悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲

【あくまじょうどらきゅらえっくす げっかのやそうきょく】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
セガサターン
Xbox 360
iOS9以上
Android 4.4以上
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント東京(PS)
コナミコンピュータエンタテインメント名古屋(SS)
メディア CD-ROM1枚(PS/SS)
ダウンロード(Xbox 360/iOS/Android)
発売日 PS: 1997年3月20日
SS: 1998年6月25日
Xbox 360: 2007年7月25日*1
iOS/Android: 2020年3月4日
定価 PS: 5,800円
Xbox 360:800マイクロソフトポイント
iOS/Android: 370円(税込)
配信 ゲームアーカイブス:2010年12月16日/600円
レーティング CERO:B(12歳以上対象) ※PS one books以降(ゲームアーカイブス含む)
CERO:C(15歳以上対象) ※Xbox 360版
IARC: 12+ ※iOS/Android版
判定 良作
備考 PSP『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』および
PS4『悪魔城ドラキュラX・セレクション』にも収録
※これらもレーティングはCERO:B(12歳以上対象)
悪魔城ドラキュラシリーズ


概要

前作、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の続編。輪廻同様、メイン開発者も萩原徹氏である。

本作のジャンルはアクションであるが、RPG要素が極めて強い探索型アクションRPGとなっている。
探索型のシリーズ作品としては『ドラキュラII 呪いの封印』以来である。


ストーリー

リヒター・ベルモンドが悪の神官シャフトによって復活したドラキュラ伯爵を倒して5年。
突如、リヒター・ベルモンドが行方不明になり、悪魔城が復活を遂げた。
行方不明になった義兄リヒターを探すために、マリア・ラーネッドは単身悪魔城に潜入した。
時同じくして、悪魔城の復活に気づき、ある人物が永い眠りから目を覚ました。
彼の名はアルカード。かつてラルフ・ベルモンドと共に、父であるドラキュラ伯爵を倒した男である。


