイテムなどが入手できるものが多い。
    • 後述のモンスター訓練場もゲームの中盤~後半あたりから利用できるようになるため、少し寄り道しただけでストーリー上のボス(ラスボス含む)達がまるで相手にならなくなってしまう可能性が高い。
  • モンスター訓練場をやり込むためには、世界各地のモンスターを捕獲していく必要があるのだが、このモンスター捕獲が作業的で面白味に欠ける。
    • 最終的には全102種のモンスターを10体ずつ捕獲する必要がある。出現しにくいモンスターを捕まえるためには、ひたすら同じ場所をグルグルと走り回って、目当ての敵が出るまで戦闘を繰り返さなければならない。
  • モンスター訓練場を利用し始めるとそれまでの優れたゲームバランスはどこへやら、ひたすら能力値を強化して、毎回同じキャラが同じ装備で同じ技を連発するだけの、ワンパターンで大味な戦闘バランスになってしまう。
  • ダメージ上限が99999までであり、通常攻撃時に対象の防御力を無視する「七曜の武器」という各キャラに用意されている最強武器さえあれば、どのキャラでも通常攻撃で簡単に99999ダメージが出せる。
    • このため、数多くのアビリティやオーバードライブ技が死に技になってしまう。本編で重要だった属性攻撃の概念も、実質的にあって無いようなもの。
  • スフィア盤は全キャラで1つの盤を共有している関係上、完走する(全部のマスの効果を発動させる)まで育て上げると全員が同じステータスになってしまうという難点がある。
    • ステータスでキャラごとの優劣が付かなくなるため、各キャラ固有のオーバードライブの性能の格差が目立つ。連続攻撃が強力なティーダやワッカ、強力なアイテムを生み出す「調合」が便利なリュックが強キャラとされ頻繁に使われる一方で、本編でダメージ要員として優秀だったアーロンやルールーは逆に攻撃面で物足りなくなってしまう。
  • 通常攻撃を素早く行う技「クイックトリック」が強すぎて、これを連発するだけでほぼ事足りてしまう。
  • 戦闘不能からの自動復活が可能になる魔法「リレイズ」や、戦闘不能になった味方を即座に復活させるオートアビリティ「オートフェニックス」により、攻撃力の高い敵との戦闘でも立て直しやすく、「死んでは復活してのゾンビプレイ」が可能となっており、適正ステータスならまず負けることが無い。
  • MPを999まで上げれば、前述のクイックトリックも連発し放題になる。
    • 更にMP消費量を1にするオートアビリティや、MP消費量を0にするアイテムまで存在する。また、MPを全回復するアイテムも容易に稼げる。
  • 召喚獣は攻撃役としての存在意義が皆無になり、ほぼ盾役専門となる。
    • パーティメンバーと召喚獣の能力上限は同じなので、キャラを限界まで鍛えると召喚獣の立場が無くなってしまう。召喚獣1体で戦うよりも、鍛えたパーティメンバー3人で戦った方が遥かに効率が良い。
  • 例外的に魔法しか効かない敵も1種存在し、その敵との戦闘では、一部の魔法や召喚獣にも活躍の機会はある。
    • ただし最終的には、魔力を鍛えたキャラで魔法を連発する作業になるので、やはり召喚獣は使われなくなる。
  • キャラを強くしていく手段も「同じ敵を延々狩り続けてアイテムを集めるだけ」なので、作業感が強い。
    • ただし単純作業の繰り返しでキャラをコツコツ強化していく行為には一定の中毒性はあり、本編とは全く異なる性質のゲームだと割り切れば楽しめないこともない。
  • 敵の強さもインフレしていくが、ただパラメータが高いだけで強いというよりもしぶといだけの敵が多く、前述の通り戦略性は低くワンパターンな戦闘なので、作業感が強い。
    • 訓練場最後の敵はHP1000万。しかし搦め手を使わないために対策は簡単であり、「HPが高いだけのデクの坊」と、FFシリーズ歴代の裏ボスでも最弱クラスとの酷評を受けている。最強の敵という位置づけではあるものの、実際はパーティ強化が足りないとあっさり詰む「ネスラグ」という敵の方がよっぽど強いといわれる有様。
  • このことから、「FFXはインフレの激しいバランスの崩壊したゲーム」という評価を受けてしまうことも多い。おまけ要素を利用しなければ、FFXは非常に戦闘バランスの優れたゲームなのだが。

