注意:ここでは、パッケージ製品としてリリースされた『マリオのスーパーピクロス』(良作)と、同機種のピクロスシリーズ(いずれも判定なし)について紹介する。



マリオのスーパーピクロス

【まりおのすーぱーぴくろす】

ジャンル パズル
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROM+64kbitSRAMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 エイプ
ジュピター
発売日 1995年9月14日
定価 7,900円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 2個
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2006年12月19日/800Wiiポイント
【WiiU】2013年4月27日/800円(税5%込)
【New3DS】2016年11月28日/823円(税8%込)
備考 SFC本体が4,000円安くなるクーポン券付(パッケージ版のみ)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×2・B×4
判定 良作
マリオシリーズ
ピクロスシリーズ

概要

GBで発売されたパズルゲーム『マリオのピクロス』の続編。 ピクロスとは「ピクチャークロスワード」の略称。パズル雑誌などで有名な「お絵かきロジック」と、ルール自体は全く同じものである。*1
お絵かきロジック自体は様々なゲームが発売されているが、「マリオのスーパーピクロス」はコンピュータならではのヒント機能も追加されている。

SFCにハードを移したことでよりパワーアップしており、新モードとして上級モード「ワリオのスーパーピクロス」が登場した。

特徴とシステム

  • 各問題は方眼紙のようなマス目になっており、縦列・横列それぞれに書かれた数字をヒントに絵を出す。削ってはいけない場所には目印として×印が付けられる。
    • いわゆる「お絵かきロジック」に準じるため、詳しいルールは省略する。
  • 問題を解くモードは、「マリオのスーパーピクロス」と「ワリオのスーパーピクロス」の2つに分かれている。「マリオの~」のレベル1をすべてクリアすると「ワリオの~」が出現。
    • 「マリオの~」では、制限時間があり、問題の大きさに関わらず一律30分。削ってはいけない場所を削るとペナルティとして制限時間を減らされる。(ミス1回目:-2分、2回目:-4分、3回目以降:-8分)
      • 一見、厳しい仕様にも思えるが、その分問題自体の難易度は低め。間違ったことをその時点で教えてくれるのでシステム上でも攻略自体は楽。
      • さらに「マリオの~」のみ「ヒントルーレット」が存在し、開始時に使うか使わないかを選択できる。ルーレットで当たった縦1列と横1列が自動で塗られ、×印も付く。これ以降、そのコースをプレイ中に制限時間を5分消費してさらにルーレットを回す事も可能。
    • 「ワリオの~」では、制限時間が存在しない代わりに、間違った場所を削っても教えてくれない。「パズル雑誌に、完全に解けたかを教えてくれる機能が付いただけ」と言えばわかりやすいか。
      • 代わりに「ワリオの~」のみ「試し塗りモード」が存在し、異なる色で試し塗りをして「もしこのマスがこうだったら……」と、削るマスの仮定に利用出来る。
      • 試し塗りの終了時には、試し塗りしたマスを確定させて自動的に削ってもらうか、破棄して試し塗りする前の状態にリセットするかを選べる。
      • 「マリオの~」では、20×20のマス問題が初めて登場するのがレベル8からなのに対し、「ワリオの~」では、同じサイズがレベル5から登場するなど、全体的な問題の難易度も高めになっている。
    • 問題となるマスの大きさは5×5から始まり、最終的には最大20×25のマス問題が出てくる。この形態は以降の作品でも概ね同じ。
      • カラー問題などの問題バリエーションは特になく、シンプルなモノクロ問題のみで構成されている。
  • 絵が完成するとカラーに色付けされ、問題一覧から完成した絵が見られる。
    • しかも、一部の絵はアニメーションが付いており、ピョコピョコと動く。GIFアニメ的な粗いものではあるが、独特の味があり、そこそこの出来といえる。
    • アニメーションのある絵はわりと多く、全体の4割ほどが該当する。
    • アニメーションの内容にもバリエーションがあり、口を開け閉めする程度のものもあれば、派手に動くものもある。
  • パズルゲームとしては珍しく、協力プレイが存在している。対戦プレイは無い。
    • 1人プレイの問題を2人で解ける。問題を解いた後には、どちらがいくつマスを削ったかを表示させることも可能。
  • 問題数は「マリオの~」と「ワリオの~」に加え、高難度問題を含めると全300問存在する
    • 「マリオの~」「ワリオの~」各モードにそれぞれ10レベル存在し、問題は1つのレベル内に12問ずつあるので両モード合計して240問。
    • 各モードそれぞれ、レベル10の問題を全てクリアするとさらにレベル「SPECIAL」で12問ずつ出現。これを両モード共に全てクリアすると、レベル「ULTRA」が「ワリオの~」側に出現する*2
      • この「ULTRA」は問題が8問しかないが、全てクリアすると、問題選択項目の下部にタイトル画面を縮小したアイコンが出現。この中の画面に「マリオの~」側の「EXTRA」問題が12+1の合計13個隠されている。 これを全てクリアすると、さらに「ワリオの~」版「EXTRA」が出現し、こちらには12問+3問の合計15問が用意されている。
      • 基本問題合計240問+「SPECIAL」合計24問+「ULTRA」8問+「EXTRA」合計28問=全300問…というわけである。
    • ワリオの問題の中には『ワリオランド』シリーズ出典の敵キャラクターが答えになっているものもある。
  • 『マリオのピクロス』には無かったヒント数字の(手動)チェック機能がついた
    • 『ピクロス2』にも受け継がれている。

