METAL GEAR SOLID

【めたるぎあそりっど】

ジャンル 戦略諜報アクション
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対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 2枚組
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメントジャパン
発売日 1998年9月3日
定価 7,140円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
※メタルギアソリッドコレクションで付与されたレーティングを記載
廉価版・配信 コナミ・ザ・ベスト:2000年4月27日(後述の『~インテグラル』と同時)
PS one Books:2002年1月24日
メタルギア20thアニバーサリー メタルギアソリッドコレクション(1・2・3・MGSPOセット):2007年7月26日
ゲームアーカイブス:2008年3月21日
判定 良作
メタルギアシリーズ関連作品リンク


概要

コナミの小島秀夫氏が手掛けたMSX2用ソフト『メタルギア』は「敵から隠れつつ進むゲーム」という発想から生まれ、ステルスゲームの概念を作った名作。その続編であり、コナミMSX2最後の作品となった『メタルギア2 ソリッドスネーク』は、さらに進歩したゲーム性とストーリーテリングの手法が評価され、「幻の名作」となった。

それから8年。PSで蘇ったメタルギアは、3D *1 になったことでより深みを増したステルスアクション、『スナッチャー』『ポリスノーツ』で培った映画的演出を盛り込んだ構成、そして米フォーチュン誌で「20世紀最高のシナリオ」と評される衝撃的なストーリーによって世界的なヒットを記録。小島氏の名が世に知られることとなった。

ストーリー

1995年、「OUTER HEAVEN蜂起」。1999年、「ザンジバーランド騒乱」。
そして21世紀初頭………

アラスカ、フォックス諸島沖の孤島、シャドー・モセス島の核兵器廃棄所で演習を行っていたハイテク特殊部隊「FOX HOUND」が突如として蜂起、島を占拠した。
数百の核弾頭を手にした彼等の要求は「伝説の兵士」ビッグボスの遺体。彼等は24時間以内に要求が受諾されない場合、核を発射すると通告してきた。
史上最大のテロ事件に、元FOXHOUND隊員ソリッド・スネークが呼び戻され、極秘裏に任務が下る。

核兵器保存庫に単独潜入、人質として囚われたDARPA局長、アームズテック社社長を救出、テロリストを排除、武装解除せよ。
タイムリミットは24時間。
スネークは独り再び戦場へと向かう。

特徴・評価点

グラフィック

  • プレイステーションの中では最高峰のグラフィック。
  • 複数のアングルを自由に切り替え可能としたのは世界初の試み。
  • 3Dになったことで、何も装備していない時はパンチだけではなくハイキックと一本背負いが使用可能になった。また、手すりから蹴り落とす、投げ落とすことでも敵を排除できる。また敵の後ろから投げを決めると首絞めになり、締め続けると死亡させることが出来る。

シナリオ

  • 「20世紀最高のシナリオ」と評されただけあって、その完成度は非常に高い。
  • 戦術核兵器、ヒトゲノム、クローン人間、現実世界の問題を組み入れたことで、単なるゲームストーリーではない、メッセージ性の強いシナリオになった。
  • 旧メタルギアシリーズの続編であるが、以前の作品の内容は無線の会話等で補完でき、設定が変更されている部分もあるため新規のプレイヤーでも今作のストーリーを理解できる。

キャラクター

  • 主人公のスネークは勿論の事、キャンベル大佐、オタコン、メイリンといった面々はいずれも個性豊かで魅力的な面々ばかり。
    • またキャンベルの姪であり、本作のヒロイン「メリル・シルバーバーグ」は『ポリスノーツ』で登場した「メリル・シルバーバーグ」が元ネタである。
  • 敵勢力であるFOXHOUND隊員もいずれも常人を卓越した面々でインパクトは絶大。特にリーダーであるリキッド・スネークはその不死身っぷりや数々の名台詞によりシリーズ屈指の人気悪役となった。
  • キャラクターの魅力を引き出しきった声優の好演。大塚明夫氏のスネークはあまりにも有名。
    • 小島監督がある作品を見たことにより、鶴の一声で抜擢されたエピソードがある。
    • また、謎の存在として現れるサイボーグ忍者の声を当てた塩沢兼人氏は、2000年5月10日に逝去。小島監督は塩沢氏の死を深く悼み、追悼の意味を込めて当時は開発途中だった『メタルギアソリッド2』で本来では作品に入れる予定は無かったが、本作に出演した際の声をデジタル編集して再登場させた逸話がある。また後の『メタルギアソリッド4』でも回想シーンで塩沢氏の声が使用された。

