タクティクスオウガ

【たくてぃくすおうが】

ジャンル シミュレーションRPG
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対応機種 スーパーファミコン
セガサターン
プレイステーション
メディア 【SFC】24MbitROMカートリッジ
【PS/SS】CD-ROM1枚
開発元 【SFC】クエスト
【SS】クロストーク
【PS】空想科学
発売元 【SFC】クエスト
【SS】リバーヒルソフト
【PS】アートディンク
【VC各機種】スクウェア・エニックス
発売日 【SFC】1995年10月6日
【SS】1996年12月13日
【PS】1997年9月25日
定価 【SFC】11,400円
【SS/PS】6,090円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個
レーティング 【SFC(VC版)】CERO:C(15歳以上対象)
【SS】セガ審査:全年齢推奨
廉価版 【PS】ARTDINK BEST CHOICE
1999年12月2日/2,800円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年2月10日/800Wiiポイント
【WiiU】2014年3月12日/800円
【New3DS】2016年11月21日/823円
書換 ニンテンドウパワー
【SFC】1998年2月1日/1,000円/F×6・B×4
判定 良作
ポイント ウェイトターン制による緊張感あふれるSRPG
民族問題に踏み込んだヘビーなシナリオ
それによく合ったグラフィック・音楽
充実した育成・やり込み要素が魅力
先駆者ゆえ、容量不足ゆえのいびつさも
オウガバトルサーガ


概要

  • 伝説のオウガバトル』に続くオウガバトルサーガの2作目。
    • 前作同様シミュレーションRPGとして開発されたが、そのシステムは大幅に変化している。
  • 中小メーカーの作品ながら50万本以上を売り上げた。
    • 副題は『Let Us Cling Together』。やはり松野氏の尊敬するクイーンの楽曲から採られている。最終章のタイトルも同曲の邦題「手をとりあって」である。

ストーリー

オベロ海に浮かぶヴァレリア島。この島では、古くからその覇権を巡った紛争が絶えなかった。
この紛争は覇王ドルガルアの登場により一時的に終止符を打ったが、彼の死後はその後継を巡り再び民族間の内紛が激化するようになった。

支配階級の多いバクラム人や多数派のガルガスタン人に対し、少数派のウォルスタ人*1はこの紛争に対抗するだけの戦力はなく、ガルガスタン人により弾圧されていた。
民族根絶を目的とした虐殺や、自治区での強制労働も行われる中、残されたウォルスタ人の一部は抵抗勢力となってゲリラ活動を続けていた。
抵抗勢力の一員として迎えられた主人公デニム・パウエルは、様々な出来事に直面することとなる。そして、彼の決断が諸島の未来を揺さぶることになっていく。


システム

  • ウェイト・ターンシステム(公式システム名称「ナッツ(NATS=Non-Alternate Turn System)」)
    • マップ上では、敵味方関係なく、「ウェイト」の数値が早く0になったユニットに順番が回ってくる。
    • 「ウェイト」の数値が小さいユニットほど順番が回るのが早くなっていき、逆に大きいほど遅くなっていく。
      • ある意味FFシリーズのATBに近いが、「プレイヤー陣営のターン」と「敵陣営のターン」を回す非リアルタイムSLGが多い中、ユニットごとにターンが回り、なおかつ待ち時間が異なる本作のシステムは非リアルタイムSLG(SRPG)の中では斬新であった。
      • 「ユニットが早い順に行動できる」というアイディア自体は『シャイニング・フォース』が先だが、今作のウェイト・ターンシステムはターン性自体を排除し、更に1歩踏み込んだものとなっている。
      • なお、魔法を使うためのMPはゲーム開始時には0の状態でスタートし、時間経過で増加(回復)していく。そのため、必ずしもウェイトが小さいことで状況が有利に働くわけではない。
    • クラスやレベル(LV)によってウェイトの基本値が変わるうえ、装備品の重量によって更に変動する。場面や各ユニットの役割に応じて、重装備で固めるか防具等を外してでも軽量化するかといった戦略性も求められる。
      • 装備品に関しては部位による制限は多少緩めなものの、個数制限(4個まで)が有る。基本的にはクラスによる装備制限は無い。但し、Lサイズユニットは装備の種類が非常に限られる。消耗品も1個として数えられる一方、魔法は別枠であり装備を圧迫しない。その弊害については後述。
        また銃はどのクラスでも装備できるが、ガンナーでないと射撃することが出来ない。ちなみに、攻略本に載っている銃のSTR補正は非常に低いが、実は射撃時の銃の威力(STR補正)は全武器中最大クラス。
      • ユニットの素早さは攻撃の命中率・回避率を上昇させるのみならず、ウェイトの数値を下げるためのステータスとなっている。
    • 各ユニットは行動後に再びウェイトが付与され、これが次の行動までの待ち時間となる。しかしこのゲームでは、不要な行動を省くことによってこれをある程度自分で調整できるようになっている。
      • 「移動」か「行動(攻撃や魔法・アイテムの使用等)」の片方だけなら付与されるウェイト量が少なくなり、何も行わず待機した場合は特に少なくなる。
      • ウェイトの大小をうまく利用すれば、「回復→補助魔法→射撃→攻撃」などといった緻密な行動順序の組み立てが可能である。
  • フリーマップ制
    • 1章の間、移動できる範囲なら(ごくたまに一方通行の場合もあるが)どこにでも移動できる。
    • シナリオ攻略を重視して最短経路を進むも良し、トレーニングやランダムバトルでゴリゴリキャラクターを育成するも良しと、本当に自由度が高い。
      • 終章では寄り道をすることで隠し要素が解放されることもある。ゲームの根幹となる謎が解き明かされたりするので、これもプレイヤーの探求要素をくすぐられるポイントである。
      • 基本的にショップの品ぞろえに地域差は無いが、特定のショップであることをすると限定品が店頭に並ぶことも。
    • 後述のやり込み要素も含め、「育成型SRPG」を確立したと言えよう。
  • 「高さ」「向き」の設定
    • 本作の戦闘ではクォータービューで各マスに高さが設定されたマップを用い、マップ中を移動・攻撃するキャラクターには向きの概念が付けられている。
    • 低い場所から高い場所には攻撃が届きにくく、基本的には高所の方が有利。
      • 遠距離攻撃に関してもユニットの高さや、攻撃の射線が軌道計算されており、射線が放物線を描くか直線状かによっても変わってくる。
      • 但し魔法に関しては、高低差の影響を受けるものはほとんど無い。
      • 段差の上りやすさなども位置取りに直結するため重要。ユニットによっては段差が苦手なものや、高低差を無視して飛んだりワープできるものもいる。
      • Lサイズユニットは背が高く、また高段差に接していれば味方が昇降するための足場として利用可能。
      • 盾攻撃などによるノックバックで高所から押し出されると、落下ダメージが発生。一部マップでは底無しの穴(地面がない)もあり、そこに落とせば飛行ユニット以外は即死。
    • 「向き」に関しても側面や背後から攻撃すれば命中率が増すなど、戦術においてダイレクトな影響を与える。
      • 側面攻撃は+25%、背後からは+50%。命中率10%しかない攻撃でも背後を取れば60%の命中率になる。但し、正面からの命中率が命中率下限の1%の場合、内部では命中率が0%以下になっていることが多く、向き補正は内部の値に足されるので、側面から攻撃しても+25%上がり切らなかったということも。
  • ユニット、クラスとクラスチェンジ(転職)
    • 店で仲間を雇用したり、戦闘中に敵ユニットを説得して仲間に引き入れたりできる。中には説得でしか仲間にできないクラスも存在する。
      • 勿論、イベント等を通して仲間になるキャラクター(固有名持ち)も多い。
      • 仲間は主人公含め最大30名まで登録可能、戦闘では最大10名まで出撃可能。但しLサイズユニットは最大で2体までしか出撃できない。
    • 主人公も含めた人間キャラ(固定クラス除く)は、条件さえ満たせば何度でも転職(クラスチェンジ)できる。但し性別や後述のアラインメントや、その他諸々の条件により転職可能なクラスは違ってくる。
      • 再転職不可能な特殊クラスも幾つか存在するので注意。
      • なお非人間キャラは、各種族がそのままクラスとして扱われており、ドラゴンが上位ドラゴンになる以外はクラスチェンジできない。
  • エレメントとアラインメント
    • 各ユニットには固有のエレメント(風・炎・大地・水)とアラインメント(ロウ・ニュートラル・カオス)が設定されており、それぞれがユニットの特徴などに関わってくる。
    • アラインメントによって、転職可能なクラスががらりと変わる。なお主人公のアラインメントは、プレイヤー自らが選んだ道(ルート)によって変わってくる。(後述「評価点」で説明)
    • 属性は、風・炎・大地・水の4つのエレメントに加えて、神聖・暗黒・物理の合計7種類がある。
      • 神聖・暗黒の属性はアラインメントによって決まり、「ロウ」なら神聖、「カオス」なら暗黒となる。
    • 属性は、まずユニットごとの属性耐性(RES)として影響する。RESはダメージの割合(単位は%)で高いほどダメージがかさむ。RESはクラスごとに固有であるが、ゲーム内で直接確認することはできない。物理RESだけは、ステータス画面の防御力の表示から逆算で知ることができる。
      また、相反属性の攻撃を受けるとダメージ増加(+5)、同属性の攻撃を受けるとダメージ減少(-5)の補正がつく。
      • 装備によって一部のRESが強化(あるいは弱化)されることがある。鎧・盾・兜等の防具は、主に物理RESを強化するが、実はほとんどの防具の効果はあまり高いとは言えない。(問題点の項に詳述)
    • 各属性の中でエレメントの方はクラスチェンジには影響を与えないが、戦闘面ではアラインメントより重要である。
      • 自分と同じエレメントの魔法や武器などを用いた場合、威力や命中率などの効果がより高くなる。
      • 地形効果や天候に対しても、エレメントの影響が高い(後述)。
    • エレメントと同様に、アラインメントによっても神聖・暗黒属性の魔法や武器攻撃が強化されるが、こちらは命中率や回復魔法の回復量への影響のみで、攻撃のダメージ量には影響しない。
  • 地形効果と天候
    • 地形効果は戦闘に様々な影響を与えるため、不利な地形に相手を誘い込むなどの戦略性が要求される。
      • ユニットの足元の地形が、物理的な攻撃力・防御力に直接影響する。
      • 各エレメントも影響を受ける。エレメントごとに有利な地形が存在する。
      • ちなみに、草地や雪原の地形は炎の魔法で焼き払える。そのマスの属性バランスを変動させたり、一部の隠された財宝を見つけられるようになる。
    • 更に天候によっても効果が変動する。
      • 好天時は水と風の魔法の効果が低下、悪天候(雨降り、ひどい時は雷雨)時は炎と大地の魔法の効果が低下。場合によっては魔法の効果範囲が狭まることさえある。
      • 天候はアラインメントにも影響し、ロウのユニットは好天ほど、カオスのユニットは悪天候ほど強くなる。ニュートラルのユニットは天候の影響を受けない。
    • 地形効果はゲーム中で簡単に確認できるので、逐次確認しながら戦略を立てることができる。
    • 地形によって移動のし易さ(移動コスト)も違い、一部の地形では天候によっても移動コストが変わる。
      • もっとも、プレイ中は移動可能範囲の表示に従っていれば間違いは無い。途中に1マスだけの水溜りがある場合も、回り道するより早い状況(移動コストが低くなる状況)なら自動的にぴょんぴょん飛び越えてくれる。
    • ちなみに、月ごとに乾期か雨期かが設定されており、陽や火を連想させる竜の月(神・地・白・炎・風・金・火・光)は好天になりやすく、陰や水を連想させる竜の月(水・影・雷・闇・海・黒・双)は悪天候になりやすいという隠し要素*2がある。

