戦国BASARA2

【せんごくばさらつー】

ジャンル スタイリッシュ英雄(HERO)アクション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 カプコン
発売日 2006年7月27日
定価 7,329円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
配信 ゲームアーカイブス:2013年7月17日/823円
判定 良作
バカゲー
戦国BASARAシリーズ



咲いて、暴れて、戦国乱世!



概要

戦国時代を舞台としながらもそのぶっ飛んだ設定と爽快なアクションで話題になった『戦国BASARA』の続編。
前作の方向性を受け継ぎつつ、システム、キャラクター両面での進化を果たしている。


特徴

  • 新たにセレクトボタンで発動する「挑発」が追加された。武将が隙だらけのポーズを取り、ポーズが終了すると周りの敵兵の数に応じてバサラゲージが回復する。
  • 戦極ドライブの追加
    • 敵を100体倒す度に戦極ドライブゲージが溜まり、戦極ドライブを任意で発動できるようになる。戦極ドライブを発動すると一定時間強化状態になる。
      • 発動中は通常技の攻撃速度上昇、被ダメージ1/4かつスーパーアーマー状態となり、体力が尽きても討死にすることはない。
        また、戦極ドライブ発動中のバサラ技は強化版の「究極バサラ技」となり、モーションこそ通常版と同様だか威力が上昇する。
        戦極ドライブゲージは最大3段階まで溜めることが可能。段階が進むごとに発動時間が延び、究極バサラ技の威力も更に上昇する。
  • 装備システム
    • 武将専用の「武器」、全武将共通「装飾品」に加え、今作では新たに武将毎の「防具」が追加された。また、今作ではキャラのレベルアップにつれて、アイテムを最大5個まで装備できるようになった。
      • 前作では特定のアイテムを3個組み合わせることでのみ効果を発揮する物が多く存在していたが、本作では全てのアイテムが単独で効果が発動する物に変更された。
        また、アイテムの一部は特定の個数を装備することによって、更なる効果が発揮される物も存在する。
      • 前作では特定のキャラクターのみに存在していた「固有アイテム」が全プレイアブルキャラクターに実装された。
  • また特定のアイテムには「レベル」の概念が存在する。戦場で同種のアイテムを獲得した際レベルアップして性能が向上することがある。
  • 小判およびバサラフィーバー・バサラ屋の追加
    • 攻撃の連続ヒット数が増えるほど、敵撃破時に小判を多く獲得できるようになった。
    • これに加えて、ヒット数が500を超えると一定時間「バサラフィーバー」状態に移行する。
      • 「バサラフィーバー」状態では攻撃ヒット時や敵の撃破時に大量の小判を獲得出来る他、攻撃が途切れてもカウントがリセットされない、連続ヒット数の増加、発動するとつづら等のアイテムが出現等々、恩恵も非常に多い。本作ではフィーバーの活用が鍵になる。
      • 積極的にフィーバー発動させたい狙いがあるのか、本作ではヒット数上昇系の装備が多く登場している。
    • 戦場で小判を獲得し、バサラ屋というショップで金額を支払うことでキャラの装備品を購入したり、キャラの能力を成長させられるようになった。
      • 更に前作では戦利品開封時で所持している物より下位レベルor重複していたアイテムは自動的に破棄されていたが、本作ではそれらが全てバサラ屋に売却され、経験値と小判に換算される様になった。
  • キャラクターの追加
    • 新規キャラクターとして「前田慶次」「豊臣秀吉*1」「竹中半兵衛」「宮本武蔵*2」が追加。
    • また前作で人気のあったCPUキャラ、「毛利元就(武器と属性は変更)」「長曾我部元親」がプレイアブルキャラとして参戦。
    • CPU専用武将も「片倉小十郎」「浅井長政」「お市」等が追加されている。
  • ゲームモードは「ストーリー」「天下統一」「自由合戦」「大武闘会」の4つ。オプションなどは割愛。
    • 「ストーリー」は前作になかったモードである。各キャラクター毎に固定の5~6ステージを物語を追うようにプレイしていく。
      • 各キャラクターのステージ4ではそのキャラの固有アイテムが手に入る。前作にも一部のキャラに存在したが、今回は全員に用意されている。
    • 「天下統一」は前作同様、各キャラクターの拠点からスタートし、隣接する国を攻め滅ぼして最終的に天下統一を目指すモード。
      • 新要素として特定条件を満たすともらえる「称号」が追加されている。単なるやりこみではなく、これを集めることで入手できるアイテムや隠し要素もある。
    • 「自由合戦」は文字通りクリア済みのステージを自由に選んで遊べる。相手の武将と同じキャラを選んでも問題はない。
    • 「大武闘会」も新しく追加されたモード。全100ステージを連続でクリアし、莫大な経験値獲得、最強武器と防具を目指す。
      • 10ステージごとにセーブとリタイアが可能。リタイアするとそこまでで得た経験値をもらうことができる。
        しかし、後半のステージほど1ステージごとにもらえる経験値は大きいので、できればリタイアなしでクリアしたいところ。
  • 各キャラに「衣装其の弐」が追加された。キャラクター性能はそのままに、外見だけを変化させられる。
  • 前作にあったバサラゲージ消費の固有技はなくなっている。
    • バサラゲージが2本ストックできる仕様はオミットされ、全体的にバサラゲージの最大値が上昇し、溜まりにくくなった。
  • 前作から新たにガードブレイクをさせやすくなる光、属性発動時に敵を引き寄せる風属性が追加された
    • 闇属性武器の効果が「攻撃時に体力を消費するが雑魚敵に攻撃を当てると体力を吸収する」から「敵に攻撃を当てると確率で体力を吸収する」という効果に変更された。