音楽

  • 有名なメインテーマを含め、ゲーム中の音楽はどれも演出を盛り上げるものとなっている。
    • またEDテーマである「THE BEST IS YET TO COME」はゲール語で歌われるボーカル曲になっている。

演出

  • 当時のゲームのキャラクターの会話は、ポリゴンキャラが棒立ちで行うものが主流だったが、動きを付けることで会話もドラマチックな演出となっている。
  • 敢えてプリレンダリングムービーを導入しない事で、ゲーム部分とのギャップを減らす事に成功している。
    • ムービーが使用されているのは、歴史の説明など実写映像などごく一部のみ。
    • この作品に限らず、MGSシリーズではプリレンダリングムービーを使用していない。
    • このことはスクウェアの『ベイグラントストーリー』にも影響を与えた。
  • ハードスペックの限界で、キャラクターの表情をポリゴンで再現出来ていない。代わりに体の動きとライティングの強弱によりキャラクターの感情を表現している。
  • サイコ・マンティス戦時には、当時のテレビにおける外部入出力画面に切り替わったと勘違いさせるメタ演出 *2 もあり、プレイヤーを焦らせた。

ステルスアクション

  • 本シリーズの戦闘は原則的に敵方が優位にある。そのためプレイヤーは敵に発見されないようにマップを進んでいく。
  • 発見されると危険モードとなり、一斉に襲われ、レーダーが使えなくなり不利な状況に陥る。
    • 危険モードになると、ガスが充満してライフが減少したり、脱出不能(実質ゲームオーバー)になる場合もある。
    • 危険モードが過ぎれば回避モードに移行し、回避モードが終了すれば潜入状態に戻る。
    • 見つかれば見つかるほどクリア時の評価は下がっていく。

こちらスネーク

  • ゲーム内で行われる無線会話はゲームを盛り上げるのに重要な役割を果たしている。
  • ストーリー進行の他に、武器やアイテムの詳細、ボスを倒すためのヒント等の情報が得られる。
  • いわゆる"ネタ無線"も多く存在する。非人道的な行動をした、道に迷ったなど発生条件も様々。音声設定(モノラル)に対しツッコミを受けるなどのメタな内容もある。

賛否両論点

  • やや過剰な演出とメッセージ性の強いシナリオによって、人によっては説教臭く感じる可能性がある。
    • 後の作品になるにつれて、映画的演出が拍車をかけている。本作も有名な映画などを意識した演出が多くある。

