本記事ではPS用ソフト『サルゲッチュ』(良作)と、移植版であるPSP用ソフト『サルゲッチュP!』(劣化ゲー)を紹介しています。



サルゲッチュ

【さるげっちゅ】

ジャンル サルつかまえアクション
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM
発売・開発元 Sony Computer Entertainment
発売日 1999年6月24日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:全年齢対象*1
廉価版(税別) PlayStation the Best for Family
2000年7月6日/2,800円
PS one Books
2005年7月14日/1,800円(各税別)
配信(税5%込) ゲームアーカイブス:2007年8月30日/600円
※PSP非対応(PSVではプレイ可能)
判定 良作
ポイント 世界初のデュアルショック専用ソフト
後に様々なグッズを生み出したソニーの代表作
両アナログスティックを駆使しサルをゲッチュ
初代故に難易度はやや高め
右スティックに朗報!?
サルゲッチュシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要

サルゲッチュシリーズの記念すべき第1作。
「ピポサル」と呼ばれる特殊なサルたちを次々と捕獲していくゲーム。
タイトル通りサルを捕まえる事を「ゲッチュ」と呼ぶ。
また世界初のデュアルショック「専用」ソフトである。


ストーリー

ある日、カケルはハカセの研究所にヒロキと共にやってきた。
だが、研究所ではヘルメットをかぶったサル達が暴れていた。
原因は、遊園地の人気者だった白いサル「スペクター」であった。
スペクターはハカセの発明品「ピーク・ポイント・ヘルメット」通称「ピポヘル」をかぶったことで知能が上がり、悪の心が目覚めてしまったのだ。
彼は遊園地にいたサル達と共に脱走。スペクターは「歴史改造計画」を目論み、研究所に乗り込みタイムマシンを使ってサル達を過去の世界に送り込もうとする。
その後カケルはハカセから逃げたサルの捕獲を命じられる。カケルはサル達を捕まえ、計画を止めることはできるのか…。


特徴

  • 敵を倒すのではなく捕まえるという当時、斬新なシステムを採用。
    • ガチャメカを駆使し、ステージごとに決められた数のサルを捕まえるとクリアとなり、次のステージに進める。
      • クリア条件はすべてのサルを捕まえる訳ではなく、コンプリートには再度訪れる必要がある。
      • ステージを進めると使えるようになるガチャメカを使わないと、捕まえられないサルもいる。
    • システム的には『スーパーマリオ64』や『バンジョーとカズーイの大冒険』などの箱庭ステージ探索アクションの系譜にあるが、これらの作品との最大の違いは「探索の目標物が明確にプレイヤーに敵対している」ことだろう。条件さえ満たせば無抵抗で手に入るパワースターやジグソーと異なり、目標物が逃げ回り時には反撃してくるシステムは斬新である。
  • 一部の捕まえたサルはポケットステーションへ転送して、『ホルゲッチュ』というミニゲームを本編とは別にプレイすることが可能。
    • ポケットステーションは初代PSソフトのみに対応している為、初代ならではの要素と言える。
      • ちなみにPSVがあればポケットステーションを再現できるため、アーカイブスでも可能になる。
    • サル以外の敵も存在する。それらは捕まえられないので倒すか無視する。大抵の敵は倒すとアイテムを落とす。
      • 途中、カケルの親友であるヒロキと対決(競争)する「ヒロキアタック」というステージが挟まる。また、終盤ではボス戦のあるステージが幾つか存在する。

