フロントミッションシリーズ ガンハザード

【ふろんとみっしょんしりーず がんはざーど】

ジャンル アクションRPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売元 スクウェア
開発元 大宮ソフト
発売日 1996年2月23日
価格 11,400円(税抜)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年5月20日/800Wiiポイント(配信終了)
セーブデータ 4個(バッテリーバックアップ)
判定 良作
フロントミッションシリーズ


ストーリー

西暦2064年、ベルゲン共和国でクーデターが勃発。
その際、主人公は大統領を国外脱出のために同僚のレロスと軍港で護衛の任務にあたっていた。
出港直前にクーデターの指導者であるアーク大佐と彼の率いる部隊が軍港を襲撃する。
主人公はレロスの死を目の当たりにするが、軍人としての任務を果たすために大統領とともにアークを退け、まだアークの手に落ちていない基地を目指す。

しかし彼の奮戦むなしく罠にかけられ、主人公は大統領ともども捕えられ投獄される。
獄中で一度は敵として戦ったヴァンツァーキャリアークルーと出会い、ともに脱獄して共和国を脱出した後、レロスの敵を討つため、そして大統領誘拐の汚名をすすぎ祖国を取り戻すために傭兵として戦うことを決意する。
それから紛争や内戦、テロなどが多発する世界各地を転戦する中で多くの仲間と出会う。
しかし、それは同時に、ある隠された秘密を知ることでもあった……。


概要

シリーズ初代である前作がシミュレーションRPGだったのに対し、本作はアクションRPGとなった。
開発は重装機兵シリーズを手掛けたスタッフが立ち上げたメーカーで、そのせいかパッと見の画面はそのまま『重装機兵ヴァルケン』である。
シリーズの歴史から唯一外れた時系列に位置する作品。*1

特徴

  • 本作は大まかに言えば、ステージ選択式の横スクロールアクションである。
    • 山岳地帯、砂漠、地雷原、要塞、海上など戦場のバリエーション(シチュエーション)も豊富。
  • 従来とは違いヴァンツァーの各パーツは固定。乗機は新型が登場する度に乗り換える形となっている。
    • カスタマイズは部位毎にパーツを選択するのではなく、武装や外付けユニットなどに限られている。
    • 武装はリロード時の隙はあるが弾数無限のメインウェポン、前方からの攻撃を防ぐシールド、高速移動のダッシュ、飛行用のバーニアが基本となり、そこに弾数制限があり弾が有料なサブウェポンやオプションパーツを付加できる。
      • 乗り換えや武装の更新は任意なので、性能は落ちるが古い装備を使い続けるやりこみプレイも可能。
        また初期機体のハービーGに限り身長が低く、狭い基地内や洞窟内では動きやすい利点がある。
+ メインウェポン一覧

メインウェポン一覧

  • 25mmバルカン
    • 連射性が高く、射角の自由度に優れたバルカン。リロードは時間経過により随時補充する方式。初期兵装ということもあり癖のない武器だが、連射速度の速さに対してリロードが遅いため弾切れを起こしやすいのが欠点。サブウェポンを併用しながらの効率的な残弾管理が重要となる。同ランクでの比較におけるショップ価格が最も安価で発売開始までに必要なレベルが低い(発売開始が早い)というメリットもある。
  • 35mmショットガン
    • 一度に複数の弾を扇状に射出するショットガン。リロードは撃ち切ってから一定時間後に一括補充する方式。接近戦では複数の弾が命中するため威力が全メインウェポンの中でも飛び抜けて高いのが特徴。その代わり連射速度は遅いが、1発1発の弾の威力は非常に高いため、弾が分散して1発しか命中しない遠距離でのダメージ効率もそれなりにある。
  • レーザーガン
    • 敵のシールドを貫通するレーザー。リロードは撃ち切ってから一定時間後に一括補充する方式。直線的な攻撃という点ではバルカンと似るが、射角の自由度が低い。しかしシールドの上からでも一定量のダメージを貫通させることができる。リロードの仕様がバルカンとは異なるため弾切れが気にならないのも長所。ただし威力はとても低い。
  • ナパームガン
    • 放物線を描いて飛ぶナパーム。リロードは時間経過により随時補充する方式。単発の威力は高いが連射速度が遅いためダメージ効率は低い。メインウェポンの中では唯一の曲線的な弾道を持ち、また地面や壁に当たるとバウンドする性質があるため、この特徴的な弾道をいかに利用できるかが重要となる。
    • 通常のショップには売っておらず、特定のステージで拾うか終盤に行ける隠しショップでしか入手できない。
  • ナックル
    • メインウェポンを外すと機体の能力依存のパンチで攻撃できる。当然弾数の概念は無い。威力は高いが地上でしか撃てないし、遠距離攻撃のアドバンテージを捨てる意義が無いので、オマケあるいは縛りプレイ用の武装である。
+ サブウェポン一覧

