メタルギアソリッド

【めたるぎあそりっど】

ジャンル タクティカル・エスピオナージ・アクション
高解像度で見る 裏を見る


対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 2枚組
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメントジャパン
発売日 1998年9月3日
定価 7,140円
プレイ人数 1人
廉価版・配信 コナミ・ザ・ベスト:2000年4月27日*1
PS one Books:2002年1月24日
METAL GEAR 20th ANNIVERSARY
METAL GEAR SOLID COLLECTION:2007年7月26日
ゲームアーカイブス:2008年3月21日
レガシーコレクション:2013年7月11日*2
レーティング CERO:C(15才以上対象)*3
コンテンツアイコン 暴力
判定 良作
ポイント 20世紀最高のシナリオ
ゲームに映画的手法を取り入れた意欲作
ステルスゲームというジャンルを確立させた傑作
小島秀夫の名を世界に轟かせた名作
メタルギアシリーズ

概要

コナミの小島秀夫氏が手掛けたMSX2用ソフト『メタルギア』は「敵から隠れつつ進むゲーム」という発想から生まれ、ステルスゲームの概念を作った名作。
その続編であり、コナミMSX2最後の作品となった『メタルギア2 ソリッドスネーク』は、さらに進歩したゲーム性とストーリーテリングの手法が評価され、「幻の名作」となった。

それから8年。PSで蘇った『メタルギア』は、3D*4になったことでより深みを増したステルスアクション、『スナッチャー』『ポリスノーツ』で培った映画的演出を盛り込んだ構成で世界的なヒットを記録。
加えて、その衝撃的なストーリーが米フォーチュン誌で「20世紀最高のシナリオ」と評されたことにより、小島氏の名が世に知られることとなった。


ストーリー

1995年、「OUTER HEAVEN蜂起」
1999年、「ザンジバーランド騒乱」
そして21世紀初頭…

アラスカ、フォックス諸島沖の孤島、シャドー・モセス島の核兵器廃棄所で演習を行っていたハイテク特殊部隊「FOX HOUND」が突如として蜂起、島を占拠した。
数百の核弾頭を手にした彼等の要求は「伝説の兵士」ビッグボスの遺体。彼等は24時間以内に要求が受諾されない場合、核を発射すると通告してきた。
史上最大のテロ事件に、元FOXHOUND隊員ソリッド・スネークが呼び戻され、極秘裏に任務が下る。

核兵器保存庫に単独潜入、人質として囚われたDARPA局長、アームズテック社社長を救出、テロリストを排除、武装解除せよ。
タイムリミットは24時間。
スネークは独り再び戦場へと向かう。


特徴・評価点

グラフィック

  • プレイステーションの中では最高峰のグラフィック。
    • 3Dマップの造形も当時としては描きこまれたものとなっている。
    • ハードスペックの限界やプリレンダムービー非採用のこともあり、ポリゴンでは流石に顔の造形までは細かく表現できていないが、そこは影でそれっぽく表現している。
  • 複数のアングルを自由に切り替え可能としたのは世界初の試み。
  • 3Dになったことで、何も装備していない時はパンチだけではなくハイキックと一本背負いが使用可能になった。
    • また、手すりから蹴り落とす、投げ落とすことでも敵を排除できる。また敵の後ろから投げを決めると首絞めになり、締め続けると死亡させることが出来る。

シナリオ

  • 「20世紀最高のシナリオ」と評されただけあって、その完成度は非常に高い。
  • 戦術核兵器、ヒトゲノム、クローン人間、現実世界の問題を組み入れたことで、単なるゲームストーリーではない、メッセージ性の強いシナリオになった。
  • 旧『メタルギア』シリーズの続編であるが、以前の作品の内容は無線の会話等で補完でき、設定が変更されている部分もあるため新規のプレイヤーでも今作のストーリーを理解できる。

