イモウトノカタチ

【いもうとのかたち】

ジャンル 妹探し恋愛アドベンチャー
対応機種 Windows XP/Vista/7
発売・開発元 Sphere
発売日 2012年8月31日
定価 8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 伏線放置なシナリオ
Sphere作品
ヨスガノソラ - ハルカナソラ - イモウトノカタチ - Berry's


概要

「Sphere」の3作目。 過去に大災害に遭った街を舞台に、主人公やヒロインが失われた家族と思い出、自分自身のルーツを捜していく。 アニメ化に成功するなど話題となった『ヨスガノソラ』を生み出したメーカーであり、前作以上に『妹』に焦点を当てている作品になる。

あらすじ

美馬雪人は、15年前の豪雨災害で生き別れた妹を探すため、故郷・鵠見(くぐみ)市の白鳥(しらとり)環境特区を訪ねた。 街で偶然に同じ境遇の美優樹と出会い、災害受付センターや久々美良(くくみら)学園で問い合わせたものの、そもそも自分達がこの街にいた情報が存在しないことが判明。 諦めきれない雪人は、美優樹と共に久々美良学園へ編入し、調査を続けるのだが…。

キャラクター

+ 長いので収納

主人公

  • 美馬雪人 美郷学園第三分校2年生→久々美良学園2年F組。 15年前の鵠見豪雨災害で両親や妹と離ればなれになり、孤児として施設へ引き取られた。(妹以外の家族の事は全く憶えていない)。 鵠見市で災害前の住民データが発見されたニュースを聞き、妹を捜すため久々に故郷を訪ねてきた。 調査の結果、自分がこの街にいた情報が存在しないことがわかって愕然としたが諦めきれず、被災者向けの制度を使って久々美良学園へ編入した。 思い立ったら即行動のポジティブシンキングな性格で、天然ストレートな言動に周囲が振り回されることもしばしば。 三度の飯より風呂が好きで、入寮した白鳥寮の露天風呂を楽しんでいる。 元々田舎に住んでいたためか、これまで携帯やパソコンを使ったことが無く、ミータのようなロボットや電子マネーにも慣れていない。

ヒロイン

  • 瀬名美優樹 星ヶ丘女子学院2年生→久々美良学園2年F組。鵠見豪雨災害で身元不明の孤児となり、今の両親に引き取られた。 朧気に憶えている兄を捜しに鵠見市へ一人で旅して来て、偶然出会った雪人に引きずられて久々美良学園へ編入し、クラスメイトとなる。 生真面目だが天然・ドジな性格で、よく転んだり落とし物をしたりする。幼稚園から厳しい女子校に通っていたため男性に免疫が無く、鵠見での生活もいろいろ初体験なことが多い。
  • 澄稀あやか 学園2年F組で、雪人と同級。小柄で元気なツンデレキャラ。 大手製薬会社・澄稀製薬の社長令嬢だが、親と自分は別だとはっきり区別している。 鵠見で長く暮らす地元民で街の歴史にも詳しく、住民の力で災害から復興してきた今の鵠見の街を大切に思っている。 お祖母ちゃんっ子で、彼女から教えられた料理や知識などに詳しく、書道も三段の腕前。
  • 美馬千毬 学園1年で白鳥寮の寮生。雪人と同様に鵠見豪雨災害で家族を失い、同じ施設で一緒に暮らしてきた。 妹捜しのため引っ越してしまった雪人を追いかけて、自分も鵠見市へやってきた。 基本的に素直な性格だが、雪人にいつも甘えていて独占欲が強く、他の女の子達が雪人に近づくのを嫌がっている。 長く共同生活してきたので、雪人と一緒に着替えたり寝たりするのも抵抗が無い。
  • ミータ 学園2年F組。雪人と同級生の医療介護ロボット。正式名称は「タイプGNW-0021 Medical Treatment and nursing Automaton」で、通称「MeTA」と呼ばれている。 見た目は人間そっくりだが、淡々とマイペースにしゃべり、時々下ネタジョークやオタクなネタも繰り出す。 あやか・晴哉とは昔からの腐れ縁で、あやかのバイタルサインを把握したり、位置情報をハックしたりするなど、病院での仕事以外にも能力を無駄に発揮している。
  • 清宮真結希 豪雨災害の後遺症による全身麻痺のため、鵠見中央メディカルセンターに長期入院している少女。 15年間病院から出たことがなく、主治医の律佳や数人の看護婦としか会うことが無かった。 自分の境遇にめげない明るさと強さを持ち、一度思い立ったら自分の意志を曲げない頑固な面もある。

評価点

  • 秀麗な音楽・絵
    • 今作の主題歌はDucaの『いろんなカタチ』。世界観にあった歌詞と歌声は特筆に値する。
    • また、キャラクターデザイン、CGの精度なども良い。
  • 近親相姦へのリアルな描写
    • 昨今の作品にありがちな形だけの近親関係ではなく、主人公は本当に結ばれていいのか、と悩むことになる。
    • 物語の重さを生み出す点で非常に重要な役割を担っているといえる。
  • イチャラブ
    • 後述するように今作はシナリオの完成度をかなり下げた一方、ヒロインとのイチャラブに関しては流石Cuffs系列、と言える出来である。

賛否両論点

  • ミータと真結希の個別ルートが一纏め
    • この2人(1人と1体)は表裏一体の関係になっており、言い換えれば、真結希に外の世界を見せるための機械としての役割をミータが持っている。
      その分、この2人を攻略する際に薄味感が否めないのは確かだろう。
    • もっとも、実際にプレイすれば、ああなるほどと納得は出来るのであるが…。
    • なお、「ミータが攻略不可能」といわれることがあるが(KOTYeの選評にもそのような記載がある)、これは論議を呼んだ表現である。

問題点

  • 伏線放棄過ぎるシナリオ
    • 今作はヒロインとのイチャラブ要素に特化している。その一方、シナリオに関しては目も当てられない出来となっている。
    • 主人公の出生背景が非常に大きなカギとなってくるのであるが、結局それは明かされること無く終わってしまう。
    • それだけでなく、真ルートでは主人公たちの動きを良しとしない黒幕が出てくるのであるが、その黒幕の意図や、街で起こる異常気象の原因なども、何一つとして明らかにされないままゲームは終わってしまう。
    • ヒロインによっては、これから盛り上がる、という所で『数年後』となり話が飛ぶ。
    • ゲームを進めていく中で、これは後々大事になってくる出来事かと思うものは、大抵そのまま放置されてゲームは終わる。

総評

絵や音楽、そしてイチャラブ要素に関しては、昨今の作品としては全く問題がない出来である。
その一方、シナリオに関しては非常に残念な出来となっていて、途中で執筆するのを放棄したような印象すらある作品。

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最終更新:2018年06月21日 22:30