評価点

  • バカバカしさとシリアスさが同居した独特の世界観。
    • これは前作から変わっていないが、今回はストーリーモードが追加されたことにより各キャラクターの個性がより深く表現されている。
    • バカなキャラクターとしては…
      • 「まつ」は伝説の食材を求めて全国津々浦々を旅して回る。他のキャラクターと比べると極めて異質である。その結末は…。
      • 「ザビー」はすでに存在そのものがネタなキャラであるが、今回は「ザビ」つながりでギレン・ザビばりの演説をこなした後、信者を求めて各地を荒らす布教して回ることになる。特に新規信者の毛利元就のキャラクター崩壊っぷりは有名*3
    • 逆にシリアスに寄っているキャラもいる。
      • 「濃姫」は極北の地で「本能寺襲撃」の報を聞く。夫の元へと駆け急ぐが、その前には様々な障害が立ちふさがる。そしてついに明智光秀と対峙するが…。
      • 「いつき」は織田軍の襲撃を受け、燃え上がる自分の村を守る為に必死に抵抗するも、「興が覚めた」という理由で相手にすらされない。もはやなにも信じられなくなったいつきだが各地の侍と戦っていく中で変わってゆく。
    • CPU専用キャラもなかなか濃く、ステージの盛り上げに一役買っている。
      • 前作から続投の「北条氏政」「今川義元」「徳川家康」はもちろんのこと、ヤクザな見た目の政宗の右腕「片倉小十朗」、ダークな「お市」と堅物でどこか基準のずれた己なりの正義を盲信する「浅井長政」の正反対な夫妻や、筋肉軍団を率いる破戒僧の「本願寺顕如」に無口な用心棒「風魔小太郎」等々、プレイヤーキャラ以上にアクの強いメンツが揃っている。特に「片倉小十朗」はCPU専用にもかかわらず人気を獲得した。
    • ただ無茶な設定にするだけではなく、史実を踏まえた上で意図的に曲解しているのもポイント。元の史実を知っているとツッコミどころがより一層激しくなる*4
      • 例えば本作登場の豊臣秀吉は「」と呼ばれた小柄な男ではなく、同じサル目だからと言う理由で「ゴリラ」をモチーフにした巨漢として登場する*5*6。加えて北斗の拳のラオウのパロディまで加える魔改造。
      • キャラだけではなく、ステージにも史実に纏わるギミック・エピソードが多数揃えられている。特に、竹中半兵衛のステージ・稲葉山城に登場する「一夜城」は、誰しもが爆笑したことだろう。
    • どのキャラも人気の高い大物声優が担当。特に織田信長役の若本規夫氏*7や真田幸村役の保志総一朗氏*8などはイメージによく合っておりハマリ役と言われる。
      • なお、アニメ版も全く同じキャスティングである。深夜放送、かつ非全国放送にもかかわらず大物声優がゴロゴロ出演するので事情を知らない人はかなり驚いたとか。
      • ちなみに、あまり知られていないことだが敵兵士の役として小野大輔氏が出演していたりもする。
    • また前作からのプレイアブルキャラクターのうち既存キャラのコンパチだったキャラは攻撃モーションの書き直しと固有・BASARA技の変更が施され、ほぼ別キャラとも言うべき性能に。ただしNPCキャラは前作同様にコンパチ。
      • 前作のコンパチキャラのうち「まつ」は属性が新しく登場した風属性に変更、動物を駆使した固有技とバサラ技を獲得。いわゆるストライカー戦法を主体とするキャラクターへ。
        「かすが」は苦無とワイヤーを使った独特なキャラクターに変更。同じ忍者キャラである猿飛佐助との差別化に成功した。
    • さらに個性的になった登場軍。
      • 前作における各軍のモブキャラクターは衣装の使い回しが多く良くも悪くも個性的とは言えなかった。
        しかし、本作では衣装や攻撃モーションから各軍の差別化が顕著に見られる様になった。
      • 例えばシリーズ主役格の「伊達軍」の場合は一般兵の姿がリーゼントやマスクといったたたずまいで、プレイヤーを囲むと威嚇するような態度見せたりと「不良」のイメージを徹底的に固めている。
        本作の主役である前田慶次率いる「京都花街組」は祭りと酒が入ったテンションで異常に強くなる*9といった具合。
      • また、登場軍のうち「ザビー教」と「いつき一揆衆」の場合は発売前にモブ武将の名前を一般公募する企画も存在していた。