評価点

  • モノクロだった前作からカラーになり、SFCならではのグラフィックが発揮されている。
    • アニメーションもあって、解く事による楽しみが増えた。
  • CMでも「中々手強い300問」と称されていた通りの、抜群の問題数。
    • 難易度の低い問題も多いが、それでも圧倒的なボリュームである。
    • さらに「ワリオの~」の導入により、本格的なコースが増えてしっかりやり込めるようになった。
    • 基礎の基礎程度だが、そこそこ丁寧なチュートリアルも用意されている。
  • 良質なサウンド。
    • フィールドを削る効果音は小気味良い物があり、一気に削れば爽快感がある。
    • BGMは中々良質で、両モードそれぞれに隠し曲が用意されている。
    • また、GB版と同じBGMが多く採用されているので、ファンにとっても親しみやすい。
  • 独特な世界観の付加
    • 作中では特に語られないが、「古代遺跡の石盤に隠された絵を解読する」というバックストーリー設定があり、演出もそれらしくなっている
    • 「マスを塗り潰す」が「削る」と言い替えられ、マスを削る際のカーソルがノミとハンマーになっている他、マリオのメインビジュアルも、探検服に身を包んでリュックを背負うという格好で、設定に沿ったものになっている。
    • 上述のサウンドも、遺跡探検のムードを醸し出すようなものが多く、出しゃばらない程度にさり気なく設定された世界観に程よくマッチしている。
      • マリオシリーズのキャラクター性を含め、個性的な世界観を付加することでゲームに程よく没頭でき、印象を深めていると言えよう。
  • 非常に簡単な問題から高難度の問題まで揃っている。
    • 初心者から上級者まで上達できる良質な構成になっている。
    • 終盤の問題はかなり難易度が高く、仮定法を複数回使わなければ解けないような問題が多数出てくる。
      • 特に「ワリオの~」ではヒントも使えず自分の頭で解く以外には方法がないが、上述の通り制限時間はない為、じっくりと時間をかけて解く事が出来る。

賛否両論点

  • 問題の難易度、絵の完成度にムラがある
    • 難易度レベルが上がるに従って順調に難しくなる訳ではなく、高難易度の問題がいきなり出たと思えば直後に簡単な問題が出たりすることが多い。同時にやりごたえのある問題や完成絵の上手さの分布も大雑把で、玉石混交に近い状態になっている。
      • レベルが上がると絵のタテヨコの大きさが増す法則は守られている。同じ大きさ同士の平均難易度を取るとまあレベル分けは正しいかな?というくらい。
  • マリオシリーズのキャラクター絵が少ない
    • 解いても解いてもマリオシリーズのキャラクター絵が出てこない。このゲームの購入者の多くはそれも期待していたと思われるが…
      • 具体的には「ワリオの~」に僅かと「EXTRA」の最後に数問入っている。しかしこれで十分とは言い難い。
  • 2Pプレイの難易度
    • ピクロスの性質上、下手な人やよくミスをする人が足を引っ張る構図になりがちで、互いの腕前に差があると円滑なプレイを阻害する可能性がある。
    • 上手い人が二人でプレイすれば実質2倍の速度で解けるが、やはりそれなりの腕前が必要になる。

