ファイナルファンタジーVI

【ふぁいなるふぁんたじーしっくす】

ジャンル RPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1994年4月2日
定価 11,400円(税抜)
プレイ人数 1人(バトルのみ1~2人)
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年3月15日/900Wiiポイント
【WiiU】2013年6月26日/900円
【New3DS】2017年8月23日/943円(税10%込)
判定 良作
ポイント SFC最後のFF。24MBのロムを活かした大ボリューム
ドット描画やBGMは当時の粋を極めた絶賛の出来
当時としてはかなり高い進行自由度が魅力
難易度はやや大味、キャラの使い勝手のバランスも緩め
ファイナルファンタジーシリーズ

ストーリー

魔大戦。
全てを焼き尽くしたその戦いが終わったとき、世界から、「魔法」という力が消え去った。
そして1000年…鉄、火薬、蒸気機関。人々は機械の力を使い、世界を蘇らせた。
今またここに、伝説となった「魔法」の力を復活させその強大な武力によって世界を支配しようとする者がいる…。
人々はまたその過ちを繰り返そうとしているのか…。

(パッケージ裏・説明書より引用)


概要

ファイナルファンタジーシリーズの6作目かつスーパーファミコン作品最終作。
グラフィックの美しさと大胆なストーリーが大きな魅力となっており、シナリオ・グラフィック重視という後のシリーズの礎を築いた作品。

移植版の独自要素についてはPS版『ファイナルファンタジーコレクション』及びGBA版『ファイナルファンタジーVIアドバンス』を参照。


特徴

世界観

  • 舞台は産業革命期の近代を意識したスチームパンク風の世界に「魔法」の概念が融合したもので、現代風のRPGが多く出ている現在でも珍しいもの。
    • 「産業革命による機械技術」という現代的な要素と「幻獣がもたらす魔導の力」というファンタジー的要素が同居する独特な世界が描かれている。
    • 本作の世界において「魔法」は過去に失われた伝説上の存在という扱いで、旧作同様に幻獣を使役する「召喚魔法」と並び過去作にないほど大きくクローズアップされており、ストーリーの根幹を構成する重要な要素となっている。
      • なおかつ、それらは育成システムにおいても中心的な役割を果たし、システムとシナリオが巧く融合している(システム面は後述)。
      • 特に、序盤から登場する機械と魔導の融合兵器「魔導アーマー」は、本作独特の世界観を象徴する存在として多くのプレイヤーに印象付けられた。
    • 全体的な文化レベルで見れば、過去作と同様の中世ファンタジー寄りの文明観の上に成立した世界観となっている。しかし今作では、それまでお馴染みだった「クリスタル」という用語の完全な排除*1やSF要素の強調など、『VII』以降の作風のはしりともいえるような、過去作とは毛色が異なる要素も多く見られる。
    • 機械文明が強調される一方で、序盤のダンジョンとして死者を乗せて走る「魔列車」が登場するなどオカルト的なインパクトの強い要素も盛り込まれている。
    • 後に坂口博信氏が製作したRPG『ロストオデッセイ』や、同時期にハドソンから発売された『新桃太郎伝説』には本作との共通点が多い。

ストーリー

  • 世界を侵略せんとする「ガストラ帝国」とそれに抵抗する主人公サイドの組織「リターナー」との対立が基本的な構図である。
    • シナリオ全体を通して世界中を広く駆け巡る構成になっているが、各所を訪問する経緯が明確であり、単調なお使いイベントがほとんど見られない点は特筆に値する。
    • シンプルな勧善懲悪が中心だった前作から一転し、前々作のようにドラマチックなイベントの比重が増した。肉親や恋人を喪失するなどの悲しい過去やそこからの立ち直りなど、キャラクターの人間像が印象深く描かれている。
  • ネタバレのため詳しくは言及を避けるが、本作のシナリオの特筆点として中盤で冒険舞台の世界が大きく変わり、「帝国軍vs反乱軍」という序盤から続いた構図も大胆に転換するという点が挙げられる。
    • 物語の舞台の転換そのものはシリーズ過去作でも見られた伝統的な要素ではあるが、今作のそれはありがちな「別の世界へのワープ」とは異なる当時として極めて斬新なもので、プレイヤーに鮮烈な印象を残している。

シナリオ・サブイベント

  • 今作はシナリオ面での自由度が非常に高いのが大きな特徴。
    • ゲーム前半はシナリオ重視系の一般的なRPG同様、話の流れに沿って半強制的に進む*2が、後半は散り散りになってしまった仲間集めを中心とした大量のサブイベントをほぼ任意の順で起こせるようになる。
      • 仲間集めを無視して、最低3人のパーティでラスボスの元へ向かうことも可能。

育成システム

  • 本作は、死んだ幻獣の魔力の結晶である「魔石」の装備が育成システムの根幹となっている。
    • 「世界観」の項で先述の通り、この世界で「魔法」は本来失われたはずの存在であり、パーティメンバーは(ごく一部のキャラを除き)本来自力では魔法を修得できない。
    • しかし「魔石」を装備して戦闘を重ねることで経験値とは別に「魔法修得値」というポイントを獲得でき、これが一定値に達すると「魔石」ごとに設定された魔法を修得することができる。
  • また多くの「魔石」にはパラメータアップのボーナスが設定されており、その魔石を装備中に戦闘でレベルアップするとキャラクター自身の固有のパラメータを永続的にアップさせることができる。
    • また、戦闘中は装備中の魔石に対応した召喚魔法を使える(ただし1度の戦闘につき1回のみ)。
  • アクセサリ
    • 各キャラクターのジョブは『IV』同様に固定であるが、本作では武器や防具とは別枠で用意された「アクセサリ」を1キャラにつき2個まで装備可能。
    • 極めて多彩な装備効果が用意されており、『V』のアビリティシステムに近い、自由度の高いカスタマイズ要素となっている。

戦闘システム

  • 『IV』『V』と同様のアクティブタイムバトルを引き続き採用している。
    • 本作ではタイムゲージが溜まって待機状態になったキャラが複数いる場合、ボタン送りでコマンド入力するキャラクターを選ぶ(以下、ターンスキップ)ことができるようになった。
    • 「にげる」コマンドの仕様は旧作と同様にRL同時押しだが、「ATBゲージが溜まったキャラから順に逃げる」という仕様になった。
  • 戦闘時の隊形に「はさみうち」「サイドアタック」が追加された。
    • 「はさみうち」は味方キャラ側が左右両側から囲まれ、サイドアタックは逆に味方側が敵を挟み撃ちにする。
      • ゲージの溜まり方も通常と異なる。
  • 旧作では戦闘中に全滅した場合はゲームオーバーとなりタイトル画面に戻されたが、本作では最後にセーブした場所に戻される。
    • ストーリー進行・アイテム・所持金及び魔石ボーナスはセーブ時点に巻き戻されるが、経験値とそれに伴うレベルだけは全滅した時点のままになる。

シリーズ最多のパーティメンバー

  • 本作のパーティメンバーは最大14名という大所帯に及ぶ。
    • 「仲間たちが集まって帝国を打倒する」というシナリオを主軸とした群像劇的な序盤に始まり、過去作のような「最初から最後まで常時パーティにいるキャラクター」が存在しない。
      • 当時の公式見解として「メインプレイヤーキャラクター14名全員が主人公」とされている。

評価点

物語を彩る多彩なメインキャラクターたち

  • 「特徴」に記載の通り、パーティーに加わるキャラクターは一時的に操作可能なゲストキャラを除き最終的に14人と、『VIII』までのFFナンバリングタイトル中、最多。*3
    • 各キャラの扱いは、シナリオ展開上の必要性やイベント量などの面でさすがに平等とは言えないが、14人すべてにテーマ曲が用意されており(ただし、2人で1曲扱いの曲が1つだけある)、更にそれらがアレンジされたメドレーで流れるラストの演出は圧巻。
    • キャラクターのパーソナルデータが妙に細かく設定されており(本編に出ないものもある)、それぞれへの愛着を深めている(参考)。
      裏設定・没展開もかなりある模様(参考:Vジャンプ)。
    • 敵対する魔道士ケフカも、表向きは幼稚かつ残虐な性格で、戦いをオモチャにしていると思われがちだが、その実自分の目的を果たすために緻密な計算を終始続けており、結果的に世界に非常に大きな影響を及ぼす存在となる。
      • この「一見軽薄ながら巧妙な謀略を仕掛ける」タイプの悪役は、FF9のクジャや、FF14のファダニエルなどに継承されていく。