特徴・評価点

  • ゲームを開始すると、まず前作『血の輪廻』ファイナルステージの悪魔城シリーズおなじみの最後の階段からゲームが始まり、プレイヤーが前作主人公リヒターを操作してドラキュラとのラスボス戦。
    • HPが0になってもマリアが助けに来てリヒターが無敵になりプレイを続行できるため、アクションが苦手でもいきなりゲームオーバーになる心配はない。
    • なお最初のドラキュラ戦は本編主人公であるアルカードの初期能力値を決めるキャラメイキング要素にもなっており、クリアタイム、ハートの数、サブウェポンの種類、残りHP、マリアに助けられると初期所持品に回復アイテム追加、など様々な要因が影響する。
  • ビジュアル・サウンド
    • ゴシックホラー調でまとめられており、描きこまれた背景・キャラクターデザインドット絵共に美しい。
    • BGMもその雰囲気を盛上げるのにあっており、礼拝堂・地下墓地・時計塔等、印象深いステージが多い。
      • 某ゲーム音楽板の「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」投票結果でも度々ランクインする。
    • 小島文美氏による耽美的なキャラクターのイラストは、本作の世界観や雰囲気にマッチしており、評価が高い。
    • 主人公のアルカードは、悪魔城ドラキュラシリーズとしては今までにない新鮮な主人公像として登場。キャラクターの人気を一気に高めた。
  • 豊富な探索要素
    • 探索できる悪魔城は広く、豊富なギミックを内蔵しており、それらを駆使する事で行動範囲が広がる過程は面白い。
      • 広いMAP、点在するセーブ部屋、探索とともに装備が充実し更にそれで探索範囲が広がるといった要素からメトロイドヴァニアメトロイド+キャッスルヴァニア*2)という通称ジャンルが浸透している。
    • 当初の目的は悪魔城を攻略することだが、実際には悪魔城は前半部に過ぎない。物語後半ではその悪魔城がそのまま上下反転した「逆さ城」という後半ステージに突入する。
  • 多種多様な要素
    • 非常に多くの要素が盛り込まれており、作り込みが凝っている。その分遊び応えがあり、飽きにくい。
    • 主人公アルカードの多彩なアクション
      • コマンド入力によりMPを消費して繰り出す必殺技、武器ごとの固有技、コウモリ・狼・霧への変身など、幅広いアクションが行える。
    • 豊富なアイテム
      • 従来と違い主人公は鞭を使わず、様々なアイテムを駆使して攻略していく事ができる。そのアイテム数が豊富で、あらゆる攻略方法を可能としている。
      • 武器においても剣・両手剣・杖・ナックル等様々。それぞれで異なった立ち回りをする必要がある。
      • 防具は強い弱い・属性がほとんどだが、姿形が全く変わって性能も急変する物も。
      • 40種類以上もの食べ物系アイテム。シリーズ伝統の「うまいにく」や、アイスクリーム・みそしる・ハンバーガーなどの世界観にそぐわないシュールな食べ物、食べるのにコツがいる(特殊な操作を要する)ピーナッツなど、実に豊富。それぞれに専用のドット絵や説明文が用意されている。
      • 装備するとアルカードのグラフィックの身長が高くなる「シークレットシューズ」などのネタアイテムも存在する。
    • 使い魔
      • 主人公に同伴し、回復や攻撃などのサポートを行うオプション的なキャラクター。
      • コウモリ、子悪魔、妖精、意思を持つ魔剣など様々な種類が存在する。ボイス付きの使い魔も数種類存在し、場を和ませてくれるようなユーモアに溢れた使い魔もいる。
      • 使い魔にも経験値及びレベルの概念が存在し、敵を倒すことでレベルが上がっていき、性能が強化される。この点でもやり込みの幅が広い。
    • ゲームクリア後の新規プレイでは、ゲームの進行度に応じた各時点でのプレイタイムが記録されるようになり、タイムアタックのやり甲斐がある。
    • 怪物図鑑と敵のドロップアイテム
      • 怪物図鑑は、これまでに出会った敵の情報を閲覧できるというもの。
      • 撃破された敵が一定確率で落とすドロップアイテムを入手すると、怪物図鑑にその敵のドロップアイテムの情報が記載されるようになる。これにより、怪物図鑑のドロップアイテムの情報を全て埋めるといったやり込み・収集要素がある。
    • クリア済みデータがある状態で特定の名前で開始すると、特殊な状態でゲームを開始することもできる
      • ゲーム開始時の名前を「X-X!V''Q」(前作『血の輪廻』でステージセレクトの裏技用の名前だった)と入力すると、運以外のステータスが異様に低い状態で開始される。運だけは恐ろしく高くなる上、運が上昇する装備品「ラピス・ラズリ」も最初から所持しているので、アイテムコンプリートを目指すのなら最適。
      • 最初からアックスアーマーのよろいを持っている裏技の名前もある。
    • キャラクター選択