問題点

  • 絵関連
    • 最大でも20×25とマス数が限られている以上仕方ないが、答えの絵が粗め。
    • 完成品がカラー絵となる一方、ピクロス自体はモノクロのため完成して着色されるまで何の絵かが全く分からないレベルの絵が結構ある。完成した段階で何の絵かを教えてくれるためゲームとしては問題無いのだが、「パズルを解いて絵を完成させる」というお絵かきロジック本来の目的を踏まえると、完成しても絵が何なのかまともに判定できない時点で問題としては悪問であると言える。
      • 前作のGB版ではこのような「完成しても絵の正体がわからない(あるいは絵の答えに納得ができない=答えの代物に見えない)」という問題はほとんど存在しなかった。
  • 「マリオの~」の最終盤の問題が難しすぎ
    • 最後の数問に限ったことであるが、「ワリオの~」の難易度に匹敵、あるいは全問の最高難度の問題が「マリオの~」に配置されている。仮定法を使わないと解けない問題だが、「マリオの~」には「ワリオの~」と違って仮定法をサポートするツールが無く、「ヒントを使う」コマンドしか無いため、ノーヒントを貫く場合は×印で代用して乗り切らないといけない羽目になる。
      • さらに多重仮定法を複数回使わないと解けないような超難問もある。解けなくはないが、ほぼヒントを使うこと前提といっていいだろう。
  • 僅かだが、答えが複数存在する問題がある。
    • グラフィックが表示される関係上、製作者の想定した正答を提示しなければクリアにならない。
  • ×マークが彫り防止として働かない、すでに掘った場所でも問答無用で×マークに置き換える
    • 彫る場所が一意に決まったからといって、×マークの位置を決めて一気に彫ろうとするとマークした位置も彫ってしまう(そしてミス量産で瞬殺という事態にもなる)。
      • 例えば1・1・1となっている5マスのラインでは2番目と4番目が×マークとなるが、そのようにマークした後残りを一気に彫ろうとするとマークした2/4番目も掘ろうとしミスになってしまう。
    • 逆も然りで、もう彫るところがなくなったラインの残りを一気にマークで埋めようとすると既に彫った場所もマークで埋めてしまう。
    • ピクロスDS』など後の作品では移動しながらの塗り/マークはどちらもされていないマスにのみ行われるよう改善されている。

総評

大ボリュームや操作性の改善により、前作『マリオのピクロス』の正当進化として相応しい作品となった。
亜種問題やご褒美・おまけ的なものがないため若干単調な部分もないではないが、時代を考えれば快適な操作性で300問が遊べるだけでも十分満足できる内容である。

ある程度のキャラ性や動くグラフィックも含めてお絵かきロジック系のゲームとしては抜群の内容であるため、今遊んでも楽しめるだろう。
荒削りな部分も残ってはいるが、高い完成度を誇るパズルゲームの金字塔である。


余談

  • 地味に本作はゲーム内でマリオが初めてテキストで喋った作品である。
    • ただレベル単位でコンプリートした時の「LEVEL ○の問題はすべてクリアされました」など、人によっては違和感を覚える台詞もある。
  • ピクロスDS』以降(厳密には『ピクロスNP』以降)のピクロスシリーズはキャラクター性を撤廃したカジュアル路線になった。
  • 本作自身はニンテンドウパワーのローンチで配信されていたが、元々既存作だったので書換え料金が1,000円だった。
    • そのため、後述の『ピクロスNP』の割高感を際立たせることになった。
  • 異様に汗臭いテレビCMで知られる。ゴールデンタイムにもよく流れていたので、知っている人も多いだろう。
    • 半裸の屈強な男達が「スー! パー! ピク! ロス!」と掛け声を出しながら採掘する絵面のインパクトは絶大。「石版を彫る」という本作の雰囲気を絶妙に再現している。
      + CMの動画
  • SFCが据置であるという仕様上、過去のGB版や実際のパズル雑誌のような「どこでも遊べる」という気軽さは失われているが、腰を据えてじっくり楽しむのにはちょうどよいと言える。
    • 現在はNew3DS・New2DSのバーチャルコンソール、下記Switchの『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』のラインナップに含まれており、携帯しながらどこでも遊べるようになっている。
  • 海外版『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』(SNES Nintendo Switch Online)で2020年9月23日に配信され、その後2021年2月17日には国内版でも配信が開始された。海外でも日本国内版をそのまま配信している。
    • バーチャルコンソール版と異なり、権利の都合上、一部の問題がオリジナル版から差し替えられている。(マリオのピクロス6-J、ワリオのピクロス2-B・5-L)
      • この中でもワリオのピクロス5-Lは修正前の問題よりも遥かに難しくなってしまっている*3
  • 本作から以降3作品『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』『スーパーマリオRPG』『星のカービィ スーパーデラックス』に「スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券」が同梱されている。
    • これは前年末発売された次世代32bit機プレイステーション、セガサターンの普及が急速に進み、任天堂の次世代機64発売(1996年6月)までの間、少しでもスーパーファミコンのシェアを延命するための苦肉の策*4だったが、この時点でスーパーファミコン自体が充分普及していたことと、そもそもそのソフトを買う時点でスーパーファミコンを持っていないという層など限りなくゼロに近いため、2つ目の本体など不要も同然なので実質意味のないものだった。
      • また有効期限を過ぎた1996年6月*5には、それを更に上回る値下げが行われたため、名実ともに意味のないものになった。
      • 本作にこのクーポン券がついていることはCMでは触れられていないので、本作を直接購入した人以外にはあまり知られていない。

