本項ではスーパーファミコン版『第3次スーパーロボット大戦』について解説する。
プレイステーション移植版は『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』を参照。


第3次スーパーロボット大戦

【だいさんじすーぱーろぼっとたいせん】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
発売日 1993年7月23日
定価 9,800円(税別)
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
判定 良作
スーパーロボット大戦シリーズ



地上最大の、ドラマチックシミュレーション。



概要

『スーパーロボット大戦』シリーズの3作目にあたり、スパロボの基礎を築いた『第2次』からストーリーの繋がる続編である。
前大戦でビアン博士の危惧した通り、後にインスペクターと称される異星人による地球侵攻が勃発、それにDC残党も交えた三つ巴の戦いを描いている。

+ 参戦作品一覧

★マークは新規参戦作品。

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー(主人公の剣鉄也は本作が初出演)
  • UFOロボ グレンダイザー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 機動戦士ガンダム
  • ★MSV*1
  • ★機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  • ★機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
  • 機動戦士Zガンダム
  • ★Z-MSV(機体のみの参戦であり、ディジェSE-Rが該当。)
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • ★無敵鋼人ダイターン3
  • ★超電磁ロボ コン・バトラーV
  • ★勇者ライディーン
  • バンプレストオリジナル

システムの変更・追加点

後のスパロボで基本となるシステムの礎の多くがこの『第3次』で生み出される。

  • 複雑化した武器のパラメータ
    • 前作では地形適応、射程、威力しかパラメータがなかったが、今作で消費EN、弾数、必要気力等現在で使用されているパラメーターのほとんどが追加され、より武器の特徴が出るようになった。
  • パワーアップという概念の登場
    • 前作のショップは廃止されたが、資金を使ってユニットの「HP」「EN」「装甲」「限界反応」を伸ばすことが出来る様になった。「改造」というスパロボの基本システムの先駆けである。
  • 気力というパラメータの登場
    • パイロットのステータスとして「気力」が追加された。100が基本値で上限は200、気力を100で割った倍率が攻撃力と防御力に掛かる、またスーパーロボットの武器は気力が一定値以上でないと使用できないものが多い。
      シナリオ開始時は100で攻撃を命中させたり、逆にダメージを受けると+1、敵を撃墜すると+5、戦艦での補給や補給コマンドを受けると-5されていく。
    • このシステムによって「同じ機体でも搭乗者のテンションで能力が上がる」、「最初は通常武器で牽制して終盤は必殺武器でトドメ」と言う様なロボットバトルの描写を再現する事に成功している。
      • 敵側にも再現されているので「いきなり最強武器を乱発されて全滅」と言う様な理不尽な展開を防ぐ役割もある。
  • 精神コマンド体系の整理
    • 「気合」,「熱血」,「必中」,「閃き」,「加速」,「ド根性」,「幸運」,「補給」等現在まで通じる精神コマンドに近いラインナップが出揃い、また効果も現在のそれに近いものに整理された。
  • ダメージ計算
    • 武器の攻撃力+パイロットの攻撃力というシンプルなものであり、パイロットのレベルアップによって攻撃力が増大していく。この為、威力の低いバルカンでもパイロット次第で十分なダメージを与える。
      基本的に攻撃力はスーパー系が高く、ガンダム系が低い。
      • ガンダム系の中ではジュドー、コウの攻撃力が比較的高い。
  • その他
    • パイロットを入れ替える「のりかえ」ができるようになった。同シリーズの機体(UCガンダムシリーズやマジンガーシリーズなど)であれば乗り換えが可能。
    • 一部のユニットを破棄することができるようになった。破棄した場合はそのユニットに設定された分の資金が手に入る。
    • 前作の再攻撃に代わり、パイロットが特定のLvに達すると2回行動が可能になった。敵にも設定されているので終盤の敵はほぼ全員が2回行動してくる。