    • モブ武将でありながら登場シーンが挿入される上杉軍の直江兼続。無敵を連呼するだけのキャラだがモブらしからぬ存在感と演じる伊丸岡篤氏の熱演から妙な人気があり後のシリーズにもネタ成分を増やして登場する事になった。
      • この他にも戦隊ヒーローを思わせる五本槍も登場。登場シーン後にも名乗りを挙げたり、倒される寸前に必殺技を出してそのまま爆散するシュールな演出が多い。
  • 爽快感溢れるアクション。
    • なんといってもヒット数過剰なのが面白い。500ヒットぐらいなら適当に武器を振り回しているだけでも達成可能。
      装備を吟味し、かつそれなりの腕前があれば10000や20000ヒット、極めればカンストの99999も叩き出せる。
      • ヒット数が増えると獲得できる小判が増えていくので、成立させる意義はちゃんとある。小判が舞い散る様は非常に爽快。
      • また、純粋な攻略においてもバサラフィーバー中は攻撃力が上昇するため、小判抜きでも狙う意義はきちんと存在する。
      • ヒット数を主軸に置くことにより、無双ゲーで問題になっていた高難易度で敵が固くなって爽快感に欠けてしまうというデメリットが、敵が死ににくくなってヒット数を稼ぎやすくなるというメリットに昇華させることで解消している。それでもボスは固いが。
    • カプコン製のアクションゲームにしては珍しく難易度はかなり低い。隠し難易度「究極」でもそれなりに成長させたキャラを使えば初心者でも十分突破できるレベル。
      • スタッフのインタビューでは「アクションゲームが苦手な人でもプレイしやすいように、ジャンプをしなくてもクリアできるようにステージ作りを行っており、アクションゲームを多く手掛けているカプコンだからこそ、難易度を低めに抑えながら開発するのは難しかった」という旨の発言がある。
    • しかし、装備品を変えることで難易度を大幅に上げることが可能。以下難易度を上げるアイテム一例。
      • 愚か者の法…与ダメージ1.5倍、被ダメージ3倍化。敵も自分もすさまじい勢いで傷ついていくため、やられる前にやれを徹底する必要がある。
      • 上杉の塩…敵の体力が2倍になる。一見メリットがないように見えるが「死ににくい」のでより大量のコンボを叩き込めるようになる。
      • 呪いの隠し剣…ヒット数が+1、つまり2倍になるが被ダメージが3倍になる。また上位アイテムに「呪滅の隠し剣」がある。こちらはヒット数+2だが被ダメージはなんと5倍である。一撃ももらわないようにプレイする必要がある。
    • 面白いのは、こういった縛りアイテムでのプレイにきちんと明確なメリットが設けられていること。このため「初心者でもクリアは容易だが、上級者は縛りプレイで荒稼ぎ」という住み分けを果たした。
  • ネタアイテムが非常に豊富。
    • 前作に続き、全キャラクターに「お楽しみ武器(第七武器)」という奇天烈な見た目をした武器が用意されている*10
      • 前作の武器に加え、ほうきゲームディスクチョコバナナなど、相変わらず完全にネタに走ったものばかりであり、シリアス系武将がこう言った武器を振り回す様は爆笑もの。しかし見た目に反してハイスペックで、「難しい」クリア後に金さえあれば購入可能なので難易度「究極」がクリアできない人に対する救済措置になっている。奇天烈な見た目に敵が油断して弱体化するのだろうか。
      • 残念ながら(?)、今作はこれらネタ武器を上回る真面目な「第八武器」が登場した事で若干インパクトは薄れたが、それでもこのぶっ飛びぶりは他の追随を許さない。
    • 装備アイテムの方にも、よくわからないものが多数潜んでたりする。
      • 熱唱びわ…前作で好評だった「ステージBGMがOPテーマに変化するだけ」のアイテム。『マリオストーリー』のピッキョローン並みに役に立たないが、称号はもらえる。
        更に今作ではEDテーマを流せる「熱唱こと」と自キャラのテーマを流せる「つづみ」が追加された。
      • 四番の櫂…攻撃がヒットした相手を大きく吹き飛ばすので、飛び過ぎてコンボが続かない。上位アイテムに「王将の奇跡」があるがこちらは更に吹っ飛び距離が上がって更にナンセンスに!
      • ごますり棒…前作に続いて登場。合戦中、味方がごまをすった発言をしてくれるようになるだけのアイテム。先の熱唱シリーズと同じく、称号以外では役立たずなアイテム代表である。
+ ちなみにどんな発言をしてくれるかというと…