ミニゲーム

  • 全部で7種類存在する最強武器「七曜の武器」及び、それらをパワーアップさせるアイテムの中に、ミニゲームをやり込まねば入手できないものがいくつかある。
    • ティーダ、キマリ、ルールーの武器に関するミニゲームは入手難度が異常に高いこともあり、別にミニゲームをやりたいわけではないプレイヤーからの批判が多く、FFXの不満点として真っ先に上がることも多い。
      • このうちキマリとルールーはやり込み要素に於いては戦力的に微妙なため、思い入れがなければ無視することも可能だが、アタッカーとして優秀なティーダはそうも行かない。
        しかも彼の武器に関するミニゲームはトップクラスに難易度が高い。
    • 七曜の武器は、入手の苦労に見合うだけの性能ではある。
  • ストーリー中で試練の間というパズルゲーム風のミニゲームを数回行わなければいけない。
    • 基本的にスフィアを穴に嵌める事によって何かが起こるのだが、実際に嵌めて見るまで何が起こるか予想できないものも多いためパズルゲームと言っても頭を使うよりも手当たり次第にスフィアを嵌めて見なければならない事も多い。またスフィアを嵌めた時の演出も短くは無いため、ただ面倒なだけになってしまっている感がある。
    • 面倒さで言うなら上記の七曜の武器のミニゲームと比べれば遥かにマシなのだがあちらは普通にクリアする分にはやらなくても全く支障は無い。しかし、こちらはストーリー中に強制的にやらされる事になるため試練の間をFFXの最大の不満点として挙げるユーザーも多い。

その他

  • 以前のPSシリーズ等に比べ色違い等の敵が多く、雑魚敵のバリエーションが少ない。
    • 「エレメント系・プリン系」などにはルールー、「鳥系・羽虫系」などにはワッカ等、役割分担を意識したシステムであるが故でもある。また終盤の敵は同種族でも、以前より巨大であるなど工夫は見られる。
    • ただしモンスター訓練場の強敵が、ほとんど既存のモンスターやボスの色違いであることには批判の声もある。おまけなので別にいいという声もあるが。
    • 訓練場最強のモンスターも例外なく既存のボスの色違い。当時の攻略本や雑誌ではモザイクなどで姿が隠されていることが多かったため、拍子抜けしたプレイヤーも多い。
      • ただし1体だけオリジナルのモンスターがいる。本編で使用するはずだったが様々な要因で訓練場オリジナルのモンスターになった経緯のためか、唯一パーティメンバーとの掛け合いボイスがあったり、戦闘では個性的な行動を取ったりなど凝ったボスである。このため、こっちが裏ボスだったらよかったのにともしばしば言われる。

総評

ストーリーの質はシリーズトップクラス。近未来とアジア文化を融合させたようなFFのイメージを覆すような世界観、主人公の精神的成長やプレイヤーに想像の余地を残していることなどが高く評価される一方で最初から最後まで倒すべき目的が一貫していること、嫌味のないキャラクター達など分かりやすさも兼ね備えている。

ゲーム部分としては練り込み不足の要素や作りが粗い部分も見られ、特に本編以外のやり込み要素に対する批判など、手放しで賞賛できない箇所があるのが惜しいが、カウントタイムバトルや優れたゲームバランスなどが評価されており、ストーリークリアまで普通に遊ぶ分には十分、良作と言える作品となっている。


余談

2011年にファミ通.comが読者を対象に行った「泣けるゲームソフト」アンケート調査ではダントツの票数を獲得し1位に選ばれている。


ファイナルファンタジーX インターナショナル

【ふぁいなるふぁんたじーてん いんたーなしょなる】

発売日 2002年1月31日
定価 8,140円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載
廉価版 アルティメットヒッツ:2007年1月25日/2,940円
判定 良作

