スーパーマリオ64

【すーぱーまりお ろくじゅうよん】

ジャンル 3Dアクション
対応機種 ニンテンドウ64
発売・開発元 任天堂
発売日 1996年6月23日
定価 9,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(フラッシュメモリ)
判定 良作
ポイント 3Dアクションの偉大なる金字塔
圧倒的な自由度の高さと豊富なアクション
今なお世界中でやりこまれ続けている
マリオシリーズ

スーパーマリオ64 振動パック対応バージョン

【すーぱーまりお ろくじゅうよん しんどうぱっくたいおうばーじょん】

発売日 1997年7月18日
定価 6,800円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
廉価版 1998年3月2日/4,800円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2006年12月2日/1,000Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2015年4月8日/1,028円(税8%込)
判定 良作

※共通項目は省略




It's me, Mario!



概要

ニンテンドウ64本体と同時発売されたローンチソフトの1つ。スーパーマリオシリーズ初の3Dアクション作品でありながら、その圧倒的な完成度の高さから後の多くの3D作品に多大なる影響を与えた、3Dゲーム史を語る上では欠かせない一作であるといえる。

あらすじ

ある日、ケーキを焼いたというピーチ姫からキノコ城への招待状をもらったマリオ。喜び勇んでお城へとやってくるが、妙に静まりかえっていた。

お城へ入ると、

ようこそいらっしゃいませ…

だれも いませんので とっととおかえりください。

ガハハハッ!

という不気味な声が。どうやら、お城を守る「パワースター」をクッパが奪い、ピーチ達も城のあちこちにある絵の中に連れ去ったらしい。

パワースターの力を集めて世界を救うため、マリオの冒険が始まった。


特徴

アクション

  • 本作はマリオシリーズ初の3Dアクション。ニンテンドウ64の3Dスティックを活かし、360度自由な方向にマリオを移動させることが可能。
    • マリオの代名詞であるAボタンによるジャンプも、助走をつけてタイミングよく踏み切ることで大幅にジャンプ力が上がる「三段跳び」や、しゃがみ+ジャンプで遠くまで飛べる「幅跳び」、壁に当たった直後にボタンを押すと跳ね返りジャンプできる「壁キック(三角飛び)」、高さを稼げる「横宙返り」「背面跳び」といったテクニックが多彩に存在する。
      • ゲームボーイ版『ドンキーコング』からのアクションが多く実装されているほか、『ヨッシーアイランド』の「ヒップドロップ」など外伝作品が由来のアクションも取り入れられている。
    • また、Bボタンを押すと、パンチやキックなどの攻撃アクションを繰り出したり、一部のオブジェクトを持ち上げて投げつけることができる。これにより、従来の敵をジャンプして踏む以外の攻撃も可能となった。
      • これが用意された理由について、「2Dと違ってジャンプで敵を踏むのがやや難しい」という開発者の発言がある。
  • アイテムでのパワーアップは、大空を自由に飛び回れる「はねマリオ」、一定時間無敵になり水中も歩ける「メタルマリオ」、金網や一部の壁を通り抜けられる「とうめいマリオ」の3種類。
    • 特定のコースでアイテムスイッチを押した後、色付きのブロックを叩いて帽子を取ることでパワーアップできる。
  • マリオの体力は8段階のライフ×残機制。敵の攻撃やギミック、高所からの落下によるダメージのほか、水中や毒ガスの中にいると徐々に減っていき、0になるとミス。コインを1枚取るとライフが1回復するほか、本作では潜った状態から水面に顔を出す(息継ぎする)ことでライフが最大まで回復する。
    • ただし、本作はコインを集めた時点では残機は増えず、クリア時に精算されたコイン50枚につき1機増加する*1
    • 集めたコインを持ち越すことはできず、コースごとのハイスコアとして記録される。
  • 他にもボスの巨体を背後からBボタンで捕まえて投げ飛ばす、大ボスであるクッパに至っては尻尾を捕らえてジャイアントスイング!といった「3D」を活かしたアクションが多く追加されている。

コース

  • ゲームの拠点になるのはクッパに乗っ取られたピーチ城。お城のいたるところに飾ってある「絵」の中に飛び込むと、様々な世界に入り込むことができ、その中で「パワースター」を集めるのが目的。
    • コース1つにつき6個(+α)のパワースターがあり、絵に飛び込んだ後に目標のスターを選んで攻略を開始する。選んだスターによっては専用のギミックが登場する場合もある。
      • 例えばコース「ボムへいのせんじょう」のコース1「やまのうえのボムキング」は一番奥・上にボスのボムキングがいるので、倒すとスターが手に入るという内容。しかし、コース2「はくねつノコノコレース」はボムキングのかわりにノコノコがスタート地点に登場し、スターを手に入れるために山の上への競争をすることになる。
    • これに全マップで共通の「マップ上のコインを100枚集めることで取れるパワースター」を含めて、一つのコースから7枚のパワースターを取得できる。
  • パワースターの総取得数によって城内の移動できる範囲が広がっていき、その分行けるコースも増えていく。
    • 入れる絵画や壁が15箇所存在し、これ以外に次のエリアに進むためのクッパコースや隠しコース等で取れるパワースターが15枚あるため、ゲーム中にパワースターは全120枚*2存在するが、(通常の遊び方で)エンディングまでに必要なパワースターは70枚。

カメラ操作

  • 上下左右あるCボタンはカメラの操作に使用する。Cボタンの左右で視点を回転、下でカメラを引く、上を押すとマリオ視点で周囲を見回す。
  • 本作におけるカメラは、シリーズの敵キャラとして登場していたジュゲムのカメラマン「ジュゲムブラザーズ」が、カメラを釣り竿に吊るしてマリオを撮影しているという設定である。
    • 冒頭とエンディングで登場する他、中盤、鏡のある部屋に入るとマリオの後ろについているジュゲムの姿が映る。この部屋でCボタンを押すと入力に応じてジュゲムがマリオとの距離を変えている様子を見られる。

ストーリーについて

  • ストーリーについては概ね「いつものマリオ」。「クッパにピーチ姫がさらわれたから救いに行く」の一言で終わるようなものである。
    • ただし、今回クッパは「ピーチ姫の自宅を丸ごと乗っ取る」という大胆な手法を取っている。以降のシリーズ作品でもストーリーの骨格は大体同じながら予想外の要素を盛り込んでくるのが定番と化していく。