システム面

  • それなりに高いキャラのカスタマイズ性
    • キャラごとのジョブが固定となる本作の戦闘システムは自由度の高い『V』と比べて制約が多いように見えるが、下記の通りカスタマイズ性は高い
    • アビリティ・ジョブ特性によるキャラクターのカスタマイズは、『V』ほどの自由度は無いものの、特定のアクセサリの効果によってある程度再現されている。
    • 特に上述の魔石ボーナスによるパラメータアップにより、基礎能力によるキャラクターのカスタマイズは『V』以上の自由度がある。
      • 魔石によりキャラに関係なく(一部のキャラを除く)全キャラが、全ての魔法を制約なく取得可能。
        そのため、上記のパラメータアップと併せてパーティ内の役割分担も比較的融通の利くようになっており、自由度は高い。

戦闘面

  • ターンスキップ導入による戦略性の強化
    • ボタン送りでコマンド入力するキャラクターを選ぶことができるようになったことで、『相手が反撃の構えを解いた瞬間に一気呵成で攻撃する』『あるキャラを迎撃用に待機させながら他のキャラで攻撃』など、より順序性やリアルタイム性を活かした戦術を取れるようになり、プレイの幅が広がった。
    • このターンスキップについては、後続のATBを採用しているシリーズ作品においても必ず採用されており、ATBの重要な礎の一部となった。

グラフィック

  • スクウェアのドット絵技術が特に評価されていた頃の作品のひとつで、その品質は今なおスーパーファミコンにおける映像表現の最高峰の一つとして極めて高く評価されている。
    • グラフィックは全般に非常に優れているが、特筆すべきはモンスターの描画である。
      • 精巧なロボットから妖艶な女性まで肉感、質感とも前作までを遙かに凌ぐ仕上がりとなっており、低品質な画像のモンスターは1体もいない。
      • 画面をいっぱいに使った上で細密に描きこまれた大型のモンスターやラスボスの戦闘演出などは圧巻で一見の価値がある。
    • 『V』までより画面上のキャラクターのサイズが大きくなっており、感情表現のパターンも表情からリアクションに渡ってより多彩でわかり易くなった。
      • フィールド画面と戦闘画面のキャラグラフィックも統一されており、違和感がない。
      • 戦闘開始時にキャラがリアクションを取るなどの細かい演出や、移動手段である飛空艇を初めて3Dで立体的に操作できるなど目で楽しめる要素は多い。
    • さらに、戦闘における各演出(攻撃、魔法、召喚魔法等)がいずれも過去作と比べシンプルかつテンポよくなっているため、通常戦闘のBGM・後述のATBの仕様変更と相まって、緊張感のある戦闘を楽しめる。

サウンド

  • 植松伸夫氏による音楽の評価は今作でも非常に高い。
    • 全編通して音楽を極めて効果的に用いた演出がなされており、音楽とシナリオの相乗効果により名シーン、名曲として語り継がれるシーン、楽曲が多数ある。
      • 中でも、フィールド曲でありながら終盤の飛空艇発進イベントで印象深く用いられた『仲間を求めて』は、発売から20年以上経った今でもシリーズ人気楽曲ランキングトップ5の常連となっている。
      • 楽曲『アリア』を用いた、劇中劇であるオペラの演出もゲーム史に残る名演出として語り継がれている。
    • FF史上唯一のフィールド曲兼キャラクターテーマ曲*4『ティナのテーマ』は、物悲しくも勇ましい壮大な曲調のテーマ曲で、ティナのキャラクター性と世界観の両者を見事に表現しており、これもシリーズ人気曲ランキングの上位常連である。
      • ティナは本作の主人公であり女性キャラではあるが、敢えて柔らかさや女性らしさを前面に押し出さずに、物悲しくも勇ましい曲調に仕上げてられているところが評価されている。
    • ラスボス戦のBGM「妖星乱舞」は1トラックだけで17分59秒もの再生時間を誇る大作。全4楽章に分かれた壮大な展開は凄まじい。
      • 20分を超える長大なED曲「蘇る緑」も、ラストダンジョンを脱出するパーティキャラの演出とのマッチングが絶妙で、FF史上屈指の名EDとして、曲・演出とあわせて評価が非常に高い。

賛否両論点

  • ゲームバランス
    • シリーズの難易度は作品を経る毎に低下傾向にあり、特に本作は一見「ヌルい」などと評されることが多い。
      • 序盤~中盤の魔大陸にかけては程良いバランスであるが、世界崩壊後において強力な魔法、アビリティの入手や魔石ボーナスによるパラメータアップが積み重なっていくにつれプレイヤーサイドの火力がインフレを起こす。そのため、しばらく集中的に鍛えると文字通りヌルゲーと化す。
        やりこみプレイヤーの間では魔石封印プレイが推奨されているほど。
      • そうでなくともレベルアップによるダメージ上昇が大きいため、終盤は敵と同等のレベルになるだけでダメージがインフレ気味になってくる。
      • ラスボスは味方サイドの火力インフレや特殊な連戦ということを考慮してもシリーズ最弱クラスと名高い。
        残りHPが一定以下になると攻撃が苛烈になるのだが、多様な攻撃パターンを見ることなく一気に倒してしまうこともままある。
    • ただし、難易度が低いと感じられるケースはそれぞれ、以下の通り理由がしっかりある。そのため、トータルで考えるとゲームバランスは良好と言える。
      • 崩壊後はどの仲間から向かっても良いように難易度設計してあるのと同時に、ゲーム内のヒントだけで14人全員を集めるのは非常に困難で、仲間集めがやりこみにも直結している。その為、揃った頃には結果的にヌルくなってしまっている、ということが多い。
      • 魔石にしろアイテムにしろ入手方法を知っている必要がある。強力なものは大抵入手方法も面倒くさく、初見でそれらを発見するのは困難。
        そして、それら抜きでも実質詰み状態にならないようなバランスに調整されているとも考えられる。
      • 前作、前々作のATBと異なり、
        『演出中にターン到来することが多いため、コマンド入力のタイミングが多く、戦略は素早く考える必要がある』
        『プレイヤーはコマンドを決定するまでにタイムラグが存在するが敵には存在しないため、相対的に敵側の方がターンサイクルが早い』

        以上のことから、コマンド入力にスピードが要求され、戦闘システム自体は前2作より難易度が高い。
      • 上記ATBの仕様変更に加え、敵サイドの火力もインフレを起こしているため、油断しているとすぐに死ぬ。
    • なお、謎解きやダンジョンの仕掛けは難しい物もあり、そちらも決してヌルいとは言えないだろう。
  • キャラクターごとのオリジナルコマンド
    • シリーズの特殊コマンドやアビリティの多くはキャラクターの特徴に合ったものだが、使い勝手の差の大きさが目立つ。
      本作も例外ではない。
    • なお、使いにくいコマンドと評価されがちなキャラはいずれも有用性の高い運用方法(後述)が確立されている上、「特徴・評価点」の項で挙げた通り、魔法習得によりどのキャラにも一定以上の役割を与えられる。
      そのため、オリジナルコマンドの使いやすさ・使い辛さがキャラクター間のバランスにはそれ程影響しない。
    • エドガーのように便利なキャラ程レギュラーメンバーになりやすく、必然的に魔法習得も優先的にされ、結局はレベル格差もできやすくなりがちではある。しかし、早熟タイプか晩成タイプか、雑魚掃除向けかボス向けかという特性の違いに収まる程度のキャラ間のバランスとなっている。
    • ちなみに、ゴゴは初期状態では「ものまね」しか使えず、ステータス画面でAボタンを押すことにより各キャラオリジナルコマンド含む様々なコマンドを自由に登録できる特殊な仕様なのだが、これの説明が一切ないために気付かないプレイヤーも多かった。
+ (使いやすいコマンドと、使いにくいコマンドについて詳細)