評価点

  • グンと広がった参戦カテゴリ
    • 前作はオリジナルのサイバスター以外では「UFOロボグレンダイザー」の新規参戦はあったもののあくまでも「マジンガーZ」の姉妹作でガンダム・マジンガー・ゲッターの3シリーズ縛りは変わらなかったが、本作でコンバトラーVやダイターン3などそれまでの3シリーズから離れた作品も続々参戦してよりバリエーションが賑やかになった。
  • グラフィック・演出
    • プラットフォームがスーパーファミコンに移り、ROM容量の増大に伴い戦闘シーンの背景、ロボットの動きに見られる様にビジュアル面は大幅に進化。
    • ゲッターロボやコン・バトラーVの合体デモも拡大縮小機能をフルに使ったことで迫力満点になりファンを沸かせた。
    • 他にライディーンのゴッドバードなど小さいながらも初めてカットイン演出が入ったのは特筆点である。
    • BGMもSFCになってよりパワーアップ。版権・オリジナル共に良曲が多く、プレイヤーの気分を高めてくれる。
      • 前作ではタイトルBGMと同じ曲だったサイバスターは、本作から正式なテーマソングになり、後には「熱風!疾風!サイバスター」と曲名や歌詞も付いた。
      • 特に物語の最終盤で流れる「THE LAST JUDGMENT」「ARMAGEDDON」などは評価が高く、後のシリーズでもアレンジを施されて採用され続けていることが多い。
  • シナリオ・ボリューム
    • DC戦争後ザビ家が総帥となり、再組織化されたDC残党とロンドベルの争いの最中、地球侵攻を目論む異星人が争いに加わり三者三様の思惑が交錯する重厚な物語。
    • ロンドベルはどちらと手を組んでどちらと戦うかをプレイヤーの選択肢で選び、大まかに3つの分岐に分かれるマルチシナリオシステム。分岐をひっくるめると全62話というボリュームの多さ。
    • 近年では大体共通ルートから部隊を分けて、いずれかのルートを通り、共通ルートに戻るシンプルな分岐パターンがおなじみだが、本作ではルート選択のほか、特定シナリオの通過や経過ターン数を条件にするなど分岐点やパターンが豊富で複雑になっている。
    • 前作では顔見せ程度の出番だったバンプレオリジナルの魔装機神もシナリオに食い込み、マサキとシュウの決着が描かれた。またヒロインのリューネが初登場(ただし加入は条件付き)した。
  • 隠し要素
    • キャラ・スーンやアナベル・ガトーなどといった、原作では敵対していたパイロットを加入させることが可能。二者択一となっているが、ゲーマルクやノイエ・ジールなどの強力な機体と共に参入するうえに、パイロット本人の能力も高い。
    • セシリーや胡蝶鬼など、前作では期間限定のキャラも加入し、最後まで使えるようになった。さらに、シャアの専用機であるサザビーも、味方機として使用できる。ただし、シャアはクワトロとしての参入になるため、乗り換える必要はある。
  • 厳し目でやり応えのあるゲームバランス
    • 基本的に「敵寄りのゲームバランス」であり味方ユニットの性能に比べて敵のスペックは圧倒的に高い。単なる雑魚敵でも性能的に上であり、有名なパイロットの乗るユニットとなるとHP、火力、射程、運動性あらゆる面でズバ抜けている。
      • 前半では敵パイロット、ユニットがいきなり強化される「うわさの破嵐万丈」、「宇宙へ」が有名な山場であり、終盤は高命中率を誇るファンネル持ちやボス級のMAを大量に投入してくるシナリオが目白押しである。
      • 中でも中盤から登場する四天王は驚異的なスペックと共に専用曲「Violent Battle」が恐怖感を醸し出している。
    • プレイヤーはその様な状況で敵の次ターンにおける行動や射程を読み、有効な精神コマンドを駆使すれば必ず突破出来る絶妙なバランスであり、ステージを乗り越えた時の達成感もそなわっている。
      • 打開に大きな助けになるのが気力上限が200でこちらが敵を倒しても敵側の気力に影響がない事、高い威力と攻撃範囲を誇るうえ、無属性なためビーム吸収などで防がれることが無いMAP兵器、高命中率・射程を誇るファンネル搭載機、「補給装置」が使えるユニットや桜野マリなど、精神コマンドで「補給」を行うことが出来るパイロットである。
+ 更に、隠し面とそこに待ち受ける伝説的なユニット
  • 最終面の次の面である「ラグナロク」の存在
    • 今作では表向きの最終面である「ラスト・バトル」までの総ターン数が419以内でクリア時にグランゾンを出撃させていると、味方のグランゾンがネオ・グランゾンになって敵として立ちはだかる。
      • SFC版は普通にプレイしていれば条件を満たすのは容易。コンプリートボックスでは条件がやや厳しくなった。
    • 敵はネオ・グランゾン及びヴァルシオンが2体。圧倒的なのは1600を誇る装甲、高いHP、縮退砲、MAP兵器のビッグバンウェーブであり、また多数の敵相手に気力を稼ぐという定石も使えない中如何にして高い気力を確保するかが問題になる。
      • 今なお、スパロボシリーズでも最強クラスのボスと謡われており、古参からのスパロボファンの間ではカリスマ的存在である。とはいえ、気力が110になるまでは最大射程が3という弱点を持つため、この穴を利用すれば倒すのは難しくない。
      • 以降のシリーズ作品でも、隠し要素としてネオ・グランゾンと戦うことが可能。さらに、EXでは自軍の構成が第3次より心もとなく、第4次は自軍にとって不利になる要素が加わるなど、本作以上に苦戦する要素となっている。