その他

  • マリオが完全に止まっているときにポーズした場合のみ、ポーズ中のメニューが表示されるようになった。
    • コースを抜ける項目があるため、高所から落下した際のミスをなかったコトにできてしまうことへの対策。
    • 『サンシャイン』や『3Dワールド』ではポーズそのものが出来なくなったが『ギャラクシー』『同2』では脱出含め可能となっている。

評価点

  • アクション性の大幅な増加
    • 舞台が3Dになったこと、コントローラーにスティックが追加されたことにより、2D時代とは文字通り次元が異なる圧倒的に自由度の高いアクション性を獲得した。それでいて「マリオを動かすだけで楽しい」という大原則はしっかり維持されている。
    • 前述の通り、ジャンプ一つとっても非常に多彩な種類が存在するため、慣れてくればマリオを思い通りに自由自在に操れる。
    • マップ上に存在する大砲や帽子、ワープゾーンなどの存在も、マップの探索のバリエーションを向上させている。
    • さりげないが、ゲーム開始後マリオを自由に動かせるまでの時間が非常に短いのもポイント。ファイルセレクトの後、ごく短いオープニングを挟んだらすぐに思いのままに動かせるようになるのも地味に楽しい。
  • 上達を感じられる難易度の異なるアクション
    • たとえば、マリオシリーズといえばジャンプアクションがお馴染みだが、高所へ登るための高ジャンプに必要なアクションが複数設定されており、それぞれ操作難易度が違っている。
      • バック宙返りはしゃがんだままジャンプするだけなので初心者にも扱いやすいが、壁キック(三角飛び)とは併用できないため探索範囲には限界もある。横宙返りはアナログスティックの切り返しと共にジャンプするので、操作に少し慣れればすぐできるうえ、壁キックとの併用も可能。三段跳びは難易度がかなり高いが、ジャンプの最高到達点は最も優れており、上達に伴う探索難易度の軽減に一役買っている。
    • また、大きな谷を跳び超えられる「幅跳び」は、多少の上達が必要であるため、中盤まではこれが必須となる地形に別ルートを設け、使わなくても探索できるよう配慮されている。
    • 相当な上達が必要になる「壁キック」に至っては、単にクリアするだけであれば不要とも言えるバランスになっている。
  • 箱庭コース探索の楽しさ
    • フルポリゴンで構成された3D箱庭空間を自由に動き回る事ができるゲームである本作、その箱庭空間はニンテンドウ64の当時としては超高性能のCPUとGPUにより表現されており*3、美術的にも当時としては群を抜いたクオリティを誇る。ニンテンドウ64は本作を完成させるために作られたハードと言っても過言ではない。
    • 本作のコースは2Dマリオのように「右に進んでゴールを目指す」一本道ではなく、明確なルートが存在しない箱庭的なマップである。
    • したがって、スターのもとにたどり着くにも、様々な進行ルートが考えられる。どんなアクションを使ってどんな道を進むのかはプレイヤー次第である。
    • 多彩なアクションを駆使すれば大幅なショートカットも可能。アクションの自由度が非常に高いため、発売から年月が経った今でもタイムアタックのやりこみが世界中で活発である。
    • コースもそれぞれ異なる雰囲気とギミックを持っており、作り込まれている。また拠点となるピーチ城自体も探索のしがいがある構造であり、プレイヤーを飽きさせない。
      • 中にはコースに入る際のマリオの状況によってコース内のギミックが変化するといった細かい作り込みまで存在する。
    • マリオ3』で好評を受け、『ワールド』で更に洗練された「攻略ルートを考える楽しさ」は、全く文法の違う本作でもしっかりと生かされている…どころか、3Dの箱庭探索型アクションになった事で爆発的進化を遂げたと言えるだろう。
  • 攻略の自由度の高さ
    • パワースターは全部で120枚隠されているが、クリアに必要なのは最低70枚で良いため、攻略ルートの自由度は非常に高い。全てのコースを完全攻略するも良し、苦手なコースや面倒なコースを省いて最短ルートを目指すといった遊び方を楽しむも良し。
    • コース突入の前にミッションを選択し、その名前がヒントとなっている。だが本作では、すべてのコースで選んだミッションのものとは違うスターを取ることができる。これは後の『サンシャイン』『ギャラクシー』を始めとする3Dマリオ作品では(ごく一部の例外を除いて)できない事であり、このゲームの自由度の高さに拍車をかけている。
  • カメラワークも、当時の作品としては気遣われた出来栄え。単純ながら死角が少ない。
    • カメラワークの難しくなるような狭いマップはほとんど無く、あったとしてもカメラが固定配置になる。
    • 流石に現在の観点で見ると自由にグリグリとカメラが動かせないことに不自由さは感じられるだろうが、3Dアクション作品に頻繁に付いて回る問題であるカメラワーク問題を、まだまだ3Dが未開拓であった時代の本作でここまで抑えられているのは特筆に値する。
    • マリオとカメラの間に障害物があるとマリオが見えなくなる、自キャラの向きと画面の向いている方向が正反対になってしまう事がある、不意にカメラ角度が変わって操作に戸惑う等の欠点はしばしば見られる。同様の問題が後世の3Dゲームでも指摘されている辺り、中々に根の深い問題ではあるが。
      • こうした3D空間でキャラを動かす事で起きる問題点に対し、本作ではジュゲムブラザーズというキャラの存在を明示し「第三者視点の追っかけカメラだから」という理由付けで予防線を張った。根本的な解決策という訳ではないものの、プレイヤーからは時折(ジュゲムブラザーズに対する)融通のきかなさへの不満意見が見られる程度で、カメラワークの仕様については概ね受け入れられた様だ。
    • 3Dゲーム黎明期に任天堂が提示したカメラワークの仕様に対するこれらの回答は、後世の3Dゲームにも少なからず影響を与えている。ただとある機能が搭載されていないことを除けば…(後述)
  • 本作から、マリオがアクションを起こす時に声が入るようになった。これも「マリオを動かすだけで楽しい」という爽快感に繋がっている。
    • マリオの声を演じるのはチャールズ・マーティネー氏*4。本作をキッカケに「マリオの声=チャールズ氏」という認識がユーザー間で定着し、以降氏はマリオシリーズにとって欠かせない存在の一人となる*5
  • 音楽は全編近藤浩治氏が担当。アスレチックコースで使われる軽快な曲調の「スライダー」、透明な曲調が美しい「ウォーターランド」、無敵マリオの曲をノリノリにアレンジした「メタルマリオ」など、良曲が多い。
    • また、コース深部に進むことで楽器が増えたり、メロディーが徐々に差し変わる曲があるなど、芸の細かいサウンドプログラミングは後の傑作『ゼルダの伝説 時のオカリナ』にも繋がる。
  • 大小様々な小ネタやお遊び要素も備えている。
    • オープニングデモではマリオの顔が登場し、様々なリアクションを見せてくれる。この時特定の操作をするとセーブデータを選ぶ画面に行かずに、このマリオの顔をつまんで引っ張って遊ぶ事が可能。
      • 引っ張っても離せばすぐ元に戻ってしまうが、Rボタンを押し続けながら引っ張ればそのままの状態を維持可能。様々な変顔を作って大笑いできる。気がついたらこれだけで1日を過ごしていた、というのは当時のユーザーなら一度は経験している筈。
      • このギミックは元々『マリオペイント』の続編の一モードとして作られた要素とのこと。作品自体は開発中止になってしまったものの、意外な形で日の目を見る事となった。
      • 本作はニンテンドウ64のローンチタイトルの一つであったため、当時のユーザーにとっては新デバイスとなる3Dスティックでのカーソル操作に親しんでもらうという意図も込められていたと思われる。これについては、その後の展開を見るに正しく狙い通りの結果を得られたと評してもいいだろう。
      • 今では当たり前となったスケルタルアニメーション(スキンメッシュアニメーション)と呼ばれる手法で、TVゲームに使われた最初期のものである。当作ではゲーム本編ではおそらく使われていないが、後に『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では主人公リンクの動きや水のボスなどに使われている。
    • 「「杭」の周りをぐるぐる回るとコインが飛び出してくる*6」「3匹セットの蝶を(個別に)パンチすると一匹は1UPキノコ、二匹は爆弾に変化する」「特定ポイントを通ると1UPキノコが出現し、キノコの方からプレイヤー目がけて高速で突っ込んでくる(通称:緑の悪魔)」など、多数のネタが存在している。
    • これらの小ネタやお遊び要素の大半は公式攻略本にすら記載されていない。隠された小ネタを探して遊びまわるのもまた一興か。