タモリのピクロス

【たもりのぴくろす】

ジャンル パズル
対応機種 スーパーファミコン サテラビュー
メディア 4Mbit(メモリーパック保存)
発売元 任天堂
開発元 エイプ、ジュピター
配信日 1995年4月23日? - 9月頃? (再放送は1996年3月頃まで)
定価 無料配信
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
判定 なし
ポイント ラジオのお供
タイトル名だけは有名なゲーム

概要(タモリのピクロス)

  • BSアナログ放送で実施されたサテラビュー向けデータ放送で配信されたピクロスゲーム。サテラビューのテレビCMでも宣伝されていたので、存在だけは知っているという人も多いのでは。
    • 配信日からわかる通り、上記の『マリオのスーパーピクロス』に先駆けてリリースされている。なおこの日はサテラビューの本放送開始日でもある。
      「サバチーチカレッジ タモロス博士のサンデーゼミナール」というスーパーファミコンアワー内でのラジオ放送番組を聴きながらプレイできるゲームであった。

特徴とシステム(タモリのピクロス)

  • 基本ルール
    • 『マリオのスーパーピクロス』と同じなため割愛。ただし2P同時プレイが搭載されていない。
    • 起動時にラジオを聞くかどうかが選択でき、はいを選択すると以降ポーズ画面から再度切り換えるか、ゲームを再起動するまで効果音のみ再生されるようになる。
  • プレイ可能モード
    • GB版『マリオのピクロス』と同じように「あそびかた」「やさしいピクロス」「ピクロス」のモードで構成されているが、中身は少し異なっている。
    • 「やさしいピクロス」は5*5が4問、10*10が8問、15*15が2問の計14問が用意されている。これは実装以降どの日の配信も問題は同じ。
    • 「ピクロス」内には「今日のピクロス」「今週の宿題」「応募」の三項目がある。
      • 「今日のピクロス」はその放送日までに配信された15*15の問題が14問分収録され、それぞれタイトルに「○月○日の問題」と表示される。
      • 「今週の宿題」だけルールが「ワリオのスーパーピクロス」基準になり、放送された週の日~土曜日分の20*20の問題が5問用意されている。こちらは週替わりだったと思われる。
      • 「応募」はハガキへの応募要項が表示され、宿題の答えと連想するコトバを書いて応募すると抽選でプレゼントが貰えた。

評価点(タモリのピクロス)

  • 完成されたシステム
    • 全体的にプロトタイプ版のような雰囲気であるが、作りはこの時点でほぼ完成されており、サウンドも一部除き『マリオのスーパーピクロス』にそのまま流用されているほどである。
  • 日替わり・週替わりで新問題が遊べる
    • 上記特徴とシステムの通り放送期間中は毎日一問以上は問題が配信されていたため、サテラビューのプレイ環境さえあれば毎日無料で新たな問題を楽しめた。
    • さらに本放送であれば懸賞付きである。

問題点(タモリのピクロス)

