マリオストーリー

【まりおすとーりー】

ジャンル アクションRPG
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対応機種 ニンテンドウ64
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 2000年8月11日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(フラッシュメモリ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
周辺機器 振動パック対応
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年7月10日/1,000Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2015年7月15日/1,028円(税8%込)
判定 良作
ポイント ペーパーマリオシリーズ第1作目
『スーパーマリオRPG』とは違った方向性だが人気を確立
マリオシリーズ・関連作品リンク


ストーリー

願いをかなえてくれる星たちのきらめく夜空。そのはるかかなたに、星の国がありました。
そこには願いをかなえる力を持った「スターのつえ」という宝物が7人の星の精たちによって大切に守られています。
ところがある日、事件が起こりました。
大魔王クッパが現れて「スターのつえ」を奪い取り、さらにその力で星の精たちをつかまえてしまったのです。

そんな出来事をよそに家でくつろぐマリオのもとに、ピーチ姫からパーティーの招待状が届きます。
マリオは弟のルイージとともにピーチ姫の待つキノコ城へと向かうのでした。

強大な力を手に入れたクッパがとんでもないワナをしかけているとも知らずに……

概要

スーパーマリオRPG』の実質的な続編にして、『ペーパーマリオ』シリーズの1作目にもあたる作品。海外でのタイトルはそのまんま『Paper Mario』である。

N64初期から『スーパーマリオRPG2(仮)』という構想があり、開発を任天堂のセカンドパーティーであるインテリジェントシステムズに移し、64DD専用ディスクソフトとしての開発が発表されていた(参考)。しかし64DDの延期により開発が長引き、紆余曲折を経て最終的にはロムカセットによる別作品としてタイトルを変更して発売された。


特徴

  • 本作の大きな特徴は、キャラが紙で表現され、絵本のようなギミックで全編を描写しているであるという点である。
  • 戦闘では『スーパーマリオRPG』と同じく、アクションコマンドを使って攻撃する。
  • 隠しブロックや様々なギミックを駆使して進んでいくアクション要素等、所々に『スーパーマリオRPG』の特徴を継承している。
  • 経験値となるスターポイントを100溜めるとレベルが上がる。レベルアップ時にマリオの体力が上がる「ハートポイント(HP)」、マリオの技を使う為に必要な「フラワーポイント(FP)」、バッジを使うために必要な「バッジポイント(BP)」の三種類の中から一つ選んでマリオを強くしていく。どれを選ぶかはプレイヤーの自由である。
    • 戦闘やそれに関するステータスは、ファイアーエムブレムシリーズを更に簡略化した計算式になっており、数値のスケールまでも含め極限まで簡略化されている。「自分の攻撃力」−「相手の防御力」=「相手に与えるダメージ」という小学生でも分かりやすい計算式で、乱数が存在しないため結果予測が非常に容易。
      与える・受けるダメージは中盤までは1~3・最高でも10以下となり、ラスボスも99HPと防御力2を持つ程度に収まっている。
      • そして、マリオの攻撃力はストーリーを進めていくと手に入る武器か、一部のバッジかバトル中のチャージのような特殊な効果でしか上がらない。防御力を持っている敵も多くても2、最大でも6と一桁に収まる。
    • スターポイントはその時点のレベルと敵によって異なり、一度に出現した敵が多いと若干増えるようになっている。こちらのレベルが極端に高くなればスターポイントは1ポイントも出さなくなってしまう。
  • バッジシステム
    • 冒険の途中で手に入るバッジを装備すれば、マリオに特別な能力が備わる。
      • FPを消費して複数の敵や強力な攻撃を放つ技を使用可能になるものや、移動やアイテムの収集に役立つフィールドで発揮するもの、攻撃時の効果音が変わったりするお遊び要素ものなど、全80種類(一部同じバッジが複数存在する)。BP値の制限はあるが、お好みでマリオのバトルをカスタマイズできる。
  • 本作のキャラクターはクリボーやノコノコなど、従来のマリオシリーズに登場する敵が登場するが、同じ種族であっても、住人として話しかけられる 「いいキャラクター」 と、敵となる 「悪いキャラクター」 が存在する。
    • 従来からマリオの味方であったキノピオは、(変装したノコブロスを除いて)全員住人である。
      • 但し、テレサのみ従来とは反して、本作ではバトルをすることはなく全員いいキャラクターとなっている。
    • シリーズのザコキャラクター達もそれぞれ生活を営んでおり、彼らもこの世界の住人であることがしっかり描写されている。
  • ストーリーは短めであっさりしている。「クッパがピーチ姫をさらい、それをマリオが助けに行く」という、ものすご~くいつものスーパーマリオシリーズ。前作と同様クリア後のおまけ要素も無い。
    • ただし、今回のクッパはピーチ姫を城ごとさらうというマリオ史上最も豪快な手法をとる。後述のピーチ姫パートはこの城の中、つまりピーチ姫の自宅が舞台というわけである。