キャラクター

  • 主人公のスネークはもちろんのこと、キャンベル大佐、オタコン、メイリンといった面々はいずれも個性豊かで魅力的な面々ばかり。
    • 特にオタコンに関しては本作で高い人気を獲得して以降はスネークの相棒キャラとしてより人気を高めていき、『メタルギアソリッド』シリーズを代表するキャラの1人となっていく。
    • またキャンベルの姪であり、本作のヒロイン「メリル・シルバーバーグ」は『ポリスノーツ』で登場した「メリル・シルバーバーグ」が元ネタである。
  • 敵勢力であるFOXHOUND隊員もいずれも常人を卓越した面々でインパクトは絶大。特にリーダーであるリキッド・スネークはその不死身っぷりや数々の名台詞によりシリーズ屈指の人気悪役となった。
  • キャラクターの魅力を引き出しきった声優の好演。大塚明夫氏のスネークはあまりにも有名。
    • 小島監督がある作品を見たことにより、鶴の一声で抜擢されたエピソードがある。
    • また、謎の存在として現れるサイボーグ忍者の声を当てた塩沢兼人氏は、2000年5月10日に逝去。小島監督は塩沢氏の死を深く悼み、追悼の意味を込めて当時開発中だった『メタルギアソリッド2』で、本作に出演した際の声をデジタル編集して再登場させた逸話がある。また、後の『メタルギアソリッド4』でも回想シーンで塩沢氏の声が使用された。

音楽

  • 有名なメインテーマを含め、ゲーム中の音楽はどれも演出を盛り上げるものとなっている。
  • 危険フェイズの曲はメインテーマのアレンジで、かなりカッコいい曲に仕上がっており、『MG』シリーズとはまた違った緊迫感が味わえる*5
    • またEDテーマである「THE BEST IS YET TO COME」はゲール語で歌われるボーカル曲になっている。

演出

  • 当時のゲームのキャラクターの会話は、ポリゴンキャラが棒立ちで行うものが主流だったが、動きを付けることでより会話もドラマチックな演出にする事が出来ている。
  • 敢えてプリレンダリングムービーを導入しないことで、ゲーム部分とのギャップを減らすことに成功している。
    • ムービーが使用されているのは、歴史の説明など実写映像などごく一部のみ。
    • この作品に限らず、『MGS』シリーズではプリレンダリングムービーを使用していない。
    • このことはスクウェアの『ベイグラントストーリー』にも影響を与えた。
  • ハードスペックの限界で、キャラクターの表情をポリゴンで再現出来ていないが、代わりに頭や体の動きとライティングの強弱によりキャラクターの感情を表現しており、臨場感はたっぷりある。
  • サイコ・マンティス戦時には、当時のテレビにおける外部入出力画面に切り替わったと勘違いさせるメタ演出*6もあり、プレイヤーを焦らせた。

ステルスアクション

  • 本シリーズの戦闘は原則的に敵方が優位にある。そのためプレイヤーは敵に発見されないようにマップを進んでいく。
  • 発見されると危険モードとなり、一斉に襲われ、レーダーが使えなくなり不利な状況に陥る。
    • 危険モードになると、ガスが充満してライフが減少したり、脱出不能(実質ゲームオーバー)になる場合もある。
    • 危険モードが過ぎれば回避モードに移行し、回避モードが終了すれば潜入状態に戻る。
      • しかし、生物タイプの敵も危険モード中ではひたすら追いかけ、執拗に攻撃してくるので一筋縄ではいかない。隠れてもしばらくは辺りをうろついて索敵してくるし、こちらがダクトなどに逃げ込んだのが敵兵士にバレた場合、中にグレネードを投げ込んでくることすらある。
    • 見つかれば見つかるほどクリア時の評価は下がっていく。
  • 武器やアイテム選択の際、メニュー画面に移行するのではなく、専用のウィンドウを開いて選択するシステムになった。これにより、一々メニュー画面を開く煩わしさが無くなり、テンポ良く装備を選択できるようになった。

こちらスネーク

  • ゲーム内で行われる無線会話はゲームを盛り上げるのに重要な役割を果たしている。
  • ストーリー進行の他に、武器やアイテムの詳細、ボスを倒すためのヒント等の情報が得られる。
    • 現在の目的を忘れてしまっても、無線を使えば何をするべきかをすぐに教えてくれる。困ったときに無線連絡をするようにしていけば、ストーリー進行で行き詰まることはまずないといっていい。
  • いわゆる"ネタ無線"も多く存在する。発生条件も「非人道的な行動をした」「道に迷った」など様々。音声設定(モノラル)に対しツッコミを受けるなどのメタな内容もある。
  • 無線でのグラフィックは新川氏のイラストが使用されるので、当時のポリゴンキャラではできなかったキャラクターの表情を表現できている。