評価点

  • 高い戦術性
    • 前述した通り本作独自のシステムが多く、独創的かつ質の高いSLGを楽しめる。問題点も少なからずあるが、それを差し引いてもお釣りが来る。
  • 小さな島国の覇権を賭けた民族紛争を舞台とした重厚なストーリー
    • 同じ人間・同じ文化を持ちながら、ただ「民族が違う」というだけで血で血を洗う対立を続ける三民族。そこに単純な善悪は存在しない。
    • 本作の導入部で使われている「民族浄化(Ethnic cleansing)」という政策は、WWII中のナチスドイツによるものが特に有名であるが、本作とほぼ同年代に起きたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でも実際に行われていたものである。
    • 鬱ゲーとも取れるようなキツい描写も多い。
    • またストーリーやキャラクターを補完する存在として「ウォーレンレポート」というものがある。前作にも登場した占星術師ウォーレンが記録したレポートであり、ストーリーに直接関わる重要な情報やサブイベントに関する情報、戦いのヒントなどが掲載されている。
      ただシナリオ中に意識不明の状態にあってもちゃんと更新されるので、「意識不明でもレポートを書ける能力の持ち主」などとネタにされたりもしているが。
  • ロウ、ニュートラル、カオス。3通りの分岐
    • 当時としては珍しく、選択肢の内容によって3通りにストーリーが分岐する。ストーリーの分岐によって攻略マップやシナリオの内容、登場人物の生死が分かれ、個々のストーリーでしか仲間にならないキャラも存在する。
      • ルートによって固定化される主人公のアライメントから、それぞれロウ(L)ルート・ニュートラル(N)ルート・カオス(C)ルートと呼ばれる。それに伴い主人公が就けるクラスもある程度固定される。
    • 分岐自体は章の節目での選択により決まる、それまでの選択肢はほとんど意味がない簡素なもの。しかし密かに味方の忠誠度やカオスフレームに影響していたりする。
    • 『D&D』や『真・女神転生』のロウ・ニュートラル・カオスの概念を拝借している(ロウ側が残酷な判断を下すのも同様)のだが、この作品では早々にどの側につくのか自分のスタンスを決めることを強いる選択肢が用意されている。第1章のタイトル「僕にその手を汚せというのか」はそれを表すものである。
    • 組織の掲げる正義や目的達成のために非人道的な選択をすると大きく非難され、また綻びも生じ状況は好転しない。一方で非人道的な行為を糾弾する王道的な判断を下すと「綺麗事」「覚悟がない」「偽善者」と敵側から痛烈に皮肉られ、しかも濡れ衣を着せられて追われる身となり長期間放浪するいばらの道が待っている。かといって途中で信念をまげると日和見主義者として更に否定的に描かれる。善悪や正否の答えを作品内で明確に出さず、ぬるい希望を見せることもない非情に徹したストーリーが本作の持ち味である。
      • しかし、権力者たちのやり方を否定し第3の道を歩む王道的展開を繰り広げるルートや、序盤に仲たがいする親友と和解、共闘できるルートなど、いずれのルートも甲乙つけがたい魅力が存在する。また、ルートごとにクローズアップされる敵キャラが変わるのも興味深い点である。
    • 一つ目のルート分岐に相当する「バルマムッサの街」でのイベントは、SRPG屈指の衝撃的イベントとして名高い。
+ バルマムッサの虐殺:ネタバレ注意
  • ガルガスタン軍に劣勢を強いられていたウォルスタ解放軍は、獅子奮迅の活躍を見せたデニムに対して、表向きは自治区を装っているものの、その実強制収容所と化していたバルマムッサの街の住民を蜂起させる役割を命じる。
    • だが、作戦の最中、デニムはウォルスタの騎士であるレオナール自身から、実際は敵の仕業に見せかけて住民を殺害し、ウォルスタの結束を高めることこそが真の目的であることを聞かされる。
      人道から完全に外れた非情な作戦。だが、これを実行しなければ、やがてウォルスタはガルガスタンに滅ぼされかねない。虐殺を是とするか、非とするかを、なんとプレイヤー自身が選択せねばならないのである。選択の結果、いずれの返答を行っても後味の悪い結果となるが、その後の展開は大きく変わる。
      • ルート分岐自体は、前述した『女神転生』シリーズをはじめ、ある程度浸透していたのだが、この選択のインパクトの強さは、多くのプレイヤーから絶賛された。
        もちろん、現代の日本人の感覚からすれば虐殺は言語道断の行いであり、実際に虐殺を拒むルートが多く選ばれがちではある。しかし、虐殺を肯定したルートの方もしっかりと作りこまれており、どちらも選ぶ価値が十分に存在する。
  • イベントシーンの丁寧な作り込み
    • システム上、主人公とゲスト以外のメンバーは自由にパーティから除名・離脱させることが可能で、例え重要キャラが死亡してもシナリオは進む。しかも、イベントシーンの会話に参加するキャラが離脱・死亡している場合の会話パターンもちゃんと用意されている徹底ぶり。
    • シナリオ上、絶対に死なせてはいけないはずのキャラも死亡する場合があり、その場合のみエンディングが大きく変わる。
  • 崎元仁・岩田匡治コンビによるサウンド
    • 松野ディレクターが思わず「どんどん暗くなっていくから、もっと明るくした方がいいんじゃないのと言った」くらい、シリアスなゲーム性に重厚な楽曲が合っている。
      • 作曲者のコメントによるとこれでも「ついつい明るくなってしまって」いる曲があると言う。上記の松野氏のディレクションもあったものの、それでもなおダークな雰囲気が強い仕上がりである。
      • 戦闘BGMは全14と豊富で、いずれもテンポが速くせかされる曲から、ふわりとした印象の曲、身の引き締まるようなずっしりした曲、はたまたおどろおどろしい曲まで多彩。この辺りも飽きさせない工夫だと言える。
      • 難点はややループが短めなことくらいか。但し、曲の緩急が十分付けられており、単調さはそれほど感じられない。
    • 暗い曲調とは裏腹に、裏技のサウンドモードで表示される曲名は「飲酒運転」やら「さむいッス」「おっほっほっほっ」…など、何故かカオスなものが多い。
      • 前作『伝説のオウガバトル』や後の『ファイナルファンタジータクティクス』と同様に、サウンドトラックではサウンドモードと違ってちゃんとした曲名が付けられており、お遊びの冗談のようだ。ちなみに『トレジャーハンターG』のようにこのノリの曲名が正式採用されているゲームも存在する。
  • 初心者にも優しい作り
    • 前作「伝説のオウガバトル」は、その独特なシステムが魅力であった反面、ややとっつきにくい点も見られた。これに対して本作は、自軍同士での模擬戦「トレーニング」による戦力増強など、プレイヤー技量の低さやLV不足をカバーできるようになっており、シミュレーションRPG初心者にも無理なくプレイできるようになっている。
    • 操作方法・戦闘の基本を細かく教えてくれるチュートリアル、アイテムの効果やゲーム中の地形などの様々なことがその場ですぐ表示されるオンラインヘルプ機能など、説明書が必要ない程判り易いシステムになっている。
    • ゲームが始まってすぐに前作にも登場した有翼人・カノープスが仲間になる。高めの能力に加え、ゲームシステムと噛み合った高移動力・飛行能力を持ち、お助けキャラとして機能している。
    • どうしてもSLG慣れしていない人の救済措置として、蘇生魔法のリザレクションが中盤で入手できたり、オーブという切り札的なアイテムも存在する。
  • 世界観に深みを与えるオンラインヘルプ機能
    • ワールドマップ上の各地・アイテム・障害物・クラスなど、なんにでもヘルプメッセージが付いていて解説が添えられている。ステージ上の障害物の木でも「トチの木 Help:山の斜面や湖畔に生える落葉高木。白竜の月には白い花が咲き、死者を弔うのに用いられる。」といった具合。
  • 隠しダンジョン「死者の宮殿」の攻略性の高さ
    • 最終章になってようやく突入できるダンジョン。地下3階の隠し扉を開けないとその先には進めないが、階層は全部で地下100階。一度外に出ると再度地下1階から攻略しなければならず、しかも中断は可能だが、途中でセーブはできない。
    • あらゆる面で難易度が非常に高いダンジョンであるため、「真の最終ステージ」とも称される。
      • ランダムで出現し必ず4体で立ちはだかる敵「ガーディアン」は、作中でも最強の敵として、プレイヤーを苦しめると共に攻略性を高めている。Lサイズユニットでありながら比較的軽量なWT、しかも最初に全体攻撃で大ダメージを与えてくる上に、遠距離攻撃も威力が高い。
      • しかもダンジョンのマップ形状は階層ごとに固定である一方、敵ユニットの編成は一部を除いて不確定であるため、思わぬ所でガーディアンに全滅させられたり、思わぬ敵チームに大苦戦したりと、全ての階で油断できない。
    • 一方、ここでしか手に入らない強力な魔法やアイテム、更に仲間にできるユニットが存在する。
    • 非常にインパクトが強かったのか、「100階近い構成で数多の強敵が存在し途中セーブ不可、但し魅力的な報酬が得られる」という似たようなコンセプトのダンジョン・施設は、本作と無関係な他のSLGでも見られるようになった。
  • 精密なグラフィック
    • ドット絵は吉田明彦(人間系ユニット。顔グラや公式イラストも担当)と皆川裕史(モンスター系ユニット。背景なども担当)によるもの。
      キャラクターはうつむく、頭の向きだけを変える、椅子から立ち上がるなどの非常に細かい仕草まで行う事で臨場感を出しており、その生き生きとした動作は現在もドット絵の好例として挙げられるほどである。
    • マップ、背景、その他細かな装飾なども非常に丁寧に書き込まれている。
    • Vジャンプ攻略本の松野氏のインタビューによると、アニメーションにこだわったから発売が1年遅れたらしい。
    • 近接攻撃武器の剣・ハンマー・爪・槍・ムチは、得意武器だった場合に特有の攻撃アクションが用意されており、これがかなりカッコいい。特に剣は固有クラスごとに様々な構えが用意されているなど、グラフィック面で優遇されている。
      但し、近接武器の中でも扇の得意武器アクションは攻撃アクションではなく防御アクションでの描写となっている。
      • かわいらしいマップ上のユニットと打って変わって、顔グラフィックはシリアスな世界観に合わせたリアルなタッチ。それゆえ仕方ないのだが固有のキャラは映画俳優をモデルにしていると思われるキャラが数人いる。
  • 魅力的なキャラクター
    • 主人公と同じ境遇で育ちながら真逆の道を歩む幼なじみヴァイス、国に従う騎士としての命を全うする生き様を見せるレオナール、同じ名前を持ちながら全く異なる思想を持った二人のランスロット、中盤に登場し衝撃的な台詞でプレイヤーの価値観を揺るがすザエボス、戦争と無関係の純粋な邪悪さを見せつけるニバスなど、印象的なキャラクターは数多い。
    • 特に本作のヒロインである主人公の姉・カチュアは非常に賛否両論分かれるキャラクターとしてよく話題に上がっていた。
  • 名前の自由度が高い。
    • 一般ユニットを町で雇った場合、プレイヤーが自分で名前を設定できる。カナ入力や英語に加え、漢字もかなりの数が対応しており選択肢は幅広い。
      • 名前入力が面倒なら、一般敵と同様なランダム名候補(これも豊富)を自動で選択提示する機能もあり手間要らず。
  • 細かく作り込まれた飛び道具の軌道
    • 木などがあれば放物線を描く曲射で敵を狙う、銃の狙撃で勾配を考慮して狙う敵より後ろのマスを指定して地形に邪魔されないように調整できる(そうしないと地形に当たってしまったりする)など、高低差や射線上の障害物などがきっちり影響する。
    • 但し飛び道具の性能については強すぎるという面も。(後述)

