スヌーピーコンサート

【すぬーぴーこんさーと】

ジャンル 不明(アドベンチャー始め様々なジャンルの複合)
対応機種 スーパーファミコン
発売元 三井不動産・電通
開発元 任天堂・パックスソフトニカ
発売日 1995年5月19日
定価 9,800円
プレイ人数 1人
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
判定 良作
スヌーピーシリーズ


概要

  • 「キャラゲーに名作なし」と言われた冬の時代*1に登場した世界一有名なビーグル犬、スヌーピーのキャラゲー。
  • 発売元は大手ながらゲームとは全く無関係な会社かつ、なぜか2社連名と不安要素はすさまじく多かったが、発売されると「SFC屈指の名作キャラゲー」として賞賛されることになった。
    • 著作権表記をよくよく見るとキャラクター権利社のほかNintendoの表記があり、ここでやっと任天堂開発であることがわかる。
    • スタッフロールによると新・鬼ヶ島からハム太郎まで任天堂と組んでアドベンチャーゲームを手がけたパックスソフトニカと共同開発の様子。
  • 本作のディレクターはF-ZEROシリーズの産みの親とも言える清水一伸。音楽はMOTHER2の田中宏和、スーパーメトロイドの濱野美奈子。
    • またあの横井軍平もスペシャルサンクスの筆頭に名を連ねている。その丁寧な仕事ぶりも納得と言えるだろう。

ストーリー

今日はスヌーピーのコンサート。
でももうすぐ開演時間なのにお客さんがやってこない。
どうやらそれぞれにトラブルを抱えている様子。
果たしてスヌーピーはトラブルを無事解決することができるのでしょうか…?

システム

  • ゲームを始めると6人のキャラクターとステレオ、モノラル切り替え画面が表示される。各キャラクターの概要は以下の通り。
    • 「リランの乗り物大好き!」…リランが乗ったベビーカーが暴走をしているため、怪我をさせないよう障害物を排除していくスポーツゲームの類。
      • このキャラクターのみ操作するのがウッドストックではなく、詳細不明の「手」となる。障害物を排除するだけでなく、乗り物の前方をつかむことで減速が、手すりをつかむことで加速ができる。
      • しかしスヌーピーが登場しないわけではない。ベビーカーの速度を落としすぎると、ウッドストックが操作するヘリコプターとして現れリランを連れ去ってしまいミスとなる。いわゆるペナルティキャラであり、某動画では「死神」と言われた。
    • 「ライナスのラブラブ大作戦」…リディアに花を贈りたいライナスに代わりスヌーピーが花を届けに行く。全3面のアクションゲーム。
      • ステージ2以降、「本当にここスヌーピーの世界かよ!?」と疑問に思うほど過酷なステージになっていく。
    • 「シューローダーの楽譜はどこ?」…シュローダーがなくしてしまった楽譜を捜し、スヌーピーが東奔西走するアクションパズルゲーム。
      • 楽譜を探すだけのはずなのに意志ある植物が跋扈する謎の無人島に向かい、遂には宇宙にまで行ってしまう。
      • ボリュームと難易度が凄まじく本作のメインモードと言える。
    • 「チャーリーブラウンの野球大好き!」…チャーリーブラウンの野球道具を探す。基本的には手に入ったアイテムを次々交換していくアドベンチャーゲームである。
      • 時間制限などがなくじっくりと探すことができる。難易度が低いのでここから始めるといい。
      • 初見では聞き込みと勘が重要。まさしく探偵気分を味わえる。
    • ペパーミントパティ…先に会場に着いているペパーミントパティとマーシーの様子が確認できる。特に選ぶ意味はない。
    • スヌーピー…こちらも特に意味はない。全員クリアした後、彼を選ぶとエンディングになる。
  • 操作するのは基本的にウッドストック。スヌーピーを直接操作することはない。
    • ウッドストックは無力でできることはほとんどない。ものを持ったりといった力仕事はスヌーピーの仕事になる。
    • ウッドストックが呼ぶとスヌーピーはそこまでやってくる。なんらかのオブジェクトがあればそれに反応する。
    • スヌーピーとウッドストックの位置関係により走る、しゃがむ、ジャンプするといったアクションも可能。
      • 特にライナス編で重要になる。
  • スーパーファミコンマウスに対応。マウスの方が楽に動かせる。

評価点

  • 素晴らしいまでの原作再現。
    • 本作最大の評価点である。とにかくあらゆる要素がうまくかみ合い、『ピーナッツ』という漫画作品の世界を再現している。
    • まずグラフィックは完璧に原作のデザインを踏襲しており、全く違和感がない。
      • 色彩はパステル調の淡い感じ。あまり見られない塗り方だがこれも非常によく合っている。
    • 次に音楽。ジャズ調の音楽もゲーム音楽としては異質だが、どれも各場面に違和感なく溶け込んでいる。
      • 特にゲームを起動すると真っ先に聞くことになるメインテーマは、雰囲気にあっているだけでなく単純に音楽としても名曲。
    • 各キャラクターの言動も原作を読んでいれば「確かにコイツならこの状況ではこう言うだろう」と予想できるものばかり。
      • 特にチャーリーブラウン編では状況によって会話が細かく変化し、無関係な場所で無関係なアイテムを渡し反応を見るなどのお遊び要素も多い。どの会話も違和感がなく面白いのは見事と言えるだろう。
      • スヌーピーのどこかシニカルな発言も健在。またシュローダー編ではステージの合間に可愛らしいデモアニメが挿入される。細かいサービスがうれしい。
  • 秀逸なストーリー。
    • 『ピーナッツ』を読んでいるかのような面白さがある。製作者が相当原作を読み込んでいることが窺える。
  • スヌーピーのコスプレ。
    • 「第一次世界大戦の撃墜王」のようなメジャーなものから、「ジョー・クール」のようにマニアックなものまで。その他シャーロック・ホームズの衣装や指揮者など実に多彩。
  • スヌーピーのリアクションも大変可愛らしい。
    • 例えばウッドストックが一人で遠くまで偵察に行くと、帰ってきたときには居眠りしていたりする。声をかけると慌てて飛び起きるのが微笑ましい。
  • 歯ごたえのある難易度。
    • たかがキャラゲーとなめてかかると痛い目を見る。全体的な難易度はかなり高い。またアドベンチャーに慣れている人ほど引っかかるトラップも多い。
      • ただ、少々行きすぎとも…(後述)