使いやすいコマンド

  • エドガー:きかい(彼専用の工具などを使って攻撃する)
    • 店で購入する等して該当アイテムを1個入手するだけという、非常に簡単な条件で覚えていく。MPや使用回数を消費する訳でもなく、タメ時間を必要とする訳でもなんでもなく、一切デメリット無しの無消費で無限に使える上に、毒や暗闇等の状態異常つき全体攻撃、防御無視高威力単体攻撃、敵全体混乱撒きと、通常攻撃をする必要が全く無いほど便利な攻撃ができてしまう。
    • しかも仲間加入と同時に「中盤までの市販武器より高い攻撃力*5の全体攻撃」という強力な威力の機械「オートボウガン」が使用可能となるため、コマンドミス以外でエドガーでたたかうを使ったことが無いという人も多いほどである。
    • たたかうコマンドが不要になるほどの性能なため、コンフィグのコマンド指定*6でたたかうときかいのコマンド配置を入れ替え、アイテム欄での機械の並びを変えれば*7、Aボタン連打で運用できるお手軽さとなる。
    • 加えて、店売りの機械はただでさえその高性能に見合わぬ安価なのに、エドガーが先頭だとさらに半額で買えてしまう。
      • 店では最初に買う時だけ何故かまとめ買いできるが、たった1個購入するだけで機能する*8。「機械」という名称ではあるが、たとえ何度も酷使しようが故障なども一切起こらない。
    • 欠点と言える様な欠点も無く、序盤から終盤までパーティのエースとして活躍でき、下記の2人と比べても頭一つ抜けた性能を誇る。
  • マッシュ:ひっさつわざ(格闘技を使って攻撃)
    • 当時の格闘ゲームの影響を受けたもので、格ゲーの必殺技コマンドを戦闘中に入力して技を出すというもの。当然コマンド入力失敗すると不発して行動ターンを1回分無駄にする。
    • しかしコマンド入力中はカイエンのひっさつけんと違って他のキャラや敵の動きも全て止まる上、素早く連続で入力する必要もなく、さらには斜め入力の部分は対応する横か上下のどちらかで代用できるというカンタン入力。例えば「←/↓\→+ボタン(半回転コマンド)」の場合、「←←↓→→+ボタン」という入力で、1つずつゆっくりと10秒以上かけて入力しても問題無く発動するため、よっぽど慌てていない限りまずミスはありえない。
    • MPなどの消費も何もなく、上記の通りミスのしようがない確実安全なコマンドであるにもかかわらず、魔法が解禁されるまでは貴重な属性攻撃が複数存在し、しかもどれも威力が高い。
    • 欠点は、単体攻撃技の場合に敵のターゲット指定ができない点と、戦闘中に入力すべきコマンドを参照できないので、あらかじめ覚えておくかメモを用意しておく必要があること、(シンプルな入力で出せる初期の技だけでも十分に強かったりはするが)最終的にインフレにより通常攻撃や魔法でも十分なダメージが出る様になってくると、特に上位の技のコマンド入力自体に煩わしさを感じ易くなってくること。
      • また、戦士用の重装備や、耐性や特殊効果が強力な魔道士用や女性用の防具をほとんど装備できないため、見た目とは裏腹に全キャラ中で屈指に打たれ弱い。
  • ロック:ぶんどる(敵を通常攻撃し、ついでにアイテムを盗む)
    • ロックの固有コマンド「ぬすむ」を、アクセサリ「とうぞくのこて」で変化させたもの。
    • これ単体でも攻撃の手数を落とすことなくアイテムをどんどん盗んでいける有用な行動なのだが、通常攻撃と同じ扱いであるために 通常攻撃の回数が増える装備でぶんどるの回数も増える という仕様が強力。
    • 具体的には「げんじのこて」による二刀流と、「かいでんのあかし」による4回攻撃が該当。どちらも数の限られた貴重品なのだが、多くの人が連続ぶんどるの為にロックにこれらを装備させ、優先的にパーティに入れる傾向が続いた。
    • 最終装備ではあるがロックは通常攻撃に限ると全キャラ中トップクラスに強力なキャラだったというのもこれを後押しする。
    • ただし、それらのアクセサリが揃っていない序盤では攻撃用のコマンドを持っていないため使い難さが目立つ。しかも、序盤に限って固定メンバーである事が多い。

使いにくいコマンド

  • ティナ:トランス(一定時間変身して各種能力をアップさせる)
    • 元から物理でも魔法でも強いティナがさらに強化されるため、スペックだけで言えば非常に強力なコマンドなのだが、一度使うと「前回トランスを使ってから獲得した魔法修得値に応じてトランスの持続時間が蓄積される」と言う仕様のため、貯めきらないまま乱発すると当然すぐ効果が切れてしまい、嫌でも要所のみのピンポイント仕様を余儀なくされる。
    • そして何より、FF6というゲーム自体が、トランスなど使わなくてもダメージカンストを叩き出せるまでにキャラを強化する事が割と容易なゲームであるため、やり込むほど日の目を見なくなる。
    • 一応「かいでんのあかし」を使わせるなら、さすがに容易にダメージカンストを出す事はできないため、「アルテマウェポン」や「バリアントナイフ」の様にHPを調整せずとも通常武器で常にカンストダメージ×4を叩き出せる事はメリットとなる。もっとも、そこまでやり込めば、どんな敵でも楽勝であるのが微妙なところだが。
    • ちなみにトランス中にティナが「ストップ状態」になった場合、そのままトランスの残り時間が切れてもトランスが解除されず、その戦闘中はトランス状態が永続するというバグがあるため、やろうと思えば残り時間の蓄積を無視してトランスを乱用する事もできなくはないが、手間に見合うかと言われると微妙。せいぜい防御能力の上昇がボス戦で役に立つかもしれない程度。
  • リルム:スケッチ(敵の姿を描き出してその特技を発動させる)
    • 発動する特技の威力もモンスター側の能力値に依存するので、大した効果の出ないことが多い。また、その敵の技を敵側へ使うため、例えば氷属性が得意な敵をスケッチすると氷魔法が発動して逆に回復されてしまう場合などもある。
      • とはいえ、どの敵はハズレでどの敵なら有用な技が使えるのか知識があれば、一撃で敵を倒せることもあったりと特定の戦闘で活躍するのは確かである。
  • モグ:おどる(戦闘中の地形(洞窟、砂漠、雪原など)をダンスで変化させ、その地形の種類に応じた4つの技がランダムで発動)
    • 現在の地形とは異なる地形に変化させようとすると50%の確率で失敗(転倒)して不発になる欠点があり、さらに一度踊り出すと戦闘不能にならない限りオート操作でずっと同じ踊りを続けるため、柔軟な対応は難しくなってしまう。
    • 技の種類によっては戦闘が大きく楽になることもあるが、発動はランダム(同じ確率ではなく発動しやすい技・しにくい技の設定はある)ゆえ確実性に欠けるのであまりアテにはできない。
      • また、ボス相手では即死・状態異常・割合ダメージ技などは発動しても効かないことも多い。道中のザコ戦で、失敗の恐れがない現在と同じ地形の踊りを使うならばMP消費もなく結構便利ではあるが。
      • コマンド入力できなくなるが、逆に入力しなくていいとも言えるため、行動の機会そのものは増える*9。また仲間の行動入力中も勝手に動いてくれる点が、むしろメリットとなる場面もそれなりにはある。発動する技がランダムなだけに、期待した形では働いてくれないことも多いが。
      • 地形変更で転びやすいという性質上、平地対応の「風のラプソディ」や洞窟対応の「闇のレクイエム」等は同じ地形に出会いやすく安心して使える反面、水場対応の「水のハーモニー」等ほとんど存在しないレアな地形の踊りは実用性が低くなってしまっている。
  • ガウ:あばれる(獣が原で遭遇したモンスターの特殊攻撃又は、通常攻撃をオートで発動)
    • モンスターが登場順でも50音順でも効果の系統順でもない、メチャクチャな順番でリストに登録され、ソート機能もカーソル位置の記憶も無いので非常に使い難い。
      • 尚、「データは設定されているものの覚える事自体ができないモンスター」が3体、「飛び込んでも覚えられないモンスター」が2体存在する。
    • どの技が使えるのか事前に確認できず、そのモンスターと無関係のものも多い。更に、一度選択すると以降はオートで勝手に戦い続けるため、戦略変更に柔軟に対応できない癖の強さから、初心者には敬遠されやすい。
      • それでも、通常の4倍威力の「ネコキック」、効きさえすればラスボスすらほぼ封殺できる「誘惑」「愛の宣告」など有用な特技は多いため、重要なモンスターの名前を覚えて使いこなすと結構頼りになる。強力な攻撃が無い時(序盤~中盤等)は勿論、特定のモンスターの特技は最終盤でも通用する。
      • ただし該当の特技を優先的に使ってくれるわけではなく、ただの通常攻撃が高確率で混じってくるため、結局のところ使い勝手はあまりよくない。
      • モグの「おどる」と同様、コマンド入力しなくてよくなる点がむしろメリットになる面もなくはない。こちらは「各モンスター固有の特技一つ」と「通常攻撃」のみを行うため、モグと比べて柔軟性に欠けるが安定性は高い。
      • その他、ガウが暴れると「そのモンスターの体質をそのまま再現する」という特性があり、例えば混乱耐性を持つモンスターなら混乱しない等になるため、把握して有効に使うことも出来なくもない。もちろん、アンデッドやスリップなどデメリットの特性を持つモンスターも多いため注意が必要。
    • ガウは「たたかう」コマンドを持っておらず、通常攻撃をしたいだけでも「あばれる」必要がある、という点もかなりのネック。
    • また、敵陣営のために仲間にはならないがイベントで操作する機会があり専用の特殊コマンドまで持っているキャラクターがおり、彼の特殊コマンド技はかなり派手にもかかわらず、本来はそのイベントでしか見る事ができないのだが、ある特定のモンスターを「あばれる」すると何故か彼の特殊技を再現する事ができ、一部のファンにとっても重宝されている。
  • カイエン:必殺剣(待機時間の後、剣技で攻撃。高位の技ほど発動させるための待機時間が長く必要になる(最大15秒ほど))
    • 待機時間中は他キャラのコマンド入力ができない上に、敵は普通に攻撃してくるので下位の技以外は使いづらい。
      • ただし、下位の技でも十分に強力であるため、下位の技のみ使う分にはむしろ使い易い方である。こと初期習得している最初の技に関しては、待ち時間そのものがほぼゼロ*10でしかも意外に強い。マッシュの必殺技同様、敵のターゲット指定ができないという欠点はあるが。
      • 問題は、戦力として期待できる序盤に限って上記のロックが固定メンバー入りする事が多いため、パーティ入りする機会に乏しい事であると言える。そしてパーティ編成の自由度が上がる頃には上記の通り使い難さが目立つ事となってしまう。
    • マッシュの「必殺技」の完全下位互換に近いというのが最大のネックか。
  • 有用性の高い運用方法
    • リルム:高い魔力、素早さを生かしてソウルオブサマサで連続魔
    • モグ:槍+飛竜の角で連続ジャンプダメージ
    • ガウ:ラスボスにすら効く「誘惑」「愛の宣告」
    • カイエン:クイック後の高レベル必殺剣
  • 魔石レベルアップボーナスと最強やり込みの相性の悪さ
    • 本作では、レベルアップしてもHP・MP以外の素のステータスが一切成長しない(ダメージ計算にレベル数値が関わるので、実質的には大きく成長する)。
      • 魔石を装備してレベルアップすることで、その魔石のボーナスとして「力」「魔力」などのステータスが増える形式になっている。
      • 使用しなくとも普通にプレイする分に支障はない難易度に調整されてはいるが、やり込みを助長する要素でもあるため不評点としても挙げられる事がある。
    • 更に、本作には仲間キャラの加入時・再加入時のレベル補正*11が存在するのだが、補正によりレベルが上がった分には当然魔石ボーナスは適用されない。
      また、本作では全滅した場合は全滅時レベルを維持したまま再開するという特殊なリトライ仕様が設けられているのだが、直近のセーブ時点以降に獲得した魔石ボーナスはなかったことになるため能力が下がってしまう。
    • これにより、本作で理論上最強育成を目指す場合には、魔石が一通り手元に揃うまである程度の低レベルクリアを強いられる。
      • 「素早さ」を上昇させる魔石は一種類しかなく、しかも隠しイベントを進めると変化して手元から無くなってしまう。
  • シナリオの前後半での極端さ
    • 前半はストーリーやイベントが目白押しな反面『FF』としては自由度が低く、逆に世界崩壊後はどのダンジョンにどう挑もうが全く自由という屈指の自由度を誇る反面、前半のような重厚なイベントの数は激減する。簡単に言うと「ドラマチックなストーリーは前半に、魔石や装備による自由な強化カスタマイズ要素は後半に集中」という形で、極端すぎる嫌いがある。
      前半と後半、どちらも楽しめるか、それともどちらかに物足りなさを感じてしまうかはプレイヤーによるだろう。
      • 崩壊後でも各キャラの掘り下げの様なイベントは用意されているが全てのキャラに用意されている訳ではなく、どちらかといえば「仲間・装備・魔石を集めてラスボス打倒に向けて戦力強化に勤しむ」というゲーム的側面が強い。