サブウェポン一覧

  • ハードナックル
    • 腕で殴る格闘武器。メインウェポンのナックルより強い。弾の消費がなく多段HITもするため使いやすい主力武器。熟練度が上がると火を吹いて射程が伸びる。壁を貫通して攻撃することも可能。至近距離で殴るため、敵を倒したらすぐ盾を構えないと爆発に巻き込まれてダメージを受けやすい。全兵装の中で唯一、敵をノックバックさせることができる。
  • リペアフィールド
    • HP回復できるフィールドを一定時間発生させる。回復アイテムは高価で所持個数に制限があり、修理費より弾代が安いので主な回復手段として活躍する。強制スクロールのステージでは流されてしまうため活用できない。
  • アッパーバルカン
    • 真上にしか撃てないバルカン。そのぶん時間あたりの攻撃力がとても高く、当てられる位置関係なら非常に強力。シールドを構えたままでも使用可能。
  • ミサイルポッド
    • 複数のミサイルを発射する。ミサイルはある程度広がったあと、メインウェポンと同様の射角で直線的に進む。ある程度連射もでき、ワイドショットのような感覚で使用できる癖のない兵装。
  • ホーミングミサイル
    • 敵を自動追尾するミサイルを発射する。単発で連射速度もあまり高くないが、ホーミング性が非常に高いので壁の向こう側などメインショットの届かない場所にも攻撃できる。
  • バズーカ
    • 敵を貫通して前方に直進する強力な弾を発射する。シールドを構えたままでも使用可能。
  • グレネードランチャー
    • 放物線を描いて飛ぶ弾丸を発射する。弾は敵に当たるか一定距離進むと爆発。爆発によって発生する爆風にもダメージ判定があるため、上手く当てれば大ダメージを与えられる。ただし爆風は自機や味方も巻き込まれればダメージを受ける。
  • マインスプリンクラー
    • 一定時間で爆発する接着型の地雷を放つ。攻撃力は一番高いが、爆発に巻き込まれるとこちらもダメージを受ける。
  • バウンスショット
    • 地形に反射する弾を発射する。地形を利用してメインウェポンの届かない場所に攻撃できる。使いどころとしてはホーミングミサイルに近く、ホーミングより連射性に優れるのだが、地形によって使いやすさが大きく変わるのが特徴。
  • グラウンドシーカー
    • 地形に沿って動く攻撃を放つ。動く敵やHPの高い敵には不向きだが、他の兵装で狙いにくい地雷やトラップなどの除去に役立つ。グラウンド(地面)と名が付いているが、壁や天井を走らせることも可能。
  • ワイアレスガンポッド
    • 一定時間自動的に攻撃してくれるポッドを出す。一度に複数放出可能。通常は自機の頭上に待機するがボタン操作で自機の背後や敵機の頭上に展開させることもできる。敵を自動的に攻撃するため、索敵としても機能する。
  • ファイアーバーナーガン
    • 火炎放射器。射程が短い、高攻撃力の兵装。特徴としてはハードナックルに近く、持続的に当て続けることができればハードナックルより遥かに強力。しかし敵をノックバックさせられないため、接近した敵の猛攻を受ける可能性もあるなど扱いは難しい。
  • スパークショット
    • 自動追尾する電撃を送る。画面内にいる敵を自動的にロックオンし、地形を無視してダメージを与えられる問答無用の超便利兵装。ただし入手が難しく、隠し武器のような扱いになっている。
  • パラライザー
    • 敵機に加え敵兵を一定時間麻痺させる。これ自体にダメージを与える効果はない。敵機に直接当てる以外に、地面に設置してトラップのように使うこともできる。麻痺した敵を僚機に攻撃させることで僚機の育成などにも重宝する。
  • デコイ
    • 設置すると敵弾の軌道が曲がってデコイに吸い込まれる。複数同時に設置すればそのぶん吸引力も高まる。レーザー等、一見効果がないように思える敵弾ですらも吸い込んでしまうなど、非常に効果は高い。
  • アーマープレート
    • 最大HPが増える追加装甲。弾代を節約している場合や攻略上サブウェポン欄が余る場合などはとりあえず残りの枠をこれで埋めるとムダがない。ただし最強機体でレベルと熟練度が上がってくると素でHPが最大の9999に達するので不要になる。