  • 完成後が味気ない
    • 容量的には仕方なかったかもしれないが、『マリオのスーパーピクロス』のように問題を解いた後に答えがアニメーションすることはなく少し寂しい。
    • なおカラー化は行われる。
  • 環境的に遊びづらかった
    • そもそもサテラビューを持っている人が珍しかった。
    • 日替わりのデータ放送という速報性を重視した配信形態、8Mbitの容量かつ当初は本体セット付属の1つのみ・追加販売開始後も税別5000円というメモリーパックの性質、放送開始年であり豊富な番組が放送されたサテラビューの編成からメモリーパックの上書きが繰り返される受信環境など、ユーザーによる保存が難儀であった。
      • 制作側も雑誌や新聞におけるパズルコーナーのような遊ばれ方を想定しているようで、永久的な保存は考慮していないものと思われる。
  • タモリ要素ほとんどなし
    • ラジオ音声を除くとタモリ要素はタイトルと一部問題のみである。ある意味タイトル詐欺に近い。
    • 『有紀のジグソーキッズ』や『ワリオの森爆笑バージョン』など、他のサテラビュー配信タイトルではゲーム内にそのタレントがちゃんと登場していた。

総評(タモリのピクロス)

SFCピクロスとしての完成度が垣間見える一本である。
ただ、もう少しタモリ要素があればなお良かったかもしれない。

余談(タモリのピクロス)

  • ゲームはラジオ番組の放送時間外にも単体で放送されていた。そのため全く別のラジオを聴きながら遊ぶことも可能であった。

サテラdeピクロス

【さてらでぴくろす】

ジャンル パズル
対応機種 スーパーファミコン サテラビュー
メディア 8Mbit(メモリーパック保存)
発売元 任天堂
開発元 エイプ、ジュピター
配信日 1997年11月30日 - 12月27日(これ以降にも再放送あり)
定価 無料配信
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
判定 なし
ポイント ピクロスNPプロトタイプ?

概要(サテラdeピクロス)

  • 1997年度のサテラビューデータ放送にて設けられた月更新のイベントゲーム企画「マンスリーイベント」の12月分作品として放送された。

特徴とシステム(サテラdeピクロス)

  • 基本ルール等は『マリオのスーパーピクロス』と同じなため割愛。
  • 『タモリ~』のような日替わりで問題が更新されるゲームではなく、1作で完結している。
    • ラジオ音声聴取機能はない。この年度はすでに「タレントのラジオ番組を聴きながらラジオとは連動しないゲームを ダラダラまったりと プレイする」という形式の番組は絶滅していた。
    • タレントやキャラクターによるガイド等の要素はない。
  • 4×4問・計16問を解きそれらに共通するキーワードを答えとして応募するイベントが実施された。この形式はピクロスNPに継承されている。

評価点(サテラdeピクロス)

  • 変わらない遊びやすさ
    • 基本ルールなどは『タモリ~』と同じでとっつきやすく、すんなり遊ぶことが可能。
  • 無料でプレイ可能
    • 『タモリ~』同様、環境さえ整っていれば無料で遊べ本放送なら懸賞まで付いていた。

問題点(サテラdeピクロス)

  • 『タモリ~』と比べるとやれることが減った
    • 前述の通り、ラジオ聞き流し不可や問題固定などサテラビューならではの特性がばっさり切られている。今度は「サテラ」要素が薄くなってしまった。
      • サテラビュー自体が終焉に向かっていたため仕方がないことではあるのだが…。
    • また問題数も実質減少している。

総評(サテラdeピクロス)

サテラビューならではの機能が活かされなくなってはしまったものの、ピクロス自体は問題なく遊べる作品。

余談(サテラdeピクロス)

  • イベント期間経過後もサテラビューのサービス終了まで何度も何度も再放送が実施されたので、サテラビューユーザーの中には放送終了までにメモリーパックに保存しておいた、という人もいたのではないだろうか。

ピクロスNPシリーズ

【ぴくろすえぬぴーしりーず】

ジャンル パズル
対応機種 スーパーファミコン
メディア 【Vol.1~5】8MbitROM+16kbitSRAM
(F*2, B*1、SFメモリカセット書き換え)
【Vol.6~8】12MbitROM+16kbitSRAM
(F*3, B*1、SFメモリカセット書き換え)
発売元 任天堂
開発元 エイプ、ジュピター
発売日 【Vol.1】1999年4月1日 【Vol.5】1999年12月1日
【Vol.2】1999年6月1日 【Vol.6】2000年2月1日
【Vol.3】1999年8月1日 【Vol.7】2000年4月1日
【Vol.4】1999年10月1日 【Vol.8】2000年6月1日
定価 2,000円(税別)
プレイ人数 1~2人、同時協力・対戦プレイ
セーブデータ 2箇所
判定 なし
ポイント 懸賞付き
対戦モード追加

