このページでは、ニンテンドウ64用ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ』と、そのリメイク版のニンテンドー3DS用ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』を紹介しています。 判定はどちらも「 良作



ゼルダの伝説 時のオカリナ

【ぜるだのでんせつ ときのおかりな】

ジャンル 3DアクションRPG
アクションアドベンチャー*1

対応機種 ニンテンドウ64
発売・開発元 任天堂
発売日 1998年11月21日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
周辺機器 振動パック対応
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年2月27日/1,200Wiiポイント
【WiiU】2015年12月22日/1,234円
判定 良作
ポイント ゼルダシリーズ初3Dで既に完成の域
雰囲気・音楽・キャラも高水準
王道と革新の絶妙な調合
やり応えのある難易度
ゼルダの伝説シリーズ

概要

任天堂が誇る謎解きアクションアドベンチャー『ゼルダの伝説』シリーズの一つで、シリーズ初の3D箱庭系作品。

革新的なゲームシステム、勇者が悪者を倒すという王道的ながらも独特なテイストを内包するファンタジー的世界観、ドラマチックな演出とゲーム展開で人気を博し、日本国内で145万本、グローバルワイドでは760万本の売上を記録した。

キャッチコピーの「ゲームでしか味わえない、感動がある」の文言に違わず、クリエイター・ユーザー双方から極めて高い評価を得ており、同社の『スーパーマリオ64』などと同様、3Dゲーム史を語る上では欠かせない作品の一つといえる。


ストーリー

ハイラル王国には、緑深き森が広がっていた。その森にはデクの樹という大樹の精霊がおり、その樹によって森は守られてきた。
この森には、コキリ族という種族が住んでいた。彼らはみな子供の姿をしており、それぞれが一匹の妖精をパートナーとして従えていた。
そんなコキリ族の中で、なぜか唯一、妖精を持たない少年リンクは、仲間に半人前であることを馬鹿にされながらも平和な日々を過ごしていた。

ある日、リンクは悪夢にうなされる。

巨大な門の前に立つリンクの目の前を、一頭の馬が駆け抜けていく。その馬には少女が乗っていて、何かを訴えるようにこちらを見ている。
その直後に表れた馬に跨った大男が、こちらを挑戦的に見下ろす……。
その直後、リンクは夢から覚めた。
しかし、その悪夢を見るのは一度だけではなく、悪夢を見る日が連日続いた。

そんなある日、リンクの元に「ナビィ」という妖精がやってくる。ナビィに導かれデクの樹のもとへ向かったリンクは、
デクの樹に呪いがかけられていることを本人から知らされ、リンクの勇気を試すべく自分の中へ入りその呪いを解いてほしいと頼まれる。

デクの樹の中で魔物を退治した後、命尽きゆくデクの樹からハイラルに迫る危機を知らされたリンクは、
デクの樹の遺言に従いハイラルの王家の姫君に会うべく、コキリ族が越えてはならないとされる森の外へと踏み出すことになる。

それが、自分自身の運命をも大きく変える冒険になるとも知らず……。


特徴

ゲーム概要

  • 大まかには「3Dになったゼルダ」。プレイヤーは主人公リンクを操作し、3Dのハイラルを冒険してストーリーを進める。
    • ストーリー展開は王道で、ボリューム・システム・音楽・インターフェース・グラフィックなどゲーム内容のどこをとっても総じてハイレベルな仕上がりとなっており、これらを上手く料理しきっている。
    • スーパーマリオ64』とともに「箱庭3Dアクション」の根幹をほぼ完全に定義してしまったゲームともされている。意欲的な提案を様々に行い、それらは現在に至るまで多くの3Dアクションゲームによって模倣されている。
  • また、何気にシリーズで初めて声優陣によるキャラクターボイスが採用された作品でもある。
    • しかし、掛け声や悲鳴程度しかなく、その傾向は長らく続いてきた。

主要キャラクター

+ 詳細
  • リンク
    • 主人公。おなじみの緑の服と金髪で左利き。今作では時を超え、初めて「大人」になる。
    • リンク=美青年の図式が完成されたのは今作からだろう。
  • ゼルダ
    • お馴染み姫。今作では王道すぎるストーリー展開の中心を担い、陰に日向に物語を導いていく。
  • ナビィ
    • デクの樹の命令で、リンクをサポートするためにやってきた妖精。『ムジュラの仮面』のチャット、『トワイライトプリンセス』のミドナなどの起源でもある初代相棒キャラ。青い。ヒントお伴キャラの中では一番癖がなく、おだやかな性格。
      • ただし初めてのナビゲートキャラ故か、テキストが若干硬めだったり、呼んでおいて「弱点なんてわからないよ」と言うなど問題がないわけではない(これは特定の敵の場合のみのメッセージ演出の一つ。基本的になんらかの情報はくれる)。
    • ちなみにCVはデビュー直後の水橋かおり女史が務めているのだが、「時のオカリナ攻略ビデオ」なる公式商品のガイド役として、そのままナビィ役として出演している。
      • ゲーム中でナビィが日本語のボイスを発する事は全くないが、当然ながらこのビデオ内ではナレーターとしてたくさん喋る。
    • 64のスペックでは「小さな空飛ぶ人間」をリアルタイムで動かすのが難しかったためか、一般的な妖精のイメージとは異なり「羽の生えた光る球体」という独特なデザインになっている(他の妖精も同じ)。しかし、それだけに視認性は良好で、また無機的な外観に反して感情表現は豊かでゲームを進めるうちに愛着も湧いてくる。
  • ガノンドロフ
    • 『ゼルダ』シリーズにおける因縁の仇敵になる御人。今作で人間体として新登場した。
    • 屈強な見た目だが、「砂漠の民の王」という肩書きは伊達ではなく、剣術の他に魔法の力も使いこなしたり、オルガンを弾きこなす等の知的かつ芸術的な一面も併せ持つ。
    • そして発売当時は「これまでもラスボスを務めたガノンの登場秘話」という点も本作のセールスポイントの一つだった。
  • シーク
    • リンクの行く先々で不思議なメロディーを授ける、謎の青年*2
  • 脇を彩る準ヒロイン達
    • リンクと幼馴染の間柄であるコキリ族の少女サリア、ロンロン牧場のかわいい女の子マロン、ゾーラ族の姫君ルトなど、ゼルダ姫を差し置いてやたらと人気が高い。特にサリアは「サリアの歌」と併せて、今尚高い人気を有している。
      • 余談ではあるが、サリア、ダルニア、ルトなどの一部の登場人物の名前は、ディスクシステム時代のシリーズ2作目「リンクの冒険」の地名や町の名前から採られている。


ダンジョン
子供時代は3つ、大人時代になってからは8つのダンジョン*3を攻略する。 このうち特に話題となる事が多いものを挙げる。

+ 詳細
  • 森の神殿
    • 森の奥深くに存在する廃墟の洋館。特筆すべきはその造形美で、光村図書出版が発行する高校用美術の教科書に掲載された事がある程。
    • 不気味なBGMや、それまでのダンジョンと比べて謎解きの難易度が上がっている事などから、多くのプレイヤーに強いインパクトを与えた。
  • 水の神殿
    • 本作に登場する全ダンジョン中でも屈指の難易度を誇る。水位を上げ下げしながら進む難解な謎解きに、中ボスが非常に手強いなどの要素が加わり多くのプレイヤーを悩ませた。以後、3Dゼルダにおいてよく言われる「水のダンジョンが来たら本腰入れろ!」というセオリーを確立したダンジョンとなる。
      • これはこのダンジョンを最後に作ったのが原因だと、攻略本のスタッフインタビューで語られている。
  • 井戸の底
    • 文字通り、井戸の底から入る事が可能なダンジョン。後のダンジョンを攻略するのに便利な「まことのメガネ」を入手する為に訪れる、いわば通過点である。
      • しかし上述した水の神殿とは違う意味で、多くのプレイヤーにトラウマを刻み込んだ。しかもこれでまだ序の口というのだから恐ろしい。
      • ここでは敢えてその詳細を伏せる事にする。気になる方は、是非とも自身の目で確かめてみてほしい…。
    • 因みにこのダンジョン、実は「まことのメガネ」の性質上行かずにクリアする事も可能。但し、後のダンジョン(ラストダンジョン含む)の攻略難度が遥かに跳ね上がり、攻略本などの外部情報なしだと事実上不可能といっても過言ではないが*4

