スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE

【すーぱーろぼっとたいせん おーじーさーが まそうきしんすりー ぷらいど おぶ じゃすてぃす】

ジャンル シミュレーションRPG

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ウィンキーソフト
発売日 2013年8月22日
定価 【PS3(パッケージ版)】7,480円(税5%込)
【PSV(パッケージ版)】6,480円(税5%込)
【PS3/PSP(ダウンロード版)】2,750円*1(税10%込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 進まないストーリー
恐怖のニムバス
露骨な拝金姿勢(あるいはバランス感覚の無さ)
グラフィックは大きく進化
スーパーロボット大戦シリーズ


概要

  • 16年の時を経て蘇った『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』の続編。
    • 対応ハードはPS3/PSV。今回は約1年半での発売となり、前作で張られた伏線の解消を期待されていた。
    • 主なシステムはほぼ前作と変わらないが、パイロットの育成は当時の本家スパロボと同様PPを使用して行うものに変更された。ただし、本家と違ってコストゼロでPPに還元可能であり、ミッション内容に合わせて変更できる。
    • 本家シリーズで昨今採用されたDLCを続投。有料で追加シナリオなどをプレイすることができる。

評価点

  • 戦闘デモは今回も非常に気合の入った描写が多い。
    • 前作よりの使い回しも一切存在せず、プレイヤーを楽しませてくれるものとなっている。
    • 最終ステージではそれぞれのルートのメインキャラの最強技でトドメを刺すことで特殊な台詞パターンになる等演出面での進歩も大きい
    • また、ロード時間も極めて短く、その点では非常に快適にプレイすることが可能となっている。
  • BGMの総数が増え、今まで汎用BGMばかりだった味方キャラのほとんどに専用BGMを与えられた。
    • 正式なアンティラス隊員ではない、終盤に助っ人として加入する登場人物には専用曲がない。なお、一人だけ正式な隊員にもかかわらずBGMを与えられなかったキャラがいる。OGでも同じ目に遭ったキャラがいるのだが、案の定その二人は意気投合している*2
  • シナリオもところどころで前作で不評だった部分の改善が見られる。前作ではただの空気以上の存在になれなかったツレイン、いつの間にか話に絡まなくなっていたエランは見事に汚名返上を果たしている。
    • 「ラングランルート」では前作鳴り物入りで参戦を果たしたにもかかわらずいつの間にか出番がなくなっていた悲劇のライバル、「エラン・ゼノサキス」の真骨頂を垣間見る事ができる。前作でエランが急に現れなくなった理由も説明されている。
    • このルートのみ、前作では敵限定であったゼルヴォイドを、終盤のみではあるが操作する事が可能。更に真のポゼッションを果たし、魔装機神以上の戦力として暴れさせられる。その攻撃力は凄まじく、あのネオ・グランゾンを一撃で破壊できる程度にまで達している。
      • なお、このシナリオの評価が高い理由は、『II』で盛大に丸投げしたゼルヴォイドの設定補完がなされたところが大きい。逆に言えば「『II』でやっとけ」と言える内容でもある。
    • また、前作では簡素であった中断の掛け合いも、本家に劣らない充実したものとなった。ネタ要素が強めなのも含めて。
    • ただし、飽くまで前作の不評点に対して補強しただけであり、前作よりストーリーが優れているわけではない
  • 他にも前作において批判されていた点はある程度改善されており、努力のあとを見て取ることはできる。
    • 具体的には前述のスキルシステムに加え、セーブの配置の修正、インターミッションでのボイス削除、スキル枠コストを1で統一、ランクアップ前の武器も残る、武器開示率の廃止、レオゲイラのパワーアップ*3などがある。