評価点

  • 簡単で親しみやすい操作性
    • 本作は世界初のデュアルショック専用ソフトであり、2本のアナログスティックを活用した作りになっている。
    • 左スティックで主人公の操作は他作品と同様だが、本作では右スティックを使ってほとんどのガチャメカを使用する。
      • 基本武器の「メカボー」や、ピポサルを捕まえる「ゲットアミ」と言った近接武器系のガチャメカなら、右スティックを倒した方向に振る。
      • 回転させて飛び上がる「トビトンボ」や、同じく回転によって高速移動する「ダッシュフープ」は右スティックを回して使用する。
      • ピポサルの居場所を探知する「サルレーダー」は右スティックを倒した方向をサーチする、など、全編を通して右スティックをフル稼働させることになる。
      • 中には右スティックでラジコンを操作する「メカヨンク」なんてガチャメカも。
    • それまでのシンプルな3Dアクションと比較すると難しそうにも思えるが、実際にやってみると驚くほど直感的で簡単な操作を可能としているのが分かる。
    • ガチャメカの切り替えは〇△□×。ジャンプはR1と言ったように、当時としては珍しくも、2本のスティック操作を阻害しないボタン配置となっている。
      • L3ボタンで匍匐など、やはり当時珍しかったスティックの押し込みも活用している。
    • 今でこそPSのコントローラーはデュアルショックが標準だが、PS1当初のコントローラーはアナログスティックも振動機能も無く、それらの搭載はアナログコントローラーと、その後身であるデュアルショック1の発売まで待たなければならなかった。
      • しかしまだアナログスティック対応ソフトは少なく、また、「精密な十字キー」として利用できる左スティックに対して右スティックは用途がいまいち見えず、右スティック自体がほとんど使われなかった。現在では3Dゲームの視点操作で標準的に使われているが、それが定着するのは更に数年後の話である。
      • そう言った当時の事情もあり、本作はパッケージ裏に「右スティックに朗報!?」とまで書かれていたほどである。
  • タイムスリップしたサルを捕まえるというコミカルなストーリーながらも、時としてシリアスな展開もあり、そのバランスが絶妙。
    • 次回作以降は『サルバト~レ』系列ではシリアスを突き詰め、それ以外はコミカル一辺倒になっており、コミカルとシリアスのバランスが取れた作品という意味では本作はシリーズでも稀有な存在と言える。
    • 演出も凝っており、たとえばラストステージでは最初BGMは流れず、サルに見つかり警報がなることで初めてBGMが流れるようなってる。
      + 参考動画
  • アイデアだけではなくサルをつかまえた時の快感が素晴らしく、何度でも捕まえたくなる。
  • 200匹を超えるサルや、ステージのどこかにあるスペクターコイン、23種類のステージなどボリューム満点。
    • スペクターコインを集めるとスキー、ボクシング、シューティングの3つが遊べる。いずれも本編同様にアナログスティックをフル活用した作りになっており、完成度が高い。
    • ラストステージをクリアした段階ではまだピポサルのコンプリートはできないが、エンディング後に新たなガチャメカが手に入り、今まで手出しが出来なかったピポサルも捕まえられるようになる*2