      • ゲームクリア後は、『血の輪廻』の主人公であり本作にも登場したリヒター・ベルモンドを操作するリヒターモードで遊ぶこともできる(上記の裏技の一種になっており「RICHTER」と名前入力)。
      • リヒターの性能は探索型アクションというゲーム内容の変化に合わせてか、『血の輪廻』の頃と比べて基本性能が格段にアップしている。長距離を高速移動するスライディングやドロップキック、空中での無限アッパー(大ジャンプ)や無限タックル(空中ダッシュ)などの超人的な体術を標準で備えており、従来のベルモンド一族とは一線を画した爽快かつ変態的なアクションが可能となっている。
      • おまけキャラモードは探索型のシリーズに受け継がれて行くこととなった。大抵のおまけキャラは高機動、変態的な動作をするという面も共通している。
      • 後の移植作では、同じく『血の輪廻』のプレイヤーキャラの一人であり本作にも登場したマリア・ラーネッドを操作することもできる。
    • ファンサービス
      • 主人公のアルカードをはじめ、前作のキャラクターであるリヒターやマリア以外にも船頭や一部ボス等過去作品のファンならニヤリとする要素がちりばめられている。
    • ネタ要素
      • ゴシックホラーのシリアスな世界観を基調としながらも、所々にギャグのようなネタ要素が散見され、シュールな魅力となっている。
      • 前述のユーモラスな使い魔や、やたらと種類が多く時代設定を無視した食べ物など。
      • すぐそばに転がっている自分の頭蓋骨を追いかけて一生走り続けるスケルトン「サッカー・ボーイ」のシュールさや、一枚布に目・鼻・口の付いたお化けの「キュウ」といった雑魚敵も人気を博した。
  • 多彩な敵の作り込み
    • 140種以上の敵はグラフィックや行動パターンの使い回しが少なく、やたらと個性的で凝った作りになっており、プレイヤーの印象に残りやすい。
    • 今作から、敵やボスの大半が世界各地の伝説や神話などからの出典となった。図鑑の説明文も短くも凝っている。
    • 本体の邪悪な剣がいくつもの剣を操る雑魚敵「ルーラーソードLv2」は、ゴシックホラーらしいビジュアルの美しさやインパクトの大きさもあってか、PS版のパッケージ裏の画面写真にも載っている。
    • 一画面に収まらない巨大なボスも数体存在し、いずれもプレイヤーの印象に残りやすい。特に中盤から戦える大型ボス「レギオン」は、ビジュアル・サウンド・ギミックのインパクトがプレイヤーに強烈な印象を残した。
    • 2体(2種)1組で登場する敵もいくつか存在するが、これらの敵は2体で連携攻撃を繰り出してきたり、プレイヤーが片方を攻撃ないし撃破するともう片方がリアクションを取ったりと、行動パターンが凝っている。
    • 各敵の撃破演出も凝っている。妙に耳に残る断末魔をあげたり、なぜかブラックホールのようなものが発生して亡骸が吸い込まれていくなど。シンプルに燃え尽きたり爆発四散するような敵ばかりではない。
    • 驚異的な威力のビームを放つ「スケルトン・ビーマー」や、一定条件で雑魚敵らしからぬ大技を繰り出してくる「ティンマン」や「フローズンハーフ」といったサプライズ要素を持つ雑魚敵も。
    • 2Dのドット絵だけでなく、3Dグラフィックで立体的に動く敵も存在する。
  • RPG要素が強く、難易度も全体的に低めなので、従来の悪魔城ドラキュラシリーズのような高難度なアクションゲームを敬遠するユーザーでも楽しめる。
    • あくまで悪魔城ドラキュラシリーズ全般においての話である。やはり一部に難関や初見殺しの部分は存在する。

賛否両論点

リヒターの扱い

  • 前作において「一族最強の男」「最強のヴァンパイアハンター」「血の因縁は俺が断つ!」と言う様な肩書やキャッチコピーを掲げてさっそうと登場したリヒターだが今作では物凄い扱いが悪い。
    • 『血の輪廻』でのリヒターの良さを台無しにする物であり、人によっては今作に忌避感を持ってしまう事も。
      + 今作でのリヒター
    • 今作のリヒターは戦いを求めてドラキュラ復活を企み、悪魔城の城主として君臨すると言う暴挙に出る。
      • その姿はかつてドラキュラが語った「自分を復活させようとした*3欲深な人間共」そのものでありかつての英雄としての姿は見る影もなくなっている。
        • 一応、前作のボスであるシャフトに操られていたという設定で正規ルートでは正気を取り戻すが仮にも前作の主人公がいとも容易く悪堕ちし、今作の主人公に倒されるバッドルートまであると言う展開に釈然としなかったプレイヤーもいたと思われる。
    • 一方で「役目を終えたヒーローはどう生きればよいのか?」という今作のリヒターで描かれたテーマ性は重厚で骨太と評価する声も少なくない。アルカードとのやりとりもセンスあるセリフ回しや声優の熱演で非常にドラマチックで引き込まれるものになっている。
      • また、新たに描かれたダーク調の長髪のデザインや今作からリヒターを担当した梁田清之氏の演技、リヒター戦の音楽の「異形の血族」(『血の輪廻』の乾坤の血族のアレンジ)等は非常に好評であり、今作で彼のファンを増やした側面も大きい。