問題点

  • ATBゲージの仕様変更による素早さの価値低下
    • 演出中もATBゲージが溜まり続ける仕様になったため、演出中にゲージが満タンになる事もあり前二作と比べて素早さの重要性がやや低下した。
    • ただし、本作では一部の行動を除いて演出がそこまで長く無いため『VII』や『IX』と比べればこの傾向は軽微なものである
    • また、この事象を軽減する小技も存在する*12ため、さほど大きな問題ではない。
  • パラメータ「体力」がほぼ無価値
    • パラメータの「体力」はほぼ死に数値となっている。影響こそ複数あれ、数値的に実感できるほどのものではない。
      そのため、体力の魔石ボーナスは完全な地雷と化しており、本作の最大の特徴でもある自由なパラメータカスタマイズの幅を狭めている。
      • 「リジェネのHP回復量」と「即死系状態異常や敵のグラビデ系の素の効きやすさ」しか影響してくれない。しかも前者は回復量上限のせいで頭打ち、後者も例え体力を完全に上げても防げず誤差レベル。
      • ちなみにこの仕様は移植でも全く変わっていない。
  • 一部のダンジョンの構造が複雑で迷いやすい。
    • グラフィックのクオリティが高いが故に細かすぎる部分もあり、ドアやスイッチの存在がわかりにくい町・ダンジョンがある。
      • 物語の最初の舞台、炭坑都市ナルシェが立体的な構造と複数ある炭坑ダンジョンのせいで再訪時の全体の把握に手間取りやすい。
      • 分岐シナリオの都合および設定上*13、序盤の町・サウスフィガロがダンジョンのような複雑な構造になっている。
      • ゲーム終盤の任意挑戦ダンジョンの「夢のダンジョン」は一度入ったらクリアまで出られない上、4人パーティで挑戦不可、ループ構造、ダンジョン最後のボスに特殊な攻略が必要、と初見では厳しい内容になっている。
  • 召喚魔法の使い勝手や存在感の低下
    • 本作では幻獣がクローズアップされており、数自体が増加しているが、その影響なのか、「戦闘中に仕える召喚魔法は装備中の魔石に対応した1種のみかつ1回しか使えない」という制限が存在するため、過去作ほど有用ではない。
    • また、「魔石は幻獣が死んだときに魔力を凝縮して残す」という設定上、大半の幻獣は既に死んで魔石となっており、魔石になる前の段階でストーリーに関わってくるものはごくわずかしない、と、過去作と比べて存在感はあまり大きくない。
  • コロシアムの仕様
    • コロシアムはアイテムを賭けてキャラ1名にバトルをさせる施設で、「勝利すれば賭けたよりも豪華なアイテムを得られる」というサブイベントとなっている。
    • しかし、売り文句の通り強力なアイテムに変化する例もある一方で、非売品が店売品に変わるなど明らかにランクダウンする例や、賞品のクオリティが対戦相手の強さに見合っていない例も多い。
      • そのうえ、賞品の事前確認はできず、対戦前のキャンセルができない。
    • そして最大の問題は、このバトルが操作不能の強制オートバトルで博打性が高いうえ、そのオートバトルが果てしなくおバカな事である。
      • 「魔力の低いキャラが攻撃魔法を放つ」「攻撃力の低いキャラが打撃を放つ」など非効率な攻撃をするならまだマシな方で、アンデッドに「デス」など逆効果となる行動や、「テレポ」による戦闘離脱、挙句の果てには他の味方がいないのに自らの命を捨てて味方を回復しようとする自殺など、笑いを通り越して呆れるレベルの行動も珍しくない。
        //多くのプレイヤーは試合中「頼むから余計なことせず普通に攻撃してくれ」と願っていただろう。
    • 戦術や某有名RPGのようなAI戦闘というわけではなく、要するに単なるランダムな行動であり、実質分の悪い運試しである。
    • そのため、やりこまずに攻略しようとすれば、全キャラの中で唯一全てのコマンドを自由に入れ替え可能で行動を制御しやすいものまね師・ゴゴを出場させるしかなく、攻略の幅が広いとは言えなかった。
      • 一方、本作は上述の通りラスボスが弱めのため、魔石で強化したキャラクターの実力を試す絶好の場所であるとも考えられる。
        特に、大多数の汎用アイテムをエリクサーに変換できる相手「テュポーン」や「ジークフリード」は、ラスボスを倒せる程度の実力では到底勝つことができない強さを誇る。
  • 登場人物関連
    • 物語前半では重要人物であったバナンやジュンといったキャラクター達が、途中から唐突に姿を消し、特に言及もないままそれっきり忘れ去られてしまう。*14
    • シナリオ担当者が複数いるのか、違和感を覚えるセリフ回しが見られる箇所がある。
      + ネタバレ
    • シナリオ最序盤でティナが戦闘中に魔法を使うとロックとエドガーが驚くイベントが発生するのだが、2人はティナと初めて面会した時点で既に彼女が魔導の力を持っていることを知っているにも拘らず、「ままままままままま魔法!?」とこれでもかと言わんばかりに大仰な驚き方をする。
      • 詳細なイベントの流れとしては、ロックはこれまでティナが使っていた不思議な力を「魔法」だとは認識しておらず、異常に驚くエドガーに言われて初めて「あれが魔法!?」と知って驚くという流れ。しかし、最初のエドガーの驚き方があまりにも大げさであるため印象に残りやすい。
      • 魔法が使われるところそのものを目にするのが初めてだと解釈するにしてもあまりにも大仰すぎて、印象的なイベントではあるが違和感は強い。
    • また、大三角島の西の山におけるオルトロス戦でリルムが乱入した際の会話イベントでも、ティナがリルムを泣かせるなとオルトロスをしかりつける時のセリフについて、やたらとお姉さんぶったような口調で怒るため「なんだかキャラが変わってるように感じる」という声も。
    • 本作からパーティーのメンバーを自由に組めるようになったが、キャラ14人分の台詞パターンを用意しきれなかったのか、終盤のイベントは、パーティーにいるメンバーの構成に応じてセリフが変化することがほとんどなくなり、誰がパーティメンバーであっても一律で同じ台詞が表示されるケースが多くなってしまった。
      • そのため、1人パーティや初対面のはずのキャラで「再会」した際に「みんな…生きていたのね。会いたかった。」と返されたり、その場に喋り方が特徴的なキャラしかいないはずなのに普通の口調で喋っていたり…と、不自然な展開になりうる場面が散見される。
    • せっかく数多くプレイヤーキャラがいるのに、終盤のイベントではそれぞれの個性に即した言動が乏しく、やや没個性化してしまっているのは残念なところ。
      • 共通の台詞は男性キャラクターを想定したかの様な喋り方が多いのだが、崩壊後はシナリオの都合上女性であるセリスが先頭になる機会がやや多く、女性が男性口調で喋っているかのような状況が多発しやすくなってしまっている*15
      • また、ラスボス戦前の会話では、ほぼパーティの代表者一名のみがラスボスと会話するのだが、その代表者はパーティから外さない限りティナが最優先される。14名性能的にもティナが14名中の控え2名に入る確率は限りなく低いため、ほぼ確実にティナが男性キャラクターの喋り方でラスボスと会話する状況が起こる事になってしまい、キャラクターの性格的にも上述のセリスよりも遥かに違和感が大きい。
    • 『V』に登場したギルガメッシュを彷彿とさせるキャラクター・ジークフリードに関するイベントが少ない。正体はなんなのか、なぜ偽物が居るのかなどは不明のままである。