      • そして全てのピポサルを捕まえると真のラスボスに挑めるようになり、これをゲッチュすることで本当の意味でのゲームクリアとなる。
  • ピポサルもとても可愛く、動きなどがとても活発的で見てるだけで満足である。
    • サルやステージのバリエーションが豊富で落書きするサル、キャンプしてるサルなど様々なサルを楽しめる。
    • サル1匹、1匹に固有の名前も付けられおり、中にはアーノルドサルベスタなどのネタ要素も。
      • サルレーダーを使うことで、それぞれのサルの説明文も表示される(後からサル図鑑でも閲覧可能)。名前同様にネタに溢れており、これだけでも楽しめる。
      • ステージは進めるごとにどんどん広くなっていき、上記の物を探す楽しみが増えていく。
  • いくつもの時代に飛ぶだけあってステージのバリエーションも豊富。
    • 中生代から始まり、古代遺跡、氷河期、中世の中国や西洋の城、現代の街や工場、近未来的な要塞と様々なステージが用意されており、プレイヤーを飽きさせない。
  • ただクリアするだけであきたらないなら、タイムアタックに挑戦することもできる。
    • タイムアタックに挑戦するにはそのステージ全てのサルを捕まえる必要がある。
    • 攻略率100%を狙うならランクゴールドまででいい(それだけでも難しいが)。しかし己の限界に挑戦したい人のためにランク「ミラクル」が存在する。
      • これは開発部が出した最速タイム。このゲームを知り尽くした人々からの挑戦である。
  • バラエティ豊富な9種類のガチャメカを使い分けてサル捕まえていく。
    • サルの方も機関銃で武装していたりUFOに乗っていたりと様々で、中には特殊な捕まえ方をする物もおり、まさしく「サルとの知恵比べ」を楽しめる。
  • ピポサルにはパンツの色があり、色によって特徴が異なる。
    • 黄色
      • 最も多く出現する普通のサル。能力は平均的。
    • 水色
      • 垂れ目で臆病な性格。弱い個体がほとんどだが、見つけづらい所に隠れていることが多い。
    • 青色
      • 水色と似ているが、逃げ足が非常に速い。
    • 白色
      • 黄色と似ているが、警戒心が高いのですぐに感づかれてしまう。
    • 緑色
      • 暗視ゴーグルをつけており、遠距離からでもカケルを目視してくる。ミサイルランチャーの追跡攻撃も厄介。
    • 赤色
      • ツリ目。非常に好戦的で、様々な武器を使う戦闘のプロ。格闘戦もこなす。
    • 黒色
      • サングラスをかけているガラの悪いピポサル。弾速の早いマシンガンで武装している。
  • ステージのBGMは寺田創一氏によるアップテンポなテクノやドラムンベースが中心。
    • 良曲が多く、それぞれのステージに合ったものとなっている。中には1つのステージで2つのBGMが用意されている事も。
    • 序盤はイメージに合ったゆるくコミカルな曲がメインだが、ステージが進むにつれてシリアスな曲も増えていき、後半〜終盤は緊張感を与えつつプレイ意欲を掻き立てる曲調となっている。
      • 特にラストステージの曲は演出の力もあり評価が高い。
  • ゲームオーバー時には作中のキャラがランダムで一言添えるという、後のシリーズに受け継がれなかった小ネタも。
    • 励ますハカセ、挑発するスペクターなどキャラ毎に複数の台詞が用意されている。ストーリー中は出番の少ないチャル*3もしっかり出ている。

