星のカービィ Wii

【ほしのかーびぃうぃー】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 HAL研究所
発売日 2011年10月27日
定価 5,524円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 【WiiU】2015年1月28日/2,700円
判定 良作
ポイント 11年ぶりの据置機用本編カービィ
本作のシステムが続編の基礎として確立
難産だったが長年待たせた期待に応えた名作
星のカービィシリーズリンク


概要

シリーズ20作目。据え置き機で展開される本編作品としては、2000年発売の『星のカービィ64』以来11年ぶりとなる。英題名は『Kirby's Return to Dream Land』となり、カービィシリーズの復帰を印象づけるものとなっている。
携帯機では新作やリメイクなど比較的多くの作品を展開していた他、またWiiでも『毛糸のカービィ』が発売されたが、こちらは外伝的な扱いであった(タイトルに「星の」が付かない)。

ストーリー

ある日のポップスターでカービィ達の前に謎の宇宙船が墜落しました。
カービィ達が宇宙船に入ると、そこには宇宙船の主、マホロアが倒れていました。
彼の話によると、墜落の際に宇宙船のパーツがポップスター中に散らばってしまったらしいのです。
カービィ達は彼を助けるためにパーツを集める冒険に出発しました。


特徴

システム

基本的な部分は従来、特にSFCの『星のカービィ スーパーデラックス』(以下『SDX』)に最も近い。ただし過去作から引き継いだシステムは一部調整が入っている。

基本

  • Wiiリモコン横持ちで操作する。ヌンチャクなど周辺機器は使用できない。
  • 十字ボタンで移動、1ボタンですいこみやコピー能力による攻撃、2ボタンでジャンプ。その他、ダッシュやホバリングなど、シリーズ通しての基本操作を受け継いでいる。
    • ホバリングは『64』と異なり、滞空時間に制限は無い。
  • Aボタンでガードを展開し、敵の攻撃によるダメージを軽減できる。SDX以来久々に登場したアクション。
    • ただしSDXのような鉄壁ではなく、中ボス以上の敵には接触時にもそれなりの削りダメージがある。このため、壁際に追い詰められたまま接触し続けると下手すれば削り殺される危険が生じるようになった。
  • 「がんばりすいこみ」が復活した。ただし『鏡の大迷宮』のそれとは少々仕様が違っており、すいこみ中にWiiリモコンを振ることで、広範囲かつ強力なすいこみが可能となる。
    • これにより複数の敵・オブジェクトや、これでしか吸い込めない一部の相手やブロックもすいこめる。
      • 後述するように本作には『コピー能力を持ち込めず、かつがんばりすいこみでのみ除去可能なブロックで道を塞いでいる』シーンが有るので、その使いこなしはコンプリートに重要ものとなっている。
  • 他にもWiiリモコンを振ることで操作する場面が多く出てくるが、「Wiiリモコンを振る」動作は「十字ボタンのレバガチャ入力」でも代用可能である。
  • 新たに「キャリーアイテム」が登場。その名の通り、カービィが持って使用するアイテムである。
    • このアイテムの使用時には移動方法が制限される(ホバリングなどが使えなくなる)上、コピー能力もごく一部の技を除いて使えなくなる。ただしその効果は非常に強力である。
    • 移動が制限されるので、それを念頭に置いた独特なコース設計がされている箇所があり、隠しアイテム部屋のミニゲーム的に使われる事もある。
    • マルチプレイ時には味方キャラにも判定があり、一部の攻撃が当たると跳ね返されるようになっている。ダメージはない。
  • ステージ上のアイテムとしては『タッチ!カービィ』から「ポイントスター」が復活。
    • 100個集めると1UPというスーパーマリオ・スーパードンキーコングシリーズでお馴染みの要素で、配置量がかなり多いためステージを進むだけでもガンガン残機が増えていく。

多人数プレイ

  • 4人同時プレイが可能、2P~4Pはデデデ大王・ワドルディ・メタナイト、または色違いのカービィを操作することができる。
    • それぞれ特徴が異なり、デデデ大王はハンマー(本体の性能は少々異なる)、ワドルディはスピアの能力とほぼ同じ、メタナイトはソードとウィングの合の子の能力(+α)となっている。
    • また、多人数時はくちうつし、合体攻撃などの連携テクニックも使うことが出来る。
  • 最大の特徴は「いつでもイン/アウト」と呼ばれる人数変更システムである。
    • New スーパーマリオブラザーズ Wii』等とは異なり、Wiiリモコンの-ボタンを操作すれば参加・離脱がプレイ中いつでも自由。かなり快適である。
    • 残機は全プレイヤーで共有し、参加時に1つ使用し、体力が最大で離脱時に限り還元されるようになっている。
      • 一度でもダメージを負ったまま離脱した場合は残機に戻らなくなるので、SDXや『3』の手順で体力回復に転用する事は出来ない。逆に、残機が0の状態でも体力が少ない状態での参加が可能。