賛否両論点

  • サブパイロットの仕様
    • 本作のサブパイロットは精神コマンドを行使できないが、唯一、ゲッターロボのみ変形することで3人分の精神を使用可能、これによりゲッターがゲームを通してズバ抜けて強力なエース的存在である。
      • 次作『EX』からは他のサブパイロットも精神コマンドを使用可能になった。
    • メインとサブのレベルに差がある場合、メインパイロットのレベルでサブパイロットの入手経験値も計算されてしまう。
      • この影響、というより恩恵を受けるのはまたしてもゲッターロボ。シナリオ後半でゲッターGに乗り換える際、弁慶が低レベルで加入するのだが、その時点での敵とのレベル差が相当あるため、弁慶をメインにして敵を倒すと既に高レベルの竜馬と隼人にも莫大な経験値が入ってしまう(通称「弁慶ブースト」)。結果、弁慶のレベルが他のパイロットに追いつく頃には竜馬と隼人は他の追随を許さないレベルになってしまい、上記の3人分の精神コマンドと合わせ、ゲッターロボ1強といってもいい状況が出来上がる。
      • このメインとサブのレベル差を利用した無茶なレベルアップはスーパーガンダム(mk-II+Gディフェンサー)とグレンダイザー(グレンダイザー+各種スペイザー)でも可能。メインが乗り換え出来ないグレンダイザーはともかく、スーパーガンダムはガンダム系パイロットなら乗り換えを駆使すれば相当高レベルパイロットを量産可能。問題はGディフェンサーが入手し辛い点。
      • 当時の攻略本等で過度に騒がれたためか、次回作以降ではこの仕様は無くなる(入手経験値はパイロットごとに個別となる)。
  • 精神コマンドの幸運のコスパが高すぎる
    • 経験値と獲得資金両方が2倍になるのに、わずか20ポイントしか消費しない。本作の精神コマンドの消費ポイントは全体的に高めに設定されており、幸運だけが異常に消費が低く、乱用できてしまう。これを習得するだけでスタメン候補に名が上がるほど。
      • 後の作品では、消費ポイントを上げられたり、効果が資金のみに弱体化されるなど調整されている。
    • 基本的には、戦闘能力が低めのキャラが習得することが多いが、強いキャラの中にも習得できるものがいるのが問題。その代表格はやはりここでもゲッターロボ。
      • 以降の作品も、ゲッターロボが幸運を覚えるのはお約束となった。