      • ファンの間では容量あるいは納期の関係か、製作途中でコメディリリーフをオルトロスというキャラに一括することにしたのが原因ではないかと噂されている。
  • その他
    • 魔法「トルネド」は、覚えにくい割に使い道の無い魔法となっている。
      • 敵味方全てを瀕死状態にするという触れ込みだが、割合ダメージ耐性がある敵には効かないほか、素の命中率も低く、ダメージ自体も最大で9999までしか与えられない。敵の為にあるような魔法である。
    • アクセサリ「ガントレット」を装備すると、「両手持ち」が可能になる。1本の武器を両手で持って攻撃力を倍にするという触れ込みで、確かに攻撃力の数値自体は2倍になるのだが、ダメージ計算式の都合上で敵の防御力等も加味するとダメージまで2倍になるわけではなく、実際に与えられるダメージはせいぜい1.1~1.5倍程度である。
      • 似たアクセサリとして武器を2本持つ「二刀流」が可能になる「源氏の小手」があるが、そちらは2回攻撃でダメージがしっかりと実質2倍となるため、ガントレットの方は武器が1本で済むとは言え明らかに見劣りしてしまう。しかも両手持ちは不可能な武器も存在するのに対し、二刀流はどんな武器でも可能である。
      • 仮に強い武器が1本しか無くても、ガントレットで強い武器を両手持ちして少し強化するより、源氏の小手で強い武器と弱い武器を2本持った方がダメージ効率的には遥かに良い。
      • ただし、本作のガントレットは道中で最大3個しか手に入らない個数限定品である。そのため、実用性よりはコレクションアイテムとして見るべきかもしれない。

バグ

シリーズの伝統か、本作もバグが多い。

+ 長すぎるので格納

やはりというべきか有利なバグが複数存在し、ユーザーからは公然の裏技のような扱いを受けていることも多々あり、しかも意図的に発生させなければゲームの進行にも支障をきたさないものがほとんど。
ただしバグはバグなので、PS版では一部、GBA版では殆どが修正されている。

特に知名度の高いものは以下の通り。(詳細解説として一部「ファイナルファンタジー用語辞典 Wiki」へのリンクを貼っています)

  • 通称:バニシュ・デス(GBA版にて修正) (詳細)
    • 魔法「バニシュ」によって「透明」状態になっている間は、物理攻撃の回避率が100%になる代わりに、魔法が100%命中するようになる。これ自体は正しい仕様なのだが、ボスなどの「 即死魔法が当たらない(=命中率が0%)ように設定されている敵にも当たるようになってしまう 」というのが問題。
    • なお「デスの命中率が0%になっている」のと「デス自体が元々無効」なのは別で、アンデッドモンスターやラスボスなど、後者に該当する敵はバニシュをかけてもデスは効かないが、一部に限られる。
    • 「デジョン」等の別の即死魔法や「カッパー」等の状態変化魔法、「トルネド」「グラビデ」等の割合ダメージ魔法にも全て同様の現象が起こるが、石化魔法の「ブレイク」のみ処理が異なるので確実性が無い。後述。
    • ステータス異常系の攻撃は、内部的には「耐性持ち相手には当たらない」タイプのものと「耐性持ち相手には当たっても効果が出ない」タイプのものに分かれているらしい。このバグの影響を受けるのは前者のタイプの魔法で、後者のタイプの魔法は透明状態の相手に当てても普通に耐性で防がれてしまう。
    • 一部の攻略本にも堂々と書かれている。
  • 通称:機械装備(PS版にて一部修正、GBA版にて完全修正)*16 (詳細)
    • 右手や頭などの武器防具の装備欄に、アイテムのカテゴリをも無視して何でも無理やり装備させてしまえる 」と言うバグ技。本来は機械に限った技ではないのだが、機械を装備するやり方が有名であるため「機械装備」という通称がある。
    • 例えばロックの頭に何か変なものを装備させたい場合、ロックが装備できる頭装備を全て処分する、他キャラに装備させる等して「さいきょうコマンドを実行しても何も装備されない状態」にする*17
      その状態で、装備させたいアイテムをアイテム欄の一番右下に置いて「さいきょう」コマンドをすると、装備の可不可どころかアイテムが何カテゴリであるかも無視して該当場所に装備される。
    • 本来装備できない武器を持たせる他、「げんじのこて」無しで二刀流する、「しゅりけん」などの消耗品型武器を消耗せずに使う、アクセサリの3個目を装備する等の様々な使い道があるが、一番有名なのは防具としてエドガーの機械を装備させる事だろう。中でもさらに「ドリル」装備が有名で、これ1つで防御力が191・魔法防御力に至っては255と最大値までプラスされるため*18、他の部分の装備と併せて物防・魔防の両方が255に到達すれば、ほぼ全ての攻撃が1ダメージしか食らわなくなる。
  • なお武器ですら無いものを武器として装備させて攻撃すると流石にバグる事がある。最悪の場合セーブデータが破壊される。
    • 『DFF』には、このバグをモチーフとしたそのものズバリなアビリティ「機械装備」が登場している。このアビリティをセットすると様々な防具が装備可能になる。
  • 回避率バグ(GBA版にて修正) (詳細)
    • FF6には物理攻撃に対する「回避率」と魔法攻撃に対する「魔法回避率」のステータスがそれぞれ存在するのだが、 物理攻撃の回避も魔法攻撃の回避も、両方とも魔法回避率で判定してしまっている という設定ミスがある。
      • つまり、 物理の「回避率」は完全な死にステータス。 専用のアクセサリもあるのに…。
    • 「素早く動くため攻撃が当たりにくい」とゲーム中で語られ、命中率アップのアクセサリを付けるよう助言までされる特定地域のモンスターは、魔法回避率が0%になっているせいで攻撃を回避する事が全くなく矛盾してしまっている。
    • さらに、一番の問題は「魔法回避率に一点特化した防具が複数存在する」こと。
    • この「かいひりつ」パラメータは128に達すると実際の回避率が100%に到達するため、魔法回避率が異様に高いがそれ以外は微妙、と言う防具シリーズを集中的に装備する事で、物理も魔法も何でも全部回避してしまう無敵キャラが誕生する。上述のドリル装備は割合ダメージ等は防げないため頼りきりにするとたまに死ぬが、こちらは本当にほぼ何でも回避してしまう*19
    • なおこのバグを利用して「魔法回避率を128にすること」は、現在では『Vコーディー』という通称がある。
      由来となる『ストリートファイターZERO3』はFF6よりもずっと後のゲームだが、FF6の発売当初は「物理回避率が機能しておらず魔法回避率に兼ねられてしまっている」と言うバグ自体は知られていたものの、「128まで上げると回避率100%になる」事までは知られておらず、ドリル装備のインパクトに負けていた事もあってバグ自体があまり有名ではなかった。
      後のやり込みプレイ研究において128まで上げると100%回避できることまで判明したため、FF6よりも後のゲームから通称が取られている。
  • 世界崩壊時に仲間の装備が全て剥がされてアイテム欄に置かれるが、誰も装備していない筈のブーメランとバックラーがアイテム欄に増えている。
    • この不可解なブーメランの存在は最序盤のティナ防衛時にズモモグが装備していたものが剥がされている。実害は無いので、ありがたく使わせて頂こう。