コピー能力

  • 新たに「スピア」「ウィップ」「リーフ」「ウォーター」が追加された。
    • アニメ版星のカービィに視聴者応募のコピー能力として「ウォーター」があったが、それとは別物である。
  • 既存の能力の技数に調整が入り(増えたり*1、過去作の技が統合されるなどして)使いやすく、そして強くなっている。これは次回作からも受け継がれた。 過去作ではクリスタルのかけら・宝箱等の特殊なアイテムを集める為だけに使われていた能力もいくつかあったが、今作では大方の能力が実戦でも使えるレベルに強い。
    • 特にドロッチェ団で扱いの悪かった「ファイア(バーニング)」「カッター」「アイス」などの強化具合は顕著である。
    • また、ボスの種類が多彩で強力なこともあり、適正な能力がより明確になっている
    • 今回、コピー能力によりカービィの体色が変化する事はなく、すべて帽子により区別される。マルチプレイで色違いのカービィが登場することの影響と思われる。
    • なお「スパーク」は中身がほとんど「プラズマ」になっている*2
  • コマンド入力によりさまざまな攻撃が可能。
    • 基本的にはSDXに準拠しているが、多くの能力に上下方向への攻撃法が揃っている(ストーンの上+1でパンチ攻撃など)。
  • 無線コントローラー専用とはいえ、全体的に攻撃判定の発生が絶妙に遅い。安全プレイをしている分には気にならないが、タイムアタックでは置きや先読みを意識する必要が出てくる。これがテクニカルで面白い。

スーパー能力

  • 本作の大きな目玉要素である。光っている特殊な敵を倒すか吸い込むと手に入る能力で、一定時間だけ強力な技が使えるようになる。
    • 巨大な剣「ウルトラソード」、燃え盛る龍「ドラゴストーム」等をはじめとして威力・範囲ともに段違いの性能を誇り、一部の地形なども破壊可能。
    • 前述のキャリーアイテム同様、一部の能力は味方に当ててちょっかいをかけることも出来る。もちろんのけぞるだけでダメージはない。

収集要素

  • 「エナジースフィア」と呼ばれるアイテムを回収することで、宇宙船ローア内の部屋が開放されていく。
    • 基本的に回収は苦労しないが、例によってコピー能力を駆使しないと取れないものがある。
    • 集めた数に応じて、宇宙船内にてコピー能力を練習できるコピー部屋や、各種タイムアタック、およびミニゲームが解放される。

異空間ステージ

  • 一部のエナジースフィアは「異空間」という、いわゆる裏ステージにあたるエリアの奥に隠されており、スーパー能力で入り口を見つけなければならない。
    • 異空間内部では常に後方(あるいは上方)から壁が迫ってくる*3。そのため潰される前にどんどん先へ進む必要があるのだが、突入時にスーパー能力を含めたすべてののコピー能力は失われる
    • 道中はコピー能力を持った敵は一切いないが、がんばり吸い込みしか効かないブロックに阻まれたりなど、コピー能力のないカービィを使いこなせているかどうかを問われる場面が多い。マルチプレイでもカービィ以外は基本的に無力。
      • そもそもこの異空間は最深部につくまではコピー能力が妨げになるが。
    • 最深部ではステージによって異なる2種類の「コピーのもと*4」とたべもの1つが用意されており、その先に進むとエナジースフィアを守る中ボス「スフィアローパー」との戦いになる。道中でもボス戦でも全滅すると異空間の外へ追い出されてしまうため、勝つまで油断できない。*5
      • スフィアローパー達はゲームの進行に合わせて「 赤(炎) 緑(雷) 白(氷) 」と体色・属性が変化し、体力増強だけでなく細かな行動パターンも異なる。その上、同じ体色でもステージによって毎回ボス部屋の地形が異なるので、ものによっては落下死を招きやすい不安定な足場構成のほうが厄介なこともあり、スフィアローパーよりも地形こそが真の敵というケースもあり得る。もちろんスフィアローパーを倒せば地形は無力化するが。