賛否両論点

  • 従来の一本道を進んでゴールを目指す2Dマリオの形式とは異なり、箱庭を探索することに比重が置かれたゲームとなった。
    • 3Dゲームの黎明期だったこともあってか、「従来の2Dマリオではとりあえず右に進んでいれば良かったが、3D化した本作ではどちらに進めばいいのかすら分からず、最初のピーチ城前で何時間も迷いまくった」といった、現在のゲーマーからすれば俄かには信じ難いような報告も少なくなかった。
    • アクションの増加によって操作が複雑化したこともあり、ライトユーザーにはややハードルが高い部分もある。
      • 任天堂もこうした「そもそもどこに行けばいいのかすら分からない」ユーザーが出てしまった事を重く見たのか、後の3Dマリオでは序盤は自由度がある程度制限されるような作品が多くなっていった。一応、本作でも最初のスター2つは最初のステージでしか取れない。
  • マリオの変身は全て制限時間がある。
    • 攻略に深く関わってくるためやむを得ないが、変身アクションが売りだった前作『ワールド』までに比べると少々さびしい。またボス戦でも使えない。
      • 特にシリーズおなじみの「ファイアマリオ」は3Dマリオでは『スーパーマリオギャラクシー』まで待つ事になった。
      • 一応、本作では制限時間内ならダメージを受けても解除されない。
      • もっとも、3Dアクションにおける飛び道具は「ゼルダの伝説シリーズ」のもののようにロックオン機能がない限り正確に狙いを定めるのが難しくていまいち使い物にならないなどの問題点があり、当時は3Dアクションが未知のジャンルであったため、一概に悪い点とは言えない。
      • また、技術面でも無理があったかもしれない。「スーパーマリオギャラクシー」では時間制限なしの変身も導入されている。
  • 水中面の難易度の高さ
    • 元々「マリオ」の水中面は陸と勝手が違う操作・(一部のパワーアップ状態を除いて)攻撃できないもどかしさをどう立ち回るかというコンセプトなのだが、今回はそれに加えて3Dによる方向の把握しづらさや、体力に空気の概念が加わった緊張感等でより難易度が増している。
      • 空気(=体力)が切れると苦しくもがいて溺死するマリオや、どうあがいても倒せない巨大ウツボ、近づいただけで吸い込まれてミス確定の渦潮などの要素から、「水中面が怖い」という感想を持ったプレイヤーも少なくない。このホラー要素は現在もプレイヤーの間で語り草になっている。
    • 通常のコース構成の水中面は2つあるのだが、両方ともコインの枚数がやけに少ない。恐らくコインを取る事で空気残量を回復できるシステムの影響なのだろうが、片方はスイッチ起動後一定時間だけ出現する青コインを2枚、もう片方は1枚でも取り逃しただけで100枚コインのスターが取得できなくなる。
      • 厳密に言えばもう一つ水をテーマにしたコースが存在するが、こちらはギミックの都合上特定のスターを除けば溺死の危険性は低く、またコインも十分に豊富なため問題にはなりにくい。
  • アクションが暴発し易い
    • アクションが増えた弊害として、意図せずアクションが出てしまうという事が多い。
      • 特に多いのが、「敵に近づいてパンチか掴もうとしてヘッドスライディング」が暴発してしまう。それで事足りるケースもあるが。
      • また、「走り幅跳びをしようとしたら小ジャンプ直後にヒップドロップ」も暴発しやすい。
  • 炎ダメージを受けた時の暴走
    • ヘイホーやクロマメ(火を吐く黒い玉)、クッパなどが吐き出す炎に当たってしまうと、お尻から煙を噴きながら「アチャチャチャチャァー…」と熱がってしばらく止まれず走り回るアクション*7が追加された。
      • リアリティある演出ではあるものの、この状態になってしまうとまともにマリオを動かせなくなり、しばらく止まれないので、そのまま奈落にまっさかさま…という憂き目に合うことも多い。
        加えて質の悪いことに炎自体に追尾性能があり、かわしたと思っても思わぬダメージを受けてしまうことも。その場から動かないクロマメの攻撃はまだ予測もしやすいが、空中を飛び回りながら炎を吹くヘイホーの攻撃はまさに脅威。
      • クロマメは予測しやすいとはいえ、よりにもよって足場の狭いところに配置されているため、避けられずに走り出してそのまま落下死につながりやすく、倒すことができないため一方的に攻撃されるだけな上、火を吐く挙動の不気味さも相まってトラウマになった人も…
  • 全体的にボスが弱い。
    • 単純に雑魚が相似拡大しただけと言った感じで、3回攻撃しないと倒せないものが多いが、ダメージを与える方法そのものは雑魚版と全く同じというボスがやたら多い。
      • バッタンキングやおやかたテレサなどは割と見掛け倒しに近い弱さである。一応序盤のボスと思えば妥当と言えなくもないが…。
      • ボスどんけつ及びアイスどんけつに至っては、体力に至るまで雑魚版と全く同じで一回落としたら終了。拍子抜けにも程がある。
      • とはいえ、「見た目から攻略方法がわかりやすい」という意味ではユーザーフレンドリーと言えなくもない。またハナちゃんやイワンテのように、雑魚版がおらず自分で攻略方法を模索する必要があるボスも多い。
    • 概ねボスは弱めであるが、流石にクッパは2回目以降は3Dを活かしたダイナミックな攻撃と対処法が仕掛けられている。ここまでで3D慣れできないとそこそこの強敵であり、極端にバランスが崩れてはいない。