評価点

3Dシステムの革新性、および後世の基準を確立した高完成度

  • 本作の評価を決定づけた最大の要因は、その3Dシステムの革新性と完成度の高さにある。この点に触れずして本作の評価を語る事は不可能と言っていい。
  • 本作が提案したシステムの中で最も多くのゲームに模倣され、現在まで受け継がれているのは「Z注目システム」であろう。
    敵や会話相手、物体を見つけると、ナビィはリンクから離れてその対象の頭上で変色する。ここでZボタンを押すと「Z注目」が可能。
    • スーパーマリオ64』の開発において3Dアクションのノウハウを蓄積した任天堂開発陣が、次の3Dゲームを作る上での最大の課題と定義したのは「3Dのアクションゲームでは、そもそも敵に攻撃を当てる為にも細かい照準補正を必要とし、プレイヤーキャラを動かすのがとても難しい」という点であった。
    • 照準補正という問題を解決するべく誕生した「Z注目システム」は、対象となる物体をプレイヤーが任意にロックオンできるシステムで、確実に対象物に向かって移動できる操作性を実現してみせた。
      更に、(『鉄拳』シリーズのカメラワークを参考に)視点もセミオートで補正を計る為に対象が画面の外側に隠れてしまう事もない。敵との間合いを取りやすく、主人公の位置を認識しやすくできるという利点も生み出したのである。
    • Z注目は操作キャラの移動にも影響を与える。例えばZ注目を行った状態でスティックを横に倒すと、リンクは真横に直線運動するのではなく、注目している敵を中心に円運動する。この点が従来のロックオンシステム*5と一線を画しており、敵との駆け引きの楽しさを生み出している。
    • この「(Z)注目」システムはゲーム業界に大きな影響を与え、特に現在の多くの3Dアクションで採用された「カメラリセット」やFPS/TPSでの「エイムアシスト」の原点にもなった。
    • また初めてプレイした時には気づきにくいが、Z注目をしている間はこっそり同時に行動する敵の数に制限を加えるようになっている。
      1対多という不利な場面でも「袋叩きにされて為す術なく死ぬ」といった理不尽なシーンを、なるべく発生させないように配慮されている。
      • プレイヤーによっては、Z注目で1体ずつ確実に倒す場合もあれば、わざわざZボタンを入力せずに広範囲の技でまとめて倒すといった選択がとれる。
    • 逆に、ごく少数だがZ注目をすると不利な動きをする敵もいたり、そもそもZ注目ができない敵も存在する。
      これも敵の特徴の1つになっており、Z注目に頼りづらい/頼れない場合での対処を考えるのも面白い。
  • 同社の『マリオ64』を始め、同時代における3D箱庭アクションゲームという発想自体は、新興ジャンルとはいえ珍しくはなかった。
    • 本作が傑出した評価を受けた所以は、カメラワークや入力に対する動きの速さなどが絶妙なバランスで調整された、インターフェースの素晴らしさにもある。
    • このシステムとインターフェースによって、それまで3Dアクションの難点とされていたカメラワークと操作性を一挙に解消してみせた本作は、黎明期にして3Dアクションゲームの操作性における基礎基本を完成させてしまったのである
      • これについて、当時はまだそれなりに信憑性もあった発売当時の『ファミ通』レビュー(浜村通信)をはじめ、以後20年以上にわたり世界中の数多くのゲームクリエイターが数々のインタビューで本作のシステムを絶賛している。本作以降に世に出る3Dアクションゲームの大半が本作と類似したシステムを搭載しており、本作は後世の3Dゲームにおける操作体系の基準を確立したと言っても全く過言ではない。
  • ジャンプ等のプレイヤーがタイミングを合わせて操作する必要があったアクションを、思い切ってある程度まで自動化した事も、3D空間内での操作感の快適化に貢献している。
    • 崖をよじ登る、飛び降りるなどのアクションは、その地点に移動して近づいただけで自動的に行われる。
      • このオートジャンプも(Z)注目と同じく後の作品においても研究対象として参考にされ、様々な影響を与えている。

質の高い演出

  • 同時代の他の3Dゲームに比べ、プレイヤーの感覚を意識した演出が多いのが本作の特徴である。
    • プロローグエリアであるコキリの森を比較的狭い中で展開させ、いざ冒険へ!というところで一気に自由度を高めて放り出す事で、プレイヤーの期待感や興奮、そして没入感を大いに高めてくれる。実際、最初のダンジョンをクリアした後ハイラル平原に出た瞬間の興奮を語るプレイヤーは多い。
    • 一見すると広大にも思えるハイラル平原は、実はそこまで広い訳ではなく、むしろ単純な面積は想像以上に狭い。しかしその狭い平原をよくよく観察してみると、丘を多く配置した地形にして視界を遮り、先に何があるのだろうと自主的に探索させるよう仕向けるなど、これでもかとばかりに狭さを感じさせない工夫が凝らされている。本作では、3Dの空間をどう生かして、プレイヤーにどう魅せるかを多分に考えてマップが作られているのである。
      • ハイラル城下町なども実際にはかなり狭いのだが、背景用のテクスチャを上手く使用し、路地裏や登れる箇所を発見させたりなど、狭いとは思わせずに探索させる工夫が凝らされている。
      • ダンジョンについても第一に建造物として矛盾が少なく、非常に構造的。更にそれを利用した謎解きはどこかスタイリッシュさすら感じさせてくれる。
    • それに加えて本作では昼夜の経過、子供時代と大人時代の切り替えといった時間経過という要素も取り入れられており、立体空間に時間の概念を加える事によって、三次元的を一挙に飛び越えて四次元的な領域にわたって世界を楽しめるようにしたのである。
  • プレイヤーの感覚を意識した演出はボス戦にも当てはまる。
    • どのボス戦も絶対にダレないように「ボス部屋に入った瞬間から楽しませる」事を主眼に据え、起承転結の「起」と「承」に当たる部分をとにかく丁寧に演出している。
    • 例えば最初のボスであるゴーマ戦では、一見何も無い部屋と勘違いしたプレイヤーがふと視点を変えた瞬間に驚きを与えてくれる。
    • とあるボスは、同じようにプレイヤーが痺れを切らして引き返そうとすると逃げ場をなくした上で登場し、しかも開幕早々絵の中に逃げていく。プレイヤーは絵の中から向かってくるボスを待ち構えようとするが、何とボスは絵から出る瞬間に絵の中で引き返してしまう事もある。
    • さらに「結」すなわち幕引きの演出も怠らない。崩れおちる、破裂するといった比較的メジャーなものから、ガノンドロフによって「役立たず」と一蹴され処刑されるもの、そして思わず脱力してしまうコメディ調の幕引きを迎えるもの……、本作に登場するボスは全て違った、かつ劇的な最期を遂げる。
      • 後はプレイヤー自身の手でボスの弱点を見抜いて、見事な「転」を作ってやるように仕向ければ、最後までダレずに楽しめるボス戦の出来上がり──という寸法である。
  • ザコキャラも2D時代の動きやデザインをうまく3D化に取り込めている。正攻法だと苦戦しがちな敵も「一部のアイテムを使えばあっさり倒せる」ようにきっちり設定されており、爽快感とのバランスが取れている。
    • 特にリーデットやギブド、デドハンドといったアンデッド系のモンスターについては、その不気味さや攻撃方法からトラウマになる人も結構いた。なまじポリゴンが未成熟だったのもあり、後発作より怖いという声も。
    • あるイベントを経た後、暫くの間ゲーム開始地点が「7年後の時の神殿」となるのだが、そこからハイラル平原へ行くまでのエリアにはリーデッドがうようよしており、なかなかギョッとする演出になっている。
  • 基本的なシナリオは「悪の魔王に乗っ取られた王国を勇者が解放する」という王道もいいところの勧善懲悪ファンタジーなのだが、実は考察していくとそれだけではない裏側が見えて来る。
    • 特に「闇の神殿」「魂の神殿」に関する裏設定を考察していくと、一見小綺麗なハイラル王国にかなり深い闇が漂っていることもわかる。
      • これらを元にすると、本編では完全なる悪玉であるガノンドロフも、一面では「解放者」「英雄」としての側面も併せ持っていることがなんとなく読み取れる。「カカリコ村の歴史に曖昧なところがあるのはなぜか?」「ボンゴボンゴの正体は?」「なぜゲルド族の女神像が邪神像扱いされているのか?」などの要素は、子供にはすぐにはわからないだろうが非常にブラックな秘密を抱えており、このシリーズとしては比較的珍しく、単なる「善VS悪」という単純な構図に収まっていない。