問題点

  • オートでの反撃について
    • 敵に攻撃された時は後のシリーズの様な反撃命令が無く、大まかな「命令」に沿ってAIが反撃、防御(受けるダメージ半減)、回避(被弾確率を半減)を選択する。
      • AIの選択は大層アバウトで防御が一定値に達していないユニットは大抵回避を選択する。たとえ、回避を選択しても敵の攻撃が100%命中する状況でも。
      • 最大の難点がブライト+戦艦で、後述の通り改造できないにもかかわらず、装甲が低いのでほぼ回避を選択してしまう。
    • 反撃する時もとにかく威力と命中率の大きい武器を選ぶので、ENを大量に消費する武器でも平気で浪費する。
    • またHPが規定値でないと範囲外からの攻撃でも反撃を選択してしまうため、余計なダメージを受けてしまうことも。
    • 次作『EX』ではAIの防御、回避の選び方の面で改善し、『第4次』からは敵に攻撃された時逐次反撃命令が出せる様になった。
  • 武器の属性がわからない
    • どの武器がビーム属性か判別しにくい。今作では~ビームと名のつくものは全てビームだと思った方が良い
      • 『EX』以降は属性がわかるマークが付き、判別しやすくなった。
  • 命中率が表示された時にキャンセルができない
    • 命中回避に不安が残っていてもそのまま攻撃するしかない。あらかじめ予測を立てながら事前に精神コマンドを使っていく必要がある。うっかり操作ミスをした場合は悲惨なことに。
  • 改造について
    • マジンガーZ、GP01は、ゲーム中にパワーアップが行われるが、実際は「別ユニットに交換」という扱いになっている為、ユニット改造は初期化される
      • 同時に「パワーアップ前の最後の登場シナリオ」では、その機体が破壊されても修理費を取られないというメリットも一応あるが、活用は難しいだろう。
    • また、複数回パワーアップする影響なのか、戦艦を改造することが一切できない。HPこそ増えているが、限界や装甲が異常に低く、武器の命中補正も低いため、終盤は精神コマンド「必中」を使わなければまともに命中させられなくなる。
    • 次作以降では、これらの中途強化ユニット以外でも、ゲッターロボなど、強制的に乗り換えて前の機体が破棄されるユニットは改造が引き継がれる仕様になった。
  • 新規参戦作の扱い
    • 『0083』は主役機であるはずのGP01がなぜか条件付き入手。ゲーム序盤で地球に帰還するのが遅れるとコウがネモに乗ってトリントン基地を防衛する展開になるが、ニナが乗っているミデアを守りきらないと入手できない
      • 主人公コウよりもむしろ敵であるガトーのほうがイベントが豊富で優遇されている。ガトーは原作では一貫して敵であるにもかかわらず、ガンダムパイロットであるためか本作含めシリーズでは仲間になることも多い。
    • 『0080』では主役級のバーニィが初登場で沖縄のビーチでロンド・ベルの女性をナンパするというとんでもない性格改変がなされている。さらに同じく主役級でヒロインのクリスがそれでバーニィが気になる存在になるという無理矢理カップリングのトンデモ展開になる。
      • 後の作品ではこのチャラさは影を潜めるものの、今度は搭乗機を揶揄した「ザクマニア」として散々ネタにされることになる。本来の真面目な性格はいったいどこへ…?
    • コン・バトラーVとライディーンは、原作再現イベントは初登場のマップだけで済まされている。敵のガルーダ将軍はパッケージイラストにも出ているのだが。
      • 本作は、複数のユニットが合体するとメインパイロットの精神しか使用できないため、コン・バトラーのサブパイロットたちの出番がほとんどない。
      • また、コン・バトラーVは最も武器の種類が多いものの弾数が1発しかなかったり射程が中途半端な物が多く性能的にもいまひとつ。中でも最強武器である「超電磁スピン」の消費ENが200と異様に高く、ENを改造すれば威力+400で続けて3回撃てるダイターン3の「サンアタック」に完全にお株を奪われてしまっている。