問題点

システム

  • 過去2作と比較すると敵の能力や武器性能が極端に強化されており、非常にストレスフルな作りになっている。
    • 過去に登場した敵魔装機の多くは前作で使えた武器を削られているものが多く、4つあった武器が2つになった敵機もいれば、1つしか攻撃手段を持たされていない敵もいる*4。ゴリアテのバスターキャノンや、ナグロッドのジェネリックレーザーなど、前作以前は移動後使用不可能だった武器や、移動ができない固定砲台の武器にまで移動後使用可能属性が付いているなど、調整が杜撰だとうかがえる。
      • その結果、敵機体ごとの個性がほぼ消失しており、高性能武器(気力制限無し、低燃費、高威力、長射程、移動後使用可)を頻繁に使用してくる。他の武装は下位互換でしかない場合が多く、元々搭載されていた別の武器の存在意義が見事に消失してしまっている。敵の武装属性の割合も射撃偏重に偏っている(80%以上が射撃武器)ため、防御スキル「斬り返し」の利用価値がほぼ皆無となった。
    • また、話が進むにつれて、一般兵の搭乗する敵機の改造度がどんどん上がっていく。弱い設定の機体ほど顕著で、改造における上昇値も大きいため、中盤以降は装甲・HP・攻撃力が一気に跳ね上がり、終盤などは味方側は7段階しか改造できないにもかかわらず8段階~15段階まで改造された量産機がぞろぞろ登場する。
    • 武器改造に関しても例外ではないうえに、ザコの攻撃力もやたら高く、その威力たるや、フル改造した魔装機であっても精神コマンド「鉄壁」を使用しない限り、防御しても数発耐えるのがやっと。無改造の機体なら防御しても1、2撃で撃破される。敵NPCの思考も移動攻撃まで含めた範囲内で最も落ちやすい機体を集中的に狙ってくる仕様となっているうえに、前作以前と比較して1マップにおける敵の数が大幅に増えたため、大抵の場合集団で襲ってくる。敵の数が少なければ、射程外から援護攻撃を交えて攻撃を行ったり、囮を配置して待ち構える等の対策が取れたのだが。
      • こちらからの攻撃も、終盤は強化やランクアップがされていない武装では殆どダメージが与えられない*5。反面敵からの反撃は非常に痛いため、1ターン目から気合を使う等して準必殺級の技をメインに戦っていく等の戦法が求められる。気合を使えない操者はもちろん、武器に恵まれない機体では太刀打ちできなくなっており、強制出撃の機体が足手纏いになってしまう事も多い。
    • 従来の魔装機神シリーズ同様高低差や向きによる命中率変動の概念があるが、敵が高所から攻撃してくるマップの方が多く、さらに高威力、長射程のP兵器の特徴を活かすことで、移動したうえで遠くから攻撃してくるため、敵がどこから攻撃してくるのか非常にわかりづらい。
    • 上記の要素が合わさった結果、敵の行動パターンは最もダメージを与えられるキャラに向けて、射程ギリギリかつ最も命中しやすい位置へ移動し強力なP兵器で集中攻撃のみとなる。このため、敵ターンではこの範囲に味方が入らないようにいちいち計算する必要がある必要があるが、前述した通り敵の攻撃範囲や行動がつかみにくい*6ため、この予測作業が非常に面倒になっている。弱いユニットが強制出撃の場合は更に面倒なことになる。
      • さらに厄介なのは、不意に現れる敵の増援。前述の通り、長射程高威力のP兵器が蔓延しているため、従来の作品よりも必然的に敵の攻撃可能範囲が拡大している。さらに本作では敵フェイズに増援が現れることも少なくないため、増援部隊に強力な攻撃を集中させられ、撃墜されるというケースが多く見られる。唐突に現れるため、当然ながら前述の予測作業もほぼ不可能。