ビジュアル・サウンド

  • 評価する声がある一方、そのクセのある絵柄からキャラクターイラストを忌嫌する声もある。
    • デザイン的にもアルカードは悪魔城伝説とは別人に変化しドラキュラも老け、特にマリアは『血の輪廻』でのイメージからかけ離れて見た目が設定年齢の17歳にも見えないことから「マリアさんじゅうななさい」(37歳)とファンの間でネタにされることもある。
  • 音楽はCDになって多様化複雑化したこともあり従来のポップでキャッチーなドラキュラサウンドとは違う違和感もある。CDだった『血の輪廻』とも曲調は異なり、同じ場所を何度も行き来する探索型だからか、静かな落ち着いた曲も増えた。
    • シリーズ人気曲である「Vampire Killer」と「Bloody Tears」の2曲は無い(SS版新規ステージと360版エンディングでは「Vampire Killer」は流れる)。

ゲームバランス

  • ライトユーザーを意識してか全体的にヌルゲーであり、歯応えのある難易度を求めるユーザーからの不満もある。
    • 攻略の知識を持たない初回プレイならそれなりに歯応えを感じられる場面もあるのだが、ゲームに慣れるほどヌルゲーであることが分かってくる。HARDモードなどはなく、ゲームに慣れたプレイヤーがより高難度の遊びに挑戦できる余地が少ないのが問題。
    • プレイヤー側で難易度を底上げするような縛りプレイにより、ある程度シビアなバランスで遊ぶことはできる。
      • しかし、そもそも行動パターンからして弱すぎるボスがいたり、ボスを倒すとどうしてもレベルが大幅に上がってしまったり、偶然発生するクリティカルヒットと通常ダメージの威力の差が大きい(通常ダメージ1、クリティカルダメージが50を超える場合もある)ために大半のボス戦はクリティカル頼み(半ば運ゲー)になるなど、いまいちそういったプレイスタイルとの親和性が低い仕様となっている。
      • 特徴・評価点で述べたように、ゲーム開始時の名前を「X-X!V''Q」と入力すると、運以外のステータスが異様に低い状態で開始される。その場合は難易度が多少上がり、攻撃・ダメージのバランスは比較的良い。ただし運が高くなる分、クリティカルヒットのダメージは非常に大きくなるので、その点でゲームバランスが良いとは言い難い。
    • 前述の通り初回プレイならそれなりに手応えを感じられるので、ライトユーザー向けの難易度としては悪くないのかもしれない。
      • 一応、探索が不十分で、主人公があまり強くない状態で先に進めたり、無茶をしすぎると死ぬ可能性はある。序盤は回復アイテムもほぼ手に入らず、いつでも使えるHP吸収技はあるが事前情報なしのプレイなら使うのは図書館で技の情報を購入して入力コマンドを知ってからになるため、HP回復の手段はセーブルームへ立ち寄ることのみとかなり限られている。
      • ごく一部の敵の攻撃力は高めに設定されている。特にアイテムが配置されている直前の敵は強敵であることが多い。
    • 戦闘関連の難易度は低めな一方で、探索要素のやり応えはしっかりある。
      • 特定のアイテムをイベントもない場所で入手しないとゲームが進まなかったり攻略情報を持っていないと長期の探索を強いられることもある。だが、その場面は大抵バグや強引に突破することも可能なためプレイヤーのひらめき次第かもしれない。
      • トラップ関連のダメージは総じて高めに設定されている。
      • ただし長引く探索が結果的にLVUPを促し、尚更死ににくくなりボス戦でもゴリ押しが効きやすくなるという面もある。
    • ラスボスは弱いのだが、ラスボスと比べて非常に強くゲームクリアに必須ではない裏ボスは存在する。
    • リヒターモードではレベルの概念が存在せず、アイテムによるゴリ押しもできないので、難易度は比較的高め。
      • このモードはストーリー要素が特になくラスボスエリアに行ってボスに倒すだけのオマケモードの1つで、クリアしても特に何もない*4のが救いではある。
      • ステータスの強化は、特定アイテムの取得により最大HPの上限を増やすことしかできない。
      • ただし初心者の救済措置なのか、バランスブレイカーな攻撃手段は存在する。
  • 主人公の性能が高すぎる
    • 各種必殺技の発動中や発動直後は完全無敵なので回避手段としても利用できる。無敵状態のまま移動したり、画面全体を攻撃しつつHPを回復(吸収)するなどの強力な必殺技も存在する。しかも多くの必殺技は、無敵時間の切れる隙が全く無い。主人公の強化によりMPが増えてくると必殺技を連発できるようになり、非常に強くなる。
      • ただし必殺技はコマンド入力が必要なので、使いこなすためにプレイヤーの技術がある程度要求される。コマンド入力が苦手な人には入手しても使えない事も…
    • 霧に変身すると無敵になるのだが、特定のアイテムを入手すると、MPが続く限り霧になり続けることができるようになったり、霧の状態で敵に毒ダメージを与えられるようになる(ただし後者は本作最強クラスのボスを倒す必要がある)。
  • 強力すぎるアイテムの存在
    + 道中で普通に入手できるもの、敵からのランダムドロップ、クリア後のおまけなど入手方法は様々だが、入手すると一気にヌルゲー化するものもある。
  • シールドロッド+アイアンシールドorアルカードシールド
    • シールドロッドは盾の魔力を引き出すことができる武器(この武器とシールドを装備して両方の対応ボタンを押す)。ゲーム中盤で入手可能。
    • アイアンシールドは店で購入できる盾。シールドロッドで魔力を引き出すと、高威力かつ広範囲の連続攻撃を行える。MP消費も少なめで、中盤から終盤まで様々な場面で猛威を振るう。
    • アルカードシールドは通常は後半で入手できる盾*5。魔力を引き出した状態で構えていれば、接触する敵に連続で大ダメージを与えつつ自分の体力とハートが僅かだが回復、しかも回復中は完全無敵。攻撃・防御・回復の全てを一度にこなせるほど高性能、盾を構えて突撃するだけでドラキュラやガラモスも秒殺可能なので本作の最強武器は満場一致でこの盾であると言われる。
      とはいえ、発動の時点で膨大なMPを必要とし、盾を構えている間もMPを異常な勢いで持っていかれるため乱用は禁物である。
    • メニューを開かない限り長時間魔力開放効果が持続するので、構えを解除してMPを回復した後で再使用することは可能。また、効果の関係上サブウェポンが使いやすくなるので立ち回り次第ではこの欠点をカバーできる。
      • なお、盾の魔力引き出しのみが着目されがちなシールドロッドだが、入手時点ではそこそこの攻撃力を持ちモーションが振り下ろしで下方や後方にも当たり判定が発生するので武器として使ってもそれなりの効果はある。
    • 後述のアイテムがコマンド入力が必要、クリア特典、レアドロップといった制約がある中でこの3種は比較的入手しやすく、特別な操作が不要かつ高威力である事も使い勝手の良さに拍車を掛けている。