概要(ピクロスNP)

  • ニンテンドウパワー書き換えサービス向けに制作された書き換え新作タイトル。Vol.ごとに異なったキャラクターや特集の問題が組まれている。
    Vol. キャラクターモード 特集モード
    1 ポケットモンスター 世界遺産
    2 ヨッシーアイランド オズの魔法使い
    3 星のカービィシリーズ 風景
    4 スターフォックス 源氏物語
    5 ゼルダの伝説シリーズ 星座
    6 マリオシリーズ イタリア
    7 ワリオシリーズ 絶滅危惧種
    8 スーパードンキーコング オリンピック
  • タイトルからなにから雑誌のような雰囲気になっており、カーソルも石を削るためのハンマーとピックから紙を塗るためのペン*6と消しゴムに変わっている。
  • またシリーズ初の対戦モードが搭載された。
  • Vol.6からは2000年リニューアルと称し、タイトル画面にキャラクターが表示されるようになったほか、使用Fメモリは1ブロック分増加した。

特徴とシステム(ピクロスNP)

  • 基本ルール
    • 操作などが『マリオのスーパーピクロス』(以下スーパーピクロス)と同じなため割愛。サウンドもひとつのジングルを除いて全く同じ。
    • 異なる点は、プロフェッショナル以外のモードで一度塗った正解のマスが×マークで上書きされなくなった点。同じミスや塗り直しをすることがなくなるので、問題を解きやすくなっている。
      • プロフェッショナルモードは『スーパーピクロス』の「ワリオのスーパーピクロス」に相当するモードの為、当然このサポートはない。
  • プレイ可能モード
    • 今回は他と異なり「ビギナー」「レギュラー」「プロフェッショナル」「キャラクター」「特集」と分かれており、5つ全てのモードの全問題を解くことで「エクストラ」が出現する。
    • また解答後のアニメーションに加え「特集」での問題を解いた場合、解答を元にした別の鮮明なイラストが表示される。
    • ほかにも「特集」は懸賞応募用のモードでもあり、答えから連想されるキーワードを書いて応募要項に沿って応募すると抽選でゲームボーイカラーなどを貰えた。
      • Vol.1の景品を紹介すると、ゲームボーイカラー10名と ゲームボーイポケット50名 。後者はカラー発売からすでに半年後という時期からするとかなり微妙な景品であろう。 ぶっちゃけ在庫処分とかハズレ枠とか言ってはいけない。
        カラーもこのソフトを真っ先に買うような人ならば、すでに持っている可能性はかなり高い。
      • 応募受付終了後に書き換え購入した版では、メニュー画面から応募要項を見るためのアイコンが削除され、選択できないようになっていた。
  • 新たに追加された対戦モード
    • こちらは開始時に15*15サイズ問題の中からランダムで選ばれたものを同時に解いていくというもの。対人戦専用。
    • 1マス塗るごとに+1ポイント、マスによってはボーナス5ポイント、間違ったマスを塗ると-5ポイントが入り、問題完成までにこのポイントを多く稼いだ方が勝利となる。
    • Vol.2から一~三回戦を選択可能に、Vol.6からは問題の趣向を三段階から選べるようになった。
      • 趣向は「ろんりてき」「ちょっとカン」「かなりカン」から選択し、「カン」が付くものを選ぶと問題のヒント数字の一部が「?」となり一目で分からなくなってしまう。
      • なお収録問題はどのVol.も120問とされているが、そのうち18問は対戦専用と思われる。
  • 様々な任天堂キャラクター
    • モードの一つの「キャラクター」はVol.ごとに異なり、任天堂発売の他ソフトからさまざまなキャラクターの絵となっている。
      • 登場するのは『ポケットモンスター』にはじまり『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』や『星のカービィ』など様々。
        ポケモン関連のSFCソフトは本作Vol.1が唯一となる。

評価点(ピクロスNP)