  • その他前作からの改善点
    • 前作ではゲージ仕様の関係で100以上のヒット数は無意味な物と化していたが、小判システムやバサラフィーバーが導入された関係でそれが解消され、上記の爽快感に繋がっている。
    • 装備可能アイテム枠が5個に増えた事や防具の登場による防御力の独立、全アイテムが単独で効果発動といったことによって、カスタマイズの自由度が大幅に向上。
      • 前作では特定のアイテム効果に依存していたキャラクター達も装備アイテム周りの仕様変更により、様々な戦い方が出来る様になった。
    • 前作では効果がボスに対して無効になる関係でリスキーな戦い方を強いられていた闇属性武器も効果が変更されたことによって扱いやすくなった。

賛否両論点

  • OP主題歌について
    • OP主題歌である「HIGH and MIGHTY COLOR」の『DIVE into YOURSELF』だが、『戦国BASARA』の世界観に合っていないという声が一部で聞かれる。これは前作OP&ED主題歌だったT.M.Revolutionの『crosswise』があまりにも作品にマッチングしていた事も大きいだろう。
      • その影響かは不明だが、以降の『戦国BASARA』シリーズでは殆ど全ての作品でT.M.Revolution、或いはT.M.Revolutionの西川貴教氏がボーカルを務める「abingdon boys school」がOPを手がける事になり、ゲーム作品で言えば本作はシリーズで唯一西川氏がOPを歌っていない作品となる。
      • PS2版以外では版権の事情か他の曲に差し替えられている。
    • その一方で伴都美子氏の唄うED『Brave』は評価されている。また、『DIVE into YOURSELF』も「シリーズの主題歌としてはともかく、慶次のテーマソングとしては合っている」という意見は多い。

