S.T.A.L.K.E.R.: Call Of Pripyat

【すとーかー こーるおぶぷりぴゃち】

ジャンル ファーストパーソン・シューティングゲーム
対応機種 Windows
発売元 原語版:bitComposer Games
日本語版:ズー
開発元 GSC Game World
発売日 2010年4月2日
定価 8,190円
備考 STEAM配信中。パッケージ版より廉価
判定 良作
STALKERシリーズ
Shadow of Chernobyl / Clear Sky / Call Of Pripyat


概要

  • ウクライナのGSC Game Worldが開発したサバイバルホラーFPS。
  • 『Shadow of Chernobyl』(以下SoC)から『Clear Sky』(以下CS)と続くStalkerシリーズ3作目。
  • 前2作から舞台を移し、ユーザーの評判が今一振るわなかったCS・その他の不満点も解消され、ストーリー面もボリュームを増しX-ray engineを使ったシリーズの3部作の締めくくりとして非常に良くできた作品となった。X-ray engineの方は前作からアップデートされたVer.1.6が使われており、DirectX11への対応やAMD Eyefinityのサポートといった小規模な改変にとどまっている。
  • 通称COP。

ストーリー

2012年、Strelokと呼ばれるStalkerがZONE中心部へとたどり着いた。その過程で人々のZONE中心部進出を阻むBrain Scorcher(脳焦がし)と呼ばれる装置が停止させられた。
この事を受けてウクライナ政府はZONE中心部の実態調査のためにヘリで軍を中心部へと進入させる Fairway作戦を発動した。しかし、ヘリは作戦中に消息を絶ってしまい突入部隊とも連絡が途絶えてしまう。
そこで政府はFairway作戦実行部隊の捜索と事故の原因究明のため、元Stalkerでウクライナ保安庁のエージェントAlexander Degtyarevを現地へと派遣した…。


特徴・評価点

  • 新たなるフィールド
    • 今回は前二作に比べフィールド数は減り、沼地・工場地帯を含む草原地帯・プリピャチ市街地が主要なエリアとなっている。
    • マップ一つが非常に広大なフィールドとなった事でバラエティに富み、強制進行の場面も減って自由気ままにZONEを冒険する事ができるようになった。
    • 室内のマップも専用マップが少なめでフィールドの一部に組み込まれたものが増え、シームレスに進行できるようになっている。
  • より便利になったUIとシステム
    • ミニマップやアイテムインベントリも細かく改善されて使いやすくなった。
    • 睡眠の概念が加わり、NPC達にも時間による行動の変化が顕著になった事でリアリティが増した。
      • 睡眠は過去作のMOD等で実装されていたがユーザーの要望も高く今作では正式に実装された。STALKER達は朝になると寝床から起きて探索に出かけ、夜になれば仕事を切り上げて拠点の酒場に入ったり、ベッドに潜り込む等生活臭がする空気を生み出している。
    • クイックスロットの追加
      • 回復アイテムの使用がホットキーからクイックスロットになった事で利便性が増した。
    • パーソナルボックスの導入
      • 今までは開いたスタッシュなどを利用してアイテムを保管しなくてはならず処理に負担をかけたが、専用のボックス登場で改善された。
  • ボリュームアップしたタスク
    • STALKERシリーズは他のFPSに比べるとメインストーリー以外の要素も多いが、今回は更に量が増えている。
    • サブタスクは単なる寄り道に留まらず、結果次第ではその後の展開やエンディングにも影響を与える。一見無関係に思えながら密接に関わっており、殆どと言っていいほど無駄なものがない。このことは多くのプレイヤーから高く評価を受けている。
      • ある時点で人手を必要とするタスクが発生するが、このとき特定のNPCたちを助けておくとプレイヤーのために集結してくれるなど。
  • 濃くなったNPC描写
    • COPではテキストだけでなく専用グラフィックを持ったNPC達も増え、イベントでもSTALKERたちの印象をより深める描写がなされている。
      • 上記のサブタスクにおいてもNPC達は積極的にプレイヤーに絡み、逆にプレイヤーがタスクでとった行動が彼らにも影響するようになった。
      • また、メインストーリーには直接関わらずとも過去作品に登場した人物や名前が出てくることもあり、シリーズファンがニヤリとさせられる場面が多々ある。
  • SoC譲りのMODの多さ
    • STALKERシリーズにはMODがつきものだが、根強いファンの多い1作目のSoCに負けず劣らず大小含めたMODがたくさん登場しており長く遊べる。
    • 日本語訳に関してもMODが出ており、製品版よりも質が高いという声も。そのために機械翻訳の塊のような日本語版を買うより、原版を買ってそれにMODを適用する人も少なくない。
    • バランス調整、ストーリーラインの変更、オリジナルマップ等が収録された遊び応えのある大型MODが存在し、有志によって精力的な翻訳が進められている。おかげで本編が終了しても未だ尚ZONEに留まり続けるユーザーが数多くいる。