難易度

ポイントスターによる残機供給のためか、ステージ自体に何気に油断できないものが多い。多人数プレイを前提に調整をした結果こうなったらしい。

  • ステージ
    • 難度上昇はゲームの進行に見合って平均的。
    • しかし序盤から仕掛けられている倒壊オブジェクト、転がる巨大物体などといった大型トラップから受けるダメージはその辺のザコキャラの2倍とずっと大きく、なかなか気を抜いていられない。
    • 中盤から終盤にかけては、通常ステージでも圧死に直結するギミックの登場頻度が増え、緊張感がかなり増す。
      • ちなみに2Dアクションのカービィシリーズで、強制スクロール以外のステージ中のギミックに挟まれて一発ミスになるのは(夢の泉のラスボスを除くと)64以来のことである。
    • 中ボスは画面端まで突進する個体が増えており、今までのようにジャンプを使わず完封できるほど露骨な安全地帯は消滅している。
  • ボス
    • 恐らくカービィシリーズの中でも高水準の実力派揃い。
    • 今回以降、ボスは全て体力が一定値を切ると一旦ひるみ、巨大化したりオーラを纏うなどの外見的変化を経てから攻撃パターンが変化する。
      • 最初のボスであるウィスピーウッズが良い例。巨大化するとPV等で見せていた超広範囲の吸い込みを使うようになり、シリーズの伝統であった死角の根元も決して安全とは言えなくなる。
      • それまで見せなかった攻撃を多く繰り出してくるため、見た目の変化とあわせて初見時のインパクトは抜群。体力が減ってからが本番とも言える。
    • 多人数プレイを考慮してか、形態移行中は殆どダメージが通らないなどボスの防御力がモーションに応じて大幅に増減する。そのせいで単なるゴリ押し戦法は通用しにくい。
    • 回避方法や威力などは異なっているが、過去作のボス達に似た技を使ってくる新ボスキャラもちょくちょくいる。ファンサービスの一種とも言えるだろう。
  • ボス戦の前に「コピーのもと」が置かれるようになった。これは次回作以降も引き継がれている。
  • 本作からミスになるとアイテムが復活するようになった。
    • この為、残機がある限り一部のエナジースフィアはミスすればやり直しがきくようになった。 エナジースフィアは命より重い
  • チャレンジステージ
    • エナジースフィアを集めていくと解禁されていき、ステージごとに決まったコピー能力(一部例外あり)を使ってコインを集めたり敵を倒したりして得点を稼ぎつつ制限時間内にゴールに向かう一人用のショートコース。
      • 得点によりランク付け(ブロンズ→シルバー→ゴールド…)がされるのだが、ゴールドのさらに上の隠しランクである「プラチナ」を取るのは至難の業。「コインを(隠し部屋にあるもの含めて)全て回収する」「敵を全滅させる」「ノーダメージ」「30秒までにゴール」以上をすべて満たしてやっと…というぐらい。
    • クリアさえすればメインゲームの達成%は増えるので、ランク自体はあくまでやりこみ要素。
    • のちに発売された『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』にはこのチャレンジステージを新たなコピー能力や遊び方で進化させた「もっとチャレンジステージ」が収録されている。
  • 隠し要素
+ そしてメインゲームをクリアしてエンディングを見る(達成率は100%でなくともよい)と…
  • SDXと同じようにボス達と勝ち抜き勝負ができる「格闘王への道」が出現。
    • 合間に最大数個のマキシムトマトで回復ができるのは同じだが、トマトボックスも一つある。「ヤバくなってきたけど回復するにはちょっと早いかな…」というときにバトルステージに持ち込んで、戦闘中の好きなタイミングにトマトを取って体力を回復させることもできる。
      • 単独プレイでは最初はカービィしか選べないが、一度クリアすると、単独プレイでも他のキャラを選ぶ事ができる。複数プレイなしでカービィ以外の三人が使えるのはここだけ。
    • タイトルやボス戦時のBGMはGC時代から発売を心待ちにしていた人にとっては心にくるものがあるはずだ。
  • ノーマルモードクリア率70%達成で「エクストラモード」も出現。
    • アイテムは減っていないが、カービィの体力がノーマルモードの半分程度に制限され、長丁場がきつくなる。
    • さらに道中の全ての中ボス(スフィアローパー含む)とボスの名前に「Ex」がつき、色などの見た目と攻撃方法が変わってノーマルモードより格段に強化される。
      • その他にもエクストラモードには敵の大きさが変化していたり、新たな敵が配置されている、アイテムのデザインが変わっているなどの細かい変更点がある。
    • チャレンジモードも制限時間が短くなり、コインや敵の配置などが微妙に変化していたりする。
  • エクストラモードクリア後は、「真・格闘王への道」で強化ボスと勝ち抜き勝負ができる。
    • このモードでのカービィの体力ゲージは通常モードと同じに戻るが、敵が強い上に回復に使えるマキシムトマトの個数も減っているため、完走が難しくなる。
    • おまけに終盤戦は箱トマトを持ち込めなくなり、このモードでしか戦えない「USDXで初登場したあのキャラ」に加え「強化された隠しラスボス」も立ちはだかってくることから、更に難度は上昇する。
  • サウンドテストもある。しかし、全ての曲が聴けるのはエクストラモードを100%クリアした後である。