賛否両論点

  • ゲームバランスには難がある。明らかに強いクラスや戦法が存在する。
    • 特に間接攻撃>直接攻撃すぎるバランスは批判に晒される事が多い。その中でも弓の有用性の高さは群を抜いており、「高さの概念(高いほど弓の射程が伸びる)*3」「WT(移動無しで攻撃できる機会が多いためWTが早く回るうえ、アーチャー自体のAGI成長が高い)」「反撃システム(間接攻撃は絶対に反撃を受けない)」「地形効果(相手が射程内なら、地形効果の高い場所に立って攻撃できる)」等のゲームシステムの恩恵をこれでもかというほど受けている。擁護する意見が無い訳でもないが…
      • ダメージ計算や命中率の計算が複雑でゲームに慣れるまでは事前予測がしづらいという仕様も、やはり「弓・AGI・軽装至上主義」を助長することに繋がっている。
        攻撃のダメージや命中率を正確に知るには、とりあえず敵ユニットが自身の攻撃射程にはいる位置に移動して実際に狙ってみる必要があるのだが、攻撃はキャンセルできてもその前の移動まではキャンセルできない。
      • 但し一部の戦闘では自軍のユニットに合わせて相手ユニットのタイプが設定されるものがあり、強いからといって弓ユニットばかり投入していると相手も弓だらけの編成となって手痛いしっぺ返しを受ける場合も。
        特に両軍の距離が狭い戦闘が多い死者の宮殿では、敵の弓軍団による集中砲火を浴びせられるという危険な展開を招く恐れがある。
    • 松野氏曰く「まあ、バランス調整の甘さということで。随分と弓矢等は弱くしたんですがね。また、あれ以上、間接攻撃を弱くすると一般ユーザーには難しくなっちゃうんですよね。とはいえ、ゲームとしてはもうちょっとシビアにしたい。そのあたりの調整が非常に難しい…。」とのこと。
    • 「竜言語魔法」と呼ばれる魔法も、マップ全体の敵を対象にすることからバランスブレイカーと考えるプレイヤーもいる。ただし、こちらはほぼ隠し要素なので、批判されることはほとんどない。
  • アンデッドはHP0になっても死なずWT経過で何度でも復活できるにもかかわらず、狙われやすく設定されていて非常に優秀な囮として機能する。
    • 更に強力に敵を惹き付けるパンプキンヘッドというユニットも存在するが、こちらは攻撃性能が乏しく既にゲーム終盤にさしかかっていて死者の宮殿というこれが居てもツライ場所をこれから攻略しようというタイミングでの登場ということもあり、戦術が一変するほどのバランスブレイカーではあるものの序盤から使用可能なアンデッドと違ってあまり簡単になりすぎる要素とはされない。
  • AGIとDEXの高いハボリムとペトロクラウドの組み合わせも凶悪。並み居る敵を次々石へと変えていくバランスブレイカーぶりは他のユニットを霞ませ、ファンからは「ペトロクラウダー」「石工」と渾名されるほど。
    • ペトロクラウドは敵を石化し行動不能とする範囲攻撃魔法。敵側に石化の回復手段は少なく自然治癒もしないため、決定打となり得る。但しリーダーを始めこの魔法の効果を受けない敵も存在する。
    • 他キャラでもAGIとDEXを鍛え上げればハボリムを凌駕する命中率に出来るが、そんな手間をかけなくても完成されたハボリムが話題に上がるのは必然。また他の状態異常魔法より石化の効果が強い事も相まって、上記の様な認識が広まってしまった。
    • 松野氏曰く「そのへんは狙ってセッティングしてあります」「ああいう抜け道がないとコンシューマーでは受け入れられなくなっちゃう」とのこと。
  • これらを駆使しても高難易度のゲームだというプレイヤーも多く、弱すぎるアンバランス要素と違って強すぎるアンバランス要素についていまだに賛否の両論が飛び交ったりする。