問題点

  • マリオの新アクションが3D視点も相まって、少々難しいものが多い。
    • 中でも「壁キック」が「壁に飛びついた直後でないとできない」という本作独自の仕様で、慣れるまで出しづらい。
      • 必要な場面はあまりなく、スター70枚でクリアするだけなら一回も使わない事も珍しくない。但しコンプリートを目指すなら話は別で、取得のためにこのテクニックの習熟が必要となるスターが比較的序盤に存在する。もちろん後回しにもできるが。
      • リメイクのDS版も含め、壁キックを採用している『サンシャイン』以降の作品では壁をずり落ちるアクションが追加されたため、大幅に出しやすくなった。
      • ただしこのずり落ちるタイプの壁キックは壁から垂直に飛び出すことしかできず、斜めに入射すれば斜めに飛び出す壁キックは本作のみのものである。90°の角で2回壁キックをして上るテクニックなど、攻略に必須ではないものの決まると楽しいので、無くなったのは残念である。
    • 全体的にマリオが滑りやすい。3Dで操作性が異なるため旧作とは一概に比べられないが、体感的に氷上以外でもマリオが滑りやすく感じてしまう。特に坂道ではその影響が大きく、3Dアクションに慣れていない場合、そのまま転落してしまう危険が旧作より大きい。
      • とあるコースに存在するピラミッド外周の道で「登ろうと上方の坂を踏んだらいきなり滑り状態になり、道部分で止まらずそのまま滑り落ちた」という謎の挙動と、それによるミスの報告が存在している。
      • 移動速度が激減する代わりに、余程急な坂でもなければ滑りにくくなるハイハイ(匍匐移動)操作もあるが、一度滑ると完全に静止するまでハイハイへの操作変更ができなくなる。
    • 上述通り「ジャンプで敵を踏みづらい」として考案されたパンチやキックのアクションも、扱いづらいものが多い。
      • 素手の攻撃なのでリーチが短く、ヒットさせるために接近しなければならないが、多くの敵はこれまでのマリオシリーズ同様に触れるだけでダメージを受ける仕様なのでリスクが大きい。またそもそもダメージを与えられない敵も多く、ブロックを壊す以外の使い道がすくない。
      • その場でBボタンを三回連続で押すとパンチ→パンチ→キックのコンボになるのだが、ヒットした敵が大きく吹っ飛ぶため全て当てる事が絶望的で、そもそもパンチやキックが効く敵はほとんどが一撃で倒せる事からあまり意味をなしていない。さらに上記の滑りやすい操作性のために、狭い場所で使うと反動で滑って転落ということもあり得る。
      • また、コイン集めのためにパンチやキックで敵を倒すと敵が大きく吹っ飛んでからコインを取りに行く手間がかかる、場所によっては敵が奈落の底まで飛んで行ってコインを拾えなくなる事がある。
      • ごく少数ながらパンチかキックでないと倒せない敵やボスはいるのだが、基本的にジャンプからの踏み付けやヒップドロップの方がメリットが大きくなっている。あくまでマリオの本分はジャンプアクションというところか。
      • 不評だったのか、以降のシリーズではパンチなどの素手攻撃はほとんど採用されておらず、放水などの飛び道具、あるいはボディアタックやスピンアタックといった足の止まらない体当たりのような攻撃手段が採り入れられている。
    • 羽根マリオの操作性が悪い。
      • 本作の目玉変身ではあるが、飛行時の挙動やカメラワークの関係で非常に癖が強く、自在に飛ぶには相当な練習が必要。
      • 何もしなくても上昇と下降を繰り返すほか、急上昇するとその後強制的に下降するため、相当細かく高度調整を行わないと水平に飛行できない。さらに上昇時はカメラがマリオを下から見上げるような視点になるため周囲の状況を見失いやすく、高度や向きの調整がやりづらい。
      • 旋回性能もそれほど高くなく、ほぼ滑空しかできないので、赤コインやスターを取り損ねるとリカバリーは不可能に近い。そのため、方向と高度を合わせて正面から突っ込むのが最も確実になってしまう。
  • マリオの向きとは逆方向にスティックを入れ続けると、即座にではなくUターンしながら徐々にその方向に向かっていく。
    • リアルな挙動とも言えるのだが、狭い場所で方向転換をするとこの回り込むモーションの影響で足場から落ちてしまうため、操作性を損ねている。スティックを少しだけ入れることでUターンせずに方向転換が可能だが、手間のかかるだけの仕様と言えるだろう。
    • ただし、スティックを瞬時に反対方向へ倒せばこの現象は起きないので、人に寄っては全く気にならない点でもある。
  • 3D酔いを起こし易い。
    • 全面的なポリゴンによる立体的なグラフィック構成に加え、3Dスティックでの柔軟かつ独特な操作性に慣れず、うまく動かせずにウロウロしているうちに酔ってしまった…という事が起こりがち。
      • 当時はまだ2Dゲームが主流であったため、3D耐性があまり備わっていなかったことも大きい。
    • またカメラの操作と挙動の癖も強いため、3Dが普及しきった現代でも体質によっては3D酔いを起こす場合もある。
  • カメラ周りのシステムが未成熟。
    • カメラワークは評価点でも挙げたが、それはあくまでメイキング・技術面での話。プレイング面においては上記の独特な操作性の難易度を押し上げているのも事実である。
      • 特に厄介なのがマリオの移動に伴ってカメラアングルが勝手に動いて操作系に影響する部分。一定方向にスティックを倒し続けてもまっすぐ進めない地点がいくつもあり、どこで視点が動くのかという癖まで含めてのプレイングが必要となる。
      • 後半の難易度が高いコースで起きる落下事故の原因の大半がこれで、狭い足場でカメラがマリオの現在位置によって徐々にY軸回転するため、移動しながら移動角度を「微」調整し続けるというかなり煩わしい難点となってしまっている。
      • 悪い事にそうした箇所に限って視点変更に制限がかかっているため、「思ったようにマリオを操作できない」というのは実は想像以上にシステムに由来している。障害物のない屋外でも不自然に制限がかかる箇所も多数ある。
      • この頃はまだ3Dアクションの草分けであるため、後の同ジャンルで定番機能の一つである「カメラリセット」*8もこの頃にはまだ無い。カメラ制限のない場所に限り特定の手順で似た動作を再現する事はできる*9が、操作が煩わしく、上記のようにカメラが自動移動する箇所や視点変更不可のエリアでは使用できない。
      • この問題は後に『ゼルダの伝説 時のオカリナ』でZ注目によるカメラ補正が実装されたことで、解決の糸口が見いだされることとなった。
      • また、今作はLボタンに何の機能も搭載されていない。普段今作をプレイする持ち方*10からは少々押しづらい位置にあるため機能を用意しなかった理由が考えうるが、それでも未使用ボタンを埋める機能がなかったのは惜しいところだろう。
  • コースによってはスター探しの難易度が過度に高いものもある。