評価点

ゲームバランス

  • 「カービィにしては終盤が難しめ」だが、シリーズの原則通りゲーム初心者の単独プレイでも(少なくともメインモードは)十分クリア可能である。『ボウル』や『あつめて!』のように完走や収集要素のどちらかが極端に難しいわけでもない。
    • チャレンジステージのランクや隠し要素など、手ごたえのあるコンテンツも用意されている。
    • ボスはある程度一定の行動パターンに基づいているので、繰り返し挑戦すれば攻撃のかわし方を見出せるようになっている。
    • ちなみに負けるごとにボスの体力が減るほか、5回以上負けるとトマトボックス*6が支給されるなどして難易度調整が行われる。後に『トリプルデラックス』でもこの仕様が採用されている(そちらでは「手心システム」という名称がつけられた。)
    • 残機はデフォルトで7からスタートし、さらにポイントスターの存在によって格段に増えやすくなっているため、ある程度は気にせずにチャレンジできる。仮にボス戦でゲームオーバーになったとしても、ボスに勝つ(かゲームをやめる)までは上記の調整は引き継がれる。

BGM

  • 今まで通り、石川淳・安藤浩和の両氏が担当。いかにもカービィらしい軽快でポップな曲が多いが、一筋縄ではいかないバラエティ豊かな曲が揃っている。
    • 今回はほぼ全てのコースに個別の曲やアレンジが割り当てられ、使い回しがほとんど存在しないという豪華な仕様となっている。収録曲数は100を超える*7
    • 終盤はとある理由で冒険の舞台が変わるのだが、それに合わせてマップ画面・コース内の音楽もガラリと変貌する。これはプレイヤーへの印象付けにも一役買っており、クライマックスが近いことをまざまざと感じさせてくれるようになっている。
    • 基本的に新曲が殆どだが、過去作のBGMも多くがアレンジされて使用されている。中には結構大胆なアレンジがされていて、よく聞かないと少々分かり辛いことも。
      • 本作の新曲の中でも「スカイタワー」等は特に人気が高く、後のカービィ作品やカービィ関連のイベントでも採用率が高め。
      • ラストバトルの曲「CROWNED」も、シリーズでは珍しい、ボスの攻撃パターンの1周目とある程度シンクロした展開もさることながら、シリーズのテーマ+本作のテーマをあわせた小メドレーとなっている点でもシリーズファンの心をがっちりと掴んだ。
        本作発売当時、この曲は桜井氏在籍中の作品も含めたカービィ作品中で屈指の人気を誇る曲だった。現在はその後の本編作におけるラスボス戦でこれに匹敵する人気曲が立て続けに登場したが、それまでは「これ以上のBGMは暫く出ないだろう」と言われる程であったという。勿論現在でも、その人気は全く陰りを見せていない。
    • ちなみに、いくつかの曲は2つで対になるような編曲がされている。サウンドテストで聞き比べてみるのも一興。
  • 多くの曲にGC版『星のカービィ(仮称)』のPVで使用されていたメインテーマのフレーズのアレンジが含まれている。
    • また、原曲も意外なところでまるまる使用されている。心憎い演出である。

ファンサービス

『あつめて!』ほどではないが、本作でもファンがニヤリとできる部分が多数ある。

  • ステージの名前は夢の泉からの伝統に準拠。
    • 「クッキーカントリー (Cookie Country)」、「レーズンルインズ (Raisin Ruins)」…と、頭文字を揃えた2つの単語で命名されている。
    • そして、全ステージの頭文字をつなげると…? これも夢の泉からの伝統である。
  • 『夢の泉』にあった「HAL部屋」が復活。
    • しかし場所、及びに入り口を出現させる条件は、元ネタ同様ものすごく分かりづらい。攻略本なしでは自力で見つけ出すことも困難。
    • 大抵のプレイヤーはエンディングのスクリーンショットでHAL部屋の存在を初めて知ることになるだろう。
  • ストーン能力の見た目のバリエーションに、『2』のリック・カイン・クー、『SDX』のマルク*8など、過去作のキャラクターが多数含まれている。
    • SDXで人気(?)だったマッチョ像も登場。ただし坂道でポーズが変わることはない。
  • コース設計にも旧作のそれを意識したオマージュが多い。
    • 特に終盤はこの傾向が顕著である。