問題点

  • MG、MG2と同じ内容のギミック、シチュエーションが多い。
    • MG2から8年経過し、この作品からMGをやる人も多かったことを考慮したと思われる。
  • 難易度が高く、アクションゲームが苦手な人には敷居が高い。
    • 日本で発売されているMGSシリーズのHARD=海外で発売されているMGSシリーズのNORMALが今作の難易度(変更不可)となっている。
      • 難易度設定ができるインテグラル版、今作以降のシリーズをプレイする際、アクションに自信の無いプレイヤーはEASY(海外ではVERY EASY)からのプレイ推奨。
    • 潜入ではライフ、装備共に少なく即死トラップや強敵が出現する序盤が一番厳しくどちらも揃いゴリ押しが効き易い後半が楽とバランス面でも不安定。
      • 後半はレーダ使用不可地帯にクレイモア地雷、ガンカメラが配置と言ったトラップ等で難易度を調節している節が有り純粋な潜入とは言えない。
      • ただしコンティニューは無限に可能、無線によるヒント、ボス戦では必要アイテムはその場で入手可能等の救済措置があり、クリア自体は可能。なお旧MGシリーズから引き継がれたボス勝利後のライフ成長はゴーストバベル以降は不採用。
      • 後の作品と比べて攻撃手段に乏しく、敵に囲まれると為す術なくやられることも多い。その分、敵に見つからないように潜入するスリルはシリーズ中でも随一であるが。
  • ナスターシャ・ロマネンコ *3 の空気ぶり。
    • イベント会話が無く、ストーリーにも絡まないので他の人物と比べると明らかにキャラが弱い。後のストーリーでも端役的扱いで他の無線キャラよりも扱いが軽く彼女と一度も会話せずにゲームを終わらせた人も多いのでは…
      • 後のシリーズでも彼女が登場する事はない。
      • 後の作品ではこのポジションの無線キャラに重要な設定を付加させたりストーリーに絡ませる等していわゆる「死にキャラ」を無線キャラ内で出さない様に配慮されている。
      • 無線の内容は参考になるものや面白い物が多く、スネークの煙草やダンボールについての会話は必聴。
  • シナリオ、話の展開には矛盾点がない反面、伏線の張り方が露骨な部分がある。ところがプレイヤーがその展開を初見で見抜いたとしてもシナリオは一本道であり、「やらされ感」が生じる。ある意味では「映画的なゲーム」であるための欠点とも言える。
    • ちなみに、ゲーム内で「あと○○時間で核兵器が…」という話がよく出てくるが、実際のプレイ時間がそれを越えても展開に影響は無い *4
  • 無線の早送りができない。
    • ゲーム終盤になると凄まじい長さ&量の無線会話が繰り広げられるが、これを飛ばしたい場合はボタンを連打しなければならなかった。
    • 続編からスキップが出来る様になった。
  • ストーリー上、同じ場所を往復することが多い。
    • ショートカット等がなくイベント等も挟まるために周回する度に鬱陶しく感じやすい。
    • 更に、往復する理由のほとんどが「○○するために○○まで戻れ」といったもの。合間に無線会話を挟む以外にイベントもなく、面白みに欠ける。
  • 一部用語の取り扱いのミス。特に「劣性遺伝」という生物学用語が問題視される。
    • 「劣性遺伝」とは「発現(顕現)しづらい形質」のことである。しかし、劇中では、「(自分は)劣性な遺伝子ばかりを発現されたお前の絞りカスだ!」と敵がキレだし、「劣った遺伝子」という意味で使われている。これは生物学的には間違いであり、後のフォローも無いため混乱する。
      • 発売当時は誤用に近い状態だったが、後のシリーズになって「ビッグボスの兵士として優れた素養の因子である『ソルジャー遺伝子』をより発現し易くした方と、発現し難い方への意図的な遺伝子調整を施し、前者の性能を高める選別を行った」という解説がされた。現在はこうした「ソルジャー遺伝子が発現し難い≒劣性遺伝子のみを受け継いだ搾りカス」という意味で扱われ、一応は筋が通るようになった。
    • 「優勢遺伝」「劣性遺伝」と言う名前は本作のような誤解を発生させ、差別や偏見を生む原因になりかねないとして、日本遺伝学会は用語の改訂を検討、2017年9月、それぞれ「顕性(けんせい)遺伝」「潜性(せんせい)遺伝」に改めると決定している。
  • 一部のわかりにくい攻略法。
    • あるキャラクターと無線をするのに必要な周波数が「パッケージの裏に書いてある」というヒントがあるが、そのパッケージというのが実物の本作パッケージのことで、裏面の画面写真に載っている無線画面から周波数を知る必要がある。当時はこの謎が解けず、ゲーム内でアイテムとしての「パッケージ」を探し回るプレイヤーが続出。 *5
      • 一応、初代『メタルギア』からあるネタであり、コピーディスクだけを入手した人物(今で言う「割れ厨」)をプレイ続行不可能にするためのマニュアルプロテクトを兼ねている。ゲームショップでパッケージを見るだけでいいわけだが。
    • 2P側に差し込まれたコントローラーを使用しないと攻撃が命中しないボスもいる。こちらは数回無線を行えば答えが明かされる。
      • なお、本体側の故障で2P側端子が使えない場合、一度ゲームオーバーになってから再度無線を行うことで別の方法で解決できる。

総評

純粋なアクションゲームとして楽しめるのはもとより、ゲームをしながら同時に映画を見ている感覚になれる点で、当時は非常に新鮮であった。
後の作品ではムービーゲーと呼ばれることもある本シリーズであるが、本作はムービーの占める割合も程良く、良質なシナリオとキャラクターの魅力を引き出している。当時の業界では初の試みが多くなされ、後のゲーム史に数多くの影響を与えた点も見逃せない。


余談

  • クリア後に手に入るアイテムは2種類。あるイベントが分岐条件になっており、エンディングにも影響を及ぼす。
  • 前作同様、敵兵は落とし穴に落ちない。
  • 特定の場所を撮影すると心霊写真(スタッフの姿が浮かぶ)が撮れる。
  • 独房でパンツ一丁で倒れている兵士が海外版だとなぜかパンツも脱がされている。しかもご丁寧にモザイク処理まで施している。 *6
  • メイ・リン役の桑島法子氏がパーソナリティを務めたラジオ番組「CLUB db」枠内でラジオドラマが放送されたが、内容は本作のストーリーとは関係性が薄いものであった。
  • ゲームアーカイブスでDL販売が行われている。ただし、通常版は「アドベンチャー」でインテグラル(下記)は「アクション」と何故か違うジャンルに置かれているので探す際は注意(50音順やタイトル検索なら問題ないが)。
  • ゲームの名を冠したコナミ社債「メタルギアソリッド債」というものが発行され、社債の購入者には限定版パッケージが配布された。