なおサブウェポンを切り替えると効果時間が即切れる仕様のため、一定時間効果が続くようなサブウェポンはメインウェポンとの併用が前提になる。

  • 大きな特徴として「機体の乗降」ができる点が挙げられる。通称生身
    • 敵基地への潜入等シナリオの展開上強制的に生身にならざるを得ない状況もある他、任意で機体を降り生身で戦える。
    • 生身の場合、武装は弾数無限のハンドガンとハンドグレネード、それとHPとなるパイロットスーツ。これらもヴァンツァーの装備と同じくストーリー進行に応じて新型が登場する。
    • 当然、ヴァンツァーに比べると武装も機動性も劣るどころか、敵に接触しただけでふっとばされてダメージを受けてしまう。
      一方で当たり判定が小さい、ヴァンツァーのバーニアと違ってジェットパックの飛行時間が無限、しゃがめば射撃攻撃が完全無効等、生身だけの利点もある。
  • レベル以外に熟練度の概念がある。
    • 機体以外の装備品などにも設定されており、使い込めば使い込む程性能が向上していく。熟練度100になれば1ランク上の熟練度0よりも強くなるので、入手したての新装備を無理に使うよりも使い慣れた装備の方が良い場合もある。
      • 熟練度100%以降は1%単位では上がらないが、ある程度使い込めば熟練度120%になる。
      • また、熟練度を上げるとステータス画面に載らない部分が強化される武器もある*2
  • 共闘する僚機の存在。
    • ストーリー中で仲間になったキャラクターを一緒に出撃させることができる。
      • 仲間の操縦する僚機も個性的で、それぞれ特徴が大きく異なる。詳細は登場人物の項を参照。
      • 僚機にも独自の熟練度がある。また新型を購入して乗り換えさせることができる。但し各自の専用機体の上位機種という扱いであり、主人公や別の仲間と機体を共用することはできない。
    • 2Pコントローラーがあれば、2Pが僚機を操作する二人同時プレイも楽しめる。
  • シリーズでは唯一、正史とは異なる歴史を辿った未来を描いている。共通点は歩行兵器「ヴァンツァー」(と他一部)くらい。
    • 1STの人物とは別人だが物語に大きな役割を果たす「サカタ」が登場していたりする。