賛否両論点

  • 収集要素であるエナジースフィアについて、コンプリートが簡単すぎるとの意見がある。
    • 同じく任天堂の『New スーパーマリオブラザーズ』シリーズや『ドンキーコング リターンズ』、従来の星のカービィシリーズと比較して、見た目で分かりやすい位置に配置されているため。
      • 前述した通り直前の中ボスから能力を手に入れて使う、キャリーアイテムを効果時間中にあるポイントまで持っていく、スーパー能力を使ってオブジェクトを破壊し、現れたディメンションホールから異空間ステージに行きスフィアローパーを倒す…などすっかりテンプレ化しているパターンが目立つ。謎解きや探索というよりはあくまでミニゲームによる収集要素といった感じ。
    • 一応、エナジースフィア*9を集めなくても最終ボスまではいける。
      • 次回作ではエナジースフィア枠とは別に収集要素を設け、そちらの隠し方を巧妙にすることでコンプリートの難易度を高めている。
  • ワドルディが仲間として登場するにもかからわず通常の敵としても登場するため、人によっては違和感を覚える。
    • 仲間のワドルディはバンダナを巻いているため、敵のワドルディとの区別は十分につく。
    • 『64』では敵としての登場はなく、代用のキャラクターとして「エヌゼット」が登場していた。
    • 後の本編でも『ディスカバリー』『スーパーレインボー』を除いて敵と味方、両方で登場する。
      • 前者はでは本作における「エナジースフィア」に相当するポジション、後者は純粋に味方として登場。代用キャラとしてそれぞれ「ガルルフィ」「コッタ」が登場する。
    • 一応、本作でもレベル6からは別の敵で代用されてはいる。
  • 中ボスの扱い
    • ギガトンハンマーだけ中ボスの「スーパーボンカース」からコピーするため、通常のボンカース*10の出番が登場するのが実質レベル2のステージ1とレベル5の中ボスタワーの裏ルートしかない*11今作で攻撃パターンが大幅に増えたが。
      • 終盤のボスがコピー可能な雑魚敵が投げつけてくる際はハンマーそのものが、スーパー能力がコピー出来る雑魚敵あるいは通常の雑魚敵、飛び跳ねるリンゴ*12などを召喚する際は光るハンマーが飛び跳ねるというやや強引な代用手段がとられている。別のコピー能力の強化版にしたほうがよかったのではないだろうか…
      • 「ハンマーをコピーできるボンカース以外の敵*13」は『ディスカバリー』でようやく初登場した。これは3Dアクション故にストーンを登場させるのが無理があったからかもしれないが。
    • 人によっては「スパーク」をコピーできる中ボスの「ドゥビア」は外見からコピーできる能力が「U.F.O」*14に見えてしまうため、違和感がある。
      • 「ソード」「ビーム」「ウォーター*15」は新しくデザインするしかない。「カッター」も「2」のワイユーはとても流用できない*16ものの、「スパークをコピーできる中ボス」なら「2」のマスターグリーン*17」でもよかったはずだが…
      • 一応、マスターグリーンはのちの作品*18に登場していない事を考えると忘れられていた可能性もある。
  • 最終ボス戦専用のコピー能力が事実上廃止された。
    • 今作では「SDX」「USDX」と同じく「マスター」「トリプルスター」「スターロッド」などに相当する能力がない。
      • 本作でシューティングステージはあるが「スターシップ」同様、厳密にはコピー能力ではない。
    • 「最終ボスでのコピー能力の自由度を確保」の可能性もあったが、前作やその前の「マスター」「トリプルスター」に関しては「他のコピー能力」や「コピー能力なし」でのクリアもできるようになっている。
      • この後の続編でも「最終ボス専用コピー能力」に相当する能力はあるが、ストーリーモード限定で、「ボスラッシュの最後で戦える裏ボス(最終ボス)」は未だに「通常のコピー能力」か「コピー能力なし」の2択となっている。
    • この為、最終ボス戦前の場所には通常のコピー能力の元が置かれるようになった。
+ ある新設定について(ネタバレ注意)
  • 『SDX』の大彗星ギャラクティック・ノヴァや『夢の泉』のスターロッドが、ローアと同じく古代住民の遺産であるという設定になった。
    • 新事実が明らかになったことを好意的に受け止める人もいれば、新設定が昔からあったものを飲み込んだことに不満を持つ人もいる。
    • しかしいずれも「ギンガをとぶキカイじかけの星」・「ユメをうむふしぎなアイテム」としか言及されておらず、「大彗星ギャラクティック・ノヴァ」や「スターロッド」とは別物を指している可能性も皆無ではない。
    • そもそも夢の泉については『SDX』の『銀河に願いを』の時点で、各惑星に存在している謎の描写があり(更にノヴァを呼び出すのにも使用している)、後に「ポップスター以外の星にも同様の施設が存在している」と『スマブラDX』のフィギュア名鑑にて設定が開示されるという一幕があったため、決して唐突な設定ではない。