問題点

  • 決して理不尽ではないが、第1作という事もあって難易度が高め。
    • 今作はライフが5しかないことも高難易度化に拍車をかけている。その為か、次回作では倍の10に設定された*4
    • 攻撃を受けた時の吹き飛びが大きいため、空中のステージではよく落下する。
    • 「サルおんせん」は人によって苦手なステージ。上へ上へ進む構成なのだが、崩れる氷の橋が2か所あり、落ちると最初からやり直しになってしまう。
      • せつめいポスト(メッセージボックス)によるアドバイスではさもダッシュフープを使って通るよう勧められているが、ダッシュフープで氷の橋を渡るのは付近を周る鉄球の餌食になりやすく失敗しやすい。後々「ジャンプで進むのもあり」と推奨されるように、ジャンプを繰り返した方がはるかに楽で、このアドバイスを見落とすと苦戦しがちになる。
    • 「マチノシティ」のように水中奥深くに通路があり、急いで進まないと行けない箇所も人によっては勇気が必要。酸素ゲージが切れるギリギリまで潜らないと行けないので、操作に慣れていないとかなり厳しい。次回作ではサブマリンが導入されたり、水中奥深くを潜るステージがオミットされている。
    • 「スペクターランド」のジェットコースターは本作屈指の難度を誇る。タイミングよく障害物をジャンプで避けなければならないのだが、視界が悪く障害物を視認してからジャンプを押すまでの余裕があまりない。
      • 中間ポイントこそあるが、道中で回復をすることが出来ない。スペクターコインが2枚設置されているので、コンプリートを目指す場合は取り逃すと自滅せざるを得なくなる。
  • 操作性があまり良くない。
    • 特に敵の攻撃の当たり判定が分かりにくい。
  • ステージが広大過ぎてサルがどこにいるかわからないことがある。
    • 序盤のステージは非常に狭くすぐに一周りできる程度だが、ステージが進む毎にどんどん広大且つ複雑になっていく。
      • 終盤はゲッチュのノルマではなくボス撃破がクリア条件のステージがあり、普通に最奥部を目指すアクションステージになっている場合も多々。
      • しかしそんなステージでもサルコンプのためには、ボス撃破後にピポサルを探して隅々まで探す必要がある。
    • 一応ガチャメカの1つ、サルレーダーを使えばサルのいる方向が大まかにわかる。
      • しかし、その時点では捕まえられないサルにも反応してしまうという欠点もある。
  • 完全クリアしてしまうと、そのステージでやれることが無くなってしまう。
    • 行けないことも無いが、ピポサルがいないので行く意味も無い。ただその辺りをブラブラして気が済んだらワープルームに戻るだけである。
    • 出来ることと言えばタイムアタックのみで、最初からプレイしたい場合はデータをやり直す必要がある。
    • この点は『サルゲッチュ3』にてようやく改善されるようになる。
  • コミカルとシリアスが入り混じった、シリーズでもバランスの良いストーリーだが、やや消化不良な所も無くもない。
    • 最終ステージでは捕らわれていたハカセとナツミ、洗脳されていたヒロキを救出するのだが、救出した彼らはいかにも最終決戦に向けてカケルをバックアップするように見せかけて特に何もアクションを起こさない。
      • 中でもナツミは「あそこ(研究所)の装置を使わなきゃ勝ち目ないんだから」とまで言っていたのだが、その装置が出てくる事は無かった。結局、このセリフに反してカケル自身の意志力と手持ちのガチャメカで全部解決してしまう。
      • ハカセ達が捕らわれるまでは各ステージにチュートリアルや攻略ヒントを表示する「せつめいポスト」があったのだが、これがハカセ達が研究所に戻ったことで最終ステージに復活…という事も無く、ゲーム的にもストーリー的にもバックアップは一切無く、最終ステージは仕掛けもボス戦も全てカケル(プレイヤー)1人に懸かっている。
    • チャルに関しては何の説明もなく急に登場してノルマを解説する。説明書を読めば済む話ではあるのだが、ストーリー中に何の紹介も無いのは些か扱いの悪さが否めない。
      • ストーリー終盤にはハカセ達に変わってガチャメカやステージの解説を行うという見せ場があるのだが、それが終わるとやはり出番は無い。一応、スタッフロールにチラっと映る程度。
      • ピポサル2001』ではノルマ解説はハードモード限定に、『サルゲッチュ2』ではその役目からも降ろされて写真のみの登場になってしまい、以降の本編シリーズには姿を見せなくなった。
      • その一方で番外編の『サルバト~レ』のシリーズではプレイアブル化したり、アニメ『オンエアー』でもレギュラーとして活躍するなど、作品によって特に大きく扱いの差が出るキャラとなった。ヒロキは扱いの悪さがほぼ一貫しており、あまり差が無い。

総評

敵を倒すのではなく捕まえるという斬新なゲーム性だけではなく豊富なやり込み要素やコミカルとシリアスをバランス良く組み合わせたストーリー、凝った演出など、総合的にかなりの出来である。
この『サルゲッチュ』を象徴するキャラクターのピポサルはプレイステーションを代表するキャラクターとなった。


他機種版

  • 下記の『P!』は別として、オリジナル版はPS3ゲームアーカイブスで配信されている。
    • PSPではボタンの関係上非対応だが、PSVではプレイ可能。
  • 更には2022年にリニューアルされたPS Plusのサブスクリプションサービス「クラシックカタログ」でPS4/PS5向けにも配信された(単品での買い切りも可能)。