問題点

他社シリーズとの関連性など企業問題についてはこの記事では扱わない。ゲーム自体の問題点のみを挙げていく。

  • 主人公キャラ、「前田慶次」の残念な扱い。
    • 漫画「花の慶次」などのイメージに近い「喧嘩と祭りが大好きな傾奇者(だが殺しはしない)」という比較的典型的な慶次像なのだが、「伊達政宗が英語を喋り、真田幸村が武田信玄と殴り愛、織田信長が巨大化して城を破壊し、本多忠勝に至ってはどこからどうみても某機動戦士」という世界観にあってはこの程度の傾き方は常識レベルなのであった。
      • ストーリーにおいても空気の読めない発言が目立つため、ついたあだ名は「KG」。にもかかわらず変な所で常識的なのであまり印象に残らない。
      • 他のキャラのストーリーの扱いでも、どちらかと言えば「情報を提供してくれる情報通」と言う脇役風の扱いが多い。
        最も多く出現する登場ステージがコミカルな「京都けんか祭」である点もそれを加速する。
        一応、本作初登場のボスキャラ豊臣秀吉と最も関係深いキャラ…と言う扱いの筈だが、その秀吉のストーリーに登場しないのも印象の薄い要因だろう。
      • 性能自体も決して弱いわけではないが、他の主人公キャラである伊達政宗、真田幸村に比べテクニカルで玄人好みな感が強い。
        特に他に類を見ない固有技、「恋のかけひき*11」を使いこなせるか否かで、慶次の面白さは格段に変わってくる。この辺も主人公らしくないところである。
    • ゲーム外でも、サブキャラのはずの元親や元就にグッズ化の先を越されたりしている。
    • 後のシリーズでは主人公を交代しているが、人気のある伊達政宗や真田幸村も同時に主人公の地位から退いているので、別に人気がないからと言う訳ではない…はず。次回作の『英雄外伝』から秀吉との友情を主軸にしたストーリーになっていきキャラ自体も深く掘り下げられている。
  • 前作同様モデリングが微妙で、どんなイベントでもキャラクターの口が動かない。このため喋っているように見えず妙な違和感を感じる。そのため腹話術と揶揄された。
    • いつきストーリーではいつきが涙を流すので涙は流せても口は動かせない、という変なことになっている。
      キャラの口を動かすのとキャラの外側に涙を流させるのでは、確かに後者の方が楽だが、不自然さは否めない。
      • 1作目ならともかく、2作目でも全く進歩していないのはさすがに厳しい感がある。
  • キャラクター間の性能バランスが悪い。
    • 名乗りからして「戦国最強」と意図的な強キャラとして扱われている本多忠勝は別にしても、それ以外のキャラクターに差がありすぎる。特に武田信玄と長曾我部元親が「弱い」とされる。
      • 武田信玄は、ほとんどの固有技のスキが極めて大きい。またパワータイプにもかかわらず通常攻撃の威力がさほど高くない。更に前作からバサラ技の性能が大幅に劣化している。
        このキャラのバサラ技は「周囲に隕石をばらまき、その間信玄本体は無敵状態で自由に行動できる」というものなのだが、隕石の密度が大きく減少し命中精度が非常に悪くなっている。
      • 長曾我部元親は、攻撃力がかなり低い。
        敵を拘束する技や攻撃と同時に挑発してバサラゲージを貯める技、高速で移動しつつ同時に攻撃する技などが用意されているので本来はテクニカルなキャラとして設定されたのだろうが、拘束技はすぐ出るので連発できるが肝心の拘束時間が短く繰り返し使うことになり面倒で、挑発技はスキが大きすぎて使えず、移動技はジャンプ時と方向転換時しか攻撃判定が存在しない(しかも威力が低い)とロクな技がなく、結局チマチマとスキの少ない攻撃技で攻めていくことになる*12
      • 片や戦国時代を代表する名将、片や前作から高い人気を誇り満を持しての参戦。なのに、この扱いはどういうことであろうか。
      • また島津義弘もプレイヤーが使用した時に限り「通常攻撃の一撃目を外すと以降の攻撃ができない」という欠点がある。しかもこの一撃目の出が比較的遅い。
        固有技は敵をなぎ払って吹き飛ばしてしまうもの*13、遠距離攻撃、絶大な威力を持つはずだがスキが異様に大きくまずあたらない単発技といったもので通常攻撃と共に利用するのも困難。
      • とはいえ前述の通り難易度は低いので、これらのキャラを使用したからと言ってクリアできないということはない。
  • 固有技のバランスにもやや難あり。
    • 他の固有技に比べて性能が高いためほぼ装備が固定されたり、逆に性能が低いためにほとんど装備されないものもある。
    • 出が遅い固有技や終了時の隙が大きい固有技の中には、使用するとほぼ確実にヒット数が途切れてしまうものも多く、ヒット数を稼ぐ快感が大きいこのゲームのシステムとはあまり噛み合っていない。
    • 数ある技の中でもチート級として名高いのが、砲銃類を駆使して戦う濃姫の「秋津の渡り」。
      両手に持った拳銃を連射する技なのだが、使用中は主観視点&固定アングルになる。射程・連射速度ともに攻撃手段の中では群を抜いている上にリロード不要で延々と打ち続けることができるため、死角からの奇襲や騎馬隊の突撃などに気を付ければこれ一本でノーダメージクリアも全く難しくない。
      • ただし、「秋津の渡り」含め一部の技は難易度「究極」のボスに対してあまり有効ではない*14
        難易度「究極」までプレイしたかどうかによって技の評価は変わる傾向にある。
  • どんなやり方をしても、結局難易度はそこまで上がらないため、やり込み層からは微妙とも言われている。
    • とはいえ本作はストーリーとキャラクターがメインとなるゲームであり、むしろ初心者にターゲットを絞った結果とも言える。無駄に難易度が高いよりはこちらの方が良かっただろう。
  • やり込み要素の作業感が強い
    • 全体的に全キャラで同じことを何度も繰り返さなければならず、無駄なプレイ時間稼ぎをさせているような仕様となっている。
    • 各キャラの最強武器の入手条件は、大武闘会をクリアすること。最強防具も大武闘会の途中で入手する。つまり全員がこれをしなければいけない。
      • 肝心の大武闘会の100回戦が長い。途中中断もできるが再開時はBASARAゲージと戦局ドライブ無からスタートなどリスクもある。
      • 手にいれた直後は最強武器としてのレベルは1なのでMAX(100)まで他のモードで戦利品によって武器としてのレベルを上げる必要がある。
    • バサラ屋で購入できるものは限られており、上記の武具を相応の金額で解決するといったことはできない。全てのものを購入した後は金の価値はない。もう稼ぐ必要がないという気楽さはあるが。
  • その他ゲームバランス
    • 1もだが弾き返しがあまり強くない。タイミングが少々厳しい上に弾いた直後には硬直があり、さらに敵の硬直のわずかなためきちんと反撃できるとは限らないのである。
    • ヒット数が100以降のときに攻撃を当てると、バサラゲージの増加量が半減するという謎の仕様がある。バサラゲージの最大値が増加して、さらに2本ストックが出来なくなったためバサラゲージが溜まり辛くなっている。
      • ヒット数を稼ぐのがウリのコンセプトに反しているため、なぜこんな仕様があるかは謎。因みに後のシリーズにも存在する。
    • ヒット数のカンストが99999で、カンストさせるとフィーバー状態に移行できなくなる(400ヒット状態になる)。
      • そのため、フィーバー状態になるには一度ヒット数を途切れさせないといけないのはストレスが溜まる。因みに後のシリーズも一貫してこの仕様。