  • びぜんおさふね、まさむね
    • びぜんおさふねはゲーム後半に特定地点で拾える武器。まさむねはその上位互換武器であり、後半の雑魚敵・ブラックパンサーがランダムドロップする。どちらも攻撃力の高さに加えて、コマンド入力の固有技の性能が強力。
    • これらの固有技は前方一定範囲を連続攻撃するというもので、発動中は完全無敵。しかもMP消費量はゼロであり終了時の隙も無いので、無敵状態を維持したまま無限に連発可能。
    • アルカードの必殺技と同様にコマンド入力が必要なので、コマンド入力の苦手なプレイヤーにとっては固有技を駆使するのは厳しい。
    • なお、ゲーム後半で拾えるアルカードソードという武器も攻撃力が高く、似たような固有技を持つが、こちらの固有技はさほど高威力ではなくMPも真っ当に消費するので、比較的まともな性能となっている。
  • 一応まさむねはアルカードのステータス値が上がるまでは本来の攻撃力が引き出せず、若干火力が落ちるデメリットもあるが...
  • ジュエルソード
    • 攻撃力も低く振りも遅いネタ気味の武器だが、この武器でとどめを刺せればその敵のドロップアイテムが換金用の宝石に変化するという効果を持っており、少々時間を使うだけでかなり稼げ、回復アイテムなどが充実してしまう、といった意味で強力。
  • ヴァルマンウェ
    • 移動しながら余裕で振れるノーモーションかつ一振りで4HIT、しかも1HITの威力もそれほど低くないという装備。
      1本だけだと少々隙があるのだが、これは片手剣なので両手に一振りずつ持つことが可能。そうなると隙が完全になくなり、攻撃ボタン連打しながら動くだけで敵があっという間に溶けていってしまう。
    • さらに、複数で登場し常に空を飛び地形を無視して突っ込んでくる「キュウ」という厄介な敵のドロップ品なので、偶然手に入ってしまうケースも多い。
    • 後発の探索型の作品のいくつかにも登場するのだが、本作でやり過ぎた反動なのか、性能も見た目の派手さも減少傾向にある。
    • ただし無敵時間が無く、接近戦を強いられるという点で他のアイテムより一歩劣る。また、今作では「キュウ」の出現地帯は通る必要のないエリアでレアドロップなので手に入れるのに手間がかかるのが難点。
  • やすつな
    • こちらもノーモーションで連続して振れる装備。ヴァルマンヴェと異なり基本的には一振りにつき1HITだが、モーションが無いため連打だけでも十分なHIT数と火力を稼ぐことができ、一応単発の火力もヴァルマンヴェよりも高い*6。レアドロップであり出る確率が低く、ヴァルマンヴェと異なりエフェクトよりも真横の攻撃判定が狭い点、両手持ちであり防御力が下がる点が難点だが、攻撃判定が上方にも出るため真上や斜め後ろといった敵*7を迎撃しやすい利点*8や、ドロップする敵の「ウェアウルフ」の出現地帯近くにセーブポイントがあり手軽にリセマラしやすい*9利点がある。ウェアウルフ自体も数が多く、此方もヴァルマンヴェ同様偶然手に入ってしまうケースも多い。
  • ヘブンズルーン
    • ノーモーションで飛んで戻ってくる剣。
      1本だけだと少々隙があるのだが、これは片手剣なので両手に一振りずつ持つことが可能。そうなると隙が完全になくなり、攻撃ボタンを連打しながら動くだけで敵があっという間に溶けていってしまう。落とす敵はドードー。
    • ヴァルマンウェほど時間当たりのダメージは高くないため強敵の瞬殺はできないが、射程が長いため使い勝手は良い。
  • ヘブンズソード
    • ヘブンズルーンの下位という感じ。飛ばした剣は回転しながら戻ってくるが、その時の剣にも攻撃力がある。飛距離がルーンより少し短く、攻撃力は半分ほどだが、向こうと違って強力な必殺技があるため、かなり長く使える。ドロップする敵はフライングアーマー。比較的早い段階で出現するため、粘れば早いうちに2本揃えられる。
  • レーヴァテイン、オリハルコン
    • 攻撃力の高さに加えて、コマンド入力の固有技の性能が強力。
  • どくろの指輪
    • こちらはクリア後のおまけで、ラスボスを倒したあとに別のデータでプレイ(アナザープレイ)するとビッグ・がいこつが極稀に落とすようになるもののため、ゲームバランスの崩壊を免れてはいる。しかし装備すると全能力がどのアクセサリーよりも高く向上し、2つ装備すればもはや敵知らずな性能になる。
    • ヴァルマンウェ同様後発の探索作品にも登場するが、装備すると呪いの状態異常になるペナルティが付加されている等、やや扱いの難しい装備に変貌している。
  • デュプリケーター&おやじのいこう
    • 「能力にかなりのマイナス補正がかかるが、消費アイテムが消費されなくなる」デュプリケーターと「ノーモーションで画面内全ての敵に多段ヒットする強力な攻撃を放てる」おやじのいこうのコンビネーション。
      (デュプリケーターによる能力値マイナスがあるとはいえ)そこそこの威力の全体攻撃を連発でき、ゴリ押しでクリア出来る程。
      なおおやじのいこうを例に挙げたが、ランダムで食品系アイテムを入手できる「おしょくじけん」をこの方法で使うことで食品アイテムを量産するなんてことも可能。
    • ただし、デュプリケーターはクリア後のアナザープレイでしか販売されず、前述のジュエルソード等で意図的に金稼ぎしないと買えないほどの非常に高額なアイテムなので入手難易度は高く、入手する頃には必要がなくなる程強くなっていることがザラ。
  • 主人公のレベルが上がりやすく、その場所を攻略するのに十分なレベルまですぐに到達する。
    • これは、主人公よりも高レベルな敵を倒すほど得られる経験値に倍率が掛かることと、ボスから得られる経験値が大きいことに起因する(「1.25のレベル差乗」の倍率が掛かる)。
    • 一応、低レベルの敵を倒すほど得られる経験値は少なくなるという補正があるので過剰なレベル上げは行いにくくなっているものの、それでもある程度までは簡単にレベルが上がるので、ゲームバランスの調整措置としてはあまり活かされていない(「3分の2のレベル差乗」の倍率が掛かる)。
      • 上記の獲得経験値減少補正には、レベル99を目指す上でのレベル上げの作業感を増大させているという難点もある。レベル上げをやり込むようなプレイヤーにとっては、この補正は難点としての意味合いの方が大きい。
  • レベルアップによるHPとハートの最大値以外の能力上昇に運の要素が大きく絡む。
    • そのため、能力をあまり上昇させたくない場合でも、能力を大きく上昇させて最強を目指したい場合でも、理想の成長度合いでプレイすることは非常に困難。
  • 使い魔
    • 主人公のレベルの上がりやすさ・強さに比べて、使い魔のレベルはやや上がりにくい。使い魔のレベルが低いうちはあまり戦力にならないので、一部の使い魔以外は居ても居なくてもあまり変わらない。
      • だが、剣魔だけはレベルが高くなると攻撃力はそのままに追尾性能が加わるため「もう剣魔だけでいいんじゃないか」という事態になる。