評価点

  • 紙で出来ている事を活かした演出。
    • 場面が変わるときや家に入るときなどはまるでペーパークラフトのように物が組みあがっていく。また、土管に入るときはマリオが丸まったり、挟まれる系の罠に引っかかったと思ったらペラペラなので助かったりと、ネタも豊富で見ているだけでも楽しい。
  • 戦闘を飽きさせない様々なアクションコマンド。
    • ほぼ全ての技に独自のアクションコマンドがあり、失敗すると効果が大幅に減る。
    • 前作のように「適切なタイミングでボタンを押す」という簡単なものから、「画面にランダムで表示されるボタン(3種)を素早く正しく押す」というような高難度のものまで。しかし、いずれもシンプルで分かりやすい。
      • ある程度の物語の進行は必要だが、バッジで判定を緩くすることもできるため、苦手な人でも安心。
  • アクション要素満載でプレイヤー操作が主体なストーリーパート。
    • マリオシリーズお馴染みのスイッチを押す仕掛けに、ハンマーやヒップドロップで障害物を壊していく仕掛けなど盛りだくさん。
    • また本作から、シンボルエンカウント時に相手をジャンプで踏みつける・ハンマーで叩くことによって先制攻撃を仕掛けることができるようになった。逆に一部の敵シンボルはマリオを攻撃してくる者もおり、食らってしまうと先制攻撃を受けた状態からバトルが始まってしまう。
      • 仲間のアクションでも対応した先制攻撃が可能。ピンキー(仲間のボム兵)の爆発は高い攻撃力を持ち、ノーリスクで先制大ダメージを与えられる。
  • ゲーム初心者から物好きまでを魅了する、わかりやすい戦闘によるとっつきやすさ。
    • 前述の通りステータスの数値は非常に簡略化している。
      素早さ等もないのでバトルの順番は固定で、必ずこちらが先に動ける。ダメージに乱数やクリティカルや急所等といったランダム要素もないので、非常にわかりやすいステータスとダメージ計算が特徴。
    • 「攻撃力-防御力=ダメージ」に類する仕様なので、算数ができれば簡単にダメージを予測できる。数値の伸びが非常に控えめなためにバランスの悪さは感じさせない。
  • ピーチ姫パートの存在。
    • ステージをクリアするごとにピーチ姫を操作するイベントが挿入され、ストーリーに厚みを持たせている。このピーチパートは基本的にミニゲーム主体であり、ゲームオーバーになることはない。
  • 絵本のような見かけによらず、細部の設定がしっかり練られている。
    • とてもファンタジックなストーリーであり、更に個性的なキャラクター達が物語をより引き立ててくれるため忘れられない魅力がある。
      • 例としては、名前も外見も似ているキャラクターが複数登場したと思ったら全員親戚であり、話が異様に長いという性格まで似ていたというデアール一族など。
    • ストーリーの合間に何度でも立ち向かってくるコワッパも印象的。殻に籠ったり羽根が生えたりトゲを生やしたり、さらには通信教育で覚えた魔法を使ったり。
    • パーティーメンバーの中でもレサレサは愛らしい外見とマリオシリーズでは珍しいツンとすました性格から特に人気が高い。
      • これで味を占めたのか、以降の2作品でも大体1人は似たような性格のキャラが登場している。
    • この世界設定は続編『ペーパーマリオRPG』へと受け継がれることになる。また、パレッタ(オープニングの1シーンだけだが)、レサレサ、デアール一族は続編にも登場した。
  • 個性豊かで魅力あふれる仲間キャラ。
    • 今作では仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。RPGにありがちな「いらないキャラ」は誰一人として存在しない。
    • 本作の仲間キャラにはHPは存在せず、敵の攻撃を受けると数ターン行動不能になってしまう。
    • 仲間の詳細は以下。
+ 仲間一覧