  • ピクロスシリーズ他作品と変わらず楽しめるルール
    • 基本ルールは全く変わらないため、お絵かきロジックやピクロスをやったことがあればそのままの感覚でプレイできる。「遊び方」により初心者へのフォローもなされている。
  • 鮮明な完成後のイラスト
    • 「特集」モードのみではあるが、ピクロスを解いた後のイラストが問題マスのピクセル数ではなく、さらに細かいピクセルでのイラストを見られる。
    • 以降のピクロスシリーズも、完成後のイラストはカラー化などは行われるものの基本的に問題マス数のままの絵であるため
      鮮明な完成イラストが見られるのは『ピクロスeシリーズ』のミクロスを除くとこの作品くらいである。

問題点(ピクロスNP)

  • サウンドが全く変わり映えしない
    • サウンドそのものは良質ではあるのだが、『スーパーピクロス』をプレイ済みだと全く同じサウンドを聞くことになるため少々飽きが来やすい。
    • せっかく各Vol.にて異なる任天堂キャラクターを起用しているにもかかわらず、サウンドにはそれらの原作要素を導入していない。
  • ボリュームに対して少々高めの価格と多めのブロック数
    • このNPシリーズは当時書き換え新作扱いだったため、どの作品も一律2000円での書き換え価格となっている。*7
    • さらにシリーズ一貫して、問題収録数が『スーパーピクロス』の半数以下であるにもかかわらず、書き換え時の使用Fブロックは『スーパーピクロス』と同じかそれ以上である。
      • ただでさえSFメモリカートリッジはFブロックがカツカツなため、多くの人は次のVol.を書き換える際、前のVol.などを消して購入していたと思われる。
    • 同時に書き換え可能であった『スーパーピクロス』は旧作扱いの半額1000円であり、どうしても割高感を覚えてしまう。

総評(ピクロスNP)

問題数減少が残念であるが、ピクロス自体は安定して楽しめるゲームである。
『マリオのスーパーピクロス』をNPで購入した流れで書き換えたプレイヤーも多かったのではないか。

余談(ピクロスNP)

  • 同時期に世界文化社が発売していた書き換え専用ソフト『お絵かきロジック』『同2』は問題数が150問と多く、Fブロックも1つに抑えていた。
    • ただしこちらは最大サイズが20*20、解答後のアニメーション等もない容量相応のシンプルな作りとなっている。
  • キャラクター問題の出典は、同時期に出たスマブラの初期メンバーとほとんど被っており、当時の任天堂の人気タイトルが見て取れる。
    • 唯一の違いとして、「ピクロスNP」ではメトロイドの替わりにワリオシリーズが登場している。「メトロイド」シリーズは、当時しばらく新作が出ていなかった。
  • 元々認知度の低いサービスだったニンテンドウパワー専用に加えて発売時期が中期から末期というその中でも衰退期だったせいもあってVol.1のみはそこそこあるが後になればなるほど売れなくなり後続作品は現存数が少ない。
    • Vol.1だけ多少売れているのは『ピクロス2』では「マリオの」と付かないもののマリオが登場するマリオシリーズ作品だったこともあって、本作もマリオ系作品と思って購入した人もいたと思われる(一応マリオの問題もあるがそれはVol.6)。
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最終更新:2024年02月18日 16:52

*1 他の類型ゲームにも言えるが、「お絵かきロジック」という名称は世界文化社が持つ登録商標であるため、許諾を取っていなければ使うことができない。逆に「ピクロス」という名称は任天堂の登録商標なので他社は使えない。

*2 「マリオの~」側には存在せず、「SPECIAL」全クリアでエンディングが流れる。

*3 しかも「SPECIAL」や「ULTRA」に出てくる問題と比較しても遜色無い程で、全問題の中でも屈指の難問と言っても過言ではない

*4 この戦略に関わるものとして他に1995年4月、TVCMで「宇宙からゲームが降ってくる」とアピールした『サテラビュー』もあったが、これは当時殆ど普及していなかった。衛星放送環境が必須なことから存在は知られていたがプレイヤーレベルの年齢層で購入意欲はあっても入手できなかったという例も多い。

*5 当初は95年内一杯だったのが1996年5月まで延長された。

*6 どう見てもクレヨンにしか見えないが

*7 当時店頭配布されていたロッピー用無料冊子に書き換え料金が数百円安くなるクーポンが付いている場合もあった。