問題点

  • アイテムの使用方法にやや癖があり、面倒くさい
    • シリーズお馴染みの回復アイテム「肉」に加え、前述の数多の食べ物系アイテムは、手に持つ装備品(武器や盾)と同じ扱いとなっている。
    • 前作までのように、拾っただけでは効果は発揮されず、また、メニュー画面から直接「使う」ことはできない(コマンドがない)。
    • 使うには、まず左手か右手の武器等を外してアイテムを「装備」し、一旦プレイ画面に戻る。そして該当するアクションボタンを押すとその食べ物が床に落ち、それを拾うことで初めて効果が発揮される。
      • このため、多くの敵に囲まれた時や、ボス戦などではいちいち食べ物を拾っている暇はなく、あまり有用ではない。
    • ポーション(HP回復)やアンカース(呪い回復)などの回復薬もいちいち装備する必要があるが、こちらはボタンを押すだけで即座に効果が発揮される。薬の方が使い勝手がいいという意味で差別化されてはいるものの、率直な所これですら無駄な手間の要求される迂遠な操作と言わざるを得ない。この挙動ならメニューから直に使用できても同じことで、操作の面でははるかに快適だったろうに。
      • ただし、一部の使い魔は、回復薬を持っていれば、アルカードの体力が減ってきたり状態異常に陥るとアイテムを使って回復してくれる。石化の治療や復活薬などは、アルカード自身が行動できない状態であるため、事実上の使い魔専用アイテムとなる。
    • アイテムを使いきると、右手や左手は「素手」(何も装備していない状態)になる。使い切らなかったなら該当のアイテムを持ったまま。いずれにしても、外した武器や盾は再びメニュー画面を開いて装備し直さなければならない。マジカルチケットもこの仕様なので、買い物を済ませたあとで装備変更を忘れ、敵を攻撃するときに武器でなくマジカルチケットを使用し戻ってしまうといった事も頻発する。
      • また、HP回復アイテムの1つ「ピーナッツ」は「食べ方にコツがある」と評されており、事実普通に使うだけでは効果を発揮しない。
        後述のPS4版では「ピーナッツを食べる」というトロフィーまで用意されるほど。
    • いずれも現実的と言えば現実的な仕様なのだが、ゲームとしては煩わしいばかりであって、面白さに寄与しているとは言い難い。
    • 後のSS版ではアイテム専用の装備枠「ホルダー」が設けられ、ボタン一つで使用できるように改善されている。
  • やり込み要素のひとつ「マップ踏破率」を最大にするのが面倒
    • 前半の悪魔城・後半の逆さ城両方のすべての場所を歩くのはもちろん、上下に広い空間のある場所は隅々までコウモリに変身するなどして回らなければならない。
    • 主人公を中心に一定範囲が踏破判定になるのだが、場所によっては天井に向かって大ジャンプし、天井に着地した瞬間オオカミへ変身してから即座に解除することで強引に頭の位置を高くする(一瞬だけ頭が天井にめり込む)などという、裏技めいた手段で範囲を広げなくてはいけない個所まである。それも複数
    • なお、表裏の合計は200%ではなく、200.6%という非常に微妙な数字になっている。SS版の追加マップはPS版に追加される形であったため、更に微妙な増え方(211.2%)をしている。
      • 踏破率は特定の防具の性能に影響するほか、196%以上でエンディングも変化する。更にSS版では最大まで上げるとセーブデータに「ALL」が付加される。
  • アイテムなどが豊富に存在する割には、クリア後にはそれらを引き継いで最初から始められるような要素は無い。
  • メニュー画面について。
    • メニューを開くとBGMが消えSE以外無音になる。
    • また、デザインが古いパソコンの画面の様な非常に簡素な物で全く作風に嚙み合ってない。
    • かなり後になってIGA氏本人の口から語られた事だが、納期に間に合わないためメニュー画面は開発中の状態の物をそのまま使いまわした為にこの様な形になったとのこと。
  • 攻略ルート・マップ移動の問題
    • 後発の探索型に比べると、マップの広さに対してワープルームの数が少なめで、マップの移動が容易ではない。
      • ワープもローテーション移動なので目的の地点に移動する手間がかかる、どのルームも構造が似ていて*10一々マップ確認が必要等の難点も。
    • どうしても一度通った道を戻らされる箇所が少なくない。
      • 特に城の中心部分のステージである「大理石の廊下」は立ち寄る機会が多い場所にもかかわらず、近くにワープルームが無い(最寄のワープルームはそこそこ離れた場所にある)ので移動がやや面倒。
    • アイテムの売買などが行える場所(図書館の主の部屋)は悪魔城の1箇所のみであり、更にはそこから最寄りのワープルームとの距離が離れており、気軽にアイテムを買いに行けない。
      • ちなみに怪物図鑑の閲覧もアイテムの売買同様、図書館の主の部屋に寄る必要があり、やはり気軽に閲覧ができない。
      • マジカルチケットというアイテムを使えば、どこからでも図書館の主の部屋までワープすることはできる。問題はそこからワープルームまでの移動がやや面倒なこと。
      • 売買に関してはもう1つ問題があり、宝石以外のアイテムは一切売ることができないため、強力なアイテムを集めて売り払い金を稼ぐ、という手が使えない。よって、金は宝石を売る以外では敵を倒して得るしか方法が無く、面倒になっている。
  • 逆さ城に設置されているアイテムの大半がクリアには不要で、探索のし甲斐がやや乏しい。
    • 前半の悪魔城では魔導器が入手できた場所でも、逆さ城の同様の場所に設置されているものはただの回復薬だったり、換金用の宝石だったり、HPやハートのMAXUPアイテムだったりということがザラにある。
    • 逆さ城のマップの広さに対して、アイテムや魔導器のバリエーションが追い付いておらず、開発期間が足りなかったのではないかとも考えられる。
      • 逆に言えば魔導器(特に移動に必要なもの)は悪魔城で揃うので、逆さ城では各地を回ってドラキュラに挑むルートを自分で構築できるということである(順当に弱い敵しかいないルートから進んでアイテムを入手して強化しつつ進む、必要なアイテムだけ集めてさっさとドラキュラを倒しに行く、等)。ドラキュラより強いボスや倒さなくても良いボスの討伐、強力アイテムの採集や回収といった面での探索要素はある。
  • 走るアクションが無い。
    • 悪魔城入場時のような早足での移動は出来ないので手早く移動するためには、標準で搭載しているバックダッシュを連発するか、狼や蝙蝠に変身して突進系のアクションを使う必要がある。
      • バックダッシュの連発は、カサカサと音を立てながら後ろ向きに高速移動するので非常に変態的。
    • SS版では追加アイテムで前方に走れるようになったが、歩きモーションのまま移動速度が速くなるだけなので違和感がある。
      • そもそも入手できるのは中盤。入手後は足場が悪い逆さ城なので走れる場所が少ない。
      • リヒターやマリア(SS/PSP版)はデフォルトでダッシュが可能、前者はその操作も方向キー2度押しで走り続けるタイプなので、アルカードにしても特に支障は感じられないので搭載しても問題がなかったように思うのだが…
  • 狼への変身を活かせる場所が少ない。
    • 高速移動の手段としては、(難しいコマンド入力が必要だが)空中を高速移動できるコウモリの方が汎用性が高い。逆さ城では足場が悪い場所が多いので、なおさら狼を活用しにくい。
      • 狼の高速移動が可能になる条件も厳しい。コウモリと違って狼は入手した時点では高速移動はできず、高速移動のためには特定のアイテムが必要になる。そのアイテムを入手するためにはコウモリが必要であり、また必ずしもコウモリ入手後に立ち寄る必要は無い場所という隠しアイテム扱いなので、人によっては入手せずにゲームをクリアしてしまう。
    • 前述の通り「踏破率の判定を広げるため必要となる」場面は存在するのだが、この怪しげな挙動を狼変化のメリットと言っていいかは疑わしい。これに関してはむしろ、狼形態が存在するせいで増えた余計な手間とすら言いたくなる。
      • 上述の通り本作のマップ踏破率は200.6%と明らかに半端な数値となっており、この「狼変化でマップを埋めることができる」こと、もしくは「逆さ城のマップ(ブロック図)が完全な180度回転ではない」ことがそもそも開発の想定外だった可能性も否定できない(ちなみに攻略本のインタビューでこの件について言及されており、少なくとも開発側もこの現象を発見はしていたようである)。
  • 怪物図鑑を埋められない場合がある
    • 一部の雑魚をスルーしたまま特定地点までゲームを進める、一部のボス戦でボスのみを攻撃して倒す等をすると怪物図鑑を埋められなくなってしまう。特にボス戦においては進め方次第ではアルカードがかなり強化されている為、気付かずボスを速攻撃破という事も起きやすい。
      • 図鑑を埋める事に対する報酬等はないのであくまで自己満足の範疇ではあるが。
      • 後述のPS4版では図鑑埋めがトロフィー条件になっているが、「(発見できない場合がある敵は除く)」と記載されている通り、これらの敵は登録に失敗してもトロフィーが取れるように考慮はされている。