問題点

  • やや過剰な演出とメッセージ性の強いシナリオによって、人によっては説教臭く感じる可能性がある。
    • 後の作品になるにつれて、映画的演出が拍車をかけている。本作も有名な映画などを意識した演出が多くある。
  • 『MG』『MG2』と同じ内容のギミック、シチュエーションが多い。
    • 『MG2』から8年経過し、この作品から『MG』をやる人も多かったことを考慮したと思われる。
  • 難易度が高く、アクションゲームが苦手な人にはハードルが高い。
    • ライフ・装備共に少なく即死トラップや強敵が出現する序盤が一番厳しく、どちらも揃いゴリ押ししやすい後半が楽とバランス面でも不安定。
      • 後半はレーダー無効地帯や地雷・ガンカメラといったトラップなどで難易度を調節している節があり、純粋な潜入とは言えない。
      • ただしコンティニューは無限に可能であり、無線によるヒントや、ボス戦で必要なアイテムはその場で入手可能等の救済措置があり、クリア自体はさほど難しくはない。
      • なお、旧『MG』シリーズから引き継がれたボス勝利後のライフ成長はゴーストバベル以降は不採用になった*7
      • 後の作品と比べて攻撃手段に乏しく、敵に囲まれると為す術なくやられることも多い。しかしその分、敵に見つからないように潜入するスリルはシリーズ中でも随一である。
      • 海外(インテグラル)版によるとこの日本版の難易度はEASYに当たる。『MGS』シリーズにおいては海外版のEASY=日本内でのNORMALなのでHARDではない。
      • 最初のイベント戦闘である敵兵士ラッシュも慣れない内はかなり難しい。レーションを使ってゴリ押しすれば楽に攻略できるが、高ランク狙いでの制限有りプレイなどでは鬼門と化す。
      • 難易度設定ができるインテグラル版、今作以降のシリーズをプレイする際、アクションに自信の無いプレイヤーはEASYからのプレイ推奨*8
  • 無線で会話できる人物の1人、ナスターシャ・ロマネンコの空気ぶり。
    • フリーの軍事アナリストで、武器や戦闘に関してのアドバイスを担当する。無線の内容事態は参考になるものや面白い物が多く、スネークの煙草やダンボールについての会話は必聴。
    • しかしイベント会話が無く、ストーリーにも絡まないので他の人物と比べると明らかにキャラが弱く、最後まで端役的扱いで他の無線キャラよりも扱いが軽い。彼女と一度も会話せずにゲームを終わらせた人も多いのでは…。
      • 後のシリーズでも初代『MGS』の味方キャラの中で唯一彼女が直接登場することはなく、資料などで名前が出るのみに留まっている。
    • この反省からか、後の作品ではこのポジションの無線キャラに重要な設定を付加させたりストーリーに絡ませるなどして、いわゆる「死にキャラ」を無線キャラ内で出さない様に配慮されている。
  • シナリオ、話の展開には矛盾点がない反面、伏線の張り方が露骨な部分がある。ところがプレイヤーがその展開を初見で見抜いたとしてもシナリオは一本道であり、「やらされ感」が生じる。ある意味では「映画的なゲーム」であるための欠点とも言える。
    • ちなみに、ゲーム内で「あと○○時間で核兵器が…」という話がよく出てくるが、実際のプレイ時間がそれを越えても展開に影響は無い*9
  • 次回作以降はさらに巧妙な伏線を張ったり、あるいは単純なアクションストーリーにしたりと工夫した造りになっている。
  • 無線の早送りができない。
    • ゲーム終盤になると凄まじい長さと量の無線会話が繰り広げられるが、これを飛ばしたい場合はボタンを連打しなければならず、その反省からか続編から早送り、スキップが出来る様になった。
  • ストーリー上、同じ場所を往復することが多い。
    • ショートカットなどがなくイベント等も挟まるために周回する度に鬱陶しく感じやすい。