クリオ

  • マリオのファンである、クリ村に住むクリボーの少年。祖父の計らいでマリオの旅に同行することとなる。
    • 特技は「ものしり」。フィールドで使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。
      • 全ての人物に対してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。
      • バトルでは敵のステータスや特徴を調べることができ、一度調べた敵に対しては常に残りHPが見えるようになる。
    • 攻撃方法は頭突き。マリオのジャンプ同様、ノコノコ等の甲羅を持った敵をひっくり返して無力化させることが出来る反面、トゲや炎を纏った敵には攻撃することが出来ない。
      • ランクが上がれば攻撃力を上げるチャージや、マリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともできる。コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。

カメキ

  • ノコノコ村に住む、弟分気質のノコノコ。同村の考古学者チャールズに憧れており自身も世界中を旅したいと考えており、チョロボンから甲羅を取り返してくれたマリオへの恩返しも兼ねて旅に同行することになる。
  • フィールドでは甲羅にこもって離れたスイッチを押したりアイテムを取ることが出来たり、敵に対する先制攻撃も可能。
  • 甲羅に身を潜めて攻撃するため、トゲや炎に覆われている敵にも問題なく攻撃が出来る。また、初期から地上の敵をまとめて攻撃する技を持ち、さらにランクが上がると敵を目回し状態にしたり自身が炎を纏い氷属性の敵に大ダメージを与える攻撃を使えるようになる。
    • しかし空中や天井にいる敵に対する攻撃は一切持ち合わせないため、これらの敵には手も足も出ないという弱点も。

ピンキー

  • ノコブロスの砦の牢屋に捕らわれていたピンクのボム兵の女の子。ノコブロスの罠にはまって牢屋に落ちてしまったマリオ達と出会い、仲間になる。
    • フィールド上ではひび割れた壁や大岩を爆発で壊すことができる。敵に対しても威力の高い先制攻撃を仕掛けることが出来るが、タイミングが難しい。
    • バトルでも爆発による攻撃を行い、ランクが上がる毎に地上全体、更に空中や天井の敵もまとめて攻撃できるようになる。しかし消費FPは全体的に燃費が悪く、メットのように効かない敵もいる。

パレッタ

  • 郵便局の配達員であるパタパタ。キノコワールドのあちこちに手紙を落としてしまうというポカをやらかしてしまい、手紙を見つけたマリオと行動を共にすることとなる。
    • フィールドでは少しの間マリオを持ち上げて運ぶ。道中で見つける手紙を相手に渡す際も彼が必要。
    • バトルでは空中や天井の敵にも問題なく攻撃が出来る。ランクが上がれば敵一体を戦闘から離脱させたり、敵全体を攻撃できるようになる。
    • 実は仲間キャラで一番初めに登場したキャラであり、ピーチからの手紙をマリオの家に届けたのも彼。そして前述のように、次回作のオープニングにもほんのわずかだが登場。

レサレサ

  • 薄緑の体色とリボンが特徴のお嬢様のテレサ。テレサを食べる怪獣のドガボンを倒すためマリオに同行し、その後も色々と世界を見るためにと正式な仲間となる。
    • フィールドではマリオを透き通らせて、敵の目を欺いたり障害物をすり抜けることが出来る。
      • バトルでも敵からの攻撃を無効化させることが出来、一部のボス相手には必須。但し、使用直後のターンは行動不可。
    • 攻撃方法はビンタやハリセンでの連続攻撃。一発の攻撃力は低いため、防御力を持たない敵には大ダメージを与えられるが、逆に防御力を持つ敵とは相性が悪い。ランクが上がれば敵を驚かせて退場させる技も使う。
    • 高飛車な性格ながらも可愛らしい見た目から、ファンからの人気も非常に高い。前述のように次回作でもとある場所で執事のセバスチャンと共に登場している。ちなみにクリスチーヌで彼女を調べると…?