登場人物

+ 若干ネタバレあり
  • 味方キャラクター
    • アルベルト・グレイブナー(変更可能)
      • 本作の主人公。NORAD軍軍曹。アークの起こしたクーデターによって国を追われ、傭兵となり各地を転戦する。正義感の強い青年だが、その正義感が高じて戦場でとんでもない行動を起こす事が多々ある。
      • 初期機体はハービーGで、ストーリー進行と共に販売される機体を購入する事で乗り換えて行く。
    • ブレンダ・ロックハート
      • 本作のヒロイン枠。キャリアー(母艦)の操縦を担当。敵基地を見つけるや爆撃しようとするなど過激な言動が目立つが、アルベルトを案じる女性的な一面もある。
      • 戦闘中に指示を出すことで母艦から支援攻撃を行ってくれる。ただし砲撃回数には制限があり、基地内など使用できない場所もある。
    • クラーク・ウィルソン
      • スイス連邦軍の大尉。ヴァンツァー乗りとしての修行を積むためアルベルトに同行する。性格は堅物な軍人。
      • 乗機はアルベルトと同じ形状だが、機能限定版のため水平方向にしか射撃できず、シールドも使用できない。
    • エミル・シンスキー
      • ヤクート反政府軍所属。作戦失敗の責任を取らされ処刑されそうになったところをアルベルトに助けられ、以後行動を共にする。性格は気弱な少年。
      • 僚機の中で唯一アルベルト機の体力を回復させてくれる能力を持つが、エミル機自体は攻撃も防御も出来ない。回復以外には常にアルベルトの後ろをついていくだけなので、しっかり守ってやれば長く戦える。
    • ルヴェン・アルハーディ
      • 暗号名「ボマー」、アラブ連邦軍所属の諜報員。敵軍の捕虜となり、移動要塞に監禁されていたところをアルベルトに救出される。皮肉っぽいところがあり、よく軽口を叩く。また出撃前にはタロット占いで今日の運勢を占ってくれる。
      • その名の通り彼のヴァンツァーは爆弾による広範囲の爆破攻撃を得意としている。この爆発によくアルベルトや自分自身のヴァンツァーを巻き込んでしまうことが多いのが最大の欠点。基本ポジションがアルベルトの前方なこともあり、被弾率も高い。
    • アクセル・ボンゴ
      • ザンボラ軍所属。自身の故郷がビショップによって焼き討ちにされた事からアルベルトに同行する。父親に「ええすぱいろっと」(エースパイロット)、「ヴァンツァーに乗るために生まれてきた男」と評されるほどの腕前。
      • エースの名に恥じない操縦技術を持ち、小型ヴァンツァーで戦場を縦横無尽に駆け回る。しかし元気が良過ぎてよく地雷を連続で踏んだり、空中ステージでエリアーオーバーになって爆散したり、要塞内で肝心な時に迷子になってしまっていたりする。クラークとは異なり斜め方向にも射撃でき、シールドも使用可能。
      • 上記の理由により、ビショップに対して強い恨みを持っている。そのため、ビショップが登場するミッションに連れていくと特殊な会話が発生することも。
    • アキヒコ・サカタ
      • シールド工学の権威。世界中のありとあらゆる兵器を自身が作ったシールドで防ぐことが夢。敵の大出力兵器への対抗策としてアルベルトにスカウトされる。他のFMシリーズに同じ「サカタ」と言うキャラが存在するが別人である。
      • 防御専用の特製ヴァンツァーを使用。戦闘中は常にアルベルト機のやや前方に位置し、アルベルト機への遠距離攻撃をバリアーで遮断する。バリアーには制限時間が存在するため、必要に応じてオンオフしないとステージ途中で息切れしてしまう。
    • アニタ・ディアモンテ
      • ガーディアン所属。敵の捕虜にされていた所をアルベルトに救出される。性格はブレンダとは正反対のおしとやかな性格。
      • 戦闘中は小型の支援機に搭乗し、機銃と爆弾による援護を行ってくれる。機体が小型なため当たり判定が小さいのがメリットだが、常にアルベルトの後方を一定の高度で飛行しているため、アルベルトが回避した攻撃によく直撃する。
    • カゲミツ
      • サカタの作ったレーダーマシン。サカタを仲間にした後でとある場所を訪れると仲間になる隠しキャラ。
      • 彼を僚機に選択すると、画面に常にレーダー画面を表示してくれる。自身は一切攻撃出来ないが、敵の攻撃によって絶対に破壊されないという特徴を持つので、生身プレイの場合は弾除けに使える。
  • 敵キャラクター
    • ジェノス・フェルダー
      • 凄腕傭兵部隊クリムゾンブロウのリーダーであり、アルベルトのライバル。各地の紛争を影で操る存在を追っている。あくまでも彼とアルベルトは同じ傭兵稼業であるため、必ずしも対立する訳ではなく依頼によっては共闘することもある。
      • 赤い専用機や生き別れの妹との確執、エンディングのワンシーンなど、某ガンダムの紅い彗星を連想させるキャラクター。
      • 高い機動力と異常なまでの耐久力を持つ真紅のヴァンツァー「ホイレンヴォルフ」を駆る。ゲーム中盤までは強敵だが、攻撃手段がバルカン一本と貧弱なため、次第に成長したアルベルトに追いつかれていく。
    • ルーク (本名不詳)
      • クリムゾンブロウの一員。ジェノスに心酔している。物語終盤ではジェノスを助けるためにアルベルトと行動を共にする。主君に忠誠を誓う武士のような性格。
      • 片腕が巨大なビームキャノンになっているヴァンツァーに搭乗する。攻撃力・防御力ともに高く頼りになるが、機体の設計上、水平方向にしか射撃出来ない。
    • ビショップ (本名不詳)
      • クリムゾンブロウの一員。自分自身の楽しみのために罪もない民間人を虐殺し、村を焼き討ちにするなど極悪非道な性格。
      • その一方で、その強烈過ぎるキャラクターや名(迷?)台詞の数々からファンの間で人気は高い。