この限定版ゲーム付き社債は次回作でも発行されている。


METAL GEAR SOLID INTEGRAL

【めたるぎあそりっど いんてぐらる】

※データはオリジナルと異なる部分のみ記載。

メディア CD-ROM 3枚組
発売日 1999年6月24日
定価 5,229円
周辺機器 ポケットステーション対応
レーティング CERO:15歳以上対象
※PS one Books版で付与されたレーティングを記載
廉価版 PS one Books:2003年11月6日
判定 良作

概要

追加要素を含んだ完全版。INTEGRALには「完全な」「欠けるところがない」などの意味がある。

追加・変更点

英語音声への変更

  • ただし音声は英語のみで、日本語音声は収録されていない。
  • これに伴い、英語字幕が追加された。
  • 中国の格言に関する会話が英語の諺の話題に変更されているなど、ごく一部日本語版と異なる部分がある。

難易度設定の追加

  • 後の作品にも実装され、アクションが苦手なユーザーもプレイしやすくなった。
  • VERY EASY、EASY、NORMAL、HARD、EXTREME(ゲームクリア後に解禁)の5段階。
    • EASYは無印版相当の難度、NORMALは海外版と同等の難度。HARDはレーダーが表示されないという制約がつく。
    • VERY EASYでは初期装備にサブマシンガン「MP5SD」がある。弾数無限、サプレッサー付きと反則的な性能を持つ。
      その代わり、クリアデータの保存はできない上に称号も表示されない。
      • 説明書には「戦闘を避け、敵に見つからないように潜入することを忘れないように」とも明記されている。
    • 最高難度のEXTREMEでは、HARD同様レーダー非表示・敵兵の視界の長さ2倍・レーションが拾えない *7 ・ボス戦後の体力回復なし、と極めて厳しい戦いを強いられる。
      • さらに、一定の条件を満たしてクリアすると「BIG BOSS」の称号が得られる。その特典は後のシリーズでもお馴染みになる。

1P VIEW MODE

  • 主観モードへの切り替えが可能。主観モードのまま移動・射撃もできる。一部のイベントには対応していない。
  • BIOHAZARDシリーズのような、いわゆるラジコン操作に変わるため、走りながら後退(後ろ走り)できる。
  • 主観モード中は壁に張り付くことが出来ない。そのため、壁を鳴らして敵をおびき寄せることもできない。
  • イントルードモードでは通常プレイと変わらない上、PSG1など強制的に主観モードに切り替わる武器では装備を解除すると主観移動も解除される。
  • 難易度はNORMALのみ。
  • アイテムを取得するにはアイテムの上でしゃがまなければならない。

隠し要素の追加

  • 本作誕生の裏側と言える開発秘話が聞ける隠し周波数。なお、フロアを移動するごとに内容は異なる。
    • ボス戦中であっても聞けるのでいろんなところでかけてみよう。
    • 英語字幕に設定していても日本語字幕のまま。
  • 無印ではサイボーグ忍者のみだった隠しコスチュームが追加。スネークはタキシード、メリルはスニーキングスーツに変わる。
    • 隠しコスチュームは3周目で反映される。4周目以降は通常のコスチューム。

スペシャルディスク「VR-DISC」

  • 本編ディスクでVR訓練をプレイ出来なくなったが、ステージ数がボリュームアップして収録されている。
  • 単なる戦闘訓練のみに留まらず、ドミノ倒しの如く標的を倒したり、犯人をゴールへ引きずったりと遊び要素満載である。
  • 本編クリア後のデータで「生還記念写真撮影会」が選択可能になる。無線でお世話になったあのキャラを撮影できる。
    • クリア時の成績によって撮影できる距離が異なる。ちなみに被写体も変わる。
  • 本編クリア後にポケットステーションにデータをダウンロードさせることが出来、このデータを他のポケステと交換するミニゲームが存在する。
  • ある条件を満たすことにより、サイボーグ忍者を操作できるモードが出現。BGMは和風アレンジされている。
  • E3や東京ゲームショウで公開されたトレーラーも収録されている。