      • ライディーンは地形適応の関係で宇宙では今一つ性能を発揮できない事に加え、パイロットの洸が熱血を覚えないのでスーパー系にしては些かパンチ力に欠ける。ただ遠距離武装である「ゴッドゴーガン」が射程も弾数もそこそこなので、雑魚~中堅クラスの機体掃討に向いている。
    • ダイターン3に至っては敵勢力が誰1人登場せず、「いるだけ参戦」となっている。一応、終盤はルート次第でオリジナルキャラとのイベントがある。
      • ただダイターン3は後のシリーズでも敵であるメガノイドが登場しないことが多い。主人公の万丈自体はストーリーに多く絡むので空気にはならないが。
    • 初出演となったグレートマジンガーの剣鉄也と炎ジュンも、原作再現イベントは皆無の「いるだけ参戦」。
      • また、能力は高いが何故か宇宙での適正が低い為、後半は宇宙戦がメインになることもあってマリアやひかるにパイロットの座を奪われてしまうことも。EXではこれがネタにされている。
      • また、空を飛んでいるくせにブレストバーンの空適応が低いなどの謎仕様がある。
      • なお前作は甲児がマジンガーZから乗り換えだったため登場できなかったことに批判が多かったからか、鉄也加入時の会話で「前回、鉄也さんが出てこないせいで、オレにもんくいうやつが、いっぱいいたんだぜ。オレだって(原作でも)一度はグレートにのったことあるのによ!!」と自虐ネタにされた。
  • その他
    • グレンダイザーと合体できるドリルスペイザーとマリンスペイザーは、登場が遅い上、入手直後に舞台が宇宙になる。ドリルスぺイザーは地中に潜れるのでルート次第では月面で奇襲をかけたり敵の動きを制御するのに使えるが、マリンスぺイザーはほぼ使い道がない。
    • 前作で味方だったミネルバXが敵として量産されて登場する。しかも甲児はあっさり説得を諦める
    • 前作で敵だったはずのクェスとレコアが何食わぬ顔をして味方として登場する。さらにレコアはルート分岐次第では後半に裏切ってしまう。この点は『第2次G』やPS版でフォローが入った。
    • 続編の第4次ほどではないが、リュウ・ホセイ、ハヤト・コバヤシ、セイラ・マスなど、断りもなく強制離脱するパイロットがいる。
      • スレッガー・ロウもルート&条件次第で原作再現の戦死イベントにより離脱する。更に付け加えるとこのスレッガー戦死イベントを起こしてシナリオクリアしても艦長であるブライトの台詞にはスレッガーのスの字もない。もう1人の戦死者であるムサシが死亡(こちらは強制で戦死する)した場合は残念そうな発言をするのに対し、この扱いの差は何なのか…。
      • 裏ボス出現条件を満たすと、当然シュウも離脱する。
    • ファンネル系の攻撃に回避モーションがない。
      • 被弾時はビームが当たった痕跡が機体に表示→全てのファンネルが攻撃後爆発という流れなのだがビームの跡がかなり小さく、回避時も攻撃対象側が全く動かないためヒットかミスかがパッと見ではわかりづらくなってしまっている。
      • ドーベンウルフのインコムに至ってはこの被弾演出すらない。
    • 前作で使用されていたグレンダイザーのBGM「とべ!グレンダイザー」が削除された。
    • 一度の戦闘で獲得できる資金の上限が65000とかなり少ない。そのため、終盤はマップ兵器で敵を多く巻き込むと損をする事態が発生する*2
  • バグ
    • シナリオ「シーサイドパニック」と「女スパイ潜入」など、開始時の出撃ユニットに制限があるマップで、残りのメンバーが出撃可能になるターンになる前にクリアすると、初期出撃ユニット以外のメンバーが消失するというとんでもないバグが発生する。
      • この他にも、登場前にクリアすると仲間にならないパイロットやユニットがいる。ただしこちらは、いずれも加入しなければストーリーが成立しないようなキャラではないので、仕様の可能性もある。