    • 基本的には後半のコースになるほどその傾向が強くなっていく。最序盤はコース開始時のメッセージでナビゲートしてくれるし、それ以降もコース突入時に選択するミッションのタイトルから探し方を推測する事が可能なスターも多いが、当然例外もある。
      • 分かりづらいヒントの例としては、「バッタンキングのとりで」の「たいほうでぶっこわせ!」というスター。名前から「大砲で何かを壊せばいい」ことまではわかるが、困ったことにこれ以上のヒントが皆無。序盤コースの割にはかなり難易度は高め。
        一応、「このコースに大砲は一つしかない」「コース周りが奈落なので大砲の射角に制限がある」「撃てる範囲にある壊せそうなもの」という形で推理を進めれば、よく見ると変な線のある壁があるので答えに辿り着けなくはないが、突き放し感は否めない。
        ただ、紛らわしいのだと同コースに「キラーの大砲」もあるので「キラーを誘導して何か(塔?)に当てる」と誤解する人もいそうである。*11
        他に「「スノーマンズランド」の「つめたいいけを こえて」も劇中に「つめたい」と表現されている特殊仕様の池が2つあるので紛らわしい。*12
      • 特に、「特定のポイントを通る」「特定のコインを取る」といういわゆる「シークレット」タイプのスターは、ほとんどノーヒントであることが多く難易度はかなり高い。一応、大抵の場合シークレットの位置には法則性があるし通ったという数字も表示されるので、何か一つとっかかりがあれば推理できなくもないが、赤コインと違って実際に触れるまでは何の変哲もないコインや場所であることも多いのは厳しい。
    • スターが見つからない・取り方が分からない場合、同じコースを長時間ウロウロすることになり、ストレスを感じさせる。
    • この点について3Dマリオの次回作『サンシャイン』では、コース開始時にヒントとなるデモが挿入されるようになった。
    • 作中で取っておくように勧められる、パワーアップブロックを出すための赤・緑・青スイッチコースの場所もほぼノーヒント。青スイッチコースは城を歩き回れば容易に見つかるが、赤と緑はヒントが僅かで、気付けないとずっと気付けないような場所にある。
      + 緑・赤スイッチコースの入り方。ネタバレを含むため格納
    • 緑スイッチコースはコース6「やみにとけるどうくつ」のどこかに入り口があるのだが、そこに至るまでのヒントがほとんどない。一応、あるスターの目的地付近なので、付近を探索していれば見つけられる。
    • そして赤スイッチコースの入り方だが、スターを一定数集めたうえでピーチ城1階の階段前ロビーに立ち、カメラをマリオ主観に切り替え光が差す方向を見上げるというかなりイレギュラーな手順を要求される。
      • 攻略情報なしで気づけた人はどれくらいいただろうか。
  • 「おしろのかくれスター」は、累計獲得数しか表示されず、取り逃がしてもどこで取り忘れたものかわからない。
    • 「通常コース以外の場所で手に入るスター」全てがごっちゃになってカウントされているため、スイッチコース、クッパコース、隠しコースの赤コインスター、一部のキノピオに話しかけてもらえるもの、ミップというウサギを捕まえて手に入るものなど、入手手段は多岐に渡るため、再チェックはかなりの手間。
      • そもそも事前情報がない場合、隠れスターの全数もわからない。とりあえず赤コインを集めさえすれば手に入る隠しコース系のスターはともかく、「スライダーで規定タイムを切る」などの条件に非常に気付きづらいものもあるので、攻略情報なしでのコンプには相当な手間がかかる。
  • 基本的にミスをするとコースの入り口前に投げ出されるのだが、一部の番外コースでミスをすると、コースの入り口からかけ離れたところへ投げ出されてしまう。
    • 再度挑戦するには長距離移動しなければならず手間がかかる。このコースでは残機が減らないのが救いか。
  • 反対にコース7の火山、コース8のピラミッドは入ると別のコース扱いになるのか、1度入るとクリアするか他のステージに入るか電源入れ直すかするまで出る事が出来なくなる。
    • これらのコースはそれなりの難易度を誇るため、難しかったからやり直して別のスターを目指す、という切り替えが出来ないのは非常に不便である。
    • また、「ミスするとコインカウントがリセットされる」「一度入ると外に出る手段がない」「これらのコースでは、火山/ピラミッド内外それぞれだけでは原則コイン100枚に到達しない」という条件から、100枚コインスター獲得の際中に入ってミスするとコース進行をリセットしないといけなくなる。地味に手間である。
  • 正味の話、残機の意味があまりない。
    • 通常コースでミスするとコース外に放り出され、ゲームオーバーだとファイルセレクトまで戻されるという違いはあるが、どちらにせよコース進行がリセットされるのは同じ。ちゃんとスター取得ごとにセーブしていればファイルセレクトに戻されるデメリットはほぼない。精々、もう一度そのコースに行くのが手間なぐらい。
      • 前述の火山とピラミッド、及びクッパ戦だけはゲームオーバーにならない限りは道中を省いて再挑戦ができるため、ここでは意味があるのだが、よりにもよって最終戦のクッパコースでは、ミス後の復帰場所に1UPキノコが置かれており、このことに気付けば実質残機の意味はなくなる。
    • そのため、スターコンプリートのご褒美の「残機カンスト」も、ゲームをやり込んだご褒美としては正直微妙な感は否めない。あくまでオマケと言えばその通りだが…。
      • 「ウォーターランド」の壁の穴に吸い込まれる、「にじかけるはねマリオ」で転落するなどのミスをした場合、残機が減らない代わりにキノコ城の外に放り出される。これはこれで実質「ワンミスでゲームオーバーと同じ」ということになっており、やはり残機の意味合いが薄い。
    • この「セーブして少しずつ進めることが前提となっているステージ選択式のアクションゲームにおける残機問題」は後年までゲーム業界においてジレンマとなっており、いっそのこと残機システム自体を完全に撤廃してしまった作品も近年では目立ちつつある。
  • 水中の酸素メーターと体力ゲージが共通という仕様が原因で、ダメージを受けている状態でも水中に入り水面に顔を出すだけで体力が全回復してしまう。*13
    • 次作『サンシャイン』にて、酸素メーターと体力ゲージは分離されることになる。何かと水に入る事が多い同作品で、水に入っていくらでも体力回復可能なのは難易度の面*14からしても流石にまずかったのだろう。
  • 完全に立ち止まっている時にしかコースからの脱出が出来ない。
    • 高所から落下した際にミスになるのを防ぐためと思われるが脱出が出来ず、ポーズ自体は出来るもののカメラの設定を含めてそれらのコマンドが出なくなっている。
    • 『サンシャイン』や『3Dワールド』では、地上で動いているときには大丈夫なものの、空中にいる時にはポーズを掛ける事自体が出来なくなってしまった。