総評

前作よりも更にボリュームと爽快感がアップ。新キャラも(やや扱いが悪いが)概ね好評であり『戦国BASARA』シリーズでも『3』に抜かれるまでは最大のヒット作となった。


余談

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  • PS2
  • ACT
  • カプコン
  • 戦国BASARA

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最終更新:2023年10月31日 15:50

*1 織田信長の配下ではなく豊臣軍として独立している。ちなみに「羽柴秀吉」は前作の織田軍にいるのだが、単なるモブ武将である。

*2 ストーリーは無く、いわゆるおまけポジションとなっている。

*3 詳しくは「サンデー毛利」で検索すべし。

*4 ただし、ほとんどが大きすぎるアレンジゆえに原型を留めていないので無暗に史実と混同は控えて、あくまで創作として接するべし。

*5 『水滸伝』のスピンオフである『水滸後伝』において、物語の終盤で「関白」なる巨漢が日本軍を率いて主人公が治める島に攻め込むという展開になるので、秀吉をゴリラにするという発想は昔からあった。

*6 なお、史実においては秀吉の息子である秀頼が身長196cm、体重161kgという当時としては規格外の巨漢であったとされている。もっとも、本作の秀吉のような隆々とした体格ではなく、馬に乗ることが出来ないほどの肥満体型だったそうだが。

*7 担当キャラは有名所で言うとサザエさんの「アナゴさん」等。

*8 この作品で叫び過ぎて喉の調子を悪くして所属事務所に怒られたらしい。

*9 実際に敵として登場する彼ら雑魚敵のステータスは、他の軍勢のそれよりも大幅に高い

*10 伊達政宗・真田幸村・濃姫は例外であり、この三人は第八武器が前作同様の『デビルメイクライ』に登場する武器のパロディとなっている。

*11 あらゆる技をキャンセルして他の技につなげることができる。なんと一度だけなら死亡すらキャンセルできる。

*12 続編の『3』では打って変わって全キャラクター中屈指の火力の持ち主となり、見事に「最下位の鬼」の汚名を返上した。

*13 義弘も起き上がりに少し手間取るがその頃には敵がダウンから立ち直っているので通常攻撃につなげるのも困難。

*14 1ヒットする度に回避行動を取られてダメージが通り辛い。