ここまでプレイヤーにとって有利なバグを載せたが、プレイヤーにとって不利なバグもある。

  • ダメージのオーバーフロー(GBA版にて修正)
    • 本作ではダメージは9999でカンストするが内部的にはそれ以上の計算が行われており、補正を省いた基本ダメージが65535を超えた場合、ダメージがオーバーフローを起こし、与えられるダメージが極端に低くなる。尚、基本ダメージが65535を超えない状態で補正を適用した結果ダメージが65535を超えた場合はオーバーフローは起こらない。可能性があるのはアルテマ・メルトンの2つの魔法。
    • このバグは、普通にプレイしても遭遇する可能性が高い。というのも、魔石装備によるレベルアップボーナスがゲーム画面でも明記されており、魔力を意図的に強化できるため。ただし、魔力の限界値は155であり*20、アルテマは140以上、メルトンは153以上で発生するため、前者はともかく、後者は遭遇する事は滅多に無い。
    • とはいえ、メテオのダメージがカンストした時点でメテオ以外の攻撃魔法を使うメリットはほぼ無く、メテオはダメージが足りずオーバーフローしないため実害はほとんど無いと言ってよい。
    • 雑誌ゲームラボに、この事例を問い合わせをしたユーザーがスクウェア側から「魔力を上げ過ぎないようにして下さい」と流されたという逸話が掲載されていた。
  • インターセプター消失(スマホ版で修正)
    • 味方の1人・シャドウが敵の青魔法「波紋」を食らうと、(愛犬・インターセプターの、実質的には自身の)反撃能力を失ってしまう。それもその戦闘だけに限らず、以降の戦闘でも永久的にである。また、アクセサリ「天使の羽根」を装備しただけでも、同じ事が起きてしまう(外しても取り返しが付かない)*21。後者は普通にプレイしても遭遇する可能性が高い。
  • 一時的に仲間になるキャラクターがパーティから離脱する際に、他のキャラクターを全員戦闘不能にするかパーティから外すと、離脱後に全滅状態で歩けたりフリーズしたりする。
    • 前者はコロシアムなどで比較的簡単に起こりうるが、メニューを開いて回復すれば良いだけなのでそこまで問題ではない。後者は発生状況がかなり限定されており、意図的に行わない限りはまず起こらないだろう。
  • セリスとゴゴの魔封剣にもバグがある。属性攻撃を半減・無効・吸収できる防具を装備している際、その属性の魔法を魔封剣で防ぐと効果が反転するため、MPを正常に吸収できなくなる。
    • 特に吸収できる属性の魔法を防ぐと、自分がMPにダメージを受けてしまう。
  • 装備して一定回数戦えば呪いが解ける「血塗られた盾」について、ゴゴが装備して戦った場合は戦闘回数がカウントされないバグがある。
  • 石化攻撃は即死の属性を持っており、石化と即死の両方の耐性を持たない敵にしか通用しない*22
  • ダンジョン「封魔壁への洞窟」「アウザーの屋敷」の特定の宝箱は、開けた時のメッセージと実際に入手するアイテムが異なる。(GBA版にて修正)
    • たとえばメッセージ表示が「2000ギル」や「ハイポーション」等なのに対し、実際に手に入るのは「293ギル」や「ポーション」等の格下のアイテム。攻略本でもメッセージ表示の方と同じ誤植がされている。
      ただしギルや市販の消耗品アイテムだけだったため、当時はほとんど気付かれることはなかった。
      • GBA版ではメッセージ表示の方が実際の中身と同じものに修正された。そのため、当初は「GBA版で宝箱の中身がグレードダウンした」と勘違いされることもあった。
  • その他のバグ
    • 後半から前半のフィールドへ戻れるバグ(PS版にて修正) (詳細)
      • ゲーム中盤で訪れる「オペラ劇場」のイベントで出現する固定出現モンスターを倒さず残しておき、ゲーム後半で再訪してその敵と戦い全滅すると、フィールドマップだけがゲーム前半~中盤の状態に戻ってしまうというもの。
      • このバグを使うことで崩壊前しか覚えられない水のハーモニーの修得や、崩壊前のマップに一時的に戻ることなどもできるが、オペラ劇場に再び入るとハマってしまう、パーティーメンバーが消えてしまうことがあるなど、場合によっては正常に進行できなくなることも。
  • あばれるバグ
    • ガウに武器「アルテマウェポン」を装備させた状態*23で、モンスター「ガード」を「あばれる」し、「クリティカル」という技を出すとバグがスタート。
  • ガウが画面中を飛び回ったり、画面下のウィンドウの中身がスロットのごとく回転しだしたり、ガウがアルテマウェポンとも違う謎の武器を取り出して怪音と共に殴りかかったりするなど、摩訶不思議な状態に陥る。そしてほとんどの場合、そのままフリーズし、場合によってはセーブデータごと消える。 文字通りに危険なバグであり、怖いもの見たさにサブデータで試す以外にはお勧めできない
  • モグタン将軍(スマートフォン版で一部修正) (詳細)
    • 物語の序盤、ロックによる「サウスフィガロ」潜入時のイベントで、セリス将軍を救出せず町の右側の出口を塞いでいる兵士をバグですり抜けると*24、メモリ上で同じキャラクター枠を使用している「モグタン」が「セリス」に更新されなくなる。容姿や名前だけではなく装備品やコマンドまでモーグリのままになってしまう。
    • モグタンは最序盤の一時加入キャラクターであるため当然ながら弱い。このバグはSFC版発売から実に12年越し、GBA版発売直前の2006年頃に見つかったため、PS版やGBA版でも修正されていない。流石にその後のスマートフォン版ではすり抜けバグは修正されているが、「モグタン将軍」自体は後述の飛空艇バグで実現可能。
  • 飛空艇バグ (詳細)
    • 最後にセーブした地点から飛空艇に乗った状態で再開するバグ。海外で2011年頃に新たに見つかった、実に16年越しのバグ。日本では2013年半ば頃に話題になり、当然、各種リメイク版でも修正されておらず、スマートフォン版やPC版でも確認されている。
    • その実体は、一度魔大陸へ乗り込んだ後に途中で脱出し、そのまま飛空艇で飛行してから再び直接魔大陸に戻り、そこで全滅すると最後にセーブした地点から飛空艇に乗った状態で再開する*25と、最後にセーブした地点が本来飛空艇が使えない時期である場合、その時期に一時的ではあるが飛空艇が使えることになるため、様々なイベントを飛ばすことができるというもの。
    • 応用することで、仲間になるはずのキャラが仲間にならない、レオ将軍など一時加入キャラが最後まで使える、上記のようなモグタン将軍やその他のモーグリを連れ回せる、等々。当然だが正常なシナリオから外れた操作となるため、ゲームの進行不能がいくらでも有り得る。
  • フルアーマーモグッチ
    • 上記飛空艇バグを使いエドガーを命名せずに進むと、崩壊後のフィガロ城で本来エドガーを仲間にするシーンでゲストモーグリである「モグッチ」が仲間に加わることになり、この際にボス直前のためモグッチ(本来はエドガー)に「さいきょう」基準で装備を施されるが、ゲストモーグリは装備品の制限が一切ない(あらゆる武具を装備できる)設定のため、「さいきょう」で装備できるものなら唯一装備を施せる。
  • カイエン暴走(スマートフォン版で一部修正)(詳細
    • バトル中にカイエンを戦闘不能・石化・ゾンビ状態のいずれかから回復させ、必殺剣「空」待機状態にさせる。
    • すると、空の発動条件がおかしくなり、戦闘中のあらゆる行動に対してカウンターを発動させるようになる。
    • さらに空待機状態のカイエンをカッパにさせることで カイエン暴走カッパモード と呼ばれるバグが発生。
    • カッパ状態だと必殺剣空が発動できずに通常攻撃でカウンターを行うが、上記の暴走状態により自身の通常攻撃にカウンターするという状況になり、 敵が全滅するまで通常攻撃を繰り返す。
      この際に敵が透明だったりダメージを受け付けない状態だとハマリになってしまう。
      なお、スマホ版では前述のあらゆるカウンター状態までは行えるのだが、カッパ無限攻撃については修正されている。
  • 52回全滅バグ(GBA版で修正)
    • フィールド上で52回連続で全滅を繰り返すことにより、様々な不可解の現象が引き起こる。2015年半ば頃に発見され、有志の研究によりエンディングを呼び出すことも可能
    • GBA版以降はエンカウントの仕様が変更されたことによりこのバグも自然と消滅している。
  • タイマーバグ
    • 不可視の物を含む、イベント用のタイマーが進むフレームと同時に、イベント発生マスを踏んだ場合、「タイマーが進む」というイベント優先され、本来のイベントが発生しない。
    • SFC版では一部イベント用タイマー発生中にセーブした場合、別のデータのセーブ画面で、そのデータを覗いただけでタイマーが別のデータにも受け継がれるという仕様がある。
    • また、テント使用時は「別のマップのテント使用イベントマスにワープする」という仕様、そしてそのマップ内に「魔大陸浮上イベントマスが存在する」という二点とタイマーバグを組み合わせることで、利用場所は限定されるが「テントを使用して、魔大陸浮上イベントを引き起こす」という荒業が可能になった。