総評

3Dアクションの黎明期にもかかわらず、極めて完成度の高いアクション性とコースの自由度の高さはプレイヤーのみならずクリエイターからも高い評価を受け、その後の多くの作品に多大なる影響を与えた。
現在ではカメラワークこそ実験段階ではあるものの、3Dアクションの先駆者にして最高傑作と評価する声も少なくない。
スーパーマリオブラザーズ』が2Dアクションの代名詞となったのと全く同様に、本作も3Dアクションという領域を切り開くと同時に決定づけてしまった、まさに記念牌的傑作である。


移植・リメイク

  • 日本国内のみ、後に周辺機器「振動パック」に対応したバージョンが発売された。
    • コントローラーに振動パックをセットすることでマリオがダメージを受けた際に振動する。
    • 加えてゲーム自体にも一部手が加えられており、マリオやピーチにボイスが追加、ワンワンの声と赤コイン及び5シークレット取得時の効果音が変更され、後述する「ケツワープ」など一部のバグも修正されている。
      • なお、日本の初期版の後に発売された海外版にて先述のボイス追加・効果音差し替えはすでに実装済みで、その変更が振動パック対応版にフィードバックされた形となっている。いわゆるインターナショナル版のような立ち位置であり、さらに追加でバグ修正+振動パック対応といった内容である。
        ただし、海外版ではマリオがクッパを最高速で投げる際に「から揚げ食べ~るSo long kinga Bowser!」(訳:じゃあな、クッパ!)という台詞を発していたが、日本のユーザーには分かりづらいためか振動パック対応版では「ババーイ」という台詞に差し替えられている。
    • 日本のバーチャルコンソール版や後述の『3Dコレクション』収録版等で再配信される場合、基本的に初期版ではなくこちらの振動パック対応版の移植となっている。
      一方、振動パック版が未発売だったEUバーチャルコンソール版は通常版ベースなため、こちらではケツワープが依然可能。
    • なお、WiiUのVC版については他の64ソフトと同様に操作の遅延が指摘されている。特にアクションである本作では影響が大きい。
  • 本作のアレンジ移植版として『スーパーマリオ64DS』がニンテンドーDS本体と同時発売された。
    • プレイアブルキャラクターが4人に増えている他、原作からの相違点が多く、実質的にはリメイクとも言える内容である。
  • 2020年9月18日にNintendo Switchでオムニバスソフト『スーパーマリオ 3Dコレクション』が発売。『サンシャイン』『ギャラクシー』と本作が収録されている。
    • バージョンについては先述の通りだが、今回は全世界共通で振動パック版準拠となった。
      移植にあたり720pに高解像度化されたことに加え、アイコンやフォントなどの表示が滑らかになっている他、言語切替機能(英語(アメリカ、イギリス/オーストラリア)、フランス語、ドイツ語)も搭載。
      SUPER MARIO BROS. 35』と同様の「スーパーマリオ35周年記念作品」だったため、e-shopでのダウンロード販売及びリテール版の生産は半年間限定となっていた。
  • 2021年10月26日に『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』初期収録作品の一つとして配信された。
    • 『3Dコレクション』のようにテクスチャまで作り直しではないものの、HD画質相応に補完処理+αが施されている。
    • 日本版は振動パック版の移植だが、振動パック版が未発売だった海外版は通常版の移植。そのため、海外版限定でケツワープが可能になっている。