問題点

システム面

斬新で魅力的なシステムであるが、粗削りな問題点も散在している。先駆者ゆえの宿命であろう。

  • 賛否両論点で述べたように間接攻撃が強力な一方、直接攻撃は反撃も受けるし、敵に近づけば他の敵に背後を取られ易いと高リスク。直接攻撃主体の前衛クラスは相対的に使い勝手が悪い。
    • また前衛クラスであっても、人間タイプの並のユニットではそもそも敵の猛攻を耐え切れないことが多い。
    • 「ニンジャ」や「ソードマスター」が両手に片手用近接武器を装備することで使用可能になるダブルアタック(2回攻撃)は、一発のダメージが7割という制約とクラス自体のハンデ(属性耐性の悪さ、戦士に有用のステータスの成長率の悪さ)と引き換えにしても強力だが、それでもやはり弓を持たせる方がよほど実用的である。
    • 得意武器による威力・命中のボーナスは3%と微妙(なお武器のエレメント一致によるボーナスは10%)。近接系の得意武器を装備しても間接攻撃武器の優位性を覆すほどでは無いため、気づけば物理攻撃ユニットはみんな弓装備という事もざらである。敵側もそれを理解していて、ナイトやドラグーンが得意武器の剣ではなく弓やボウガンを装備していることが多い。
  • 武具を一切装備できないLサイズユニットは更に使いどころが限られる。しかも「素手での攻撃はダメージが半減」という仕様が何故かLサイズユニットにまで適用されるため、Lサイズユニットの直接攻撃は概して人間より弱い。例えばドラゴン系はドラグーンとほぼ同等の物理攻撃力があるはずだが、この仕様で実際には魔術師系ユニット程度にダメージが抑えられる。
    • 最初からノーコストで反撃不能のスペシャル攻撃を持っているドラゴンやコカトリス、HPを消費するとは言え長射程で高威力のウィンドショットを早期に習得するグリフォンはともかく、これらを一切覚えないゴーレムと、水中でしか使えないオクトパスは特に「使えない」とされる。
    • ゴーレムは謳い文句通り物理属性の攻撃に対する防御力は非常に優秀だが、極端に低いHPで長所が相殺されるうえ他属性の攻撃(特に魔法)に弱く、壁役として機能しない。先述の通り殴りも弱いし、鈍足が祟って前線に立つのも一苦労。攻略本でも「壁というより“敵の的”」「敵にコイツがいると嬉しかったりする」等、散々な言われ様。
    • オクトパスは「地上では弱いが水中では強い」という特徴を持つが、「スペシャル技は自分が水中かつ相手も水中・水上(浮遊には無効)にいないと使えないのに射程1」「そもそも水場があるマップが少なく、水中・水上に立てるクラスも限られる」等の理由で活躍の機会が皆無。
      オクトパスの説明文にあるように、幅の広い水場を渡る際に「足場代わりに使える」位しか使い道がない。敵に回した時も水中にいる間は近づかずにおき、水から誘い出せばただの雑魚。
      • 但し、スペシャル攻撃の威力を決めるSTRとMEMの成長率が共に高いため、オーブを使わせた時の威力はドラゴンを上回り、ヒドラに次いで高い。AGIもLサイズにしては高めなので、当てやすいのもポイント。
      • なお敵専用の上位クラス「クラーケン」は、水がなくてもスペシャル技を使えるので普通に強い。何そのインチキ。
    • ドラゴンは最初から状態異常つきのブレスを使える上、人間キャラよりもはるかにタフで、盾役として申し分ない能力を持っている。道幅の狭い場所に立たせて後ろに回復役をつければ、暗黒騎士団の攻撃すら余裕で耐え抜く頑健さである、
      また、Lサイズの中で唯一LVアップで上位のドラゴンにクラスチェンジできるなど優遇されている。しかし、一から育ててクラスチェンジさせるより、終盤に登場する上位ドラゴンを説得して引き入れる方がはるかに楽なうえ、ステータスも高いという問題点も。*4
      • なおドラゴンは属性によりブレスの種類が変わる。状態異常の面からは「(麻痺の)風>(眠りの)水>>>(毒の)大地>>(越えられない壁)>>(わずかな装備劣化の)炎」。またホワイトドラゴン→バハムートとクラスチェンジした場合は属性ブレスは維持できるが、ブラックドラゴン→ティアマットになるとエレメントに関わらず闇属性のトキシックブレスに変わる。
      • また、終盤では説得限定で「全ての属性のブレスを吐ける」ヒドラを雇用できる。MENが高いためブレスの威力が高く、しかもエレメントと一致しないブレスでもダメージは一緒。ハイスペックなキャラとなっている。
  • 初心者救済のためか、中盤で蘇生魔法が入手できるが、使用回数等の制限が無い。そのため一部のキャラ(主人公・ゲストユニット)と蘇生担当者以外は、幾ら死んでも蘇生させれば構わないことになり、戦闘の緊張感と難易度が一気に下がってしまう。キャラロストの緊張感を維持したければプレイヤー自身で使用を制限するしか無い。
    • 但し後述の強制転生は、蘇生魔法では対処できない。
    • 蘇生魔法の使い手は終盤加入の万能なプリンセスおよびプリーストになるが、プリーストは範囲回復魔法を使えないために回復役としては下級職のクレリックより劣る欠点があるにはある。と言ってもいずれのステージも出撃メンバーは10枠あるので、蘇生魔法の圧倒的な有用性を考慮すればそのうちの1枠をプリーストで使うデメリットはほぼない。*5
  • 「禁呪」が使い物にならない。
    • 終盤のイベントで入手できる「禁呪」は、マップ全体に効果があるのだが、敵味方全体にダメージを与えるうえ、確率で忠誠度が下がるなど、デメリットが非常に多い。さらに、同じくマップ全体に作用する竜言語魔法はデメリットがまったくないため、禁呪をプレイヤーから用いられることはほとんどない。
      • この反省か、リメイク作では前述した竜言語魔法に匹敵するほど使い勝手がよくなった。
  • 装備品、特に防具の意義が微妙。
    • 防具は防御力自体を上昇させるわけではなく、攻撃側の「攻撃力」を守備側の「防具無しの防御力」で引いたダメージ値に割合で補正(RESと表現)を与えるというもの。防具個別のRESは重量に対してそれほど効果があるようなものではなく、はっきり言って割に合っていない。
      • 基本的に防具のRESは重量の半分。盾は少し率が良いが、最弱の盾を除きやはり重量増の方が高い。素の回避率があれば被ダメージ期待値が逆に下がる代物である。また盾を持つ場合、片手武器しか装備できない。
    • 素手だとダメージが半減する仕様のため、武器は全く装備しないわけにはいかないが、こちらも後半の武器になるほど重量上昇に対するダメージの上昇値が割に合っていないものが多い。
      • 例えば、LV25の敵ソルジャーの物理攻撃力が247ポイントなのに対して、店で買える上級武器の代表格であるバルダーソードの攻撃力は30と、ユニット自身の攻撃力の1割を少し超す程度なので、ダメージはほとんどユニットの攻撃力で決まる。また、上級な武器でもその攻撃力の差はドングリの背比べ程度なので、武器を持ち替える意義が薄いのが残念。
        他のSRPGでは、弱い武器でもユニット攻撃力に対して十分高かったり、ユニットの攻撃力と武器の攻撃力が別の概念であることが多い。『伝説』でも武器の威力は今作同様だったので、松野氏の考えがあるのかもしれない。
    • 特に物理属性の防具では、他の属性の物理攻撃を全く防げないという謎仕様のおかげで、終盤の物理属性武具の不遇が尋常ではない。(ちなみに、ゲーム内ではその事実を自力で認識しづらい)
    • 風・炎・大地・水の4属性武器はユニットの属性一致でダメージではなく「攻撃力」自体が10%も上がるため非常に強力。神聖・暗黒属性は属性一致による威力強化がないが、物理属性防具で防げない点は同じ。(神聖属性は終盤の敵に多いアンデッド・悪魔系に強いが、暗黒属性は聖職者以外は素で軽減するクラスが多くやや不遇。)
    • 逆に、属性持ちの防具は物理RES以外に「その反対属性に対してダメージ軽減率が上がる」だけで他の属性はやはり素通し。属性一致ボーナスは無い。また、攻撃属性と防御側のキャラの属性が一致した場合のダメージ軽減も5%のみと、属性攻撃は有利すぎる。一方の物理属性武器は一般的な物理属性防具と各種属性防具どちらでも軽減できてしまうので相対的に弱い。
    • 付加効果持ちの防具(代表例はストーリーで必ず入手する全状態異常無効のタイタニアメイル)以外は”ただの重り”と見るプレイヤーは多く、3章から敵がバルダー防具を着け始めるのを「ハンデを背負ってやってきた」と形容する人もいるほど。
  • 戦闘におけるLUKの重要度が高いため、キャラ付けのためにLUKが低く設定されているイベントキャラ(一部キャラは一般兵よりも低い)が不遇。
    • 比較的判り易いクリティカルの発生率以外に、与ダメ・被ダメ・命中・回避と戦闘のあらゆる場面に大きく影響するため、特に物理攻撃ユニットにとっては生命線にもなりうる。
      • 一方、攻撃魔法使いユニットならば、それほどマイナス要素とは言えない。(そもそもクリティカルが発生せず、前線から1歩引いた場所で攻撃し、召喚魔法や一部の投射系魔法を除けば多くは命中率100%なので、後は与ダメへの影響に限定される)
    • LUKは基本的にLVアップでは変動しない。ステータスUPのカードも、LUKのカードだけは下がることもあるため、思い通りに強化するのは難しい。
    • 低LUKでないと拾えない埋蔵アイテムも存在するが、大体のキャラは中途半端に低く、最初から条件を満たすのはルート限定の1人(しかも男なので、水中の宝を拾えない)しかいない。
  • ある重要人物を特定のタイミングで死なせた場合に発生するイベントで入手可能な武器がどう考えても割に合わない。重量の面で上位互換ではないにしろ、威力が高い同種の武器が、そのキャラが健在の場合でも手に入るからである。
    • またストーリー上、重要人物の死とそのイベントの関連が感じられない。
  • NPCの行動パターンがお世辞にもいいとは言えない。
    • 大抵の戦闘は敵リーダー撃破が勝利条件となるが、その敵リーダーが真っ先に突っ込んでくる傾向が強く、集中攻撃すればすぐにケリがついてしまう。逆にアイテム回収等をしたい時に、敵リーダーをどう生かしておくかを考えなければならないレベル。