質の高い音楽

  • BGMで楽器の音色がフィーチャーされた作品でもあり、その音楽はとても評価が高い。作曲はお馴染み近藤浩治氏が担当。
    • サントラは未だに万を超えるプレミアが付いている事からも、その好評ぶりが窺える。
  • フィールドBGMは、なんとプレイヤーの操作・状況などに合わせて楽曲が少しずつ変化するという類を見なかったものである。
    • のんびりしていると曲が穏やかになり、敵と相対するとBGMが緊張感の高いものになるなど、プレイヤーの気持ちを読み取ったかのように自然変化し、音楽自体の完成度も高いと、斬新かつ良質なもの。
      音楽演出に砕心するメーカーは少なくないが、任天堂、特に近藤氏はBGMの作曲だけでなく、ゲーム性やゲーム展開に融和したインタラクティヴ性からもアプローチを掛けており、本作はそれがいち早く結実したものともいえるだろう。(参考
    • 後述の3DS版でも、近藤氏はこの仕様の再現度を気にしていたと言う。
  • 楽器を何層にも重ねた複雑な楽曲が多数出てくる中、プレイヤーがオカリナで吹く事になる専用曲は、キャッチーでとても覚えやすい。
    • プレイヤー自身が作曲する事になる「カカシの歌」を除き全12種類の曲が存在しているが、このうち10種類以上の曲が本作以降のシリーズ作品で再登場、或いはリメイクされている。
    • ちなみにオカリナで使える音は、D・F・A・B・D (low to high )
  • 上で述べたようにダンジョンBGMは重厚で複雑、ダンジョンの雰囲気をより際立たせる。各国の伝統楽器と近藤氏が購入したサンプリングCD音源をふんだんに使い、ダンジョン毎に恐怖・緊張・ミステリアス・美しさを表現している。
    • 特に闇の神殿・井戸の底BGMは単体でもゲーム中トップクラスの不気味さをもつ。
  • その他の通常BGMも名曲揃い。喧騒、ほのぼの、勇壮、不気味、不可思議、荘厳、邪悪、ボス戦といった場面場面での雰囲気にこれ以上なくマッチしている。
    • 音楽面でも革新的ながらもおなじみの「宝箱を開けた時の曲」や『神々のトライフォース』の楽曲の一部もアレンジされて使われており、本作初登場の曲と合わせて以後のシリーズでも定番となっていく。

賛否両論点

  • 表現が2Dドットから3Dポリゴンになった影響も多大にあるが、旧作の明るくファンタジックな世界観に比べて、町やロケーションがやや暗くおどろおどろしい雰囲気の箇所が多い。
    キャラモデルの造形も、64のポリゴン表現の限界もあるが、不気味な体型や表情のキャラが多い。
    • ダンジョンも全体的に暗く不気味さが漂う。ただ不気味なだけなら人それぞれの好みだが、仕掛けもかなり近くまで行かないと目視するのが難しく、難易度の上昇の一因となっている。
    • もっともこれはスタッフも狙っていた節があるようだ。こうした「不気味さ」は次作『ムジュラの仮面』にてより強化される事となる。
  • 最初期の3Dゲームであることを考えれば十分ではあるが、やはりZ注目はまだまだ手探り状態だったこともあり、ややこなれていない印象。
    • 特に、カメラリセットとZ注目のキーが同じなのが後年の3Dゲームと比べると引っかかるところ。Z注目の対象が存在していると、リンクの真後ろにカメラを戻すことができず、カメラワークに不自由さを感じやすい。
      • とはいえ、既にオプションで「スイッチ*6」と「ホールド*7」の2種類の操作系統を用意するなど、プレイヤーに合わせた配慮は可能な限りされてはいる。ちなみに、制作サイドではホールド操作の方が上級者向けとして認識されている(ゲーム内情報でそれとなく示唆されている)。
  • 謎解きや攻略法に一捻りが必要。まだインターネットが普及していない時代のゲームとしては絶妙な按配ではあるものの、問題も無い訳ではなかった。
    • 例えば「ある条件を満たすと出現する、特定の馬に乗ってレースに勝つ」「特定の人物の目の前でオカリナを使い、寄り道としか思えない場所で習得可能な楽曲を演奏する」等。
      • これらの謎解きは他作品と比較するとヒントに乏しいが、その分自力で正解に辿り着いた際の爽快感もひとしお。
    • しかし一捻りが必要である点とヒントの少なさ故に「得られた情報を曲解してしまい、岩の前で歌を吹き続けた」等といった、正解を知っていれば「何をどうすればそんな解法を導き出してしまうのか」と首を傾げてしまうような行動に走ってしまうプレイヤーが続出。ある程度情報が行き渡った現在でも「謎解きが難しすぎて挫折した」と洩らすプレイヤーが見られる程である。
      • 中には「剣を持たずに迷いの森に突入しウルフォスを倒してしまった」という、ある意味強者と呼べるプレイングを行ってしまう者まで…。
      • 怪しい物があったらナビィが飛んで行ったり、NPCとの会話でヒントを聞けたり、振動パックがあればもだえ石というアイテムが反応してくれたりと配慮はされているのだが、当然完全ノーヒントの物もある。
    • せっかくタイムリープをテーマにしたゲームなのに、それを活かしたギミックがあまりないのも残念。容量の都合もあってか、子供時代と大人時代で大きく構造が変わるのはハイラル城と城下町とゾーラの里ぐらいで、あとは細部の変化に留まるか、そもそも時代が違うと入れない場所ばかりである。
      • 「子供時代でフラグを立てておくと、大人時代で何かしらの変化がある」というようなイベントはほとんどない。せいぜい魔法の豆を植えておくと行ける場所が増えるぐらい。難易度を考えるとあまり複雑なイベントは実装できなかったのかもしれないが…。
      • 一方、後半のとあるダンジョンは、本来子供時代ではたどり着けない道中を大人時代に攻略し、ワープ用の歌で子供時代に訪れダンジョンを半分攻略し、手に入れたアイテムで大人時代に残り部分を攻略し、ボスを倒す…という手順であり、ダンジョン丸ごとタイムトラベルを用いたギミックとも言える。そのボスについても、子供時代にボスの正体についてしっかり伏線が張られている。
      • ギミックでは無いが、オカリナの曲の一つ「嵐の歌」についても、子供時代と大人時代で伏線が張られたイベント内容となっている。ただ、真面目に考えるとこのイベントでは明確なタイムパラドックスが生じているため、実際にどのような流れになっているのかは度々考察*8対象になる。
    • 悩みに悩んで友達に電話したり、学校で話題にしたり…等々、当時攻略法の話題で盛り上がった記憶をお持ちのプレイヤーも多いのではなかろうか。
      • その話題性は、当時の人気アイドルが自身の冠番組で「相方が夜中に、水の神殿の中ボスと戦う所でどうしたら良いんだって(電話を)かけてくる」等とエピソードを披露する程であった。
    • 後のシリーズ作品では、本作で「そもそも何をすればいいかまるっきり見当がつかない」プレイヤーが出てしまった事を重く見たのか、やや過剰なくらいにヒントが与えられるようになっている。
  • ボスの攻略法も一癖も二癖もある。基本的にそのダンジョンで謎解きに使ったアイテムをボス戦でも使わせることがほとんどだが、考え無しに使っても有効打を与えられないという点がミソ。
    • 例としてはハンマーを入手するダンジョンのボス相手に行う「もぐら叩き」。まさかの攻略方法にゼルダらしいユーモアを感じさせるが、なじみの薄い層を全力で置いてけぼりにしている感は否めない。
      • 他にも、フックショットで本体を引きずり出す、口を開けた所に爆弾を放り込んで食べさせる…等々。これらはまだ分かりやすい方ではある。
    • 大ボス戦は基本的に「そこで手に入れたアイテムでボスを無防備にする→剣で斬る」という手順を踏んでようやくダメージを与えられる。ダメージを与えられるのは基本的に剣*9の方であり、剣以外の武器は本当に「ダメージを与えられる状態にする」だけでダメージは一切ないし、剣でないととどめは刺せない*10
      • この手順についてはゼルダシリーズでは2D作品から共通していた不文律だったわけだが、そのせいか「無防備にしてに剣で攻撃する事で初めて有効打となる」という説明が本編中に一切存在していないし、ボスの体力も表示されない。肝心のナビィも、ボスについては「無防備にする方法」しか言わないのである。
      • よって、他のゼルダのソフトをやった事がない初心者の場合、例えば最初のボスであるゴーマ戦で「目を狙え」というのでひたすらパチンコで目を撃ち続けて「効いている*11のになかなか倒れないな?」となってしまう等の勘違いを起こしてしまいがち。ここで詰んだと錯覚してしまった人も多いのではないだろうか?
      • 一方、その次のボスでは「剣でとどめ」とナビィが説明するので、最初のボスで説明すればよかったはず。また、こちらは「ショックを与えて」とあるだけで、ショックを与える方法を言わない。
      • また、大人時代最初のボスは第1形態はそもそもロックオンできるタイミングが限られてロックオンしづらい。ロックオンしてからでないとナビィから情報を聞き出せない。
      • 一部、「弱点はわからない」と説明するボスもいる。序盤ではないため、そこまで進めた時には既に察しが付くかもしれないが。
    • 『スーパーマリオ64』における「ボスの尻尾を掴んでジャイアントスイング」の様に、仕様も内容も踏まえた大胆な演出と評価できる。以前の作品であれば敵や仕掛けの配置によって「物陰から攻撃して~」といった演出の工夫を行っていたのを、本作ではプレイヤーのアクションに任せてしまっている。
      • もっともこれが「戦闘時のアクション要素の更なる難化」という形で、挫折するプレイヤーの増加にも繋がってしまっているのだが。