    • さらに、往復する理由のほとんどが「○○するために○○まで戻れ」といったもの。合間に無線会話を挟む以外にイベントもなく、面白みに欠ける。
    • ゲーム終盤の昇降機の往復が特に不評。昇降機に乗ってから到着するまでの間、十数秒に渡る移動時間を挟む。初回の戦闘と無線会話以外に何のイベントも発生しないにもかかわらずである。
  • メッセージが表示されている間、装備品の切り替えができない。
    • 一部のボス戦しか該当しないものの、台詞の字幕が表示されている間は装備ウィンドウを開くことができない。そこまで気になる点ではないが、後述のインテグラル版の高難易度モードだと、肝心なときにレーションが使用できないなど影響はある。
  • 一部用語の取り扱いのミス。特に「劣性遺伝」という生物学用語が問題視される。
    • 「劣性遺伝」とは「発現(顕現)しづらい形質」のことである。しかし劇中では、ある敵キャラクターが「(自分は)劣性な遺伝子ばかりを発現されたお前の絞りカスだ!」と怒鳴る場面で「劣った遺伝子」という意味で使われている。これは生物学的には間違いであり、後のフォローも無いため混乱する*10
      • 発売当時は誤用だったが、後のシリーズになって「ビッグボスの兵士として優れた素養の因子である "ソルジャー遺伝子" をより発現し易くした方と、発現し難い方への意図的な遺伝子調整を施し、前者の性能を高める選別を行った」という設定の解説がなされた。
      • 現在はこうした「ソルジャー遺伝子が発現し難い ≒ 劣性遺伝子のみを受け継いだ搾りカス」という意味で扱われ、一応は筋が通るようになった。
    • 「優性遺伝」「劣性遺伝」という名前*11は本作のような誤解を招きかねないとして、2017年9月より、日本遺伝学会はそれぞれ「顕性(けんせい)遺伝」「潜性(せんせい)遺伝」と改めている*12
  • 一部のわかりにくい攻略法。
    • あるキャラクターと無線をするのに必要な周波数が「パッケージの裏に書いてある」というヒントがあるが、そのパッケージというのが実物の本作パッケージのことで、裏面の画面写真に載っている無線画面から周波数を知る必要がある。当時はこの謎が解けず、ゲーム内でアイテムとしての「パッケージ」を探し回るプレイヤーが続出*13
      • 一応、初代『メタルギア』からあるネタであり、コピーディスクだけを入手した人物をプレイ続行不可能にするためのマニュアルプロテクトを兼ねている。ゲームショップでパッケージを見るだけでいいわけだが。
    • 2P側に差し込まれたコントローラーを使用しないと攻撃が命中しないボスもいる。こちらは数回無線を行えば答えが明かされる。
      • なお、本体側の故障で2P側端子が使えない場合、一度ゲームオーバーになってから再度無線を行うことで別の方法で解決できる。
  • ボス戦のやり直しが面倒
    • 本作のコンティニューは、特定のチェックポイントから再開する仕様であり、ボス戦でゲームオーバーになった際には戦闘になるイベントの直前から再開することになる。
    • そのため、独房の敵兵士戦では再開するたびにメリルが扉を開くまで待つことになり、マンティス戦では所長室に入ってからの長いやりとりを繰り返すことになる。
    • アイテムや体力不足で詰まないための措置であるが、何度もコンティニューすることになるであろう高難易度モードでは非常に面倒な仕様である。
  • ゲーム中盤に訪れる核弾頭保存棟1Fは、「廃棄核弾頭が壊れてプルトニウムが漏れたら大変なことになる」という理由により銃火器が一切使用できない特殊なマップである*14。当然敵側も同じ条件なので、危険フェイズ時には毒ガスを発生させてスネークを倒しにかかってくるのだが…。
    • 何故か敵兵は廃棄核弾頭などお構いなしで銃撃を仕掛けてくる。銃撃と毒ガスのダブルパンチは非常に痛く、スタングレネードなども使用できないため、ガスマスク無しでは発覚=死も同然である。「銃火器が使えないとは何だったのか」という思いを残したまま散ったプレイヤーも多いだろう。