また、特定操作をして「ラストダンジョンのボスをスキップする」というバグテクニックも判明した。


総評

優れたサウンドや圧倒的なビジュアル、壮大なシナリオ等演出面ではSFC作品の中でも最高峰クラス。
にもかかわらず、後半はシリーズ屈指の攻略自由度とやり込み要素を兼ね揃えており、従来のFFシリーズお馴染みの要素はより強化されている。

また、前作から順当に進化したインターフェース、戦闘やメニュー画面の操作性・分かりやすさは当時のRPGでは最高と言って差し支え無いもので、今後も続く進化に開発陣の強い意欲が窺える。

その一方で、終盤は4桁ダメージが飛び交うインフレしたバランスや難易度を低くしてしまう裏技やバグ要素の多さなど、詰めの甘さを批判する人も少なくないが、インフレダメージは戦闘テンポの良さと相まってシリーズ随一の爽快感に一役買っており、バグについても通常のプレイで進行までも途絶させるようなものに遭遇する事はそうそう無い。
様々な縛りプレイや究極プレイも研究されているため、RPG初心者から上級者まで十分オススメできる作品と言えるだろう。


移植版

移植版の独自要素については各項目を参照。

海外版

  • 海外ではSNES(海外SFC)版が『Final Fantasy III』として発売されており、続編がいきなりPSで『VII』として出たこともあって混乱を招いた。
    • 当時ナンバリングFFは、NES(海外FC)の初代『FF』と、SNESの『FFII(※日本のFFIVの事)』しか出ていなかった。
    • その後、PSやGBAなどで過去作品が移植された際に、順次日本版と同じ番号へ統一されていった。
    • 本来の(つまり日本のFCで発売された)III(のリメイク)が海外で出るのはSNES版『III(VI)』発売から12年以上後の事*26であり、その間海外ではIII=VIという誤解もあったらしい。
      + 詳細
    • 海外版の方が規制が厳しいらしく、台詞や酒場の看板が描き換えられていたり、一部女性型モンスターと幻獣のグラフィックが修正されていたりする。
      • たとえば日本版で「行け! 殺せ!」は英語版では「Go! GET THEM!(行け! 捕えろ!)」となっている。
      • 海外SNESでの初期出荷バージョンのみ、透明状態の敵に使う等でリルムのスケッチが失敗すると、画面表示が異常になり最悪データが喪失するというバグが存在した(参考動画)。
        • 海外移植時のミスらしく、あまりに致命的だったため後期出荷やその後のPS・GBA版では当然ながら修正されている。
        • ただしスケッチバグそのものは後に他の手順で日本版や海外後期版、PS版等でも起こせることが判明している。ただしこちらは複雑な手順が必要なため意図的にやろうとしない限りは起こらない。
      • シャドウをキングベヒーモスから救出後の台詞で、新台詞が挿入されるようである。
      • また国内未発売の『Secret of Evermore(無理やり邦題にすると聖剣伝説USA)』に『VI』のキャラがこっそり登場していたりする。
        • 画像はこちら。分かりづらいが画面上部の観客席のような暗い部分の右上に、左からロック、モグ、リルム、ストラゴス、ティナ、ウーマロがいる。
      • その他、海外ではSteam経由でWindows版も配信されていた。内容はスマートフォン版準拠の移植。
        • 日本の公式ストアからは残念ながら購入できない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)。当然ながら日本語表示にも対応していない。
        • ただし、非公式ではあるものの本作だけは簡単なファイル書き換えで日本語表示に対応させることが可能になっている(詳しい手順は省略)。海外の外部ストア等でSteamキーを購入した場合も登録制限が一切掛かっていないため、入手さえ出来れば日本で普通にプレイ可能。
        • ピクセルリマスター版配信に伴い、こちらの配信は終了となった。