問題点

  • 謎解きの「自由度」は高くない。
    • 今作は、攻略をする中で「ぶつかる謎1つに対して、解答は基本的に1つだけ」という場合が多い。
    • これまでのゼルダシリーズでは仕掛けやボス戦に対して複数の突破方法が意図的に用意されている場合も多かったが、今作は「たった一つの模範解答を見つける」ことが求められ、自由度が低い、プレイヤーの自主性が尊重されていないという意見も存在した。
    • この「模範解答」には先述の通りゲームに慣れていないプレイヤーにとって発見の難しいものもあるが、サポート役のナビィは最低限の事しか喋らず、いざ本当に行き詰まった際にはヒントとして機能しないことが多い。
    • 後作では程度の差はあるものの、いわゆる「寄り道プレイ」の幅を増やしたり2つ以上の解法を用意したり、NPCとの会話を多様化・充実させたりといった工夫で本作の数少ない不満点を解消している。
  • セーブロード時のゲーム再開地点の仕様が不親切。
    • 前作『夢をみる島』ではフィールドでセーブした場合は最後に出入りした建造物から再開できたが、本作ではフィールドでセーブした場合、各時代の既定のスタート地点(子供時代なら自宅、大人時代なら時の神殿)まで戻されるという、『神々のトライフォース』までの仕様に戻ってしまった。
      • 子供時代後半からは迷いの森に多数あるワープポイントが使えるようになり、また大人時代には各地に直接ワープする手段(オカリナメロディ)が手に入るため、極端に不便ではなくなる。しかしそれらのないうちは非常に不便で、子供時代中盤までは再開時に毎回ハイラル平原の横断を余儀なくされ、大人時代突入直後からワープメロディが手に入るまではリーデッドだらけの不気味なエリアを毎回突っ切ることになる。
    • ダンジョン内でセーブした場合、ロード時にはそのダンジョンの入口から再開となる。
      • 多くのダンジョンは「ある程度攻略した時点で入口付近とダンジョン深部とを結ぶショートカットが解放される」「最深部へ到達するのに入口付近を再経由することになる」のどちらかの仕様となっており、ある程度攻略した段階でセーブ、ロードしても攻略に支障がない。しかし一部のダンジョン*12にはこの仕様がなく、一度セーブロードをしてしまうと煩雑なルートを、既に終わった謎解きをなぞりながら再踏破する必要が生じてしまう。
  • 再開時に限らず、ワープの仕様自体がやや不親切。
    • 大人時代に覚えられるワープメロディは基本的にダンジョンの目の前に飛ぶ仕様のため、ワープ先は人里離れた僻地ばかり。特に、大人時代の拠点であるカカリコ村に飛べるメロディがシナリオ終盤まで覚えられず、時の神殿からカカリコ村の機械的移動を頻繁に余儀なくされ、かなり不便。
    • また、ワープポイントが集中している迷いの森(コキリの森)にも、ダイレクトに移動できる手段がない*13
    • 大人時代のゾーラの里への移動手段も乏しい。子供時代にはハイリア湖畔からのワープポイントがあるが、大人時代にはこれが凍ってしまい使えなくなるため、ゾーラ川を遡上するにしても迷いの森を経由するにしても、全行程を省略せず踏破することになり、かなりの手間がかかる。
  • アイテム「妖精」は使うとライフを回復でき、またライフがゼロになった際に自動復活する保険としても働く重要な回復アイテムだが、その回復量が「全回復」になっている。
    • 他作品では多くてもハート10個分以下程度で、全回復するのはシリーズでも唯一。
    • 妖精は7箇所存在する「妖精の泉」で多数捕まえられるし、多数ある特定のオブジェクトから発生させる小技もあるなど、ハイラル各地で無料で補給が可能。
    • 一方、過去作と同じ体力全回復アイテム「赤いクスリ」はビン1本分で30ルピーするうえ、ライフゼロ時の自動回復効果はなく、今作では妖精の完全な下位互換となっており、「フィールドに出る前に店で買える」以外に存在意義がない。
    • 他の回復アイテムは以下のように、それぞれ妖精の存在に食われない程度の存在意義を有しているのだが…。
      • 「ロンロン牛乳」:回復量は少ないが2回使用可能、且つこちらも小技を知っていれば無料補給可能。
      • 「緑のクスリ」:30ルピーで即座に魔力を全回復できる。
      • 「青いクスリ」:イベントをこなす必要がある上に100ルピーと高額だが、ライフと魔力の両方を全回復できる。
+ サブイベント・やり込み要素の問題点
  • 一部のサブイベント、ミニゲームにおける不親切さ。
    • しあわせのお面屋のイベントでは、渡されたお面を欲しがっている人を探してお面を売っていくのだが、最後にお面を買ってくれる「マラソンマン」は昼間の内はハイラル平原を猛スピードで走り回っており、非常に見つけ辛い。
      • 夜になるとマラソンマンはその場で座り込み休憩する。この休憩時が彼にお面を売り込む唯一にして最大のチャンスである。但し「その場で休憩」というのが曲者であり、平原の何処で休憩するのかは常に不定。下手すれば休憩しているマラソンマンを探し回った末、コッコの鳴き声と共に朝日が差し猛ダッシュ再開…なんて事態にもなりかねない。
      • おまけにこのマラソンマン、なんと子供時代篇の終わり間際まで進めないと出現しない。そのまま大人時代まで進めるとその時代の最初のボスを倒すまで子供時代には戻れず、イベント進行を一時中断せざるを得なくなってしまう。しかも大人時代では各地にワープするメロディが手に入り、結果ハイラル平原を徒歩で横断する機会が激減する為、余計に見つけ辛くなってしまう。
    • 子供時代のカカリコ村墓地では、夜になると墓守ダンペイにルピーを払って地面を掘ってもらい、出てきたアイテムを入手できるというミニゲーム「墓守ダンペイのドキドキ穴掘りツアー」が行われている。ランダムでハートのかけらを入手できるのだが、これが中々の苦行。
      • 同じ箇所を連続で掘っても必ず外れになるので、ダンペイに移動してもらって別の場所を掘る必要がある。しかしこの際のダンペイの移動速度がかなり遅い上、時々立ち止まるため非常に時間がかかる。
      • 追い討ちとばかりに、ハートのかけらが出るかどうかは完全にランダム。長時間かけて、所持金を全部使い果たしても全く出て来ない…なんて事態も十分ありえる。
    • どちらもゲームクリアには必須ではない為、完全無視しても攻略には差し支えない。ただし色々と楽しい裏設定を知れる「まことの仮面」入手や、ハートのかけら全入手を諦めなければならなくなるが。
  • やり込み要素の「黄金のスタルチュラ集め」の報酬が微妙。これは「黄金のスタルチュラ*14」を倒した後に出てくる印を集めるのだが…
    • 10匹討伐の「大人のサイフ」、30匹討伐の「巨人のサイフ」は所持金上限を増やすアイテムとなっており、このアイテム以外に所持金上限を増やす方法は存在しない。冒険をスムーズに進める為にも必ず取得すべきであろう。20匹討伐の「もだえ石」も、攻略に必須ではないとはいえここでしか手に入らず、価値はある。
    • しかしそれ以降の有意義な報酬は50匹討伐での「ハートのかけら」しかない。40匹での報酬に「ボムチュウ」もあるが、これは市販の消耗品。高価かつ売っている場所が少ない品なので貴重と言えば貴重だが、極一部のダンジョンにおける謎解き以外では壁を壊す位しか使い道がないため実用性は今一つ。
    • 最後の報酬は、50匹から大きく飛んでコンプリートの100匹討伐時となる。当然、ゲーム最終盤にようやく到達可能となる。
      • しかし肝心の報酬の内容は「話しかけるたびにルピーが貰えるようになる」というだけ。一見豪華だが、金策が多数ある*15うえ金の使い道が少ない本作で、既に100匹コンプリートしているようなやりこみプレイヤー*16にとって、意義のある報酬とは到底言い難い。
    • 50匹と100匹の間隔があまりに空きすぎている上に、この間には全く報酬が存在しておらず、スタルチュラ集めのモチベーションを維持するのも難しい。
      • 一応、50匹の報酬を受け取った時点で依頼主が「あとは気が向いたらでいい」旨を話し、そこから先がやりこみ領域で実益があまりない事は暗示されている。

