クロス探偵物語 ~もつれた7つのラビリンス~

クロス探偵物語1 ~前編~/~後編~

【くろすたんていものがたり もつれたななつのらびりんす】 【くろすたんていものがたりいち ぜんぺん/こうへん】

ジャンル アドベンチャー



対応機種 セガサターン
プレイステーション
メディア CD-ROM
(【SS】2枚組/【PS】3枚組)
発売・開発元 ワークジャム
発売日 【SS】1998年6月25日
【PS】1999年10月21日
定価 6,800円
プレイ人数 1人
廉価版 【PS】Major Wave 1500:前後編共に2000年9月28日/1,500円
判定 良作


概要

ワークジャム*1から発売されたコマンド式の本格推理アドベンチャーゲーム。なお、SS版のみ『もつれた7つのラビリンス』とサブタイトルがつく。
企画・脚本・監督を『ゼロヨンチャンプ』の神長豊氏が、キャラクターデザインを同じく『ゼロヨンチャンプ』の玉置一平氏がつとめた。主題歌「大都会交響楽」を務めたのはピチカート・ファイヴ。
謳い文句は「今世紀最高にして究極!推理アドベンチャーゲーム大革命、今ここに勃発!!」

冒頭までのストーリー

早くに母親を亡くした主人公「黒須剣」は、父と2人暮らしをしていたが、その父も小学生の時に交通事故で帰らぬ人となっていた。
それから数年後。高校を卒業した主人公は父の墓参りに訪れたところで1人の女性に出会い、「父親の死は交通事故のように見せかけた殺人であった」と示唆される。実は主人公も遺された保険金が2億と大金であったことから、父の死に密かに疑問を抱いていた。
主人公は父の死の謎を抱えつつも、正義を守る遺志を継いで探偵になるため、噂に名高い名探偵に弟子入りしようとある探偵事務所を訪れる…。

バージョンによる変更点

セガサターン版とプレイステーション版

作画監督の玉置氏が「スタッフの目指した完成系」と言っているように、PS版は数々の追加要素が加わり、完全版の名に相応しい完成度となっている。

  1. 主人公の音声はSS版では収録されておらずテキストのみであったが、PS版では新たに声優(CV草尾毅)の収録による音声がついた。
  2. 第1話の依頼人の声がプロの声優のものに再収録され、重要な視点の画像など多くのグラフィックが追加された。
  3. 第6話のステージ・部屋の仕掛けが大幅に変更・追加され、第1~5話の進め方で第6話の制限時間が変わる仕様が無くなった。また、タイマーの下に体力ゲージが表示され、分かりやすくなった。
  4. SS版に収録されていた「せがた三四郎」関連の部分を全削除。グラビア本は代わりに「サッチー」のページになった。
  5. 新規オープニングムービーの追加。リアルタイム処理の為完成度の低かったオープニングが、大幅にクオリティアップした。
  6. 特典ディスクの存在。サウンドノベル調の話をドラマCD化して付属した。

通常版と廉価版

PS版は、後に廉価版も発売された。
1本の作品を前後編へと分割したことで、いくつかの箇所に追加がある。

  1. 前編には第1話から第4話までを収録し、前編のエンディングと後編の紹介映像が追加された。
  2. 後編には第5話から第7話までを収録し、前編のダイジェストムービーと『クロス探偵物語2』の予告映像が追加された。
  3. 通常版に付属したドラマCDはない。

評価点

システムの軽快さ

CD媒体のゲームではロード時間の長さが不満の1つに挙げられることが多いが、本作には「ロードによる読み込み待ち」が一切ない。これは「マッハシーク」というワークジャム独自の技術を使用しているためで、必要なデータを先読みして読み込み時間を減らすことで待ち時間を感じさせないようにしている。
また、キャラクターに台詞を言わせている裏で次の台詞を読み込んだり、読み込みの前に印象的な一枚絵を入れて読み込みを演出上の「間」のように見せかけたりするなど、「マッハシーク」以外にもさまざまな場面でロード時間を感じさせない工夫が施されている。