余談

  • 逆に、本作のルーツは『スターフォックス』開発を担当したアルゴノート・ソフトウェアが任天堂に向けて作ったテスト作品『Yoshi Racing』と言われている。
  • 本作ではマリオが帽子を失うと、受けるダメージが1.5倍になるという弱体化補正がかかる。これはコミックボンボンで本山一城氏が連載していた「スーパーマリオ」が元ネタではないかとされている。
    • 近年ではゲーム中マリオが帽子を失う場面が少なくなり、したとしてもエンディング中だったりするため、この設定は無いに等しくなってきている。
    • 帽子無しでコースを抜けた場合、無くした帽子を取り戻すのが非常に面倒だった事も理由の一つかもしれない。
      • 帽子を落としたコースまで取りに行かなければならず、敵が帽子を持っているので奪い返す必要がある。さらに、帽子がない状態でセーブするとその状態までセーブされてしまい、次回ロード時に帽子がない状態でスタートする羽目になる。
  • 初期版では、コインを1000枚以上取得すると残機がマイナスになってしまう*15というバグがある。
    • 裏技などを使わず1000枚入手するには、クッパの吐く炎から変化したコインを集める方法が有名だが、実は表示されないもののエントランスや中庭でお城のコインを集めても可能。こちらの方が楽。
    • 本来はコインの所持数が999を超えないように「1000枚以上であれば所持数を強制的に999で上書きする」というプログラムが組まれていたが、このプログラムにミスがあり「残機を999で上書きする」という挙動になっていたのが原因。その結果、8ビットの符号付整数(-128~127の間でしか値を持つことができない)としてメモリに格納されている残機数に999→0x3E7(16進数)を書き込もうとしてE7の部分だけが残機数として認識されるようになり0xE7=-25として認識される*16、というものである。
      • なお、海外版と振動パック対応版ではプログラムミスが修正され正しい挙動になっている他、「64DS」では所持上限が255まで引き下げられたため、このバグは発生しない。
        (参考:https://www.youtube.com/watch?v=T-YtojVHfKc )
    • ちなみに、バグを駆使すれば殆どのコースで1000枚のコインが取得可能。255枚以上のコインを集めると、コース別ハイスコアの挙動がおかしくなる。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ」では前述のBボタンによる攻撃がマリオの弱攻撃や通常空中攻撃になっている。
    • このシリーズで上記のパンチとキックのコンボが日の目を見る事になった。
  • この作品から国外におけるピーチ姫の名前が国内版と同じに統一された。
    • 基本的にマリオシリーズでは海外名が日本と異なるキャラの方が多いが、味方のメインキャラは世界共通である事が多い。しかし「ピーチ(Peach)」にはわいせつなイメージがあるという懸念から、彼女に対して日本国外では「Princess Toadstool」という名前がつけられていた。今作でそれがようやく緩和された形になる。
    • オープニングの手紙には「Princess Toadstool」(活字)「Peach」(手書き)とある。Princess Toadstoolは肩書きであってPeachが個人名という意味合いで、上手く移行させたものだ。
    • ちなみにToadstoolとは直訳すれば「ヒキガエルの腰掛け」、外国の絵本やアニメなどでよく見かける傘のポッコリした赤い色に白い水玉のキノコである。
      • しかし海外ではそのカラフルな外見から幸運のお守りとして知られていたものの、その実態はあのベニテングタケのような猛毒のキノコ。つまり訳すと「毒キノコ姫」となってしまい、正直何ともいえない。
        それに合わせてか、キノピオは海外では「Toad(ヒキガエル)」という、これまた何ともいえない名前になっている。
  • 本作で未登場となってしまったルイージだが、実は開発初期段階では登場する予定だった。
    • ルイージファンには残念な結果となってしまったが、上述したニンテンドーDS版ではプレイヤーキャラに晴れてルイージが加わり、今作のリベンジを果たせた。
      • ちなみに64DD用ソフトとして本作の続編である『スーパーマリオ64.2』が1997年頃に企画されており、ルイージが出演する予定であったが、企画が1999年にお蔵入りになったため幻に終わっている。
  • この他、ヨッシーもゲーム本編で活躍する予定があった。ゲーム内のギミックの一つとして構想されていた模様。
    • 宮本茂のインタビューによれば、仕様が満足の行く物にならなかったため、開発段階でお蔵入りになったとの事。ヨッシーのポリゴンはすでに作られていたのだが、これがゲームクリア後のおまけ要素として日の目を見たという。
    • 内部データには、没になったと思われるヨッシーの卵のグラフィックが存在している。
  • 評価点で触れた「マリオの顔いじり」だが、後に『マリオパーティ』のミニゲーム「クッパひゃくめんそう」という形で任天堂自らパロディを行っている。好評だった事を把握していたのだろう。
    • また、初代ニンテンドーDSが発表された際に公開された技術デモでも、タッチペンの操作性をプレゼンするためのミニゲームとして顔いじりが採用されていた。
  • IGN.comの読者によって作成されている名作ゲームランキングでは、3年連続でベスト20にランクインしている。
    2006年:19位 2007年:5位 2008年:11位
+ 熱心なプレイヤーによる研究・やり込み
  • 発売から20年以上が経過しているにもかかわらず、現在でも全世界でタイムアタックを始めとしたやりこみが盛んに行われている。
    • ニコニコ動画でマリオ64のタイムアタックが流行っていた時期は上位記録の多くを日本人プレイヤーが占めていたが、現在はタイムアタックの主戦場がspeedrun.comとTwitchに移ったこともあり多種多様な国のプレイヤーが好記録を残している。
    • これだけやりこまれているにもかかわらず、日々新しいルートやバグが発見されその都度記録が更新されていることからも、このゲームの奥深さがわかるだろう。
  • 序盤のうちから先のコースに進めてしまうバグも存在するが、これがタイムアタックでは非常に重要な要素になるなどまさしく怪我の功名である。普通にやるぶんにはまず発生しないバグであるため、何の問題もない。
    • マリオが後ろの方に高速で飛んで壁を抜ける様は、壁や階段に向かって尻を擦り付けているように見えることから「ケツワープ」*17と呼ばれ、見た目のインパクトが非常に大きく印象的なネタとして有名に。
    • これらのテクニックを駆使し続け、本来本作のクリアには70枚スターを集める必要があったのを、計16枚まで減らす事に成功。その後も研究は続けられ、スターを集める必要すら無くなり、遂にスター0枚クリアを達成してしまった。
    • クッパコースのスルー手段は長い事見つかっていなかったが、研究の結果2016年に「やみのせかいのクッパ」をスルーして地下に侵入する手段が発見された。
      これにより「1KEY(鍵を1個だけ取ってクリア)」ルートが最速記録となった。
      • 尚、クッパコースを2つともスルーする「0KEY」はマップ読み込みの都合上*182021年時点では不可能とされている。…が、これほどまでの情熱を有したやり込みプレイヤー達が猛者達が今猶切磋琢磨を続けているのであれば、そのうち革新的なバグを発見して0KEYも実現してしまうのではなかろうか。
  • プレイヤーに突っ込んでくるタイプの1UPキノコは壁や障害物を貫通する上、マップ移動しないといつまで経っても消えない。
    • この性質を活かし、一部プレイヤーによって「1UPキノコから逃げながら赤コインを8枚集める」という通称 「緑の悪魔」 と呼ばれる遊び方が生み出された*19
    • 延々と最短経路で追いかけてくるキノコから逃げ延びるには、コース構造をしっかり頭に叩き込んでおく必要がある。
    • 操作やマップに慣れてきたら挑戦してみるといいだろう。落下や即死ギミックの危険が少ない「ボムへいのせんじょう」等のコースだと比較的楽である。
  • 2014年に、これまで取得不可能とされてきたコインが本作発売から18年目にして漸く取得されたというニュースが飛び込んできた。
    • 取得不可能とされていたのは、コース13「ちびでかアイランド」に出てくる1枚。ある鉄球が飛び出す岩壁の近辺で、プレイヤーの視点をぐねぐね変えると、岩の内側にコインが埋まっているのが確認できる。勿論このコースでは、通常プレイの範囲内においてマリオがこのコインを取得する=岩壁を貫通する手段は存在していない。
    • だが絶対に取れないと思われるコインの存在が挑戦心に火をつけたのか、数多の本作ファンが「インポッシブルコイン」取得を目指して技術研鑽に励んできた。そして18年もの間本作を研究し続けてきたとあるプレイヤーの手によって、遂にこのコインが理論上取得可能である事が証明されたのである。
    • その2年後、同じくちびでかアイランドにて別のインポッシブルコインが発見されてしまった。しかも発見したのは、上述のコインが理論上取得可能である事を証明したプレイヤーその人という…。
      • 詳細はこちらを参照されたし。…最早学問の域に達していると評する他無い。本作をやりこみ続けるプレイヤー達の総称としてスーパーマリオ64学会とはよく言ったものである。
  • 上述の新たなインポッシブルコインを発見した海外プレイヤーは、マリオ64に対する徹底的な研究を行なっている事で知られている。新たなインポッシブルコインの発見も、彼が コインの配置に法則性がある ことを見つけたのが切っ掛けなのだとか。
    • Aボタンを出来る限り押さないで全てのスターを取得するなど高い評価を得たやりこみにも挑んでおり、とりわけ「クリボーで橋を作って「そらにはばたけ はねマリオ」をクリアする」というやり込みは日本でも反響を呼んだ。
    • その他、コース14「チックタックロック」で発生したはるか上方へ瞬間移動するTTC Upwarpと呼ばれるバグの再現に対して高額の賞金もかけているそうな。興味を持たれたならば、押し入れからN64とソフトを引っ張り出し挑戦してみてもいいかもしれない。