追加・変更点(インターナショナル)

  • 音声が英語になった。それに合わせ、人名や召喚獣が英語表記になり、作中の用語や台詞が多少変更された。
    • エンディングのスピーチ等大きく変更された部分もある。
    • ゲーム中の文字や字幕の選択が可能。日本語・英語の2種類から選択できる。(字幕のみ英語にすることはできない)

付録DVD「永遠のナギ節」

  • 本編の後日談で、『X-2』に繋がるストーリーが展開されるムービー。

ゲームバランス調整。

  • オリジナル版では弱過ぎると酷評された隠しボス「オメガウェポン」が、大幅に強化された。
  • それ以外の一部のモンスターも能力値や行動パターンが修正され、全体的にオリジナル版より手ごわくなっている。
  • オーバーキルで倒すと逆にドロップアイテム数が減ってしまうモンスターなどは、ちゃんと通常の2倍の個数のアイテムを落とすように修正された。
  • オリジナル版で猛威を奮った技「クイックトリック」が弱体化。
    • 行動速度が半減(条件によっては実質3分の1ぐらい)、消費MPも増やされた。
    • それでも依然として裏要素における主戦力であることには変わらない。クイックトリック弱体化により訓練場(及び後述の追加ボス)の難易度が多少上がっている。
  • オリジナル版では必要無かったHP限界突破であるが、追加されたボスはHP限界突破がないと話にならないと言えるため極めて重要になった。

新アビリティ、新スフィア盤追加。

  • スフィア盤はゲーム開始時に、オリジナル版と新バージョンのどちらを使用するかを選ぶ。
  • 新バージョンのスフィア盤では、ルート選択の自由度が大幅に広がり、最初から色々な進め方ができるようになっている。
    • これによってオリジナル版とは多少異なるゲームバランスになるので、オリジナル経験者も楽しむことが出来る。
    • ただし、スフィア盤の盤面の都合で極限まで育て上げるならオリジナル一択となってしまう。

一部の仕様が快適化された。

  • 武器の並び順を変更できるようになった、一部の場所にセーブポイントが追加設置された など。

新たな敵、ヘレティック(ダーク)召喚獣とデア・リヒターの追加

  • ダーク召喚獣はゲーム終盤になれば世界各地に出現するようになる。これにより、無印版にはなかったいくつかの弊害が発生している(詳しくは後述)。
    • いずれもゲーム本編には関係無い、やり込み要素的な位置付けで、ゲームクリアだけを目的とするならほぼ無害なもの。
    • デア・リヒターのHPは驚異の1200万*4である。強敵なので心してかかろう。

問題点(インターナショナル)