    • 高所に陣取った弓兵は非常に脅威なのだが、敵はそれを生かしきれない。特に該当敵が飛行可能だった場合、わざわざ低所に飛び降りてくる。
      • 防衛ラインを持った敵以外は、基本的に弓の効果範囲=「攻撃選択時に表示される攻撃範囲の中で弓の届く場所」と考えている模様。逆に防衛ラインを持った敵は弓の射程を生かし切るが、詰め寄られない限りその場を動こうとしない。
    • 味方NPCであるゲストユニットも危険に面しても後退しない。一応自軍が低LVなら無双してくれるが、そうでなければこちらから手が出せないうちにやられる。
      • また、自ユニットをオートにする際にはAIパターンがあるにもかかわらず、主人公と共闘しているゲストユニットにAIパターンを指定することができない。そのため、ゲストキャラに調子を合わせるのが大変。
  • 強制クラスチェンジの存在。
    • アラインメント「ロウ」で能力が一定値以上の女性ユニットが死亡した際、その直後に「エンジェルナイト」というクラスに問答無用でクラスチェンジして復活することがある。しかも、エンジェルナイトから他クラスへのクラスチェンジは不可。
      • 人間の中では強いクラスだが、特性は戦士系。なのに魔法系ユニットの方が条件を満たし易い(転生条件の1つに高MPがあり、ほぼこれがボトルネックになる)。アーチャーになれないロウの女性は魔法職で育成することが多く、特にイベントキャラだと初期能力が高め。そうしたユニットが転生したら能力値とクラス特性がまるで噛み合わなくなってしまう。一応、スターティアラを使わせれば魔法ステータスを活かせるが。
      • ちなみに、よほど能力値を鍛えたユニット(大量のドーピングや、成長値が増加する装備満載で育成する等)でもなければ、転生よりも敵エンジェルナイトを説得で引き入れた方が往々にして強い。ただし、敵エンジェルナイトの登場はゲーム最終盤になる。
      • 転生を防ぐため「自動蘇生アイテムを持たせる」「他職に転職できないクラスにしてしまう」といった回避策も一応はある。
      • なお固有ユニットが転生した場合、ユニットとしては復活していてもシナリオ・イベント上では死亡扱いになってしまう*6。それが嫌ならリセットしてやり直すしかない。
    • ある魔法を集めるサブイベントに進んだ場合、特定のユニット数名を魔法使いの「シャーマン」にすることが必要で、以後クラスチェンジできなくなる。対象には戦士系ユニットもおり、今までの成長と噛み合わなくなってしまう。
      • ちなみに、クラスチェンジ時のダイアログでうっかり「いいえ」を押してしまうと、イベントがそのまま進行するものの、2度とそのキャラに対応するマップが解放されなくなるという、地味なひっかけみたいな仕様が存在する。
      • なお、集める魔法は実用性に乏しく、ついでに手に入る属性盾も似た効果を他のアイテムで代替できるので、コレクター以外は気にする必要がないのが救いではある。
  • クラスチェンジはしないが、第四章になるとデニムの成長率が専用クラスの「ロード」と全く同じになるという隠れ設定がある。
    暗黒騎士団に勝利を収め、ヴァレリア解放軍の長となった彼に合わせて衣裳が新調されるが、どうもこの副産物である模様*7
    • ロードの成長率は戦士系最強クラス*8なので、通常プレイではむしろありがたいのだが、特殊な育て方をしている場合は求める能力値と噛み合わずネックとなる。(ニンジャでの最速化や、魔法職での育成なと)
    • また、この設定のせいで、後述の通りデニムがロードにクラスチェンジする旨味がほぼ失われている。
  • 範囲攻撃の演出の長さ。
    • 敵のいないマスまでわざわざ1マスずつ演出が表示される魔法が多く*9、ややテンポが悪い。
      • これらの魔法は使用頻度も高く、またINT等の要因で範囲が13マス分にまで広がるが任意に狭める事もできない。よって無駄の多い演出を全マス分眺め続けることになる。
      • 特に大地属性のクラッグプレスは、同属性のアシッドクラウドとほぼ同じ効果*10にもかかわらず、演出が無駄に長くてウザいだけ。しかも消費MPが2倍以上、価格は5倍と明らかにコスパが悪い魔法。魔法攻撃が本職のクラスはもれなく両方装備できるので、前者はほとんど存在意義がない。
    • 一方、アシッドレインの様に、範囲内全体に同時に演出がでる魔法も存在し、これらについてはテンポが速く快適。
    • 全体攻撃魔法も演出は一回で済むため、ストレスは小さい。
      但し終盤に特殊ダンジョンで入手できる状態異常付き全体攻撃は、1人1人に状態異常表示が出るため時間がかかる。
      • 状態異常が付加されない全体攻撃魔法も神聖属性1個・炎属性2個入手できる。死者の宮殿でチャージスペルと組み合わせて即時x複数組で連発するような全体魔法主体の戦術をルーチンワーク化する場合も、こちらを利用すれば状態異常表示に煩わされることもない。
  • レベルシステムのバランスが微妙。
    • 本作では1LV上がるだけで戦闘力に格段の差が生じ(特に序盤に顕著)、敵キャラよりも1LV低いということが致命的になりうる。
    • 加えて、アタックチーム内で最も高LVのユニットに合わせて敵LVが決定されるので、キャラのLVをなるべく統一する事を強いられる。
    • 一般的なSRPG同様に「LV差の補正で獲得経験値が上がり、貯めた経験値はLVアップ時にリセットされる」方式のため、強敵を倒しても1LVずつしか上がらない。LVに大差がついてしまったユニットの育成は後述のトレーニング以外では難しく、少々煩わしい。
    • 主人公のLVを低く抑え、且つ主人公よりも高LVのキャラを出撃させなければ敵LVを抑えることは可能。またステージごとに敵LVの上限下限があり(死者の宮殿を除く)、上限以上にLVを上げれば、こちらのLVが高い状態でプレイできる。
      • 但し、LVを抑えた場合は仲間になったユニットをすぐには出撃させにくい(イベント加入ユニットは概ね加入時期の敵の上限LV以上に合わせられている)。一方、高LVで進めた場合は、NPC救出ステージで孤立したNPCが無双しにくく、かえって救出が大変になる事も。
      • なお敵リーダーだけは常にLV固定。LVを抑えた場合は「敵リーダー一人だけ突出してLVが高い」状態も起きる。
    • 本作にはMVPというシステムがあり、イベントバトルで最も活躍したユニットにおまけのLVアップが発生するが、上記の様に勝手に突出されても困るため、あまり歓迎されていない。またCCに撃破数が絡むユニットの場合、LVを抑えつつ撃破数を稼ぎたい事も多く、MVPは余計なお世話になってしまう。
      • MVPを避けるため、撃破数稼ぎはランダムバトルを使うことが望まれるが、ランダムバトルは出撃する敵ユニットがイベントバトルに比べて少ない。なので撃破数のCC条件を満たすには何回もバトルを挑むしかない。
    • SLGは慣れ親しんでいない一般プレイヤーにとっては難しすぎるとの考えから、「大味で、LVアップさえすればクリアできる」と言われてしまうバランスを意図していたとのこと。
  • パーティのLVを上げる&均等化するために「トレーニング」というシステムがあるが、「LVの高いキャラに低いキャラが延々投石を繰り返す」というシュールな光景はネタにされる。そしてネタを抜きに考えるとただただ面倒な作業プレイを強いられる。
    • 余談だが、このゲームは同士討ちが可能なので、トレーニングをする際の的は遠くに配置される敵チームのキャラよりも自チームのキャラを狙う方が効率がいい*11。にもかかわらず、トレーニングには2つのチームを配備しないと開始できない。自軍の最高LVのキャラが複数いる場合はともかく、一人だけLVが突出している場合はチームごとの経験値の稼ぎに偏りが生じてしまう、もしくは配置に時間がかかる。
    • 幸い、LV差が開いていると1回殴るだけでもLVアップするので、後半に加入したキャラでもトレーニングを積めば比較的すぐ実践に投入することが可能である。ユニットの攻撃を当てるための方策が必要だが、状態異常魔法を使えば何とかなるだろう。
  • 最終章のランダムバトルのLV設定がおかしい
    • 本作では、最終章のランダムバトルの設定LVが28~35になっている。しかし、最終章突入直前のイベントバトルの上限LVは24であるため、最終章の開始直後にうっかりランダムバトルに突入するとパーティの平均LVより4以上も高いランダム敵が出現することになる。*12
      • それどころか、この設定は最終章の大半のイベントバトルの上限LVよりも高いため、ランダムバトルに数回勝利すると味方のLVが上がりすぎ、シナリオ本編の戦闘がぬるくなってしまう。
      • 最終シナリオの連戦ステージに突入する直前の王都ハイムでのイベントバトルの上限LVが31であることを考えると、上限下限共に4LV分低く設定されているぐらいが妥当な数値か。
  • セーブデータが2つしか保存できない(もう1つ中断セーブがあるが再開すると消える)。ルート3つともう一つ大きな分岐点があることを考えると、少なくとも3つ、出来れば6つ以上欲しくなる所であり、かなり少ない。
    • これは外部記憶装置を使うことで解決できる。
      • SFCには「ターボファイル ツイン」がある。セーブデータ数は最大16個。ちょっとした検証用にデータを移し替えるといった用途にも使えるし、クリアデータを保存したいという理由で導入するプレイヤーも多いようだ。「ターボファイル」の電池が切れればおしまいなのが玉に瑕だが。
      • PS版なら、メモリーカードやPS3のドライブ等を利用できる。メモリーカードに糸目を付けなければ幾つでもセーブを残せるので、攻略を楽に進めたいのならば最もおすすめである。
      • SS版は内蔵メモリ、外部メモリにそれぞれ3ファイル保存可能。確かに「ターボファイル」が無い場合のSFCよりは多いが…
    • 但し、コピーできないVCではどうしようもない。VCでこの問題点が目立ったといっても過言ではない。