総評

純粋なアクションゲームとして楽しめるのはもとより、ゲームをしながら同時に映画を見ている感覚になれる点で、当時は非常に新鮮であった。
後の作品ではムービーゲーと呼ばれることもある本シリーズであるが、本作はムービーの占める割合も程良く、良質なシナリオとキャラクターの魅力を引き出している。
当時の業界では初の試みが多くなされ、後のゲーム史に数多くの影響を与えた点も見逃せない。


余談

  • クリア後に手に入るアイテムは2種類。あるイベントが分岐条件になっており、エンディングにも影響を及ぼす。
  • 前作同様、敵兵は落とし穴に落ちない。
  • 特定の場所を撮影すると心霊写真(スタッフの姿が浮かぶ)が撮れる。
  • 独房でパンツ一丁で倒れている兵士が海外版だとなぜかパンツも脱がされている。しかもご丁寧にモザイク処理まで施している*15
  • メイ・リン役の桑島法子氏がパーソナリティを務めたラジオ番組「CLUB db」枠内でラジオドラマが放送されたが、内容は本作のストーリーとは関係性が薄いものであった。
  • 2008年3月21日よりPSストアでゲームアーカイブス版のダウンロード販売が行われている。PS3/PSP/PSVで遊ぶことが可能。
    • ただし、通常版は「アドベンチャー」でインテグラル(下記)は「アクション」と何故か違うジャンルに置かれているので探す際は注意(50音順やタイトル検索なら問題ないが)。
  • ゲームの名を冠したコナミ社債「メタルギアソリッド債」というものが発行され、社債の購入者には限定版パッケージが配布された。
    • この限定版ゲーム付き社債は次回作でも発行されている。
  • 本ゲームは元々3DO用ソフトとして企画されたが阪神・淡路大震災で神戸本社が被災してしまい中断。後に再開されるが、その頃には3DOが市場からほぼ淘汰されていたため、プラットフォームがPSに移された。
  • ステージ設計は実際にレゴブロックでジオラマを作って検討されることもあった。
  • 本作の拷問イベントは、失敗するとコンティニュー不可能でタイトル画面に戻されてしまうシビアなイベントである。
    • それを見越してか、プレイヤーがセーブを怠っていると、直前のマップでメイ・リンがセーブを推奨してくる他、拷問イベント時になんと敵であるオセロットが「セーブをしたのは随分前のようだな。またあの長い道のりを繰り返す気か?」と降伏を勧めてくる。

その後の展開


メタルギアソリッド インテグラル

【めたるぎあそりっど いんてぐらる】 ※データはオリジナルと異なる部分のみ記載。

メディア CD-ROM 3枚組
発売日 1999年6月24日
定価 5,229円
周辺機器 PocketStation対応
レーティング CERO:15歳以上対象*16*17
廉価版 PS one Books:2003年11月6日
配信 ゲームアーカイブス
2013年7月11日/600円
判定 良作

概要

追加要素を含んだ完全版。INTEGRALには「完全な」「欠けるところがない」などの意味がある。


追加・変更点

英語音声への変更

  • ただし音声は英語のみで、日本語音声は収録されていない。
  • これに伴い、英語字幕が追加された。
  • 中国の格言に関する会話が英語の諺の話題に変更されているなど、ごく一部日本語版と異なる部分がある。