バグ

  • 本作はバグが多いのも特徴である。
    • ほとんどのバグは普通にプレイする分にはまず発生しないことに加え、遊びの幅が広がるようなユニークなバグが多いので、ユーザーからは概ね好意的に受け取られている。
      • タイムアタックに利用できるバグも多く、ユーザーによって、バグを利用したタイムアタックなどのやり込みも研究されている。
      • 中には、リヒターモードでも真祖ドラキュラと戦えるといったような燃えるバグもあり、その時の展開がシュールなのは一部のコミュニティで話題になった。
    • アルカードはゲーム開始当初から強力な武器防具(上記のアルカードソードとシールドも含む)を装備しており、序盤でこれらの装備を奪われてしまう。しかしある方法により、これらの装備を奪われることなくゲームを進める事ができる。
      • いわゆるイージーモードのような遊び方が、バグにより可能になっていると言える。
      • その状況を再現するためには前述の弱体化スタート(ネーム「X-X!V''Q」)が必須……と思われていたのだが、とある方法を使うと通常のデータでも可能。
    • 本来その時点では到達できない・先に進めないような場所でも、何らかの方法を駆使して早期に到達・突破することができる(=シークエンスブレイク)。これによりストーリーの流れを無視した攻略ルートが生まれている。
      • 似たようなバグは以降の2D探索型シリーズでも度々発見されており、一種の伝統と化している面がある。
    • そういったネタ系でなくても有用なバグも存在しており、「宝石所持数に負のオーバーフロー*11を発生させれば先述のデュプリケーターを楽に買えてしまう」などの影響はある。
  • 本作のアルカードの台詞に「ドラキュラ城は混沌の産物だ」というものがある。これはある意味で本作のゲーム内容を的確に表した大変便利な言葉である。
    • つまり、探索型シリーズ全体においても、あらゆるバグやTASなどによるはちゃめちゃなゲームプレイが「混沌の産物」という言葉で納得できてしまい笑いになるという大らかさがある。このこともユーザーから探索型シリーズが親しまれる一因となっている。

総評

シリーズの新たな方向性を切り開き、2DアクションRPGとしても高い完成度を持った名作。
本作を大きな転換点として、以後の悪魔城シリーズは探索型RPGを中心としたシリーズになっている。

後述の各ハードに移植されており、特にPSN/XBLA配信版は購入が容易なので、気になる人は触れてみては如何だろうか。


移植・バージョン違い

  • 本作はPS版が初出だが、SS・PSP・Xbox 360(XBLA)・PS4・スマートフォンに移植されている。
    • PS版も初期版・重版(=第2ロット)・Best版(PS one Books版)と大まかに3種類のバージョンが存在し、それぞれ細部の仕様が異なる。
    • SS版は追加要素として新ステージ2つ、敵とアイテムの追加、マリア・ラーネッドが使えるようになっている。また初期状態からリヒターやマリアといったおまけキャラが使用可能。
      • SS版のマリアは通常攻撃に気弾攻撃(三段階溜め可能)や蹴り攻撃、コマンド入力で四聖獣召喚、強化サブウェポン(一度に斧×2等)、3段ジャンプ、ハイジャンプ、スライディングなどが使用できる。ダッシュはバックダッシュのみだが、スライディングで前方に早く移動できる。
      • 『血の輪廻』からの流用だったリヒターのグラフィックが今作のイラストに合わせたものに変更(オープニングで操作するリヒターは『血の輪廻』の最終面の再現であるためそのまま)。リヒターモードでは隠しコマンドでこちらのグラフィックに変更できる。
      • BGMも追加され、三大名曲「Vampire Killer」「Bloody Tears」「Beginning」が揃った。新曲「Guardian」の評価も高い。
      • SS版限定のBGMはサントラが出ていなかったが、「Bloody Tears」「Beginning」の2曲については「悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX」で初めて音源化された。
      • アイテム専用の装備枠「ホルダー」が出来、食べ物アイテムが使いやすくなった。反面、マップを見るにはメニュー画面から開かなければならなくなった。
      • しかしボス攻略参考映像「戦術指南」が無くなり、ロードも少し長い。半透明処理が無く(メッシュで代用)、グラフィックの質もやや低下している。
      • SS版の開発担当は『漆黒たる前奏曲』で悪名高いKCE名古屋(PS版スタッフは関与していない)だが、本作に関しては若干移植の仕方が粗雑ではあるものの良質な出来である。
        ちなみにSSのディスクをPCで読み込むと開発者からのメッセージが読め、PS版はハード特有の機能を存分に発揮して製作されているため、全く機能が異なるSSへの移植は難航したことが明かされている。
      • 後の移植にSS版の要素はほぼ反映されなかった*12こと、そもそもPS版と比較してあまり売れなかったこともあり、現在の中古市場ではプレミア化の一途をたどっている。
  • 360版は当初、海外販売PS版を元にしていたためユーザーから批判を受けた。そのため、国内販売PS版ベースで改めて配信がされている。
    • 海外販売PS版ベース、国内販売PS版ベースのいずれも実績にも対応で、双方は別実績となっている。SS版の追加要素は無い。
    • なお、360版はスタッフロール曲が異なる以外はPS版と同内容にもかかわらずレーティングが15歳以上対象に跳ね上がっているという理不尽が存在する。
    • 2016年5月にXbox Oneの後方互換に対応した。
  • PSP版はSS版とは違う性能のマリア・ラーネッド*13が使える。ショップにアイテム*14とサウンドテストが追加。さらにボスが1体追加されており、「戦術指南」も新規に追加されている。
    • なお、PSP版は『Xクロニクル』の本編で隠されたアイテムを取ることで開放される隠しモードの一つとなっている。
    • ちなみに、本作で海外においても国内版ベースに変更されたほか、ローカライズも新規に作り直したものとなっている。
  • ゲームアーカイブス版はBest版の移植だが、アイテムの価格のみPSP版を基準としている。また、解説書に下記のイラスト冊子が収録されている。
  • 2018年10月25日に『悪魔城ドラキュラX・セレクション 月下の夜想曲&血の輪廻』としてPlayStation StoreにてPS4向けのダウンロード配信が開始された。
    • PS4版は『血の輪廻』とのカップリングであるが、マリア戦の存在や使用キャラとしてのマリアの性能、中断機能の存在、効果音の違い、ED曲の内容などからPSP版の移植との事(フリーズするバグなどもPSP版そのまま)。
    • 加えて、同時に収録されている『血の輪廻』の存在もあってか、本作が収録されている『悪魔城ドラキュラXセレクション』の実態は『Xクロニクル』収録のボーナスタイトルのみを抜粋したゲームになっている模様。
    • 日本では賛否ある対応となった(参考)が、海外では『血の輪廻』だけでなく『月下』もPSP版で全面的にローカライズを作り直しているため、今更古いバージョンを出すわけにも行かなかったのだと思われる。
    • 元が2Dドットなので高解像度でも見た目は変わらないが、セーブルームのオブジェクトなど3Dで描写されたものは綺麗に表示されている。
    • 操作面についてはL/Rが2ボタンずつに戻ったにもかかわらず、PSP版にあった「霧変身は2つの変身ボタンの同時押しホールド」という問題はそのまま。
  • 2020年3月初頭にはiOS/Androidでもリリースされた。こちらもPSP版の移植となっている。
    • ハードの特性上画面上に仮想パッドを配置しているほか、必殺技(コマンド入力or奥義書購入後のもの)と変身はドラッグで選択/タップで発動の専用ボタンとなっており、PSP/PS4版にあった「霧変身はL+R押しっぱなしにしないといけない」点が解消されている。
      その一方、上述のシールドロッドを使うときの操作にやや無理がある。
    • クリア後の要素は最初から解放されている。
    • PS4版と異なり3Dで描写されたものは粗く表示されている。
    • 部屋の切り替わりごとにオートセーブが行われるが、これを頼りにしていると特定の仕掛けが動作しないなどの不具合が起きることがあるため、時折セーブポイントでのセーブを行いそちらからロードしなおすことを推奨する。
  • 「PS初期版・PS重版」以外の全てのバージョン・移植版では、一定の条件を満たすと使い魔の半妖精が「夜曲」という唄を歌いだす。
  • PS版はCDとして再生すると警告メッセージの後おそらく没になったであろう曲が流れる。これは他の作品には収録されていない。
    • SS版を再生すると警告メッセージがほんの少し長くなっているだけでこの曲は流れない。
    • PSの初期出荷版と重版には、過去の悪魔城シリーズのオープニング曲を収録した特典CDや、小島文美氏のイラストをまとめた冊子が同梱されている。
      初期出荷版には一部の敵がアイテムをドロップしないという微妙なバグがあったが、Best版以降は全て修正されている。
  • スタッフロール曲はPS及びSS版・360版・PSP/PS4/スマホ版でそれぞれ異なる。
    • このうち360版はPS2『キャッスルヴァニア』と同一のものとなっている。
    • PSP版からは完全新規曲となり、『Xクロニクル』のサウンドトラックに「夜曲」と共に収録されている。