問題点

  • 高難易度。
    • キャラゲーでありながら、過剰に難易度が高い*2。以下各キャラクター個別の問題点。
    • チャーリーブラウン編…総当たりでもなんとかなるレベル。「櫛が手に入ったから次は床屋」といった具合にある程度予測もつくので、まずはここから始めるといい。
      • ただ、「汚れた人形は町中のごみ箱に入れる」等、分かりにくいところもあったりする。
      • 更に、野球道具をチャーリーブラウンに渡すと、アイテムが無い状態になるので、最初のアイテムを探すのに時間がかかることも。
    • リラン編…スピードを落とせば多少楽にはなるが、前述の通りペナルティがある上、最高速でないと突破できない場所もある。
      • 障害物の場所は固定なので「覚えゲー」の側面が強い。しかし1レベルクリアする度に残機が上がるが、逆にこれ以外残機アップの手段がないため、死にまくって覚えるのは難しい。
      • 残機があることからわかるように、ゲームオーバーがある。ゲームオーバーになると最初からやりなおし。このことも難易度を高めている。
      • 操作の忙しさと覚えゲー要素も相まって、人によっては後述のシュローダー編以上の難関となる。
    • ライナス編…ステージ1はよほどのミスをしない限り楽勝。しかしステージ2が過酷すぎる。
      • 本作は操作の特性上、ジャンプの制御が非常に困難。にも拘らず狭い足場(最小ではスヌーピーの体の半分ほどの狭さ)を乗り継ぐ縦スクロールステージである。
      • しかも分岐あり。間違えたらもう一度降りる必要がある。
      • 更にどのステージもそうだが時間制限まである*3。ステージ2や3ではこの制限時間にも苦しめられる。
    • シュローダー編…本作の最難関。謎解きの難易度が非常に高い。
      • 特に指摘されるのが、地上編ラスト、宇宙船に乗り込むステージ。いくつか鍵が散らばっており、意味深な鍵のかかった小屋があるのだが…
        + 以下ネタバレ
      • なんと落ちている鍵は全てフェイク。どれを試してもスヌーピーが渋い顔をするだけで、扉が開くことは決してない。
      • ではどうするのか、と言うと…まずステージの奥の方にある武器庫にスヌーピーを入れ、爆弾を取ってこさせる。そして小屋の隣にある爆薬に引火させる。このような手順を踏むことでようやく宇宙に向かうロケットが姿を現すのである。
        • だが、ロケットを出しただけではクリアとはならない。「NEXT」の看板がある場所に行っても無意味。
        • クリアにはさらなる発想の転換が求められる。用済みとなった武器庫にもう一度入ると、ロケットに向かう通路があり、ついに乗り込むことができる。
          • ヒントと言えるものは、小屋と武器庫の間にある川の底にトンネルのようなものが僅かに見えるということのみ。非常に気付きづらい。
      • 宇宙編では若干楽になる。しかし途中で2枚の15パズルを解くことが強制されるため、苦手な人は詰む可能性あり。
      • クライマックスでは、恐ろしく広大な宇宙空間をブラックホールを避けながらさまようことになる。もはや謎解き無関係である。
      • 謎解きの答えさえ知っていれば、アクションの難易度自体はそこまで高くないのが救いだろうか。
  • ボリューム不足。
    • 『ピーナッツ』には魅力的なキャラクターが多数登場している。にも拘らず実質4人分しかステージがなく物足りなさを感じる。
      • チャーリーブラウン編以外では街の探索ができないことも、ボリューム不足を後押ししていると思われる。多くのキャラクターはチャーリーブラウン編にしか出なかったりする。
  • パスワード制。
    • パスワードでクリア目前の状態にすることは可能なのだが、クリア状態を保存することはできない。なのでエンディングを見ることが困難。
      • ライナス編はステージ2よりはマシだが、充分難しいステージ3をクリアする必要がある。シュローダー編は宇宙ステージからなので前述の15パズルや宇宙探索がある。
      • なによりリラン編では パスワードを一切使用できない

総評

ボリューム不足かつ高難易度という、根幹部分に重大な問題点を抱えている作品だが、それを補って余りあるほどの原作再現がなされている。
開発者のスヌーピー愛が伝わってくる作品であり、ファンならば是非ともプレイしてもらいたい良作キャラゲーである。

余談

  • 当時の学年誌や子供向け雑誌では宣伝としてゲームソフトの情報に加え、同年3月大阪にオープンした複合型テーマパーク「スヌーピータウン」の情報も掲載されていた。
    • 当然だがこれらでは任天堂開発であることには触れられていない。
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