余談

  • 公式には「14人全員が主人公」とされる本作だが、強いて言えば誰がメインの主人公か」といった見解については様々な意見がある。
    以下の3名がメインキャラクターとして挙げられやすい。
    • 【ティナ】:パッケージに大きく描かれており、OPから登場し、前半のストーリーにおいて重要な立場を占め、後半で仲間にしなかった場合もEDでも必ず合流して最後の取りを務める。『DFF』等にも本作代表として参戦した。
      • ちなみにタイトルロゴにも魔導アーマーに乗ったティナが描かれているが、これをしてティナが主人公とする捉え方に対しては、『IV』のカインの例などからの反論もある。
    • 【ロック】:メインの男性キャラの中では最初に登場し、最も主人公らしい(いわゆる王道的ストーリーに近い見地)。発売当初の雑誌記事で「主人公」として紹介されたこともある。序盤でロックがティナを助ける流れが、「襲われている女の子を青年が助ける」という、前作『V』の主人公バッツ&ヒロインのレナによく似た状況。男性プレイヤーが感情移入しやすいということもあってか、ロックが主人公のつもりでプレイする者も少なくない。この場合、ティナ(やセリス)はあくまでヒロインと言われることもある。
    • 【セリス】:前半のストーリーでも見せ場が多く、後半のストーリーはセリスの視点から始まる。また、上記2名が後半以降は任意加入キャラなのに対し、彼女はゲームクリアに必須加入のキャラである(ティナは加入させなくても、エンディングに出演する)
    • ストーリーの重要度から、前半の主人公はティナで後半の主人公はセリスという見解もある。
  • キャラクターにはそれぞれ固有の必殺技が用意されており(ガウとウーマロには無い)、瀕死状態で通常攻撃を行った際に低確率(1/16)で発動する。*27
    • しかし、あまりにも確率が低い上、必殺技の存在自体が隠し要素的な扱いだったため、リアルタイムのプレイで実際に必殺技を見た人は少なかったようだ。
      • このゲームで通常攻撃を行う頻度自体ストーリーを進めるにつれ減りがちで、ましてや瀕死時に通常攻撃をする機会は少ないという理由もある。
    • これは野村哲也氏の考案によるもので、これが次作『VII』におけるリミットブレイク技へと発展した。
  • 従来通り、「敵とのバトルで全滅」「HPが無くなり戦闘不能」といった、RPGにおけるゲームオーバー条件を踏襲しているのだが……。
    • オペラ劇場での演劇イベントを4回失敗」すると、「一行には芝居の才能がなかった…」という、なんとも取って付けたような珍妙な理由でゲームオーバーになる。
  • 攻略情報の誤り
    • 大半の攻略本・サイトでは「万能薬は混乱・睡眠に効果がある」と書かれているが、実際には効果がない。
  • 今作以降、バハムートは最強の召喚獣の座を明け渡すことになる。
    • 前作ではシルドラに総合性能で負けていたりしていたが、今作ではまだ最強の召喚獣が覚える魔法を含めて敵も味方も消し飛ばす問題児なので、まともに使える中では最高だった。
  • 本作におけるデフォルメちびキャラ絵は、これまでにデザインを担当してきた渋谷氏に代わり、一部のモンスターデザイン・グラフィック制作で参加していた野村哲也がデザイン・原画を担当した。ゲーム内のキャラクターのドット絵もそちらに合わせてデザインされている。
    • V以前のチビキャラと比べて頭身が3.5頭身ほどに大きくなり、Vまでのエアブラシ風の塗りのタッチからカラー漫画風のタッチの塗りになっている。絵柄的にはFF7発売当時のデフォルメタッチの強い公式絵に近い。当時、発売されていたカードダスの絵柄も氏が手がけている。
  • それまでの作品のモーグリは縦長の目だったが、本作から横糸目(またはつり目)となり以後のモーグリのデザインモデルとなっている。
    • 『III』が初出で『聖剣伝説』『半熟英雄』『V』『聖剣伝説2』とずっと縦目だった。
    • 『チョコボシリーズ』や『キングダム ハーツシリーズ』のモーグリも横糸目となり、現在でもほとんどのモーグリが本作のデザインを基にしている。
    • ただし、『VI』の公式デフォルメ絵では楕円の縦目で瞳のハイライトが入った水色の目に描かれている。本作以降でも完全に糸目に統一されているわけではなく、『聖剣伝説3』『VII』『VIII』『X』など例外あり。
  • 当時TVCMが放映されており、実写と合成で渋谷のスクランブル交差点に魔導アーマーに乗ったティナが現れるというインパクトのある演出だった。なお、音楽はボーカル入りの歴代FFメインテーマが流れていた(CMの映像)。
  • 本作発売に伴って発刊された『Vジャンプ』の緊急増刊号(1994年5月5日号)で、巻頭に付いていたとじ込み付録『幻獣&魔石カード』でラクシュミで発動する召喚魔法「みわくのほうよう」が「みわくのほのお」と誤記されていた。
    • その隣がフェニックス(召喚魔法「てんせいのほのお」)なので、これとごっちゃにしたと思われる。
    • この増刊号は本作の特集がメインだが、過去5作品も併せて特集されていた。
  • FF6学会
    • 上記の通り非常にバグが多いことが本作の特徴でもあるのだが、バグの組み合わせがさらなるバグを呼び起こし、思いもよらぬ結果を生み出すことからRTAプレイヤーを中心に今でもプレイするユーザーが多い。
    • 2018年になっても新たなバグが発見され、RTAや低レベル攻略などが日々更新され続けている。参照1参照2
  • 本作後半以降で物語のキーとなる大ボス「三闘神」は本作では「魔神」「鬼神」「女神」などと抽象的な名前でしか呼ばれないのだが、野村哲也氏による原画に添えられたメモ書きには仮の名前が設定されていた。
    • 魔神はセフィロス(Sefilos)、鬼神はザウァヴァン(Zurvan)、女神はソフィア(Sophia)とされている。奇しくも魔神は次回作『VII』のラスボスと同名である。
    • 後の『XIV』では設定を一新して三闘神が再登場しており、そちらでは正式名称が定められている。
      • 魔神は「セフィロト」*28、鬼神は「ズルワーン」、女神は「ソフィア」。いずれも設定段階の名前が再利用されている。
    • ちなみに海外版では宗教上の関係で女神(Goddess)以外は変更されており、魔神は「Doom」、鬼神は「Poltrgeist」になっている。「破滅」と言った意味を持つ「ドゥーム」はともかく、何故「ポルターガイスト」なのか…。
      • 辞書では「鬼神」は「見えない恐ろしい力を持つもの」や「死者の霊」などとも記されているので、そのまま訳してしまったものと思われる。
      • あんまりだと思われたのか、GBA版では直訳の「Demon」に変更されている。また、魔神も「Fiend」と直訳化されている。
    • 古代城に出現する「サタン」は、なんとFF6に本来登場しない「Goblin(ゴブリン)」に変更されている。こちらも宗教上の関係かもしれないが、今度は終盤の敵にしては弱そうな名前となってしまった。
      • 流石に格下げしすぎたためか、GBA版では間を取って「Devil(悪魔)」になった。

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最終更新:2024年02月28日 00:09

*1 異端児とされる『II』でも、ストーリーや設定への関わりは薄いものの一応登場はしていた。

*2 ひとつのシナリオ内において、複数のパーティに分かれて展開されるシナリオをプレイヤーが任意に選択するというマルチ要素はある

*3 そのうち2名は加入が完全に任意であり、ゲームの最後まで1度もパーティに加えなくてもよい隠し要素的なキャラである。

*4 ナンバリング16作品が出た2024年現在においても、フィールド兼キャラテーマはとなっているのは、本作のティナのみ

*5 機械の攻撃はエドガーの武器攻撃力に関係なく、使用する機械そのものに設定された攻撃力でダメージを与えるため、エドガーは攻撃面で武器に頼る必要がほとんどない。

*6 FF6では戦闘中のコマンド表示を「短縮」にした場合、ここでコマンド場所を入れ替えるとその後コマンド表示を「ウインドウ」にした時も反映される。

*7 よく使う機械をアイテム欄の上にソートしておけば戦闘中のコマンド画面での並びも変わる。

*8 既に持っている場合に追加で買おうとすると「1つで充分だよ!」と断られる。

*9 先述の通り、コマンド入力の際のタイムラグは意外と馬鹿にならない。

*10 待機時間はゼロで発動できるが、ゲージが開きボタンを押して止める分のラグは発生する。

*11 メンバー間のレベル差をできるだけ減らすため、再加入時には自動的に加入中の仲間の平均レベルを元にレベルが上昇するシステム

*12 演出中に魔法やアイテムウインドウを開くと、その間はATBゲージが溜まらなくなる。そのため、味方行動の演出中や味方のゲージがMAXの時のみウインドウを開くと、有利にゲージを溜めることができる

*13 フィガロ国の城下町で防衛拠点。

*14 エドガーの「危ないところだった」の会話から帝国に暗殺されたとも考えられるが、バナンの名前が直接出ない。

*15 ただしセリスは元帝国将軍という設定の、初回加入当初には強硬な態度もみられた人物であり、一般に「男性的」ととれる喋り方を割り当てられてもそこまで強い違和感が出るわけではない

*16 PS版では機械やアイテムは装備できなくなっているが、本来装備できない武器・防具を無理矢理装備させることができる

*17 さいきょうコマンドで何も出てこなければいいので、「いばらのかんむり」等、元々さいきょうコマンドで選ばれる事のない装備は装備できても持っていてOK

*18 「ドリル」を強制装備させると、ドリルに設定されている物理攻撃力191・命中率255という数値を装備品データとして読み込んでしまい、物理防御力191・魔法防御力255の超強力防具と化す。

*19 「はさみうち」による背後からの攻撃や、回避率無視の必中攻撃を除く。

*20 リルム或いはストラゴスの魔力を魔石で強化できる限界である128まで強化した上で、ウィザードロッド×2、さんかくぼうし、ベヒーモスーツ、げんじのこて、バリアリングを装備させる事で実現可能。

*21 世界崩壊前なら、崩壊後の再加入時に反撃能力は復活する。しかし崩壊後に装備するとアウト。

*22 バニシュを掛けた場合も石化判定→透明解除→即死判定という2重の手順をわざわざ踏むためか、例え耐性の無い敵に対してバニシュ→ブレイクを掛けたとしても確実には石化できない可能性がある。

*23 ガウはアルテマウェポンを装備できないので、アクセサリ「くんしょう」が別途必要

*24 メニュー画面を閉じる際の暗転時のみすり抜けられる。

*25 途中で着陸してはいけない。

*26 SNES版『III(VI)』の発売日は1994年10月11日、北米でのDS版『III』の発売日は2006年11月14日。

*27 戦闘開始からすぐの時間は出ないという説がある。

*28 セフィロスの名前の元ネタであるセフィロトの樹が由来で、キャラ自体がセフィロトの樹をモチーフとしている。