余談

  • 使い魔のうち、隠しキャラ扱いの半妖精と鼻悪魔はそれぞれ妖精・小悪魔の同性能だが性格や見た目等の要素がかなり個性的。
    • 半妖精はパッと見単なる妖精の色違い*15だが、喋り方が少女のような可愛らしいものに。
      SS版以降のソフトでは前述の通り「夜曲」を歌ってくれる。
    • 鼻悪魔は見た目・セリフ全てがタイムボカンのパロディ実況おしゃべりパロディウスといい、当時のKONAMIはやたらタイムボカンを推している節がある。もちろんCVは八奈見乗児氏。
      ちなみに八奈見氏は通常の小悪魔も担当しているため、そのギャップを楽しむのも面白いかも。
  • 冒頭のリヒターとドラキュラの「滅びよ!」から始まるやり取りは、『血の輪廻』での倒した後のアニメーションムービーでドラキュラの身体が燃え尽きつつある中での会話を若干改変したもの。
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  • 悪魔城ドラキュラ

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最終更新:2024年03月05日 14:20

*1 海外では同年3月21日。なお、日本でもこちらが配信されていたが海外版準拠だったことによる批判により一旦配信停止され国内版ベースで作り直されたという経緯がある。

*2 悪魔城の英語版タイトル名

*3 悪魔城シリーズでは基本的にドラキュラは人間の手で復活している。

*4 360版及びPS4版では実績/トロフィーが存在する。

*5 通常ではゲーム開始からすぐに敵に奪われてしまうのだが、そのイベントを強制的にスキップするバグを使えば持ち運び可能。

*6 但しまさむね同様にレベルが低い内は火力が落ち、その場合の単発火力はヴァルマンヴェとほぼ同等。

*7 インプやアマラリックスナイパーなど。こういった敵が上方・後方から予想外のタイミングで来ていたとしても、やすつなであれば振り向く間もないうちに倒せる。

*8 ヴァルマンヴェも2本入手すればやすつな以上に火力のスキは無いが、2本分のドロップ運がいる事やボタンを2つ連打しなければいけない点ではやすつなよりも煩雑。また、ヴァルマンヴェだと上方&斜め後ろの迎撃範囲はやすつなに劣るため、場合によっては敵を避けづらい局面も。

*9 更に裏闘技場付近にはインプが大量にいるため、運を上げるラッキードラッグを調達しやすいというメリットもある。キュウの場合だとレベルが低い内は慣れるまでノーダメージで倒すのが若干難しい上に、セーブポイントが遠いので回復しに行きづらい。

*10 よく見ると最上部の彫像が異なるため、マップ名等と紐付けて覚れば若干マシになるが…。

*11 所持数0個のはずなのに1個売って255個所持にしてしまう、というもの。なおこの類の現象をアンダーフローと呼ぶ誤解があるが、(符号なし整数ではあるが)負のオーバーフローと呼ぶのが正しい。

*12 PS廉価版において「半妖精が『夜曲』を歌う」という要素が「挙動のみ」逆移植されており、これは後の移植にも引き継がれている。その他が移植されなかったことについては、PSP版『Xクロニクル』の攻略本の記述を読む限りではIGA氏の意向によるものだったようである。

*13 「SS版のマリアはイメージと異なる」というIGA氏の意向でDS版シリーズのスタッフによって作り直された。『血の輪廻』準拠のアクションが中心となり、SS版からかなり弱体化している。

*14 既存アイテムも消費税増加に伴う価格変更がある。

*15 妖精は青色の服、半妖精は緑色の服を着ている。