余談

  • 海外では『Ape Escape』というタイトルで発売されている。
    • この「Ape Escape」の意味は「猿の逃亡」であり、国内版の「サルゲッチュ (猿の捕獲)」とは正反対の意味のタイトルである。
      • また海外版ではカケルとヒロキ、スペクターの声を男性が担当しているため、日本語版とは受ける印象が大きく異なる*5
  • その後本作の人気を受けてシリーズ化。様々な新要素や変更された点はあるが、基本的な面白さは変わらない。
    • シリーズ毎に主人公や登場人物は変わっているが、悪役のスペクターはほぼ全作に渡って登場しており、ピポサルに並ぶ本シリーズの顔役と言っても良い存在となっている。本作エンディングで遊園地に帰ったのは気のせいだった*6
      • ほとんどの作品でラスボス、或いは敵キャラとしての登場だが、『サルゲッチュ ミリオンモンキーズ』では主人公の1人としてプレイアブル化を果たした。また、後述の漫画版では実質的な主役を務めていた。
    • なお、ライバルのヒロキも『サルバト~レ』系列では登場しているが、毎回最初からスペクターに操られた状態である。このことから、ヒロキはスペクターに後催眠暗示*7をかけられていると考えられる。
    • 主人公のカケルは『2』『3』と言ったナンバリングでこそ主役を降ろされる*8ものの、外伝タイトルっでは変わらず主人公を務め、何はともあれシリーズのメイン主人公の座に就いていた。
      • 一方、ヒロインのナツミ、サポート役のハカセは『2』でもカケルを差し置いてメインキャラとして続投したばかりか、『サルバト~レ』系列ではプレイアブル化を果たし、本作で手も足も出ずピポサルに捕まっていたのが嘘のように逞しく戦うようになった。
  • 本作の発売に伴い雑誌等のメディアミックスによる広告戦略も広く行われ、ピポサルは『クラッシュ・バンディクー』シリーズのクラッシュに代わるSCEのマスコットキャラクターとして一時代を築く事になった。
    • 本作発売と同時期にコロコロコミックで後藤英貴氏によるコミカライズ版『サルゲッチュ ウキウキ大作戦!』も連載開始*9。コミカライズ版の連載と共にコロコロコミックを中心にメディア展開されることになる。
      • 『ウキウキ大作戦!』は一時の休載やタイトル改題などはあったが、2011年までの12年という長期連載となった。
    • シリーズ人気が絶頂を迎えた『2』の頃には同作を題材にした映画やCGアニメも製作された。
      • 一方の本作についてはさらに数年後に放送されたアニメ版第2作『サルゲッチュ~オンエアー~』にて、『ミリオンモンキーズ』などの他作品を包括する形でアニメ化された。
  • 本作のテレビCMは俳優のガッツ石松が「ゲッチュ石松」に扮したユニークな物で、印象に残っている人も多いだろう。
  • PS版発売から12年後の2011年2月15日に、サントラが発売された。

サルゲッチュP!

【さるげっちゅぴー】

ジャンル サルつかまえアクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD
発売・開発元 Sony Computer Entertainment
発売日 2005年3月14日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1人~2人
レーティング CERO:全年齢対象
廉価版 PSP the Best:2006年3月2日/2,667円
判定 劣化ゲー
ポイント 初代を携帯機でリメイク
操作性は劣化
頻繁に発生するロード
追加要素は少なめ
サルゲッチュシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要(P!)

初代『サルゲッチュ』のリメイク版。
ハードに合わせてポリゴンを全面的に作り直している。
その他、ボタンの数や配置の異なるPSP向けに操作方法を大幅に変更している。

初代からの追加要素

  • ミニゲームの「ギャラクシーモンキー」が「サル卓球」に、「スキーキッズレーシング」が「スノ(ボ)ーキッズレーシング」に差し替え。
    • 同ゲームではある条件を満たすとスペクターやピポトロン3人衆が出現し、プレイアブルキャラとして使用可能に。
  • ポリゴンの全面的な作り直し。

評価点(P!)

  • ハードの性能アップに伴いグラフィックの質が向上している。
    • カクカクのローポリだったオリジナルに比べて滑らかになっており、ピポサル達は本来の姿に近く描かれるようになった。
    • ピポサル以外のキャラも精密に描かれるようになり、特にチャルは見違えるほどに可愛くなっている。
  • ミニゲームも全体的にリニューアルされ、特にチャルやスペクターとピポトロン3人衆のプレイアブルキャラ化はシリーズファンには嬉しいとの声も。

問題点(P!)