難易度設定の追加

  • 後の作品にも実装され、アクションが苦手なユーザーもプレイしやすくなった。
  • VERY EASY・EASY・NORMAL・HARD・EXTREME(ゲームクリア後に解禁)の5段階。
    • EASYは無印版相当の難度、NORMALは海外版と同等の難度。HARDはレーダーが表示されない*18という制約がつく。
    • VERY EASYでは初期装備にサブマシンガン「MP5SD」がある。弾数無限、サプレッサー付きと反則的な性能を持つ。
      その代わり、クリアデータの保存はできない上に称号も表示されない。
      • 説明書には「戦闘を避け、敵に見つからないように潜入することを忘れないように」とも明記されている。
    • 最高難度のEXTREMEでは、HARD同様レーダー非表示・敵兵の視界の長さ2倍・レーションが拾えない*19・ボス戦後の体力回復なし、と極めて厳しい戦いを強いられる。
      • ボスの攻撃頻度や移動速度が上昇し、非常に手強くなっている*20。戦闘開始と同時に猛スピードで走り撃ちを始めるバルカン・レイブンの姿に絶望させられたプレイヤーも多いだろう。
      • さらに、一定の条件を満たしてクリアすると「BIG BOSS」の称号が得られる。その特典は後のシリーズでもお馴染みになる。

1P VIEW MODE

  • 主観モードへの切り替えが可能。主観モードのまま移動・射撃もできる。一部のイベントには対応していない。
  • 『バイオハザード』シリーズのような、いわゆるラジコン操作に変わるため、走りながら後退(後ろ走り)できる。
  • 主観モード中は壁に張り付くことが出来ない。そのため、壁を鳴らして敵をおびき寄せることもできない。
  • イントルードモードでは通常プレイと変わらない上、PSG1など強制的に主観モードに切り替わる武器では装備を解除すると主観移動も解除される。
  • 難易度はNORMALのみ。
  • アイテムを取得するにはアイテムの上でしゃがまなければならない。

隠し要素の追加

  • 本作誕生の裏側と言える開発秘話が聞ける隠し周波数。なお、フロアを移動するごとに内容は異なる。
    • ボス戦中であっても聞けるのでいろんなところでかけてみよう。
    • ちなみに英語字幕に設定していても日本語字幕のままになる。
  • 無印ではサイボーグ忍者のみだった隠しコスチュームが追加。スネークはタキシード、メリルはスニーキングスーツに変わる。
    • 隠しコスチュームは3周目で反映される。4周目以降は通常のコスチューム。

スペシャルディスク「VR-DISC」

  • 本編ディスクでVR訓練をプレイできなくなったが、ステージ数がボリュームアップして収録されている。
  • 単なる戦闘訓練のみに留まらず、ドミノ倒しの如く標的を倒したり、犯人をゴールへ引きずったりと遊び要素満載である。
  • ほとんどの訓練にタイムアタック要素がある。リプレイを保存することもできるので、やり込んで見るのも悪くない。
    • スコア一位の査定はかなりムラがあり、普通にクリアして5秒ほど余裕があったり、最速を意識してもギリギリだったりするが、一応全ての記録を塗り替え可能である。
  • 本編クリア後のデータで「生還記念写真撮影会」が選択可能になる。無線でお世話になったあのキャラを撮影できる。
    • クリア時の成績によって撮影できる距離が異なる。ちなみに被写体も変わる。
    • ランクが高いほど長時間撮影が出来、沢山のポーズを撮ることができる。撮影後半になると、キャラ崩壊気味なポーズを見せてくれることも。
  • 本編クリア後にポケットステーションにデータをダウンロードさせることができ、このデータを他のポケステと交換するミニゲームが存在する。
  • ある条件を満たすことにより、サイボーグ忍者を操作できるモードが出現。BGMは和風アレンジされている。
  • E3や東京ゲームショウで公開されたトレーラーも収録されている。
  • 訓練を攻略していくと達成率が増えていき、それに伴って新しい訓練やおまけ要素が開放されていく。
    + 達成率が100%になると…?
  • 達成率が100%に到達した直後に限り、続編である『MGS2』に関する画像が一度だけ表示される。

メタルギアソリッド(Win版)

【めたるぎあそりっど】 ※データはオリジナルと異なる部分のみ記載。

対応機種 Windows 95/98/ME
メディア CD-ROM 2枚組
発売元 Microsoft Game Studios
開発元 Digital Dialect
発売日 2000年9月24日
備考 日本未発売
判定 良作

概要(Win)

海外(北米・ヨーロッパ・アジア地域)で発売されたWin版。
タイトルは無印と同じだが実際の内容は『インテグラル』の移植。


変更点(Win)