バグ

  • アイテム「密猟者のノコギリ」に、一部アイテムの入手フラグに関わるバグが存在している。
    • このアイテムは、アイテムを次々新しいものへ交換していき最終的に貴重な武器を入手できる「わらしべイベント」の一環として入手するイベント専用アイテム(武器や道具としては使用できない)だが、「このアイテムの所有中は密猟が行われていた森に生息する友好的なモンスターが攻撃を加えてくる」という仕様がある。
    • ここまでならシナリオ的にも理解できる予定通りの仕様*17だが、「一度ノコギリを入手すると、それを手放しても所持フラグが永久に消えない」というバグが生じてしまっている。このため、「森のモンスターと特定の状態で会話してアイテムを入手する」という別のイベントを発生させる前にノコギリを入手してしまうと、そのイベントを永久に発生させられなってしまう。
      • このイベントで入手可能なアイテムは「デクの実の所持数を増やす」というもので、入手できなくてもクリアまで不便を強いられる事はあまり無く実害は小さい。しかしコンプリートを目指すプレイヤーにとっては中々に厄介な問題である。対処法もイベントクリア前にノコギリを入手しないようにする位しかない。

総評

後世に模倣される「革新性」、諸々の「完成度」、そして何よりも「面白さ」。
3Dアクションゲームの黎明期における作品でありながら、この3点を極めて高いレベルで兼ね備えた本作。ゲーム史上にその名を輝かせるのも納得の、まさに名の通り「伝説」と呼ぶべきゲームである。

その反面、後続のシリーズ作品のみならず、他社の同ジャンル作品までもが否応なしに本作と比較される破目に陥ってしまうなど、『ゼルダ』という任天堂が誇るブランドのみならず、3Dアクションというジャンルそのものにある意味「楔」を打ち込んでしまった側面も否定できない。
しかしそれもまた、本作がいかに優れた存在であるかの証明と言えるかもしれない。

幸いな事に、近年のゲームハードでもVC版や後述のリメイク版が気軽にプレイできる。未プレイの方はぜひ触れてみて欲しい。
全く古さを感じさせないその出来栄えは、きっと「3Dゲームは、20世紀の時点でここまで完成していたのか!」という驚きをもたらしてくれるだろう。


移植

  • GCに『ゼルダの伝説 時のオカリナGC』というタイトルで移植されている。
    • 幻に終わった64DD版「裏ゼルダ」をも収録した移植版であり、文字通りに本作ファン垂涎の一品だった…のだが、これがGC専用ソフト『ゼルダの伝説 風のタクト』の初回購入特典限定となってしまったのが仇となった。そのあまりの人気から初回購入特典 だけ を求めるユーザーが続出、『風のタクト』は大幅な過剰出荷となり、結果的にとんでもない値崩れを起こしてしまった。
      • また予約当初は予約をした時点で特典を配布するという方法を採っていたのもあってか、特典だけ貰って予約をキャンセルする悪質なユーザーが発生し問題となった。
    • 「裏ゼルダ」は基本的な内容は一緒でダンジョンの構造も同じだが、ダンジョン内の謎解き要素や敵の配置が変化しており難易度が大きく上がっている。例えば「そのダンジョンの時点ではまだ出てこないはずの敵が出現」「壁から前半身が飛び出した牛がスイッチになっている」などカオスな変更がされている他、表ではほとんど出番がなかったディンの炎の活用場面が大幅に増加している。
    • 強いて挙げるならば、ディスクメディア故に読み込みが入るようになってしまったのが人によっては気になる点ではあるか。
    • ゼルダコレクションにもこの移植版が収録されているが、収録は表のみで、残念ながらセーブデータに互換性はない。
  • 2021年10月26日に『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』初期収録作品の一つとして配信開始、初期の頃はグラフィック関連の不具合があったが、現在はアップデートにより改善がなされている。
  • 2011年にはニンテンドー3DSでリメイク版が発売された。詳細は下記参照