    • 本シリーズのユニットには本家スパロボにおける運動性(回避に関わるパラメータ)が存在せず、素の回避率はほぼ操者頼み。敵は近づかなくても簡単に攻撃ができるようになったため、前作・前々作で有用だった、耐久力に優れたユニットを囮にしたり、魔装機神シリーズ独自のシステムであるZOC*7を活用して敵の進行を阻むといった戦法なども取りづらくなっている。このため先述のように援護攻撃や援護防御が前作以上に重要になるはずだったが、前作で大きな批判を浴びた「1マップに○回まで援護可能」というシステム*8が改善されていないため、集団で攻められた場合はほぼ無意味となる(特に援護防御)。
  • これについて、寺田Pは意図的に難しくしたと語っているが、理不尽と感じさせられるプレイヤーも多く、評判はよくない。
  • 前作で既に生じていた機体、操者ごとの格差が更に広がった。
    • 傀儡召喚業式*9が猛威を振るい、操者となるガエンに元々回避力がある上に精神コマンド「集中」や回避強化スキルもあるため本作屈指の囮要員となっている上、火力こそ控えめながらも燃費が抜群なので継戦能力も高いソルガディや、弱点がほぼない水属性で武装のバランスもよく、味方のプラーナを回復させるという強力なMAP兵器を持つガッデスが、強力な機体として挙げられる。ベッキーのラ・ウェンターやミオのザムジードも、精神コマンド「鉄壁」を自己習得するため、囮役として役立つ。
    • 不遇なユニットとしては、精神コマンドや武装に難のあるマサキのサイバスターとリューネのヴァルシオーネR、本作において弱点だらけの風属性*10でHPが少なく狙われやすい上に操者の能力が低いため撃墜されやすいジャオーム、ジャスティニアなどが挙げられる。
      • この点が顕著になり始めるシナリオで大量に出撃する新機体「試作ニムバス」がプレイヤーに大きなインパクトを与え、「魔装機神キラー・ニムバス」などと揶揄された。炎系なので、特に風属性のサイバスターやジャスティニアなどは待機場所を少し間違えただけで、この機体によって簡単に撃墜される。
  • この強力なユニットと不遇なユニットの差が非常に大きく、改造する機体を間違えたり難しいルートを選択した場合、詰む可能性がある。
  • スパロボでは恒例となっているクリアデータの引継ぎにも数々の問題が生じている。
    • 本作では何周しようと取得した資金、PPの半分*11を持ち越すシステムになっている。
      • この半分というのが曲者で、「前の周で使用しなかったキャラのPPの次週への持ち越しは前回持ち越したPPの半分」という、本末転倒な事態に陥ってしまうこともしばしば。前述の通り使えるユニットと使えないユニットの差が顕著であるうえに、下記の通り資金的にも余裕があるとは言えず全機フル改造は厳しいため、結局使わないキャラは使わないという悪循環に突入しやすい。
      • ただし、PPはある操作をすると次の周回での獲得数値が跳ね上がるというバグがある。結果仕様の不備をバグが補っているという、奇妙な現状に落ち着いてしまっている。
    • 資金は上限が約1000万なので引き継ぎの最高額は500万にしかならず、強化パーツは一切持ちこされない。また、今作の強化パーツはダメージを20%カットする、最終命中率を30%下げるなど、強力な効果な効果を持つものが多く、上記の通りバランスも悪いことも相まって、「クリアすると資金と強化パーツを入手することができるDLCを買わせたい」という意思が、どうしても窺えてしまう。