ダーク召喚獣の出現による弊害

  • いくつかの地域に立ち寄ったり道を通過しようとしただけでダーク召喚獣と遭遇し、場合によってはそのまま強制的に戦闘に突入する。
    ダーク召喚獣はラスボスを遥かに上回る強さ*5であり、キャラをかなり強化していないと即全滅させられてしまう。当然ながらラスボスと対等に渡り合える程度の能力では100%死亡が確実。
    • そのため、ラスボス戦前に各地を寄り道するようなプレイヤーにとっては脅威の存在であり、事前情報も無いため、やや不親切。
  • 「試練の回廊のアイテム」「特定のオーバードライブ技」「特定の隠し召喚獣」「特定の七曜の武器をパワーアップさせるアイテム」の入手時期が遅くなる可能性がある。
    • ダーク召喚獣の出現前にこれらを入手しておかないと、以降はダーク召喚獣を倒さなければ入手できなくなってしまう。
      ダンジョンの初回攻略時に入手しておかなければいけないものも多い。
  • またビサイド村入口で登場する「ヘレティック・ヴァルファーレ」には不満の声が多い。
    • 思い出深い旅立ちの地であるにも関わらず、足を踏み入れようとしたら登場→全滅となるなど。倒すまでビサイド村での会話などもできない。
    • ヘレティック・ヴァルファーレの影に隠れがちだが、マカラーニャ寺院で出現するヘレティック・シヴァやエボン=ドームで出現するヘレティック・バハムートも同様の問題を抱えている。
      • 特にマカラーニャ寺院の試練の間は難易度が高く、最初に訪れた時点で宝箱をスルーしていると泣きを見る。
  • モンスターの強さのインフレを加速させてしまっており、元々低かったラスボスの立場を更に無くしてしまっているとの意見も多い。
    • ダーク召喚獣を倒せるぐらいまでパーティーを強化すると、今度はパーティーが強くなり過ぎてラスボスが全く相手にならなくなるという問題が発生する。モンスター訓練場はあくまでオマケ要素であり、必要無ければ全く関わらずにゲームを進めることができたが、ダーク召喚獣はストーリーだけを楽しみたいプレイヤーにとっても迷惑な仕様になってしまっている。
  • ダーク召喚獣の設定に関する問題点も存在する。
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  • ダーク召喚獣は、ゲーム中盤から反逆者となったユウナ一行に対して差し向けられた刺客による召喚獣という設定なのだが、ゲーム後半に入り反逆者の汚名が晴れた後でも容赦なく襲いかかってくる。
    • 特に不自然な点として、マカラーニャ寺院でヘレティック・シヴァを倒した際のイベントがある。シヴァを倒した後も反逆者としてそのまま追手に追われることになるのだが、画面を切り替えた後に寺院へ引き返すと、刺客の姿は影も形もなくなり寺院はいきなりユウナ歓迎状態になっている。設定に関しては色々と解釈できなくもないのだが、どうにも無理やりねじ込んだ感の強いものになってしまっている。

違和感の大きい日本語字幕

  • 今作の日本語字幕は海外版の文章をわざわざ翻訳したものであるため、台詞が無印版とは大きく異なっているのだが、翻訳の癖がやけに強く、いくつかの名言や場面が台無しになっている。
    • 最も顕著なのがワッカで、北海道弁で話す方言丸出しのキャラになってしまっている。これは、海外版の声優のハワイ訛りに合わせたからとのことだが、無印版ではそのようなキャラではないため違和感を禁じえない。
    • 全体的にキャラの口調がおかしく、「御意」や「ナニユエに」、「新入りガード殿」などの妙な字幕が流れることが多い。シリアスなイベント中では雰囲気ぶち壊しである。

ファイナルファンタジーX HDリマスター

【ふぁいなるふぁんたじーてん えいちでぃーりますたー】

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
プレイステーション4
Windows Vista~(Steam)


発売元 スクウェア・エニックス
開発元 Virtuos
発売日 【PS3/PSV】2013年12月26日
【PS4】2015年5月14日
【Win】2016年5月13日
【Switch/Xbox One】2019年4月11日
定価(税抜) 【PS3/PSV(ツインパック)/PS4】
パッケージ:6,800円
ダウンロード:6,095円
【PSV(単品)】
パッケージ:3,800円
ダウンロード:3,429円
【Win】3,400円
【Switch/Xbox One】
パッケージ:6,800円
ダウンロード:6,080円
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
備考 公式サイト
判定 なし

概要(HD)

  • インターナショナル版をベースにしたHDリマスター移植版。
  • インターナショナル版の付録DVD「永遠のナギ節」も同時収録。
  • PS3/PS4/Win版は『X-2 HDリマスター』との同時収録。Vita版は単品だが、『X-2 HDリマスター』とのツインパックでも販売されている。
  • HD化を担当したのは上海のVirtuos社。
  • 初回特典として『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』で使用可能なユウナの衣装のダウンロードコード(PS4版はカスタムテーマ「ザナルカンドにて」のプロダクトコード)が付属していた。

特徴(HD)