評価点

  • アクションゲームとして完成度が高い。これと言ったバグもなく操作性も良好である。ハードナックルで敵を吹き飛ばした所にメインウェポンを撃ちこんで撃破、などの動きが滑らかに出来ると中々爽快である。
    • ただし飛行時は慣性の影響が大きいので、思い通りに動かすにはコツを要する。
    • 同スタッフの過去作『レイノス』『ヴァルケン』は巨大ロボットの重厚感を出すために意図的に「重い」操作性にしていたが、本作は操作性の向上と軽快なヴァンツァーの挙動によって存分にエースパイロットの気分を楽しむことが出来る。
  • ゲームバランスが良好。初回プレイならそれなりにやり応えもあるし、ゲームオーバーになる事もあるだろう。
    • 当然慣れるにしたがって簡単に感じるようになるが、制限プレイがやりやすい*3のでやり込みの幅が広い。
  • 良曲揃いのBGM。植松伸夫、光田康典、仲野順也、浜渦正志といった錚々たる面子が担当。*4
    • メインテーマとも言える「鉄の足音」、各ステージの大ボス戦の「WARNING TWO」などは人気が高い。
  • シナリオが特に優れているとまでは言わないが、復讐・陰謀・裏切り・絆・真実など毎マップで味付けがなされており、終盤は中々に熱く盛り上がる。
    • 一つの地域の泥沼の紛争を描いた無印との対比として、主人公一行が全世界を股にかけて活躍すると言う娯楽性の高いシナリオとなっている。
  • 本作を語る上で外せないのが、濃いキャラクター達の存在である。名言(=迷言)の多さなどから、恐らく最も語り継がれているのもそういう部分である。
    • キャラクターデザインは「1ST」同様、天野喜孝が担当。「1ST」と異なり、敵味方共に多彩な表情が用意されているため、キャラクターの特徴がいっそう強くなっている。
    • 主人公のアルベルトやヒロインのブレンダを始め、トレーラー大統領ことオーウェン大統領、傭兵部隊クリムゾンブロウの面々など挙げればキリがない。名も無い敵の一般兵も含め、登場キャラで存在感の薄いキャラを探す方が難しい程。
      • 特に傭兵部隊クリムゾンブロウのメンバーの一人「ビショップ」は、その独特な喋り方から発言という発言がネタにされている。*5