      • UX』でもDLCは存在していたが、こちらは無限に使用が可能なスキルパーツであったため一部のボーナスパーツを除いて引き継ぎの対象となる処理がとられていた。また、なお、『UX』でのキャンペーンモードの「周回してもまた同じDLCマップをクリアしなければ資金とパーツは入手できない」問題点は解消されており、次周回からはクリア済みのマップは選択するだけで報酬を入手できる。
    • とはいえ、DLCを買ったからバランスが適正になるという訳でもないので、単純にバランス設定がド下手だっただけ、と言う可能性もある。それはそれで問題だろうが。
  • 機体パラメータの一つである『MG』が、ほとんど機能していない。
    • 大抵の武器が弾数制かプラーナ消費型になっており、MGのみを必要とする武器は一部の威力の低い武装*12と、前述したソルガディの「厭魅蠱毒の法」のみ。ほぼ全ての機体に10%の回復能力がついており操者のプラーナも数値に影響するため、フル改造ボーナスの獲得以外の改造メリットはほぼない。強化パーツの中にはこのステータスが上昇する物もあるのだが、パーツ枠の無駄になるのは言うまでもない。
  • フル改造ボーナスが「精霊ランクアップ」「選択式ボーナス」「強化パーツ枠追加」で固定になっており、低スペック機の優位点が強化パーツ枠の数のみと言っていい状態に*13
    • 当の強化パーツも「各シナリオで設定される入手条件を満たした場合のみ入手できる」という仕様上、あまり多く入手できないため、優位点と言えるかすら疑問符がつく。しかも全てのシナリオに設定されているわけではない。
      • ただし入手条件自体は、従来のスパロボのSRポイント取得ほど厳しいものではない。全体で3つほど難易度が高いものがあるが、その場合は得てして貴重品が入手できる。
  • 表示される勝利条件、強化パーツ獲得条件が適当なことが多い。
    • 最終勝利条件が「敵の全滅」となっているにもかかわらず、特定のキャラを倒しただけでクリアになってしまう事もあり、知らずにそのキャラを撃破して資金や経験値、強化パーツを損してしまう事もしばしば。
    • 強化パーツも同様で、バゴニアルート27話では、「ギドでウェルスダインを撃墜する」という条件が提示されているが、このマップでは二機のウェルスダインが出てくるのでどちらかわからない。実際はジャンナ機をギドで撃墜すればいいのだが、最初からマップにいるのはコーデック機の方なので、そちらでいいと勘違いしてやり直す羽目になることもある。
      • 従来のSRWと異なり、条件を満たしてもアナウンスがなされない。この事も問題点を助長する一因となっている。
  • 前作で習得したはずの合体攻撃は、登録されていない。ランクアップで使用可能だった必殺武器も今作では使用不可。ただし、隠しスキルはレベルアップで取得する。
    • 味方Bクラス魔装機に用意されたランクアップ可能な武器の数も、前作の平均数2個から1個まで落とされている。
  • 味方の戦闘BGMが充実している反面、敵ボスのBGMは前作の使い回しになってしまっている。『II』ではラスボスなどに新規BGMが使用されていたのだが。
  • PS3版は音飛びが酷く、サウンドを鑑賞する大きな妨げになっていた。
    • 現在はパッチで改善されている。

