焼肉奉行

【やきにくぶぎょう】

ジャンル 焼肉アクション(公称)
対応機種 プレイステーション
発売元 ジェネックス
開発元 メディアエンターテイメント
発売日 2001年5月24日
定価 2,900円(税別)
廉価版 Best of the Best
2003年1月16日/2,000円(税別)
配信 ゲームアーカイブス
2009年12月24日/600円(税5%込)
判定 なし
ポイント バカゲーかと思いきや意外と遊べる
対人戦が熱い(焼肉だけに)


概要

グルメシリーズなどと題し、時々妙なゲームを作っているメディアエンターテイメントの作品。
タイトル通りテーマは火沸き脂踊る食卓の戦場、焼肉。「焼肉アクション」というジャンルは、ほぼ間違いなくこのシリーズのみの特権だろう。

システム

  • アクションと言ってはいるが、どちらかというとパズル要素の強いアクションである。落ち物ゲーほど頭は使わないが。
  • ステージは3×4の12マスに仕切られた金網。これらのマスに次々と出てくる肉や野菜といった食材を配置していく。
    • なお、実際の焼肉同様、中心の方が火勢が強く、焼けるのが早いという、芸が細かいシステムを実装。
  • 適宜裏返したりしつつ、こんがり焼けたら、金網の前に座る3人のお客様の誰かにその食材を供する。
    • それぞれのお客様には好みがあり、好きな物を食べると高評価、嫌いな物は問答無用でミス扱いになる。
      • 好みは時間の経過と共に変わることがあるが、「肉好き」「野菜好き」などおおまかな傾向は決まっている。
      • もちろん生の食材などもミスである。ただし、焼きすぎはあまり気にされない。焦げた食材は渡せないのでボタン連打でこそぎ落とす。
    • 食材を渡す度に得点が入り、連続で渡してコンボを決めるとさらに高評価。
  • 食材を供する度にお客様の満足度ゲージが変動する。誰か一人でもゼロになるとその場でゲームオーバー。
    • 制限時間内に、全員一定以上の評価に出来なかった場合もゲームオーバーである。
  • 対戦モードでは、満足度ゲージが2人で共有する形になる。金網は一つしかないので、一枚の金網に2人で食材を乗せていく。もちろん相手が育てている食材を奪ってお客様に出すことも可能。
    • 一本の満足度ゲージを左右から増やしていくので、自分のミスがそのまま相手の満足度になる。最終的にゲージの多い方のプレイヤーに票が入り、3人のお客様の投票形式で勝敗を競う。

評価点

  • 値段が安い。
    • 2,900円という廉価版ソフト位の値段。ちなみに29()00円という意味らしい。
  • 操作が非常に簡単。サクッと入り込める。
    • ほとんどの操作が×ボタンに集約されており、食材を置く・肉をひっくり返す・肉を移す・焦げた食材をこそぎ落とすのも全て×ボタン。○、△、□はそれぞれ対応したお客様に食材を出すのに使うのみ。
  • 食材のグラフィックも結構リアルに描かれている。
    • 上手く焼けば本当に美味しそうに見えるし、下手な焼き方をすれば不味そうにも見える。
  • 地味にボイスが豊富。客に食材を出す度に様々な台詞で反応を返してくれる。
  • シンプルでありながら意外と奥深い戦略性。
    • 特に対戦モードは非常に熱い。互いの箸が衝突すると弾かれるのだが、このせいで狙っていた食材と別の食材を出して評価が下がったりする。刻一刻と変化する好みに合わせて生でない食材を出すのは結構難しい。
      • 5段階でハンデを付けられるので、初心者でもかなり戦える。
    • 一人用なら邪魔する相手はいないので、黙々と肉だけ焼き続けられる。それでもうっかり生の食材を出したりして怒られることは多々あるが。

問題点

  • 飽きやすい。
    • 出来ることは一人用が2種類(ステージクリア型、エンドレス型)と対人戦のみ。やりこみ要素は一切なく、この時代としては少々寂しい。
      • オプションでのルール変更なども未搭載。99秒の制限時間制しかなく、やや単調。
  • 一見バカっぽいが、その実やっていることは真っ当な焼き肉屋なのであまりインパクトはない。
    • 客はそこそこ個性的(肉しか食わないマッチョ外国人、マズい物を食わせると彼岸の爺さんに会いに行ってしまいそうになる婆さんなど)だが、常識の範疇ではある。
      • 一番おバカなのは、焼肉をゲームにしようと思いついて、しかも有名企業とコラボした上でそれを実現してしまったメーカーの発想と行動力だろう。
  • メモリーカードに対応しておらず、セーブが出来ない。
    • ハイスコアなども電源を切ると無効になってしまう。この時代としてはお粗末な仕様。まぁスコア争いに熱くなるようなゲーム性か、と聞かれたら疑問ではあるが…。
      • 対戦モードでも点数は入っているのだが、なぜか合計点がどこにも表示されず、何の意味もない要素になっている。
    • 欠点にしか見えないが、パッケージ裏では「メモリーカード不要のお手軽アクション」と長所のように書いている。そのポジティブシンキングは評価していいかもしれない。短所を隠さない姿勢も良し。
  • 対戦モードでやってくる客はランダム。指定は不可。
    • 場合によっては肉嫌いが3人揃ってしまうこともあり、焼き肉屋なのに肉がなかなか出せない事態になることも。 それなら焼肉屋ではなく別の店に行けばいいのに…

総評

ボリュームについては値段相応なので、その辺はあまり期待してはいけない。
一見コンセプト一本勝負のバカゲーだが、その実ゲーム性が意外と高く、対人戦が割と盛り上がる佳作。
1人プレイだと底は浅く飽きやすいが、対戦相手がいれば手に取って損はないだろう。

余談

  • 本作は全国チェーンの焼き肉屋「牛角」と提携し、牛角500円割引券が封入されていた*1。焼き肉屋の割引券が付いているゲームなんて、後にも先にも本作ぐらいだろう。ちなみにメインメニュー背景の焼き肉屋も牛角である。
    • 現在だとこの割引券は使用できないので、ゲームを買う際は注意。
  • 割と人気があったのか『満腹!!鍋家族』『やきとり娘~スゴ腕繁盛記~』といった後続作が出るなどシリーズ化されており、携帯アプリ版などもリリースされている。
  • 本ゲームには一切関係ないが、2001年9月にはアメリカのBSE問題により、牛角始め焼肉産業は大打撃を受けている。本ゲームの発売は2001年5月末なので、売り上げに影響したとは思えないが、焼肉ゲーを出すにはいささか間が悪すぎたと言えなくもないかもしれない。
  • 後にハムスターからゲームアーカイブスで配信され、2012年8月22日に一旦配信終了したが、2014年10月22日に再開された。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年10月20日 12:54

*1 そのお陰で当時購入した場合、実質2,400円と言える。