キャラクター

主人公「黒須剣」は高校を卒業したばかりで若くて行動力があり、決めるところは決めるがちょっぴり3枚目なところもあったりするお茶目な性格と、プレイヤーが親近感を覚えやすい人物。脇を固めるキャラクターたちも「老練なベテランの探偵」「勝ち気な女性助手」「高名な推理作家の孫娘」…など、これでもかと言うほど分かりやすい面々で、すんなりとゲームの世界に入っていきやすい。

  • コマンド入力時のキャラクターのレスポンスが豊富で、場面によってさまざまに変わるリアクションは一つ一つ見ていて楽しい。たまに意外なコメントをすることがあり、服装も頻繁に変わるので、飽きることはない。
  • アニメーションのクオリティは非常に高く、それを支えているのがSS版で5000枚、PS版では10000枚という、グラフィックの差分の枚数。また、コンテから口パクの動きまで製作全般にキャラクターデザインの玉置氏が関わっていることもクオリティの高さの要因だろう。
  • 草尾毅(PS版のみ)、横山智佐、斎賀みつき、香川葉月、川澄綾子、稲葉実、井上和彦と声優陣も非常に豪華。

ストーリー

全7話のオムニバス形式。基本はオーソドックスなコマンド選択&ポインタ形式のアドベンチャーゲームで、シナリオによってサウンドノベル調になったり3Dダンジョン風になったりする。 「本格推理アドベンチャー」と名乗るだけあり、テンポや情報の提示タイミングを含め、概ね良質である。

+ 各話の概要について

第1話「名探偵登場」

  • 深夜2時頃、女性が1人暮らしをするマンションに帽子を被った男が侵入した。「その場は撃退できたが、このままでは眠ることもできないので調査してほしい」と言う依頼人に対し、冴木探偵事務所に弟子入りしたい主人公は半ば強引に依頼を引き受けてしまう。

第2話「疑惑」

  • マンションで1人暮らしをしていた男性が首吊り死体で発見された。警察は自殺と断定したが、「息子は自分に黙って自殺するような人間ではない。真犯人を見つけ出して欲しい」と嘆願する依頼人の言葉に何かを感じた主人公は、依頼を引き受ける。

第3話「ゆがんだ名門校」

  • 名門お嬢様学校に勤める教師が立て続けに癌で死亡した後、校内に脅迫状が貼り出されるという事件が発生した。脅迫状は「厳しすぎる校則の撤廃」を求める文章に続き、それが叶わぬ場合は更に犠牲者が増えることを示唆する内容であり、探偵事務所に学長より、脅迫状事件の犯人を見つけるよう依頼が来る。
    癌で死亡した教師が校則に厳格、且つ強引な処分を生徒に課していた事から、生徒たちの間では「以前校則違反の罰が原因で自殺した女生徒の呪い」という噂が広がっており、名門校の看板に傷が付くことを恐れた学長は、秘密裏の事件解決を求めたのだった。主人公は、過去に依頼人とひと悶着を起こしていた所長に代わり、犯人捜しを引き受けたが、脅迫状の示唆した通り犠牲者は増え、事件は予想だにしない展開を迎えていく。
    このエピソードで犯人が使用した凶器は、作品全体はおろか推理系ADV史上でも類を見ない悪質で危険な代物である。

第4話「依頼者」

  • ある雨の日の夕方、所長のいない探偵事務所に「恋人が宇宙人かどうか調べて欲しい」という男性がやって来た…。
    いぶかしむ助手を尻目に、主人公は探偵事務所に入り立てのころの出来事を静かに語り出す。サウンドノベル調のシナリオ。

第5話「紺碧の記憶」

  • 助手の姉が写真撮影をしている伊豆は「ゆきが浜」へとバカンスに向かった主人公たち。姉の泊まるホテルに遊びにいった主人公と助手は、撮影スタッフが自室で死亡しているのを見つける。電話線が切られ、車は全車パンクした中、どこに犯人が潜んでいるか分からない状況で、更にもう一人の死体が発見される…。
    犯人の空恐ろしい本性と、「ゆきが浜」の悲しくも背筋の凍る真実が印象的な一遍。

第6話「満月の夜に」

  • 「満月の日はツイてない…」。そのジンクスを固く信じ絶望感に苛まれる男の代わりに、ビルの最上階にある忘れものを取りに行くことにした主人公。彼は制限時間以内にセキュリティだらけのハイテクビルの中を最上階までたどり着き、男の願いを叶える事が出来るのか? 3Dダンジョン調のシナリオで、本作唯一のゲームオーバーがある。