シナリオ面

  • 最後まで、あるいはルート次第で未消化のまま終わる伏線などがある。
    • 敵の親玉の1人は、一度戦うのみで逃げられてしまい、以降は直接会うこともできず決着はつけられないまま終わる。
    • ストーリー序盤から登場するのに、結局戦わせてもらえない暗黒騎士がいる*13など容量不足ゆえに苦慮した面もあるようだ。
    • その他、序盤で思わせぶりに顔見せしたキャラがルートによってはそれっきりフェードアウト、あるいは知らぬ間に死亡してしまったり、政治的に重要なキャラが死亡したことが、口頭でさらっと匂わされるだけで、ウォーレンレポートをチェックしないと詳細がわからないという問題もある。
    • また、仲間に加えなかったときに「いずれ、また会うこともあるだろう」と言ったキャラと結局「また会う」ことが無く、ただの思わせぶりなセリフとして終わる。
    • 関連するユニットは戦闘中に会話イベントが発生する場合があるが、容量不足のためか、明らかに関係性の深いキャラ*14なのに全く会話が発生しないパターンもある。
    • ウォルスタ解放軍の中枢メンバーとして残る選択をしたLルートでは、これまで公爵との戦略会議などに顔を出したことがないどころか名前すら聞いたこともない実績不明の凡将たちが突然デニムの前に立ちはだかって叱責してくるが、彼らは他のルートでは一切出てこず敵対や共闘をすることもない。君たち誰なの?
  • 主人公のデニムの自己主張が変な方向に強い。
    • プレイヤーの分身ともいえる主人公だが、到底感情移入できないようなトンデモ発言をすることがしばしばある。特にLルートやNルートでそれが顕著。
      + デニムのトンデモ行動の例:ネタバレ注意
    • Lルートでは、幼馴染からの必死の説得(どう考えても正論)に対して上から目線のトンチンカンな発言で退ける(この場面でプレイヤーに発言の選択権はない)。
    • Nルートではあっさりと幼馴染を見殺しにする発言をして姉を呆れさせる、姉が行方不明になっても何のリアクションもせずにスルーする(むしろ上司の方が心配している)など、人格を疑うレベルの発言や行動が目立つ。
    • Cルートではまともかと言うとそうでもなく、たった1人の肉親である姉がコリタニ城から故郷の町(距離が遠いだけでなく、この時点では敵地のど真ん中)に1人で帰ると言い出しても真剣に引き留めようともせず、それどころか護衛の1人もつけずに見殺しにする。(一応、無事にゴリアテにたどり着いたのち暗黒騎士団に保護されたので結果オーライだが。)ちなみに一度賞金稼ぎに姉を誘拐された過去があるが、学習能力がないというか、根本的に人間らしい気遣いが欠如している。
    • 基本的に戦略眼などは皆無で、誰かに指示されないと次の行動もまともに決められない。行き当たりばったりの思いつきの行動ばかりとは言え、人助けに奔走するCルートはまだしも、私利私欲に走る権力者に必要以上に従順な態度で都合のいいように使われ続けるNルートは、とにかくストレスが溜まりやすい。
  • 味方兵力が不自然な期間がある
    • ルート次第では、主人公が逃走・潜伏する期間が存在するが、その間もイベントキャラはおろか一般兵すら1人も離脱することなく行動を共にし、置かれている状況からすると不自然なほど戦力が充実している。
    • この期間中でも当然のように10ユニット出撃可能なため、追撃・待ち伏せ部隊との戦闘でもむしろ味方側の方が兵力が上という不自然な状況が多々ある。(主人公を誘いこんで罠にはめたはずの敵参謀の部隊がこちらより兵力が少ないステージなど)
  • ゲーム的都合で仕方ない部分も多々あるが、敵味方共に軍の統率者の危機管理意識が低く、指揮能力も作中での評価とは違って不自然なほど低い。
+ 軍人のチョンボ集:ネタバレ注意
  • ガルガスタン陣営は、ロンウェー公爵の処刑の情報をエサにゲリラをおびき寄せたはずが、真正面から小細工抜きに攻めてきた少人数のゲリラにあっさりと城を奪還される。囮待ち伏せ作戦のはずが、明らかな準備不足。前作『伝説のオウガバトル』を戦い抜いた百戦錬磨のゼノビア組が加勢したのが想定外だったとはいえ、言ってしまえばたったの5人の精鋭とヒヨッ子3人の計8人に真正面から城を落とされる程度の戦力しか置いていなかったことになる。主力部隊や指揮官が不在時に出先の下級将校が暴走した結果かもしれないが、敵方のゲリラが多数潜伏する地域で、敵方の重要人物を幽閉している城で致命的なポカである。
  • ウォルスタの将軍レオナールは、初登場シーンからして「敵将を追撃中に"油断して"奇襲を受け、部隊を壊滅させられて虜囚になっていた」という散々なもの。
    彼に関してはこの手のエピソードに事欠かず、Cルートで圧倒的優位な状況でガルガスタン軍に勝利した以外では、だいたい戦に負けている。特にNルートではまたもや部隊を壊滅させられて虜囚になっている(しかも相手はただの少人数のゲリラ)。そして最終的に敵の城の中で不用意に単独行動してあっさり殺されている。Cルートでも反逆者のデニムを討伐に来てあっさりと返り討ちにあって戦死*15。この人がウォルスタ解放軍の遠征の総大将という時点でウォルスタの人材不足が見て取れる。
  • ゼノビアの英雄のランスロットも、バクラムの侵攻に備えてライムに駐屯していたはずなのに、あっさりと奇襲を許してライムはあっという間に陥落、本人は虜囚の身となる。不戦の密約を無視した奇襲で多勢に無勢とは言え、百戦錬磨の英雄ならもうちょっとうまく立ち回ってほしいところ。
  • バクラムの前線基地であるフィダック城は、暗黒騎士団団長がいたにもかかわらず、真正面からたった1日で攻め落とされ*16、しんがりを任された暗黒騎士団コマンドも戦死*17
  • ついで暗黒騎士団が秘密裏に拠点としたバーニシア城も、結局は解放軍側に情報が洩れる*18ことになる。解放軍側がヨルオムザ峡谷に囮の部隊を派遣して進軍ルートをカムフラージュしたとはいえ、準備する間もなくあっさりと急襲されるのは要するに情報戦の段階で負けており、大国の諜報機関としてはかなりお粗末。
  • 解放軍側は進軍を悟られないために比較的小規模な精鋭部隊で攻めてきたわけだが、対する暗黒騎士団側は団長自らが指揮し、しかも足並みのそろわないバクラム兵ではなく、直属の暗黒騎士団が守備していたにもかかわらず、やはり1日で陥落*19。暗黒騎士団って一体……。*20
  • ヴァイスは謀略や作戦立案能力には長けるが、実際の戦場では負けてばかりなので、現場指揮能力自体は凡庸。
  • 将軍としての指揮能力で評価できるのは、追撃してくるレオナールを罠に嵌めて返り討ちにしたニバス(の部下のモルドバ)、Lルートで2度にわたってウォルスタ解放軍を撃退したザエボス(一度目はVSレオナール、二度目はVSヴァイス)ぐらいのものだが、いずれも作中での評価はあまり高くない。
  • 一方、デニムはゲームシステムの都合上、撤退戦などが存在しないこともあり、初陣のときから与えられた任務は常に完遂する無敵の英雄。多少の不利などものともせず、敵に嵌められて完全包囲されようが、あっさりと包囲網を突破する無双ぶり。何の戦略眼も持たない猪武者でありながら、いつの間にやらウォルスタ・ガルガスタンの連合軍を率いる指導者になっているのも頷ける圧倒的な現場力である。
  • 民族融和を謳いながら、加入するイベントキャラの民族が人口比率と乖離して異様に偏っている。
    • 島の人口比率はガルガスタン>>バクラム>ウォルスタという状況にもかかわらず、ガルガスタン人のイベントキャラはほとんど仲間にならず、ほぼ不倶戴天の敵状態。
      • 特に最も民族融和を強調しているはずのCルートでは大半がバクラム人で、次いでゼノビア人(海外の来客)、ウォルスタ人と続く。ガルガスタン人は三ルート共通の隠しキャラ1人だけ。戦後のガルガスタン人の処遇が心配になるレベル。
      • Lルートでは、Cルートに比べてバクラム人が4人減り、ウォルスタ人が1人、ガルガスタン人が2人増えるので、人口比率を度外視すれば比較的バランスがよい。他のルートに比べイベントキャラが1名少ないのはご愛敬。
  • 強制一騎打ちの存在。
    • 強制的に主人公1人、あるいは主人公だけが突出して前面に出ているというステージが存在し、これに耐えられるような育て方をしていないとほぼ詰み状態となってしまう。しかも、そのほとんどが連戦マップの最終ステージだったりするので、余計に質が悪い。ちなみに、シナリオ的にも主人公が単独行動をする必然性が薄い場面がほとんど。
    • 4章になると主人公のパラメータ成長率が非常に良くなるので、それまではLVアップを抑えておきたいところだが、強制一騎打ちがそれを許さない。
    • すべてのルートで1度は強制一騎打ちをする(NルートはCルートからの分岐直前)必要があり、その一騎打ちイベント以外でもそれに近いシチュエーションが存在する。
  • 終盤に物語の超重要人物の生死に関わる台詞の選択イベントがあり、選択肢を間違えると問答無用で死亡する。
    • しかも、そのイベントは過酷な三連戦ステージをクリアした直後であり、失敗すると三連戦からやり直しになるという理不尽すぎる仕様。
    • そのキャラは非常に強力なユニットで死亡が大幅な戦力ダウンにつながるだけでなく、イベント的にも強制的にバッドエンディングに直結してしまう。
    • そして、正しい選択肢を判断するのが初見プレイヤーにはやや難しい。質問は2つあり、1回でも間違えればアウト。つまり、何も考えずに選んだ場合に正解にたどり着く確率は25%。また、質問の正解はその少し前のステージで別の人から投げかけられる質問により変動するという厄介な仕掛けがある。
    • 一応、その人物が死亡した場合のみの特典がいくつかあるが、下記の理由で割に合っているとは言いがたい。
      • デニムがロードという非常に強力なクラスに就けるようになる。しかし、ロードの最大の特徴は戦士系最強クラスの成長率なのに、実は上述の通り、第四章になった時点からデニムの成長率はクラスに関わらずロードと同じになるため、全く意味がない。他のクラス特典も、魅力的なのは移動力*21と範囲回復魔法ぐらいなもので、ダブルアタックは実用性が低いし、行使できる魔法もステータス特性と乖離しているため、あまり役に立たない。*22
      • 隠しエンディングを見る条件にもつながっているが、もう一つの条件が難しすぎて、事前情報が無ければ到底自力で見られるものではない。
      • ちなみに、そのキャラを死なせるにしても、選択肢で正解して一度仲間にしてから死なせた方が追加特典が1つ多い。つまり、選択肢を間違えて死亡させるメリットは実質的に存在しないも同然。
  • 一部仲間の加入条件が分かり辛い。
    • 最終章で仲間になるキャラには加入条件が難解なものが多い。確実なのは「水のオリビア」一人だけ。
      • 但し彼女以外は実質的に隠しキャラ(登場場所も隠しマップ)なので、仲間にしなくてもシナリオには特に影響しない。
      • 当時のゲームでは、こうした事前情報ほぼ必須な隠し要素は割と良くあり、とりたてて本作が理不尽というわけでもなかったのだが、不満に思うプレイヤーもそれなりにいたようだ。
    • 中でも「大地のシェリー」は、シナリオ的にもいかにも仲間になりそうな雰囲気でありながら、他の三姉妹とは比較にならない加入条件の複雑さが今でも語り草である。後に四姉妹専用のサブイベントもあることから、加入の期待と重要性は特に高いはずなのだが。
      • ちなみにゲームと同時発売のVジャンプ版攻略本(下巻)には、彼女のその後に対して「いずれ再会することもあるかも。」としか書かれていなかった。「どこで加入イベントが起こるか」といったヒントすら無い。果たしてVジャンプスタッフはシェリーと再会できたのだろうか?
+ 加入条件が極端に難しいキャラ(ネタバレ注意!)
  • シェリーの加入条件
  1. 前提として、彼女の妹「水のオリビア」が自軍にいる必要がある。先述の通りオリビアはストーリーを進めていれば確実に加入するので、これは問題ない。
  2. 敵キャラとして出てきたシェリーを殺さずに逃がしておく。これも、彼女を生かしておけば何かありそうだということは多くのプレイヤーが思うはず。
  3. ここからが重要で、主人公が解放軍の本拠地に戻った後の一定期間中に天候を大雨にしたうえで「バルマムッサの街」に行く。もしくは「バルマムッサの街」で天候を大雨にしてゾード湿原へ移動する。これによりイベントが発生し晴れて仲間に。
    • ここで留意すべきは、この間にシェリーに関する注意喚起が一切無い点、上記の街はシェリーと何の接点もない上に、ストーリー上の主人公の進路とは逆方向となる。
    • 期間設定も地味に嫌らしく、シェリーとの戦いの直後には加入イベントを起こせない。シェリーをすぐに追いかけたくなるのが人情ではないのか。また、シナリオを進め過ぎるとシェリーの加入が出来なくなる事も難点。*23
  • シェリーほどではないが、Cルート・Nルートの「炎のセリエ」も特に説明のないまま救出可能期間が限定されるので、やや判り辛い。
  • 「竜使いオクシオーヌ」や「魔女デネブ」も条件が難解だが、こちらは本筋にほとんど影響しない完全な隠しキャラであり、任意のやり込み要素なので問題点とは言えないだろう。