総評

多くの面において今のスパロボシリーズの礎を作り上げたともいえる作品であり、ビジュアル面での「キャラゲー」「魅せゲー」としての地位を確立した功績は大きい。
同時に、初心者お断りではない絶妙かつやりごたえのあるゲームバランスと、簡便なクイックセーブ+いわゆる全滅プレイ(による自主的な難易度コントロール)の完備は、原型たるウォー・シミュレーションのコア性のくびきからシミュレーションRPGを脱却させる節目にもなった。 更にシナリオの分岐等で何度でも楽しめる様に初心者~上級者の多数の配慮も見せた名作。
ライトユーザーでも高難度のゲームをプレイしてみる事を勧めたりできる事、そしてコンプリートボックス版や『F』の準備運動用にプレイする事にも適した1作である。


余談

  • 本作からオリジナル主人公が登場する案もあったが、阪田氏の作業量が増大するため没になった。
    • なお『EX』のインタビューでは、『第3次』の主人公は、マジンガー、ゲッター、ガンダムと答えている。
    • 次作『EX』ではマサキ・リューネ・シュウがそれぞれ主人公であるストーリーとなり、『第4次』からはプレイヤーの分身である主人公が登場するようになった。
    • 『第4次』では企画時点からオリジナル主人公8人を決定事項としていたため8人分の作業量でもスケジュールがなんとかなったとのこと。
      • なお、この経緯のためか主人公は第3次大戦を経験したという描写がされている。
  • 本作は『第2次』の続編だが、開発に関しては先にウィンキーソフトが関わった『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』を下敷きとしている。
    • そのためマサキがサイバスターの説明をする際「確かヒーロー戦記で…」と言う台詞があったり、一部ではヒーロー戦記のBGMが使われている。また敵モビルアーマーのグラフィックは『ヒーロー戦記』からの流用となっている。
  • 『コン・バトラーV』に登場したゲストメカであるガルガンチュワが、なぜか『ライディーン』のコープランダー隊用の乗機として登場する。
    • 更にパンタグリュエルなる後継機まで登場。原作では「ガルガンチュワ2世を世界最強のロボットにしてくれ」というセリフが登場しただけで、開発されていないどころか名前さえ未登場だった。『F』のマジンカイザーや『V』のマジンエンペラーGに先駆けて登場した、自軍側の実質半オリジナルユニットと言える。
      • 敵ユニットを含めれば、ダイナミック企画に無許可で作った逸話が有名なギルギルガンのスパロボオリジナル進化形態・メカギルギルガンが『第2次』で先んじている。
  • 『ZZ』の敵であるイリア*3や、『ライディーン』のプリンス・シャーキンの肌の色が原作とは異なっており、同じ開発元による『第4次』『』にも受け継がれている。何かの規制だろうか?
    • 一方で『コン・バトラーV』のガルーダは原作同様青い肌である。彼は宇宙人(に似せて作られたロボット)だからOKなのだろうか。
    • 同じく『ライディーン』の敵キャラ・ドローメは、原作と違い紫色ではなく薄緑色で、『第4次』『新』でも変わらず。恐らく『聖戦士ダンバイン』に登場する「ドロ」と混同されたと思われる。やはり単なる原作の資料不足だろうか?
  • 『機動戦士ガンダム』第1話に登場した敵パイロットのデニム、ジーン、スレンダーが、本作の第1面で揃って登場するが、戦闘開始前に撤退してしまう為、戦う事はできない。
    • この3人のうち、デニムとジーンは後にルート次第で再登場するが、スレンダーだけはそれっきり登場せず、まったく戦う事ができない
      • 彼は、スパロボ旧シリーズでは本作のみの登場であり、後の『コンプリートボックス』版でもわざわざボイス収録が行われたというのに扱いは同じという謎の処遇を受けている。
  • パッケージではガルーダ・暗黒大将軍・シャーキンと共にサザビーがさも敵の幹部のように描かれているが、実際には味方専用の隠しユニットであり敵としては登場しない。
    • 因みに他の3人も出番は各1面のみ。特に暗黒大将軍はルート次第では出会う事なく終わる。
  • クェス専用ヤクトドーガが登場するが、クェスが隠しキャラ扱いのためか、なぜかプルツー加入時に入手でき、プルツーが「あたしのヤクトドーガだよ」と発言する。
    • もっとも、この台詞は「これにはあたしが乗る」という趣旨の発言であり、(原作における)元々の所有者が自分であるという発言ではないためそこまで違和感はない。
  • 発売当初は売り上げが低迷しており、本作でシリーズが打ち切られる可能性もあった。だが、ゲーム誌が大々的に取り上げたことなどから売り上げが伸び、シリーズの存続が決定した。

リメイク

  • 1999年にプレイステーションで『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』として『第2次』『EX』と共にリメイク。詳細は別項参照。
    • システムは『F』基準だが、ゲームバランスはさらに悪化してしまっている。
    • 同年に獲得資金増の調整を施した単品版も発売された。2011年にはゲームアーカイブスでも配信。

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最終更新:2024年04月03日 11:10
添付ファイル

*1 機体のみの参戦であり、ガルマ専用ザクIIが該当。

*2 幸運を使ってクィン・マンサを撃墜すると48000の資金を獲得できるので、二機巻き込むだけで損をする。

*3 本当は髪の色はピンク、肌も褐色に近い。「CGを参考にした場面が悪い」という説あり。ちなみにイリアが原作通りの外見になるのは2000年発売の『α』まで待つことになる。