アカリン

  • ヘイホーのおもちゃばこでビッグカンテラくんに捕らわれていたケセランの赤ちゃん。マリオに助けられたことで仲間となる。性別は作中では明かされていないが、「あたち」という一人称から女の子と思われる。
    • フィールドでは暗い部屋を明るくしたり、隠しブロックを見つけることが出来る。
    • 攻撃技は初期から覚えているものしかないが、敵の防御力を無視出来る上、相手を選ばず問題なく攻撃ができる。
      • 残りの補助技も敵を痺れさせたり、一定ターンマリオの攻撃力を上げるなど使い勝手が良い。
    • ちなみに彼女が捕らわれているカンテラをピンキーの爆発で壊すと、通常とは違った反応をする。

おプク

  • ジャンボル島に住むお節介焼きなプクプクのおばさん。元々は島で迷子になっていたチビヨッシー達を見つけるために同行したが、マリオの旅の目的に感動し、正式な仲間となる。
    • 公式HPで自ら「水のことに関してはエキスパート」と語っているように、フィールドではマリオを乗せて水中を泳いだり、潜ってアイテムを得ることも出来る。
      • 但し、水があればどこでも泳げるというわけではなく、木の板が敷かれている場所からでないといけない。
    • バトルでも水鉄砲での攻撃で炎系の敵に大ダメージを与えたり、ランクが上がれば水のバリアを張ってマリオの防御力を上げたり、ジェットふんしゃで敵全体を攻撃(これも炎系の敵に特に有効)できるようになる。
      • ただし、ジェットふんしゃはアクションコマンドの中でも特に難しく、慣れが必要。