  • 非常にロードが長い。
    • 本作のプレイヤーの多くがまず欠点に上げる点。今回は10~20秒と待たされる。それもステージの入出の際だけではなくエリアの切り替えの度にも。
    • PS版はほとんど気にならないほどロード時間が短かったため、既プレイヤーにはなおさら気になる。
  • 操作性の劣化
    • 元々デュアルショックに最適化していた作品なので、ボタン数の少ないPSPにリメイクした事で特色が失われ、操作性も大幅に低下してしまった。
      • 右スティックを使っていた操作は普通にボタンを押すだけ。メカボー等は右スティックを倒した方向に振ることができていたが、本作ではボタンを押すと前方に振るという平凡な方式になり、まわし振りはボタンを押しながらアナログパッドを回す煩雑な操作に。ダッシュフープはただの連打である。
    • メカセレクト数も4から3に減少。配置ボタンの関連上仕方ないことだが、いちいちガチャメカを切り替える手間が多くなりがち。
    • 操作性が悪くなったことで、シリーズでも難しめだった本作が更に難しくなっている。特に2回目のヒロキアタックは多くのプレイヤーが難所として挙げるほど。
  • 追加要素の少なさ
    • 上述の通りミニゲームの差し替えが行われており、通信機能を使うことでプレイヤー同士の対戦が可能。
    • しかしオリジナルからの追加要素はそれぐらいしか無い。追加ステージや追加ボス、他のキャラで操作する追加モードと言った新要素は皆無である。
    • また、上述の通りチャルやスペクター、ピポトロン3人衆といったキャラがプレイアブルキャラ化した一方で『2』のヒカルやウッキーファイブ、『サルバト~レ』のハルカ、『3』のサトルとサヤカがプレイアブルキャラ化を果たしていないどころか影も形も存在しない。せめて彼(彼女)らを参戦させて欲しかったという声も少なくない。

総評(P!)

グラフィックこそ格段に良くなったがそれ以外の追加要素が殆ど無いので劣化点を補えるほどではなく、またロード時間の長さ故にシリーズ初心者にも勧め辛い。
PSP発売当時、多くのPS/PS2ソフトのPSPへの移植・リメイクが行われた中で、本作もまたその流れに乗った作品であるが、
デュアルショックの機能を最大限に活かすゲームデザインだった『サルゲッチュ』をPSPに落とし込むのは少々無理があったと言わざるを得ないだろう。


余談(P!)

  • 現在はオリジナル版に加えてリメイク版『P!』もPS Plusクラシックカタログで配信されている。
    • この配信版は「右スティックの再割り当てを有効化する」というオプションがあり、内蔵SSDがシームレスであるPS5版であればロード時間が長くても5秒程度に収まっている
    • 持ち運び可能という本来の利点は潰れるものの、それを差し引いても多くの欠点を解消できるので『P!』をプレイするならPS4、可能ならPS5を推奨する。
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最終更新:2023年11月21日 12:19

*1 廉価版で付与されたレーティングを記載。

*2 また、光る障害物を壊せるため、ショートカットが出来るようになる。

*3 ステージ開始時には毎回登場してノルマを教えてくれるが、台詞付きで登場するのは終盤に差し掛かってから。

*4 1回のダメージではビスケットが割れて半分になる。

*5 同様に『3』のサトルも海外版『Ape Escape 3』では男性が声を担当している。

*6 ナンバリングタイトルではまたピポヘルを被る経緯が描かれているが、他の作品では何事も無かったように最初からいつもの調子で登場する。

*7 催眠から覚めた後に、ある合図でスイッチが入ると再び催眠状態となるように暗示する催眠術の一種。

*8 後述の漫画版では『2』のヒカルに堂々と主役から引き摺り下ろされてしまい、連載終了までの10年以上ヒカルが主役という扱いだった。

*9 奇しくも後藤氏は以前には前述のクラッシュ・バンディクーのコミカライズを手掛けていた。