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最終更新:2024年03月22日 16:52
添付ファイル

*1 クッパ系コースではクッパの吐く炎から無限にコインを入手できる(炎の海除外)が、これで1000枚以上コインを取ると突然マリオの残機が「-25」まで下がってしまう。詳細は「余談」に記載。

*2 これに加えてラスボスのクッパ撃破時にもう1つ入手するが、これはセーブできないのでただの演出である。

*3 N64と同世代のPSで発売された同じプラットフォーム系3Dアクションゲームである『クラッシュ・バンディクー』3作品はPSの性能的な問題から、コースは狭い一本道(ちょうど『スーパーマリオブラザーズ』を3D空間化したようなゲーム性)になっている。

*4 氏は本作以前にも、海外で稼働したピンボールゲームや任天堂の関係者向けイベント、同じく海外発売のPC向けゲーム『Mario's Game Gallery(Mario's FUNdamentals)』でマリオの声を演じている。

*5 それまではOVAやマリオ系グッズ(学習机やふりかけなど)のCMでアニメ化されたマリオの声は主に古谷徹氏が演じており、『スーパーマリオランド3 ワリオランド』や『サテラビュー』など直近のCMでは富山敬氏(根本的にはワリオ役)や津久井教生氏が演じたこともある。いずれにしても日本人声優。

*6 ただし、杭をヒップドロップで埋めると出てこなくなってしまう。

*7 「HAHAHAHAHAHAHA…」と笑っているように聞こえるのはお約束

*8 カメラがどの角度にいてもボタン一つで一瞬でプレイヤーキャラの背後にカメラが移動し真正面を映す

*9 ポーズ画面からカメラの設定を「ジュゲム→マリオ」にし、Rボタンを押してカメラをマリオに近付けた後Cボタン下を押してカメラを少し遠ざけることでカメラが常にマリオの背後に回るようにする。

*10 3Dスティックがある中心部と、A・B・Cボタンユニットがある右部を持つ「ライトポジション」。

*11 NTT出版から出ていた攻略本『スーパーマリオ64 完全攻略ガイドブック』では「それ、大間違い。」という誤解しやすい要素のコーナーで指摘されていた。

*12 一つ目がアイスどんけつの下にある「落ちると即ダメージの池」、もう一つがこのエリアで一番面積が広い「泳ぐこと自体はできるが急激に体力が減っていき、水面回復のない池」で、正解は後者の方。ちなみにこれもNTT出版攻略本の「それ、大間違い。」のコーナーで指摘されている。

*13 ただし、雪原コースの冷水では逆に体力が減っていってしまう上、顔を出しても回復しないため、この技は使えない。

*14 「水面に顔だけ出している状態にしない」という策がほぼ使えない。

*15 画面上では「M25」と表示され、ミスするたびに数値が大きくなっていく。なお、M128でミスすると127ではなく100になる現象があるが、こちらは残機が100を超えているときに100にする処理が行われているもの。

*16 ちなみに8ビット符号なし整数だと231であり、こちらで管理されていると仮定した場合は残機数上限処理により100となる

*17 階段や壁などに、後ろ向きに連続で幅跳びを行うことで無限に加速していき、最終的に衝突判定を速度が上回ってしまい壁や無限ループ地帯をすり抜けるというバグを利用した、海外では『BLJ(Backwards Long Jump・後ろ幅跳び)』と呼ばれるテクニック。振動パック対応版以降はバグが修正されているため、このテクニックは使えない。

*18 ピーチ城1階から2階へ上がる際の暗転がこのマップ読み込み。

*19 YouTubeやニコニコ動画などでこの遊びを取り上げた内容の実況プレイ動画などが多数見受けられている。