第7話「タランチュラ」

  • 所長が毒物で倒れた。その犯人がかつて自分が追いかけていた「組織」によるものだと気づいた所長は、主人公にも刃向かってはならないと忠告をする。彼は、組織に妻と娘を殺されていたのだ。しかし、今度は主人公のもとに「ある屋敷へ来い」という招待状が届く。所長が狙われたことへの怒りと、謎の組織の正体を確かめるために主人公は招待先へと向かう…。
    最後の話にふさわしく最大のボリュームを誇り、4つのルートに分岐する。

システム

一般的な推理アドベンチャーのものを踏襲しながらも丁寧に作りこまれたユーザーフレンドリーなシステムになっている。

  • 基本は「話す」「調べる」などのコマンド選択と虫眼鏡型ポインタのクリックで調査を進めていく。推理をする場面はコマンド選択と文字入力(詳細は後述)の2つがある。
  • テキストのバックログ・メッセージスキップが未読・既読関係なくでき、推理をする場面でも見取り図や人物の簡易プロフィールをいつでも参照できる。また、音声はプロローグや犯人を指摘する場面などの要所のみで流れる。
  • 重要な場面での推理(犯人の名前や犯行の手口など)はプレイヤーが直接文字で入力する必要がある。つまり漠然と捜査をしていたり、セーブ&ロードを繰り返して選択肢をすべて試すという方法では解決できない(何回かミスをすればヒントはもらえる)。
    • これはコマンド式の推理アドベンチャーで「総当たり」という解法が一般的になってしまったことに一石を投じたものであり、プレイヤーの頭できちんと推理をしなければ先に進めないようになっている。
    • 文字入力の際は多少の答えの揺らぎは許容される(例えば「でんち」「かんでんち」「あるかりでんち」はいずれも正解となる)ので、推理と関係ない部分でもたつくことは少ない。
    • 文字を入力しなければいけないシーンでは、最大入力可能な文字数が解答より多いという場合もあり、初見では文字数から答を推測できないようになっている。回答を間違えるごとに正しい文字数になるまで一文字ずつ入力文字数が減っていくのも、ヒントのバランスとして秀逸。
  • 3Dダンジョン調のシナリオを除き、どんな選択肢を選ぼうがゲームオーバーになることは絶対にない。ただし、トリックを文字入力する場面で正解が分からなかったり、移動範囲の広い事件で先に進めるフラグが分からなくなったりして、ハマってしまう場合はある。
  • パッケージの裏に各話のクリア想定時間が記載されており、それでその話の大体のボリュームが分かる。ただし、あくまで目安であり、ゲームにある程度慣れている人ならば、記載時間の2/3~半分の時間でクリアできる。

賛否両論点

  • アドベンチャー以外の形式の話はシステムの出来が微妙で賛否が分かれやすい。
    • サウンドノベル調の話は選択肢もなくただ話を聞くだけ。「ドラマCDとして付随したほうがよかったのでは?」という意見も見られる。
    • 3Dダンジョン調の話は操作性が悪く「迫真のリアルタイム3Dアクション」の看板に偽りありと言われやすい。特にSS版では、ヒントも頭を使った謎解きもほとんど無く、ただ15階分の迷路を階段を求めてさ迷うだけ、というものになってしまっている*2
    • アドベンチャーばかりにならないように入れられたアクセントとも言えるのだが、2つとも他のシナリオとの絡みが少ない独立したものになってしまっているため、微妙さが余計に目立ってしまうようだ。ただし、シナリオそのものは悪くなく、特に後者の話はクリア後は心が朗らかになること請け合いである。
  • 「どつきオチ」で終わるシナリオが多く、人によっては食傷気味になるかもしれない。ただし、途中にどつきオチがない(話の流れ的に入れることができない)話が3話連続で続くので、「何度も何度もしつこい」ということはないと思われるが。
  • 絵柄の関係か、死体の描写がかなりグロテスクで耐性が無い人にとっては辛い。加えてCERO・PTA上等&これでもかと言わんばかりにとにかく惨殺体が多い。この傾向は第7話で頂点を迎える。
    • 第3話と第7話は殺害方法も過激の一言では済まされない、残虐性に満ちている上に現実的な視点でも危険極まりないものとなっている。特に第3話の凶器は主人公がうっかり居眠りしていなかったら発見が遅れてもっと多くの人を巻き添えにしていたかも…。
  • 性的な内容も扱っており、第1話からして依頼人が関係者との性交渉の有無について触れるほか、第2話ではSMクラブへの潜入調査も行うことになる。更には「あの子は口が上手い」という情報に対して主人公が「こっちのこと?」と口をOの字に開けてみせるなど、やや直接的な表現があり、人によっては少々やりにくさを感じるかもしれない。
    • とはいえ、現代を舞台にした探偵ものであれば性的な表現は避けにくいところであろうし、そもそも対象とされていただろうユーザー年齢層を考えれば大きな問題はないだろう。また発売当時は、夜の2時間サスペンスドラマであれば平気でそのくらいの表現はしていた時代である。

