消防士 BRAVE FIRE FIGHTERS

【しょうぼうし ぶれいぶ ふぁいやー ふぁいたーず】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード(HIKARU)
販売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 セガAM第1研究開発部
稼働開始日 1999年6月中旬
プレイ人数 1人~2人
判定 なし
ポイント 腕が疲れたら終了
セガ職業ゲームシリーズ
エアラインパイロッツ / 消防士 BRAVE FIRE FIGHTERS
救急車 EMERGENCY CALL AMBULANCE / クレイジータクシー



迫りくる炎に勇気を燃やせ!!



概要

セガ・AM1研が開発した「消防士体験ゲーム」。プレイヤーはニューヨーク消防局の消防士2名となって、豪華ホテルで発生した火災を消火していく。
ジャンル的には「ガンシューティング」にあたるが、銃で悪人やモンスターを倒していく一般的なガンシューティングとは一線を画す題材であった。


ゲームシステム

  • 実際に消防士が使うノズルを模した「ノズルコントローラー」を手にして操作する。
    • 振動式で、放水感覚がなるべくリアルに伝わるように工夫されている。
    • プレイヤーは通常の放水と拡散放水(拡散スイッチを回すことにより使える)を使い分けて火を消火していき、画面上の火を全て消すと次のシーンに進める。
    • 画面上には水圧ゲージがあり、放水を続けているとゲージと共に水の威力が下がり、やがては放水できなくなる。
  • 本作はプレイヤー側にライフの概念は無く、制限時間切れによってのみゲームオーバーとなる。
    • 「火」は弱点である「根元」に放水しないと消すことは出来ない。また放っておくと別の物に飛び火して新たに火災を発生させる火も存在する。
  • ステージは全3面。各ステージの区切りとして「要救助者が取り残された中で大火を消していく」場面があり、これが本作における実質的なボス戦となる。
    • ステージの道中・ボス戦を含め、要救助者が火に包まれている・飛び火に襲われた際は彼らに放水してその火をただちに消火しなければならない。
      • すぐさま消火をしないと要救助者が火傷で負傷したという事でペナルティとして制限時間が2秒減り、消火まで一定間隔で減り続ける。

評価点

  • 1999年当時の一般的なCGでは処理が非常に重く、表現することが難しいとされていた「半透明の『炎』や『水』」を再現している点。
    • 消防士という職業をガンシューティングゲームに落とし込むという、セガらしい(?)斜め上な発想をHIKARU基板のパワーで実現している。
      概要欄にある通り、その本格的な内容は2020年代に於いても本作唯一と言えるもので、ゲームの根本的な完成度も当然ながら非常に高い。
  • スタッフ陣が一部共通する『THE HOUSE OF THE DEAD』シリーズ譲りの「ルート分岐システム」によるリプレイバリューの高さ。
    • 「分岐直前の場面での消火タイムが反映される」タイプの分岐で、ホテルという舞台を活かした大きく雰囲気の異なる場所での消火作業が体感できる。
      また、ステージ中の要救助者は火傷で悲鳴こそ上げるが『THE HOUSE OF THE DEAD』と違い死亡はしない為、特定ルートにこだわる人も安心できる。

問題点

  • ガンシューティングゲームの例に漏れず高難度
    • 本作は制限時間がかなりシビアに設定されており、ライフの概念が無いからと言って簡単なゲームというわけではない。
    • 火の出現パターンを記憶し、効率的に根元を狙って放水していかないとクリアは出来ない。
  • コントローラーが重い
    • コントローラーの重量は1.8キロ程度で、ストラップも使って肩に下げて使う方式であり、長時間のプレイは肩や腕に負担をかける。
    • 後に本作と同じスタッフ陣が開発した『THE HOUSE OF THE DEAD III』のショットガンよりはマシだが…
  • DX筐体のみの販売だった事による出回りの悪さ
    • ノズルコントローラー自体が非常に長物であった為か小型のSD筐体は設定されず、設置できる店舗が限られる50インチ画面のDX筐体のみであった。
      HIKARU基板の本体価格も高価で、SD筐体のゲームには不向きであった。故に本作に限らず同基板の使用タイトルの出回りは芳しくないようである。
    • 加えてHIKARU基板は派生元であるNAOMI基板よりも脆弱で、かつノズルコントローラーを含めた専用部品の多さもあり、現在の稼働は非常に少ない。

総評

ゲームとしての出来が悪いわけでもないが、「炎」が相手という特異過ぎるコンセプトやとにかく重いコントローラーという人を選ぶ仕様が重なり、ユーザーからの広い支持を得る事は出来なかった。
過去にセガはサターン等のハードや「セガは未来に住んでいる」と言われてきたことがあるが、やはり本作も受け入れられない運命なのか…


余談

  • 本作は『THE HOUSE OF THE DEAD 4』や『ロストワールド・ジュラシックパーク』等と同様にスペシャルバージョンも存在するのだが…
    • そのスペシャルバージョンが設置されていた施設は、ジョイポリス等のアミューズメント関連では無く京都市市民防災センターというアミューズメントとは全く縁の無い公共施設。実にセガらしい斜め上過ぎるタイアップであった
    • ちなみに通常版とスペシャルバージョンの違いは、オープニングムービーの追加、テイラー市長の役職が変更、字幕の追加、一部ステージの変更との事。
  • 同じくセガから発売され、消防士がコンセプトの『バーニングレンジャー』とは全く関係が無い模様。
    • 消火作業をモチーフにしたACゲームとしては他にウッドプレイスの『ファイアートラップ』やタイトーの『エアインフェルノ』がある。尤もこれらのメインは各々ビル登頂とヘリ操縦で、ジャンルもゲーム性も全く別ではあるが。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 1999年
  • AC
  • ガンシューティング
  • セガ・エンタープライゼス

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最終更新:2023年12月06日 00:37