シナリオ

  • 本作も前作同様、大きくルートが3つに分割されるのだが、ルート毎の出来不出来が激しくなってしまっている。
  • 特に批判が強いのはシュテドニアスルート。初回の分岐時にシュテドニアスのルートを選択すると突入するため、こう呼称される。前述したソルガディやガッデスなどの強力なユニットが集中して参加するため、難易度は最も低い。
    • 本ルートは彼女に惚れれば死ぬというジンクスが存在する「テュッティ・ノールバック」の恋愛事情がメインシナリオの一角を担っている。
      • しかし、その相手役を務める事となる「ヅボルバ・ポフ・ミマンサー」が非難の対象となってしまっている。
      • 彼は正式なメンバーとはならず、幾度か味方PCとしてスポット参戦するのだが、なんと彼を使って敵を撃墜しても資金すら入手できない*14
      • キャラクターとしても問題点があり、テュッティとの初対面で突如結婚を申し込みその後もありとあらゆる手を使って一方的に彼女とフラグを立てようとする。その回数も頻繁にあるが、ヅボルバ個人の掘り下げは特にこれといって行われず、後述するアクレイドの視点に切替わったり、フェードアウトする。
      • 最終的にはテュッティからも想いを寄せる事となる。過去作を鑑みるに、彼女の好みは強気な男性であるようだが、今作の展開は「ストーカーを好きになってしまった」とみられてもおかしくなくなってしまっている。一応、過去想いを寄せたキャラとの共通点はある*15。最終的には、シリーズで(今の所)上記のジンクスを打ち破ったという大殊勲を成し遂げたのだが、なまじキャラがキャラなだけに「ジンクス発動すればよかった」「次回作で発動するんだろう」などという意見が、特にテュッティのファンから相次いだ。
    • 前作でシュテドニアスの有能な司令官として現れ、最後までその真意が測りかねていた、それ故に今後の動向が注目されていた「アクレイド・バロム」は、今作に置いては悪い意味で注目を浴びる事となる。彼もまた唐突にテュッティに惚れ、唐突に諦める*16。ほぼそのためだけのキャラに成り下がってしまった。
      • また、終盤はテュッティ自身の行動にも批判の声が多く挙がっている。ただし、ネタ要素としての人気は高い。
    • 終盤に助っ人的役割として現れる、前作にも出演した組織「アドバーザリー部隊」は、前作でその開発が進められていた「オーガイン」が未だ開発中で、前作でも使っていた量産機「スヴェンド」を用いての参戦となってしまっている。当のオーガインは、本作で判明した事実により、いよいよ持って合体魔装機説が濃厚になったが、結局日の目を見ないままシリーズ終了の憂き目にあっている。
      • 量産機としては高水準の性能で、決して役に立たないわけではないのだが、他のルートの助っ人があまりに強力なため、特に二周目以降にこのルートを選択したプレイヤーをがっかりさせる事となる。強制出撃も多い。なお、前作では何故か全員、格闘用の「スヴェンド・ニーダム」での参戦であったが、今作では射撃が得意なユノーとスメラは、きちんと射撃用の「スヴェンド・ゲハード」を引っ提げての参戦となっている。が、それよりも「オーガイン」を使いたかったと言う声は強い。ちなみに、他二人はほぼ話題に上がらない。
  • 上のシュテドニアスルートと評価点で記載したラングランルートの他に、バゴニアルートと呼ばれるルートが存在し、計3ルートを楽しめるのだが、そのいずれにおいても主人公のマサキはあまり目立たない*17また、ルートによってポゼッションを習得できるキャラが異なるのだが、この要素のみ引き継ぎできなくなってしまっている。
    • バゴニアルートではいよいよネオ・グランゾンが使えるのだが、ある事情によって不調に追いやられており、装甲が薄いうえにダメージを半減させるスキル「堅忍不抜」は使えなくなっているので、突出させるとあっさり落ちる。本調子のネオグランゾンを操作するのは『OGDP』を待つこととなる。とは言っても作中の味方機ではまぎれもなく最強レベル。
  • 今作でも母艦となる「フリングホルニ」は、本作において3艦に分離し、それぞれのルートの母艦となる。そのためクルーの多さはスパロボ史上でも屈指。
    • 当然のことながら全てバンプレストのオリジナルで構成されており、その上戦艦が戦場に出るのは限られたMAPである上に、非戦闘員も多い。
    • クルーの紹介は最初の分岐後に担当者のみ行われ、ルート分岐の合流時には紹介などもなく*18、さらにキャラクター辞典もないため、下手をすると誰が誰だかわからなくなる。合流時に「誰だ、お前は」と思わなかったプレイヤーはまずいない。
      • さらに、分離機構もシフトもキャラにとっては既知の事項であり、プレイヤーへ説明するためにマサキがそれらをすっかり忘れたことにされた。また、以後も度々残念な思考回路を覗かせたため、前作から一転してバカ扱いされるようになる。
  • 前作でも問題視されていた、ストーリーの消化不良感が今回も目立つ。
    • 前作のオープニングとエンディングを飾った謎の女性は、今作ではなんと登場すらしない。一応ある部分でちらっと触れられるのだが、本当にそれだけである。
    • 前作で明かされなかったガエンの素性についても、一切不明のままである。
    • また、今作ではザッシュが早々にアンティラス隊を離れ、ラングランの近衛騎士団に所属することになるのだが…。
      • この騎士団、序盤から暗躍しており、明らかに主人公たちに翻意があるようなのだが、中盤以降、一切シナリオに出演していない。
    • 加えて、いよいよ登場するかと思われた最後の邪神「ギゾース・グラギオス」にまつわる話も肩透かしで終わる。
      • 前作でようやく存在が知られたラスフィトートがヴォルクルス教団司教に「グラギオスよりはマシ」扱いされている。ルートによってはプラーナタンクみたいな扱いになっているなど、前作の持ち上げぶりとの落差が凄まじい。
    • 全体的に、前作からの伏線が回収されるどころか投げっぱなしにされただけでなく、今作で新たに伏線が追加される有様。
      • 今作で新たに張られた伏線の多くは次回作でバッサリ切り捨てられているので、要点だけ確認して次回作をやっても全く困らない。
  • 前作でも賛否両論であったアンティラスショップなどのキャラクター推し要素は今作でも健在。ただし、前作ほど極端なものではなくなっている。