問題点

未完のストーリー

  • 本作最大の問題点
    • シナリオに伏線が残されたままの箇所が多く、主人公の父親の死やその他の人物との関係が消化されないままになってしまっている。
      • また、収録されている予告PVもいきなり粗くなった作画(絵柄からして違う)を筆頭に、明らかに見切り発車な作りで、全体的に何とも言えない同人臭さが漂ってしまっていた。

仕様について

  • あたりを「見る」コマンドを複数回選んだり、特定箇所を見た後マップを開いてからまた同じ箇所を調べたりなど、特定の場面で特定のコマンドを何度も行わないとシナリオが進まない(セーブもできない)場面がある。そこで「全ての行動を試したのに…」とつまずきやすい。(勿論、手がかりを全て得るまで余計な所に行けない、という事自体はコマンドADVでは親切と言うべきであろう)
  • 他のADVでもよく見られる、画面内をカーソルで示し怪しい所を探る方式のシーンでは、どうしても総当たりになりやすい。クリック箇所が小さかったり、ユーザーからはひとまとまりとして認識されるであろう物体群のうちピンポイントな一部分が正解だったりするため、最後は画面中をひたすらクリックする作業になることも。
  • フラグ管理に一部失敗しているところがあり、まだ発生していない事件の情報が突然出たりする部分がある。
  • 音量調節機能が無く、セーブは全編通して1箇所のみ。ただし、最終話以外は一本道なのでそんなに困る事は無い。
  • コマンドを選択したことをあらわす描写が文字を太くするだけと分かりにくいところや、画面上に右にあるはずのものがコマンドでは左にあるなど、表示が見にくくなっているところがある。
  • マッハシークでグラフィックデータを軽くする関係上、画質が粗くなっていたりアニメが口パクだけになっているなど、やや古い手法を取っている。

総評

痒い所まで手が届くシステムと、ミステリーに明るい人間すら唸らせる要素を含んだ名作。
難易度も手頃でADVの入門編としてもお勧めできる。
ただし、未完成かつ消化不良なところがあるため、それを気にする人は避けた方がよい。
その完成度の高さから続編を熱望する声は多く、企画中止が発表された後も待ち続けているファンも少なくない。


その後の展開

  • 本作の評価をきっかけに、ワークジャムは後に『探偵 神宮寺三郎シリーズ』の製作に携わることになる。(本作内にも神宮寺三郎をパロディにした箇所が散見される)
    • ワークジャム版神宮寺第1号の『Innocent Black』はシナリオでの神宮寺の扱いが悪かった(弱い、カッコ悪いと散々な評価を受けている)はじめマイナス要素が多く見られ、シリーズの長い雌伏の原因になってしまった。
  • 『クロス探偵物語2』について
    • 本作発売当時のファミ通のインタビューによれば「続編は必ず製作する」「構想はほぼ完成している」との事で、02年の新作発表会では「これから同社は『探偵 神宮寺三郎』シリーズ、『クロス探偵物語』シリーズを2本の柱に、ゲーム制作に注力していく」と完全にシリーズ構想が存在していた。
      • しかし「神長氏のワンマン的な姿勢が強く制作に労力がかかっている」「神長氏が脚本の『探偵 神宮寺三郎 InnocentBlack』、『ドリフトチャンプ』*3がともにコケた」等、監督の神長氏の問題が重なってしまった為か、最終的に08年に公式サイトにて企画の中止が発表されてしまった。
    • なお、00年に発売された廉価版には続編の予告ムービー(下の動画を参照)が追加されていた。
    • 神長氏は、現在キャンピングカー製作会社を営んでおり。2022年7月発売のキャンピングカー専門誌「軽キャンパーfan Vol.43」のインタビューでは、既にゲーム業界を引退している事や、続編が作られても直接関わる事はない旨が語られている。
      • ちなみに当該のキャンピングカー会社は、十数年前からサイトを開設済で、会社概要に名前が記載されている為、本名で検索すれば容易にヒットしていたものの、会社設立がワークジャム設立よりも前という事もあってか、長らく「同姓同名の別人が立ち上げた会社」と誤解されていた。
+ 参考動画・未発売の『2』予告