ポコピー

  • フラワーランドで出会う、サングラスをかけたツッパリのジュゲム。初登場時は「ジョナサン」と名乗りマリオと敵対するが、「男同士の戦い」を通じてマリオ達の仲間となる。
    • フィールドでは彼の雲に乗って、トゲやマグマの上を移動でき、移動スピードも若干上がる。
      • 但し、浮いてはいるが飛べるわけではないため段差があると落ちてしまう。また、マグマの上はスピードが落ちる。
    • バトルではパイポを使った攻撃を行い、初期から低燃費で敵全体を攻撃できる技を持っている。ランクが上がれば一定ターンマリオの回避率を上げたり、敵全体を吹き飛ばして戦闘から離脱させる技を使うようになる。
  • 前述の初心者から上級者まで様々なカスタマイズができるバッジシステムは、奥が深い。
    • ストーリー上で必ず使わなくてはいけないバッジも殆ど無いため自由度は凄まじい。攻撃力が増える代わりに受けるダメージも増える「モロハノヤイバー」のようにリスクとリターンがあるものから、移動速度が遅くなるだけの「ノロイノロイ」など微妙なバッジもあるが、あえて装着して縛りプレイに利用することも可能。
      • この「ノロイノロイ」はデメリットしかないように見えるが、一応「ダッシュすると敵が起きてマリオに向かってくる」ギミックの対策となっているため、使い道がないわけではない。といっても単にダッシュしなければいいだけなので、実際にはほぼ不用品。着脱が面倒なら装備しなくても問題ない。使い道が本当にないお遊び要素のバッジは効果音が変わるだけのピッキョローン系くらいである。
  • 頭を使わないと解けない仕掛けは前作から健在である。
    • しかし紙であることを利用した仕掛けは、本作ではまだ少ない。
  • 町並みやバトルフィールドなどのデザインも良い。
    • ペーパークラフト的な世界観を生かし、N64でもトップクラスに高品質な温かみのあるグラフィックを実現したことも特筆に値する。
      • 基本的にキャラクターは2D、フィールドは3Dで作られているのだが、特に3D部分の見栄えが非常に良い。あえてリアル調にせずポリゴン数を抑えた作りにすることで、アニメ風な絵柄の2D部分とうまく調和がとれているほか、特徴でもある紙っぽい世界観の演出にも成功している。
      • この「あえてポリゴン数を抑えて2Dとの融和性を良くする」という独特の手法は、続編でもさらに洗練されたうえで用いられている。
  • バッジやほしのかけら等、アイテム収集によるやり込み要素もある。
    • ミステールという人物に会えば、未入手のバッジやほしのかけらの大まかな入手方法のヒントを教えてくれるため、比較的集めやすくなっている。
  • BGMも作り込まれており、ボスには一体一体に専用のBGMが用意されている。
    • ちなみに作曲はファイアーエムブレムシリーズでもお馴染みの辻横由佳氏。当シリーズでの重厚な楽曲群とはまた違ったポップな作風だが、不気味ながらどこか愛嬌を感じさせる「食っちゃうぞ!」や、バックの電子音が印象的な「ゆきやまの先には」など、どれもかなりのハイクオリティである。
    • また、ノコブロス戦では『スーパーマリオブラザーズ3』のアレンジが流れる。
  • クリオのセリフは話しかけられるキャラ全てに用意されており、さらにマップごとに全て違うセリフになっている。
    • まよいの森など場所によっては進み方のヒントを教えてくれることもあり、攻略面でも役に立つ要素となっている。
    • 特に凄いのがステージ2のカラカラさばく。さばくと付く通りステージが広大で、 49もの切り替わるフィールド全てに専用のセリフが存在する
      • 勿論カラカラさばくだけなので、ゴツゴツ山やアラビン遺跡を含めれば、ステージ2だけでも相当なセリフが存在することがわかるだろう。
    • 敵に対しても「ものしり」で能力値など詳細な説明をしてくれる。一見図鑑的な要素だが、このコマンドを成功させた敵の種類は次回以降の戦闘でも残りHPが常時可視化されるので使う価値はある。ボス戦でのみ出てくる敵にもテキストがしっかり用意されている。
      • ちなみにHPを可視化するバッジも存在する。ただし、そちらは外すと見られない上、貴重なBPを結構使うため、ものしりが面倒な人はバッジ、ものしりを楽しむ、もしくはBPを確保しておくという人は逐一ものしりする、といった住み分けができている。
      • その他、ノコイエローに対して「黄色と言えばカレーだけど関係あるかな?」など個人的な主観などどうでもいいことを言ったり、バケバケという仲間に変身する敵をクリオに変身させると、敵クリオがマリオにものしりをするという遊び要素も。
  • クリオの「しらべる」のみならず、ルイージの日記や手紙やわらしべイベント等、小ネタやイベントが非常に豊富で、寄り道や休憩も楽しい。
    • 世界に1匹しかいないと言われている設定の「コブロン」に関する一連のイベントなど、温かみの中に確かな厳しさを感じさせるものもあり、世界観に厚みが与えられている。
    • ピーチ姫がケーキを作るイベントでは、材料としてたまごやさとうの他にせんざいを選択でき、これ一つでケーキを台無しにできる「洗剤ケーキ」としてプレイヤーの笑いを誘った。
  • 町ごとにショップの売値・買値が異なっており、風土の違いを表現するのに役立っている。
    • 例えば寒冷地であるサムイサムイ村ではファイアフラワーが高値で売れ、対して砂漠のカラカラタウンではユキやこんこんが高値であるなど。また意外な物が意外な場所で高値で売れたりもする。
      • この価格の違いを利用してコインを稼ぐことも出来る。といっても極端な差は無く「ちょっぴりお得」という程度のため、普通に敵と戦って稼いだ方が効率は良い。
  • エンディングが楽しい。
    • エンディングでは、ストーリー中に登場した多くのキャラクターが登場して動くパレードとなっている。敵も含めて登場するため、敵対していた頃とは打って変わって、退屈になりがちなゲームのエンディングでありながら眺めて非常に楽しめるエンディングとなっている。動作や場面に合わせたBGMも好評。