総評

前作で挙げられたシステム面での問題点を改善しようする意識は確かに見られるのだが、戦闘バランスが極端な仕上がりとなってしまったため、またしてもプレイヤーの反感を買う事となってしまった。
ストーリーについても、問題点にある通り伏線が回収されるどころか増加しているため、進行度ははっきり言って『3』どころか『2.5』レベル。今作である程度の完結を望んだプレイヤーの期待にはそぐわないものとなってしまっている。


余談

  • 前作の不評を受けてPS3/PSV版共々、初週の売り上げが前作の約半分の5.8万本と芳しくなかった。購入者にはウィンキーバランスと開き直ってプレイする者もいれば評判を聞いて購入を見送った者もおり、Amazonでは一ヶ月と経たずに販売価格が大幅下落してしまう結果となった。
    • ちなみに2017年6月現在のAmazon販売価格はPSV版がおよそ1500円、PS3版が驚きのおよそ500円。発売から既に4年近く経っているとはいえ、PS3の次回作『F』が4500円程度にとどまっていることを考えると明らかに異常であり、多量の出荷による不良在庫の発生と低評価が固まったことによる売れ行きの悪さが大きく影響を与えているようである。
  • 1年後の2014年8月28日、魔装機神シリーズの完結作となる続編『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END』が発売された。
    • 売上は本作よりさらに落ち込んでしまったものの、システム・ストーリー共に本作や『II』の問題点が大幅に改善されており、汚名返上を果たした。

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最終更新:2023年06月14日 19:00

*1 2020年12月24日よりパッケージ版と同じ価格から改定

*2 ストーリーでも、とある条件を満たすと、直前まで話していたのにもかかわらず一瞬で消えてしまい、本当に話していたのだろうかなどと言われる。

*3 雑誌にも載った新キャラの専用機にも拘らず、前作ではその残念なスペックでがっかりされた。本作では合体攻撃や使いやすい武器の追加で運用しやすくなっている。

*4 これは初登場となる敵が増えバリエーションが増加したうえに、アニメーションにかかる労力が以前より重くなった結果と思われ、こういった傾向は後のスパロボにも見受けられる。

*5 兆候は前作からあったが、今作で極端になった。

*6 本作に限ったことではないが、敵の移動距離は可視化させられるが、射程の方は不可能。

*7 敵機体の周囲4マスより先に移動できないというもの。

*8 従来のスパロボでは「1ターンに○回援護可能、すなわちターンを跨ぐと使用可能回数が全回復する」という仕様。

*9 能力の低いユニットを一体召喚するというもので、HPが低いので敵に狙われやすく、撃墜されてもペナルティがない上に、自軍被撃墜数の増加で敵撃墜時の獲得資金が上昇するという隠し要素があるので実質的にプラスに働いている、などの事情で囮として最適。

*10 弱点属性からの攻撃は命中されやすく、ダメージも大きくなる。風属性は炎属性が弱点であり、ニムバスをはじめとして炎属性は比較的多い。

*11 正確には、前の周から引き継いだ資金、PP+その周で獲得した資金、PP。

*12 主に無消費武器ランクアップ後の武装が該当。

*13 今までは低スペック機は基本的にフル改造ボーナスが強力になっており、愛によって活躍をさせることも可能だった。

*14 ヅボルバに限らず本作のゲストPCは全てこの仕様。もっともヅボルバの場合、機体が非常に弱いため意図しない限りは戦闘を避けて隅っこに置いているだろうが、事もあろうにこのキャラで敵を撃墜するという、嫌がらせとしか思えない強化パーツ入手条件が存在する。

*15 リカルドのように強引で熱烈であり、フェイルのように女性へのフォローが万全で自己犠牲的、といった点。

*16 というより、ことごとくヅボルバの後手に回った上、アプローチを満足にできないため友人未満レベルでくすぶっているうちに終わった。

*17 また、後述のバカ扱いの他にも天然タラシや無個性な料理など、ストーリーとは無関係な所がクローズアップされている。

*18 昼間・夜・深夜のシフトごとに分割されるため、新規参入ではなく元からいたクルーである。そのため、キャラの説明が最小限になっている模様。