  • コントローラー、キーボード、マウスに対応。
  • フィルタリングを使ったグラフィックの向上、1024x768の高解像度をサポート。
  • 一部のテクスチャの変更。
  • メモリーカードが使えないため、そのギミックを使ったボス戦に変更が加えられている。
    • また振動機能とそれを演出に使った部分は削除。
  • 開発秘話が聞ける周波数の削除。
  • クイックセーブ機能の追加。
    • セーブシステム自体は無線でのセーブと同じ仕様。セーブした状況そのままで再開できるわけではないので注意。
  • HDDの容量が許す限り写真を取れるように。
  • 難易度を問わず1P VIEW MODEをいつでも使えるようになった。
  • すべてのVRミッションと写真撮影会がすぐ遊べるように。
    • 撮影会の被写体は自由に選ぶことができ、撮影距離も最高ランクでクリアしたときと同様の距離まで移動できる。
      • ただし、撮影時間が5分に固定されているため、5分より後に設定されているポーズが見られなくなってしまっている。
    • トレーラーなどのおまけムービーは削除された。

余談(Win)

  • 2020年9月25日にGOG.comでWindows 10対応を施し配信が開始されたが日本からは購入できない状態になっている(日本語非対応)*21
    • 同時に『METAL GEAR SOLID 2:Substance』のWin版もGOG.comで配信開始されている。こちらも日本からは購入ページすらアクセス不可。
  • ミスか仕様かは不明だが、一部のBGMがPS版と異なっている。
    • 違和感大なのがボス戦で、オセロットとREX以外のボス戦がどういうわけか危険フェイズのBGMになっており、そのせいでボス戦の特別感がだいぶ削がれている。
  • フィルターが上手く機能していないのか、PS版のムービーで見られた画面のぼかしや色調変更などの演出が無くなっている。画像は鮮明になったものの、演出面は劣化してしまっている。
+ タグ編集
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  • ステルスアクション
  • メタルギア

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最終更新:2024年04月20日 11:11

*1 後述の『インテグラル』と同時発売。

*2 上記ゲームアーカイブス版のダウンロードコードが同梱。

*3 メタルギアソリッドコレクションで付与されたレーティング。

*4 タイトルの「SOLID」は訳すと「立体」であり、主人公がソリッド・スネークであることと3Dであることのダブルミーニングである。

*5 『MGS4』でもアレンジされて流れた。

*6 暗転した画面の右上に緑文字で「ビデオ」…ではなく、小島氏の名前である「ヒデオ」と表示される。

*7 ライフ成長自体は『MGS3』にて条件は違えど受け継がれた。

*8 ただし、『GZ』『TPP』ではそれもできなくなっている。

*9 ストーリー的には実はこれ自体は矛盾ではない(終盤でその理由も明らかになる)のだが、「誰の目にも明らかな矛盾があるのに誰も気付かない」というきわめて不自然な状況が発生する。

*10 ちなみに、英語版では「欠陥のある劣性遺伝子」と表現されている。

*11 この用語自体英語圏由来で、それぞれ「dominant」「recessive」と表現され、そもそも優劣という価値判断を含む意味を持たないものだった。

*12 改訂は本作がきっかけになった訳ではないが、学会曰く「自分の遺伝子配列が分かる時代だけに、これから勉強する人たちは新しい用語を使ってほしい」とのことで、時代が本作の世界に追い付いてきたと言えなくもない逸話である。

*13 ゲームアーカイブス版ではマニュアルにパッケージ裏の画像が載っている。

*14 ナノマシン操作により、システム上チャフグレネード以外の銃火器が使用できなくなる念の入れようである。

*15 ちなみに、この仕様は海外版ツインスネークスでも引き継がれている。

*16 現在のレーティングはCERO:C(15歳以上対象)。

*17 PS one Books版で付与されたレーティングを記載。

*18 レーダーの使い方の説明シーンは丸々カットされる。

*19 敵兵から奪うことは可能だが、確実に入手できるとは限らない上、最大所持数は1で固定。

*20 スタッフによると、最高難易度のM1戦車は現実と同等の強さらしい。

*21 そもそも日本のIPアドレスからは購入ページにすらアクセス不可。