賛否両論点

  • ラスボス戦におけるレサレサの扱い。
    • レサレサは単発攻撃力が低い代わりに多段ヒットで大ダメージを叩き出すキャラだが、ラスボスは防御力を持つため、仲間キャラで唯一無力となってしまう。ラスボスにチャージ技がないため、無敵技の「すきとおり」の利便性がそこまでないことも影響している。例えばラスボスとカメックババ(カメックがお婆さんになったようなキャラ)が一緒に戦うことで、レサレサならではの活躍ができる状況が用意されていると良かったかもしれない。相手の防御力を下げる手段や仲間の攻撃力を上げるバッジがあれば活躍の余地はあったのだが。
    • しかし、ラスボスにもなって防御力を一切持たないようではやや不自然。そもそもラスボス戦では基本的にアカリンを使うのが有利であるため、レサレサ1人だけが不遇だとは言い切れない。また、一応ラスボスにマリオのチャージを無効化する攻撃があり、それを回避するのに使える。

問題点

  • マリオのレベルが最大27と低く、割と簡単にカンストしてしまう。これは相手とのレベル差により経験値が0まで減少する仕様のためである。
    • このために敵の中で最もしぶといHP99に対し、マリオのHPとFPは50までしか上げられない。バッジの「ハートフエール」「フラワーフエール」をフル装備しても65までである。
      • キャシーに作って貰える料理に「ローヤルキャンディ」というものがあり、FPを64回復する効果がある*1。1から最大値まで回復出来るようになる事を考えるとこのアイテムを意識したものかもしれない。……が、HPを64回復するアイテムはない。
      • 次作『ペーパーマリオRPG』では最大レベルが99まで引き上げ&どんな敵でも最低1は経験値が入るようになり、長時間プレイして最大レベルまで育て上げるやり込み要素として楽しめるようになった。「ハートフエール」も無限に入手可能になっている。
    • ちなみに、レベルを最大にしてもヤッツケーレ等で倒せない敵が一匹だけ存在する。
  • コンプを困難にする要素。
    • 自宅の壁にゲーム中の記録が掲示される。その中に星のかけらと作った料理の数も含まれているのだが、ゲーム中の仕様の所為で難しい。
    • 「ウルトラキノコ」と「ローヤルゼリー」はゲーム中に数個限りしか入手できないが、それらを必須とする料理レシピが存在するため、無駄遣いしてしまうとコンプ不可になってしまう。
      • 一応「ローヤルゼリー」の方は無限に入手する手段があるが、運任せな上に沢山のコインを要する。
      • 「ウルトラキノコ」はレシピシコンプリートには最低でも3個必要なのに対し、入手できるのは最大5個しかない。海外版では「ウルトラキノコ」の入手方法が増えて無限に入手出来るよう変更されているが、面倒なことに変わりがない。
      • 続編『ペーパーマリオRPG』ではどちらも無限に入手可能になった。ただし、「タンコブ」などは本作と同様有限のままである。
    • ほしのかけらの大半の入手法が「各地に出現するハテナ虫のクイズに正解する」というもの。全部で64問も存在するため、バッジとほしのかけらのコンプリートの道のりは長い。
    • また、ミステールによるフォローがきくバッジや星のかけらとは違い、取りこぼした料理を知る手段が存在していないため、確実にコンプするには作った料理をメモするなどして覚えていくしか無い。
    • とはいえ、後続作品のような図鑑要素ではなく、数字が表示されるだけのほとんど実績のような物なので気にしないプレイヤーも多いが。
    • ピーチ姫パートではアイテムやバッジを入手できるが、ピーチ姫自体に役立つものは殆どない。そこである手段でマリオに送ることで、マリオがそのアイテムを受け取ることができるが、ピーチ姫が所持したままピーチ姫パートを全て終了してしまうと、そのアイテムを入手することができなくなってしまう。特にバッジだと上記と同じくコンプ不可になってしまう。
  • バッジ「スバヤクカワール」の入手方法について
    • このバッジは、デアールという人物が家から外出しているときに話しかけると入手のヒントが得られるのだが、それを一度しか発言してくれないため、適当にセリフを飛ばしたり、プレイ期間が空いてそのヒントを忘れてしまうと、もうそのヒントを教えてもらうことができなくなる。
      • ミステールというバッジのあり方を教えてくれる人物がいるが、このスバヤクカワールについては「彼が外出しているときに話を聞いて」としか教えて貰えない。
    • とはいっても、現在ではネットで調べるのが当たり前なので、このゲーム当時ならまだしも入手の不満になることは滅多にないかもしれない。
  • アイテムの購入が手間。
    • 一個ずつ購入するシステムのため、一度にまとめて購入したいときには同じ操作を何度も繰り返さないといけない上に、決定ボタンとジャンプボタンが同じためひたすら連打するわけにも行かない。
  • 遠近感が掴みにくい。
    • 前後左右に動くことを前提としている内容でありながらカメラアングルがほぼ横からなので、敵を避ける動作やブロックを叩く動作に苦労する。
  • Wiiのバーチャルコンソール版では「ジェットふんしゃ」を使用した際に激しい処理落ちが起きる。
    • WiiU版では動作は改善されたものの、音切れが発生していた。