問題点

  • Wiiリモコン横持ち以外のコントローラに非対応。
    • Wiiリモコンの他にもWiiリモコン+ヌンチャクやクラシックコントローラといった様々な操作形態によるゲームプレイもWiiの特徴の一つであるが、本作はWiiリモコン以外で操作することが出来ない。
    • ボタン自体はWiiリモコンでも不足していないが、キー配置の関係でガード(Aボタン)が使いにくいなどの問題が生じる。そのためガードの存在すら忘れてしまうプレイヤーもいる。
      • 他に横持ち時に余るボタンは少し押しにくい位置にあるBボタンしか残っておらず、Wiiリモコン横持ちのみでは限界を感じるところである。それだったら別のコントローラーにも対応させるだけで十分に改善されていただろうが…
  • コース数が少なく、もう少しボリュームが欲しいとの意見もある。
    • 単に数で比較するとFCの夢の泉より少ないが、その分本編ステージはやや長めに作られている。ただし、これは逆にエナジースフィアを取り逃した際のやり直しが嫌になる場合もある。
  • 複数プレイでないと本作の魅力を100%楽しめない。
    • デデデ大王・ワドルディ・メタナイトは複数プレイでのみ使用可能であり、単独プレイでの使用はストーリーモードやミニゲームではできない。
    • このためWi-Fiに対応させて欲しかったという意見が多い。その後もWi-FI要素に乏しいままだが。
  • EXモードは変化が乏しい。
    • 体力の最大が半分にはなるが、強化される敵は中ボス以上に限られてしまう上、他の敵も少し大きさは変わるものの変化は薄い。
      • 他の変化は「敵の配置が一部変わる」「異空間の壁や天井がやや早くなる」「ポイントスターの中心が空洞になる」くらい。
    • 地形も同じ。同時期に発売された「スーパーマリオ 3Dランド」や「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」裏モード同様、もう少し変化をつけて良かったのではないだろうか。

コピー能力関連

  • 謎解き用にコピー能力の制限がある場面が多く、コンプリートを目指しながら進める場合は、好きなコピー能力を維持し続けるのが困難。
    • 『3』や『64』でその傾向は顕著だったが、今作ではエナジースフィアが相当数存在する他、スーパー能力*19の仕様でそれまでのコピー解除を要求される場面もそれ相応に多い。
      • 次回作の「ビッグバン」はその前にコピーしていた能力はステージを出るとそのまま戻るようになった。
      • 中ボスが出ると、大概そのコピー能力を必要としたエナジースフィアが出る ので、これまた所持したコピー能力を捨てなければならない。
    • ただし、本作はコピー能力を外した星は他のコピー能力を得てもすぐには消えない他、キャリーアイテムとしての持ち歩きが効くため一時的に変えてエナジースフィア回収直後に取り戻す事は出来る場所が多い。
    • その他、謎解きの解法は1つだけとも限らず、コピー能力やプレイ人数*20によってはセオリーを無視したプレイが可能と、プレイヤー側のとれる選択肢は比較的広くなっている。
  • 使いづらい能力
    • 例としてニードルが挙げられる。謎解きに一切使えず、攻撃力はイマイチ高くはない。新たな技「チックもどき」「フォーリンスパイン」が追加されたものの、同じような技がスパークにもある為、差別化にはなっていない。
      • 突進技「ローリングタックル」が追加された、「ニードルアタック」で壁に刺さる事は出来るようになったが、前者は距離が短く、後者は動かなくなることに対するメリットがほぼない。
    • ただしいずれも「リスクに対してリターンが見合わない」で収まる範囲なので、全く使えないコピー能力は存在しない。
    • 逆に「ある技のみが最適解」というパターンが増える結果にもなっている。もちろん、ダメージを受けることなくその技を連発し続けるにはある程度のテクニックが必要ではあるが。
    • スーパー能力もはじめのうちは楽しいが、ウルトラソードを除いて何らかの操作を要求される上、後半になると単調気味になる。
      • スーパー能力発動時に初回はちょっとした演出が入るほか、2発目以降も一瞬ゲーム内の時間が止まるため、テンポを削がれるとして嫌がるプレイヤーも少なくない。
      • 特にミラクルビームに至っては機動性の悪い円形のビームを操作して目標をめがけて当てなければならないのでかなり扱いづらい。メーカーも自覚していたのか説明文に「クセある動き」と記載されている。
  • ボス戦の前に「コピーのもと」が置かれているのだが、攻撃よりも移動に使われることの多い「ハイジャンプ」が置かれている場所がある。しかもよりによって空中にいる事の少ないボスの前にしか置かれていない。
    • 本作では「中ボスの前に置かれている」という場所はない。スフィアローパーをはじめ、あれば便利になる中ボスもいるのだが…