問題点

  • 僚機の頭の悪さ。
    • 敵を撃破した時の爆風に当たるとダメージを受けるため、僚機が攻撃したタイミングが悪いと無駄にダメージを食らう羽目に。(これもネタにされているが)。
    • 僚機は、攻撃が当たらない位置にいる敵(壁の向こうなど)にもお構いなしに攻撃を仕掛ける。僚機の弾数にも限りがあるので、長丁場のミッションではボスに辿りつく前に大抵弾切れを起こす。
    • 僚機にもHP(総じて少なめ)が設定されており修理費もかかるので、役に立たないどころか使わない方がマシなレベルの仲間も何人かいる。回復してほしいときに回復してくれないエミルや、敵味方ともに甚大な被害をもたらすルヴェンなどはその代表格。
      • また、僚機はじっとしてくれないのでリペアフィールドが外れやすい。高ランク品なら一瞬当てるだけでもそこそこ回復できるが、基本的には高価な回復アイテムを使うことになる。
    • 二人同時プレイができるなら上記の欠点はある程度カバーできる。それでもルヴェンの誤爆ぶりはどうにもならないが。
      • とはいえ僚機は基本的にサブウェポンもなく、メインウェポンですら弾数が有限。さらに機体によってはシールドが無い・射角が調整できない・そもそも攻撃できない等、主人公機に比べて遥かに低性能なため、おいそれとは「一緒に遊ぼう」とは言い出せない。
  • メインウェポンの使い勝手に大きな開きがある。
    • 弾の装填に「弾を撃ち切ったら一括で全弾リロード」「常時1発ずつリロード」の2種があるが、後者は撃ち切ってしまうと待ち時間が長く、使い辛い。
    • 圧倒的に強いのがリロード方式が前者のショットガンで、攻撃範囲が広く当てやすい、複数ヒットで高ダメージと、戦力的に考えるとほぼ一択になってしまう。
      • それに対してバルカンは後者のタイプなので弾切れを起こしやすい。一般的に考えて、バルカンとショットガンのリロード形式は設定を逆にしてしまったのではないかと言われている。*6
    • 一応、他のメインウェポンもそれぞれの特徴を活かせばショットガンにはない長所もあり、逆に欠点を補うためにどのようにサブウェポンと組み合わせるかといった楽しみもある。
  • サブウェポンの中では、威力と連射力が高いアッパーバルカンが頭抜けて強い。
    • 真上方向にしか撃てないという癖の強い武器だが、ボス敵は自機よりも巨体であることが多いため、真下に入り込んだり密着したりすれば大抵のボスはアッパーバルカン一本で秒殺できてしまう。
      • 操作テクニックも多少は必要となるためヌルゲー化とまではいかないものの、強力なのには変わりなく、この武器を封印するプレイヤーも多い。
    • そしてアッパーバルカンが不向きな場面では、往々にして先述のショットガンが抜群の効果を発揮する。この2つと回復用のリペアフィールドを揃えれば、大抵の局面は乗り切れると言えるだろう。
  • クリア後にレベル・熟練度・所持品などを引き継ぐことはできない。成長要素が多いだけに、いわゆる「強くてニューゲーム」を味わえないのは惜しいところ。

総評

異色作である本作だが、そのアクション性の高さやストーリー、濃いキャラクター等からファンも多い(2chのスレは未だに進行中)。

使用できる武器の種類が豊富で、癖がなく扱いやすいものから、扱いの難しい尖った性能のものまで用意されてるため、そのどれをどのように組み合わせて戦うかといった部分でも楽しめる。 また、機体・武器に習熟度といった育成的な面があることも、単純なアクションゲームとしてだけでなくRPG的なやり込みの魅力も有しているだろう。