バグ関連

プログラムミスor未実装or誤った説明が散見される。

  • 「ユニットのエレメントが対立する場合は大ダメージを与え、同エレメントのユニットによる攻撃はダメージが小さくなる」という説明はあるが機能していない。攻撃手段の属性と防御側のユニットエレメントのダメージ増減関係との混同か。
  • 「弓に対して窪みに置くのが有効」という遮蔽効果の説明があるが、弓の軌道は放物線なので問題なく命中するし、軌道や相手からの高さで威力が変わったりもしない。一応、クロスボウ系の投射射撃は直線軌道で発射するので有効な場合もありえるが。
    • 検証により、窪みに置くことでより弓が届きやすくなってしまうことが分かる。ギリギリ届く距離では標的の足元に撃って不発になるが、足元への軌道を遮って高射角を取らせば届くようになるから。
  • ゲーム内の説明に悪天候での強さが記載されているクラスがあり、攻略本にはメーカー資料に基づいて「天候抵抗」というマスクデータが全クラス分掲載されている。しかし実際には天候の効果は前作の昼夜のようにアラインメントに左右され、天候抵抗は天候に関係なくいつでも強く、実質クラスごとに違う能力ボーナスのようなものになっている。
  • パラメーター画面で表示される防御力はゲーム中に使われている値とは計算が違うために参考にならない*24
    • 特に魔法防御力の計算にまで物理属性耐性が参照されているため、重装備すれば魔法に強くなるように見えるが、実際はダメージが変わらない。魔法全体の属性耐性が存在しないので、魔法属性耐性が正しく反映されないのは百歩譲って問題にしないにしても、物理属性の魔法が存在しないのだから、耐性自体を無視することはできなかったのだろうか?
  • 各種法衣やバルダー系の防具は「装備するとINTが上昇する」との説明文があるが、魔法攻撃時に参照されないので実際にはほぼ機能していない。一応、魔法の攻撃範囲の拡大には貢献する。
    • 一方、杖やバルダー系の武器、各種指輪などのINT上昇は魔法攻撃時にちゃんと機能している。機能しているかどうかは装備画面で確認できるのが救い。
  • 武器を複数装備すると攻撃力が上がるかのような表記がでるが、ダブルアタックが可能なキャラ以外では実際には上がっていない。
    • ちなみにパワーグラブは「所持者の力を増幅する(STR+5)」という説明がされているが攻撃力には全く影響せず、ゲーム内の装備画面でも攻撃力の上昇表示はされない。*25
  • ドロップ設定を間違えて絶対に入手できないレアアイテムがある。
    • 所持しているが説得不可能なタイプのアンデッド。HPを0にしても時間経過で復活し、浄化すると所持品ごと即消滅*26
  • ハボリムの初期忠誠度がおかしくなる条件がある。
    • Nルートでのハボリム加入条件は複数あるが、クァドリガ砦を攻略してハボリムを仲間にした時のみ、何故か初期忠誠度がとんでもなく低い状態で加入する。この状態でカオスフレームの高い民族を攻撃して忠誠度が下がったりすると、最悪の場合離反することもあるので注意。他のルートや別条件で加入した場合には忠誠度が固定で、この条件の時にシナリオ上で忠誠度が低くなる理由も特にないので、おそらく設定ミス*27
      • ちなみに、ハボリムの忠誠度が低いままだと、ハボリムの正体を知るイベントが発生しない。
  • ウォーレンレポートの「ライム炎上」を途中でキャンセルすると戦闘で直接攻撃がダメージ無効になる。
  • 2章Cルートでイベントメッセージをきちんと表示させずに読み飛ばすとフリーズする箇所がある。
  • 1番目の出撃キャラがMP0だとCOMがMPを誤認してMP回復アイテムを使用しなくなる。

総評

勢いのあるテキストと壮大なBGM、緻密なドット絵が醸し出す独特の世界観。
システムも斬新。バランス面ではかなりいびつなところもあるが、それを差し引いても戦術的に十分すぎるほど楽しめる。
周到なヘルプによる間口の広さと、何度の周回プレイにも堪え得るボリューム。
様々な要素を高水準で兼ね備えた、シミュレーションRPGというジャンルの永遠の代表作たる完成度を誇る名作である。


移植・続編・リメイク

  • 後にPS版とSS版が発売されている。
    • PS版はBGMが劣化しているが、中断セーブによる再開でセーブデータが消失しないため難易度が大幅に下がることになった。
      • しかしロード時間が長いのがネック。技の処理時間もSFC版より長い。
    • SS版は声が収録されている(それも井上和彦などのベテランが演じている)。イラストギャラリーである「デネブレポート」も搭載された。
      • なお、前作のSS版リメイクから続投したキャラのうち、半数に当たる2名の声優が差し変わっている。1名はいくらでも理由の付けられるキャラだが、もう1名は不明。スケジュールの都合だろうか。
      • その他、SS版限定のバグも存在する。しかし大きな問題となるのは、やり込んで所持アイテムの種類が増えると毎ターン「…なんと心のせまい方たちなのだ。」というメッセージが出るバグくらい。バグを利用して通常は仲間にできないユニットを使える裏技などもある。
      • アスペクト比がワイド前提になっており、当時としてはスタンダードな4:3では縦長になってしまっている。
    • 移植版でも、景品は違うがファイアクレストのキャンペーンが行われている。
      • 前作とは違い、今作は当初海外で発売されなかった。PS版になってようやく英語版が発売され、海外プレイヤーは『TO』をプレイできるようになった。事実上の後継作である『FFT』が海外でも発売され、主要スタッフの共通する『TO』に対する需要が増大したためだと考えられる*28
  • このゲームの開発終了後に、松野泰己、吉田明彦、本作アートディレクターの皆川祐史が(旧)スクウェアに移籍し、『FFタクティクス』『ベイグラントストーリー』『FFXII』などを製作することとなる。
    • 当初は引き抜きだとして、ネット上ではオウガ支持者とFFタクティクス支持者の激しい応酬などがあったが、松野氏によると、クエストは本作の開発終了直後に退社し、移籍は自分の意志であるとのこと。
    • 続編『オウガバトル64』のストーリーも松野氏が退社したことで、松野氏が構想していた内容とは違う形になった。
    • 後にGBAで本作の外伝が発売された。本作のある人物の過去の話となっているものの、それ以外のストーリー的なつながりは薄め。本作の問題点のいくつかを解消し、意欲的なシステムが導入されているが、やはり松野氏は関わっておらず、ウェイトターン性が廃止されているなどの難点もあり、評価が分かれている。
    • PSPでフルリメイク作『タクティクスオウガ 運命の輪』が発売。『FFT獅子戦争』とは違い、松野泰己、皆川裕史、吉田明彦、崎元仁、岩田匡治といった主力スタッフは全員が関与している。
      • システムやゲームバランスはオリジナル版からほぼ別物と言えるほど激変している。『伝説』のBGMや『外伝』のシステムを一部導入した、まさにシリーズ集大成にふさわしいものとなっている。