  • 本作の権利の所在について
    • 続編が出せない理由については、ワークジャムを退社した神長氏個人が権利を持っている為との話もあるが、詳細は不明。
    • 2016年12月20日付で、ワークジャムのタイトルの権利がアークシステムワークスに移譲された際、本作についての言及は特に無かった。
    • EVEシリーズ』等の旧作AVGのリマスターや続編を手掛ける「El Dia」ブランドを展開中のRed Flagship社が、2018年12月11日に本作の商標出願を行い、2019年10月11日付で登録された事で、リマスターや続編の可能性が再浮上しているが、2023年現在も特に目立った動きは無い。

余談

  • 本作は小ネタの多さに定評があり、変な選択肢を選んだり女性の顔や胸元などをポインタクリックしたりすると、プレイヤーに鋭いツッコミを入れてくる。
  • 実在人物をモデルにしたキャラクターが複数存在する。例えば第3話で登場する養護教諭の「松木泰子」は、1997年のテレビドラマ『名探偵保健室のオバさん』の主演女優・松雪泰子のもじりであり、容姿も完全一致している。
  • 第7話の全てのルートをクリアすると、最後にあるキャラクターが最終話(+α)について解説してくれるのだが、その際にプレイヤーの性別を聞かれる。解説してくれるキャラクターの性格上、ここで「女性」と答えておかないとまともな解説が聞けないので、丁寧な解説が聞きたい場合は「女性」と答える方が無難。
    • ちなみに+αの内容は、第5話の意外な裏事情である。
  • 開発段階では「I-VACS」と呼ばれるものを作っていた。これは2枚組のゲームの1枚目をクリアした後、それまでにかかったコマンド数などを元にパスワードを表示し、それを送ることで最適な2枚目が決定し、直接郵送でお届けするというものだった。しかし、郵送によるタイムラグが「プレイヤーにガマンさせない」というコンセプトを持つ「クロス探偵物語」の主旨に大きくはずれるため、ギリギリになって変更された。
  • ザ・プレイステーションで長く特集が組まれていた。
    • 謎解きを次回に回すショートミステリーやインタビュー、さらに読者プレゼント企画と一体化した漫画も掲載されたことがある。
  • 漫画『善悪の屑』では、作中の人物が泥酔して「私は今のゲーム業界に一言いいたい。なぜク○ス探偵の続編を出さんのらぁ!」と言うシーンがある。著者もファンだったのだろうか。
  • 今となっては謎解きの厳しい物が存在する
    • 第1話である人物の居場所を探すために文字入力をする場面があるのだが、居場所を示す2つのヒントのうち1つが「大きな卵」。これは日本人にはおなじみの施設のニックネームなのだが、当時基準でも古めの表現で、現代では完全に死語になっている。完全に知っているかどうかの知識問題のため、2000年以降の生まれ(特に首都圏外出身)のプレイヤーにとっては全話を通して最難関の可能性がある。
      • 1話は他にも一部の推理でPHSに関する知識が必要など、今ではピンと来ない箇所が多い。
    • 一部人物の服装は昭和を引きずっており、発売年を鑑みても古臭く感じられる。

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最終更新:2023年04月14日 22:04

*1 SS版発売当時ではデジタル・トウキョー及びプラン・プランの合同レーベルだったが、PS版発売前にブランドから正式な社名になった。

*2 このシナリオは急遽入れたものだったため、少ない容量と開発期間しかなく、開発者も「悔いがある」とコメントしている。

*3 出世作『ゼロヨンチャンプ』の続編