総評

当時『スーパーマリオRPG』とは全く違う中身に驚かれたが、バッジシステムとレベルアップ時の能力選択、戦闘時の様々なアクションコマンド、アクション要素も取り入れたストーリーパートなど、同作にも負けない面白さを持つゲームと言える。
ファンタジックでありながら感動できる場面もあり、個性的な世界設定に魅せられたファンも多い。


余談

  • 「黒い任天堂」の片鱗
    • 後のシリーズでも登場する「コブロン」をはじめ、ストーリー終盤のとあるステージでマリオが殺人の濡れ衣を着せられるなど、ブラックな演出が本作の時点で節々に存在している*2
  • 開発はインテリジェントシステムズに加え、バンプール(代表作『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』)代表取締役社長の工藤太郎氏もオブザーバーとして参加している。
    • 工藤氏は元スクウェア社員で、前作『スーパーマリオRPG』のイベントデザインに携わっており、その後のペーパーマリオシリーズにも深く関わっている。このため、同じく元スクウェア社員が中心のアルファドリームが開発した『マリオ&ルイージRPG』と同様、本作も名実共に『マリオRPG』の系譜を次ぐ作品といえる。
  • 本作品の開発時のイメージ画において、マリオの後ろにはルイージが一緒に写っており、構想時には一緒に冒険させる予定だったようである。
    • 結局はルイージは今作では留守番役に徹するが、その後上記マリオ&ルイージRPGで兄弟の冒険が実現し、ペーパー系譜でも第三作目の『スーパーペーパーマリオ』において実現した。
    • 『ヨッシーアイランド』のポチやビッグウンババが掲載されているスクリーンショットも確認されているが、そちらは未だペーパーマリオシリーズに出ていない。
+ 現実的なプレイではほぼ無意味な怪現象
  • ピーチ姫のケーキを焼くイベントでは30秒(実際は23秒から36秒の間)でタイマーを止めなければならないが、有志の調査により143165600秒から143165613秒の間に止めても成功扱いされることが判明している。参考
    • このイベントでは143165577秒でカウントがリセットされ再び0秒からカウントされるためである。なお143165577秒のカウントリセットは何度も繰り返す事ができるが、実機で成功させる場合4年以上かかる計算になる。
  • 同じように、砂漠のステージに100回叩くと貴重なアイテムの出るブロックが存在するが、有志の研究によりこれを38654705764回叩くとフリーズする事が判明している。参考
    • ゲーム内部では叩いた数が4294967296回ごとにリセットされ再びブロックが同じ場所に出現するようになり、最終的に画面に表示できる限界を超えた場合にフリーズする。なお重なったブロックが2個までならアイテムを取り出せるという報告もある。
      • ただし実機でフリーズさせる場合、処理落ちを考慮に入れれば416年ほどかかる試算もある。
  • 漫画『スーパーマリオくん』でも、2000年10月から2002年6月にかけて『マリオストーリー』編が展開された。
    • クリオとカメキ以外の仲間はステージ毎のスポット参戦となっていたり、何名かのキャラは性格が本編と違っていたり そもそも登場しない など、例に漏れず独自の設定も多い。
+ タグ編集
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  • IS

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最終更新:2024年03月07日 16:20

*1 「ニンテンドウ64」に合わせたものと思われる

*2 村長の奥さんや冒険家のチャールズなどプレイヤーの神経を逆撫でするようなキャラクターも登場しているので、一種のメタ要素としてブラックな演出を採用している面もあると思われる。