余談

  • 上述のように本作がもたらした「Z注目システム」はゲーム業界に大きな影響を及ぼした訳だが、このシステムは「忍者アクション劇」と「殺陣」から着想を得たと語られている(出典:社長が訊く)。
    • どのような経緯があったかは長くなるので割愛するが、出典のインタビューをご覧になれば「忍者アクション劇」や「殺陣」が基になっている事にも納得して頂けると思う。
    • 世界的にも大きな影響を及ぼした革新的なシステムが「日本の伝統芸能」から産まれた事を考えると非常に興味深い。
  • 本作のダンジョンは評価点の項にもあるように3Dゲーム黎明期としては高い完成度を誇る。これらのダンジョンを設計したのは、現在もゼルダシリーズに関わりのある青沼英二氏である。
    • 青沼氏は「からくり人形」を作るのが得意で、大学でもからくり人形を専攻していた程。歯車とクランクだけで人間らしい動きを作るというのは謎解き的な要素が多く、からくり人形の制作経験がダンジョン設計の際に役立ったとのこと(出典:DQの元ディレクター藤澤氏との対談)。
    • こちらも間接的にとは言え「日本の伝統芸能」が影響している事を考えると、やはり興味深い話である。
  • ロットにより異なる部分が存在する。基本的には、一部表現のグラフィックの変更という平凡な物なのだが……
    • 紋章のデザイン(スイッチ、ブロック、ミラーシールド等*18)、炎の神殿のBGM、ガノンドロフの吐血の色(赤→緑)などが変更されている。GC版をプレイした際「おや?」と思った人も少なくないだろうが、これは64版の時点でのROM修正が原因なのである。
  • なぜかROM内に『スターフォックス64』のアーウィンのデータが埋もれている。
    • 「スターフォックスのデータを流用して3Dを表現しているからではないか」「BGMにおいて同一の音源を使用しているからではないか」などと推測されているが、真偽は不明。
    • 或いは、何かのイベントに使う予定があったのかもしれない。「ゼルダの伝説でアーウィン?」と思われるかもしれないが、このシリーズには『リンクの冒険』のロトの墓や、『夢をみる島』での任天堂オールスターっぷりなどといった妙な前科があるので、絶対にありえないとは言い切れないだろう*19
      • 通常プレイでは絶対に出現しないため、その姿を拝みたいなら改造プレイ動画を見るしかない。興味があったら動画サイトで「ゼルダの伝説 スターフォックス」などと検索してみるといいだろう。
      • ちなみになぜか当たり判定がありレーザーで攻撃してくる。ただし攻撃力は最弱のハート4分の1、更に妖精のパチンコ2発で撃墜できる程の紙装甲である。
    • 3DS版のインタビューにおいて、とあるダンジョンのボス「ヴァルバジア」がスターフォックスのプログラムを流用している事が明かされた為、そういった事情が影響していると思われる。詳細はこちら
  • 最初のダンジョンでよく表されるのが「)谷(の中に(÷)がいる」であるが、「)谷(」がデクの木さま、「(÷)」がゴーマ。日本のインターネット黎明期だったが、自然と受け入れられている。*20
  • 2011年の設定整理時にシリーズ全体の時系列でも本作は重要なターニングポイントと位置づけられ、本作のラスボスとの決戦の結果から3つほどの時間軸に分岐するという設定が発表された。
    • 「リンクがガノンドロフに敗北する」時間軸は今までの『神々のトライフォース』『初代』などに、「ガノンに勝利した」時間軸が本作以降に発売されたものとなっている。
      そして「本作のリンクが子供時代に帰った後の7年後の世界」は『風のタクト』『夢幻の砂時計』『大地の汽笛』に、「本作のリンクが子供時代に戻り、事前にガノンの侵略を防いだ」時間軸は『ムジュラの仮面』『トワイライトプリンセス』へと繋がっている。
  • 後の「ゼルダの伝説大全 ハイラル・ヒストリア」の公式設定(後付け設定だが)によると、本作から100年ほど後の時代である『トワイライトプリンセス』に登場した骸骨の剣士(古の勇者)は、本作のリンクの亡霊である事が判明し、多くのファンを驚かせた。
    • ちなみに亡霊になってしまった理由は「子供時代に戻って以降、勇者としての名を残せなかったのを無念に感じていた」という何とも遣る瀬ない理由。なお『トワプリ』のリンクは本作のリンクの子孫という設定もある。
  • 漫画化もされており、小学館で連載された姫川明氏の漫画版はファンの支持を集めた結果、以降の『ゼルダ』シリーズも氏により漫画化されるようになっていった。
    • 姫川氏にとっても本作には思い入れが深いようで、『ゼルダ』シリーズの中で一番好きなゲームは本作であると公言している
      • なお、大人時代の後に子供時代に戻らないとクリアできない点があるが、そこは省略されており、一度大人時代になると最後まで戻らない。
  • 本作のCMは芸能人達が実際にゲームをプレイしている姿を映したもので、BOSE、ドリアン助川、ユースケ・サンタマリア、前田日明、藤原竜也、稲森いずみ、深田恭子と計7種類ものバリエーションで宣伝がされていた。
    • またこのCMで流れるBGMはサリアの歌をオーケストラ風にアレンジした物で非常にカッコ良く、人気が高い。後の『スマブラX』ではこのBGMが時のオカリナメドレーに使われている。
  • シリーズ通してお馴染みの大妖精も登場しリンクに協力するが、本作ではまるでボディコンギャルを意識した超ケバいド派手な姿と笑い声がプレイヤーにトラウマを植え付けた。
    • 数ある本作を題材とした4コマ漫画本のほとんどでその姿がネタにされたほど。初登場時は顔がどアップで演出されるというシーンまである。
    • 3DS版ではグラフィックは多少マシになった可愛くなった。…でもやっぱりケバさ派手さは相変わらずという意見が多いが。
    • 社長が訊く』でその経緯が語られており当時の担当スタッフが「妖精らしいのを素直に描いてもつまらないですから(中略)最低でも「半歩はズラしたい」というか…。」と言う答えに岩田氏が「あれで半歩なんですか?(笑)」と反応。「 3歩…いや、4歩…くらいズレていたかもしれないです… 。」と答えている。
  • 本作からシリーズのタイトルロゴが海外版の「THE LEGEND OF ZELDA」表記に一新され、本作の記録的ヒットから『スカイウォードソード』まで使われ続けた*22
    • 旧来のタイトルロゴはゴシック体調の「ゼルダの伝説」。こちらは『ブレス オブ ザ ワイルド』において久々の復帰と相成った。

その功罪

  • 概要でも述べた通り、本作はクリエイター・ユーザー双方からの評価が極めて高い。特に当時他社のゲームでも平気で噛み付いたワープの飯野賢治氏は「正座をしてプレイした」と感服と尊敬を込めたコラムを「ゲーム批評」に載せた程。
    • 日本のゲームメディア最大手のファミ通誌上クロスレビューで、史上初となる40点を獲得。
      • 勿論本作はそれだけの評価を受けて然るべき作品ではあるのだが…この40点以降、ファミ通は事ある毎に40点やそれに近い高得点を乱発するようになり、その信頼度を落としていく事になる。
    • 『IGN』の識者によるゲームランクでも上位にランクイン、メタスコアは99点*23と海外での人気も極めて高い。
      • さらに他のゲームランキングでも、ノミネート対象に入ってさえいれば今尚かなりの確率で首位をかっさらい、或いは上位に食い込んでくる。
  • 総評でも述べたように、この作品のあまりの革新性と面白さ、そして本作に寄せられた評価の高さは、以後の3Dゼルダにおいて「どうしても本作とその出来を比較されてしまう」という一種の呪縛となってしまった節もある。
    • その完成度ゆえ、本作はいわゆる「信者」がシリーズ中でも極めて多い。後発のシリーズ作品はおろか、シリーズ以外の3Dアクション作品ですら本作とその作風や完成度を比較されてしまうという、ゲーム業界全体の発展という観点からすれば頭を抱えてしまうような事態が今尚多発しているという。
    • いい意味でも悪い意味でも、本作の及ぼした影響がいかに多大だったかが窺える。
    • この件に関しては開発陣自身も長年にわたって大いに悩んでいたらしく、後に『ブレス オブ ザ ワイルド』を開発するにあたって「『時のオカリナ』の完成度や面白さを超える」という点を念頭に開発にあたった、という話も出たほどであった。
      • なお、当の『BotW』のほうも非常に評価が高いゲームに仕上がっており、「『時オカ』を超えた」という意見も多数出ている為、この呪縛に関しては一応の決着はついたと言えるのかもしれない。
  • このゲームは発売延期を何度か繰り返した末に発売され、任天堂の有名クリエイター宮本茂氏のいわゆる「ちゃぶ台返し」が作用した事でも有名である。
    • しかし、それゆえに「延期しない『ゼルダ』作品は完成度が低い」というかなりひねくれた見方をユーザーに植えつけてしまった面もある。

ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D

【ぜるだのでんせつ ときのおかりな すりーでぃー】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 任天堂
開発元 グレッゾ
発売日 パッケージ版:2011年6月16日
ダウンロード版:2012年11月1日
定価 4,800円(税5%込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 ハッピープライスセレクション
2016年9月15日/2,916円(税8%込)
判定 良作
ポイント 全面的にリメイク&裏ゼルダも収録

概要(3D)