不親切な要素

  • 一部のスフィア回収場所の再挑戦にやたら手間取る。
    • 一部のスフィア場所では一度失敗してしまうとステージを出ないと収集が不可能になる事がある。
      • 一例を挙げるとステージ3-3においてはあみだくじのようなエリアで道を間違えた際、激流で引き返すことができず、自滅に失敗した場合はステージを出ないと収集できなくなる。また、ステージ7-3では「前のエリアから鍵を持ってきてドアを開ける」為、次のエリアで鍵を紛失したら取り返しがつかない。
      • これらの場所は一度失敗すると自滅できなくなるため、結局はステージを出る必要がある。元々意図的に難易度と再挑戦にかかる時間を上げたのかもしれないが…
    • 前作の宝箱同様ではあるが、取り逃した場合でも途中でステージを出ると確保したスフィアは全て失効するのでゴールまで進んでいく必要性がある。
      • 一応、「ゴールしないとスフィアはセーブされない」と警告はされる。前作は警告されないままステージ選択画面に戻る。
  • 救済アイテムのトマトボックスが使いづらい。
    • キャリーアイテム共通の操作として、「触れると自動的に持ち上げる」「1ボタンで投げる」「しゃがみ+1ボタンでその場に置く」というものだが…
    • トマトボックスはさらに「投げた場合は時間経過でトマト出現」「その場に置いた場合トマトは出現しない」「投げ捨てた場合再度持ち上げることでトマト出現をキャンセルできる」という仕様が追加される。
      • このため、慣れないと「その場に置くつもりが投げてしまい回復したくないタイミングでトマト出現」「トマトが欲しくて投げたのに誤ってまた持ち上げてしまう」「投げてトマトが出るまでのタイムラグ中にとどめを刺される」といった事が起こり、思うように回復できないことがままある。
    • 次作『トリプルデラックス』では、体力0で自動回復、かつワンボタンで任意での使用も可能な新アイテムの導入で改善されている。

総評

発売までに実に長い時間(最初の発表から約7年)を要した本作は、シリーズ過去作の要素や新要素を多数取り入れつつも、「簡単だが骨太」という、期待を裏切らない実に星のカービィらしいアクションゲームに仕上がっている。
20作目という節目も合わせて、まさに『星のカービィ』の総決算と呼ぶにふさわしく、スタッフにとってもファンにとっても感慨深い一本となった。



余談

+ ボスキャラの詳細
  • 定番の大ボスキャラが少ない
    • デデデ大王、メタナイトがカービィの敵として出てくるのが今までの定番であったが、今回は味方なので敵としての出現がない。
      • 中ボスも既存のボスは前述の通りボンカースだけ、既存のボスもウィスピーウッズだけでMr.フロスティやファイアーライオン、クラッコやモーリィなどの「過去作でしばしば登場していた中ボス・ボス」は他には登場しない。
      • 今までの作品でも彼ら以外のボス敵はやや印象に残りづらい事が多かったが、仲間となったことで単純にその割合が増えたかたちになる。
    • マホロアやランディア等、印象に残るキャラも存在している。