総じて難易度のバランスも良く、また武器を自由に選べることからプレイヤー自身が自分の好みに応じて難易度調整をしやすい。 日ごろ使っていない武器を使うことでもプレイに新鮮さが味わえるなど、繰り返し何度も遊びやすい作品になっている。


その他

  • 前述の通り、生身で行動することにはリスクが付きまとう。が、アルベルトは生身でも普通に戦える。
    • そして「生身でなければ通れない通路」はあるが、「ヴァンツァーに乗らなければ攻略出来ない箇所」は無い。
      よって生身のみでのクリアも(難易度は跳ね上がるが)十分に可能。
    • しかも上述の通りしゃがむだけで射撃攻撃を無効化するだけでなく、「ハンドガンとハンドグレネードだけで敵ヴァンツァーを易々と撃破」「敵ヴァンツァーに轢かれても(一発では)死なない*7」などかなり超人的な行動をとるため、アルベルトはフロントミッションシリーズ最強の主人公と言われることまである。
    • 生身プレイは製作側も想定しており、一部のイベントでは生身かヴァンツァーに乗っているかでセリフが変わる。
      主に生身でしか行けない場所にヴァンツァーで行くと「降りていこう」というセリフが追加されたり、敵がこちらのヴァンツァーを呼ぶ場面で生身だとヴァンツァー関連のセリフが省略されたりする。
      • が、完全には対応しておらずそのままのセリフになっている箇所がある他、前半のボス「ツェルネンコ」を生身で倒すと敵パイロットの顔が未使用キャラらしき別人に変わる設定ミスがある。
      • また、対応しているがゆえにおかしい状況になっているイベントもいくつかある。
        例えば、敵の輸送機が逃げるので超高空を母艦で追い、敵の追撃をかわしながらヴァンツァーのバーニアで取り付くというステージを生身で出撃すると、「おれのジェットパックだけでいける!」と人間用の小型飛行ユニットで空中に飛び出す非常にシュールなシーンになる。
    • なお「生身で戦う」という要素は『3』にて再登場するが、流石にここまで強くはない。
  • 本作を開発した大宮ソフトはメサイヤで『重装機兵ヴァルケン』を開発したスタッフ達が独立して立ち上げた会社だが、『フロントミッション』を手掛けたジークラフトも『重装機兵ヴァルケン』を開発したスタッフ達が独立して立ち上げた会社という、 2作続けて過去に同じゲームを開発した面々が手掛けた 点はまさに奇遇とも言える。

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最終更新:2023年01月08日 21:24
添付ファイル

*1 プロデューサーの前田靖幸は本作のインタビューで「『フロントミッションシリーズ』というのは、1作ごとに、ストーリーの設定も構成も異なれば、登場人物もタイトルも変わりうるという作品群なんです。」と語っており、当時は毎作異なる世界観でシリーズ展開することを考えていたと思われる。

*2 例えば、ミサイルランチャーは同時発射数4→5に増え、生身専用のハンドグレネードは単発から2発同時発射に変わる。

*3 拾い物だけ、初期機体のまま、生身で、''常にルヴェンを同行''、等

*4 ただし収録されているBGMの大半は植松伸夫、光田康典の両者が担当しており、仲野順也、浜渦正志は数曲のみ担当。そのためか公式サイトやサウンドトラックでの紹介文では仲野、浜渦の名前は省略されていることが多い。

*5 Web上で「ヒャアがまんできねぇ」と言うフレーズを聞いた事は無いだろうか?

*6 重装機兵では一括リロード方式だった。レイノス開発時に『獣神ローガス』をいろいろとヒントにしていたが、ローガスのバルカンのような1発ずつリロードされる方式では厳しい、と撃ちきったら一括リロードする方式を『レイノス』のプログラマーが考案したという経緯があったとのこと。

*7 なお、こちらが敵兵士をヴァンツァーで轢いてダメージを与えるのは不可能。また、こちらが生身の際は何故か敵兵士と接触しても跳ね飛ばされる。