グラフィックをはじめ、全面的にリメイクした作品。

開発はグレッゾが担当しており、開発プロデューサーは元スクウェア・エニックス所属で聖剣伝説シリーズなどを手がけた石井浩一氏。


変更点・追加点・評価点

  • グラフィックの全面描き直し
    • 3DS向けにグラフィックやテクスチャなどを一から作り直しており、3DSの特徴である立体視にも対応している他、64版ではハードの性能上表現できなかった家の装飾や風景のような細部も丹念に描かれている。
      また、全体的に淡い色合いと少なめの色使いがされていた64版と比べ色が濃くなり、64版で単色だったオブジェクトの一部にも色が入って鮮やかになっている。
      • 特にハイラル城下町や家の中など、原作では2Dの背景を動かしていたのだが、これらも全てポリゴンで描き直されている。カメラ操作は当時のものをキッチリ再現している為、これによる違和感は少ないだろう。
      • スタルチュラハウスのクモ人間は、64版では中央にいる親の個体が女性のようなデザイン(茶色い前髪にぱっちりした目元)だったのに、呪いが解けると 糸目のハゲ親父 として出てくるという謎があったが、「眼球のある骸骨」といったより怪物的な顔に変更されあまり違和感はなくなった。
  • ジャイロセンサーによる操作の追加
    • 主観カメラ・矢を撃つ時など、リンクの視点になる際に、ジャイロセンサーを利用した操作方法を選択できる。3DS本体を動かして、ゲーム内の視点をより直感的に動かす事が可能になった。
    • スライドパッドで大まかに向きを調整し、ジャイロセンサーで細かく狙いを定める事ができる。特にパチンコや矢を撃つ際には重宝し、感度もよくコツさえつかめば本当に自分で狙っているような臨場感も味わえる。
  • 2画面化
    • 64版における通常画面・コレクト画面が、それぞれ3DSの上・下画面に同時に表示されるようになった。これにより、コレクト画面の確認が64版と比べて著しくスムーズに行えるようになった。
  • アイテムの装備可能個所がX・Yボタン+タッチスクリーンのI・IIボタン+オカリナの計5つに増加
    • これまでCボタン3つが充てられていたアイテムボタンは、X・Yボタンと、さらに下画面に表示されるI・IIのタッチボタンの計4つになった。
      タッチスクリーンによって4つ、X・Yボタンによってその内2つを使用できる。またオカリナ演奏ボタンは、タッチスクリーンの左下に常設される事になった。
      • このため本作はタッチ操作が必須であり、ボタンオンリーではプレイ不可能。3DSのボタン数の関係上仕方ない点ではある *24が、案の定賛否両論である。
      • タッチスクリーンのオカリナとI・IIボタンは画面端に配置されており「指が届く」「タッチスクリーンが指紋で汚れても気にしない」といった条件さえクリアできるならばボタンと同じような感覚でも扱える。
        ちなみにX・Yボタンのアイテムもタッチスクリーンで同様に使用可能。
      • アイテムリストも並べ替え可能になった。よく使うアイテムを端に寄せるなどして、アイテムの交換をしやすくできる。
  • Z注目が、ニンテンドー3DS由来の「L注目」となった。
    • 勿論、ゲーム内での表記もアイテムの装備であるX・Y・I・IIボタンと同様に変わっている。
    • デフォルトの設定が「スイッチ」から「ホールド」に変わっている。N64版の時点では「ホールド」の方が上級者向けという認識だったようだが、認識が変化したのだろうか。
  • ブーツの仕様変更
    • ブーツアイテムが装備アイテムではなくアイテムボタンに充てられるようになった。
      • 『風のタクト』や『トワイライトプリンセス』と同様の仕様である。
  • 謎解きのヒント映像を見られるようになった
    • ヒント映像を閲覧できる石像「シーカーストーン」がリンクの家の前と時の神殿に設置され、ダンジョンやボス戦のヒント映像を見られるようになった。
    • 視聴によるペナルティはないが、もちろん一度も見ずにクリア可能。ゲームオーバー時も同様に映像を見る事ができる。
    • いわゆる初心者救済措置だが、あくまでヒントであって答えそのものではない。ちなみにこれは『スカイウォードソード』でも採用されている。
      • また、前述の「ボスは剣でないとダメージがない」という点も暗示される。
  • ボスチャレンジモードの追加
    • ミニゲームとして一度倒したボスとの再戦が可能になるボスチャレンジモードが追加された。
      • 森の神殿クリア後、時の神殿でシークから子供時代に戻ることと同時に教えてもらえ、プレイできるようになる。
        コキリの森にあるリンクの家のベッドから「記憶の中のボスと戦う」を選択で行える。
      • 記憶の中で戦うという都合上、シナリオ上でまだ戦っていないボスとは戦うことができない。
    • 装備・アイテムはボスによって固定されており、「レコード(クリアに掛かった時間)」が記録に残る。
      • レコードは、ボスを撃破するまででなく 『ボスの登場から撃破して青い光までの移動』 の時間。
        撃破しても青い光に行くまでタイマーは止まらず、また撃破しても青い光に行くまでにハートが0になるとチャレンジ失敗となるので注意。
      • また、 この手のモードにしては珍しく「クリア回数」も記録に残る 。本ゲームを愛するならば、クリア回数3桁数を目指してみては?
    • このモードにおけるハートもシナリオと関係なく固定。基本的に3~5個と少ないが、ほとんどのボス戦で回復アイテムが持ち物に支給されるため、余裕を持って戦いに臨める。
    • 特定の条件を満たすと全てのボスと連続して戦ういわゆる「ボスラッシュ」に相当する「れんぞく」が解放される。
      • ボスを1体撃破するごとに宝箱(大)と宝箱(小)が出現する。回復アイテムや撃破に役立つアイテムを入手することが可能。
    • また、裏における同モードでは裏特有の被ダメージ2倍が適用される他、回復アイテムの支給も無くなっている事から、表から格段に難易度が上昇した戦いに挑む事が出来る。
    • ボスチャレンジモード中はセーブはできない。セーブ画面を開くとボス選択画面に戻ることが可能。ハートが0になると、ゲームオーバーではなくチャレンジ失敗となる。
      • セーブはできないとはいえ、ボスチャレンジモードをやめればすぐにリンクの家のベッドに戻るため、特に問題点とはならない。
  • もだえ石が「ひびき石」に変更
    • 3DSには振動機能がないため、断続音で知らせる『ひびき石』というアイテムに変わった。隠し穴に近づけば近づくほど、音の間隔が狭くなる。
  • 裏ゼルダを収録
    • なんと本編クリア後に、これまで『風のタクト』限定特典でしか存在しなかったGC版裏ゼルダが解禁される。
    • 「シーカーストーンが存在しない」他、GC版にはない要素として「世界全体が左右反転する」「敵から受けるダメージが2倍になる」など、まさしく裏面と呼ぶに相応しい高難易度となっている。
  • 一部のバグを修正
    • 有名なバグであった密猟者のノコギリのバグなどが修正され、取り返しがつかなくなる要素はなくなった。しかしバグワザは相当数が意図的に残されている(あきビン増殖など)。
  • その他
    • リンクがL注目中に剣を回転させて敵を挑発するしぐさが加わっている。これは『トワイライトプリンセス』からの逆輸入。
    • 一部ダンジョンの仕様が変化。例えば水の神殿では、スイッチと水位の対応をわかりやすくするため色がつけられたり、暗いダンジョンは照度が上がり視界がよくなった点などが挙げられる。
      • こうした仕様変化によって、原作屈指の難所とされている水の神殿の難易度が低下した。その点を惜しむ声も見られるものの、構造や謎解きの内容に一切手を付けずに難易度調整を成し遂げた点は評価して然るべきだろう。
    • 巨人のナイフ、ダイゴロン刀装備時の鞘のデザインが変更されている。
    • あきビンの虫が穴に入っている最中に捕まえられなくなり、使い回しができなくなった。
    • 弓の番え方が、手の甲側で構えていた原作から、手のひら側で番えるように変更されている。西洋の弓術は少し右に傾けて手の甲側に矢を番えるので64版が正しい。
      • ただし、馬を乗りながら弓を射る場合は手のひら側で番えないと矢の飛び方が安定しない為、3DS版の番え方が間違いというわけでもない。
    • 1時間毎にナビィが「そろそろ休憩したいな。」と休憩を促すようになった。
    • シークが正体を表す際に、アクションが加わっている。

賛否両論点(3D)