発売までの経緯

  • かなり難産だった作品であり、長らくファンを待たせてきたことでも知られる。
    • 元々はゲームキューブ用ソフトとして2004年に発表され、2005年のE3にて数点のスクリーンショット、およびプロモーション映像が公開された。
      その時の映像がこちら。ちなみに、本編ではこの映像を知る人向けのファンサービスも存在する。
    • しかし一向に続報が入らず、発売予定カレンダーに名前のみが掲載され続けた。そして『スーパーペーパーマリオ』や『ドンキーコング たるジェットレース』と共に機種がWiiに変更される。だが、その後は情報らしい情報もなく、2010年7月に『毛糸のカービィ』と入れ替わる形で予定から削除される。このため、本作の企画は頓挫したと思われていた。
    • しかし、2011年1月の決算発表資料で復活。9月の「任天堂カンファレンス2011」で発売日と正式名称が発表され、同年10月27日にとうとう発売。実に7年越しの発売となった。
    • なお、本作に比べると『(U)SDX』みたいにコピー能力と対応したヘルパーが存在している、『3』のクリーン(帽子はアニメ版の基調)のコピー能力があると言った違いが見られた。この要素は更に後の据え置き機向け作品である『星のカービィ スターアライズ』に採用された。
  • ちなみに本作が出来るまでに、実に3本の作品が生まれては消えていったという経緯もある。 開発中止の理由は「我々の望んでいるクオリティを達成できなかったため」とのこと。
    • 上記のほか、2つめはいわゆる「箱庭版カービィ」、3つめは絵本調のグラフィックとなっているゲームとなっている。

その後の展開

  • マホロアはその後のカービィシリーズにも多数登場し、『スターアライズ』『カービィファイターズ2』ではプレイアブルとなった。
    • バンダナワドルディは上記2作でもプレイアブルキャラとなった。
  • 2021年にテレビ朝日で放送された「テレビゲーム総選挙」で本作が45位に選ばれた。全体で見れば大したことはないが、星のカービィシリーズの中では最高であった。
  • 「星のカービィ30周年」記念として、KADOKAWAから本作のノベライズ版「星のカービィ 天翔ける船と虚言の魔術師」が発売された。内容は基本的に本作がベースになっており、前日談が追加されている。
  • 2022年9月13日配信のNintendo Directにて、リメイク作品となる『星のカービィ Wii デラックス』が2023年2月24日にNintendo Switchソフトとして発売されることが発表された。
    • 本編作品のリメイクは『夢の泉デラックス』『ウルトラスーパーデラックス』以来で、本作の評価ぶりがうかがえる。
      • 新作ミニゲーム「ガンガンブラスターズ」「みつけて!マホロア図書館」のほか、過去作のミニゲームも一部リニューアルして収録される。
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  • 2011年

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最終更新:2024年03月24日 21:20

*1 ストーン、トルネイド、ニードルなどは初めて複数のわざが使えるようになった

*2 スパーク能力にレバガチャ要素が追加されたのは『参上!ドロッチェ団』だが、そちらとは異なりチャージ技の構成や使い勝手はSDXのプラズマに近い。これに限らず、本作以降のコピー能力は歴代作の能力を整理・統合した形にまとまった。

*3 星型弾「だけ」が横から迫る壁を押し返すことが出来る。がんばりすいこみで星形弾が大きくなるほど押し返しは強まるが、上から迫る壁を押し戻すことは出来ない。

*4 ただし、レベル8では片方がスリープの為、事実上1つとなる。

*5 ただし異空間の入り口は開いたままなので、スフィアローパーを倒すまでは何度でも挑戦できる。

*6 持って地面に投げることでマキシムトマトが出現するキャリーアイテム。戦闘中に回復可能かつ、ボックスやトマトが敵の攻撃に巻き込まれて消滅することもないので、非常に有用なアイテム。

*7 「サウンドルーム」に収録されている曲数は115。ただし10秒程度のごく短い曲も含む。

*8 ただし変身前の小さい方。

*9 最初の1つは取るのも探すのも全く苦労しないものの、取らないと先に進めない。

*10 今回唯一の既存の中ボス。

*11 一応、レベル7のステージ3でもウルトラソードで中ボスを一撃で倒せるエリアに1体出現する。

*12 ウィスピ―ウッズのものと同じく攻撃。

*13 一応、夢の泉の物語と夢の泉DXではヘビーモールの黄色いミサイルからもコピーができる

*14 今作は登場しない。

*15 ウォーターは「参上!ドロッチェ団」のバブーでもよかったかもしれないが

*16 登場した時には「ニンジャ」はなかったため、見た目が完全に忍者。ただし「ザンキブルからカッターをコピーしてエナジースフィアを取る」場所はニンジャでも代用が効く。

*17 ストーンも「ブロッキー」で事足りたはず(「あつめて」のミニゲームでは登場する。)だが、新規の「マウンデス」になっている。次回作以降ではブロッキーになった。

*18 テレビアニメ含む(ただしパイロット版では登場していた)に登場していない事から、忘れられていたのかもしれないが。

*19 異空間の場合、スーパー能力以外のコピー能力も持ち込めない。

*20 「ソード」「ハンマー」「スピア」は仲間を呼ぶ事での代用ができる。