  • ゲームシステムはインターナショナル版と同様。
  • 音声は日本語。用語や台詞についてはインターナショナル版にあった珍翻訳は無くオリジナル版に準拠している。
    • Steam版は英語ボイスも選べるのだが、英語等の字幕のときにしか適用されず、インターナショナル版のような英語音声/日本語字幕という組み合わせは不可。
  • グラフィックの向上。PS3とPS4版は1080p出力に対応。
  • 新エピソード(ボイスドラマ)の収録。
    • 『X-2』から1年後のストーリー。
  • 約2/3(約60曲)の楽曲をリマスター&アレンジ。
  • トロフィー機能、クロスセーブデータに対応。
  • PSVita版はタッチパネル操作に対応。
    • マップ移動時に、回復魔法や回復アイテムを使ってパーティを全回復させる機能が利用できる。
    • 戦闘時に、召喚獣の演出を通常版にするかショート版にするかを切り替えられる(従来はメニューでのみ設定変更可能)。
  • PS4版は更なるグラフィックの向上や楽曲の切り替えが可能。
    • モンスターやNPCのグラフィックがPS3/PSV版と比較して向上している。
    • 楽曲はコンフィグでオリジナル版かリマスター版の二つに切り替えが可能になっている。
  • Win版はPS4版に加えてオートセーブ、公式チート・ゲームブースター機能が追加。

賛否両論点(HD)

グラフィック

  • 高画質になってはいるのだが、キャラの顔に関してはPS2版に比べて「顔に違和感がある」「PS2版の顔の方が良い」という声が多い。
    • 例として、PS2版のティーダは小麦色の肌をしているのだが、HD版では肌の色が全体的に白くなり瞳も強めの青になる等コーカソイド寄りになっており、かなり別人の印象を受ける場合がある。
  • パーティメンバー以外のキャラはPS2版のものをアップコンバートしただけなので粗く、余計目につきやすいというのもある。
  • ムービーの画面アスペクト比はPS2版の上下を切った16:9に。そのためやや狭く感じられる。

イベント

  • 日本語音声でありながら、キャラのリップシンク(口パク)は当時のインターナショナル版の英語音声に合わせたままなので、キャラの台詞と口の動きが合っていない。
    • しかし英語ボイスの方でもリップシンクは音声に合っていない*6。音声に合わせての細かな調整をせず移植されてしまったものと思われる。
  • インターナショナル版で追加されたイベントシーン(ダーク召喚獣関連など)の音声は、日本語ボイスが新たに撮り下ろされたりしてはいないため、HD版では無声になっている。些細な点ではあるが、本編のイベントシーンでは基本的にフルボイスであった分違和感がある。

BGM

  • 高音質にはなったものの、楽曲のアレンジについては「PS2版のほうがいい」「原曲との切り替えができると良かった」といった意見が多く見られる。グラフィック同様に賛否が分かれる点である。これを受けてか、PS4版ではオリジナルとアレンジの切り替えができるようになった。

ゲームシステム

  • インターナショナル版そのままなので、ゲームバランス改良や快適性の向上(イベントスキップ機能追加など)といった改良点は無い。
    • 2013年の時代でありながら、未だにイベントスキップ機能もないことはよく批判される。
  • ちなみに同年3月14日に発売された『キングダム ハーツ -HD 1.5 リミックス-』では、全てのイベントが最初からスキップ可能になるなど、機能改善されていた。
  • Win版ではゲームブースター機能でゲームスピードを最大4倍速、エンカウントをなしに、チートでステータスを最大にしたりオートバトルが出来るようになったため、大幅に快適性が改善されている。

問題点(HD)

ボイスドラマ

  • 厳密にはHD版と同時期に発売されたX-2の後日談小説「FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~」の後日談であると思われる。同小説の内容と合わせ、意地悪なまでに徹底した前作否定と取れる内容。
    • 「永遠の代償」で描かれた事件が切っ掛けで、一部の人物の考え方や人間関係が悪い方向に変貌している。これについてボイスドラマ内での説明は一切ない。
    • 「永遠の代償」では1000年前の戦争における様々な真実が明るみになり、前作全否定とはいかないまでも、後味を悪くさせる真実が明らかになる。更にX-2のベストエンドの感動をぶち壊しにする展開もある。
      そしてボイスドラマでは、致命的なまでに前作を破壊する事件が起こり、新たな災厄と冒険の始まりを予感させるところで幕を閉じている。
    • その後、この続きやその予定などは未だ発表されていない。