  • 前述したようにアイテム使用欄4つのうちI・IIボタンの2つは下画面へのタッチ操作で使用する必要があるため、ボタンオンリーでの操作が困難な点については賛否両論。
    • とはいえ、アイテムの交換を頻繁に行う必要があるだけで、I・IIボタンが無くても支障は出にくい。
  • 64版ではZ(L)注目しない状態で盾を構えて剣を振ると突き攻撃ができるのだが、64版ではこの突き攻撃に「直前の武器の攻撃力や性質が適用される」という仕様*25があったのだが、3DS版では修正され、装備中の武器の攻撃力がそのまま適用されるようになった。
    • 64版でこの突き攻撃の仕様を活用した場合、安全に黄金のスタルチュラを狩ったり、一部のボスを瞬殺したり、或いはハンマーの性質を保存して仕掛けを簡単に解いたりといった攻略ができる。
    • この修正に関しては「強過ぎるので修正されても仕方ない」という層と「修正されてテンポがやや悪くなった」という層がいる。
  • 裏ゼルダの左右反転
    • GC版の裏モードでは世界全体の左右反転などはなく64版同様の世界だったのだが、3DS版の裏モードはハイラル全土の地形、リンク含む全キャラクターの利き腕、ムービーシーンの構図などまで左右反転するため、表版に慣れたプレイヤーほど世界全体に違和感を覚えるようになってしまった。
      • 『トワイライトプリンセス』のGC版とWii版でも同様の現象があったが、あちらはプレイするハードや操作体系ごと違うためさほど問題にはならなかった。
  • 裏ゼルダでは謎解きのヒントが見られない
    • 表ゼルダでは謎解きのヒントが見られるシーカーストーンが設置されているのだが、経験者向けモードである裏ゼルダでは存在せず、基本的に全て自力で謎を解かなければならない。
      • ボス戦はともかく、ダンジョンの仕掛けに関してはシーカーストーンが存在しない関係で完全に詰んでしまった場合はどうしようもない。
    • 裏ゼルダ自体が熟練プレイヤー向けのモードなので難易度の上昇それ自体は妥当なのだが、初心者や中級者向けに何らかの形で救済措置が欲しかったところである。
  • 裏ゼルダのボス戦について
    • この点はGC版の頃から言われている点ではあるのだが、裏ゼルダにおけるボスの攻撃自体は表と同様なので、裏での追加攻撃が存在せず表の攻略法が丸々通用してしまう。
    • その一方で被ダメージ自体は表から2倍になっているので、裏独自の戦術自体は存在している点は幸い。
  • 裏ゼルダのエンディングについて
    • これもGC版の頃から言われている点なのだが、裏ゼルダにおけるエンディングには表から新規に追加されたパートが存在しないため、クリア時の達成感が薄い。
    • 3DS版では世界全体で左右反転が行われているが、これはエンディング以外にも言える事である。
  • ボスチャレンジモードについて
    • ガノンドロフとの戦いでは持て余すため、シナリオで得たハートの器・アイテム・ダイゴロン刀を活かしたかったという声もある。
      • とはいえ、アイテムの補充を行う必要がないので気軽に行えるとも言える。

問題点(3D)

  • ボスチャレンジモードについて
    • ボスチャレンジモードにおけるボス戦では、基本的にボスの部屋に入った状態からのスタートとなる。
      • これが何を意味するかというと、ボスの出現から戦闘に至るまでの流れも本編同様に自力で行わなければならないという事である。即座に戦闘を楽しみたいプレイヤーからすれば、地味に煩わしい仕様である。
    • 各ボスの出現・撃破デモはいちいち本編と同様に再生される。更に各種デモシーンはスキップできない。
      • この問題は特に「森の神殿」「魂の神殿」のボスで顕著となる。スキップ不能デモの際に会話シーンが挟まれる事もあってか、タイム記録を狙ってボスチャレンジを繰り返しプレイしている場合はダルさを感じやすい。
    • 尚、ラストバトルで戦う事になる2体のボスはボスチャレンジモードでは出現せず、これについて未登場を惜しむ声も見られる。
      • もっとも、時のオカリナはリメイク前含めてラストバトル後にセーブができないため、まだ戦っていないのに戦える=リンクの記憶にあるという矛盾にもなる。

総評(3D)

64版から無茶な追加要素はなく、BGMや効果音・操作性などといった当時の雰囲気はほぼそのまま再現されている。
新要素の追加や携帯機という事もあり、オリジナルよりも快適にプレイできるようになった。
裏ゼルダ収録によりボリュームも単純に64版の2倍に増加しており、画質も上がっているため64版をプレイしてストーリーの全容を知っている人にも楽しめるだろう。
ゲームのリメイクとなると、それによる新たな不満点などが生じるのはよくあることで、「前の方が良かった」という声が挙がりがちである。
しかしこのゲームでは珍しくそれがほとんど見られず、あらゆる面で非の打ち所のないリメイク作と言える。

海外のレビューサイトでも高評価を連発しており、リメイク版として十分な品質を有しているのはほぼ間違いない。

本作は据置機から携帯機への移植にもかかわらず、内容の劣化は見られず、表示関連は逆に著しく強化されている*26
これは15年のゲームハードの進化によるものであり、それを十二分に感じられるリメイクでもある。

+ タグ編集
  • タグ:
  • ニンテンドウ64
  • 3DS
  • ゼルダの伝説
  • リメイク
  • 任天堂
  • AADV
  • 1998年

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月02日 20:27

*1 バーチャルコンソール版以降の表記

*2 『スマブラDX』発売で公然化したが、同作のE3発表時点ではまだ公式に正体は明かしていなかった。

*3 厳密には大人時代にフラグを立てた後、子供時代に戻って攻略する必要があるダンジョンが存在している

*4 ほぼ確実に「死んで覚える」くらいしか攻略法がなくなり、実質命がいくらあっても足りなくなる。

*5 『ロックマンDASH 鋼の冒険心』等で採用

*6 Zトリガーを押せば、再度押すまで注目し続ける

*7 Zトリガーを離せば即座に注目を解除する

*8 一応、「オカリナ小僧」としか言わないのでリンクではない可能性はある。ただ、「なぜ吹いたら被害が出る歌をわざわざ教えるのか」という問題点(教わった直後に「また吹いたな!」と怒る)もあるのだが…

*9 一応、「ディンの炎」でもダメージは与えられる。

*10 中ボス以下の敵の場合は一部無効化される武器もあるものの、基本的には多種多様な武器でダメージを与えられる

*11 実際には全くダメージが入っていないのだが、パチンコの玉が目に当たる度にゴーマが痛がるリアクションを取る。一応、その前の部屋の中ボスが「怯ませてから剣でとどめ」と情報を漏らすが、バックログなどがない上に剣で攻撃されてダメージを受けた時と同じリアクションを取る為「パチンコだけで事足りる」と勘違いするリスクもある。

*12 主要ダンジョン攻略に必要なアイテムを入手するためのサブダンジョン2種、および「闇の神殿」など

*13 その森の中に飛べる「森のメヌエット」というメロディはあるが、最奥のダンジョン入口前に飛んでしまうため、引き返すのに時間がかかり、移動時間短縮にはつながりにくい

*14 拾わずにその場を離れると復活する。

*15 早急に大金が欲しければ、サカナを瓶で捕まえて売るだけで100ルピーが簡単に手に入る

*16 そもそもそこまで進めた頃には金が使い物にならなくなる可能性が高い。40匹討伐するくらい進めた頃に既に「常に所持金が上限」になっている事も多い。

*17 小学館から出ていた公式ガイドブックにも「密猟者のノコギリが嫌い」と明記されている

*18 どちらも「ゲルド族の紋章」が入っているのは同じだが、この紋章自体が「旧:三日月の切れ目の間に星が1つ→新:菱形に眼鏡を重ねたorコブラの背中」と変えられているため。

*19 実際本作でも、よくよく観察しないとまず分からない場所にマリオやヨッシーの絵が飾られていたりする。

*20 ちなみにアスキーアート板が2ちゃんねるに作られたのが1999年。日本初の顔文字が確認されたのが1986年。

*21 『ブレス オブ ザ ワイルド』系列はどの歴史に属するのか、或いは全く独立した世界か、未だ不明。

*22 海外版では『神々のトライフォース』から使われ続けている

*23 これまでIGNのメタスコアで100点が出た事はないので、事実上の最高点である

*24 本作発売当時は拡張スライドパッド(ZL・ZRボタン)が未発売である。

*25 通称盾(TAS)突き

*26 解像度が上がった他、フレーム数が向上し立体視にも対応するため描画量は数倍に跳ね上がっていると考えられる