賛否両論点

  • 金稼ぎが難しくなった
    • 今まではコンディションの悪い銃でも「買い叩かれるがそれなりの値段で売れる」のに対し、今作は一定のコンディションを下回る銃は買い取ってもらえず、死体漁りをしてNPCの持つ銃を売り捌く事が難しくなっていている。序盤はタスクの報酬も安く、改造などの費用も結構値が張るので少々厳しい。
    • その分アーティファクトが手に入りやすく、売値も悪くない。アーティファクトを得るにはアノマリーひしめく危険地帯に突入する必要があるが、リスクを覚悟で行う探索はゲームの設定にもマッチしSTALKERらしさがある。
    • また、大半の装備は他のSTALKERから状態の良いものを略奪することができるので必ずしも金を出して買う必要がある訳ではない。ただし防具だけは奪取できない。
  • ミュータントとばかり戦闘が起きる
    • これまでプレイヤーを阻んできた武装集団MercenaryやMilitary、Monolithらが殆どの場面で非好戦的/協力的に。その埋め合わせとしてか、廃施設に住みつくミュータントを蹴散らすシチュエーションが多くなった。
      • ミュータントは一切の戦利品を落とさないため得るものはない。探索の障害でしかないというのも味気がない*1。更に死体が長期間残り景観やメモリを害する問題がある。
    • 一方で、これまで会話の余地がなかった人間勢力の話を聞け、更にタスクによっては肩を並べて戦うこともできるというのは評判が良い。強制敵対勢力こそ減れど、無理やり戦闘を起こすことも可能と言えば可能。

問題点

  • 新規プレイヤー置いてけぼりの展開
    • 始めてからいきなりチュートリアルらしき物もなく放り出される。
      • 元より本シリーズは初心者置いてけぼりの面があるが、過去作には一応チュートリアル的な展開が用意されていた。シリーズファンなら問題ないとはいえ、始めてのプレイヤーにとっては勝手がわからない展開も間々ある。
      • なので順序立ててプレイしたいならば、親切なチュートリアルがあり、かつストーリーの起点でもあるSoC(1作目)から始めてみることをオススメする。
    • 一方で細部を気にしなければ、全体的な取っ付き易さで言えばシリーズ随一である。
  • ストーリー描写
    • メインストーリーだけ進めていると本当にあっさり終わってしまう。プレイするならばサブタスクも含めて寄り道も楽しむ事を推奨する。
      • 同年に発売されたCODシリーズに比べても地味で硬派だがそれがいいと言う意見も…
      • ストーリー終盤がやや駆け足気味で広いマップを完全に生かしきれてない面もある。しかし、これまでのシリーズに比べれば大分良くなったほうか。

総評

地下研究施設の探索で味わった初代STALKERほどの驚きはなくなっているが、ストレスがたまる要素が減り、プレイに没頭できる良作である。
マップがやや狭めだった過去作に比べると探索の楽しさが実感できる本作は過去シリーズファンにとっても新鮮さを感じさせる出来。 シリーズ伝統(?)であった膨大なバグもあまりなく、快適にプレイでき、これまでのストーリーに一段落つけた作品。
大作MOD等が多く出されているので、導入の手間などを惜しまなければ、値段の割にクリア後も長く遊べるだろう。