余談

  • 本作は、ファミ通の読者が選ぶTop20のランキングでSFCの作品で唯一、長年に渡りランクインし続けていたことから、未だ根強い人気を誇る作品であることが覗える。
  • 前作にも登場した秘宝「ファイアクレスト」を入手するとレポートに応募宛先が表示され、装備しているゲーム画面の写真を送るとデネブの手紙とガラスのカボチャが貰えるキャンペーンが行われた。
  • 本作では「HERMIT」という座標・高さ・種類を設定すれば擬似3Dマップを生成できるプログラムが使われており、ゲーム起動時のメーカー表示の中にも「HERMIT」のロゴが表示される。
    • 伝説のオウガバトル完成後、発売されるまでの数ヶ月間は斜め見下ろし型のアクションゲームを試作していたとのこと。これが初期のHERMITと思われる(タクティスオウガのHERMITはVer1.3)。
    • 開発陣が『ソルスティス 三次元迷宮の狂獣』や『ランドストーカー ~皇帝の財宝~』にはまっていて、伝説のオウガバトルの開発が終わる頃に次はこういうのを作りたいと話していたとのこと。
    • 新規IP創出のため伝説のオウガバトルを支援していた任天堂から続編を作ろうと持ちかけられ続編企画が急遽動き出し、試作していた斜め見下ろし型アクションゲームを流用することになった。
    • 2023年6月26日に電ファミニコゲーマーでこのHERMITへの言及を中心とした開発者へのインタビュー記事が掲載された。
  • 松野氏がTwitter(現X)で企画書を公開している。当初の仮タイトルは『ランスロット Somebody To Love』だった。企画の立ち上げ段階では主人公はやはりランスロット・ハミルトン*29であったが、彼が中年であったために没になったという。
    • 『ランスロット』の企画書の後に、『タクティクス オウガ The Byquest of King Dorgalha』*30として再度企画書が作成されている。主人公の血縁関係が開発中に代わっていることがこの企画書から読み取れる。詳細な理由は不明。
      • 初期設定では、主人公はブランタ司祭*31の息子で、カチュア王女の護衛として弟のブライアン*32に預けてゴリアテに送った、という設定だった。
    • また、『聖杯』*33というアイテムがキーアイテムとして登場する予定で、企画当初のラスボスは製品版とは違い「聖杯の力に取りつかれたブライアン」だった。
  • エニックスの雑誌「ガンガンWING(現・月刊ガンガンJOKER)」でコミック版が連載されていた(全4巻)。
    • 原作同様のシリアス路線だが、当時は王道とはいえなかったLルートを題材にしており、原作ファンを驚かせた。
    • ストーリーは1章途中から2章終了まで。オリジナルキャラも登場する。
  • 民衆からの支持率を示す「カオスフレーム」という隠しパラメータ*34があり、普通にプレイしている分には気にならないが、隠しエンディングの条件になっている。
    • 前作『伝説のオウガバトル』にも登場した概念で、エンディングに影響する重要なパラメータだったが、前作ではバーが表示されていた。
    • 特殊エンディングは内容的にはベストエンディングというわけでもなかったので、TOのカオスフレームについてはユーザーの間でひっそりと研究が行われていた。
    • 2010年に松野氏が隠しコマンドを入力することでカオスフレームを表示できる裏技があると言及、そして2014年になって、隠しコマンドを入力することでカオスフレームを表示できる裏技が発見された。
      • 松野氏すら自分用のメモを紛失しており、既にクエストを辞めていたことから開発資料も見れないのでコマンドが非常に複雑で再現できなくなっていたという曰くつき。なおSFC版のみの機能の模様。松野氏曰く、発売後の何かの機会に公開する予定だったが、その前にクエストを退職してきっかけを失ってしまったそうだ。雑誌「ゲームラボ」2014年7月版にも掲載された。
+ 記憶を頼りに再現できなかった非常に複雑な隠しコマンド
  1. ウォーレンレポートを開く
  2. 2コンで↑→↓←Y↑←↓→X↑→↓←L↑←↓→R↑↓↑↓B←→←→A・SELECT・SELECT・START・START・AAAAAAAと入力する
  3. 時間表示の一桁が9になった時にBを入力する
  • SFC版のバージョン違い
    • 初期バージョンROMでは主人公の名前を「MUSIC_ON」にしたときミュージックモードに入れる裏技にバグがあり、「M」「MU」「MUS」「MUSI」「MUSIC」「MUSIC_」「MUSIC_O」でもミュージックモードになる。
    • 後期バージョンROMでは修正済み。主人公の名前を「M」などにしてプレイすることが可能。
    • ニンテンドウパワー版では、ウォーレンレポートからプレゼントキャンペーン情報が削除されている。
  • GAME SIDE 2010年8月号の「シミュレーションRPGを読み解く」の「シミュレーションRPG 名キャラクター紹介」でヴァイスとデネブがピックアップされた。
  • 電撃オンラインのリメイクして欲しいゲームランキングで5位にランクインした。そして、その希望通り、二度に渡ってリメイクが行われている。
    • 前作で登場したカノープスの妹「ユーリア・ウォルフ」がプレイアブルキャラクターとして参戦するほか、本作のバッドエンディングで言及される過激派組織「バーナムの虎」が実際に登場している。
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  • オウガバトルサーガ

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最終更新:2024年03月19日 01:27
添付ファイル

*1 人口比率ではバクラム人2割、ガルガスタン人7割、ウォルスタ人1割

*2 雨季と乾季についての説明は取扱説明書に書かれている。また、一部雨季と乾季の別なく荒天下となるステージもある。

*3 一部攻略本の記述とは違い、威力は上がらない

*4 特に殺害数40という厳しすぎる条件があるティアマットは、(自分好みの名前を付けたい・Lv1から吟味して高AGIドラゴンを育てたいなどの理由がなければ)自力で作る価値は低いのが悲しい。

*5 範囲回復が欲しければもう1枠でクレリックを加える余裕は十分にある

*6 転生後の死亡セリフも汎用のものなので、生前の記憶や人格が消えているという意味でキャラは「死んでいる」。これに関してはストーリー上でも扱われている。

*7 内部的にもグラフィックだけでなく「初期の主人公」「4章の主人公」が別物として扱われている。成長率の設定自体、数値を毎回チェックするプレイスタイルでもない限り気づかないだろうが。

*8 ナイトの攻撃力、バーサーカーの防御力と、1番ではないが総合成績が高い優等生。

*9 サンダーフレア、ファイアストーム、スタンスローター、ポイズンクラウド、ペトロクラウド、アシッドクラウド、クラッグプレス、アイスブラスト、イクソシズム

*10 威力の違いもわずかしか無い。敵との高さの関係で威力が変わるなど、実はとっても面白い仕様なのだが。

*11 AIによる1対1の殴り合い(時折回復)で最高LVを目指す裏技、通称「クレリック法」を使う場合話は別。

*12 しかも、章の開始位置のフィダック城から、最初のイベントバトルのあるバハンナ高原までの移動ルートの途中にあるウェオブリ山は敵出現率がかなり高い

*13 必殺技などのデータはグラフィックが未完成ながらちゃんと用意されている。当初は戦う機会があったことがわかる。

*14 アロセールとレオナール、Lルート以外のハボリムとオズマ、フォリナー4姉妹(特にシェリー)とブランタ。PSP版リメイクでは補足がなされたが、そもそも設定面での変更が行われている

*15 一応、彼は自己保身のためにローディスにつこうとするロンウェー侯爵を止められなかったことを悔いており、主君を裏切ることもできない立場なので、敢えてデニムに討たれることを望んでいたようだ。それを見越して、万が一の時にはデニムに従うように部下に下知を出し、何の偶然か次のマップが楽になるアイテムまで落としてくれる。

*16 門の警備にあたっていたのはバクラム兵であり、あてにしていたロスローリアン本隊が来る前に死んでしまう。バールゼフォンら城にいたテンプルコマンドたちも加勢しなかったのが実に哀愁を誘う。

*17 この時点でバクラムの最高権力者である司祭プランタは、自分の意に沿わないローディス暗黒騎士団長・ランスロットを疎んじていたのが仇になった。またローディスからしてみれば、彼らの目的に必要な「駒」を手に入れることができたので、余計な消耗は控えたかった。

*18 団長への不信感を募らせたブランタ司祭によるリークの可能性が濃厚

*19 それ相応に難易度が高く、騎士団長は本作の最強キャラの1人なので、LVが低いと苦戦は必至だが。

*20 但し、デニムの部隊は後述の通り百戦錬磨の精鋭部隊で、団長も「我々に匹敵する力を持つ」と最大限の評価を下している

*21 ニンジャと同じ

*22 それどころか、魔法職で育てていた場合に使える魔法が限定されてしまうというデメリットも

*23 具体的には島の西端でシェリーと戦闘後、島北東部のフィダック城に戻り、その後島南西部のバルマムッサの町を訪れる必要がある。なお、ストーリー上の次の目的地はフィダック城よりさらに北東のバーニシア城であり、バルマムッサとは正反対。さらにバーニシア城をクリアするとシェリーの加入が不可能となる

*24 本来は物理ダメージの倍率を決める物理属性耐性の逆数がキャラの素の防御力に乗算されている。防具によって防御力が上がるか下がるかの目安程度にはなるが。

*25 一応断っておくと、攻撃された時の防御力としてのSTRには影響しているため、タワーシールドと同じ装備部位・重量・属性耐性で防御力がわずかに高い優良防具。バルダーアーマーやバルダーヘルムなんぞより軽量で守備力が高いので、片手が空いているなら装備しておいて損はしない。

*26 解析によると落とすよう設定されているとの事だが、うまく機能していないらしい

*27 ハボリム加入時の忠誠度は通常66のところ、この場合のみ6なので内部データで1桁入力ミスをした可能性が高い

*28 SRPGはローカルなジャンルだったため、『FFT』が海外市場の門戸を開いてくれた、とも考えることができる。

*29 余談だが、誕生日が松野氏と同じため、かなり入れ込んでいたキャラだということが窺える。他にもスタッフの誕生日と一致するキャラがいる。

*30 副題は『ドルガルア王の遺産』という意味。製品版でも物語の鍵となっていた。

*31 暗黒騎士ランスロットの脇にいるため敵だったと推測されるが、製品版同様ラスボスでは無い。

*32 製品版におけるプランシー。改名の理由はやはり不明だが、製品版では汎用キャラの名前の一つに存在。

*33 『伝説のオウガバトル』に出てくる同名のアイテムとの関連は不明。

*34 ファミ通版攻略本では「存在しないけど」と書かれていたが間違い。後述の通り、普通にプレイしていて気づく要素ではないので、不可抗力と言うものだろう。