バトランティス
【ばとらんてぃす】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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コナミ
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稼動開始日
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1987年
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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インベーダーの派生 トーチカを握り潰す敵 ランダム性による回避不可能な攻撃 BGMの評価は高い
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概要
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舞台は777X年。プレイヤーはバトランティス大陸の若き君主である主人公の「クリペウス3世」を操作し敵である妖魔軍団を殲滅させるインベーダータイプのゲーム。全16ステージ×2周エンド。
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2周目は1周目とは全く違うステージ構成となっており、プレイヤーを飽きさせない。
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プレイヤーは城壁の上で敵を迎え撃つという構図になっており、初期配置の敵を全滅させると中ボス(もしくは大ボス)が出現しそれを倒すとステージクリア。
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敵の攻撃を喰らうか、敵に体当たりされると1ミス。
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城壁にはトーチカが幾つかあるが、敵が最下段まで到達するとそのトーチカを握り潰してよじ登りプレイヤーに横歩きで体当たりしてくる。特定のアイテムを取得していないとこの時点でアウト。
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特定のステージでは画面の一番上をアイテムキャリアが通り過ぎていくので、それを撃ち落とすとアイテムが出現する。
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効果は7種類あり、「4連射可能ショット」「敵を貫通する貫通弾」「中距離の敵を攻撃する超強力な爆弾」「自機の移動スピードアップ」「自機が一定時間無敵」「左右にもショットが撃てる」「一定時間停止」のどれかが出現する。ステージによっては特定のアイテムしか出ない面もある。
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アイテムは一定時間で消えてしまう為、取得するタイミングが攻略のカギとなる。
問題点
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難易度が非常に高い。
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まっすぐこちらに向かってくる敵は出現座標がランダムなものも存在するため、出現する場所次第では詰んでしまう可能性もある。
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蛇行しながらやってくる敵や溶けて暫く無敵になる敵や横一列に5~7体出現してこちらを目指して走ってくる敵も存在し、事前にパターンを覚えないとほぼミス確定。敵を撃ち落とすのにトーチカが邪魔でこれらの敵を捌き切れず城壁をよじ登られてアウト、なんて事は日常茶飯事。
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しかも敵が城壁をよじ登る時、城壁を掴んでいるモーションの時にはこちらの攻撃が一切当たらない。加えて雑魚敵の出現パターンが画面両端から湧くという陰険なものが多く、両端から同時によじ登られるとその時点でミスが確定してしまう。
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中ボス、ボス敵は攻撃方向がランダムな敵が多く、嚙み合わせが悪いと回避が不可能な攻撃が発生してしまう事も。
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故に本作のボスは短期決戦を迎えるのが最も望ましい。
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本作は敵の攻撃の当たり判定が全体的に大きい。特に「FLY MAN」の撃ってくる火球は見た目以上に当たり判定が大きく、避けたつもりでも当たっているという事が頻発する。これも難易度の高さに起因している。
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自機が弱すぎる。
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左右の移動スピードは遅く、ショットも画面上に2発までしか出せない。
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この自機の遅さが原因で、一部ボスの攻撃はやま勘で回避しなければならないという事態が起こる。
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特に2周目の最終ボスはランダム高速弾+誘導弾のオンパレードであり、上級プレイヤーにも「どう頑張っても死ぬときは死ぬ」と言わしめる程である。
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パワーアップも時間が経つと効果が失われてしまう為、的確に迅速に敵を捌かなければならない。
評価点
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良好なBGM
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同期のコナミ製ゲーム群と比較してチープな部分が目立つものの、BGMは押し並べて良質。特に大ボス戦は4体全てで専用曲付きという力の入れよう。
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『A-JAX』『魂斗羅』『魔獣の王国』とのカップリングではあるものの、サントラも発売された。
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大迫力のボス戦
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大ボスは当時のコナミ社内で流行中のギーガー調。古代ローマ(っぽい世界観)を舞台にした世界観から浮きまくっているものの4種類存在し、芸術レベルの描き込みはもちろんの事、固有BGMの存在も相まって、いずれも迫力が凄い。
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なお、本作の最終ボス「アスモデウム」は翌年稼働開始した『スーパー魂斗羅 エイリアンの逆襲』の同じく最終ボスの「天皇鬼ギャバ」と瓜二つだが、実は本作には『魂斗羅』シリーズのスタッフが開発に関与していたりする。
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そもそも、1987年というスクロール型STG全盛期だった時代に固定画面型STGをアーケードでリリースしたスタッフのセンスも評価したい所。
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前年にブロック崩しをリメイクして大ヒットした『アルカノイド』の影響で、1987年は古典的な(1970年代からあるような)ジャンルを当時の現代風にリメイクするのが各メーカー間でブームになっていた。
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本作はその流れに乗ってインベーダー等を起源とする固定画面STGをリメイクしたのだと思われる。
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ぶっちゃけ結果的にインベーダーに似ているなどではなく、コナミが配布したフライヤーや広告にインベーダーの文字が散見されるのでインベーダーのリメイクで間違いない。他社のゲームのリメイクだと公言していたのだからおおらかな時代だったといえる。
総評
1987年のコナミと言えば『A-JAX』や『魂斗羅』といったタイトルがメジャーだったので、これらの影に隠れてしまった不遇の作品とも言えるだろう。出回りも決して良いとは言えなかった為、理不尽な難易度の高さと相まって早々にゲーセンからその姿を消す事になった。その反面、欧米では日本では到底考えられない位に大ヒットを記録し、当時カプコン社員だった西谷亮(現・アリカ社長)は現地で調査して来いと上からの命令でアメリカへ飛んだ事を供述している。
家庭用移植
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2010年3月にXbox360のレトロゲームオンデマンド配信サービス『Game Room』で配信された。
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ただ、同サービスの他の配信タイトル同様に移植度が低い部分も存在するので注意すべし。
最終更新:2022年06月03日 00:30